JP4077257B2 - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、カーカスを構成するプライのうち、少なくとも1枚のプライは、その折り返し端がカーカス本体部とベルトとの間に位置するハイターンアッププライである、いわゆるエンベロープ構造のカーカスを有し、サイドウォール部の耐外傷性および操縦性能に優れた空気入りラジアルタイヤに関するものであり、特にかかるタイヤにおいて生じやすかった側方陸部での偏摩耗を抑制する。
【0002】
【従来の技術】
空気入りラジアルタイヤのサイドウォール部の耐外傷性を向上するため、サイドウォール部にスチール、アラミド繊維、ポリエステルまたはナイロン等からなるコードで構成した補強層を配設した構造が知られている。しかし、かかる構造を有するタイヤは、補強層を付加的に配設するため部材数が増えるとともに、タイヤ重量も増加するため、軽量化や燃費等の点で好ましくない。
【0003】
タイヤ重量の増加を抑えつつ、サイドウォール部の耐外傷性および操縦性能を向上させたタイヤとしては、例えば図6に示すように、トレッド部101からサイドウォール部102を経てビード部103のビードコア104までトロイド状に延びるプライ本体部105と、このプライ本体部105から延びビードコア104の周りにタイヤ幅方向内側から外側に向かって折り返した折返し部106とからなるカーカスプライ107で構成され、かつカーカスプライ107がその折返し端108をプライ本体部105とタイヤ径方向最内側に位置するベルト層109との間に配置したハイターンアッププライである、いわゆるエンベロープ構造のカーカス110を有するタイヤが知られている。すなわち、エンベロープ構造のカーカスを有するタイヤは、タイヤを構成する部材の数を増やすことなく、またタイヤ重量もさほど増加することなく、サイドウォール部の耐外傷性および操縦性能を向上できる点で、前記の補強層を配設したタイヤよりも優れている。
【0004】
しかし、かかるエンベロープ構造のカーカスを有するタイヤでは、カーカスプライ107の折返し部106がトレッド側方部にまで延在するため、タイヤのトータルゲージは、トレッド中央部に比べてトレッド側方部で厚くなり、その結果、通常のタイヤに比べてトレッド側方部の接地圧が高くなる。特に、図6に示すタイヤのように、トレッド部101にタイヤ周方向に沿って延びる側方主溝111と中央主溝112を配設することによって、トレッド接地端と側方主溝111の間に側方陸部113、および側方主溝111と中央主溝112の間に中間陸部114を区画したタイヤの場合、側方陸部113下方のトータルゲージが中間陸部114下方のそれに比べて厚いため、側方陸部113、特には側方陸部113表面のタイヤ幅方向最内縁115の接地圧が高くなり、この部分で偏摩耗を生じやすいという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、この発明の目的は、サイドウォール部の耐外傷性および操縦性能に優れたエンベロープ構造のカーカスを有する場合に顕著に生じる偏摩耗の発生を有効に抑制した空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明は、トレッド部から両サイドウォール部を経て両ビード部の両ビードコア間でトロイド状に延びるプライ本体部と、このプライ本体部から延び前記ビードコアの周りにタイヤ幅方向内側から外側に向かって折り返した折返し部とからなる少なくとも1枚のカーカスプライで構成されるカーカスのクラウン部外周に少なくとも1層のコード層からなるベルトを設け、カーカスを構成するプライのうち、少なくとも1枚のプライは、その折返し端が前記本体部と前記ベルトとの間に位置するハイターンアッププライであり、該トレッド部にタイヤ赤道面の両側に位置し、タイヤ周方向に延びる1対の中央主溝と、該中央主溝とトレッド接地端との間に位置し、タイヤ周方向に沿って延びる1対の側方主溝とを配設することによって、トレッド部を、両中央主溝間の1列の中央陸部と、両側方主溝とそれぞれに隣接する中央主溝間の2列の中間陸部と、両トレッド接地端とそれぞれに隣接する側方主溝間の2列の側方陸部とに区画してなる空気入りラジアルタイヤにおいて、ベルトを構成するコード層のうち最もタイヤ径方向内側に位置する最内コード層の両端縁とハイターンアッププライの折返し端との間をタイヤ幅方向に沿って測定した距離が5mm以上であり、両トレッド接地端とハイターンアッププライの折返し端との間をタイヤ幅方向に沿って測定した距離が、ハイターンアッププライの折返し端と側方陸部表面のタイヤ幅方向最内縁との間をタイヤ幅方向に沿って測定した距離よりも小さく、かつ両側方陸部をタイヤ幅方向に沿って測定した幅が、中間陸部および中央陸部を同様にして測定した幅よりも広いことを特徴とする空気入りラジアルタイヤである。
【0007】
ここで「トレッド接地端」とは、JATMAに規定された静的負荷半径測定条件、すなわちタイヤを適用リムに装着し、空気圧を180kPa(相対圧)とし、最大負荷能力の88%に相当する質量を負荷した条件下において、接地しているトレッド踏面の端部をいう。
【0008】
このタイヤの側方陸部は、タイヤ幅方向に沿って測定したときの幅が、各陸部をタイヤ幅方向に沿って測定した幅を合計したトレッド実接地幅の22〜32%であることが好ましい。ここで「トレッド実接地幅」とは、側方陸部、中間陸部、中央陸部をそれぞれタイヤ幅方向に沿って測定した接地幅を合計したものであり、溝幅は含まない。
【0009】
また、側方陸部、中間陸部、中央陸部をそれぞれタイヤ幅方向に沿って測定した幅が、この順番で広いことが好ましい。
【0010】
さらに、カーカスは、1枚のハイターンアッププライで構成されるか、または1枚のハイターンアッププライと、折返し端が前記ベルトの配設位置よりもタイヤ径方向内側に位置する1枚のローターンアッププライとで構成されることが好ましい。
【0011】
カーカスが1枚のハイターンアッププライと1枚のローターンアッププライとで構成される場合には、ローターンアッププライは、その折返し端がタイヤ断面幅位置よりもタイヤ径方向内側に位置することが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態を説明する。図1は、この発明に従う代表的な空気入りラジアルタイヤのタイヤ幅方向左半断面図である。
【0013】
図1に示す空気入りラジアルタイヤ1(以下「タイヤ」と言う。)は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5までトロイド状に延びるプライ本体部6と、このプライ本体部6から延び前記ビードコア5の周りにタイヤ幅方向内側から外側に向かって折り返した折返し部7とからなる少なくとも1枚、図1では1枚のカーカスプライ8aで構成されるカーカス9、およびカーカス9のクラウン部10外周に少なくとも1層、図1では2層のコード層11a、11bからなるベルト12で補強されたトレッド部2を設け、カーカス8を構成するプライのうち、少なくとも1枚のプライは、その折返し端13aが本体部6とベルト12との間に位置するハイターンアッププライであり、トレッド部2にタイヤ赤道面Sの両側に位置し、タイヤ周方向に延びる1対の中央主溝14と、中央主溝14とトレッド接地端15との間に位置し、タイヤ周方向に沿って延びる1対の側方主溝16とを配設することによって、トレッド部2を、両中央主溝14間の1列の中央陸部17と、側方主溝16とこれに隣接する中央主溝14間の2列の中間陸部18と、トレッド接地端15とこれに隣接する側方主溝16間の2列の側方陸部19とに区画してなる。
【0014】
そして、この発明の構成上の主な特徴は、ベルト12を構成するコード層11a、11bのうち最もタイヤ径方向内側に位置する最内コード層11aの端縁20とハイターンアッププライの折返し端13aとの間をタイヤ幅方向に沿って測定した距離wが5mm以上であり、トレッド接地端15とハイターンアッププライの折返し端13aとの間をタイヤ幅方向に沿って測定した距離wが、ハイターンアッププライの折返し端13aと側方陸部19表面のタイヤ幅方向最内縁21との間をタイヤ幅方向に沿って測定した距離wよりも小さく、かつ側方陸部19をタイヤ幅方向に沿って測定した幅SWが、中間陸部18および中央陸部17を同様にして測定した幅よりも広いことである。
【0015】
以下、この発明が上記構成を採用するに至った経緯を作用とともに説明する。
通常、ラジアルタイヤにおいては、路面に接地したときの接地圧分布は、トレッド中央部に比べてトレッド側方部が高い。さらに、エンベロープ構造のタイヤにおいては、前述のように、トレッド側方部にターンアッププライの折返し部7が延在するため、この部分での接地圧が一層高くなり、偏摩耗が発生しやすい。この偏摩耗を抑制するには、折返し部7と最内コード層11aとの重なりを最小限とすればよいが、ターンアッププライの折返し端13aと最内コード層端縁20とが接近すると、この部分に歪みが集中してセパレーションが発生し、タイヤの故障に至る場合がある。
【0016】
発明者らは、優れた耐外傷性と操縦性を具備するエンベロープ構造のカーカスを有するタイヤについて、偏摩耗と故障発生を抑制するため鋭意研究を重ね、ベルト12を構成するコード層11a、11bのうち最もタイヤ径方向内側に位置する最内コード層11aの端縁20とハイターンアッププライの折返し端13aとの間をタイヤ幅方向に沿って測定した距離wを5mm以上、好ましくは10mm以上とすることで歪みの集中を回避できることを見出した。また、トレッド接地端15とハイターンアッププライの折返し端13aとの間をタイヤ幅方向に沿って測定した距離wを、ハイターンアッププライの折返し端13aと側方陸部19表面のタイヤ幅方向最内縁21との間をタイヤ幅方向に沿って測定した距離wよりも小さくして、折返し端13aと側方陸部19表面のタイヤ幅方向最内縁21とのタイヤ幅方向距離を十分に取ることで、側方陸部19の偏摩耗を抑制することができることを見出した。さらに、側方陸部19をタイヤ幅方向に沿って測定した幅SWを、中間陸部18および中央陸部17を同様にして測定した幅よりも広くすることにより、側方陸部19の剛性が高まり、偏摩耗を抑制できることを見出し、この発明を完成させるに至ったのである。
【0017】
がw以上の場合には、側方陸部19の接地圧が高くなるため、また、側方陸部19をタイヤ幅方向に沿って測定したときの幅SWが、中間陸部18および中央陸部17を同様にして測定した幅以下の場合には、側方陸部19の剛性が低下するため、いずれの場合も側方陸部19の偏摩耗が発生しやすくなるため、好ましくない。
【0018】
また、側方陸部19は、タイヤ幅方向に沿って測定したときの幅SWが、各陸部の接地幅をタイヤ幅方向に沿って測定した幅を合計したトレッド実接地幅の22〜32%であることが好ましい。側方陸部幅SWがトレッド実接地幅の22%未満の場合には、側方陸部19の剛性が不足するため、側方陸部19が中間陸部18に対して段付き摩耗する片落ち摩耗が発生するからであり、32%を超える場合には、トレッド側方部での排水性が著しく低下し、十分なウェット性能が得られなくなるおそれがあるからである。より好ましくは、側方陸部幅SWはトレッド実接地幅の23〜26%である。
【0019】
さらに、側方陸部19、中間陸部18、中央陸部17をそれぞれタイヤ幅方向に沿って測定した幅が、この順番で広いことが好ましい。各陸部17〜19の幅をこのように設定することにより、隣接する陸部間17と18、18と19の剛性段差が少なくなり、トレッド部2を均一に摩擦させやすくなるからである。この際、隣接する陸部の幅の差が大きすぎると、コーナリング時の横力に対する剛性差も大きくなるため、最も幅の狭い中央陸部17が他の陸部18、19に比べて顕著に摩耗しやすい。これを防止する観点からは、中央陸部17の幅に対する中間陸部18の幅を1.1〜1.2の範囲、中間陸部18の幅に対する側方陸部19の幅を1.15〜1.75の範囲に設定することがより好ましい。
【0020】
加えて、前記のような性能に加えて、タイヤの軽量化、コストダウンも同時に求められている場合には、カーカス9は、図1に示すように、1枚のハイターンアッププライで構成されることが好ましい。カーカスを1枚のプライで構成することにより、部材数の減少による軽量化、材料費の削減によるコストダウン、および生産性の向上によるコストダウンが可能となるからである。
【0021】
また、道路環境の悪い地域で使用する場合には、カーカス9は、図2に示すように、1枚のハイターンアッププライ8aと、折返し端13bがベルト12の配設位置よりもタイヤ径方向内側に位置する1枚のローターンアッププライ8bとで構成することが好ましい。かかる道路環境では、石や段差によりサイドウォール部のカーカスコードが切断するおそれがあるが、カーカス9を2枚のプライで構成し、このうち1枚をハイターンアッププライ8aとすれば、サイドウォール部3やバットレスぶに位置するカーカス9が、2枚のプライ本体部6と1枚の折り返し部7の実質3枚となるため、カーカス9のコード切断を有効に抑制することができる。
【0022】
また、この場合、ローターンアッププライ8bは、その折返し端13bがタイヤ断面幅位置22よりもタイヤ径方向内側に位置することが好ましい。ローターンアッププライ8bは、耐カット性には影響を及ぼさないため、タイヤ重量の増加を極力抑えることができるからである。
【0023】
かかる構成は、特に偏平率が50%以下の偏平タイヤに対して適用することが有効である。偏平率の低いタイヤほど、トレッド中央部に比べてトレッド側方部の接地圧が高くなる傾向があるからである。
【0024】
なお、上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
【0025】
例えば、2枚以上のプライでカーカス9を構成する場合には、図3(a)に示すように、全てのプライの折返し端がプライ本体部とベルトの間に位置してもよく、また図3(b)および図3(c)に示すように、一部のプライの折返し端のみがプライ本体部とベルトとの間に位置してもよい。さらに、トレッドパターンがタイヤ赤道面Sを挟んで左右対称であるタイヤだけでなく、図4に示すように、タイヤ赤道面Sを挟んで左右非対称であってもよい。
【0026】
【実施例】
次に、この発明に従う空気入りラジアルタイヤを試作し、性能評価を行ったので、以下に説明する。
【0027】
実施例のタイヤは、図1に示す構造を有し、表1に示す諸元を有する空気入りラジアルタイヤである。
【0028】
比較のため、図6に示す従来のエンベロープ構造のカーカスを有し、前記距離wとwの関係がこの発明の適正範囲外にあり、表1に示す諸元を有する空気入りラジアルタイヤ(従来例)、および図1に示す構造を有するものの、前記距離wとwの関係がこの発明の適正範囲外であり、表1に示す諸元を有する空気入りラジアルタイヤ(比較例)についても試作した。
【0029】
(試験方法)
前記各供試タイヤをJATMAで定める標準リムに組み付けてタイヤ車輪とし、後輪駆動車の前輪に装着し、タイヤ内圧:200kPa、タイヤ荷重:5.0kNの条件下で、一般路を制限速度で3000km走行した後の偏摩耗を測定した。
【0030】
偏摩耗は、図5に示すように、中央陸部17の陸部高さをタイヤ幅方向最外縁位置で測定した値をx、中間陸部18の陸部高さをタイヤ幅方向最内縁位置および最外縁位置で測定した値をyおよびy、ならびに側方陸部19の陸部高さをタイヤ幅方向最内縁位置で測定した値をzとし、下記の式で表される偏摩耗指数Wを左右両タイヤについて求め、これらの平均値で評価した。

y=(y+y)/2
W=z/((x+y)/2)×100
【0031】
ここで偏摩耗指数は、各陸部が均一に摩耗した場合に100となり、この値が大きいほど偏摩耗が少ないことを示す。
【0032】
結果を表1に示す。この評価結果から、実施例のタイヤは、従来例および比較例のタイヤに比べて偏摩耗が抑制されていることが分かる。
【0033】
【表1】
Figure 0004077257
【0034】
【発明の効果】
この発明により、サイドウォール部の耐外傷性および操縦性能を向上させながら、偏摩耗の発生を抑制した空気入りラジアルタイヤを提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に従う空気入りラジアルタイヤの一実施態様の幅方向左半断面図である。
【図2】 この発明に従う空気入りラジアルタイヤの他の実施態様の幅方向左半断面図である。
【図3】 (a)〜(c)は、この発明に従う空気入りラジアルタイヤの種々の実施態様の幅方向左半断面図である。
【図4】 この発明に従う空気入りラジアルタイヤの他の実施態様のトレッド部の幅方向断面図である。
【図5】 偏摩耗指数の評価方法を説明するための図である。
【図6】 従来のエンベロープ構造のカーカスを有する空気入りラジアルタイヤ(従来例)の幅方向左半断面図である。
【符号の説明】
1 タイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 プライ本体部
7 プライ折返し部
8a、8b カーカスプライ
9 カーカス
10 クラウン部
11a、11b コード層
12 ベルト
13a、13b 折返し端
14 中央主溝
15 トレッド接地端
16 側方主溝
17 中央陸部
18 中間陸部
19 側方陸部
20 最内コード層端縁
21 側方陸部のタイヤ幅方向最内縁
22 タイヤ断面幅位置
S タイヤ赤道面

Claims (6)

  1. トレッド部から両サイドウォール部を経て両ビード部の両ビードコア間でトロイド状に延びるプライ本体部と、このプライ本体部から延び前記ビードコアの周りにタイヤ幅方向内側から外側に向かって折り返した折返し部とからなる少なくとも1枚のカーカスプライで構成されるカーカスのクラウン部外周に少なくとも1層のコード層からなるベルトで補強されたトレッド部を設け、カーカスを構成するプライのうち、少なくとも1枚のプライは、その折返し端が前記本体部と前記ベルトとの間に位置するハイターンアッププライであり、該トレッド部にタイヤ赤道面の両側に位置し、タイヤ周方向に延びる1対の中央主溝と、該中央主溝とトレッド接地端との間に位置し、タイヤ周方向に沿って延びる1対の側方主溝とを配設することによって、トレッド部を、両中央主溝間の1列の中央陸部と、両側方主溝とそれぞれに隣接する中央主溝間の2列の中間陸部と、両トレッド接地端とそれぞれに隣接する側方主溝間の2列の側方陸部とに区画してなる空気入りラジアルタイヤにおいて、
    ベルトを構成するコード層のうち最もタイヤ径方向内側に位置する最内コード層の両端縁とハイターンアッププライの折返し端との間をタイヤ幅方向に沿って測定した距離が5mm以上であり、
    両トレッド接地端とハイターンアッププライの折返し端との間をタイヤ幅方向に沿って測定した距離が、ハイターンアッププライの折返し端と側方陸部表面に位置するタイヤ幅方向最内縁との間をタイヤ幅方向に沿って測定した距離よりも小さく、かつ
    両側方陸部をタイヤ幅方向に沿って測定した幅が、中間陸部および中央陸部を同様にして測定した幅よりも広いことを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
  2. 側方陸部は、タイヤ幅方向に沿って測定したときの幅が、各陸部の接地幅をタイヤ幅方向に沿って測定した幅を合計したトレッド実接地幅の22〜32%である請求項1記載の空気入りラジアルタイヤ。
  3. 側方陸部、中間陸部、中央陸部をそれぞれタイヤ幅方向に沿って測定した幅が、この順番で広い請求項1または2記載の空気入りラジアルタイヤ。
  4. 前記カーカスが1枚のハイターンアッププライで構成される請求項1〜3のいずれか1項記載の空気入りラジアルタイヤ。
  5. 前記カーカスが、1枚のハイターンアッププライと、折返し端が前記ベルトの配設位置よりもタイヤ径方向内側に位置する1枚のローターンアッププライとで構成される請求項1〜3のいずれか1項記載の空気入りラジアルタイヤ。
  6. ローターンアッププライは、その折返し端がタイヤ断面幅位置よりもタイヤ径方向内側に位置する請求項5に記載の空気入りラジアルタイヤ。
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