JP4077147B2 - 再生樹脂の製造方法及び再生樹脂 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、再生樹脂の製造方法及び再生樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、廃家電製品の再利用に対する要望が高まっており、これらの廃家電はそれぞれの部品毎にその再利用方法が研究されている。例えば廃冷蔵庫処理においては、断熱材としてウレタン発泡樹脂が使用されており、このウレタン樹脂についてもその再利用が検討されている。
【0003】
ウレタン発泡樹脂のリサイクル方法については古くから様々な方法が報告されており、例えば特公昭42−10634号公報には、モノエタノールアミンで軟質ポリウレタンフォームを分解し、その後、分解生成物から芳香族アミンとモノエタノールアミンを蒸留して分離回収する方法が記載されている。
【0004】
従来廃冷蔵庫のウレタン樹脂を化学的に分解する方法としては、前処理工程としてウレタン樹脂を他の樹脂と完全に分離する方法がとられている。しかし、冷蔵庫のウレタン樹脂は、ABS樹脂(以下ABS)パネルに付着していることから破砕、粉砕工程での完全分離は難しい。また、金属と樹脂の分離及びウレタン樹脂の分離に際しては、完全にウレタン樹脂のみに分離することは困難であり、ウレタン樹脂の冷蔵庫構成要素の金属及び樹脂としてABS樹脂、ポリプロピレン樹脂(以下PP)、ポリスチレン樹脂(以下PS)などが混入する。このためこれらウレタン樹脂以外の樹脂が混入した際のウレタン樹脂の分解、及び再生は非常に困難であり再生された樹脂自体の衝撃強度もウレタン樹脂だけの樹脂塊と比べて劣っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような問題に鑑みて為されたものであり、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂と他の樹脂が混合した廃棄物樹脂から衝撃強度の強い再生樹脂の製造方法及び再生樹脂を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の再生樹脂の製造方法は、熱硬化性樹脂及びその他の樹脂を含む混合樹脂と前記熱硬化性樹脂の分解剤を混合して、前記熱硬化性樹脂を化学的に分解した低分子分解物を含有する流動化物質を形成する分解工程と、前記流動化物質に反応型相溶化剤を添加して前記低分子分解物と前記その他の樹脂を重合させて再生樹脂を形成する重合工程とを有することを特徴とする。
前記熱硬化性樹脂はウレタン樹脂、エポキシ樹脂、及びフェノール樹脂から選ばれる少なくとも1つの樹脂であり、前記その他の樹脂は、ABS樹脂、PP樹脂、PS樹脂、塩化ビニル樹脂、及びポリエチレン樹脂から選ばれる少なくとも1つとすることができる。
前記分解剤は、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2−エチルヘキシルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、n−アミルアミン、イソーブチルアミン、メチルジエチルアミン、シクロヘキシルアミン、ピペラジン、ピペリジン、アニリン、トルイジン、キシリレンジアミン、ベンジルアミン、クロロアニリン、ピリジン、ピコリン、N−メチルモルフォリン、エチルモルフォリン、ピラゾール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4―ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、グリセリン、及びポリエチレングリコールから選ばれる少なくとも1つの化学物質を用いることができる。
前記反応型相溶化剤は、ABSと無水マレイン酸のグラフトポリマー、SBS共重合体、無水マレイン酸化PPグラフトポリマー、カルボン酸化されたポPEグラフトポリマー、無水マレイン酸とスチレンのグラグトポリマー、スチレン−メタクリル酸−無水マレイン酸ランダムコポリマー、及びPP−PAのグラフトポリマーから選ばれる少なくとも1つのポリマーを用いることができる。
本発明の再生樹脂は、熱硬化性樹脂をこの熱硬化性樹脂の分解剤で化学的に分解して形成された低分子分解物と、反応型相溶化剤によって前記低分子分解物に結合された前記熱硬化性樹脂とは異なる他の樹脂とを有することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、ウレタン樹脂と他の樹脂が混合した系でウレタン樹脂を分解剤を用いて化学的に分解する分解方法において、相溶化剤を添加することを骨子とする。従って、ウレタン樹脂及びウレタン樹脂の分解剤による分解物と他の樹脂が相溶化剤により、ウレタン樹脂及びウレタン樹脂の分解剤による分解物と他の樹脂との界面エネルギーを低下させ、安定な相溶系を形成させるため、均一に分散し、再び成形加工品とした場合に、欠陥のない性能の安定した再生樹脂が得られる。
(熱硬化性樹脂)
ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等を挙げることができる。これらの樹脂を一種類で再生樹脂の原料として使用することができるが、複数の樹脂を混合して原料として使用することもできる。この場合、ウレタン樹脂を50重量%以上の主成分としてその他にエポキシ樹脂やフェノール樹脂を混合することが、再生樹脂の強度の経時安定性を得る点から望ましい。
【0008】
また、ウレタン樹脂はこのなかでも、ウレタン結合、尿素結合などを持つウレタン樹脂でも良く、例えば、軟質ウレタン、硬質ウレタン、半硬質ウレタン、ウレタンエラストマーなどを望ましい樹脂として挙げることができる。これらは、すべて処理装置に投入しやすい形状に粉砕することが望ましい。粉砕粒子のサイズは粒子の長軸長が平均で0.1mm〜3mmが混練物を作る点から望ましい。
さらに、本発明のウレタン樹脂と分解剤は、別々に反応機に投入することもあるが、それぞれ個別に反応機に投入するよりも、予め分解剤をウレタン樹脂に含浸させ、ウレタン樹脂をある程度膨潤させた状態で反応機に投入することが好ましい。このような前処理を行うことでウレタン樹脂の混練工程をより速やかに行うことが可能になる。さらに、ウレタン樹脂は比較的静電気が発生しやすい材料であるため、予め膨潤させておくことで静電気を生じ難くさせ取扱いが容易になる。
(その他の樹脂)
ウレタン樹脂以外の他の樹脂とは、本発明は主に廃冷蔵庫に含まれるウレタン樹脂の分解処理を考えていることから、冷蔵庫に含まれる成分を対象としているため、多く含まれているABS、PP、PSを主に対象としているが、特にこれに限定されることはなく、塩化ビニル樹脂(以下PVC)、ポリエチレン樹脂(以下PE)などの樹脂を含んでもよい。
(分解剤)
次に本発明に係る分解剤は、被分解物である熱硬化性樹脂の分解処理剤として使用されるものであり、分解処理剤としては、アミン化合物単独で使用する方法及び水酸基を有する化合物を単独で使用する方法及びアミン化合物と水酸基を有する化合物を使用する方法が挙げられる。例えば、使用するアミン化合物としては、直鎖状脂肪族アミン、環状脂肪族アミン、芳香族アミン、および複素環式アミン等を挙げることができる。より具体的には、直鎖状脂肪族アミンとしてはエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2−エチルヘキシルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、n−アミルアミン、イソーブチルアミン、あるいはメチルジエチルアミン等が挙げられる。環状脂肪族アミンとしてはシクロヘキシルアミン、ピペラジン、ピペリジン等。芳香族アミンとしてはアニリン、トルイジン、キシリレンジアミン、ベンジルアミンあるいはクロロアニリンなどを挙げることができる。複素環式アミンとしてはピリジン、ピコリン、N−メチルモルフォリン、エチルモルフォリン、ピラゾール等が挙げられる。これらのアミン類は単独又は2種以上を混合して使用することができる。また、水酸基を有する化合物の代表として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4―ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール等の二価のアルコール、グリセリン等の三価のアルコール、及びポリエチレングリコール等の重合体が挙げられる。
(相溶化剤)
相溶化剤としては、グラフト共重合体、ブロック共重合体、ランダム共重合体があるがいずれの共重合体を用いても特に限定はしない。さらにこれらの相溶化剤は単一ではなく、複合状態で用いてもかまわない。これらの相溶化剤の分類に関しては、まず相溶化剤のモノマー単位の構造から次のような形式的な分類が行なわれている。ポリマー二成分ブレンド(ポリマーA/ポリマーB)に対して、相溶化剤の分子構造が、(1)A−B型共重合体、(2)A−C型共重合体(共重合体の片方のみ同種)、(3)C−D型共重合体(ポリマーA、Bとは全く異なるモノマーとの共重合体)及び(4)E型(三種類以上のモノマー共重合体)と4つの分類が考えられるが、本発明で用いる相溶化剤はいずれの場合であっても、単一成分で用いても、複合成分で用いてもかまわない。特に、前記熱硬化性樹脂を相溶化するABSと無水マレイン酸のグラフトポリマー、SBS共重合体、無水マレイン酸化PPグラフトポリマー、カルボン酸化されたポPEグラフトポリマー、無水マレイン酸とスチレンのグラグトポリマー、スチレン−メタクリル酸−無水マレイン酸ランダムコポリマー、及びPP−PAのグラフトポリマーが望ましい相溶化剤として挙げることができる。
さらに、相溶化剤の分類としては、相溶化剤がブレンド系に添加され、相溶化剤が一種の界面活性剤の働きをすることによって生じるブレンド生成をミクロに分散させる非反応型相溶化剤と、添加した相溶化剤がいずれかのブレンド成分と化学反応をすることによって相溶化効果が得られるものすなわち反応型相溶化剤が存在するが、本発明での相溶化剤は特にいずれの相溶化剤であっても特に限定することはなく、またこれらそれぞれを単独で用いても良いが、2種類以上の相溶化剤を添加してもよい。
【0009】
本発明で用いる相溶化剤としては、ウレタン樹脂とその他の樹脂との相溶化剤及びその他樹脂成分同士の相溶化剤を含み、それぞれを単一成分で用いても良いがまた同時に複数の成分を複合して用いてもよい。
添加する相溶化剤の割合は、熱硬化性樹脂に対して混入するその他の樹脂の割合と同じ割合または同じ割合以下とする。
(相溶化剤の添加時期)
本発明でのウレタン樹脂と他の樹脂が混合した廃棄物を分解剤を用いて化学的に分解するウレタン樹脂の分解方法において、相溶化剤を添加する分解工程は、はじめにウレタンと他の樹脂が混合した廃棄物中に投入しても、分解剤とともに投入しても、分解生成物に相溶化剤を投入することも、投入する工程は特に限定することはない。またこの分解工程は、1つの混練機や反応機のようなもので行なう方法や、2つの装置を用いて1段目の装置で分解後、2段目以降の装置で相溶化剤を添加する工程を行なう方法でもよい。また、ウレタン樹脂と他の樹脂を含む廃棄物と分解剤及び相溶化剤とからなる混合物を押出し、両者を混合しながら練る、すなわち混練物でできるものであり、さらに混練しながら混合物を加熱できるものとして押出機を用いることが望ましい。この場合、一軸でも二軸でもよい。また、連続式ニーダーやモノポンプなど、加熱と共に混練を行えるものであれば特に制限されずに使用できる。特にこれらの混練機は、分解反応を連続的に処理できるため、大量のウレタン樹脂の分解に適している。分解方法としては、バッチ式、連続式いずれも可能であるが、連続式の方が再生樹脂の大量生産には望ましい。
(重合工程)
相溶化剤を添加後のポリマーの重合方法としては、混連できる押出機が望ましいが、特に限定することはなく、連続式ニーダーやモノポンプなど、加熱と共に混練を行えるものであれば特に制限されずに使用できる。また重合の際の温度は、80〜120℃が分解物の粘度より好ましい。80℃以下でもよいが時間を必要とすることや、攪拌、混合に時間を要する。反対に120℃以上では分解物が反応することがあり、また重合時間が短縮されるが均一に重合物を得るには難しい。
【0010】
図1に再生樹脂の製造装置の概略構成を示した。この図1に沿って詳細に説明する。1は出発原料である熱硬化性樹脂及びその他の樹脂を含む混合樹脂を投入する反応容器であり、また再生樹脂の途中段階の流動化物質等を収納するものである。2は再生樹脂を取り出す排出口である。3は混合樹脂を混合する攪拌機であり、流動化物資を混練する手段にも使用される。4は反応容器を過熱する加熱装置である。5は出発原料投入口である。6は反応容器1内の内容物の温度を測定する熱電対である。7は反応容器内の圧力を制御するためのパイプ。8はこのパイプに繋がった真空ポンプである。
【0011】
この製造装置を使用したて再生樹脂を製造するまでの反応式の模式図を示したのが図2である。ここでは、熱硬化性樹脂をウレタン樹脂、その他の樹脂をABS樹脂、分解剤をモノエタノールアミン(MEA)、相溶化剤をABS樹脂と無水マレイン酸のグラフトポリマーとした場合を代表例として説明する。
【0012】
ウレタン樹脂20のウレタン結合に分解剤22であるMEAが攻撃し、オリゴマーが生成する。この系内にはABS樹脂21も含まれているが、ABS樹脂21はこの分解剤22により分解されずそのままの状態で存在している。そこにこのウレタン樹脂20とABS樹脂21の相溶化剤24を加え、攪拌することにより分解物23とABS樹脂21の結合を橋渡しするような形で相溶化剤が働き、重合して再生樹脂(ポリマー)25を形成できる。
【0013】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
(実施例1)
以下の実施例では、図1に示した装置を使用した。加熱装置4と攪拌機3のついた反応容器である反応容器1内部を170℃に温調し、混合樹脂として使用済み冷蔵庫断熱材ウレタン樹脂(ABS10%含有)をこの容器に6kg投入し、さらに分解剤としてモノエタノールアミン0.6kgを投入して約1時間加熱攪拌した。1時間後に、反応容器1に接続している真空ポンプ8で発泡剤を除去した。さらにここで容器1内に相溶化剤として、ポリアミド樹脂(以下PA)はポリウレタンに構造上類似していることから、ABS樹脂/PA樹脂の相溶化剤としてABS樹脂と無水マレイン酸のグラフトポリマーを0.6kg添加し、100℃で攪拌した。1時間後、容器の流動化物質を取り出したところ、均一に重合したポリマーが得られた。このポリマーの衝撃強度は、ウレタン樹脂のみの分解物より向上した。
(比較例1):相溶化剤なし
加熱装置4と攪拌機3のついた反応容器1内部を170℃に温調し、使用済み冷蔵庫断熱材ウレタン樹脂(ABS10%含有)をこの容器に6kg投入し、さらに分解剤としてモノエタノールアミン0.6kgを投入して約1時間加熱攪拌した。1時間後に、反応容器1に接続している真空ポンプ8で冷蔵庫断熱材ウレタン樹脂中に含まれる発泡剤を除去した。さらにここで反応容器1の流動化物質を取り出してみると、ABS樹脂の固形分が多量に残存し、目視からもABS樹脂が相溶しておらず、散在していることが確認できた。またこの流動化物質からエポキシ樹脂を合成したが、強度が悪く、均一に固まらなかった。
(実施例2)
実施例1と同様の装置を170℃に温調し、使用済み冷蔵庫断熱材ウレタン樹脂(ABS15%、PP5%、PS3%含有)をこの容器に6kg投入し、さらにモノエタノールアミン0.6kgを投入して約1時間加熱攪拌した。1時間後に、反応容器に接続している真空ポンプで発泡剤を除去した。さらにここで容器内に相溶化剤として、ポリアミド樹脂(以下PA)はポリウレタンに構造上類似していることから、ABS/PAの相溶化剤としてABS樹脂と無水マレイン酸のグラフトポリマーを0.6kg、及びPSとPPの相溶化剤としてA−C型であるSBS共重合体を0.3kg添加し、100℃で攪拌した。1時間後、容器の流動化物質をさらに攪拌し固化させて取り出したところ、均一に重合したポリマーが検出された。このポリマーの衝撃強度は、ウレタン樹脂のみの分解物より向上した。
(実施例3〜7)
実施例1と同様の装置を用いて、同様にウレタン樹脂とその他の樹脂混合下での分解試験を行い、それぞれ相溶化剤を加え、再生樹脂を形成した結果を表1に示す。
(実施例8)
本実施例においては、二軸押出機(東芝機械(株)社製:製品名TEM-37BS)を用いて、使用済み冷蔵庫断熱材ウレタン樹脂(ABS20%、PP10%含有)とアミン化合物とを混練・加熱しながら、ウレタン樹脂の分解を行った。
【0014】
まず、押出機のバレル内部の温度を190℃に設定した、押出機の原料投入口からウレタン樹脂類とPPとPAの相溶化剤であるPP−PAのグラフトポリマー(30%)を1.6kg/hで投入し、同時に押出機の薬液投入口へアミン化合物としてのジノエタノールアミン(DEA)0.16kg/hをポンプで供給した。各バレルの温度は、190〜210℃に設定した。吐出ノズルから出てくる分解生成物の状態を調べたところ、分解生成物はウレタンは分解し、ABSも溶解し、均一な流動化物質が得られた。この流動化物質をさらに攪拌し重合したところ、均一で衝撃強度の高いポリマーが得られた。
【0015】
以上の実施例1〜8及び比較例1を表1にまとめた。さらに実施例9〜実施例11として実施例として表1の様な条件にて再生樹脂を製造した。これらの実施例で表1で示した以外の条件については、実施例1と同一とした。
(実施例12,13)
実施例1と同様の装置を用いて熱硬化性樹脂をフェノール樹脂やエポキシ樹脂に変えて分解し、相溶化させた場合の結果も表1に合わせてまとめた。
【表1】
この表1から明らかなように、大幅に衝撃強度を向上させた再生樹脂を形成できることが判明した。
【0016】
【発明の効果】
本発明は、ウレタン樹脂と比べて衝撃強度が強い再生樹脂の製造方法及び再生樹脂を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1に関わるウレタン樹脂の分解装置の説明図。
【図2】 本発明の実施例1に関わるウレタン樹脂の分解反応図。
【符号の説明】
1 反応容器
2 排出口
3 攪拌機
4 加熱装置
5 出発原料投入口
6 熱電対
7 パイプ
8 真空ポンプ
Claims (5)
- 熱硬化性樹脂及びその他の樹脂を含む混合樹脂と前記熱硬化性樹脂の分解剤を混合して、前記熱硬化性樹脂を化学的に分解した低分子分解物を含有する流動化物質を形成する分解工程と、前記流動化物質に反応型固溶化剤を添加して前記低分子分解物と前記その他の樹脂を重合させて再生樹脂を形成する重合工程とを有することを特徴とする再生樹脂の製造方法。
- 前記熱硬化性樹脂はウレタン樹脂、エポキシ樹脂、及びフェノール樹脂から選ばれる少なくとも1つの樹脂であり、前記その他の樹脂は、ABS樹脂、PP樹脂、PS樹脂、塩化ビニル樹脂、及びポリエチレン樹脂から選ばれる少なくとも1つである事を特徴とする請求項1に記載の再生樹脂の製造方法。
- 前記分解剤は、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2−エチルへキシルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、n−アミルアミン、イソ−プチルアミン、メチルジエチルアミン、シクロへキシルアミン、ピペラジン、ピペリジン、アニリン、トルイジン、キシリレンジアミン、ベンジルアミン、クロロアニリン、ピリジン、ピコリン、N−メチルモルフォリン、エチルモルフォリン、ピラゾール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、グリセリン、及びポリエチレングリコールから選ばれる少なくとも1つの化学物質であることを特徴とする請求項1に記載の再生樹脂の製造方法。
- 前記反応型相溶化剤は、ABSと無水マレイン酸のグラフトポリマー、SBS共重合体、無水マレイン酸化PPグラフトポリマー、カルボン酸化されたポPEグラフトポリマー、無水マレイン酸とスチレンのグラグトポリマー、スチレン−メタクリル酸−無水マレイン酸ランダムコポリマー、及びPP−PAのグラフトポリマーから選ばれる少なくとも1つのポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の再生樹脂の製造方法。
- ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、及びフェノール樹脂から選ばれる少なくとも1つの熱硬化性樹脂をエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2−エチルへキシルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、n−アミルアミン、イソ−プチルアミン、メチルジエチルアミン、シクロへキシルアミン、ピペラジン、ピペリジン、アニリン、トルイジン、キシリレンジアミン、ベンジルアミン、クロロアニリン、ピリジン、ピコリン、N−メチルモルフォリン、エチルモルフォリン、ピラゾール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、グリセリン、及びポリエチレングリコールから選ばれる少なくとも1つの化学物質であるこの熱硬化性樹脂の分解剤で化学的に分解して形成された低分子分解物と、ABSと無水マレイン酸のグラフトポリマー、SBS共重合体、無水マレイン酸化PPグラフトポリマー、カルボン酸化されたPEグラフトポリマー、無水マレイン酸とスチレンのグラグトポリマー、スチレン−メタクリル酸−無水マレイン酸ランダムコポリマー、及びPP−PAのグラフトポリマーから選ばれる少なくとも1つのポリマーである反応型相溶化剤によって前記低分子分解物に結合された前記熱硬化性樹脂とは異なるABS樹脂、PP樹脂、PS樹脂、塩化ビニル樹脂、及びポリエチレン樹脂から選ばれる少なくとも1つの樹脂とを有することを特徴とする再生樹脂。
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