JP4076319B2 - 用紙スタック装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
複写機、プリンター、FAXなどの画像形成装置の後処理装置である用紙スタック装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
用紙スタック装置において、用紙を排紙トレイへ積載する際、紙の状態(用紙サイズ、カール状態等)によらず精度よくスタックさせるため、用紙検知部材を複数個有し、これら用紙検知部材の検知に基づいてトレイ昇降部材により排紙ローラからの落下距離を常に一定の位置に制御し、さらに排紙トレイ上に対向配置された回転自在の幅寄せローラを備えたものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の用紙スタック装置においては、幅寄せローラが一定位置で回転しているため、カールが大きい用紙や紙間の摩擦が高い用紙などは、用紙がうまく滑り落ちにくく、結果的にスタック時の用紙不揃いが発生しやすいという課題がある。また、幅寄せローラが一定の位置にあることにより、常に用紙に接触しているため、用紙の端面が汚れやすく、用紙にダメージを与えてしまうという課題もある。
【0004】
そこで、本発明は、スタックされた用紙のばらつきを防止するとともに、用紙へのダメージを低減することができる用紙スタック装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、用紙を排出する排紙ローラと、この排紙ローラによって排出された用紙をスタックする排紙トレイと、この排紙トレイに対向配置された回転自在の幅寄せローラと、排紙トレイに積載された用紙の最上位の用紙高さを検知する検知手段と、この検知手段の信号に基づいて排紙トレイの最上位の用紙高さを調整するトレイ昇降手段と、排紙ローラの回転に伴って、幅寄せローラへ駆動を伝達する駆動伝達手段と、を備え、幅寄せローラが駆動伝達手段により回転しつつ揺動する用紙スタック装置において、
駆動伝達手段が、排紙ローラの駆動軸に偏心して取り付けられた駆動伝達部材と、駆動伝達部材からの駆動を幅寄せローラに伝達するための複数の従動伝達部材と、駆動伝達部材及び従動伝達部材を保持するとともに幅寄せローラの回転軸が一体に設けられている保持部材と、保持部材に当接して保持部材の回転を規制する規制部材とを備えることを特徴とする。
【0006】
この請求項1に記載の発明では、排紙ローラの回転により用紙が排紙トレイに排紙されるとともに、駆動伝達手段が幅寄せローラに駆動を伝達することにより、幅寄せローラが回転しつつ揺動する。幅寄せローラは、その回転で排紙トレイに排紙された用紙を回転方向に寄せることにより、排紙トレイ上の用紙の端部を揃える。
幅寄せローラが回転しつつ揺動することにより、小サイズから大サイズに至る広範囲のサイズの用紙、用紙のカール状態、用紙の後処理形態(ステイプル、パンチ等)に関わらず排紙不良や排紙トレイ上の用紙のスタック位置のばらつきを防止できるとともに、用紙を排紙トレイ上に確実に且つ精度良くスタックすることができる。また、幅寄せローラが揺動することにより、幅寄せローラが用紙に対して常に接触しないので、用紙の汚れを防止できるとともに、用紙にダメージを与えることを防止できる。更に、駆動伝達手段を設けるだけの簡単な構成であり、コストの低減が図れる。
駆動軸が回転すると、排紙ローラが回転するとともに、駆動軸と一緒に回転する駆動伝達部材により、駆動軸の駆動力が複数の従動伝達部材を介して幅寄せローラに伝達されて幅寄せローラが回転する。また、駆動軸に偏心して取り付けられた駆動ギヤの回転及び規制部材の規制で幅寄せローラが保持部材と一緒に揺動する。
駆動伝達部材及び複数の従動伝達部材を保持するとともに幅寄せローラの回転軸が一体に設けられている保持部材を設けるだけの簡単な構成で幅寄せローラを揺動させることができ、しかも、コストの低減が更に図れる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、幅寄せローラは、用紙の搬送方向に沿う中心線に対して対象の位置にそれぞれ設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明と同様な作用効果を奏するとともに、幅寄せローラが、用紙の搬送方向に沿う用紙の中心線に対して対象に設けられているので、幅寄せローラにより回転方向に寄せられる用紙の斜行を防止することができ、用紙を排紙トレイ上に更に精度よくスタックすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付した図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明に係る用紙スタック装置を備えたフィニッシャ(用紙後処理装置)の全体構成図である。フィニッシャは、複写機1の側部に取り付けられており、複写機1より排出された用紙を偏向爪2により直接、排紙トレイ3へ導く搬送路A及びステイプル綴じするための搬送路Bに導くように構成され、その最下流側には、用紙スタック装置30が設けられている。
【0014】
搬送ローラ4は、複写機1より排出された用紙を受け取る搬送ローラであり、その直前部分には入口センサS1が設けられており、搬送される用紙の先端及び後端が検知されるようになっている。搬送路Aには、複数の搬送ローラ5、6及びそれに従動する従動ローラ7、8が配置されており、複写機1より排出された用紙を直接、排紙トレイ3へ導く。
【0015】
ステイプルユニットCは、用紙サイズに応じて紙面垂直方向に移動可能となっているステイプラ13、排出された用紙の後端をガイド板14へ寄せるためのブラシローラ15及び搬送方向に直交する方向へ揃えるための一対のジョガーフェンス16、排出された用紙をガイド板14へ寄せるための叩きローラ17、ステイプルされた用紙を用紙スタック装置30の排紙トレイ3へ排出するための排紙ベルト18、排紙ベルト18に固定された排紙爪19等を有している。尚、叩きローラ17は、図1の破線の位置まで移動可能になっており、用紙の排出ごとに移動、回転してガイド板14への寄せを行っている。
【0016】
図2は、用紙スタック装置を示す断面図である。用紙スタック装置30は、フィニッシャの排出口に設けられており、排紙トレイ3と、ステイプルを行わない用紙或いはステイプル綴じされた用紙を排紙トレイ3に排出するための排紙ローラ20と、排紙トレイ3に対向して設けられた幅寄せローラ21と、排紙トレイ3に積載された用紙の最上位の用紙高さを検知する検知部(検知手段)24と、検知部24の信号に基づいて排紙トレイ3の最上位の用紙高さを調整するトレイ昇降部60と、排紙ローラ20の回転に伴って、排紙ローラ20の駆動軸の駆動を幅寄せローラ21に伝達する駆動伝達手段である駆動伝達部(図4参照)50とを備えている。
【0017】
排紙トレイ3は、トレイ昇後部60のガイドローラ51により上下方向の移動が可能になっており、検知部24の高さ検知に基づいて、図示しない駆動機構によりガイドローラ51が回転駆動することにより上下に移動して積載された用紙高さを調整する。
【0018】
排紙ローラ20には、排紙従動ローラ26が接触しており、排紙ローラ20の駆動軸100の回転駆動により、排紙従動ローラ26との間に用紙を挟持しつつ排紙トレイ3に向けて排紙する。この排紙ローラ20の駆動軸100の駆動は、駆動伝達部50により、幅寄せローラ21に伝達され、幅寄せローラ21は回転しつつ揺動するようになっている。
【0019】
幅寄せローラ21は、スポンジ等の弾性部材で構成されており、排紙ローラ20の下方に設けられている。幅寄せローラ21は、図3に示すように、用紙の搬送方向に沿う中心線CLに対して対象に2つ設けられている。排紙ローラ20により排紙されて排紙トレイ3に落下した用紙は、幅寄せローラ21の回転により突き当てガイド板22に突き当てられることにより、用紙の端部が揃えられるようになっている。幅寄せローラ21が、用紙の搬送方向に沿う中心線CLに対して対象に2つ設けられているので、幅寄せローラ21に突き当てガイド版22に寄せられる用紙の斜行を防止することができ、用紙を排紙トレイ3上に精度よくスタックすることができる。
【0020】
幅寄せローラ21には、検知部24が設けられており、検知部24は検知フィラー25と遮蔽型検知センサS3、S5とを有している。検知フィラー25は、排紙ローラ20の真下に位置しており、検知フィラー25の検知部材25aは排紙トレイ3に積載される用紙の最上面に接触するようになっている。従って、検知フィラー25は、排紙トレイ3の上下動により支点bを中心に揺動し、この揺動により検知フィラー25の検知板25aが遮蔽型検知センサS3、S5を遮蔽したり、遮蔽を解除したりすることで、排紙トレイ3の最上位の用紙高さを検知する。
【0021】
図4は、駆動伝達部を示す断面図であり、図5は、図4の駆動伝達部を概略的に示す正面図である。図4及び図5に示すように、駆動伝達部50は、排紙ローラ20の駆動軸100に固定された駆動ギヤ(駆動伝達部材)100と、駆動伝達ギヤ100からの駆動を幅寄せローラ21に伝達するアイドルギヤ(従動伝達ギヤ)103、アイドルギヤ103に歯合する幅寄せローラ用ギヤ(従動伝達ギヤ)104と、これら各ギヤ100、103、104を保持するホルダ102と、ホルダ102の回転を規制するストッパ(規制部材)105(図6参照)とを備えている。
【0022】
駆動ギヤ100の回転中心Lは、排紙ローラ20の駆動軸100の回転中心Mから距離dだけ偏心しており、駆動ギヤ100と同心円状のボス101aが駆動ギヤ100に一体に形成されている。また、ボス101aの周面(ボス面)には、ホルダ102が嵌め込まれており、ホルダ102には、アイドルギヤ103の回転軸102a、幅寄せローラ用ギヤ104の回転軸102bが一体に設けられている。
【0023】
本実施の形態では、図4に示すように、幅寄せローラ用ギヤ104の回転軸102bに幅寄せローラ21が取り付けられており、幅寄せローラ21と幅寄せローラ用ギヤ104とは一体に設けられている。従って、排紙ローラ20の駆動軸100の回転に伴って、駆動ギヤ101が偏心して回転しつつ、その駆動力をアイドルギヤ103を経て、幅寄せローラ21に一体に設けられた幅寄せローラ用ギヤ104に駆動を伝達するようになっている。
【0024】
また、図6に示すように、ホルダ102の一端には排紙ローラ20を中心としたホルダ102の回転を規制するためのストッパ105が設けられており、駆動ギヤ101の回転による排紙ローラ20の駆動軸100を中心とした偏心運動とストッパ105による規制によって、ホルダ102が図4の実線の位置と1点鎖線の位置との間を移動する(ホルダ102が揺動する)。このホルダ102が揺動すると、ホルダ102と一緒に幅寄せローラ21が揺動する。
【0025】
これにより、排紙後の用紙に対して、断続的に寄せ動作を働かせることができ、用紙へのダメージを少なくしつつ、種々の用紙(小サイズから大サイズに至る広範囲のサイズの用紙、カールしている用紙、ステイプル綴じされている用紙、パンチ孔が形成されている用紙等)に対して安定した寄せを確保できることになり、用紙の揃え精度を向上させることができ、排紙トレイ3上に用紙を確実に且つ精度良くスタックすることができる。
【0026】
本発明は、上述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変形が可能である。本実施の形態では、ギヤ101、103、104の歯合によって、排紙ローラ20の駆動軸100の駆動力を幅寄せローラ21に伝達したが、これに限定されず、例えば、ゴムローラ同士の接触による摩擦により排紙ローラ20の駆動軸100の駆動力を伝達するようにしても良い。
【0027】
本発明は、フィニッシャに適用したが、これに限定されず、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ、或いはこれらの複合機等の画像形成装置本体に直接設けられていても良い。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、駆動伝達部材及び複数の従動伝達部材を保持するとともに幅寄せローラの回転軸が一体に設けられている保持部材を設けるだけの簡単な構成で幅寄せローラを揺動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したフィニッシャを概略的に示す構成図である。
【図2】用紙スタック装置を概略的に示す構成図である。
【図3】幅寄せローラの配置位置を説明するための図である。
【図4】駆動伝達部を示す断面図である。
【図5】図4の駆動伝達部を概略的に示す正面図である。
【図6】幅寄せローラの揺動を説明するための図である。
【符号の説明】
3 排紙トレイ
20 排紙ローラ
21 幅寄せローラ
24 検知部(検知手段)
30 用紙スタック装置
50 駆動伝達部(駆動伝達手段)
60 トレイ昇降部(トレイ昇降手段)
100 駆動軸
101 駆動ギヤ(駆動伝達部材)
102 ホルダ(保持部材)
103 アイドルギヤ(従動伝達部材)
104 幅寄せローラ用ギヤ(従動伝達部材)
105 ストッパ(規制部材)
Claims (2)
- 用紙を排出する排紙ローラと、この排紙ローラによって排出された用紙をスタックする排紙トレイと、この排紙トレイに対向配置された回転自在の幅寄せローラと、排紙トレイに積載された用紙の最上位の用紙高さを検知する検知手段と、この検知手段の信号に基づいて排紙トレイの最上位の用紙高さを調整するトレイ昇降手段と、排紙ローラの回転に伴って、幅寄せローラへ駆動を伝達する駆動伝達手段と、を備え、幅寄せローラが駆動伝達手段により回転しつつ揺動する用紙スタック装置において、
駆動伝達手段が、排紙ローラの駆動軸に偏心して取り付けられた駆動伝達部材と、駆動伝達部材からの駆動を幅寄せローラに伝達するための複数の従動伝達部材と、駆動伝達部材及び従動伝達部材を保持するとともに幅寄せローラの回転軸が一体に設けられている保持部材と、保持部材に当接して保持部材の回転を規制する規制部材とを備えることを特徴とする用紙スタック装置。 - 幅寄せローラは、用紙の搬送方向に沿う中心線に対して対象の位置にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1に記載の用紙スタック装置。
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