JP4075343B2 - カーボン成形体の親水化方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、本来は疎水性であるカーボン成形体を親水性にする方法に関するものである。本発明方法によれば、燃料電池のセパレーターに用いられるカーボン成形体を親水性とすることができる。
【0002】
【従来の技術】
黒鉛、カーボンブラック、コークス、炭素繊維のようなカーボン材料と、樹脂やピッチのような炭素質材料とを混合し、成形したのち必要に応じて焼成してカーボン成形体を製造することは広く行われている。カーボン成形体は種々の用途に用いられているが、最近では燃料電池のセパレーターとしての用途が注目されている。
【0003】
カーボン成形体は一般に疎水性なので、親水性を必要とする用途には、製造に際し予じめ親水性物質を含有させたり、成形体の表面に親水性物質を塗布して親水性を付与することが提案されている。しかしこれらの方法は成形体の他の特性を低下させることが多く、望ましい方法ではない。
また、ポリオレフィンなどの親水化処理に有効とされているコロナ放電処理、紫外線照射処理、プラズマ処理、フッ素ガス処理などの方法を適用することも検討されている。
これらの方法のなかでもフッ素ガス処理は、複雑な形状のものにも適用でき、かつ親水化処理の効果も比較的持続するので、好ましい方法と考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらカーボン成形体は、一般に表面形状が単純でフッ素ガスとの反応面積が小さいためか、フッ素ガス処理を行っても処理直後は親水性を示すが、時間が経過すると親水性が低下するという問題がある。従って本発明は、カーボン成形体に長期間に亘り安定した親水性を付与することができ、従って燃料電池のセパレータのように永続的な親水性が要求される用途に好適な、カーボン成形体のフッ素ガス処理方法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、カーボン成形体をフッ素を含むガスで2段階で処理し、かつ第1段階の処理をフッ素と酸素とを含む混合ガスを用いて行い、第2段階の処理を第1段階で用いたガスよりもフッ素に対する酸素の比率が小さいガスを用いて行うことにより、カーボン成形体に長期間に亘り安定した親水性を付与することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明で親水化処理の対象とするカーボン成形体としては、任意の方法で調製したものを用いることができる。通常は種々の黒鉛、カーボンブラック、コークス更には炭素繊維などのカーボン材料と、バインダーとしての熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、ゴム、ピッチなどの炭素質材料とを混合して成形し、更に必要に応じて焼成したものが用いられる。
なお、カーボン成形体の調製に際しては、作業性などを向上させるため、滑剤、架橋促進剤、可塑剤その他の助剤を原材料に添加してもよい。
【0007】
本発明ではこのカーボン成形体を、2段階のフッ素ガス処理により親水化する。その第1段階では、カーボン成形体をフッ素と酸素とを含む混合ガスで処理する。この混合ガスによる親水化の機構は不明であるが、成形体表面にフッ素が作用して表面を活性化し、この活性化された部位に酸素が作用して親水性基が生成するものと考えられる。この第1段階の処理は、酸素に対するフッ素のモル比が1.0未満の混合ガスを用いて行うのが好ましい。処理に用いる混合ガスは、フッ素及び酸素以外に窒素ガスなどの不活性ガスを含有していてもよい。混合ガス中の酸素の分圧は通常は100Torr以上であり、200Torr以上であるのが好ましい。また、フッ素の分圧は通常は60Torr以上であり、100Torr以上であるのが好ましい。処理温度は通常−30〜200℃であるが、−10〜70℃が好ましい。特に好ましいのは室温近辺の5〜40℃である。温度が高いと反応は速いが、高温に過ぎると炭素とフッ素とでCF結合が生じ、目的とする親水性の発現の障害となるおそれがある。逆に低温では反応の進行が遅くなる。反応に要する時間は温度にもよるが、通常は1分間以上であり、最長でも24時間も反応させれば十分である。
【0008】
第2段階のフッ素ガス処理は、第1段階で用いた混合ガスよりもフッ素に対する酸素のモル比率の小さいガスを用いて行う。好ましくはフッ素に対する酸素のモル比が0.3以下のガスを用いる。最も好ましくは酸素を実質的に含有しないガスを用いる。すなわち第2段階のフッ素ガス処理では、酸素の存在は親水化処理にとってむしろ有害であるとも考えられる。第2段階のフッ素ガス処理に用いるガス中のフッ素の分圧も、通常は60Torr以上であり、100Torr以上であるのが好ましい。またこのガスも窒素ガスなどの不活性ガスを含有していてもよい。第2段階のフッ素ガス処理の温度及び時間は、前述の第1段階のそれと同様である。
【0009】
本発明によるカーボン成形体の親水化処理は、通常は密閉し得る容器中で回分方式で行われる。すなわち密閉し得る容器にカーボン成形体を収容し、排気して容器内を真空にする。これに第1段階処理用のガスを導入し、所定の反応条件下に維持する。次いで排気して容器内を真空にしたのち、第2段階処理用のガスを導入して所定の反応条件下に維持することにより、カーボン成形体が親水化処理される。第1段階及び第2段階とも処理圧力は任意であるが、安全性及び経済性の点からして、常圧ないしは減圧が好ましい。また処理用のガスを導入する前には十分に減圧にするのが好ましい。これによりカーボン成形体内部にまで処理用のガスを行きわたらせることができる。なお、第1段階の処理では、フッ素と酸素とを別々に容器内に導入してもよいが、その場合には酸素を先に導入するのが好ましい。
【0010】
【実施例】
以下に実施例により本発明を更に具体的に説明する。
実施例1
天然黒鉛とフェノール樹脂とを3:1(重量比)で混合し、この混合物を150℃、400kg/cm2で10分間加圧して成形体とし、これを更に機械加工して15×15×30mmのカーボン成形体とした。内容積1リットルの容器にこのカーボン成形体を収容し、排気して容器内を真空にした。これにフッ素、酸素及び窒素の混合ガスを導入して容器内を常圧とした。容器内のフッ素分圧は100Torr、酸素分圧は260Torr、窒素分圧は400Torrである。10分間室温で保持したのち排気して容器内を真空とし、次いでフッ素と窒素との混合ガスを導入して容器内を常圧とした。容器内のフッ素分圧は100Torr、窒素分圧は660Torrである。10分間室温で保持したのち容器を開放し、容器内を窒素ガスで置換したのちカーボン成形体を取出した。このカーボン成形体について、協和界面科学(株)製接触角計CA−D型を用いて、水滴接触角を測定した。結果を表−1に示す。
【0011】
比較例1
内容積1リットルの容器に実施例1で用いたのと同様なカーボン成形体を収容し、排気して容器内を真空にした。これにフッ素、酸素及び窒素の混合ガスを導入して容器内を常圧とした。容器内のフッ素の分圧は100Torr、酸素分圧は260Torr、窒素分圧は400Torrである。室温で10分間保持したのち容器を開放し、容器内を窒素ガスで置換してからカーボン成形体を取出した。このカーボン成形体の水滴接触角を表−1に示す。
【0012】
比較例2
内容積1リットルの容器に実施例1で用いたのと同様なカーボン成形体を収容し、排気して容器内を真空にしたのちフッ素ガスを導入して常圧に復帰させた。室温で10分間保持したのち排気して容器を真空とし、次いでフッ素、酸素及び窒素の混合ガスを導入して容器内を常圧とした。容器内のフッ素分圧は100Torr、酸素分圧は260Torr、窒素分圧は400Torrである。室温で10分間保持したのち容器を開放し、容器内を窒素ガスで置換してからカーボン成形体を取出した。このカーボン成形体の水滴接触角を表−1に示す。
【0013】
実施例2
黒鉛板を機械加工して15×15×30mmとしたものを用いた以外は、実施例1と同様にしてカーボン成形体の親水化処理を行った。結果を表−1に示す。
【0014】
【表1】
Claims (4)
- カーボン成形体をフッ素を含むガスで2段階で処理して親水化する方法であって、第1段階の処理を、フッ素の分圧が60Torr以上であり、酸素の分圧が100Torr以上であり、かつ酸素に対するフッ素のモル比が1.0未満であるフッ素と酸素とを含む混合ガスを用いて行い、第2段階の処理を第1段階で用いたガスよりもフッ素に対する酸素のモル比率が小さいガスを用いて行うことを特徴とする方法。
- 第2段階の処理に用いるガスが、フッ素に対する酸素のモル比が0.3以下のものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 第2段階の処理に用いるガスが、酸素を含まないものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
- カーボン成形体が燃料電池のセパレーターに用いるものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
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