JP4074890B2 - 放電衝撃破壊装置 - Google Patents

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Description

本発明は、放電により発生する衝撃力で爆発性物質を爆発させて、例えばコンクリートなどの構造物を破壊し得る放電衝撃破壊装置に関するものである。
最近、コンクリートなどの構造物を安全に破壊する装置として、ダイナマイトの替わりに、取り扱いが安全である放電カートリッジを用いたものが提案されている。
なお、この放電カートリッジは、例えば筒状容器内に、一対の電極間に接続された金属細線を配置するとともに水、油などの力伝達物質を充填しておき、電源装置から金属細線に、所定の電気エネルギーを一気に供給して金属細線を溶融気化させ、その溶融気化時の体積膨張に起因して発生する衝撃力(以下、放電衝撃力ともいう)を、力伝達物質を介して周囲に伝えることにより、構造物を破壊するものである。
そして、構造物を部分的に破壊する場合、その破壊部分に穴を形成するとともにこの穴内に放電カートリッジを挿入しておき、金属細線に電気エネルギーを供給して破壊が行われている(特許文献1参照)。
ところで、放電カートリッジを挿入するための穴を形成することができない場合には、筒状容器の末端部分に、構造物に直接衝突させて破壊するための砲弾のような破壊用部材(例えば、楔)を挿入しておき、そしてこの末端部分に隣接して配置された放電衝撃力の発生部分にすなわち金属細線に電気エネルギーを供給し、その溶融気化により発生する放電衝撃力により破壊用部材を筒状容器から発射させて、部分的に破壊が行われていた(特許文献2参照)。
特開平10−331447号公報参照 特開平11−76854号公報参照
上記従来の放電カートリッジの構成によると、砲弾形状の破壊用部材を発射させる関係上、筒状容器がどうしても長くなるため、例えば破壊部分が狭隘な場所に位置している場合には、放電カートリッジ自体の設置が困難となり、また現地で、筒状体内に破壊用部材を装填する作業を行う必要があり、面倒な準備作業を必要としていた。
そこで、本発明は、放電衝撃力を用いて構造物を破壊する際に、面倒な準備作業を必要としないとともに、狭隘な場所であっても、容易に破壊作業を行い得る放電衝撃破壊装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る放電衝撃破壊装置は、底壁部を有するとともに内側に空間室が形成された箱状体と、この箱状体に複数の棒状係止部材により係止されて当該箱状体の上方開口部を覆い得る蓋体と、上記箱状体の空間室内に配置されるとともに電源装置に接続される一対の電気配線に接続された金属細線と、上記空間室内に充填された爆発性物質とから構成し、
さらに上記蓋体の内面側に、上記箱状体の上方開口部内に挿入されて当該上方開口部を閉鎖し得る板状体を配置するとともに、この板状体の内面側に凹状部を形成してその周囲を環状突出部となし、
且つ上記箱状体、蓋体および板状体に、空間室内に充填された爆発性物質の爆発力で破損しない強度を持たせたものである。
また、本発明の請求項2に係る放電衝撃破壊装置は、所定高さの枠状側壁体と、この枠状側壁体に複数の棒状係止部材を介して係止されて両側の開口部を覆い得る一対の蓋体と、上記枠状側壁体の内側に形成される空間室内に配置されるとともに電源装置に接続される一対の電気配線に接続された金属細線と、上記空間室内に充填された爆発性物質とから構成し、
さらに上記各蓋体の内面側に、上記枠状側壁体の開口部内に挿入されて当該開口部を閉鎖し得る板状体をそれぞれ配置するとともに、これら各板状体の内面側に凹状部を形成してその周囲を環状突出部となし、
且つ上記枠状側壁体、蓋体および板状体に、空間室内に充填された爆発性物質の爆発力で破損しない強度を持たせたものである。
さらに、請求項3に係る放電衝撃破壊装置は、請求項1または2に記載の破壊装置において、爆発性物質としてニトロメタンを用いたものである。
また、請求項4に係る放電衝撃破壊装置は、請求項1または2に記載の破壊装置において、棒状係止部材としてボルトを用いたものである。
上記請求項1または請求項2に記載の構成によると、棒状係止部材を介して蓋体が取り付けられた箱状体または枠状側壁体の空間室内に、金属細線およびニトロメタンなどの爆発性物質を充填するとともに、金属細線の溶融気化により発生する放電衝撃力で爆発性物質を爆発させて蓋体および板状体を飛ばす(放出する)ようにしたので、従来のように、筒状容器に砲弾形状の破壊用部材を装填したものと異なり、装置自体を短く、すなわち薄くすることができ、したがって放電カートリッジを挿入するための穴を形成する必要がなく、また穴を形成することができないような狭隘な場所においても、隙間に挿入して電気エネルギーを供給するだけで、部分的に且つ容易に破壊を行うことができる。
特に、蓋体内面側の空間室内に板状体を配置するとともに、この板状体の内面側に凹状部を形成してその周囲を環状突出部となしたので、ニトロメタンなどの爆発性物質が爆発した際に、まず外側の蓋体が飛び出した後、極めて僅かな時間だけ遅れて、板状体が飛び出すことになる。すなわち、板状体の環状突出部が膨出して空間室の内周面に強く接触することにより、内蓋としての機能を果たすことになり、たとえ棒状係止部材または蓋体に歪などが発生して蓋体と箱状体との間に隙間が発生した場合でも爆発性物質が外部に漏れることがなく、しかも空間室内での爆発性物質の爆発反応時間が長くなるため、爆発の威力が増し、したがって威力が増した爆発により当該板状体が飛び出し破壊力が増大するとともに、爆発性物質の使用効率が高くなって経済性が向上する。
さらに、蓋体を箱状体に係止する棒状係止部材としてボルトを用いるとともにその断面積を調節することにより、爆発反応時間を調節して爆発力を制御することができ、またボルト毎の断面積を適宜変更することにより、蓋体の飛び出す方向、延いては板状体の飛び出す方向についても制御することができる。
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態に係る放電衝撃破壊装置を図面に基づき説明する。
まず、放電衝撃破壊装置を、図1〜図3に基づき説明する。
図1および図2に示すように、この放電衝撃破壊装置1は、平面視が矩形状、例えば正方形にされた底壁部11aおよびその周囲に立設された側壁部11bから成るとともに中央に平面視が円形の空間室11cが形成された薄い弁当箱のような形状をした金属製の箱状体11と、この箱状体11の上方の円形開口部(上方開口部)11dを上方から覆うようにされた金属製の蓋体12と、この蓋体12の内面側の位置で上記箱状体11の円形開口部11d内に挿入され且つ空間室11cの内周面に形成された環状段状部11eに載置されて当該円形開口部11dを閉鎖し得るようにされた金属製の板状体13と、上記箱状体11の空間室11c内に配置されるとともに一対の装置側電気配線14の各一端側に両端部が接続された金属細線15と、同じく空間室11c内に充填された液体のニトロメタン(爆発性物質の一例で、例えばガソリンを用いることもできる)16と、上記箱状体11から引き出された装置側電気配線14の各他端側に接続された電源装置17(図3に示す)とから構成されるとともに、上記箱状体11に蓋体12を係止するための棒状係止部材、例えばボルト(リベットでもよい)18およびナット19が、所定個数ずつ具備されている。
そして、上記板状体13については、空間室11c側である内面側に凹状部(座ぐり部ともいう)13aが形成されてその周囲に所定厚さ(t)で且つ所定高さ(h)の環状突出部13bが形成されている。
また、上記金属細線15については、その両端に接続されている装置側電気配線(被覆線が用いられる)14が、固定材(例えば、金属製または合成樹脂製のバンドなどが用いられるが、配線が裸線である場合には、当然に、合成樹脂製のものが用いられるとともに、当該装置側電気配線と箱状体との間で絶縁が行われる)20にて、箱状体11の底壁部11aに固定されている。なお、装置側電気配線14については、箱状体11の側壁部11bに形成された貫通穴11fを挿通して設けられるとともに、当該装置側電気配線14が挿通された後の貫通穴11fには詰め物(例えば、パテ材)が施されて密閉状態が保持される。また、側壁部11bの適所には、空間室11c内にニトロメタン16を充填するための充填口11gが形成されており、充填後には栓21が施されて(例えば、ねじ止めされて)塞がれる。
上記箱状体11については、弁当箱のように薄くされていると説明したが、具体的に述べると、箱状体11の高さ(H)とその一辺の長さ(L)との比率は1対2以下が好ましい。なお、箱状体11に蓋体12を取り付けた状態での高さ(H′)とその一辺の長さ(L)さとの比率は、最大でも1対1とされる。
また、上記蓋体12の内面側に配置される円形の板状体13の外周面である環状突出部13bは、空間室11cの内周面に沿うように、すなわちその外周面と空間室11cの内周面(側壁部11bの内周面である)との間に、当該環状突出部13bの空間室11cへの挿入を支障なく行い得るような僅かな隙間を有するように、且つ起爆力(後述する)で環状突出部13bが変形した際に、その隙間が塞がれるような外径寸法でもって形成されている。
さらに、上記箱状体11、蓋体12および板状体13の材質[例えば、鉄鋼(特に鋳鋼)、ステンレス、アルミニウムなどが用いられる]および厚さなどについては、空間室11c内に充填されたニトロメタン16の爆発力で破損しない強度を有するものが選択される。なお、蓋体12の外形は、箱状体11の外形に一致する形状、すなわち正方形にされている。
また、蓋体12を取り付けるためのボルト18については、図1に示すように、空間室11cの周囲に均等に複数本、例えば8本配置されるとともに、充填されたニトロメタン16の量に応じて、すなわち所望の爆発力が出るような強さのものが選択され、所定の爆発反応率が得られるようにされている。この爆発反応率は、爆発性物質のうち、どれだけの割合が爆発するのかを示すもので、この反応率が高ければ、爆発の威力が大きいことを示している。
上記ボルト18の強さについては、例えば放電衝撃力だけで起爆できないような、金属細線15から遠く離れた位置のニトロメタン16を、金属細線15の近くの起爆したニトロメタン16の爆発力で爆発(伝爆)させるために、爆発反応率が十分に高まるまでの間にボルト18が伸びてニトロメタン16の収容空間(空間室11cの部分)が増えても、ニトロメタン16を殆ど外部に漏らさない程度の強度(係止能力)を有するようにされている。
例えば、実際の爆発を観察した場合、放電衝撃力によりニトロメタン16が起爆すると、爆発により、蓋体12および板状体13が押し出されるため、ボルト18が伸び始め(このとき、ニトロメタンの漏れはない)、そしてボルト18が破断して蓋体12が飛び出し(ニトロメタンの収容空間は増えるが、板状体により、ニトロメタンの漏れが防止されている)、最後に、板状体13が飛び出していることが分かった。ニトロメタン16の漏れの防止については、板状体13の一部が箱状体11から出ているが、その環状突出部13bの外方への変形により、当該環状突出部13bが空間室11cの内周面に押し付けられた状態(密着)になっているからである。
このように、起爆から板状体13の飛び出しまで、非常に短時間であるが時間差があり、伝爆自体も短時間で起こることから、ボルト18が破断するまでに、80〜90%程度の爆発反応率が得られれば、全体として100%の爆発反応率に近づくと推定され、したがってボルト18については、伸びなどの変形をしてもよいが、目標の爆発反応率まで係止状態が維持できるような所定強度を有するようにされている。この所定強度に対応する爆発力について具体的に説明するとしたら、爆発反応率が十分に(例えば、80〜90%程度)高まる準完爆程度の爆発力である。
なお、ボルト18の強度が小さいと、蓋体12が早く飛び出すとともに、それにつれて板状体13も早く飛び出すことになり、ニトロメタン16の爆発反応量が少なくなって(使用効率が低下して)、非経済的となり、また当然に、全体としての爆発力が小さくなる。
また、上記電源装置17は、図3に示すように、高電圧の直流電源31と、この直流電源31に充電用電気配線32を介して並列に接続されたコンデンサ33と、この充電用電気配線32の途中に設けられて上記コンデンサ33に充電する電気量を制御するための充電制御回路34と、上記コンデンサ33に金属細線15を並列に接続するための接続用電気配線35と、この接続用電気配線35の途中に設けられた放電用スイッチ36とから構成されている。
上記電源装置17において、充電制御回路34により所定の電気量をコンデンサ33に蓄積しておき、放電用スイッチ36をオンにすることにより、一気に所定の電気エネルギー(電気量)を金属細線15に供給して当該金属細線15を瞬時に溶融気化させ、この瞬時の溶融気化により放電衝撃力が発生して瞬時に伝わり、この放電衝撃力により所定範囲(起爆条件を満たす範囲)のニトロメタン16が起爆し、極めて僅かな時間でもって、金属細線15から外側に向かって残りのニトロメタン16の爆発反応(伝爆)が進行し、最終的には、全てのニトロメタン16が爆発(完爆)して所定の爆発力が得られる。
次に、上記放電衝撃破壊装置により、コンクリート製の構造物を、例えば部分的に破壊する方法について説明する。
まず、放電衝撃破壊装置1そのものに着目して、放電衝撃力の発生メカニズムについて説明する。
放電前においては、図4(a)に示すように、装置側電気配線14に接続された金属細線15を、固定材20を介して箱状体11の底壁部11aに固定するとともに、板状体13を空間室11c内に挿入して環状段状部11eに支持させ、そして蓋体12をボルト18およびナット19を介して箱状体11に係止した後、箱状体11の適所に形成された充填口11fから空間室11c内にニトロメタン16を充填する。勿論、蓋体12と箱状体11との接触部分には、シール剤(例えば、シリコングリースなどが用いられる)41が配置されて密封状態にされており、充填後、充填口11fは栓21により塞がれる。なお、ボルト18の装着穴および栓21のねじ部についても、上記と同様のシール剤が充填されている。
この状態で、電源装置17にて所定の電気エネルギーを金属細線15に一気に供給すると、図4(b)〜(c)に示すように、金属細線15が溶融気化し、そのときの放電衝撃力によりニトロメタン16を起爆させる。ニトロメタン16の起爆時には、金属細線15近傍の部分が爆発し、引き続いて、その周囲の残りの部分については、既に起爆した衝撃力により、蓋体12側に且つ半径方向に爆発反応が連鎖的に生じ、順次、爆発力が大きくなる。この爆発力により、蓋体12および板状体13が外方に飛び出すが、板状体13については、その爆発力により、凹状部13aの周囲の環状突出部13bが外側に膨出して、空間室11cの内周面との隙間を塞ぐことになり、その抵抗分だけ、板状体13の飛び出しが遅れることになる。
すなわち、ニトロメタン16の爆発による衝撃と空間室11c内の圧力上昇による力を、板状体13および蓋体12は受けるが、この力にボルト18が耐えられなくなり(準完爆程度の爆発力を超えた場合である)、蓋体12が飛び出すとともに板状体13の環状突出部13bが変形して空間室11cの内周面との隙間が塞がり、このため板状体13の飛び出しが僅かに遅れ、したがって空間室11c内では密閉状態が維持され、その分、爆発反応時間が長くなるため、爆発の威力が増大し、しかも、図4(d)に示すように、この威力が増大した爆発エネルギーが板状体13に作用して、板状体13がさらに力を受けて、より早い速度でもって飛び出す。勿論、爆発反応時間が長くなると、爆発力の威力が増して、より大きい爆発力が蓋体12に作用する。言い換えれば、板状体13の運動エネルギーが増大して、破壊力が大きくなる。当然に、ニトロメタン16の反応効率が向上するため、経済的となる。
詳しく説明すれば、破壊面までの距離が短い場合には、先に、蓋体12が破壊面に到達して一次破壊を行った後、板状体13がより大きい速度で到達して二次破壊を行う。すなわち、破壊力が増大することになる。
しかし、破壊面までの距離が長い場合[図4(d)の場合]には、後からの板状体13がより大きい速度でもって蓋体12に衝突して、蓋体12と板状体13とが一緒になって破壊面に到達するため、強力な破壊作用が得られる。
次に、破壊作業の具体例について、簡単に説明しておく。
図5は岩盤Gなどを破壊する場合を示している。
図5(a)に示すように、予め、岩盤に裂け目Gsを入れておくか、または自然にできた裂け目Gsに、上述した放電衝撃破壊装置1、すなわち金属細線15およびニトロメタン16が充填され、且つ板状体13が挿入されて蓋体12がその上から取り付けられた箱状体11を配置した後、電気配線14を介して接続された電源装置17より、電気エネルギーを金属細線15に一気に供給すれば、図5(b)に示すように、ニトロメタン16の爆発力により、蓋体12および板状体13が瞬間的に且つ順次飛び出され(放出され)、裂け目Gsか破壊される。すなわち、破壊対象の岩盤部分Gpを落下させて破壊することができる。
図6は、鉄筋コンクリート製の構造物の表面部分を破壊する場合を示している。
図6(a)に示すように、放電衝撃破壊装置1を作業用重機のアーム部Raの先端に保持させるとともに、その蓋体12が破壊面Kに対向するように移動させて、金属細線15に電気エネルギーを一気に供給すれば、ニトロメタン16の爆発力により、蓋体12および板状体13が瞬間的に且つ順次破壊面Kに向かって飛び出される(放出される)。すなわち、これらの衝突力により、図6(a)および(b)に示すように、破壊面Kを部分的に破壊することができる。
図7は、鉄筋コンクリート製の床、壁などの一部を限定的に破壊する場合を示している。
図7に示すように、鉄筋コンクリート製の床、壁などの壁体部Fを限定的に破壊する場合には、その壁体部Fを覆い得る有底筒状取付体51の内底面に、放電衝撃破壊装置1を取り付けておき、そしてこの筒状取付体51の開口部を、その破壊部分を覆うように押し付けて、金属細線15に電気エネルギーを一気に供給すれば、その部分だけを安全に破壊することができる。なお、この筒状取付体51は、破壊物の飛散防止部材(安全部材)としての機能も有している。
このように、ボルト18を介して蓋体12が取り付けられた箱状体11の空間室11c内に、金属細線15を配置しおよびニトロメタン16を充填するとともに、板状体13を挿入しておき、金属細線15の溶融気化により発生する放電衝撃力でニトロメタン16を爆発させて蓋体12と板状体13とを飛ばす(放出する)ようにしたので、従来のように、筒状容器に砲弾形状の破壊用部材を装填したものと異なり、装置自体を短く、すなわち薄くすることができ、したがって放電カートリッジを挿入するための穴を形成したり、また穴を形成することができないような狭隘な場所においても、隙間に挿入して電気エネルギーを供給するだけで、部分的に且つ容易に破壊を行うことができる。
特に、蓋体12の内面側の箱状体11の空間室11c内に板状体13を挿入したので、ニトロメタン16が爆発した際に、まず外側の蓋体12が飛び出した後、極めて僅かな時間であるが、少し遅れて、板状体13が飛び出すことになる。すなわち、板状体13の環状突出部13bの存在により、たとえボルト18または蓋体12に歪などが発生して蓋体12と箱状体11との間に隙間が発生した場合でも、当該環状突出部13bの膨出による隙間の閉塞により、ニトロメタン16が外部に漏れることがなく、しかも空間室11c内でのニトロメタン16の爆発反応時間が長くなるため、爆発の威力が増し、したがって威力が増した爆発により当該板状体13が飛び出し破壊力が増大するとともに、ニトロメタン16の使用効率が高くなって経済性が向上する。
さらに、板状体13の存在により、最初に飛び出した蓋体12に与えられた運動エネルギーに加えて、爆発反応時間が長くなり爆発の威力が増した分のエネルギーが板状体13に作用するとともに、これら蓋体12および板状体13が破壊物に衝突して合体した場合には、例えば両者が一体化したものが飛び出した際のエネルギー(この場合、爆発反応時間が短い)よりも大きいため、その破壊エネルギーは格段に向上し、例えば一体化したものに比べて、その飛出し速度は1.5倍程度またはそれ以上になる。
また、蓋体12を箱状体11に係止するのに、棒状係止部材、例えばボルト18およびナット19を用いたので、ボルト18の断面積を調節することで、起爆力すなわち爆発反応時間を調節して、爆発力を制御することができるとともに、例えば各ボルト18の断面積を適宜変更することにより、蓋体12の飛び出す方向、延いては板状体13の飛び出す方向についても制御することができる。
ところで、上記実施の形態においては、放電衝撃破壊装置のニトロメタンの収容部(カートリッジ部でもある)を、有底の箱状体と、この箱状体の上方開口部を覆う蓋体とにより構成したが、例えば中央に空間室が形成された枠状側壁体と、この枠状側壁体の両側の開口部を覆う一対の蓋体とから構成してもよい。
すなわち、図8に示すように、この放電衝撃破壊装置61は、中央に空間室62aを有する所定高さの枠状側壁体62と、この枠状側壁体62に複数の棒状係止部材であるボルト63およびナット64を介して係止されて両側の開口部を覆い得る一対の蓋体65と、これら各蓋体65の内面側で且つ空間室62a内に配置された一対の板状体66と、上記枠状側壁体62の内側に形成される空間室62a内の中央部に配置されるとともに電源装置(図示せず)に接続される一対の電気配線67の各一端側に両端部が接続された金属細線68と、上記空間室62a内に充填された爆発性物質であるニトロメタン69とから構成され、且つ上記枠状側壁体62、蓋体65および板状体66においては、空間室62aに充填されたニトロメタン69の爆発力で変形しても破損しない強度を有するようにされている(つまり、材質および厚さなどが選定されている)。例えば、上述した実施の形態と同様に、枠状側壁体62、各蓋体65、各板状体66については、金属製材料(所謂、導電性材料)により構成されている。勿論、上記各板状体66においては、空間室62a側である内面側には、凹状部66aが形成されてその周囲に環状突出部62bが形成されており、また上記枠状側壁体62の内面の各開口部側には、各板状体66の位置決めを行うための環状段状部62bがそれぞれ形成されている。
なお、この放電衝撃破壊装置61においても、上述した放電衝撃破壊装置1と同様の効果が得られる他に、破壊部分に配置(挿入)した際に、両蓋体65の外方に空間が存在している場合には、両蓋体65および両板状体66の飛び出しにより、両側の破壊を一度に行うことができ、したがって破壊作業効率の向上を図ることができる。
また、上記実施の形態においては(図8に示したものも含む)、板状体13,66を空間室11c,62a内に位置決めするのに、箱状体11または枠状側壁体62側に、環状段状部11e,62bを形成したが、この環状段状部11e,62bを形成する替わりに、それぞれの内面に、筒状部材を配置してその端面で板状体の位置決めを行うようにしてもよく、この場合、それぞれ段状部の加工費用を省くことができる。
また、上記実施の形態においては(図8に示したものも含む)、箱状体(または枠状側壁体)の外形を正方形に、空間室を円形に形成したが、逆に、箱状体(または枠状側壁体)の外形を円形に、空間室を正方形に形成してもよく、または両者とも正方形にしてもよく、若しくは両者とも円形に形成してもよく、さらに少なくとも、空間室については、円形の他に、多角形状であってもよい。
さらに、上記実施の形態においては、箱状体、蓋体および板状体を金属製材料(所謂、導電性材料)として説明したが、場合によっては、セラミックまたは強化プラスチックなどの強化合成樹脂を用いてもよい。
本発明の実施の形態に係る放電衝撃破壊装置の一部切欠正面図である。 同放電衝撃破壊装置の断面図である。 同放電衝撃破壊装置における電源装置の概略構成を示す電気回路図である。 同放電衝撃破壊装置における放電衝撃力による爆発作用を説明する断面図である。 同放電衝撃破壊装置による破壊作業を説明する断面図である。 同放電衝撃破壊装置による破壊作業を説明する断面図である。 同放電衝撃破壊装置による破壊作業を説明する断面図である。 同放電衝撃破壊装置の変形例を示す断面図である。
符号の説明
1 放電衝撃破壊装置
11 箱状体
11a 底壁部
11b 側壁部
11c 空間室
11d 開口部
11e 環状段状部
12 蓋体
12a 環状突出部
13 板状体
13a 凹状部
13b 環状突出部
14 装置側電気配線
15 金属細線
16 ニトロメタン
17 電源装置
18 ボルト
61 放電衝撃破壊装置
62 枠状側壁体
62a 空間室
62b 環状段状部
63 ボルト
65 蓋体
66 板状体
66a 凹状部
66b 環状突出部
67 電気配線
68 金属細線
69 ニトロメタン

Claims (4)

  1. 底壁部を有するとともに内側に空間室が形成された箱状体と、この箱状体に複数の棒状係止部材により係止されて当該箱状体の上方開口部を覆い得る蓋体と、上記箱状体の空間室内に配置されるとともに電源装置に接続される一対の電気配線に接続された金属細線と、上記空間室内に充填された爆発性物質とから構成し、
    さらに上記蓋体の内面側に、上記箱状体の上方開口部内に挿入されて当該上方開口部を閉鎖し得る板状体を配置するとともに、この板状体の内面側に凹状部を形成してその周囲を環状突出部となし、
    且つ上記箱状体、蓋体および板状体に、空間室内に充填された爆発性物質の爆発力で破損しない強度を持たせたことを特徴とする放電衝撃破壊装置。
  2. 所定高さの枠状側壁体と、この枠状側壁体に複数の棒状係止部材を介して係止されて両側の開口部を覆い得る一対の蓋体と、上記枠状側壁体の内側に形成される空間室内に配置されるとともに電源装置に接続される一対の電気配線に接続された金属細線と、上記空間室内に充填された爆発性物質とから構成し、
    さらに上記各蓋体の内面側に、上記枠状側壁体の開口部内に挿入されて当該開口部を閉鎖し得る板状体をそれぞれ配置するとともに、これら各板状体の内面側に凹状部を形成してその周囲を環状突出部となし、
    且つ上記枠状側壁体、蓋体および板状体に、空間室内に充填された爆発性物質の爆発力で破損しない強度を持たせたことを特徴とする放電衝撃破壊装置。
  3. 爆発性物質がニトロメタンであることを特徴とする請求項1または2に記載の放電衝撃破壊装置。
  4. 棒状係止部材が、ボルトであることを特徴とする請求項1または2に記載の放電衝撃破壊装置。
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