JP4073896B2 - 光ファイバセンサ複合ケーブルと光ファイバ監視システム用ネット - Google Patents
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例えば、進入検知システムとして、有刺鉄線中に光ファイバを内蔵し、有刺鉄線により侵入を防止しつつ、光ファイバの歪による伝送損失を検出して侵入の検知する方法が知られている。
また、従来の光ファイバグレーティング型歪センサは、例えば、防災ネット等に組み込んだときに、センサの数を多くする必要があるという問題があった。
さらに、光ファイバケーブルを用いて、異常を検知する方法では、異常の発生した場所を精度よく特定することができず、歪み検出感度が低く、歪みの経時変化を測定するような動的変動の検出において問題があった。
従って、例えば、一般家庭、学校などで使用される比較的細い糸でできた網などに取り付けることが可能であり、その場合でも景観が悪くなることもなく、またセンサ部が出っ張って邪魔になることもない。
また、光ファイバ監視システム用ネットに用いられた場合、検出感度を低下させることなく、光ファイバグレーティング型歪センサの敷設箇所を減らすことのでき、広範囲の面における歪みの検出が可能になり、光ファイバ監視システムの低コストが実現できる。
実施の形態1.
本発明に係る実施の形態1は、光ファイバグレーティング型歪センサ(FBG)2が一部に形成された光ファイバを含んでなる光ファイバセンサ複合ケーブルに係るものである。
本第1の製造方法では、まず、図1Aに示すような、その一部に光ファイバグレーティング型歪センサ(FBG)2が形成された光ファイバ1を準備する。尚、この光ファイバ1は、例えば、カラー樹詣で被覆されている。
次に、繊維を編んでなる円筒形状のスリーブであって、光ファイバグレーティング型歪センサ(FBG)2が収納される部分が他の部分に比較して伸縮しやすくなるように緩く編んだスリーブ3に、図1Aの光ファイバ1を通し(図1B)、スリーブの内側及び外側に樹脂を流し込む。
ここでは、例えば、プラスチック強化用繊維としてアルミナ繊維を用い、そのアルミナ繊維を円筒形状に編むことによって作製された内径0.8mmのスリーブ3を用いる。また、FBG2が位置するセンサ被覆部4は、他の部分に比較して繊維充填率を、例えば、約25%小さくする。
このようにして作製した光ファイバセンサ複合ケーブルは、光ファイバグレーティング型歪センサ2が収納される部分では、スリーブ3の繊維が緩く編まれているので、センサ被覆部4のファイバ強化プラスチックの弾性率を、他の部分のファイバ強化プラスチックより低くできる(高弾性率の外力伝達部5−低弾性率のセンサ被覆部4−高弾性率の外力伝達部5とできる)。
この光ファイバセンサ複合ケーブルにおいて、センサ被覆部4以外の光ファイバセンサ複合ケーブルにかかった張力はセンサ被覆部4に伝達されて、センサ被覆部4の光ファイバグレーティング型歪センサ2を伸縮させる。
本第2の製造方法では、まず、図1Aの光ファイバ1を、例えば、内径0.5mmのアラミド繊維(芳香族ポリアミド繊維)からなるスリーブに通して、樹脂を含浸させ、例えば、約1日間硬化させ、第1ファイバ強化プラスチック線材を作製する。
次に、第1ファイバ強化プラスチック線材を、例えば、内径1.3mmのアルミナ繊維でできたスリーブに通し、両端から徐々にマトリックス樹脂をしみ込ませ、外側のスリーブに十分に樹脂がしみ込んだところで、乾燥、硬化を行う。
以上のようにして、アラミド繊維で強化された他の部分より細くて弾性率の低いセンサ被覆部4とその両側において、アラミド繊維と外側スリーブにより2重に強化された太くて弾性率の高い外力伝達部5からなる図2Aに示す光ファイバセンサ複合ケーブルを作製することができる。
本第3の製造方法では、第1の製造方法で使用したアルミナ繊維でできた内径0.8mmのスリーブの一部を引っ張って細くしておき、その細くした部分に光ファイバグレーティング型歪センサ2が位置するようにして、光ファイバ1をスリーブに通す。
そして、スリーブ3全体に樹脂を含浸させ、乾燥、硬化させる。
以上のようにして、他の部分より細くて弾性率の低いセンサ被覆部4とその両側の太くて弾性率の高い外力伝達部5からなる図2Bに示す光ファイバセンサ複合ケーブルを作製することができる。
本実施の形態1の光ファイバセンサ複合ケーブルでは、センサ被覆部4以外の外力伝達部5の剛性が比較的高く設定されている。従って、比較的メッシュの小さい金網に取り付ける場合には、その金網の剛性と光ファイバセンサ複合ケーブルの剛性(特に、センサ被覆部以外の外力伝達部の剛性)を利用して単に金網に通すだけで固定することができる(図3A,図3B)。
また、金網の編み目が大きく光ファイバセンサ複合ケーブルがしっかり固定できない場合には、図4に示すように、金網の編み目を部分的に細かくすることによりしっかりと固定することができる。
このように、本実施の形態1の光ファイバセンサ複合ケーブルは、その剛性を利用して、必要に応じて金網の編み目の大きさを調整することにより簡単に金網に組み込むことができる。
図5Aに、本実施の形態1の光ファイバセンサ複合ケーブルを光ファイバ監視システム用ネットに組み込んだ一設置例を示す。本例では、図3に使用したものと同様、0.5mmのステンレス線を糸としてスパイラル編みで編んだものを用い、縦1m、横2mの金網6を2枚繋げ、柱8で支えている。尚、本発明では、各網ごとに剛性のある光ファイバ複合ケーブルを組み込んで構成されていればよく、2枚の網を繋げた部分における光ファイバ複合ケーブル間の接続部分は、図5A,図5Bに示すように柔軟性のある光ファイバF5で接続されていてもよい。尚、図5Bは、図5Aにおける2枚の網を繋げた部分における光ファイバ複合ケーブル間の接続部分を拡大して示す図であり、図5Cは、その変形例を示す図である。この金網6の歪伝達可能距離(金網の材質によるところが大きい)は、50cmであったことから、本例では、実施の形態1(図1)の1本の光ファイバセンサ複合線材を、金網の弾性に合わせてその中央部の編み目に通した。この配置により、金網のどの部分についても、光ファイバセンサ複合ケーブルまでの最短距離は50cm以内となり、金網のどの部分に加わった力であっても、光ファイバセンサ複合ケーブルに伝達される。尚、ここでは、光ファイバグレーティング型歪センサ2が2つ形成された光ファイバを使用し、センサ2が各網に1個配置するようにした。また、比較として従来の市販の貼り付け式光ファイバグレーティング型歪センサをアラミド繊維でできた糸で巻いて固定した例を図5Dに示す。
また、光ファイバセンサ監視システムを設置する際の施工もきわめて簡単にでき、景観も損ねることがなく、大変良好なシステムの提供が可能になる。
これに対して、従来の歪センサを用いた光ファイバセンサ監視システムでは、歪みセンサを多数個敷設する必要があり、比較的高価な歪みセンサが多数必要となるだけではなく、工事の手間がかがるために設置に多額の費用がかかり、光源及び光を測定する検出システムも大掛かりになるという問題があった。
本例では、図5の例と同じ材質及び構造の、縦幅1m、長手方向の横幅5mの網を用いている。
本例では特に、網の両側に、網目の詰まった部分7を設けて、光ファイバセンサ複合ケーブルを確実に固定するようにした点に特徴がある。このように金網の長さ(横幅)を大きくした場合であっても、1つの歪みセンサによる監視領域をより広げていくことが可能となり、従来の方法に比べ、歪みセンサの設置数を10分の1以下に減らすことが可能になる。
また、歪センサ2が埋設されているセンサ被覆部4の弾性率が低いために伝達された応力、又は振動により光ファイバグレーティング型歪センサ2を効果的に歪ませることができる。
また、光ファイバセンサ複合ケーブルを網に通すことで一体化できるので、外観を損ねることがない。また、施工性もよく、また線材と一体化された光ファイバグレーティング型歪センサが網に組み込まれているので、光ファイバグレーティング型歪センサの脱落がなく、信頼性及び安全性が高められ、施工場所が限定されることもない。
また、従来のように、光ファイバケーブルを張り巡らせ、センサ部が出っ張って取り付けられていると、外観を損ねるだけではなく、破損、落下のおそれもあり、設置場所が限られるが、本実施の形態1の光ファイバセンサ複合ケーブルでは、かかる不都合もない。
本発明に係る実施の形態2の光ファイバセンサ複合ケーブルは、光ファイバグレーティング型歪センサが形成された光ファイバを、樹脂補強材に埋設した光ファイバセンサ複合ケーブルであり、樹脂補強材の断面形状が長軸と短軸を有する楕円でありかつその補強材の中で光ファイバが中心から短軸方向に偏心して設けられていることを特徴とするものである。
尚、本実施の形態2では、補強材の断面形状を楕円としたが本発明はこれに限られるものではなく、異方的な弾性を有するように長軸と短軸を持った扁平な形状であればよい。
また、歪みがない状態におけるゼロ歪波長のバラツキを小さくでき、しかも一定の応力がかかった場合のゼロ歪波長からの波長シフト量のばらつきを小さくできる。
本製造方法では、光ファイバグレーティング型歪センサ2が形成された光ファイバ1(図7A)を準備し、例えば、アラミド繊維でできた内径0.8mmのスリーブ23に通して(図7B)、両端のファイバをスリーブに押し付ける。
尚、ここでは、光ファイバ1として、カラー樹脂で被覆されたものを用いる。
そして、例えば、3日間硬化させた後、線材を型から取り出すと、図7Cに示す、光ファイバ1が樹脂補強材24に埋設された光ファイバセンサ複合ケーブルが得られる。
また、本実施の形態2の光ファイバセンサ複合ケーブルには、(a)光ファイバグレーティング型歪センサ2が偏心してスリーブ3の近くに埋設されていること、(b)光ファイバにおいて光ファイバグレーティング型歪センサ2が形成されている部分はカラー樹脂コートが剥がされて無色であるのに対して他の部分はカラー樹脂コートにより着色されていること、(c)透明エポキシ樹脂を用いて樹脂補強材を形成していることより、光ファイバグレーティング型歪センサ2が埋設されている位置が外側から見て容易に認識できるという利点がある。このことは、たとえば編みに組み付けて敷設する上でも、施工上においても大変好都合である。
3本の実施の形態2の光ファイバセンサ複合ケーブルには、曲がりやすい方向(図8において25の符号を付して示す方向)と平行に徐々に力を加えていき、歪量と波長シフト量との関係を調べた。また、比較例については、光ファイバグレーティング型歪センサの位置が比較的表面近くにできた2本について、光ファイバグレーティング型歪センサが手前に位置するようにセットして前後に曲げることによって、同様な試験を実施した。
また、比較例で得られた歪に対する波長シフト量は、同じ歪に対する本実施の形態2の光ファイバセンサ複合ケーブルで得られた波長シフト量よりも小さいものであった。
以上の結果から、本実施の形態2の光ファイバセンサ複合ケーブルでは、線材にかかる歪が効率よく光ファイバグレーティング型歪センサにかかる構成であり、光ファイバグレーティング型歪センサの有する高い感度を無駄なく生かすことができる。
本発明に係る実施の形態3の光ファイバセンサ複合ケーブルは、補強部24のうち光ファイバグレーティング型歪センサを覆う部分のみを長軸と短軸を有する扁平に断面形状にして、センサ被覆部のみに弾性異方性を持たしている(図9A,図9B)。
尚、図9A及びBは本実施の形態3の光ファイバセンサ複合ケーブルを直交する2方向から見た外観図である。また、実施の形態3では、センサ被覆部26の断面形状は楕円となるように作製している。
まず、実施の形態2と同様にスリーブと光ファイバを流し型にセットし、次に光ファイバグレーティング型歪センサが形成されている部分に樹脂を流し、光ファイバグレーティング型歪センサ(FBG)が収まる程度に短い押さジグで固定して樹脂を硬化させる。
次に、両端の光ファイバを引っ張って張力を測定しながら張力ゼロとなるようにしかつスリーブの中心に光ファイバが位置するようにセットした状態で樹脂を流し込む。
再度、押し型をセットした後、再び高さ調整して張力がゼロになるように調整し流し込んだ樹脂を硬化させる。
以上のようにして、図9A,Bに示す実施の形態3の光ファイバセンサ複合ケーブルは作製できる。
また、実施の形態3の光ファイバセンサ複合ケーブルは、光ファイバのうちセンサ被覆部26を除く部分では補強材24の断面を円形としてその円形の補強材24の中心に光ファイバ1を配置しているので、当該部分では、光ファイバセンサ複合ケーブルを曲げても光ファイバの歪みは少なくできる。
従って、例えば、網に織り込んで光ファイバセンサ複合ケーブルを固定するような場合には、実施の形態3の光ファイバセンサ複合ケーブルでは網に織り込んだときの線材の曲がりによる伝送損失の低下を少なくできる点で実施の形態2の光ファイバセンサ複合ケーブルより有利である。
尚、殆ど曲がりがないように光ファイバセンサ複合ケーブルを設置できる場合には、実施の形態2の光ファイバセンサ複合ケーブルと実施の形態3の光ファイバセンサ複合ケーブルとの間に遜色はない。
本実施の形態4の光ファイバセンサ複合ケーブルは、実施の形態2の光ファイバセンサ複合ケーブルにおいて、補強材の中心に光ファイバグレーティング型歪センサ2が形成された基準光ファイバをさらに備えていることを特徴とし(図10)、歪がほとんどかかることのない基準光ファイバの光ファイバグレーティング型歪センサを基準により精度よく、正確に歪を検出しようとするものである。尚、図10には、光ファイバグレーティング型歪センサ2が形成された部分における光ファイバセンサ複合ケーブルの断面を示している。
尚、光ファイバグレーティング型歪センサが埋設されている部分の線材の断面形状は楕円又はそれに近い形状とするが、他の部分は、断面を楕円として実施の形態2と同様の構成にしてもよいし、断面を円形にして実施の形態3と同様の構成としてもよい。
まず、光ファイバグレーティング型歪センサ(FBG)が設けられた光ファイバを2本準備し、内径1.3mmのTガラスファイバスリーブに通して、曲率半径0.8mmの流し型にセットする。スリーブ中において、一本の光ファイバは底部に固定し、他の一本は実施の形態3と同様にして、両端の光ファイバを引っ張り張力を測定しながら張力ゼロとなるようにしながらスリーブの中心にセットする。その状態で樹脂を流し込んで、押し型をセットした後、再び光ファイバの高さを調整しさらに張力がゼロになるように調整してそのまま硬化させる。
以上の工程により、実施の形態4の光ファイバセンサ複合ケーブルが作製できる。
本発明に係る実施の形態5の光ファイバセンサ複合ケーブルは、実施の形態4の光ファイバセンサ複合ケーブルにおいてさらに、光ファイバグレーティング型歪センサが形成された第2の光ファイバを補強材の中心から上記長軸方向に偏心して設けたことを特徴としている。すなわち、本実施の形態5では、楕円の短軸上で外周に近い位置に1本、中心に1本、および楕円の長軸上で外周に近い位置に1本を光ファイバを配備した。
尚、光ファイバグレーティング型歪センサが埋設されている部分の線材の断面形状は楕円又はそれに近い形状とするが、他の部分は、断面を楕円として実施の形態2と同様の構成にしてもよいし、断面を円形にして実施の形態3と同様の構成としてもよい。
これらの短軸方向と長軸方向の2つの外乱パラメーターを補正することで流速が測定できることを本発明者らは実験室レベルの模擬実験により確認した。
また、本実施の形態5の光ファイバセンサ複合ケーブルは、中心に配置した基準光ファイバにより温度計測も可能である。
本発明に係る実施の形態6は、光ファイバ監視システム用ネットであり、図12Aの平面図にその構成を示す。
本実施の形態6の光ファイバ監視システム用ネットは、異方的な弾性率を有する網33に、光ファイバグレーティング型歪センサ2が形成されている光ファイバセンサ複合ケーブル30が組み込まれてることにより構成されており、光ファイバグレーティング型歪センサ2に平行な方向の網33の弾性率が光ファイバセンサ複合ケーブル30の弾性率より低く設定されており、かつ網33の光ファイバグレーティング型歪センサ2に直交する方向の弾性率が光ファイバセンサ複合ケーブル30の弾性率より高く設定されていることを特徴としている。
この網33は、例えば、ビニールで被覆された外径0.5mmの鉄線を編んで造られており、網33の網目に光ファイバ線材を通している。
従って、光ファイバグレーティング型歪センサ2から離れたところで網33が受けた力は、光ファイバグレーティング型歪センサ2に直交する方向に効率よく伝達されて光ファイバセンサ複合ケーブルに伝わる。
従って、実施の形態6の光ファイバ監視システム用ネットでは、光ファイバセンサ複合ケーブルから離れたところで受けた歪みは、光ファイバグレーティング型歪センサ2によって高い感度で検出される。
図13は、本発明に係る実施の形態7の光ファイバ監視システム用ネットの構成を示す平面図である。
本実施の形態7の光ファイバ監視システム用ネットに用いた網33aは、外径1mmのアラミド繊維による撚り糸を編んだものである。網33aは全体に柔軟性があり(弾性が高く)、一箇所に力がかかっても一部が変形するだけであった。そこで、例えば、ビニールコートされた鉄からなる弾性体棒37を網33aに通して、長手方向に平行(光ファイバセンサ複合ケーブルと直交する方向)に組み付けた。尚、光ファイバセンサ複合ケーブルは、実施の形態6と同じものを用い、弾性体棒37と交差するように組み込んだ。
これにより、網33aに弾性異方性を付与して実施の形態6と同様の効果を得ている。
次に、実施の形態7の光ファイバ監視システム用ネットを用いて、光ファイバグレーティング型歪センサ2で反射されて戻ってきた光の波長を分析した。上記のC及びD点の2箇所に力をかけたときの波長シフト量を比較した。この結果、C点で得られた波長のシフト量に対しD点に力をかけたシフト量は80%以上となった。
また、網に挿入する棒の本数又は剛性を変化させることにより、容易に網の弾性異方性を調整することが可能である。尚、網に剛性の高い棒を挿入することにより網の弾性異方性を調整する場合、網そのものは本来的に弾性異方性を有していてもよいし、弾性異方性を持ってなくてもよい。
本発明に係る実施の形態8の光ファイバ監視システム用ネットは、図14に示すように、実施の形態6又は7の光ファイバ監視システム用ネット33を複数連結した大規模なネットL33(図14では、6つの網を連結して示している)であり、1つの網33に1つの光ファイバグレーティング型歪センサ2を設け、全体では6個の光ファイバグレーティング型歪センサ2が設けられている。尚、光ファイバグレーティング型歪センサ2が各網33の中央にそれぞれ位置するように光ファイバセンサ複合ケーブル30は取り付けられており、隣接する網33間において光ファイバセンサ複合ケーブルは互いに接続されている。尚、図14において、30aの符号で示す部分は、光ファイバセンサ複合ケーブルの接続部である。
光ファイバセンサ複合ケーブル30は、6つの光ファイバグレーティング型歪センサ2が例えば一定の間隔で設けられた1本で構成してもよいことは言うまでもない。
又、順次網を連結して伸ばしていくことで、システムの拡張を容易にでき、光の波長を検出する上で特に問題を生じることもなかった。
また、網自体が弾性異方性を持つものでなくても、例えば、実施の形態7のように弾性率が高い弾性体棒を組み込んで弾性異方性を持たせて、本発明に適用することが可能である。
さらに、本発明で用いられる光ファイバセンサ複合ケーブルは、上述の実施の形態で示した材料、構成に限定されるものではなく、適用するシステムに応じて最適な光ファイバ線材の材質、構成を採用することができる。
また、動的な歪の検出が可能な光ファイバグレーティング型歪センサを検知部として採用し、検出感度を低下させることなく光ファイバグレーティング型歪センサ(FBG)の敷設箇所をできるだけ減らすことのでき、面でセンシングが行える網を低コストで製造、設置することができる。
広域的な監視に適した光ファイバ監視システムを安価に提供することができる。
Claims (13)
- 光ファイバグレーティング型歪センサが少なくとも1つ形成された光ファイバを、弾性体からなる補強材に埋設してなる光ファイバセンサ複合ケーブルにおいて、
上記補強材は、光ファイバグレーティング型歪センサが形成された部分を被覆するセンサ被覆部の弾性率が他の部分に比較して低くなるように設定され、
上記補強材は、光ファイバグレーティング型歪センサを被覆する被覆厚さを他の部分の被覆厚さより薄くすることにより上記センサ被覆部の弾性率が調整されたことを特徴とする光ファイバセンサ複合ケーブル。 - 光ファイバグレーティング型歪センサが少なくとも1つ形成された光ファイバを、弾性体からなる補強材に埋設してなる光ファイバセンサ複合ケーブルにおいて、
上記補強材は、光ファイバグレーティング型歪センサが形成された部分を被覆するセンサ被覆部の弾性率が他の部分に比較して低くなるように設定され、
上記補強材は、ファイバ強化プラスチックからなり、かつ
上記補強材は、上記センサ被覆部に含まれる繊維の種類を上記他の部分と異ならせることによりセンサ被覆部の弾性率が調整されたことを特徴とする光ファイバセンサ複合ケーブル。 - 光ファイバグレーティング型歪センサが少なくとも1つ形成された光ファイバを、弾性体からなる補強材に埋設してなる光ファイバセンサ複合ケーブルにおいて、
上記補強材は、光ファイバグレーティング型歪センサが形成された部分を被覆するセンサ被覆部の弾性率が他の部分に比較して低くなるように設定され、
上記補強材は、ファイバ強化プラスチックからなり、かつ
上記補強材は、上記センサ被覆部における強化用繊維の充填密度を上記他の部分とは異ならせることにより弾性率が調整されたことを特徴とする光ファイバセンサ複合ケーブル。 - 上記請求項1〜3のうちのいずれか1つに記載の光ファイバセンサ複合ケーブルが網に組み込まれてなる光ファイバ監視システム用ネットであって、
上記網の弾性率は、上記光ファイバセンサ複合ケーブルの上記センサ被覆部における弾性率より低くなるように設定されたことを特徴とする光ファイバ監視システム用ネット。 - 光ファイバグレーティング型歪センサが少なくとも1つ形成された光ファイバを、弾性体からなる補強材に埋設してなる光ファイバセンサ複合ケーブルであって、
上記光ファイバグレーティング型歪センサを埋設する上記補強材は長軸と短軸を有する扁平な断面形状を有しており、上記光ファイバグレーティング型歪センサは上記補強材内において中心から上記短軸方向に偏心して設けられ、かつ
上記光ファイバとは別に、光ファイバグレーティング型歪センサが少なくとも1つ形成された第2の光ファイバをさらに備え、その第2の光ファイバが上記補強材の中心から上記長軸方向に偏心して設けられていることを特徴とする光ファイバセンサ複合ケーブル。 - 光ファイバグレーティング型歪センサが少なくとも1つ形成された基準光ファイバをさらに備え、その基準光ファイバが上記補強材の中心に設けられた請求項5に記載の光ファイバセンサ複合ケーブル。
- 上記補強材は、ファイバ強化プラスチックからなる請求項5又は6に記載の光ファイバセンサ複合ケーブル。
- 異方的な弾性率を有する網に、光ファイバグレーティング型歪センサが形成されている光ファイバセンサ複合ケーブルが組み込まれており、上記網の上記光ファイバグレーティング型歪センサに平行な方向の弾性率が上記光ファイバセンサ複合ケーブルの弾性率より低く、上記網の上記光ファイバグレーティング型歪センサに直交する方向の弾性率が上記光ファイバセンサ複合ケーブルの弾性率より高いことを特徴とする光ファイバ監視システム用ネット。
- 請求項8記載の光ファイバ監視システム用ネットにおいて、上記光ファイバセンサ複合ケーブルが請求項1〜5及び請求項7〜11のうちのいずれか1つに記載の光ファイバセンサ複合ケーブルである光ファイバ監視システム用ネット。
- 複数の請求項8又は9記載の光ファイバ監視システム用ネットが連結されてなり、上記光ファイバセンサ複合ケーブルが互いに接続されている光ファイバ監視システム用ネット。
- 上記網の編み方がスパイラル編みである請求項8〜10のうちのいずれか1つに記載の光ファイバ監視システム用ネット。
- 上記網の編み方が平織りであり、縦糸と横糸の太さ、又は、網目の間隔を異ならせることにより、網の弾性率を異方的にした請求項8〜10のうちのいずれか1つに記載の光ファイバ監視システム用ネット。
- 上記光ファイバグレーティング型歪センサと直行する方向に、剛性の高い弾性体棒を上記網に組み付けることにより、上記網の上記光ファイバグレーティング型歪センサに直交する方向の弾性率を高くした請求項8〜12のうちのいずれか1つに記載の光ファイバ監視システム用ネット。
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