JP4072817B2 - ヘルメット内冷却装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、使用者の頭部を保護するヘルメットにおいて、ヘルメット本体内を冷却するヘルメット内冷却装置に関し、殊に炎天下等の高温環境下において好適に用いることができるヘルメット内冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ヘルメット本体内を冷却可能に構成されたヘルメット冷却装置として、ヘルメット本体内に添装した多数の通気孔を有するマットに冷気を供給して、マットの多数の通気孔からヘルメット本体内に冷気を放出する冷房装置(例えば、特許文献1参照。)が知られている。このヘルメットによれば、軽量で冷却効果を向上できる効果がある。また他に、ペルチェ効果を利用した電子冷却装置(例えば、特許文献2参照。)があり、これは冷却フィンから放熱してヘルメット内部を冷却するものである。このヘルメットによれば、静粛化を実現できる。
【0003】
【特許文献1】
特開昭57−167404号公報
【特許文献2】
特開平9−273019号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前者は、マットが型くずれし易いため一部の通気孔がふさがれ予定部分を冷房できず、さらに、手動で冷却ガスを噴出させるため手作業を一時中断しなければならない問題点があった。また後者は、電子冷却装置の構造が複雑になるため壊れやすく、加えて、半導体素子を冷やすために大電流が必要で大型の電源が必要になるという問題点があった。
【0005】
本発明の課題は、ヘルメット本体内を均一に冷却でき、構造が簡単で壊れ難く、さらに手作業を中断させる事がないヘルメット内冷却装置を実現し、快適な作業環境を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ヘルメット本体の内周面と使用者の頭部との間に間隙を形成すると共に前記ヘルメット本体を使用者の頭部に装着する装着部材を備えたヘルメットに設けられるヘルメット内冷却装置であって、冷却ガスボンベを収納する収納部と、冷却ガスボンベから噴出する冷却ガスの噴出量を制御する開閉弁と、開閉弁によって噴出制御された冷却ガスをヘルメット本体内の前記間隙に放出する放出部とからなり、ヘルメット本体の内周面全面から一定厚さの層状空間部を形成するように殻形状の内層体を設け、内層体の後端部から幅広の幕状体を垂設し、層状空間部内の頂頭部を少なくとも含む位置に第1冷却空間部を区画形成し、内層体の後部から幕状体へ至る位置であって、装着した使用者の後頭部及び首筋付近を冷却する位置に第2冷却空間部を区画形成し、第1冷却空間部内に第1の放出部を設け、第2冷却空間部内に第2の放出部を設け、第1冷却空間部及び第2冷却空間部に通気孔を複数個穿設し、第1及び第2の放出部に設けられたそれぞれの開閉弁は、第1冷却空間部内及び第2冷却空間部内のそれぞれの温度に応じて伸縮する形状記憶合金からなるゼンマイ状バネと、冷却ガスが通る連通孔を開閉する開閉栓と、開閉栓を介してゼンマイ状バネを押圧する付勢バネと、から自動的に開閉するように構成され、第1冷却空間部内及び第2冷却空間部内のそれぞれにおいて、内部の温度が、任意に決定される設定温度よりも低い時、ゼンマイ状バネが縮んで付勢バネによって押圧された開閉栓が連通孔を閉じる一方、内部の温度が設定温度よりも高い場合、ゼンマイ状バネの伸びが開閉栓を介して付勢バネを押し返し、連通孔と開閉栓との間に所定幅の冷却ガスの通気路を形成するように構成される。
【0009】
請求項に記載の発明は、放出部が、冷却ガスの放出口と、冷却ガスの放出方向を定めるように放出口に同軸配置された略逆テーパ状の空間を形成する放出方向案内部とから構成される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1乃至図3は本発明に係るヘルメット内冷却装置の第1実施形態を示す。図1は本装置の構成を示すブロック図であり、図2は本装置をヘルメット本体に装着した状態を示す(a)は側面図及び(b)はA矢視図であり、図3は縦端面図である。この実施形態のヘルメット内冷却装置1aは、冷却ガスボンベ7を収納する収納部2と、冷却ガスボンベ7から噴出する冷却ガスの噴出量を制御する噴出制御部3と、噴出制御部3によって噴出制御された冷却ガスをビニールチューブからなる通気管20を介してヘルメット本体6内の間隙19に放出する放出部4とから構成されている。
【0012】
尚、本装置1aが設けられるヘルメット5として、ヘルメット本体6と、ヘルメット本体6を使用者の頭部に装着する装着部材25とを備え、その装着部材25によってヘルメット本体6の内周面8と使用者の頭部との間に間隙19が形成されるものが最も望ましい。このヘルメット本体6は、FRPや合成樹脂等によって頭部全体を覆うように厚肉の略半球状に硬質に成形されている。
【0013】
収納部2は、冷却ガスボンベ7の胴体部を着脱自在に係止する係止部を設けた底板17と、冷却ガスボンベ7の外形状に合わせて形成された収納カバー18とから構成されている。収納カバー18は、底板17と共に冷却ガスボンベ7の全体を覆うように形成され、底板17の周端辺に着脱自在に嵌着されている。また、収納部2は、その嵌着部にゴム部材が挟み込まれるように設けられ、防水可能に形成されている。収納部2の底板17は、ヘルメット本体6の側部に面ファスナー(片面に無数の突起体を設け、他面に突起係合体を設けたもの)等の固着手段24によって、着脱自在に設けられている。
【0014】
噴出制御部3は、ヘルメット本体6内の温度を検知して検知信号を出力する温度センサー10と、冷却ガスボンベ7を開閉する開閉弁11と、検知信号に基づいて開閉弁11の開閉動作を制御する開閉弁制御部12とから構成されている。温度センサー10は、その全体を合成樹脂ケース等により密閉され防水処理されている。温度センサー10は、ヘルメット本体6の内周面8の頂頭部付近に面ファスナー等の固着手段で着脱自在に設けられている。開閉弁11及び開閉弁制御部12は冷却ガスボンベ7と共に収納部2に収納されている。開閉弁11は、収納部2の底板17に冷却ガスボンベ7が係止される際にその冷却ガス噴出口に嵌着するように設けられ、開閉弁制御部12は開閉弁11に近接して設けられている。また開閉弁制御部12は本装置1aの駆動用電源39として小型電池を内蔵している。
【0015】
温度センサー10は、例えば、温度の変動に従い電気抵抗が変化するセラミックス半導体によって構成され、温度上昇とともに抵抗値が減少するNTCサーミスタが使用されている。開閉弁11は、冷却ガスボンベ7を開閉自在に構成された積層型圧電素子弁(図示略)によって冷却ガスの噴出量を調整している。また、開閉弁11として、ピエゾ効果を利用したバイモルフ型圧電素子弁や流量制御型圧電素子弁を用いても良い。開閉弁制御部12は、2つの信号を入力して比較結果を出力するようにOPアンプ等を用いてなる比較回路を内蔵して構成されている。比較回路の一方の入力端子には可変抵抗器が接続され、抵抗調整によって任意の設定温度に対応した基準電圧Vrefが入力されるようになっている。他方の入力端子には、温度センサー10が接続され検知信号が入力されている。検知信号は、ヘルメット本体6内の間隙19の温度に対応する電圧Vtに変換された電圧レベル信号である。基準電圧Vrefと検知信号の電圧Vtとの比較により開閉弁11の開閉動作を制御する制御信号が比較回路から出力される。
【0016】
図4(a),(b)に示すように、放出部4は、冷却ガスの放出口15と、冷却ガスの放出方向を定めるように放出口15に同軸配置された略逆テーパ状の空間を形成する放出方向案内部16とからなり、全体の外観形状が略円板状に形成されている。放出部4は、ヘルメット本体6の内周面8の頂頭部に面ファスナー等の固着手段で着脱自在に設けられている。放出方向案内部16は、中心側の第1テーパ部40と、その外側の第2テーパ部41と、第1テーパ部40及び第2テーパ部41をリブ43によって同軸状に支持するテーパ部支持枠42とから構成されている。第2テーパ部41は、第1テーパ部40よりもテーパ角が広角になるように形成されている。テーパ部支持枠42の側面には、放出口15に連通した通気管接続口44が設けられ、通気管接続口44は収納部2内の噴出制御部3の開閉弁11に通気管20によって接続されている。
【0017】
この構成のヘルメット内冷却装置1aにおいて、その動作時、ヘルメット本体6内の間隙19に設けられた温度センサー10から検知信号が出力され、開閉弁制御部12に入力される。ここで、ヘルメット本体6内の温度が設定温度よりも高い場合(基準電圧Vref≦検知信号の電圧Vtの場合)、開閉弁11を構成する圧電素子弁を開放動作させるために必要な電圧値を備えた制御信号が比較回路から開閉弁11に出力される。この制御信号によって、圧電素子弁が開放動作し冷却ガスを噴出させ、通気管20を介して放出部4からヘルメット本体6の間隙19に冷却ガスが放出される。冷却ガスは放出部4の放出口15から放出される。冷却ガスは、第1テーパ部40によって放出口15の軸方向周辺に放出されるように案内され、第2テーパ部41によって軸方向より外側の広角方向に放出されるように案内される。
【0018】
一方、ヘルメット本体6内の温度が比較回路の設定温度よりも低い場合(基準電圧Vref>検知信号の電圧Vtの場合)、圧電素子弁を閉鎖動作させるために必要な電圧値を備えた制御信号が比較回路から出力される。この制御信号によって、圧電素子弁が閉鎖動作し冷却ガスの噴出を停止させ、放出部4から間隙19への冷却ガスの放出が停止される。
【0019】
このように、本装置1aによれば、収納部2の冷却ガスボンベ7から噴出された冷却ガスを、通気管20を介して放出部4からヘルメット本体6内の間隙19に放出するように構成したので、簡単な冷却構造によって本装置1aを設けたヘルメット5の使用者の頭部を冷却することができる。したがって、炎天下等の高温環境下において、作業能率を向上させると共に快適な作業環境を提供することができる。また従来の冷却装置に比較して構成が簡素化されているので、部品点数を減らして製造コストを抑え、軽量化、小型化、長寿命化及び堅牢化が可能となる。軽量化によって、本装置1aを設けたヘルメット5の使用者の疲労を軽減することができ、その小型化によって、使用者の作業の障害物となることを防ぐことが可能である。また、その長寿命化及び堅牢化によって、保守管理等の手間を省いて装置1aのランニングコストを低減できる。
【0020】
また、噴射制御部3を温度センサー10と開閉弁11と開閉弁制御部12とによって構成したので、冷却ガスの噴出量を自動制御し、間隙19の温度を任意の設定温度に一定に維持することが可能となる。加えて過度の冷却を防止すると共に冷却ガスの無駄な放出を防止し、冷却ガスの噴出効率を向上させることができる。また、噴射制御部3の動作中は冷却ガスを噴出させるための操作が不要となり、手作業を中断することが無くなる。さらに放出部4を放出口15と略逆テーパ状の放出方向案内板16とから構成したので、放出口15から放出された冷却ガスが使用者の頭部に直接当たることが無くなり、冷却ガスによる局所的な頭部の冷却を防ぐことができる。加えて、放出部4一帯を広範囲に亘り均一に冷却することが可能となる。また、放出部4の外観形状を薄型の円板状に形成し、テーパ部支持枠42の側面に、放出口15に連通する通気管接続口44を設けたので、設置面からの高さを変えることなく薄型のままヘルメット本体6の内面に放出部4を固着することができる。
【0021】
また、収納部2及び温度センサー10を防水構造としたので、使用者の発汗、雨水等による本装置1aの機能停止を防ぐことができる。さらに収納部2、温度センサー10及び放出部4を、固着手段として面ファスナー(片面に無数の突起体を設け、他面に突起係合体を設けたもの)等によってヘルメット本体6に着脱自在に設けたので、本装置1aを不要の際にはヘルメット本体6から取り外すことができ、また市販された任意のヘルメット5に設けることが可能となる。
【0022】
次に、図5は本発明に係るヘルメット内冷却装置の第2実施形態を示す。本装置1bは、ヘルメット本体6の内周面8全面から一定厚さの層状空間部36を介して殻形状の内層体26を設け、内層体26の後端部27から幅広の幕状体28を垂設して構成されている。内層体26は、軟質の合成樹脂によって薄板状に形成され、その全周端部がヘルメット本体6の全周端部に支持板29によって支持されることによって、ヘルメット本体6と内層体26との間に一定厚さの層状空間部36を形成している。幕状体28は、吸汗性の高い合成繊維等によって略長方形状の幕状に形成され、使用者の後頭部及び首筋を覆うように内層体26の後端部27から下方に垂設されている。
【0023】
第1冷却空間部31は、層状空間部36の頂頭部を中心に略円形状に立設された隔壁37によって区画形成されている。また第2冷却空間部32は、内層体26後部の層状空間部36から幕状体28へ至る位置に、幕状体28よりも横幅の狭い略正方形状に形成された軟質の薄膜体38を重ねて中空の扁平状に区画形成されている。薄膜体38は気密性の高い合成繊維等によって形成されている。第1冷却空間部31内には、内周面8の頂頭部に第1の放出部33が設けられている。第1の放出部33は、装置1aで使用された放出部4と同様に構成されている。また第2冷却空間部32内には第2の放出部34が設けられ、幕状体28の間隙21側には温度センサー10が設けられている。第2の放出部34は、放出先端が薄膜体38の外側から挿通され、冷却ガスを第2冷却空間部32内に放出するように設けられている。第1冷却空間部31の内層体26及び第2冷却空間部32の内層体26及び幕状体28には、通気孔35が複数個均一に穿設されている。
【0024】
この装置1bにおいて、第1及び第2の放出部33,34は、通気管20によって収納部2に接続され、冷却ガスを第1及び第2冷却空間部31,32内に放出する。放出された冷却ガスは、内層体26と使用者の頭部との間の間隙19と、帯状体28と首筋の間の間隙21に、複数の通気孔35から放出される。その他の構成は装置1aを同様である。この装置1bによっても、装置1aと同様の作用効果を得ることができる。さらに本装置1bでは、冷却ガスが第1及び第2冷却空間部31,32に放出されるので、頭部の暑さに弱い部分に限定して冷却空間部を設けることができ、冷却ガスの噴出量を抑えて効率的な冷却を行うことができる。また複数の通気孔35を設けたので、それらの通気孔35の周辺を均一に冷却することができる。さらに、幕状体28を首筋を覆うように垂設したので、ヘルメット本体6内に加えて首筋を冷却することができると共に太陽光の直射を防ぐことができ、作業者の作業効率をより向上させることができる。
【0025】
次に、図6は本発明に係るヘルメット内冷却装置の第3実施形態を示す。本装置1cは、使用者の頭部から一定厚さの間隙19を介するように殻形状の内層体26を装着部材25に設け、内層体26の後端部27から幅広の幕状体28を垂設して構成されている。内層体26は、軟質の合成樹脂によって薄板状に形成され、その周端部が装着部材25の周端部に支持板29によって支持されることによって、使用者の頭部と内層体26との間に一定厚さの間隙19を形成している。またヘルメット本体6は、内層体26との間に層状空間部36が形成されるように装着部材25に支持されている。幕状体28は、吸汗性の高い合成繊維等によって略長方形状の幕状に形成され、使用者の後頭部及び首筋に覆うように内層体26の後端部27から下方に垂設されている。
【0026】
第1冷却空間部31は、略円形状に形成された軟質の第1薄膜体47を内層体26の頂頭部に重ね合わせることによって中空の円盤状に区画形成されている。また第2冷却空間部32は、内層体26後部の層状空間部36から幕状体28へ至る位置に、幕状体28よりも横幅の狭い略正方形状に形成された軟質の第2薄膜体48を重ねて中空の扁平状に区画形成されている。薄膜体47,48は気密性の高い合成繊維等によって形成されている。第1冷却空間部31及び第2冷却空間部32内には、冷却ガスの第1の放出部33及び第2の放出部34が設けられている。第1の放出部33は、薄膜体47の外側から挿通された通気管20に開閉弁51を介して接続され、第2の放出部34は薄膜体48の外側から挿通された通気管20に開閉弁51を介して接続されている。夫々の通気管20は、収納部2内に設けられた冷却ガスボンベ7に接続されている。
【0027】
第1冷却空間部31において、噴出制御部3である開閉弁51は、第1冷却空間部31内の温度に応じて伸縮する形状記憶合金からなるゼンマイ状バネ53と、それによって連通孔55を開閉する開閉栓57とから自動的に開閉するように構成されている。図7に示すように、開閉弁51は第1薄膜体47に装着されている。第1冷却空間部31内の温度が、任意に決定される設定温度よりも低い時、ゼンマイ状バネ53は縮んだ状態にあり、付勢バネ59によって押圧された開閉栓57が実線の位置で連通孔55を閉じている。この状態において、開閉弁51は冷却ガスの第1の放出部からの放出を停止する閉鎖状態となる。一方、第1冷却空間部31内の温度が設定温度よりも高い場合、ゼンマイ状バネ53の伸びが開閉栓57を介して付勢バネ59を押し返し、連通孔55を閉じていた開閉栓57を破線の位置に移動させて、連通孔55と開閉栓57との間に幅Tの通気路を形成する。この状態において、開閉弁51は冷却ガスを通気路を通過させ放出部から放出する開放状態となる。
【0028】
通気路の幅Tは温度に応じて伸びるゼンマイ状バネ53の伸び力と付勢バネ59の押圧力との釣り合いによって決定される。したがって、設定温度との温度差が大きいときには幅Tがより広くなり、より多くの冷却ガスが噴出され、その温度差に応じて自動的に冷却ガスボンベから噴出する冷却ガスの噴出量が制御される。第2冷却空間部32においても、上記した開閉弁51と同様のものが設けられている。また第1冷却空間部31の内層体26及び第2冷却空間部32の内層体26及び幕状体28には、通気孔35が複数個均一に穿設されている。この装置1cにおいて、冷却ガスは第1及び第2冷却空間部31,32内に開閉弁51を介して放出部33,34から放出される。その放出された冷却ガスは、内層体26と使用者の頭部との間の間隙19と、帯状体28と首筋の間の間隙21に、複数の通気孔35から放出される。
【0029】
この装置1cによれば、噴出制御部3を、第1冷却空間部31及び第2冷却空間部32内の温度に応じて伸縮する形状記憶合金からなるゼンマイ状バネ53によって自動的に開閉する開閉弁51から構成したので、噴出制御部3の構成を簡素化でき、軽量化して第1冷却空間部31,32内の温度を適正な温度に調整することができる。
【0030】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各部の形状並びに構成を適宜に変更して実施することも可能である。
(1)収納部2、温度センサー10及び放出部4を、固着手段として両面接着テープ等によってヘルメット本体6に設けること。
(2)収納部2をヘルメット本体6の左側部に限らず、右側部、上部或いは後部に設けること。
(3)放出部4を円板状に限らず、楕円板状、長円板状、正方形板状、長方形板状等に形成すること。
(4)放出部4を頂頭部に限らず、ヘルメット本体6内の側部、後部等に設けたり、複数箇所に設けること。
【0031】
(5)通気管20をビニールチューブに限らず、シリコンゴム、可撓性金属管等によって形成すること。
(6)温度センサー10を複数箇所に設けること。
(7)第1冷却空間部31を円形状に限らす、楕円形状、正方形状及び長方形状に区画形成すること。第2冷却空間部32を同様に、円形状等に区画形成すること。
(8)装置1cの開閉弁51を、ゼンマイ状バネ53に限らず、図8に示すように、形状記憶合金から成るく字状バネ54等で構成すること。
【0032】
(9)装置1cの開閉弁51を、図9に示すように、冷却ガスの通気路を開閉する回動自在な回動弁58と、その回動軸の一方に設けた形状記憶合金からなるゼンマイ状バネ53aと、他方に設けた付勢バネ59aとから構成し、ゼンマイ状バネ53aと付勢バネ59aとによって回動弁58を回動変位させて冷却ガスの放出量を調整可能に形成しても良い。
(10)図10の装置1dのように、2つの放出部4の内、一方の放出部4を、後頭部及び首筋付近を冷却するように、ヘルメット本体6の内側に設けた発泡スチロール等の緩衝材層60に配設し、他方の放出部4を、頂頭部付近を冷却するように、装着部材25を覆って冷却空間部62を形成する内層体63に配設すること。図1の装置1aと同様に、放出部4は通気管20を介して収納部2に接続される。
【0033】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1の発明によれば、収納部の冷却ガスボンベから噴出された冷却ガスを、通気管を介して放出部からヘルメット本体内の間隙に放出するように構成したので、簡単な冷却構造によってヘルメット本体内を冷却することができる。したがって、その冷却によって快適な作業環境を提供することができ、部品点数を減らして製造コストを抑え、軽量化、小型化、長寿命化及び堅牢化が可能となる。また噴出制御部を形状記憶合金ばねによって開閉する開閉弁から構成したので、開閉弁を動作させる電源が不要となり、冷却構造をより簡素化し軽量化することができる。さらに冷却ガスが第1及び第2冷却空間部に放出されるので、人体構造上暑さに弱い部分に限定して冷却空間部を設けることができ、冷却ガスの噴出量を抑えて効率的な冷却を行うことができる。
【0036】
請求項の発明によれば、放出部を放出口と略逆テーパ状の放出方向案内板とで構成したので、放出口から放出された冷却ガスを使用者の頭部に直接当てること無く、放出部一帯を広範囲に亘り均一に冷却することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態の構成を示すヘルメット内冷却装置のブロック図である。
【図2】図1のヘルメット内冷却装置をヘルメットに装着した状態を示し、(a)は側面図、(b)はA矢視図である。
【図3】図1のヘルメット内冷却装置をヘルメットに装着した状態を示す縦端面図である。
【図4】図2の放出部を示し、(a)は正面拡大図、(b)はB−B線断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態を示すヘルメット内冷却装置を装着したヘルメットの端面図である。
【図6】本発明の他の実施形態を示すヘルメット内冷却装置を装着したヘルメットの端面図である。
【図7】図6の開閉弁を示す拡大断面図である。
【図8】他の開閉弁を示す拡大断面図である。
【図9】他の開閉弁を示す斜視説明図である。
【図10】本発明の他の実施形態を示すヘルメット内冷却装置を装着したヘルメットの端面図である。
【符号の説明】
1a,1b,1c,1d・・ヘルメット内冷却装置、2・・収納部、3・・噴出制御部、4・・放出部、5・・ヘルメット、6・・ヘルメット本体、7・・冷却ガスボンベ、8・・内周面、10・・温度センサー、11,51・・開閉弁、12・・開閉弁制御部、15・・放出口、16・・放出方向案内部、19・・間隙、25・・装着部材、26・・内層体、27・・後端部、28・・幕状体、31・・第1冷却空間部、32・・第2冷却空間部、33・・第1の放出部、34・・第2の放出部、35・・通気孔、36・・層状空間部、53・・形状記憶合金ばねとしてのゼンマイ状バネ。

Claims (2)

  1. ヘルメット本体の内周面と使用者の頭部との間に間隙を形成すると共に前記ヘルメット本体を使用者の頭部に装着する装着部材を備えたヘルメットに設けられるヘルメット内冷却装置であって、
    冷却ガスボンベを収納する収納部と、
    冷却ガスボンベから噴出する冷却ガスの噴出量を制御する開閉弁と、
    開閉弁によって噴出制御された冷却ガスをヘルメット本体内の前記間隙に放出する放出部とからなり、
    ヘルメット本体の内周面全面から一定厚さの層状空間部を形成するように殻形状の内層体を設け、内層体の後端部から幅広の幕状体を垂設し、
    層状空間部内の頂頭部を少なくとも含む位置に第1冷却空間部を区画形成し、
    内層体の後部から幕状体へ至る位置であって、装着した使用者の後頭部及び首筋付近を冷却する位置に第2冷却空間部を区画形成し、
    第1冷却空間部内に第1の放出部を設け、
    第2冷却空間部内に第2の放出部を設け、
    第1冷却空間部及び第2冷却空間部に通気孔を複数個穿設し、
    第1及び第2の放出部に設けられたそれぞれの開閉弁は、
    第1冷却空間部内及び第2冷却空間部内のそれぞれの温度に応じて伸縮する形状記憶合金からなるゼンマイ状バネと、冷却ガスが通る連通孔を開閉する開閉栓と、開閉栓を介してゼンマイ状バネを押圧する付勢バネと、から自動的に開閉するように構成され、
    第1冷却空間部内及び第2冷却空間部内のそれぞれにおいて、内部の温度が、任意に決定される設定温度よりも低い時、ゼンマイ状バネが縮んで付勢バネによって押圧された開閉栓が連通孔を閉じる一方、内部の温度が設定温度よりも高い場合、ゼンマイ状バネの伸びが開閉栓を介して付勢バネを押し返し、連通孔と開閉栓との間に所定幅の冷却ガスの通気路を形成する、
    ヘルメット内冷却装置。
  2. 放出部が、冷却ガスの放出口と、
    冷却ガスの放出方向を定めるように放出口に同軸配置された略逆テーパ状の空間を形成する放出方向案内部と
    からなる請求項に記載のヘルメット内冷却装置。
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