JP2001303353A - 安全帽 - Google Patents

安全帽

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JP2001303353A
JP2001303353A JP2000113145A JP2000113145A JP2001303353A JP 2001303353 A JP2001303353 A JP 2001303353A JP 2000113145 A JP2000113145 A JP 2000113145A JP 2000113145 A JP2000113145 A JP 2000113145A JP 2001303353 A JP2001303353 A JP 2001303353A
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JP
Japan
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heat
thermoelectric element
shock absorbing
cap body
temperature
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JP2000113145A
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Toshiji Hara
利次 原
Usaburo Yamaguchi
卯三郎 山口
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Individual
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A42HEADWEAR
    • A42BHATS; HEAD COVERINGS
    • A42B3/00Helmets; Helmet covers ; Other protective head coverings
    • A42B3/04Parts, details or accessories of helmets
    • A42B3/28Ventilating arrangements
    • A42B3/285Ventilating arrangements with additional heating or cooling means

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱電素子を安全帽内に搭載し、熱を外部に効
果的に放出する。 【解決手段】 帽体1の内壁に風路200を形成するた
めの開口を有する衝撃吸収ライナー2aの開口を塞ぐよ
うに衝撃吸収ライナー2bが設けられ、それにより風路
200が換気穴12a、12bを連通するように形成さ
れる。衝撃吸収ライナー2bに設けられた開口に熱電素
子100が埋め込まれ、放熱器13が風路200に露出
される。衝撃吸収ライナー2bの内側に設けられた冷却
用伝導部材15は利用者の額に対向する位置まで延び、
冷却マット19を介して額を冷却する。放熱器13の外
方に衝撃吸収部材24が設けられ、熱電素子100と冷
却用伝導部材15の内側にヘッドクッション7、サイド
クッション4が設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、頭部を外部からの
衝撃から保護するための安全帽に係り、特に自動二輪車
などの車両運転時に着用する乗車用安全帽に関する。
【0002】
【従来の技術】安全帽は通常ヘルメットとも呼ばれ、土
木建設作業のように屋外で作業する場合、車両を運転す
る場合あるいは野球を観戦する場合等に、頭部を保護す
るために着用することが日常的に行われている。しか
し、夏季とくに炎天下で従来の安全帽を着用したときに
は、帽体内部が蒸し暑くなり、利用者は極めて不愉快に
感じる。梅雨のように高温多湿のとき、あるいは夏季の
雨の日も同様である。
【0003】このため、従来の安全帽には、換気穴が設
けられているものもあるが、上記問題を解決するにはほ
ど遠いものがある。更に、このような換気穴を有する安
全帽は、雨の日に屋外で着用すると、換気穴から雨が入
るという問題がある。このため、自動二輪車を走行する
ときに着用する乗車用安全帽には、換気穴の外側に開閉
可能なシャッターを設けたものもある。しかし、雨の日
にこのシャッターを閉じると、帽体内部は、体温と発汗
によって高温多湿状態になることには変わりはない。
【0004】安全帽の内部の温度を下げる試みとして、
例えば特開平11−081007号公報には、熱電素子
を搭載した安全帽が提案されている。この技術では、安
全帽の頂上付近に帽体に開口が設けられ、この開口に熱
電素子を組み込まれている。熱電素子は、電流が流れる
と外部の熱を吸収する吸熱部と、その熱を放出する発熱
部を有するものである。
【0005】上記従来技術では熱電素子としてペルチエ
効果を利用する素子が複数個使用されている。熱電素子
の吸熱部が帽体内部に向けて露出され、発熱部が外気に
露出されている。帽体内で発生した熱が吸熱部で吸収さ
れ、吸熱部が吸収した熱が発熱部により外気に放出され
ることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、熱
電素子が帽体外部に突出しているため、外部よりの機械
的な衝撃により熱電素子が破損する恐れがある。すなわ
ち、熱電素子は、半導体の一種であり、現在その主流は
(Bi−Te)系である。半導体は外力に対して非常に
脆いものであり、特に(Bi−Te)系の熱電素子は、
これを安全帽に装着した場合、安全帽の通常の取り扱い
では容易に破損する恐れがある。
【0007】更に、熱電素子が、外気にさらされている
ために劣化するという問題がある。ペルチエ素子は、通
常は共通電極で接合されたN型素子とP型素子とにより
構成される。その電極には主に電気的熱的良導体である
銅が使用されている例が多い。電極、P型素子あるいは
N型素子が外気に露出していると、雨天時はもちろん湿
気の多いときなどには水滴が電極あるいはこれらの素子
に付着し、その状態で直流電流を流せば腐食を起こし、
これらの素子の劣化が激しくなる。
【0008】以上の二つの問題を考慮すると、熱電素子
を帽体内部に装着することが望ましい。しかしながら、
帽体内部に熱電素子を装着すると、それが発生する熱を
外部に効果的に放出する必要がある。
【0009】更に、熱電素子を安全帽に装着した場合、
雨天でも使用できるように、熱電素子を駆動する電源と
して電池を使用することが望ましい。その場合、電池の
消耗を防止できることが望まれる。
【0010】更に、熱電素子を安全帽に装着した場合、
安全帽の重さが増大することは避けられない。したがっ
て、熱電素子を使用しないときに、熱電素子を簡単に取
り外せることが望ましい。
【0011】したがって、本発明の目的は、熱電素子を
帽体内に搭載し、当該熱電素子により発生される熱を効
果的に外部に放出できる安全帽を提供することである。
【0012】本発明の他の目的は、帽体内部に搭載され
た熱電素子により発生される熱を効果的に外部に放出で
き、かつ、外気の湿気による熱電素子に対する影響を低
減できる安全帽を提供することである。
【0013】本発明の更に他の目的は、電池で駆動され
る熱電素子を帽体内部に搭載し、かつ電池の消耗を効果
的に低減できる安全帽を提供することである。
【0014】本発明の更に他の目的は、簡単に取り外し
ができるように熱電素子を帽体内部に搭載した安全帽を
提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
【0016】本発明に係る安全帽は、帽体の前方部分に
設けられた少なくとも一つの第1の換気穴と、前記帽体
の後方部分に設けられた少なくとも一つの第2の換気穴
と、前記帽体の内壁に沿って敷設され、前記第1、第2
の換気穴を連通する空気の通路を形成するように形成さ
れた衝撃吸収部材と、前記通路に熱的に接続された放熱
部材と、吸熱部と発熱部とを有し、前記帽体の内部に前
記通路から隔離して設けられ、前記発熱部が前記放熱部
材に熱的に接続されている熱電素子と、を有するもので
ある。これにより外気を利用して熱電素子から発生する
熱を外部に効果的に放出することができる。しかも熱電
素子に対する上記通路を通過する外気の湿気の影響を減
らすことができる。
【0017】具体的には、前記衝撃吸収部材を貫通し前
記通路に通じる位置に開口が設けられ、前記熱電素子
は、前記発熱部を前記通路に向け、前記吸熱部を前記帽
体の内側に向けて前記開口に埋設され、前記放熱部材
は、前記発熱部の前記通路側に前記通路内に突出して設
けられている。これにより熱電素子と前記放熱部材を、
安全帽を着用するうえで邪魔にならないように帽体内部
に収容することができる。
【0018】具体的には、前記開口と前記熱電素子との
間の間隙は封じられていることである。これにより熱電
素子に対する前記通路を通過する外気の影響をより確実
に緩和又は回避できる。
【0019】更に具体的には、上記放熱部材と上記帽体
の内壁との間に他の衝撃吸収部材が更に設けられ、前記
吸熱部に対向して、前記帽体の内側位置に他の衝撃吸収
部材が更に設けられている。これにより利用者の頭部を
外部からの衝撃からより強く保護できる。
【0020】更に具体的には、前記吸熱部に熱的に結合
され、当該吸熱部から利用者の額が当接される前記帽体
内部の位置まで延在する冷却用伝導部材を更に有し、前
記冷却用伝導部材は、利用者の額の2次元的な広がりに
対応した2次元的な広がりを有する額拡散部と、当該額
拡散部を前記吸熱部に結合するための熱伝導部を有す
る。これにより利用者の額を冷却でき、より効果的に涼
感を利用者に与えることができる。
【0021】更に具体的には、前記額拡散部に対向し前
記帽体の内側位置に熱伝導性を有する衝撃吸収部材が更
に設けられていることである。これにより利用者の額を
冷却するとともに利用者が受ける衝撃を減らすことがで
きる。
【0022】更に具体的には、前記帽体の内壁に沿って
敷設された前記衝撃吸収部材は、前記帽体の内壁に固定
され、前記第1の換気穴から前記第2の換気穴に至る前
記通路を形成するための欠損部を有する第1の衝撃吸収
部材と、前記第1の衝撃吸収部材の前記欠損部を覆い前
記通路を形成するための第2の衝撃吸収部材とを含み、
前記熱電素子及び前記放熱部は、前記第2の衝撃吸収部
材により保持され、前記第2の衝撃吸収部材は、前記第
1の衝撃吸収部材に取り外し可能に結合されている。こ
れにより熱電素子を使用しないときに前記第2の衝撃吸
収部材とともに当該熱電素子と前記放熱部材とを簡単に
取り去ることができる。
【0023】更に具体的には、前記第1の衝撃吸収部材
の前記欠損部は、前記第1、第2の換気穴を除いて第3
の衝撃吸収部材により充満可能なように形成され、前記
第3の衝撃吸収部材は、前記欠損部を充満したときに
は、前記第1、第2の換気穴を通じ、前記帽体の前記第
3の衝撃吸収部材よりも内側位置を通過する他の通路を
形成するように構成されている。これにより上記第3の
衝撃吸収部材を上記安全帽に組み込むと、熱電素子が搭
載されていない通常の安全帽と同じ機能の安全帽が得ら
れる。
【0024】更に具体的には、前記帽体内部に設けられ
た温度検出装置と、前記熱電素子を駆動するための電池
から前記熱電素子への通電を前記温度検出装置により検
出された温度に応じて制御する制御装置とを更に有す
る。これにより無用な電池消費を減らして効果的に冷却
を行うことができる。
【0025】更に具体的には、前記制御装置は、当該検
出された温度が予め設定された温度以下になった場合及
び前記熱電素子に電流が供給されている状態において、
前記温度検出装置により検出された温度の変化速度が一
定の値以下になった場合の少なくとも一方の場合に、前
記電池から前記熱電素子への通電を停止する。これによ
り涼感を実質的に減らさないで電力消費を減らすことが
できる。
【0026】更に具体的には、前記帽体の内部に設けら
れた温度検出装置と、前記熱電素子を駆動する電池から
前記熱電素子への通電を、前記温度検出装置により検出
された温度に応じて制御する制御装置と、前記吸熱部に
熱的に結合され、当該吸熱部から利用者の額が当接され
る前記帽体内部の位置まで延在する冷却用伝導部材とを
更に有し、前記冷却用伝導部材は、利用者の額の2次元
的な広がりに対応した2次元的な広がりを有する額拡散
部と、当該額拡散部を前記吸熱部に結合するための熱伝
導部を有し、前記温度検出装置は、前記額拡散部の温度
を検出し、前記制御装置は、当該検出された温度が予め
設定された温度以下になった場合及び前記熱電素子に電
流が供給されている状態において、前記温度検出装置に
より検出された温度の変化速度が一定の値以下になった
場合との少なくとも一方の場合に、前記熱電素子への通
電を停止させる。これにより、利用者の額を効果的にか
つ少ない消費電力で冷却することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る安全帽のいく
つかの実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。な
お、以下においては、同じ参照番号は同じもの若しくは
類似のものを表すものとする。また、第2の実施の形態
以降では、第1の実施の形態との相違点を主に説明する
に止める。
【0028】<発明の実施の形態1>本発明に係る安全
帽の実施の形態を説明する前に、従来の乗車用安全帽を
比較のために説明する。
【0029】図12は、熱電素子を搭載していない従来
のフルフェイス型の乗車用安全帽の断面図を示す。帽体
1の前方の開放部3aの前方には風よけのフード3が設
けられている。帽体1の前方上部と後方上部に一対の換
気穴12a、12bが設けられ、それぞれの外側にそれ
ぞれの開閉を制御するためのシャッター11a、11b
が設けられている。帽体1の内壁に沿って衝撃吸収ライ
ナー2が固定されている。衝撃吸収ライナー2のうち換
気穴12a、12bにそれぞれ対向する二つの部分を貫
通して、換気穴12a、12bを塞がないように二つの
開口が設けられている。
【0030】衝撃吸収ライナー2の内面のうち帽体1の
中央上方に位置する部分にはヘッドクッション7が押し
当てられ、衝撃吸収ライナー2の内面のうち帽体1の周
辺に位置する部分にはサイドクッション4が押し当てら
れている。更に帽体1の内面の前方下方部分にはあごガ
ード8が設けられている。ヘッドクッション7とサイド
クッション4は、換気穴12a、12bを塞がないよう
に形成されている。この結果、換気穴12a、12bと
ヘッドクッション7の下方の帽体1内の空間を経由する
風路が形成される。
【0031】乗車用安全帽のようにほぼ球形の物がある
速度で空気中を移動すると、その前方では風圧で気圧が
高くなる一方、後方では空気の流れが物体表面から剥離
するため空気が希薄となって負圧となる。したがって、
シャッター11a、11bが開いているときには、前方
ではシャッター11aが風を受け、後方では気流がシャ
ッター11bによって強制的に帽体1の外表面から剥離
されるために前記の圧力変化が顕著となる。
【0032】この結果、図に矢印で示すように、換気穴
12aから帽体1内の空間に外気が流入し、帽体1内の
安全帽の利用者の体温あるいは発汗により温度と湿度が
上昇した帽体1内の空気が換気穴12bから排出され
る。こうして、帽体1内は外気に近い環境が保たれ、利
用者は涼感を得ることができる。しかし、雨天走行時に
は換気穴12a、12bを介して帽体1内に雨が進入す
るためシャッター11a、11bは閉じざるを得ない。
このため、夏季の雨天のとき又は梅雨のときには帽体1
内は体温と発汗によって高温多湿状態になるという問題
が生じる。
【0033】また、夏季のように外気温度が体表面温度
より高くなると、雨天でなく、したがって、シャッター
11a、11bが開かれている状態でも、利用者の発汗
作用が活発になり、帽体1内の空気の湿度が高くなると
いう問題がある。
【0034】図1は本発明に係るフルフェイス型の乗車
用安全帽の断面図である。図2は上記安全帽の平面図で
ある。図3は図1の線AAについての部分断面図であ
る。
【0035】安全帽の帽体1の前方の開放部3aの前方
には風よけのフード3が設けられている。帽体1の前方
上部及び後方上部に帽体1を貫通して換気穴12a、1
2bが設けられ、これらの換気穴12a、12bを開放
又は閉塞するための、手で開閉可能なシャッター11
a、11bが帽体1の外側に固定されている。帽体1の
衝撃吸収部材として第1の衝撃吸収ライナー2aと第2
の衝撃吸収ライナー2bが使用される。これらは外部か
らの衝撃を吸収するとともに、外部からの熱を遮断する
断熱性も有する。
【0036】第1の衝撃吸収ライナー2aは、帽体1の
内面に固定されている。第1の衝撃吸収ライナー2a
は、換気穴12a、12bを連通する風路200が形成
されるように、換気穴12aから換気穴12bに至る帽
体1の中央上部内側には設けられていない。ただし後に
述べる電子冷却装置の上側に位置する、帽体1の内側に
は、衝撃吸収部材24が固定されている。
【0037】第2の衝撃吸収ライナー2bが、第1の衝
撃吸収ライナー2aの上記欠損部分に風路200が形成
されるように、上記欠損部分に対向して設けられてい
る。第1の衝撃吸収ライナー2aの上記欠損部分の周囲
には、後に説明する冷却用伝導部材15が設けられる部
分を除いて段差部30が形成され、第2の衝撃吸収ライ
ナー2bは、第1の衝撃吸収ライナー2aに対して押し
込まれ、この段差部30にて第1の衝撃吸収ライナー2
aに係合される。第1、第2の衝撃吸収ライナー2a、
2bとしては、例えば、発泡スチロールが使用され、こ
れらのライナーの間の摩擦力により、第2の衝撃吸収ラ
イナー2bが第1の衝撃吸収ライナー2aに保持され
る。
【0038】第2の衝撃吸収ライナー2bの第1の衝撃
吸収ライナー2aとの接触部分にはシールパッキング9
が貼付されている。シールパッキング9によりこれら二
つのライナーの間の間隙がシールされている。このシー
ルにより、風路200が帽体1の他の空間と分離され、
帽体1の前側の換気穴12aから風路200に流入した
雨滴が第1の衝撃吸収ライナー2aと第2の衝撃吸収ラ
イナー2bの接触部分を通して第2の衝撃吸収ライナー
2bの内側に流入することが防止される。シールパッキ
ング9としては、例えば独立気泡の軟質発泡材を使用で
きる。
【0039】第2の衝撃吸収ライナー2bの中央よりや
や後ろに位置する部分に風路200に通じる開口が形成
され、その開口に熱電素子100が埋め込まれている。
図において、熱電素子100は、その吸熱部と発熱部が
熱電素子100の下方、上方にそれぞれ位置するように
配置される。すなわち、吸熱部が帽体内部に向けられ、
第2の衝撃吸収ライナー2bの内側に露出するように設
置され、発熱部が上記風路200に向けられている。
【0040】熱電素子100の発熱部の上側には、放熱
器13が固定され、この放熱器13は、風路200に突
出して配置され、換気穴12aから風路200に導入さ
れる外気にさらされる。放熱器13に対向する帽体1の
内壁部分には、衝撃吸収部材24が固定され、熱電素子
100を帽体1の外部からの機械的な衝撃から保護して
いる。
【0041】図4は、第2の衝撃吸収ライナー2bと、
それに埋め込まれた熱電素子100及びそれの付随部材
を示す拡大図である。図5は、上記第2の衝撃吸収ライ
ナー2bとそれの付随部材の平面図である。放熱器13
と冷却用伝導部材15が熱電素子100に固定されてい
る。以下では、これらの部品13、15及び100の組
を電子冷却装置と呼ぶことがある。放熱器13と、これ
らの熱電素子100と第2の衝撃吸収ライナー2bとの
間隙におけるこれらの間の部材の摩擦により、熱電素子
100と放熱器13と冷却用伝導部材15とが保持され
る。なお、冷却用伝導部材15の下方には後に述べるヘ
ッドクッション7が押し当てられ、ヘッドクッション7
と第2の衝撃吸収ライナー2bとの間の摩擦も、熱電素
子100とその付属部材を保持するに役立っている。
【0042】熱電素子100と第2の衝撃吸収ライナー
2bとの間の間隙は、シール部材17により封じられて
いる。シール部材17は、熱電素子100の周囲を覆う
ように設けられている。シール部材17には、例えばシ
ールパッキング9と同じものを用いることができる。こ
の結果、放熱器13より下方に位置する熱電素子100
は風路200を通過する外気から隔離され、熱電素子1
00が風路200を通過する外気に含まれた湿気により
劣化するのが防止される。
【0043】冷却用伝導部材15は、熱電素子100の
吸熱部に固定されている。図6は、熱電素子100及び
冷却用伝導部材15を示す斜視図である。放熱器13
は、複数のフィン13aと、それらを保持するためのそ
れらのフィンと一体に形成された保持板13bとからな
り、保持板13bが熱電素子100の発熱部に固定され
ている。放熱器13のフィン13aも保持板13bも例
えばアルミニウムからなる。
【0044】冷却用伝導部材15は、帽体1の前方へ延
長して利用者の額の位置まで達している。冷却用伝導部
材15は、利用者の額に対向し、利用者に額の2次元的
な広がりに対応する2次元的な広がりを有する額拡散部
15aと、当該額拡散部15aを前記吸熱部に結合する
ための熱伝導部15bとを有する。なお、図では、額拡
散部15aは平板であるが、額の形状に合わせた曲面に
することが望ましい。同様に熱伝導部15bは図では折
れ曲がっているが、頭部の形状に近い球面とすることが
望ましい。
【0045】熱的伝導性のよい衝撃吸収力がある冷却マ
ット19が、熱伝導部15bは額拡散部15aの内側に
利用者の額に向けて固定され、利用者の額と接触してそ
こから熱を効果的に吸収する。冷却マット19として
は、例えば白色ゼリー状の液体あるいは一部の吸水ポリ
マーなどの衝撃吸収力と熱的伝導性がある材料が封入さ
れたマットが使用できる。更に有効なことは、このよう
な冷却マット19は、利用者の額がこの冷却マット19
に接触したときの感触が優れていることである。なお、
熱の吸収効果を増大するためには、冷却マット19を使
用しないで、額拡散部15aを利用者の額に直接当てる
ようにしてもよい。
【0046】図1に戻り、第1の衝撃吸収ライナー2a
の内側のうち熱電素子100及び冷却用伝導部材15が
位置する帽体1の中央部分には、熱電素子100及び冷
却用伝導部材15の内側にヘッドクッション7が設けら
れている。第1の衝撃吸収ライナー2aの内側のうち周
辺部分にはサイドクッション4が設けられている。更に
帽体1の内面の前方下方部分にはあごガード8が設けら
れている。サイドクッション4、ヘッドクッション7及
びあごガード8は、第1、第2の衝撃吸収ライナー2
a、2bとともに利用者の頭部を保護する。
【0047】帽体1の内壁のうち風路200が形成され
ている部分には第1の衝撃吸収ライナー2aは設けられ
ていない。したがって、風路200の上方に外部より衝
撃が与えられたときの衝撃を緩和するために、ヘッドク
ッション7には、第1、第2の衝撃吸収ライナー2a、
2bよりも衝撃吸収力の強い材料を使用することが望ま
しい。
【0048】放熱器13の上方から外部の衝撃力が与え
られたとき、衝撃吸収部材24は、利用者の頭部に対す
る衝撃を緩和する機能も有する。しかし、第2の衝撃吸
収ライナー2bのうち熱電素子100が埋め込まれてい
る部分には衝撃吸収部材が存在しないので、衝撃吸収部
材24も、第1、第2の衝撃吸収ライナー2a、2bよ
りも衝撃吸収力の強い材料を使用することが望ましい。
【0049】例えば、第1、第2の衝撃吸収ライナー2
a、2bとしては、発泡スチロールを使用し、衝撃吸収
部材24とヘッドクッション7には、αゲル入りウレタ
ン発泡材を使用できる。なお、風路200の断面積が大
きいと、そこを流れる空気の流量を大きくでき、電子冷
却装置の冷却能力を高めることができる反面、第2の衝
撃吸収ライナー2bのうち風路200に対向する部分の
面積が増え、この衝撃吸収ライナー2bの衝撃吸収力が
低下する。したがって、電子冷却装置の冷却能力の増大
と衝撃吸収ライナー2bの衝撃吸収力の低下を考慮して
風路200の幅と深さを決めることが望ましい。
【0050】安全帽に電子冷却装置を設けた場合、その
設け方に依らず、電子冷却装置を使用しないときには電
子冷却装置をはずせることが望ましいことがある。例え
ば、電子冷却装置の重量のために安全帽を利用者が重く
感じることが起こりうる。更に、安全帽を着用しない状
態では、熱電素子100は、安全帽の下方の開口を介し
て大気にさらされることになり、安全帽に電子冷却装置
を長期間搭載したままにすると、熱電素子100は大気
中の湿度により劣化する恐れもある。
【0051】このため、本実施の形態では、電子冷却装
置の不使用時に、電子冷却装置を第2の衝撃吸収ライナ
ー2bとともに簡単に取り外すことができ、その代替と
して他の第3の衝撃吸収ライナーを風路200に充満
し、電子冷却装置を搭載していない通常の安全帽として
使用できるようになっている。後に電子冷却装置を使用
するときには、逆に第2の衝撃吸収ライナー2bと電子
冷却装置を装着できる。
【0052】すなわち、図1において、第1、第2の衝
撃吸収ライナー2a、2bの間のシールパッキング9と
して接着力を有しないものが使用され、第2の衝撃吸収
ライナー2bは、第1の衝撃吸収ライナー2aに押し当
てられた状態で使用される。したがって、第2の衝撃吸
収ライナー2bは第1の衝撃吸収ライナー2aに対して
取り外し可能に設けられていることになる。
【0053】もちろん、シールパッキング9として人力
ではがせる接着力を有するものを使用してもよい。その
場合、シールパッキング9は、繰り返しはがしても接着
力が極端に低下しないものを使用することが望ましい。
あるいは、シールパッキング9には接着力を有しないも
のを使用し、別に第1、第2の衝撃吸収ライナー2a、
2bを取り外し可能な状態で相互に固定する部材を併用
してもよい。ヘッドクッション7も第2の衝撃吸収ライ
ナー2bに押し当てられた状態で使用される。このヘッ
ドクッション7に対しても第2の衝撃吸収ライナー2b
に取り外し可能な状態で相互に固定する部材を併用して
もよい。
【0054】電子冷却装置を使用しないときには、第2
の衝撃吸収ライナー2bを、それに組み込まれた熱電素
子100、放熱器13、冷却用伝導部材15とともに第
1の衝撃吸収ライナー2aから分離される。
【0055】図7は、代わりに使用する第3の衝撃吸収
ライナー2cの断面図を、第1の衝撃吸収ライナー2a
とともに示す図である。図8は、第3の衝撃吸収ライナ
ー2cの平面図である。第3の衝撃吸収ライナー2c
は、第1の衝撃吸収ライナー2aの段差部30に係合す
るように、更に換気穴12a、12bの下方部分を除い
て風路200を埋め尽くすように形成されている。
【0056】すなわち、代替用の第3の衝撃吸収ライナ
ー2cは、風路200に適合する形状を有し、換気穴1
2a、12bの下方に対応する位置に換気穴10a、1
0bを有するように形成されている。更に第3の衝撃吸
収ライナー2cは、衝撃吸収部材24に適合する形状を
有している。
【0057】第3の衝撃吸収ライナー2cを第1の衝撃
吸収ライナー2aに装着すると、帽体1の換気穴12a
から帽体1の内部に通じる通路が形成され、更に帽体1
の内部から換気穴12bに通じる通路が形成され、結
局、換気穴12aから帽体1の内部を経由して換気穴1
2bに通じる通路が形成され、図12に示した熱電素子
が搭載されていない従来の安全帽と同様に使用できる。
第3の衝撃吸収ライナー2cと帽体1の内壁との接触部
分及び第3の衝撃吸収ライナー2cと第1の衝撃吸収ラ
イナー2aとの接触部分は、シールパッキング10cに
より封じられている。シールパッキング10cとしては
シールパッキング9と同じ部材を使用することができ
る。
【0058】熱電素子100に対する電力は、雨天で安
全帽を使用することを考慮すると太陽電池よりも乾電池
により行うことが望ましい。また、電池の消耗を減らす
ために、後に説明するように、帽体1内の温度に応じて
電力供給をオンオフすることが望ましい。このため、図
6に示すように、冷却用伝導部材15の額拡散部15a
の外側に、温度センサー16が固定され、この温度セン
サー16の出力により熱電素子100への電力の供給を
制御する制御装置が使用される。
【0059】図1において、帽体1の後方下部に設けら
れている筐体20にこのための制御回路22(図9)が
収納されている。熱電素子100に電力を供給するため
の電池21、例えば乾電池もこの筐体20内に収納され
る。なお、図では、電池21と熱電素子100との配線
及び温度センサー16と制御回路22との間の配線は簡
単化のために図示されていない。
【0060】図9は熱電素子100に接続された電気回
路を示す。本実施の形態では、熱電素子100はいわゆ
るペルチエ効果を利用するペルチエ素子により構成され
ている。熱電素子100は、原理的には、N型素子14
a、P型素子14b、N型素子用電極14c、P型素子
用電極14e、それらの電極に固定された絶縁板14
h、N型素子14aとP型素子14bに対する共通電極
14d、当該共通電極に固定された絶縁板14fとから
なる。筐体20内には電池21、それの負電極に接続さ
れた制御回路22、電池21の正電極に一端が接続され
たマニュアルスイッチ23とが設けられている。
【0061】制御回路22は、コネクタ18を介してP
型素子用電極14eに接続され、コネクタ18及び信号
線16aを介して温度センサー16に接続されている。
マニュアルスイッチ23の他端はN型素子用電極14c
に接続されている。制御回路22は、P型素子用電極1
4eと電池21との間の接続を温度センサー16の出力
に応じてオンオフするスイッチ22aを含む。
【0062】利用者がスイッチ23を閉じると、N型素
子用電極14c、N型素子14a、共通電極14d、P
型素子14b、P型素子用電極14eの順に電流が流
れ、共通電極14dにおいて吸熱が起こり、N型素子用
電極14c及びP型素子用電極14eにおいて発熱が起
こる。この共通電極14dが吸熱部として作用し、N型
素子用電極14c及びP型素子用電極14eが発熱部と
して作用する。上記吸熱部で発生する吸熱現象を利用し
て利用者の額が冷却される。
【0063】すなわち、冷却用伝導部材15が絶縁板1
4fに固定されており、当該絶縁板14f、共通電極1
4dを介してその吸熱部に熱的に接続されており、上記
吸熱部による吸熱が発生すると熱伝導によって冷却用伝
導部材15が冷え、更に冷却マット19を介して利用者
の額が冷やされる。一方、放熱器13の保持板13b
は、絶縁板14hに固定されており、絶縁板14h及び
N型素子用電極14cとP型素子用電極14eを介して
発熱部に熱的に接続されており、発熱部で発生する熱
は、熱伝導により放熱器13に伝わり、放熱器13の熱
は、フィン13aを介して風路200内を流れている外
気によって帽体1外に放出される。こうして利用者の額
が次第に冷却される。
【0064】利用者の額の温度がある温度に到達する
と、個人差はあるが官能的に不快になるばかりでなく、
やがて皮膚の感覚が麻痺して涼感を感じなくなる。この
状態で冷却を続行しても、単に電池21の寿命を短くす
るだけになる。そこで、冷却用伝導部材15の額拡散部
15aに取り付けた温度センサー16が、帽体1内の温
度として、より具体的には利用者の額の温度の近似値と
して、額拡散部15aの温度を検出し、検出された温度
を信号線16aを経由して制御回路22に送る。制御回
路22は。検出された温度が所定の温度以下に達したと
きに、スイッチ22aを開き、冷却運転を一時的に停止
させる回路を有している。これにより無駄な冷却をなく
している。
【0065】また、検出された温度が上記所定値以上で
あっても、額拡散部15aの温度が低下してくると、そ
の温度の低下速度は冷却開始当初より緩慢になる。本実
施の形態では、制御回路22には、額拡散部15aの温
度の低下速度が所定値以下になったときに以下に説明す
るような無駄な冷却動作を中止するための回路が設けら
れている。
【0066】額拡散部15aの温度が低下してきたとき
にその温度の低下速度が緩慢になる理由は熱電素子によ
る電子冷却の理論式1からも明らかである。
【0067】
【数1】 Qc=EITc−(1/2)IR−L(Th−Tc) (1)
【0068】ここで、Qcは電子冷却によって得られる
冷却能力、Eは熱電素子の熱起電力、Iは熱電素子に流
れる電流(図9の場合には、N型素子14aとP型素子
14bの組)、Rは熱電素子の電気抵抗(図9の場合に
は、N型素子14aの電気抵抗とP型素子14bの電気
抵抗と、それらに付随する電極14c、14d、14e
の抵抗の総和)、Lは熱電素子の熱伝導係数(図9の場
合には、N型素子14aとP型素子14bの組の熱伝導
係数)、Tcは吸熱側の温度(図9の場合には共通電極
14dの温度)、Thは発熱側の温度(図9の場合には
N型素子用電極14cとP型素子用電極14eの温度)
である。
【0069】式1は、電子冷却によって得られる冷却能
力Qcは、ペルチエ効果によって発生する吸熱量(式1
の右辺第一項)から、熱電素子に電流を流すことによっ
て発生するジュール熱(第2項)と、熱電素子の熱伝導
によって発熱側(高温)から吸熱側(低温)へ逆流する
熱(第3項)を差し引いた値であることを示す。
【0070】冷却を続けることにより、吸熱側の共通電
極14dの温度Tcが冷却開始当初より低下していく。
発熱側のN型素子用電極14cとP型素子用電極14e
の温度Thは、冷却運転する前は外気温度と同じである
が、冷却運転の開始と同時に、発熱により上昇する。こ
れらの現象のために、冷却運転を続けると、上記式1の
第1項が減少し、第3項が大きく増加する。この結果、
冷却能力Qcが減少し、共通電極14dの温度の低下速
度が緩慢になる。それにより額拡散部15aの温度の低
下速度も緩慢になる。
【0071】更に額拡散部15aの温度が低下して額の
表面温度も低下してきたときに上記理由で冷却速度が緩
慢になると、両者の温度が次第に平衡し、利用者は官能
的に涼感を感じなくなる。この場合にも冷却運転を続け
ることは電力の有効利用という観点からは望ましくな
い。制御回路22は、額拡散部15aの温度の低下速度
が所定値以下になったことを温度センサー16の出力に
より検出し、スイッチ22aを開いて冷却運転を一時的
に停止するための回路を有する。具体的には、制御回路
22は、額拡散部15aの温度の一定時間あたりの低下
量がある所定値以下となったことを検出する。
【0072】冷却運転を停止することによって、額拡散
部15aと放熱器13は熱電素子100の熱伝導により
熱の授受を行い、短時間で共通電極14dと、N型素子
用電極14c及びP型素子用電極14eとの間の温度差
が小さくなり、冷却力が運転開始当初に近い値まで回復
する。この時点で冷却運転を再開すれば、額拡散部15
aのが温度が再び急激に下り、利用者の額は冷たさを感
じるようになる。
【0073】本実施の形態では以上の二つの制御を利用
することによって、小さな電力で効率よく利用者に涼感
を与えることができる。更に電池を小型軽量のもので済
ませることができる。
【0074】本実施の形態で安全帽自体に電源、制御回
路、熱電素子及びそれの付属部材をすべて備えるために
は、それらの要素の大きさや重量が制限される。一方、
電池21は少なくとも一日の走行時間以上にわたり放電
できるものが望ましいので、その放電電流を極力小さく
することが望ましい。このため、本実施の形態では、熱
電素子100は、以下に示すように複数の熱電素子の直
列接続により構成される。これにより必要な電池が小型
で軽量なもので済ませることができる。このような複数
の熱電素子の直列接続は、熱電素子の構造の一例と考え
ることができ、本明細書ではこのような熱電素子の直列
接続も単に熱電素子と呼ぶことがある。
【0075】いま仮に、図10(a)のように構成され
た一つの熱電素子(N型半導体素子14aとP型半導体
素子14bの組)の断面に式1に示す電流Iを流すと仮
定する。同図(b)のように一対の半導体素子14a、
14bの断面を二等分し、得られる二つの熱電素子を矢
印の下に示すように直列に接続し、電流I(ただし、
=I/2)をそれらに流せば、全ての熱電素子に流
れる電流の合計は同図(a)のIに等しくなるになる。
【0076】一般的に、図10(c)のように、一対の
半導体素子14a、14bをn等分(nは2以上の大き
な整数)し、得られるn個の熱電素子を直列に接続すれ
ば、一個の熱電素子に流れる電流Iは(I/n)とな
る。したがって、分割数nを、技術的に可能な範囲で大
きくすれば各熱電素子を流れる電流の値を小さくするこ
とができる。熱電素子の電気的熱的特性及び安全帽の必
要な冷却熱量を考慮してnの値を選択すればよい。こう
して放電電流が小さくかつ長時間冷却運転ができる熱電
素子が得られる。
【0077】なお、実際には図10(c)に示すよう
に、熱電素子の直列接続は、上面と下面が熱的伝導性が
ある絶縁板14f、14hで補強され、周囲が低熱伝導
部材14gで包囲されて使用される。これらの絶縁板は
熱電素子を湿度から保護する機能も有する。また、熱電
素子の電気的特性である熱起電力E、比電気抵抗ρ、熱
的特性である伝導率λは、材料固有の値であり、その熱
電素子を選択した時点で決定されるが、電気抵抗R(比
電気抵抗ρ×高さh/断面積A)及び熱伝導係数L(熱
伝導率λ×断面積A/高さh)は、断面積Aとの比率で
決まるので吸熱側及び発熱側の熱交換器の特性、経済
性、必要な冷却熱量などを考慮してこれらのパラメータ
R、Lを決定すればよい。
【0078】<発明の実施の形態2>第1の実施の形態
では、一対の換気穴12a、12b及び一対のシャッタ
ー11a、11bが帽体1に設けられていたが、本実施
の形態では、図11に示すように、帽体1の前方上方に
一対の図示しない換気穴及び一対のシャッター11a、
11cを設け、帽体1の後方上方に一対の図示しない換
気穴及び一対のシャッター11b、11dを設け、上記
前方の一対の換気穴と上記後方の一対の換気穴を連通す
るように風路200を設ける。
【0079】これにより風路200の断面積を第1の実
施の形態より大きくでき、放熱器13により多くの風を
導くことができ、電子冷却装置の冷却能力を高めること
ができる。なお、更に多くの換気穴の対及び更に多くの
シャッターの対を設けてもよい。また、風路200の幅
を図11に示されたものより更に小さくして衝撃吸収ラ
イナー2bの衝撃吸収力の低下を回避することもでき
る。
【0080】以上に示した実施の形態では、乗車用安全
帽に小型軽量の電池と電子冷却装置と温度センサー及び
その出力を用いて熱電素子への給電を制御する制御装置
を内蔵することによって、従来の冷却装置を装備してい
ない安全帽の取り扱い性を損なうことなく、利用者に適
度の涼感を与え、安全帽内の快適環境を維持することが
できる。
【0081】そのうえ、衝撃吸収ライナー2aと電子冷
却装置を保持した衝撃吸収ライナー2bとの接触面に設
けたシールパッキングによって気密的に封じられた風路
が帽体内に形成されるため、雨天時の走行においても上
記効果は十分に発揮できる。
【0082】更に額の温度が低下し、額と冷却用伝導部
材との温度差が小さくなると涼感を感じなくなるため、
熱電素子への通電を一時的に停止させる間欠冷却とする
ことによって、官能的にもより一層涼感を与えることが
できる。
【0083】更に走行中の気流を取り入れて放熱効率を
上げ、冷却マットを介して額と冷却用伝導部材15と接
触させて熱抵抗を減らし、小電流用の熱電素子を使用す
るなどにより冷却効率を上げて電源の小型軽量化を図
り、電池及び制御装置を帽体内に収納して、外観と取り
扱い性及び安全性も従来の乗車用安全帽と変わることな
く、帽体内の快適な環境を提供することができる。
【0084】更に、電子冷却装置を必要としない季節に
は、電子冷却装置を取り外し、別体に成形した衝撃吸収
部材を帽体に装着することによって、電子冷却装置のな
い従来の安全帽として使用することができる。
【0085】本発明は以上に示した実施の形態に限定さ
れるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲でこれら
の実施の形態を適宣修正あるいは変更してもよいことは
言うまでもない。
【0086】例えば、以上に述べた実施の形態において
はフルフェース型の乗車用安全帽が示された。しかし、
本発明は他の安全帽にも適用できる。例えば、本発明は
フルフェース型でない乗車用の安全帽に適用できる。本
発明は乗車用以外の用途の安全帽、例えば作業用の安全
帽にも適用できる。例えば作業用の安全帽に一対あるい
は複数対の換気穴を設けると、上記第1、第2の実施の
形態の技術を適用することができる。
【0087】更に、上記電池としては、乾電池に代えて
他の電池、例えば太陽電池を使用することもできる。更
に安全帽も乗車用の安全帽に限定されるのではなく、他
の用途の安全帽にも使用できる。用途によっては電子冷
却装置を帽体から取り外し可能にしなくてもよい。更
に、温度センサーとその出力でもって熱電素子をオンオ
フする制御回路を利用しなくてもよい。
【0088】
【発明の効果】以上から明らかなように、本発明によれ
ば、熱電素子を帽体内部に搭載して熱電素子を外部から
の衝撃から保護することができ、かつ熱電素子が発生す
る熱を外部に効果的に放出できる安全帽が得られる。
【0089】更に温度センサーとその出力でもって熱電
素子をオンオフする制御回路を利用した場合には、熱電
素子に対して電力を供給する電池の消耗を押さえること
ができる。
【0090】更に熱電素子を安全帽内に取り外し可能に
設けた場合には、熱電素子を使用しないときに、熱電素
子を帽体から取り外して安全帽を熱電素子が搭載されて
いない通常の安全帽と同じように使用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る安全帽の断面図である。
【図2】 上記安全帽の平面図である。
【図3】 上記安全帽の線AAについての部分断面図で
ある。
【図4】 電子冷却装置が組み込まれた衝撃吸収ライナ
ーの断面図である。
【図5】 上記衝撃吸収ライナーの平面図である。
【図6】 熱電素子とそれに付随する放熱器と冷却用伝
導部材の組の斜視図である。
【図7】 電子冷却装置が組み込まれた衝撃吸収ライナ
ーの代わりに使用される代替用の衝撃吸収ライナーの断
面図である。
【図8】 上記代替用の衝撃吸収ライナーの平面図であ
る。
【図9】 図1の安全帽に用いる電気回路の回路図であ
る。
【図10】 熱電素子の具体的な構造の例を説明する図
である。
【図11】 本発明に係る他の安全帽の平面図である。
【図12】 従来の乗車用安全帽の断面図である。
【符号の説明】
1 乗車用安全帽の帽体 2 衝撃吸収ライナー 2a 第1の衝撃吸収ライナー 2b 第2の衝撃吸収ライナー 2c 代替用の衝撃吸収ライナー 4 サイドクッション 7 ヘッドクッション 8 あごガード 9 シールパッキング 10a 開口 10b シールパッキング 11a、11b、11c、11d シャッター 12a、12b 換気穴 13 放熱器 100 熱電素子 14f 絶縁板 15 冷却用伝導部材 16 温度センサー 17 シール部材 18 コネクター 19 冷却マット 20 電源及び温度制御装置を収納する筐体 21 電池 22 制御回路 200 風路 24 衝撃吸収部材

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帽体の前方部分に設けられた少なくとも
    一つの第1の換気穴と、 前記帽体の後方部分に設けられた少なくとも一つの第2
    の換気穴と、 前記帽体の内壁に沿って敷設され、前記第1、第2の換
    気穴を連通する空気の通路を形成するように形成された
    衝撃吸収部材と、 前記通路に熱的に接続された放熱部材と、 吸熱部と発熱部とを有し、前記帽体の内部に前記通路か
    ら隔離して設けられ、前記発熱部が前記放熱部材に熱的
    に接続されている熱電素子と、 を有することを特徴とする安全帽。
  2. 【請求項2】 前記衝撃吸収部材を貫通し前記通路に通
    じる位置に開口が設けられ、 前記熱電素子は、前記発熱部を前記通路に向け、前記吸
    熱部を前記帽体の内側に向けて前記開口に埋設され、 前記放熱部材は、前記発熱部の前記通路側に前記通路内
    に突出して設けられていることを特徴とする請求項1記
    載の安全帽。
  3. 【請求項3】 前記開口と前記熱電素子との間の間隙は
    封じられていることを特徴とする請求項2記載の安全
    帽。
  4. 【請求項4】 上記放熱部材と上記帽体の内壁との間に
    他の衝撃吸収部材が更に設けられ、 前記吸熱部に対向して、前記帽体の内側位置に他の衝撃
    吸収部材が更に設けられていることを特徴とする請求項
    1から3のいずれか一つに記載の安全帽。
  5. 【請求項5】 前記吸熱部に熱的に結合され、当該吸熱
    部から利用者の額が当接される前記帽体内部の位置まで
    延在する冷却用伝導部材を更に有し、 前記冷却用伝導部材は、利用者の額の2次元的な広がり
    に対応した2次元的な広がりを有する額拡散部と、当該
    額拡散部を前記吸熱部に結合するための熱伝導部を有す
    ることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記
    載の安全帽。
  6. 【請求項6】 前記額拡散部に対向し前記帽体の内側位
    置に熱伝導性を有する衝撃吸収部材が更に設けられてい
    ることを特徴とする請求項5記載の安全帽。
  7. 【請求項7】 前記帽体の内壁に沿って敷設された前記
    衝撃吸収部材は、 前記帽体の内壁に固定され、前記第1の換気穴から前記
    第2の換気穴に至る前記通路を形成するための欠損部を
    有する第1の衝撃吸収部材と、 前記第1の衝撃吸収部材の前記欠損部を覆い前記通路を
    形成するための第2の衝撃吸収部材とを含み、 前記熱電素子及び前記放熱部材は、前記第2の衝撃吸収
    部材に保持され、 前記第2の衝撃吸収部材は、前記第1の衝撃吸収部材に
    取り外し可能に結合されていることを特徴とする請求項
    1から6のいずれか一つに記載の安全帽。
  8. 【請求項8】 前記第1の衝撃吸収部材の前記欠損部
    は、前記第1、第2の換気穴を除いて第3の衝撃吸収部
    材により充満可能なように形成され、 前記第3の衝撃吸収部材は、前記欠損部を充満したとき
    には、前記第1、第2の換気穴を通じ、前記帽体の前記
    第3の衝撃吸収部材よりも内側位置を通過する他の通路
    を形成するように構成されていることを特徴とする請求
    項7記載の安全帽。
  9. 【請求項9】 前記帽体内部に設けられた温度検出装置
    と、 前記熱電素子を駆動するための電池から前記熱電素子へ
    の通電を前記温度検出装置により検出された温度に応じ
    て制御する制御装置とを更に有することを特徴とする請
    求項1から8のいずれか一つに記載の安全帽。
  10. 【請求項10】 前記制御装置は、当該検出された温度
    が予め設定された温度以下になった場合及び前記熱電素
    子に電流が供給されている状態において、前記温度検出
    装置により検出された温度の変化速度が一定の値以下に
    なった場合の少なくとも一方の場合に、前記電池から前
    記熱電素子への通電を停止することを特徴とする請求項
    9記載の用安全帽。
  11. 【請求項11】 前記帽体の内部に設けられた温度検出
    装置と、 前記熱電素子を駆動する電池から前記熱電素子への通電
    を、前記温度検出装置により検出された温度に応じて制
    御する制御装置と、 前記吸熱部に熱的に結合され、当該吸熱部から利用者の
    額が当接される前記帽体内部の位置まで延在する冷却用
    伝導部材とを更に有し、 前記冷却用伝導部材は、利用者の額の2次元的な広がり
    に対応した2次元的な広がりを有する額拡散部と、当該
    額拡散部を前記吸熱部に結合するための熱伝導部を有
    し、 前記温度検出装置は、前記額拡散部の温度を検出し、 前記制御装置は、当該検出された温度が予め設定された
    温度以下になった場合及び前記熱電素子に電流が供給さ
    れている状態において、前記温度検出装置により検出さ
    れた温度の変化速度が一定の値以下になった場合との少
    なくとも一方の場合に、前記熱電素子への通電を停止さ
    せることを特徴とする請求項1記載の安全帽。
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