JP7330571B1 - ヘルメットの遮熱構造 - Google Patents
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Abstract
Description
ヘルメット帽体の外側に遮熱塗装を施したり、帽体の材料に反射性能を持たせた素材を混錬したりしている。確かに、ヘルメットの内側温度は低下するが今後の温度上昇を考えると十分とは言えない。更に、帽体から内部に放射される二次輻射熱が頭部に照射、更に半球体の上部に滞留する熱気で、暑さやムレを感じている人が非常に多く作業効率の低下は否めない事実である。
ヘルメット帽体1の内側には、アルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材4(以下、高反射率素材4とも記す。)が設けられている。この高反射率素材4は、ヘルメット帽体1の内側の全面に貼り付けられている。
インナーキャップ2がヘルメット帽体1の内部に設けられると、突条6がヘルメット帽体1の内側部に当接される。突条6がヘルメット帽体1の内側部に当接されると、突条6は境界壁となり、ヘルメット帽体1とインナーキャップ2との間に3つの通気帯が形成される。具体的には、ヘルメット帽体1の内側部、インナーキャップ本体5及び2つの前側突条6Aに囲まれた中央通気帯と、ヘルメット帽体1の内側部、インナーキャップ本体5、前側突条6A及び後側突条6Bで囲まれ、左側方に形成される左側方通気帯と、ヘルメット帽体1の内側部、インナーキャップ本体5、前側突条6A及び後側突条6Bで囲まれ、右側方に形成される右側方通気帯である。この状態において、排出口3Aが中央通気帯の排出口、排出口3Bが左側方通気帯の排出口、排出口3Cが右側方通気帯の排出口に、それぞれ対応する。
高反射率素材4の施工位置は、前述の通り種々考えられるが、本発明のヘルメットの遮熱構造10ではヘルメット帽体1の内側とし、低放射性能を利用する。低放射性能を利用することにより、頭部側に放射される輻射熱を最小限にすることが可能である。放射熱は、絶対温度の四乗に比例、温度が少しでも上昇すると放射量が急増し、遮熱性能を大幅に低下する。本発明では、ヘルメット帽体1とインナーキャップ2の二重構造とする事により、高反射率素材4の放射側を通気帯とする事ができ、放射側を常時低温に維持する事が出来る。
第一のポイントは、頭部に最も大きな熱量を与える輻射熱の阻止で、最も良い方法はアルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材を利用する事である。アルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材を帽体の内側に使用すると、低放射性能をそのまま利用する事が出来る。
第二のポイントは、頭部から放射される輻射熱を吸収する事である。ヘルメットには、太陽からの輻射熱ともう一つ頭部から放射される二つの熱源がある。この内、頭部から発生する輻射熱は、伝導熱や対流熱に変え通気帯から排出する事が重要である。その為には、インナーキャップの素材に熱を吸収しやすいものを選ぶことが重要である。
第三のポイントは、ムレを無くすには、湿気や熱を負の圧力で引き出す事である。帽子もそうであるが、髪の毛の中に空気を入れても熱と湿気そして空気が混じりあいムレが拡散するだけで、小さな排出口からでは開口部の抵抗が大きく中々排出出来ない。それよりはむしろ、掃除機の様に湿気や熱を負圧で吸引する事が効果的である。
この目的は、頭部に滞留する空気は常時高温であり湿気も多く含んでいる。この貫通孔7があれば、ヘルメット帽体1の外側から内側に侵入し頭部に沿って上昇する空気が、これらの熱や湿気をスムーズに通気帯を介してヘルメット帽体1の外側(大気)に排出される。
インナーキャップ2は薄くて問題ないので、厚みが薄い場合は貫通孔7を傾斜して形成することは難しいが、厚みが取れる場合はこの方法が好ましい。場合によっては、貫通孔7が形成される頂部付近だけインナーキャップ2の厚みを厚くする事も出来る。
厚みは、約3から10mmで良く、強度を高める為や他の部材との干渉を防止する事もあるので均一な厚みで有る必要はない。但し、空気の流れる面は極力凹凸のない事が望ましい。
第一のポイントは、屋外からの最大の熱である輻射熱を阻止するには、高反射率素材4を使用する事である。第二のポイントは、ヘルメットには二つの熱源があり、これら二つの熱を完全に阻止する事が重要である。第三のポイントは、頭部の熱気やムレを無くす為に風を吹き込むのではなく、掃除機の様に頭部付近の熱気を吸引する。
インナーキャップ2は、ヘルメット帽体1の下側から押し込む様に入れると、インナーキャップ2全体がヘルメット帽体1の内部にスッポリ入り、ヘルメット帽体1とはツバ5Aの全周及び突条6が密着する。本発明では、ヘルメット帽体1とインナーキャップ2との間に、一定の空気層の厚みを持った3つの通気帯が形成されている。
本来、高反射率素材4の放射側が狭小空間であると、この空間の温度が上昇しやすい。即ち、放射量は絶対温度の四乗に比例するというステファンボルツマンの法則に則り、急激に温度上昇する事になる。その結果、放射量は急増し遮熱効果は大幅に低下する事になる。本発明では、各通気帯に常時空気を流す事により、高反射率素材4の放射側を絶えず冷却、遮熱効果の低下を防止している。
吸気口8から入った空気は頭部の上部を移動し、ヘルメット帽体1の頂部より僅か後方に設けられた排気口3から排出される。中央通気帯は、頭部を冷やす最も重要な部分で有るから、殆ど無風の状態でも空気が流れる事が好ましい。排気口3が、ヘルメット帽体1の下側にあると、中央通気帯に熱だまりが出来る事になりムレの要因となる。
排気口3の形状は、通気帯に沿うよう設けられているので、中央通気帯は基本的に水平方向の開口である。尚、帽体の強度を優先し、排気口3の形状は丸、四角、長方形等でも形状に拘らない。但し、排気口3の開口面積は吸気口8より大きい方が好ましい。
排気口3B,3Cは、中央通気帯の排気口3Aの下側で、後頭部中央から両側に上下方向Zに設けると良い。排気口3B,3Cの形状や大きさは、ヘルメットのサイズや目的に応じて決めればよく、帽体の強度を優先することが大切である。
右側方通気帯及び左側方通気帯は、全体が頭部の側面で有り、上下方向Zの通気帯となる。従って、これらの通気帯を流れる空気は通気帯の上部を流れる為、排気口3B,3Cも通気帯の上部に位置する事が好ましい。
頭部に空気を送り込むと頭部が涼しい様に思えるが、実際には空気と熱気や湿気が毛髪の中で絡み合い、しかも十分な排気処理が出来無いので頭部付近に滞留し、ムレの度合いは余り変わらない。
通気帯に空気が流れると通気帯の内部は負圧となり、頭部周辺に滞留している熱気や湿気は貫通孔7を通って各通気帯に移動し、最終的にはヘルメット帽体1の外部に排出される。無風状態の時でも頭部から発生する熱はあるが、この時頭部の周辺の熱気は、インナーキャップ2の貫通孔7から各通気帯に移動し、外部に放出される。そうすると、この顔面前方の通気帯が負圧となり、吸気口8から外気が取りこまれ高反射率素材4の放射側を冷却する事が継続して出来る。
フルフェイス用インナーキャップ30は、フルフェイスヘルメットの内部に設けられる。このインナーキャップ30は、図6に示すように、フルフェイスヘルメットに沿った形状のインナーキャップ本体31の外側に突条32が複数形成されている。また、インナーキャップ本体31の開口部に沿って、ツバ部33を設け、このツバ部33に吸気口34が形成されている。吸気口34から流れ込んだ外部の空気が、突条32で挟まれて形成された通気帯を通過する。
ヘルメット帽体の頂部から後ろ5cmの箇所に、水平方向の幅4cm、高さ1cmの開口部(排出口)を設けた。ヘルメット帽体の内側は、前面中央から両側に約8cmの位置から、前述の開口部の後ろ側まで囲む様に、台形状の高さ1センチメートルの境界壁(突条)を設けた。境界壁の内側の帽体全面に、遮熱材THB-CX(日本遮熱社製)を貼った。更に、境界壁が全て隠れる様にしかも密着する様に、厚さ3mmの頭部側表面が紙製のポリエチレンシートで覆った。これにより、高さ1センチメートルの通気帯を形成することが出来、ヘルメットの下部の吸気口は幅1cm、長さ5cmとした。
このテスト用ヘルメットと同形の一般のヘルメットの二つを、帽体外側が熱源になる様に1000W遠赤外線ヒーター前面300mmの位置に設置した。一般のヘルメット帽体の内側温度と本発明のポリエチレンシートの内側温度を、サーモグラフィーで測定した。室温は、25℃であった。
(1)一般のヘルメットの帽体内側温度を、31,4℃から83.0℃と51.6℃上昇させたが、遮熱ヘルメットの内側温度27.6℃から32.9℃と僅か5.3℃しか上昇しなかった。
(2)一般のヘルメットの内部温度が83.0℃の時、遮熱ヘルメット内部温度は体温より遥かに低い32.9℃で、一般のヘルメットとの温度差は何と50.1℃にもなった。この時、遮熱ヘルメットの内部のポリエチレンシートに手を触れてみると、冷たい感じがして効果が絶大である事が解った。
インナーキャップを入れたヘルメットを水平にし、実際に使用する状態に近づけて試験した。熱は、ハロゲンランプ投光器500W2台でヘルメット帽体の上300mmから照射、ヘルメット帽体表面が75℃になる迄加熱した。インナーキャップの通気口(貫通孔)の直径は5mm、頂部に1か所、その周囲30mmの所に6個、後頭部に4カ所合計11カ所設けた。又、インナーキャップの内側から通気帯を経由して空気が流れるかを確かめる為、インナーキャップの内側中央付近より線香で煙を流した。温度は、接触型のサーモレコーダーで測定した。室温は25℃だった。
(1)帽体表面温度が75,8℃でも、内部の温度は39,2℃と36.6℃も低く、超高性能である事が解る。勿論、内部に手を入れても全く暑さを感じない。
(2)無風状態でも煙が立ち上り、通気性の良さが解る。
1A ツバ部
2 インナーキャップ
3 排気口
3A 上側排気口
3B 左側排気口
3C 右側排気口
4 アルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材(高反射率素材)
5 インナーキャップ本体
5A ツバ部
5B 切込部
6 突条
6A 前側突条
6B 後側突条
7 貫通孔(通気口)
8 吸気口
10 ヘルメットの遮熱構造
20 遮熱ヘルメット
30 フルフェイス用インナーキャップ
31 インナーキャップ本体
32 突条
33 ツバ部
34 吸気口
X 前後方向
Y 左右方向
Z 上下方向
Claims (5)
- ヘルメット帽体と、このヘルメット帽体の内部に設けられるインナーキャップとを有するヘルメットに構築されるヘルメットの遮熱構造であって、
後方の上部に形成された第一排気口及び後方かつ前記第一排気口よりも下側に形成された第二排気口を有する前記ヘルメット帽体と、
複数の貫通孔が形成されたインナーキャップ本体を有する前記インナーキャップと、
前記ヘルメット帽体と前記インナーキャップとの間に設けられるアルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材と、を備え、
前記ヘルメット帽体の内側部と前記インナーキャップの周縁部との間に複数の吸気口が形成され、
前記インナーキャップ本体の外側に、前記インナーキャップ本体から突出して形成された突条部を有し、前記突条部は、2つの前側突条部と、前記前側突条部に連なって形成された1つの後側突条部とを有し、前記前側突条部と前記後側突条部が前記ヘルメット帽体に当接されることで、前記インナーキャップ本体と前記ヘルメット帽体との間に、一方の前記前側突条部と他方の前記前側突条部に囲まれる中央通気帯、前記一方の前側突条部と前記後側突条部に囲まれる一方側側方通気帯、前記他方の前側突条部と前記後側突条部に囲まれる他方側側方通気帯がそれぞれ形成され、
前記吸気口から吸気される前記ヘルメット帽体の外部の空気及び複数の前記貫通孔から吸気される前記インナーキャップの内側の空気のうち、前記中央通気帯を流れる空気は前記第一排気口から排出され、前記一方側側方通気帯及び前記他方側側方通気帯を流れる空気は前記第二排気口から排出される、
ことを特徴とするヘルメットの遮熱構造。 - 前記前側突条部及び前記後側突条部は連なって構成され、
前記第二排気口は前記吸気口よりも上方に形成され、前記第二排気口が右側第二排気口と左側第二排気口とからなり、前記一方側側方通気帯を流れる空気は前記右側第二排気口から、前記他方側側方通気帯を流れる空気は前記左側第二排気口から、それぞれ排出される、
ことを特徴とする請求項1に記載のヘルメットの遮熱構造。 - 複数の前記貫通孔が、後方に向けて傾斜して形成されている、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のヘルメットの遮熱構造。 - 前記インナーキャップの周縁部の前方と側方に切込部が形成され、
前記吸気口が、前記切込部と前記ヘルメット帽体の内側部とによって構成される、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のヘルメットの遮熱構造。 - 前記第一排気口及び前記第二排気口の開口部、前記吸気口の開口部を封鎖するキャップが取り付けられた、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のヘルメットの遮熱構造。
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