JP4071597B2 - 内燃機関のバルブリフター - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の例えば吸気弁と該吸気弁を開閉作動させるカムとの間に介装されたバルブリフターに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来の内燃機関のバルブリフターとしては、以下の特許文献に記載されたものが知られている。
【0003】
概略を説明すれば、シリンダヘッドの内部には、吸気通路と排気通路とをバルブスプリングを介して開閉する吸気弁と排気弁が円筒状のバルブガイドを介し摺動自在に設けられている一方、前記シリンダヘッドの上端部に軸受されたカムシャフトには、前記吸、排気弁をバルブスプリングのばね力に抗して開作動するカムが一体に設けられている。
【0004】
また、吸、排気弁のステムエンドとカムとの間には、直動型のバルブリフターが介装されている。このバルブリフターは、シリンダヘッドの保持孔内に摺動自在に配置されたほぼ有蓋円筒状のリフター本体と、該リフター本体の凹部内に嵌着されて、上面に前記カムが摺接する円盤状の鋼製のシムとから構成されている。
【0005】
そして、前記リフター本体の周壁の上端部にシムを配した側とリフター本体の周壁の内周面とを連通する切欠部が設けられている。この切欠部によってリフター本体の内部の空気を排出すると共に、外部からの潤滑油をリフター本体内に供給させるようになっている。
【0006】
また、他の従来技術としては、特許文献の図7に示すように、リフター本体の周壁上端部に切欠された切欠部と、リフター本体の上部に形成された凹部底面と該凹部内に嵌着されたシムとの間の隙間及びリフター本体のバルブステム当接部に貫通形成された連通孔とによって潤滑油供給通路を形成して、該供給通路を介してリフター本体の内部に潤滑油を供給するようにしたものもある。
【0007】
【特許文献1】
実開平7−10405号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の従来技術にあっては、リフター本体の切欠部が重力方向に対して単に斜め上方向に指向しているため、カムなどの駆動部側で発生したスラッジなどのいわゆるコンタミが切欠部に詰まり易くなり、リフター本体の内部へ潤滑油を十分に供給できなくなるおそれがある。
【0009】
しかも、切欠部の下部はリフター本体の周壁内周面に面していることから、切欠部内に流入した潤滑油がそのままリフター本体の周壁内周面に沿って流下してしまい、バルブスプリングなどへ十分に供給されなくなるおそれがある。
【0010】
一方、後者の従来技術にあっては、リフター本体に形成された連通孔が、バルブスプリングのばね力を介してバルブステムのステムエンドによって閉塞された状態にあるため、切欠部などを通ってきた潤滑油は連通孔でその流通が遮断されて、リフター本体の内部には十分に供給されないことになる。
【0011】
この結果、リフター本体のバルブステム当接部とバルブステムとの間の潤滑性能が低下して、焼き付けなどが発生するおそれがある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記従来のバルブリフターの技術的課題に鑑みて案出されたもので、請求項1記載の発明は、機関弁のバルブステムとカムとの間に介装され、該カムの外周面に摺接するシムを有する内燃機関のバルブリフターにおいて、前記バルブリフターのリフター本体に前記シムを相対回転自在に設けると共に、前記リフター本体の周壁側面から該リフター本体の頂壁と前記シムとの間を経由して前記頂壁の位置からリフター本体内部のバルブスプリング側に開口孔を介して連通し、該開口孔が閉塞されることなく、常時開口孔の形状にて開口することより連通する連通路を設け、前記カムによってバルブリフターが駆動した際に、前記シムがリフター本体に対して相対回転しつつ前記連通路を介してリフター本体内部の前記バルブスプリング側に潤滑油を供給するように構成したことを特徴としている。
【0013】
この発明によれば、機関弁の開閉作動中には、カムの回転に伴ってシムがリフター本体の凹部内で相対回転していることから、連通路の一端開口側からコンタミが侵入しても、シムの回転力によって連通路内部への侵入を阻止できると共に、また、たとえ連通路内に入ったとしても、シムとリフター本体との間でこれを砕いて潤滑油と一緒にリフター本体内部に供給することができる。
【0014】
しかも、連通路は、常時連通していることから、一端開口から流入した潤滑油はバルブリフターの慣性力などの影響によってシムとリフター本体との間を経由してリフター本体の内部へ滴下する。また、前記シムの回転によって潤滑油が該シムとリフター本体との間に引き込まれて、そのままリフター本体内へ滴下させることができる。
【0015】
このため、リフター本体のバルブステム当接部と該バルブステムとの間の潤滑性能が向上し、焼き付けなどの発生を十分に防止できる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、前記リフター本体とシムとの間に、ポンプ作用部を設けたことを特徴としている。
【0017】
ポンプ作用部によって連通路内の潤滑油を強制的にリフター本体内へ圧送することができ、潤滑性能をさらに向上できると共に、連通路内でのコンタミの滞留もさらに防止できる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、前記ポンプ作用部を、前記リフター本体の頂壁に形成された窪み部と前記シムの撓みによって構成したことを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、前記リフター本体の周壁の外側面からリフター本体とシムとの間に向かって切欠された切欠部を形成すると共に、該切欠部を前記リフター本体の中心方向へ上り傾斜状に形成し、かつ前記連通路を、前記切欠部からリフター本体とシムとの間を介してリフター本体内部の前記バルブスプリング側に通ずるように形成したことを特徴としている。
【0019】
この発明によれば、連通路の一部を構成する切欠部を上り傾斜状に形成したことから、工具によるシムの交換作業が容易になると共に、切欠部に入ったコンタミは傾斜面に沿って外部へ排除され易くなり、リフター本体とシムとの間への侵入を効果的に防止できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる内燃機関のバルブリフターの各実施形態を図面に基づいて詳述する。
【0021】
図1〜図4は本発明に係るバルブリフターの第1の実施形態を示し、図5は該バルブリフターが適用された内燃機関の動弁装置を示している。
【0022】
すなわち、この動弁装置は、シリンダヘッド1の内部に形成された吸気通路2と排気通路3を開閉する機関弁である吸気弁4と排気弁5が所定のバルブはさみ角をもって摺動自在に設けられていると共に、シリンダヘッド1の上端部に図外のカム軸受に支持された吸気、排気側カムシャフト6、7の外周面に前記各吸気、排気弁4,5を開作動させる吸気、排気側のカム8,9がそれぞれ設けられている。また、前記吸気、排気弁4,5と各カム8,9との間にバルブリフター10,11がそれぞれ介装されている。
【0023】
前記吸気、排気弁4,5は、バルブステム4a、5aの先端部に有する傘部4b、5bが各吸気、排気通路2,3の開口端に設けられた環状のバルブシート12,13に離着座するようになっていると共に、ステムエンド4c、5cにコッタを介して固定されたスプリングリテーナ14,15とシリンダヘッド1内部の支持孔16,17の底面との間にそれぞれ弾装されたバルブスプリング18,19のばね力によって閉方向に付勢されている。また、吸気、排気弁4,5は、円筒状のバルブガイド20,21によってシリンダヘッド1内で摺動自在に支持されている。なお、図中22はウォータージャケットである。
【0024】
前記バルブリフター10,11は、直動型であって、シリンダヘッド1内に形成された保持孔1a、1b内に上下摺動自在に保持され、ほぼ円筒状のリフター本体23,24と、該リフター本体23,24の上端部に嵌着された円盤状のシム25,26とから主として構成されている。
【0025】
以下、便宜上、図5中、左側の吸気弁4側のバルブリフター10について説明する。
【0026】
すなわち、このバルブリフター10は、図1〜図4に示すように、リフター本体23が鉄系あるいはアルミ合金材によって有蓋円筒状に形成され、周壁23aの上端部に円板状の頂壁23bが一体に設けられている。また、前記頂壁23bの上面には、前記シム25が嵌着する円形状の凹部27が形成されていると共に、下面の中央位置には、前記ステムエンド4cの上端面が当接する小円形状の凸部23cが設けられている。
【0027】
一方、前記シム25は、所定の肉厚の焼き入れ金属材によって形成され、上面及び下面が平坦状に形成されていると共に、リフター本体23の凹部27内に相対回転自在に嵌着保持されている。
【0028】
そして、前記リフター本体23の周壁23aの上端部には、周壁23aの外側面から凹部27の中心に向かって半径方向へ延出した工具挿通用の切欠部である通路溝28が形成されている。この通路溝28は、図2に示すように、周壁23aの上端部の一部と凹部27の底面27a上に平面長方形形状に切欠形成されていて、その長さが周壁23aの外周面から凹部27中心までの約半分の長さに設定されていると共に、外端側開口28aから内端部28bに向かって上り傾斜状に形成されている。
【0029】
また、リフター本体23の頂壁23bの上面、つまり凹部27の底面27a上には、前記切欠部28の内端部28bと円周方向から交差する環状通路である円環溝29が形成されている。この円環溝29は、底面27a上に所定幅で円環状の溝を切り欠いて形成されている。
【0030】
さらに、前記頂壁23bの前記通路溝28と対向する円環溝29の位置には、該円環溝29とリフター本体23の内部23dを連通する小径な開口孔30が上下に貫通形成されている。この開口孔30は、その内径が前記円環溝29の幅よりも僅かに小さく形成されていると共に、下端開口がリフター本体内部23dに収容された前記バルブスプリング18の上端部、つまりスプリングリテーナ14の外周側上面に指向している。そして、前記通路溝28と円環溝29及び開口孔30によって、リフター本体23の内部23dと常時連通する連通路が構成されている。
【0031】
したがって、この実施形態によれば、吸気弁4の開閉作動中には、カム8の回転に伴ってシム25がリフター本体23の凹部27内で自由に回転していることから、通路溝28の外端側開口28aからコンタミが入っても、このコンタミはシム25の回転力によって該シム25の外周面によって追い出されて、通路溝28の内端部28b側への侵入を防止できる。
【0032】
また、コンタミが内端部28b側へたとえ入ったとしても、該内端部28bの底面とシム25の下面との間でこれを砕いて潤滑油と一緒に円環溝29内に流入させて、さらに開口孔30からリフター本体内部23dのスプリングリテーナ14の上面に滴下させる。ここでコンタミと潤滑油が分離された形になって、コンタミは一部の潤滑油と共に支持孔16内に落下する。したがって、コンタミにより連通路が遮断されるのを未然に防止することができる。
【0033】
一方、スプリングリテーナ14上に付着した他の潤滑油はバルブスプリング18の伸縮変形に伴いスプリングリテーナ14上で飛散してステムエンド4cとリフター本体23の凸部23cとの間に供給されると共に、保持孔1aの内周面とリフター本体23の周壁23aの外周面との間に供給される。
【0034】
これによって、該ステムエンド4cと凸部23cとの間の潤滑性が良好になり、焼き付け等の発生を効果的に防止できると共に、保持孔1a内でのバルブリフター10の常時円滑な作動が得られる。
【0035】
また、連通路は、常時連通していることから、通路溝28の外端側開口28aから流入した潤滑油はバルブリフター10の慣性力などの影響によって円環溝29を経由して開口孔30からリフター本体内部23dへ定常的に滴下させることができる。
【0036】
このため、前記シム25の回転による潤滑油の円環溝29内への引き込み作用と相俟って、そのまま開口孔30からスプリングリテーナ14上面へ積極的に滴下させることができることから、前記凸部23cとステムエンド4cとの間の潤滑性能が一層向上し、焼き付けなどの発生を十分に防止できる。
【0037】
また、通路溝28を外端側開口28aから内端部28bにかけて上り傾斜状に形成したことから、シム25の交換時などにおいて、工具を前記通路溝28からシム25の下端への差し込んで引き上げる作業が容易になるので、シム25の交換作業が良好になると共に、通路溝28に入ったコンタミは傾斜面に沿って外部へ排除され易くなり、この点においても円環溝29へのコンタミの侵入を効果的に防止できる。
【0038】
また、円環溝29内に流入した潤滑油は、凹部27の底面27aや内周面を効果的に潤滑するため、油膜によってシム25と凹部底面27aとの大きな摩擦抵抗の発生を効果的に防止でき、シム25の常時円滑な回転作用が得られると共に、両者間の摩耗の発生を防止でき、耐久性の向上が図れる。
【0039】
さらにこの実施形態では、円環溝29をシム25側ではなくリフター本体23側に形成したことから、シム25の上下面を単純な平坦面とすることができるので、該シム25をリフター本体23の凹部27内に組み付ける際において上下面の位置合わせを行う必要がなくなる。つまり、誤組付の発生が防止されることから、該シム25の組付作業が容易になる。
【0040】
図6及び図7は本発明の第2の実施形態を示し、この実施形態では開口孔30を通路溝28と対向した位置ではなく、通路溝28の内端部28bとラップした位置に貫通形成したものである。
【0041】
したがって、通路溝28の外端側開口28aから流入した潤滑油は、その一部が円環溝29に流入する前に開口孔30から直接的にスプリングリテーナ14の外周側上面に滴下する。このため、凸部23cとステムエンド4cとの間やリフター本体23と保持孔1cの間などにより多くの潤滑油を供給することが可能になる。また、潤滑油の他の一部は円環溝29内を循環してシム25と凹部27との間の潤滑に供されることになる。
【0042】
図8は第3の実施形態を示し、開口孔30を通路溝28を除く円環溝29の90°位置に3つ形成したものである。
【0043】
したがって、この実施形態によれば、円環溝29に流入した潤滑油は、3つの開口孔30からそれぞれスプリングリテーナ14の外周側上面に滴下するため、ステムエンド4cと凸部23cとの間などにより多くの潤滑油を供給することができ、潤滑性能がさらに向上する。
【0044】
図9は第4の実施形態を示し、これは開口孔30が第2の実施形態と同じく通路溝28の内端部28b側にラップした形で形成されていると共に、円環溝を廃止したものである。
【0045】
したがって、この実施形態では、前述のように通路溝28に流入した潤滑油は、その一部が内端部28b側から直接的に開口孔30内に入ってスプリングリテーナ14の外周側上面に滴下する一方、他の潤滑油はシム25の下面と凹部27の底面27aとの微少隙間内に流入して該両者25,27間の全体を効果的に潤滑する。
【0046】
また、円環溝29を廃止したことにより、予め必要な工具挿通用の通路溝28はともかくとして、単に開口孔30のみを形成するだけであるから、構造が簡単で製造作業が容易になる。
【0047】
図10及び図11は第5の実施形態を示し、前記通路溝28や円環溝29及び開口孔30の構成は、第1の実施形態と同様であるが、この構成を前提として、シム25と凹部27の底面27aとの間にポンプ作用部を形成したものである。
【0048】
すなわち、ポンプ作用部は、前記凹部27の底面27aにすり鉢状の窪み部31と、該窪み部31を介した前記シム25の撓み変形によって構成されている。前記窪み部31は、中央部が最大に深く形成されて、最も浅く形成された外周部が前記円環溝29及び開口孔30に連通している。一方、シム25は、窪み部31や円環溝29の存在によってその外周部25a側の下面のみが凹部底面27aに円環状に当接した形になっている。
【0049】
したがって、機関の駆動によりカム8が回転し、該カム8のベースサークル8aがシム25の上面に摺接した段階では、図10に示すように、シム25は撓み変形せずに水平状態を維持するが、図11に示すように、リフト部8bが乗り上げると、シム25が窪み部31内に撓み変形し、続いてベースサークル8a領域に移行すると、シム25はもとの形状に復帰する。かかるシム25の撓み変形の繰り返しによって、窪み部31内でポンプ作用が行われる。
【0050】
このため、通路溝28から円環溝29を経て窪み部31内に流入した潤滑油は、かかるポンプ作用によって窪み部31から開口孔30を介してリテーナ本体23の内部23dへ強制的に押し出され、スプリングリテーナ14の上面上へ勢い良く圧送される。この結果、ステムエンド4c及びこの周辺の潤滑性がさらに良好になると共に、連通路内でのコンタミの滞留もさらに防止することができる。
【0051】
本発明は前記実施形態の構成に限定されるものではなく、吸気弁側ばかりか排気弁側に適用することも可能であり、また通路溝28を複数形成することも可能である。また、円環溝29は、シム25側に形成することも可能である。
【0052】
前記実施形態から把握できる請求項以外の技術的思想について、以下に記載する。
(イ)前記連通路のリフター本体内部へ向かう開口孔を、リフター本体の頂壁に貫通形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関のバルブリフター。
【0053】
この発明によれば、開口孔をリフター本体の頂壁に貫通形成したことによって連通路の上流から開口部に流入した潤滑油は、リフター本体の周壁内面を伝って流下することなく、直接バルブスプリング方向へ滴下させることができる。この結果、かかるバルブスプリングの激しい伸縮作動中にバルブステムのステムエンド側へ潤滑油を飛散させることができることから、該ステムエンドとリフター本体の当接部とを効果的に潤滑することができる。
(ロ)前記連通路を、前記切欠部と、該切欠部からリフター本体の内部に直接連通させる前記開口孔とによって構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関のバルブリフター。
【0054】
この発明によれば、切欠部はもともとシムを交換するための工具を差し込むために必要なもので、リフター本体に予め形成されているものであるから、事後的には開口部のみを形成するだけであるから、かかる連通路の形成作業が容易である。また、切欠部と開口部とは直接的に連通しているので、連通路全体の通路長を短くでき、この結果、該連通路を通流する潤滑油の流動抵抗が小さくなり、各部をより効果的に潤滑することが可能になる。
(ハ)前記連通路は、前記リフター本体とシムとの間に形成された環状通路を備え、該環状通路によって前記切欠部と前記開口部とを連通させたことを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関のバルブリフター。
【0055】
この発明によれば、切欠部から環状通路内に供給された潤滑油によってシムとリフター本体との間の潤滑を十分に行うことができる。
(ニ)前記環状通路を、リフター本体の底面に形成したことを特徴とする請求項3に記載の内燃機関のバルブリフター。
【0056】
この発明では、環状通路をシムではなくリフター本体側に形成したことから、シムの上下面を単純な平面とすることができるので、該シムをリフター本体の凹部内に組み付ける際において上下面の位置合わせを行う必要がなくなる。したがって、該シムの組付作業が容易になる。
(ホ)前記連通路を、複数設けたことを特徴とする請求項3に記載の内燃機関のバルブリフター。
【0057】
この発明では、連通路の例えば開口部を複数設けることによってバルブスプリングなどへの潤滑油の供給量が多くなり、バルブスプリング周りの潤滑性が一層向上する。
(ヘ)前記ポンプ作用部は、リフター本体の底面に形成された窪み部と前記シムの撓みによって構成したことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関のバルブリフター。
【0058】
リフター本体の底面中央部に窪み部を形成するだけであるから、簡単な構造で効率の良いポンプ作用を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るバルブリフターの第1実施形態に供されるリフター本体を示す縦断面図である。
【図2】同リフター本体の平面図である。
【図3】本実施形態のバルブリフターの半割状態を示す分解斜視図である。
【図4】同バルブリフターの半割状態を示す斜視図である。
【図5】本実施形態のバルブリフターが適用された内燃機関の動弁装置を示す断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に供されるリフター本体を示す縦断面図である。
【図7】同リフター本体の平面図である。
【図8】第3の実施形態に供されるリフター本体の平面図である。
【図9】第4の実施形態に供されるリフター本体の平面図である。
【図10】第5の実施形態を示すバルブリフターの縦断面図である。
【図11】同実施形態のバルブリフターのポンプ作用を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1…シリンダヘッド
4…吸気弁
4c…ステムエンド
5…排気弁
6…吸気側カムシャフト
7…排気側カムシャフト
8…吸気側カム
9…排気側カム
10・11…バルブリフター
18,19…バルブスプリング
23…リフター本体
23c…凸部
23d…リフター本体内部
27…凹部
27a…底面
25…シム
28…通路溝(切欠部)
28a…外端側開口
29…円環溝(環状通路)
30…開口孔
31…窪み部
Claims (4)
- 機関弁のバルブステムとカムとの間に介装され、該カムの外周面に摺接するシムを有する内燃機関のバルブリフターにおいて、
前記バルブリフターのリフター本体に前記シムを相対回転自在に設けると共に、
前記リフター本体の周壁側面から該リフター本体の頂壁と前記シムとの間を経由して前記頂壁の位置からリフター本体内部のバルブスプリング側に開口孔を介して連通し、該開口孔が閉塞されることなく、常時開口孔の形状にて開口することより連通する連通路を設け、
前記カムによってバルブリフターが駆動した際に、前記シムがリフター本体に対して相対回転しつつ前記連通路を介してリフター本体内部の前記バルブスプリング側に潤滑油を供給するように構成したことを特徴とする内燃機関のバルブリフター。 - 前記リフター本体とシムとの間に、ポンプ作用部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のバルブリフター。
- 前記ポンプ作用部を、前記リフター本体の頂壁に形成された窪み部と前記シムの撓みによって構成したことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関のバルブリフター。
- 前記リフター本体の周壁の外側面からリフター本体とシムとの間に向かって切欠された切欠部を形成すると共に、該切欠部を前記リフター本体の中心方向へ上り傾斜状に形成し、かつ前記連通路を、前記切欠部からリフター本体とシムとの間を介してリフター本体内部の前記バルブスプリング側に通ずるように形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関のバルブリフター。
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