JP4070912B2 - 熱現像型ジアゾ複写材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱現像型ジアゾ複写材料に関し、さらに詳しくは、透明又は半透明の原稿と重ねて露光し、潜像を形成した後その潜像を熱で現像する熱現像型ジアゾ複写材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱現像型ジアゾ複写材料は、一般に紙、フィルム等の支持体上にジアゾ化合物カップリング成分及び発色助剤を主成分とする感光層を設けたもので、発色助剤として尿素、トリクロル酢酸ソーダ等が使用されている。この種のジアゾ複写材料はいずれも180〜200℃の加熱により現像されるが、その現像機構は加熱により分解発生するアルカリを利用したものである。また低温現像化の試みとして発色助剤として高級脂肪酸アミド等の熱可融性物質が使用されているが、その現像機構は加熱溶融によるジアゾ化合物とカップリング成分の活性化を利用したものである。
【0003】
しかしながら、従来のものは、保存中にプレカップリングが徐々に進み、好ましくない着色が発生することがあった。このため特開昭57−42042号、特開昭57−45094号、特開昭57−125091号等に開示されているように、ジアゾ化合物、カップリング成分及びアルカリ発生剤の内いずれか1種又は3種類とも不連続粒子の形で存在させることにより、成分間の接触を防ぎ、プレカップリングを防止することが行なわれているが、いまだ記録材料の生保存性が充分でない。
【0004】
また、特開昭57−44141号、特開昭59−190886号等に開示されているように、ジアゾ化合物、カップリング成分及びアルカリ発生剤のいずれかをカプセル化することにより他の成分と隔離することが知られているが、これらの方法も生保存性及び熱発色性において充分満足すべきレベルには至っていなかった。
【0005】
他の対策として成分間の接触を最小限にするために特開昭57−142391号においては、ジアゾ化合物とカップリング成分とを別々の層にしてかつその両者の中間に熱可融性物質を含有する樹脂層を介在させて分離することが開示されており、また特公平4−3315号では、塩基を含有する現像剤層にアルカリ可溶性で、かつ酸性で不溶化するバインダーを使用することが開示されているが、前者は中間層の隔離がまだ十分でなく、後者はバインダー中に塩基が共存しているため、不溶化が不十分になり、生保存時のプレカップリングを防止することができないという問題があった。
【0006】
さらに、特開平6−313944号では、ジアゾ化合物とカップリング成分、アルカリ可融性樹脂及び熱可融性物質を含有することが開示されているが、生保存時のプレカップリングを防止することが不十分であるという不都合があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の熱現像型ジアゾ複写材料の欠点を解消し、高画像濃度化を実現するとともに、熱現像性(熱感度)に優れ、かつ地肌のかぶりが生じない、長期の生保存性に優れた熱現像型ジアゾ複写材料を提供することをその課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために、下引層とその塗設位置に着目し鋭意検討を重ねた結果、熱可融性物質を含有する層からなる下引層を支持体の直近に塗設することによって上記目的が達成できるということを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、第一に、支持体上にジアゾ化合物とカップリング成分を構成成分とする記録層を積層した熱現像型ジアゾ複写材料において、水に不溶性又は難溶性のカップリング成分を用い、熱可融性物質及びカルボン酸又はジカルボン酸無水物からなるモノマーを構成成分とする共重合体を含有する層からなる下引層を支持体に最も近い位置に塗設させたものであり、しかも該熱可融性物質は、炭素数10〜20の高級脂肪酸アミド及びN置換高級脂肪酸アミドから選ばれる化合物であり、かつ該共重合体は、グアニジン誘導体塩で水溶性化されているものであることを特徴とする熱現像型ジアゾ複写材料が提供される。
第二に、上記構成において、共重合体が、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体であることを特徴とする熱現像型ジアゾ複写材料が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
熱現像方式ジアゾ感光紙は予め熱溶融時にアルカリ性を示す成分を含んでいる。従ってプレカップリングを防止する為に過剰な酸性助剤を添加した場合、この成分の機能が損なわれ発色性が著しく低下する。逆に十分な発色性を得ようとすると従来から使用されている酸性助剤等を用いる方法ではプレカップリングを防止することはできなくなる。そこで、熱現像性を低下させずプレカップリングを防止する方法を見出す必要がある。
【0010】
本発明者らはこの点について検討した結果、支持体上に熱可融性物質及びカルボン酸又はジカルボン酸無水物からなるモノマーを構成成分とする共重合体を含有する層を下引層として塗設した後、ジアゾ化合物とカップリング成分を構成成分とする記録層を塗設、積層したジアゾ複写材料とすることにより、高画像濃度が得られ、発色性(熱現像性)に優れ、かつプレカップリングを防止した(地肌かぶりが生じにくい)熱現像型ジアゾ複写材料が得られることを見出した。
【0011】
本発明の熱現像型ジアゾ複写材料は前記の通り、支持体上に熱可融性物質及び、熱可融性物質と特定の共重合体を含有する下引層を塗設後、ジアゾ化合物とカップリング成分を含む記録層を積層させることを最大の特徴としている。
すなわち、該下引層を塗設することにより、その上層に塗設されるカップリンゲ成分を構成成分とする層(以下プレコート層)の発色成分等の粒子の目止めの役割を果たすとともに、下引層中の熱可融性材料の作用により、更に効率よく溶融発色させることが可能になり高画像濃度及び高発色性(高現像性)が得られる。
また、カルボン酸又はジカルボン酸無水物からなるモノマーを構成成分とする共重合体を含有することにより、前記の高画像濃度及び高発色性を保持しながら、プレカップリングを防止し、長期の生保存性に優れた熱現像型ジアゾ複写材料を提供することが可能になる。
【0012】
熱可融性物質としては、炭素数10〜20の高級脂肪酸及びN置換高級脂肪酸アミドから選ばれる化合物であり、具体的には、ラウリル酸アミド、ミリスチル酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、アラキン酸アミド、ベヘン酸アミド、エイコ酸アミド、エライジン酸アミド、N−メチロールステアリン酸アミド、N−メチロールカプロン酸アミド、N−メチロールラウリル酸アミド、N−メチロールベヘン酸アミド等が挙げられる。
【0013】
前記共重合体はイソブチレン−無水マレイン酸共重合体、又はスチレン−アクリル酸共重合体及びイソブチレン−無水マレイン酸共重合休の混合物であり、グアニジン誘導体塩の水溶性状で下引層液に使用する。
【0014】
上記の共重合体と熱可融性物質を併用することにより、下引層を塗布乾燥した状態で熱可融性物質を樹脂で被覆した、擬カプセルの構造となり大幅にプレカップリングを抑制すると推測される。
【0015】
本発明の共重合体は、溶液濃度が高い場合ゲル化が生じて白濁する。この白濁する現象から、熱可融性物質を含む下引層液を支持体の上に塗布乾燥すると、乾燥時水の蒸発とともにゲル化が促進され、熱可融性物質の周りに堅固な膜が形成され擬カプセルの状態となる。
また、この下引層の上にカップリング成分を構成成分とするプレコート層を塗設することにより、層分離及び擬カプセルの両面からカップリング成分と熱可融性物質との隔離が充分となるため大幅にプレカップリングが抑制されると考えられる。
−方、前記共重合体と熱可融性物質は、加熱時に速やかに共融化(溶融)する性質を保持しているので、熱現像時にジアゾ化合物とカップリング成分の反応を阻害することはなく、高熱現像性を維持することが可能である。
上記共重合体を併用すると、下引層の擬カプセル化を促進する効果と熱可融性物質との共融化を更に改善する効果があり有用である。また、前記共重合体はグアニジン誘導体塩の水溶性の状態で熱可融性物質と併用することにより、熱可融性物質を堅固に被覆することができる。
【0016】
ここで本発明において使用される主な成分について挙げる。
本発明で使用されるジアゾ化合物は、一般式ArN2+X−で示されるジアゾニウム塩である。(式中Arは置換又は無置換の芳香族部分を表わし、ArN2+はジアゾニウム塩を表わし、X−は酸アニオンを表わす)
ジアゾ化合物の具体例としては、4−ジアゾ−N,N−ジメチルアニリン、4−ジアゾフェニルモルホリン、4−ジアゾ−N,N−ジブチルアニリン、4−ジアゾ−2,5−ジメトキシフェニルモルホリン、4−ジアゾ−2,5−ジエトキシフェニルモルホリン、4−ジアゾ−2,5−ジプロポキシフェニルモルホリン、4−ジアゾ−2,5−ジブトキシフェニルモルホリン,4−ジアゾ−2,5−ジブトキシ−N−ベンジル−N−エチルアニリン、4−ジアゾ−2,5−ジブトキシ−N,N−ジブチルアニリン、4−ジアゾ−2,5−ブトキシ−N−ベンジル−N−エトキシアニリン、4−ジアゾ−2,5−ジブトキシフェニルピペラジン、4−ジアゾ−2,5−ジエトキシフェニルピロリジン、4−ジアゾ−2,5−ジプロポキシフェニルピペリジン、4−ジアゾ−2,5−ジエトキシ−N,N−ジメチルアニリン、4−ジアゾ−1−ベンゾイルアミノ−2,5−ジブトキシベンゼン、4−ジアソ−1−(4’−メトキシベンゾイルアミノ)−2,5−ジメトキシベンゼン、4−ジアゾ−1−(4’−メトキシベンゾイルアミノ)−2,5−ジメトキシベンゼン、4−ジアゾ−1−(4’−メトキシベンゾイルアミノ)−2,5−ジプロポキシベンゼン、4−ジアゾ−1−(3’−クロルベンゾイルアミノ)−2,5−ジエトキシベンゼン、4−ジアゾ−1−(3’−メトキシベンゾイルアミノ)−2,5−ジブトキシベンゼン、4−ジアゾ−1−(3’−メトキシベンゾイルアミノ)−2,5−ジメトキシベンゼン、4−ジアゾ−1−フェニルメルカプト−2,5−ジプロポキジベンゼン、4−ジアゾ−1−(4’−トルイルメルカプト)−2,5−ジエトキシベンゼン、4−ジアゾ−1−(4’−メトキシフェニルメルカプト)−2,5−ジブトキシベンゼン、4−ジアゾ−1−(4’−クロルフェニルメルカプト)−2,5−ジメトキシベンゼン、4−ジアゾ−1−(3’−トルイルメルカプト)−2,5−ジエトキシベンゼン、4−ジアゾ−1−(3’−メトキシフェニルメルカプト−2,5−ジプロポキシベンゼン、4−ジアゾ−1−(2’−トルイルメルカプト)−2,5−ジブトキシベンゼン、4−ジアゾ−1−フェノキシ−2,5−ジブトキシベンゼン、4−ジアゾ−1−(4’−メトキシフェノキシ)−2,5−ジエトキシベンゼン等の塩化物と塩化亜鉛、塩化カドミウム、塩化錫等の金属塩化物との複塩及び前記ジアゾ化合物の硫酸、ヘキサフルオロリン酸、4フッ化ホウ素酸等の無機酸の塩等が挙げられる。
【0017】
場合によっては助剤的に塩基性物質もしくは加熱溶融時塩基性を示す物質も併用することが出来る。水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム、ステアリルアミン、尿素、チオ尿素、アリル尿素、アリルチオ尿素、メチルチオ尿素、エチレンチオ尿素、トリクロロ酢酸ナトリウム、グアニジントリクロロ酢酸塩、モルホニウムトリクロロ酢酸塩、炭酸グアニジン、硫酸グアニジン、硫酸アミノグアニジン、1,2,3−トリフェニルグアニジン、1,2−ジトリルグアニジン、1,2−ジシクロヘキシルグアニジン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−ベンジルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾリン、1,2−ジフェニル−4,4−ジメチル−2−イミダゾリン、N,N’−ジベンジルピペラジン、4,4’−ジチオモルホリン、2−アミノベンゾチアゾール等があるが、これらの中でも水難溶性もしくは水不溶性のものが更に好ましい。
これらの発色助剤は2種以上併用して用いることもできる。
【0018】
カップリング成分としては、一般の2成分型のジアゾ複写材料用のものが使用できる。例えば、レゾルシン、フロログルシン、2,5−ジメチル−4−モルホリノメチルフェノール、3−ヒドロキシシアノアセトアニリド、パラスルホアセトアニリド、1−ベンゾイルアミノ−8−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホンアミド、2,2−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸ソーダ、2,3−ジヒドロキシナフタレン−6−スルホン酸、2,5−ジヒドロキシナフタレン−スルホン酸ソ−ダ、1−ヒドロキシナフタレン−4−スルホン酸ソーダ、1−アミノ−3−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホンアミド、ナフトールAS、ナフトールAS−D、2−ヒドロキシナフタレン−3−ビグアナイド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸エタノールアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸−N,N−ジメチルアミノモルホリノプロピルアミド、2,4,2’,4’−テトラヒドロキシジフェニル、2,4,2’,4’−テトラヒドロキシジフェニルスルホキシド等が挙げられる。
本発明においては、保存性に対して、水に不溶又は難溶性のカップラーが用いられ,具体例を挙げれば、例えばナフトールAS、ナフトールAS−Dである。またこの系のカップリング成分は熱可融性物質である有機酸アミド誘導体と混合してDSCを測定すると共融化が見られ、互いに相溶性が良いと推測される。
【0019】
本発明においてカップリング成分は、ジアゾ化合物1重量部に対して0.1〜15.0重量部、好ましくは0.8〜8.0重量部使用する。0.1重量部未満では発色不足が生じ、逆に15重量部を超えると保存時好ましくないカブリが生じる。熱可融性物質は、カップリング成分1重量部に対して0.1〜10.0重量部、好ましくは0.5〜5.0重量部使用する。0.1重量部未満では発色不足が生じ、逆に10重量部を超えると感触性が悪くなる場合があり、望ましくない。
【0020】
本発明の熱現像型ジアゾ複写材料では発色成分の他に、通常のジアゾ系感熱記録材料に適用されている各種添加物、保存性向上剤としてナフタレンモノスルホン酸ナトリウム、ナフタレンジスルホン酸ナトリウム、ナフタレントリスルホン酸ナトリウム、スルホサリチル酸、硫酸カドミウム、硫酸マグネシウム、塩化カドミウム、塩化亜鉛等が使用できる。また、酸化防止剤としてチオ尿素、尿素等、溶解剤としてカフェイン、テオフィリン酸等を用いることができ、その他にサポニンを少量添加することができる。また、光定着型感熱記録材料として使用する場合は、熱ヘッドに対するステッキング防止や走行性を改良する目的で填料を加えることができる。例えば、スチレン樹脂微粒子、尿素−ホルマリン縮合物樹脂微粒子、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、チタン、タルク、カオリン、シリカ、アルミナ等の有機、無機系の固体粒子。また、同様の目的で金属石鹸類も使用することができる。
【0021】
以上の材料のバインダーとして、前記熱可融樹脂以外にもポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、カゼイン、ゼラチン、デンプン及びその誘導体、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の各種エマルジョン樹脂が使用できる。また、水に難溶性のジアゾを有機溶剤に溶解して塗布する場合は、バインダーとして有機溶剤に可溶の樹脂を使用してもよく、例えば、塩化ビニル系、酢酸ビニル系、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニリデン系共重合体、ポリスチレン系、ブチラール系、ポリカーボネート系、アクリル酸誘導体系樹脂、変性PVA、アラビアゴム、ジイソブテン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体等も前記熱可塑性樹脂と併用でき、これらの樹脂は2種以上併用して使用することもできる。
【0022】
本発明の熱現像型ジアゾ複写材料では、その他に各種の感熱記録の分野、特に高速記録が要求されるファクシミリや電子計算機などの出力記録用紙として有利に応用することができ、しかも本発明の場合、記録紙の表面に記録された文字や画像は、加熱により画像形成後、露光により未反応のジアゾ化合物を分解させることにより定着させることができる。また、本発明の感熱記録材料は、その定着性を利用し、有価証券や商品券、入場券、証明書、伝票などに対する必要事項の記録や、それらの作成に応用することができる。
【0023】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によってなんら限定されるものではない。
【0024】
実施例1(参考例)
下記の組成からなる下引層液を調合し、上質紙の表面にワイヤーバーを用いて塗布乾燥し、付着量2.0g/m2の下引層を形成した。
下引層
・ステアリン酸アミド分散液(20%) 20g
・ポリビニルアルコール水溶液(10%) 10g
・水 トータル 100g
上記の下引層の上に下記の組成からなるカップリング成分を含む液(プレコート液)をワイヤーバーを用いて塗布乾燥し、付着量2.0g/m2のプレコート層を形成した。
プレコート層
・ナフトールAS−D分散液(20%) 15g
・ポリビニルアルコール水溶液(10%) 10g
・シリカ粉末 2g
・ステアリン酸アミド分散液(20%) 30g
・水 トータル 100g
上記のプレコート層の上に下記の組成よりなるジアゾ化合物を含む液(感光液)をワイヤーバーを用いて塗布乾燥し、付着量0.2g/m2の感光層を形成した。
感光層
・酒石酸 2g
・4−ジアゾ−1−モルホリノ−2,5
−ジブトキシベンゼン塩化物・1/2塩化亜鉛 1g
・シリカ粉末 1g
・サポニン 0.1g
・ポリビニルアルコール水溶液(10%) 15g
・水 トータル 100g
上記のようにして、熱現像型ジアゾ複写材料を作成した。
【0025】
実施例2(参考例)
実施例1(参考例)の下引層を以下の液で調合した以外は同様にして熱現像型ジアゾ複写材料を作成した。
・ステアリン酸アミド分散液(20%) 20g
・スチレン−アクリル酸アンモニウム共重合体水溶液(20%) 15g
(ジョンソンポリマー社製ジョンクリル680)
・水 トータル 100g
【0026】
実施例3(参考例)
下記の下引層とした以外は実施例1(参考例)と同様にして熱現像型ジアゾ複写材料を作成した。
下引層
・ステアリン酸アミド分散液(20%) 15g
・イソブチレン−無水マレイン酸アンモニウム共重合体水溶液(20%) 15g
(クラレ社製イソバン104)
・スチレン−アクリル酸アンモニウム共重合体水溶液(20%) 10g
(ジョンソン社製ジョンクリル680)
・ポリビニルアルコール水溶液(10%) 10g
・水 トータル 100g
【0027】
実施例4
下記の組成からなる下引層液を調合し、上質紙の表面にワイヤーバーを用いて塗布乾燥し、付着量1.5g/m2の下引層を形成した。
下引層
・ベヘン酸アミド分散液(20%) 15g
・イソブチレン−無水マレイン酸共重合体グアニジン塩水溶液(15%) 15g
(クラレ社製イソバン04を炭酸グアニジンと反応させ水溶性の
グアニジン塩としたもの)
・水 トータル 100g
この下引層上に下記組成のプレコート液をワイヤーバーを用いて塗布乾燥し、付着量20g/m2のプレコート層を形成した。
プレコート液
・ナフトールAS分散液(20%) 15g
・ポリアクリルアミド 5g
・シリカ粉末 2g
・ベヘン酸アミド分散液(25%) 25g
・炭酸グアニジン 1g
・スチレン−アクリル酸アンモニウム共重合体水溶液(20%) 30g
(ジョンソンポリマー社製ジョンクリル680)
・水 トータル 100g
このプレコート層上に実施例1(参考例)の感光液を塗布乾燥し、同様に操作し本発明の熱現像型ジアゾ複写材料を作成した。
【0028】
比較例1
実施例1(参考例)の下引層を塗布しないで、上質紙にプレコート層及び感光層を全く同様の液組成及び操作で熱現像型ジアゾ複写材料を作成した。
【0029】
比較例2
実施例1(参考例)の下引層の液よりステアリン酸アミドを除いた他は、実施例1(参考例)と全く同様の液組成及び操作で熱現像型ジアゾ覆写材料を作成した。
【0030】
以上作成した熱現像型ジアゾ複写材料を原稿と重ねてリコー製ブルネオ300複写機で露光・現像したところ、青色画像が得られた。その画像部の濃度をマクベス濃度計(RD−914型)で測定した。また、発色性(熱現像性)を評価するために(現像速度400m/hでの発色濃度)/(現像速度100m/hでの発色温度)を現像率として算出した。
さらに、生保存性を試験するため、各サンプルを50℃の下に3日間放置して強制劣化させた後取りだし、上記の複写機で全面露光し、地肌部の濃度を同様に測定した。これを強制劣化しないサンプルの地肌部の濃度と比較した。
以上の結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
注)実施例1〜3は参考例である。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、高画像濃度を現実すると共に、熱現像性に優れ、しかも地肌のカブリのない熱現像型ジアゾ複写材料が提供され、複写分野において多大の寄与をなすものである。
Claims (2)
- 支持体上にジアゾ化合物とカップリング成分を構成成分とする記録層を積層した熱現像型ジアゾ複写材料において、水に不溶性又は難溶性のカップリング成分を用い、熱可融性物質及びカルボン酸又はジカルボン酸無水物からなるモノマーを構成成分とする共重合体を含有する層からなる下引層を支持体に最も近い位置に塗設させたものであり、しかも該熱可融性物質は、炭素数10〜20の高級脂肪酸アミド及びN置換高級脂肪酸アミドから選ばれる化合物であり、かつ該共重合体は、グアニジン誘導体塩で水溶性化されているものであることを特徴とする熱現像型ジアゾ複写材料。
- 共重合体が、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の熱現像型ジアゾ複写材料。
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