JP4070562B2 - マンホールと管の耐震性継手構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、現場打ちの円形又は角形のマンホール(人孔)と管の耐震性継手構造に係り、詳しくは地震による地盤の変動や軟弱地盤の不等沈下(変位)によりマンホールとこれに接続する接続管とに相対変位が生じても接続管に損傷を与えることなく、更にマンホールに対する接続管の止水性とその離脱防止性を兼ねるリング状の継手ゴムを備える耐震性継手構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の現場打ちマンホールにおける接続管の継手構造は、マンホールを構築する外枠ライナーと内枠ライナーに開設した挿入孔に、外枠ライナーの外側から接続管を差し込み、外枠ライナーと内枠ライナーとの間にコンクリートを打設して前記接続管を固定するものである。又、前記接続管の外周に、止水性と曲げ応力吸収、衝撃吸収、そして離脱防止性を兼ねるリング状の継手ゴムを嵌め前記手法と同様にして固定している。
尚、工場で製作した組立式マンホールに対する接続管の継手構造としては、マンホールの接続孔(削孔)に、現場打ちマンホールの場合と同様、接続管を接続孔に差し込み、接続管の外周面と接続孔の内周面との間にモルタル等を充填して固定する手法が一般的に採用されている(例えば、非特許文献1参照。)。
因みに、継手ゴムは、接続管の端部外周面に締付けバンドで軸心と直交して締着セットされ、その継手ゴム装着部をマンホールの接続孔に差し込むことで、該接続孔との間に介在されるものである。
【0003】
【非特許文献1】
全国ユニホール工業会発行の「組立マンホール ユニホール」のカタログ
1991年7月発行
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし乍ら、実際の問題として円形マンホールの接続孔は、マンホールの周壁曲面形状に沿って開孔されることから、リング状の継手ゴムを接続孔の曲面開口形状に沿わせて、該接続孔の孔面と接続管の端部外周面との間に介在する必要があるが、上記従来の耐震性継手構造では継手ゴムを接続孔に沿わせて締着セットすることが困難である。
即ち、従来の耐震性継手構造に用いられた締付けバンドのボルト・ナット等により接続される周方向のフランジ付き接続端部は、接続孔に同芯上に接続される接続管と平行(接続管軸芯に平行)であることから、仮に継手ゴムを接続孔の曲面開口形状に沿わせて接続管の端部外周面に締着させようとした場合、接続孔の曲面開口形状に沿わせて継手ゴムを接続管の端部外周面に締着セットすることが困難である。そのために、継手ゴムは直線状に戻ってしまうことが多い。
この様に、継手ゴムが接続管の端部外周面に直線状にセットされた場合、継手ゴムが接続孔の孔面厚さ(マンホールの周壁厚さ)から外れた状態で、接続管と接続孔との間に介在されることとなり、止水効果が得られなくなることになる。これは、円形マンホール径に対して接続管径が大口径になればなるほど、顕著に現れるものであり、その改善が望まれていた。
【0005】
本発明はこの様な従来事情に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、マンホールの周壁に沿わせてその周壁厚さ内に収まるようにリング状の継手ゴムを、接続管の端部外周面に確実且つ移動不動に締着セットし得るように開発した分割締付けバンドで継手ゴムを圧縮保持する耐震性継手構造を提供することにある。
【0006】
【課題を達成するための手段】
課題を達成するために本発明が講じる技術的手段は、マンホールを構築する外枠ライナーに開設した挿入孔に、接続管を外枠ライナーの外側から挿入し、該外枠ライナーの内側に突出する接続管の端部外周面に、リング状の継手ゴムを嵌め込み装着すると共に、該継手ゴムをマンホールの接続孔の開口形状に沿う形状の締付バンドで締着してマンホールの周壁厚さ内に圧縮保持し、外枠ライナーの内側に起立した内枠ライナーとの間にコンクリートを打設して、前記接続管をマンホールの接続孔にフレキシブルに接続するようにしたマンホールと管の耐震性継手構造にある。
上記外枠ライナーと内枠ライナーとで構築するマンホールの形状は、円形、角形の何れでもよく、角形マンホールの場合は直線状のマンホール周壁に対して接続管が傾いて接続される場合に好適である。
【0007】
また、上記マンホールが円形を成し、該円形マンホールを構築する外枠ライナーの挿入孔から内側に突出させた接続管の端部外周面に、リング状の継手ゴムを円形マンホールの接続孔の曲面開口形状に沿う湾曲形状の締付バンドで締着して円形マンホールの周壁厚さ内に圧縮保持し、前記外枠ライナーの内側に起立した内枠ライナーとの間にコンクリートを打設して、前記接続管を円形マンホールの接続孔にフレキシブルに接続するようにしたマンホールと管の耐震性継手構造にある。
【0008】
また、上記締付バンドは、円形マンホールの接続孔の曲面開口形状に沿う湾曲形状を形成した複数のバンド部材を接続管の端部外周面の円周方向に環状に連結される分割バンドと成し、該バンド部材同士の接合端部は、円形マンホールの軸芯と接続管の軸芯との交点から接続管の端部外周面方向に放射状に向けた放射線上に位置して付き合わせ接合されるように、該放射線上に沿う斜め形状に形成されてなることにある。
ここで、上記分割締付バンドの分割数としては特に限定されるものではないが、例えば円形マンホールの場合、該円形マンホールの接続孔の曲面開口形状に沿わせて接続管の端部外周面に嵌め込み装着するリング状の継手ゴムを周方向に均一、且つ、接続孔の開口幅方向に均一に押える締着が可能で、しかも、施工性を考慮するならば、周方向に均等に分割させた4分割が好ましい。
この場合、各分割締付バンドの周方向の付き合わせ接合する接合端部を、接続孔の曲面開口周面における孔軸芯の一方向に向けて湾曲する分割締付バンドのバンド部分と逆方向に向けて湾曲するバンド部分との境界部位を、付き合わせ接合する接合端部とする4分割に形成する。
【0009】
また、上記分割締付バンドの幅方向内面縁に、継手ゴムの位置決め用の係止部材を設けることにより、リング状に仮止め接合した分割締付バンドの内周に、継手ゴムを円形又は角形マンホールの接続孔の開口形状に沿うように内外の周長に寸法差をつけて嵌め込みセットし、分割締付バンドと共に継手ゴムを接続管の端部外周面に嵌め込み装着し得るようにしたフレキシブルな耐震性継手構造にある。
【0010】
また、上記外枠ライナーの内側に、挿入孔の開口縁部に沿わせて分割締付バンドを接続管の端部外周面に押え付けるバンド押えを設けることにより、接続管の外周面方向における継手ゴムの圧縮率をマンホールの周壁厚さ内で均等且つ一定に調節し得るようにしたフレキシブルな耐震性継手構造にある。
また、複数本の継手ゴムを、分割締付バンドにより接続管の端部外周面に締着保持する耐震性継手構造を採用する場合には継手ゴムの一部を水膨張性ゴムに置き換えて、地下水等が万が一浸入してきた場合でも止水性を確実に維持し得るフレキシブルな耐震性継手構造とすることも可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の具体例を図面に基づいて説明する。
図1乃至図4は請求項1乃至3に係る本発明のマンホールと管との耐震性継手構造の一例を示す。
図1において、1は円形マンホールで、この円形マンホール1は、図1に示したように地面に円形マンホール1の外径に相当する外枠ライナー1-1を打ち込み、該ライナー1-1の内側に、円形マンホール1の内径に相当する内枠ライナー1-2を同芯円状に起立内設させて、この外・内ライナー1-1,1-2の間にコンクリートを打設することで構築される現場打ち人孔であり、周壁には接続管(ヒューム管)2を接続する接続孔3が開口される。
【0012】
そして、この接続孔3に挿し込まれる接続管2の端部外周面にはリング状の継手ゴム4が1乃至複数本、例えば、図1及び図3に示すように3本の継手ゴム4が、円形マンホール1の周壁曲面に沿って開口する接続孔3の曲面開口形状に沿わせて分割締付バンド5により締着保持されるようにしてある。
【0013】
接続孔3は、接続管2の端部を外枠ライナー1-1に開設されている挿入孔6から同ライナー1-1内に挿通させた後に、当該端部外周面に継手ゴム4を締着する分割締付バンド5を外枠ライナー1-1と内枠ライナー1-2との間に内在させてコンクリートが打設されることで形成される。
つまり、円形マンホール1の構築と同時にその周壁曲面に沿って接続管2の外径に相当する内径にて開口されるものである。
【0014】
尚、図示を省略しているが、内枠ライナー1-2は、外枠ライナー1-1と同じく埋めころすも良いが、周方向に組み立て・分割可能とする筒方向の板状型枠群を組み立てることにより、内枠ライナー1-2を外枠ライナー1-1の内側に同軸上に起立構成し、コンクリートを打設した後の硬化後において分解取り外すようにしてある。
【0015】
接続管2は、円形マンホール1を構築する外枠ライナー1-1が地面に打ち込まれ、ライナー1-1の内部から土砂が取り除かれた後に、同ライナー1-1の挿入孔6に向けて地中を推進させる推進工法に配接続管埋設されるものであり、挿し込み側端部を挿入孔6から外枠ライナー1-1内に挿通貫通せしめた後に、該端部外周面に継手ゴム4が分割締付バンド5により締着セットされる。
尚、接続管2の端部は、接続孔3の曲面開口形状に沿わせて加工する。即ちマンホール1の内面と面一になるように曲面に加工するも良く、任意である。
【0016】
継手ゴム4は、適宜の幅と厚さを有する帯状で、接続管2の外径と略同径な内径を有するリング状に形成されて、接続管1の端部外周面に、接続孔3の曲面開口形状に沿わせて嵌合装着され、分割締付バンド5により接続管1の外側に圧接するように締着されるようになっている。
【0017】
分割締付バンド5は、接続孔3の曲面開口形状に沿うように接続管2の端部外周面に装着されることで幅方向内外の周長が変わる継手ゴム4を、その周長形態が元に戻らないように接続管2の外周面に締着保持する役目を成すものであり、接続孔3の曲面開口を周方向に4分割する4枚のバンド部材5-1を接続することにより、接続孔3の曲面開口形状に沿わせた湾曲形状の環状に構成されるようにしてある。
【0018】
4枚のバンド部材5-1は、接続孔3の内外開口幅(円形マンホール1の周壁厚さ内)に相当する幅を有する円弧状の鋼製帯状板からなり、接続管2の端部外周面に円周方向に付き合わせ接合する周方向の両接合端部を、図1及び図2に示したように、円形マンホール1の軸芯Xと接続管2の軸芯Yとの交点Pから接続管2の端部外周面方向(分割締付バンド5方向)に放射状に向けた放射線上Wに位置して付き合わせ接合されるように、該放射線上(W)に沿う斜め形状に形成している。
【0019】
4枚のバンド部材5-1の接合端部には、ボルト・ナット8を用いて連結するための接合フランジ7が設けられており、推進工法により外枠ライナー1-1の挿入孔6から内側に突出される接続管2の端部外周面に、該接続孔3の曲面開口形状に沿う湾曲形状にて継手ゴム4を嵌め込みセットした後に、その外側に同じく曲面開口形状に沿う湾曲形状にてバンド部材5-1を環状に接合し得るようにしてある。
【0020】
また、4枚のバンド部材5-1の幅方向一側の湾曲縁に沿わせて両接続端部の接合フランジ7に亘る補強縁辺部9が設けられている。
【0021】
また、バンド部材5-1の幅方向内面の両湾曲縁に沿って継手ゴム4の位置決め用の係止部材10が設けられており、バンド部材5-1の接合端部をボルト・ナット8により仮止め状態で接合して環状と成し、この仮止め環状分割締付バンド5の内周面に継手ゴム4を嵌め込みセットすることにより、継手ゴム4は接続孔3の曲面開口形状に沿うように内外の同長に寸法差をつけた曲面形状にて環状分割締付バンド5の内周面に嵌め込みセットされるようにしてある。
即ち、仮止め状態の分割締付バンド5を接続管2の端部外周面に嵌め込み装着することにより、継手ゴム4は曲面開口形状の接続孔3の開口幅内(円形マンホール1の周壁厚さ内)にて接続管2の端部外周面に確実にセットされ、ボルト・ナット8を本締めすることにより締着されるようにしてある。
【0022】
次に、以上の如く構成した本実施詳述の耐震性継手構造を用いた施工例を簡単に説明する。
地中に起立されて円形マンホール1を構築する外枠ライナー1-1の挿入孔6からその内側に推進工法により突出される接続管2の端部外周面に、バンド部材5-1同士が仮止め状態で内側には継手ゴム4がセットされた分割締付バンド5を嵌め込みセットする。
その後に、バンド部材5-1の接合端部を締結するボルト・ナット8を本締めせしめて継手ゴム4を、接続孔3の曲面開口形状に沿うように内外の同長に寸法差をつけた曲面形状にて接続管2の端部外周面に締着する。即ち、円形マンホール1の周壁厚さ内にて接続管2の端部外周面に継手ゴム4を移動不動に圧縮保持する。
そして、外枠ライナー1-1の内側に内枠ライナー1-2を構設起立し、該内外両ライナー1-1,1-2の間にコンクリートを打設することで、前記接続管2を円形マンホール1の接続孔3にフレキシブルな耐震性継手構造で接続する一連の施工が完了する。
【0023】
図5乃至図7は、請求項1乃至4に係る本発明のマンホールと管との耐震性継手構造の一例を示す。
斯かる実施例は円形マンホール1の接続管2の端部外周面に嵌合装着される継手ゴム4を、分割締付バンド5により締着保持するセット方法や分割締付バンド5の形態等においては前述の実施例詳述と基本的に変わりないことから、同じ構成部分については同じ符号を用いることで重複説明を省略する。
【0024】
即ち、斯かる実施例では挿入孔6が開設された外枠ライナー1-1の周壁内面に、挿入孔6の開口縁部に沿わせて該孔6の中心に向けたバンド押え11を設けて、挿入孔6から外枠ライナー1-1の内側に推進突出される接続管2の端部外周面に前述した実施例詳述のように継手ゴム4が分割締付バンド5により締着保持された後、分割締付バンド5による接続管2の端部外周面に沿う継手ゴム4の締付圧縮率が周方向均等且つ一定になるように分割締付バンド5を接続管2の端部外周面に締付け押さえ込むように形成してある。
【0025】
バンド押え11は、挿入孔6の開口縁部に沿わせて該孔径よりも1周り又は2周りほど大きめの内径を有し、溶接その他の固着手段により外枠ライナー1-1の周壁内面に配設する断面L形リング体11-1と、このL形リング体11-1の周方向に等間隔をおいて開口する底部ネジ孔から挿入孔6の中心に向けて螺合貫通する押えボルト11-2とを備える。
【0026】
また、ネジ孔が開口するL形リング体11-1の各部位には該ネジ孔を両側から包囲するように略三角形を呈する補強片が溶接等により設けられている。
尚、このL形リング体11-1は地下水が外枠ライナー1-1内に浸水するのを防ぐべく挿入孔6の内側に取り付けられる止水ゴム12を、該挿入孔6の開口内側に定着させる締着リングを兼ねて外枠ライナー1-1にボルト・ナット13により取り付けられるものである。
【0027】
而して、斯かる実施例によれば、外枠ライナー1-1の挿入孔6からライナー1-1の内側に推進工法により挿入される接続管2の端部外周面に、前述した実施例詳述のように継手ゴム4を接続孔3の曲面開口形状にて沿わせ、該継手ゴム4を同じく曲面形状の環状に接合される分割締付バンド5で締着セットせしめた後に、押えボルト11-2により継手ゴム4を押え込むように分割締付バンド5を接続管2の外周面方向に押えることで、該バンド5と接続管2の端部外周面との間の継手ゴム4の圧縮率を周方向に均等且つ一定に調整し得るようにしたものである。
【0028】
また、本実施例では図8及び図9に例示したように、前述の押えボルト11-2と分割締付バンド5との間に押えブロック14を設けることで、継手ゴム4の圧縮率を周方向により均等且つ一定に調整し得るようにしてある。
即ち、前述の実施例詳述においては押えボルト11-2を分割締付バンド5に直接突き当てて、該バンド5を接続管2の外周面方向に押える点押え構造に対し、斯かる実施例においては適宜の大きさを有する押えブロック14による面押え構造とすることにより、接続管2の外周面に沿う継手ゴム4の締付圧縮率が周方向均等且つ一定になるように分割締付バンド5を接続管2の端部外周面に締付け押さえ込むように形成してある。
【0029】
尚、斯かる実施例においては押えボルト11-2と分割締付バンド5の各バンド部材5-1との間に押えブロック14を介在する面押え構造とすることにより、継手ゴム4の締付圧縮率が周方向均等且つ一定になるようにした以外の構成部分においては前述の実施例詳述と基本的に同じことから同じ構成部分に同じ符号を用いることで重複説明は省略する。
又、分割締付バンド5として、二重のリング間にリブを取り付けてボックス構造とした剛構造のバンドを使用した場合は、バンド自体の変形を抑えて継手ゴムを均一に圧縮することができ、押えボルトを使用した場合と同等の効果を得ることができる。
【0030】
また、本実施例では図10に例示したように、前述した2本の継手ゴム4を両側に配し、その内側に2本の膨張吸収性ゴム4-1を配し、更にその内側に2本の水膨張性ゴム4-2を配することで、地下水等が万が一浸入してきた場合でも水膨張性ゴム4-2の吸水膨張により円形マンホール1に対する接続管2の止水性を確実に維持し得るようにしてある。
即ち、複数本の継手ゴム4を接続管2と分割締付バンド5との間に介在する耐震性継手構造とする場合にはその一部の継手ゴム4を水膨張性ゴム4-2に置き換えることで、地下水等が万が一浸入してきた場合でも止水性を確実に維持し得る耐震構造とすることも可能である。
【0031】
この場合、水膨張性ゴム4-2の高さ、所謂接続管2と分割締付バンド5との間に対する介在高さは、分割締付バンド5の締め付けにより継手ゴム4を接続管2の周方向に均一且つ一定に圧縮せしめて締着保持する際、前記分割締付バンド5の締付力で殆ど潰されないか、ほんの僅か潰される程度の高さとする。尚、水膨張性ゴム4-2を潰してセットする場合において、その反力で分割締付バンド5が変形しない程度に形成することが好ましい。
また、水膨張性ゴム4-2も継手ゴム4と同じく円形マンホール1の接続孔3の曲面開口形状に沿う湾曲形状にて接続管2の端部外周面に配されるものであることから、その幅を狭く、高さと同程度にすることが好ましい。
【0032】
尚、斯かる実施例においても複数本の継手ゴム4の内、一部の継手ゴム4を水膨張性ゴム4-2に置き換えることにより、止水性能の向上を図った以外の構成部分においては前述の実施例詳述と基本的に同じことから同じ構成部分に同じ符号を用いることで重複説明は省略する。
【0033】
図11は、角形マンホール15と接続管2の耐震性継手構造の一例を示す。
斯かる実施例は図示のように、接続管2が角形マンホール15の壁面に対して斜めに接続される場合、該角形マンホール15を構築する外枠ライナー15-1に開設した挿入孔16に、外枠ライナー15-1の外側から接続管2を挿入し、該外枠ライナー15-1の内側に突出させた接続管2の端部外周面に、角形マンホール15の接続孔17の開口形状に沿わせてリング状の継手ゴム18を嵌め込み装着し、該継手ゴム18を角形マンホール15の接続孔19の開口形状に沿わせた形状に形成した複数のバンド部材20-1からなる分割締付バンド20により角形マンホール15の壁部厚さ内で締着保持されるようにしてある。
【0034】
この様にして、リング状の継手ゴム4を外枠ライナー15-1の内側に突出する接続管2の端部外周面に移動不動に締着保持させた後、外枠ライナー15-1の内側に内枠ライナー15-2を構設起立し、該内外両ライナー15-1,15-2の間にコンクリートを打設することで、前記接続管2を角形マンホール15の接続孔19にフレキシブルな耐震性継手構造で接続する一連の施工が完了するものである。
【0035】
【発明の効果】
本発明のマンホールと管の耐震性継手構造によれば、マンホールの接続孔の開口形状に沿う形状に形成した締付バンドを用いて、同じく接続孔の開口形状に沿わせて接続管の端部外周面に装着される継手ゴムを外側より締着保持するようにしたことで、接続孔の開口形状に沿わせることにより接続管の筒方向における内外の周長が変わる継手ゴム全体を均一に接続管の端部外周面に締着せしめた状態で圧縮保持することができる。換言すれば、マンホールの周壁厚さ内に確実に収まる状態で、継手ゴムを接続管の端部外周面に移動不動に圧縮保持することができる。
【0036】
また、本発明の耐震性継手構造によれば、円形マンホールの接続孔の曲面開口形状に沿わせた湾曲形状で、しかも、接続管の端部外周面の周方向において付き合わせ接合される接合端部を、マンホールの軸芯と接続管の軸芯との交点から接続管の端部外周面方向に放射状に向けた放射線上に位置して接合されるように斜め形状に形成している分割締付バンドを用いて、前記接続孔の曲面開口形状に沿わせて接続管の端部外周面に嵌め込み装着される継手ゴムを外側より締着するようにしたことで、接続孔の曲面開口形状に沿わせることにより接続管の筒方向における内外の周長が変わる継手ゴム全体を均一に接続管の端部外周面に締着せしめた状態で圧縮保持することができる。
これにより、例えば円形マンホールの周壁曲面形状に沿って開孔する接続孔の曲面開口形状に沿わせたマンホールの周壁厚さ内に継手ゴムを確実に圧縮保持させたフレキシブルな耐震継手構造で接続管の端部をマンホールの接続孔に接続することができる。
【0037】
また、外枠ライナーの挿入孔から同ライナー内に推進工法により突出させた接続接続管の端部外周面に、継手ゴムを接続孔の曲面開口形状に沿わせて嵌め込み装着すると共に、環状に外側より同じく曲面形状のリング状に接合される分割締付バンドにより継手ゴムを締着保持せしめた後に、該バンドの周方向数ヶ所をバンド押えにより押え付けることで、接続管の外周面方向における継手ゴムの圧縮率を均等且つ一定に調節することができる。
これにより、止水性能を更に向上させることが期待でき、継手ゴムの最良の縮み状態で地震等における地盤の変動と施工時の不等沈下等に対応できることで、屈曲性能においても向上させることが期待できる。
【0038】
また、接続孔の開口形状に沿わせた湾曲形状の分割締付バンドの幅方向内面両縁に、継手ゴムの位置決め用の係止部材を設けたことで、分割締付バンドの接合端部をボルト・ナット等により仮止め状態で接合して環状とし、この仮止め環状の分割締付バンドの内周面に継手ゴムを嵌め込みセットすることができる。
これにより、継手ゴムは接続孔の曲面開口形状に沿うように内外の周長に寸法差をつけた曲面形状にて仮止め環状の分割締付バンドに嵌め込みセットせしめた状態で、この分割締付バンドを接続管の端部外周面に嵌め込み装着することにより、継手ゴムは曲面開口形状の接続孔の開口幅内(マンホール周壁厚さ内)にて接続管の端部外周面に確実に締着セットされる。
従って、継手ゴムを直接、接続管の端部外周面に嵌め込みながら接続孔の曲面開口形状に沿うように内外の周長に寸法差をつけた曲面形状にセットする作業に比べて頗る簡便となり、作業性の向上を図り得る。
【0039】
また、継手ゴムを接続管の端部外周面に嵌め込み装着した後に、分割締付バンドの接合端部を本締めして継手ゴムを接続管の端部外周面との間で圧着させても、バンド両縁の係止部材により継手ゴムがバンドからはみ出したりすることがない。これにより、継手ゴムを接続孔の開口形状に沿わせたマンホールの周壁厚さ内にて接続管の端部外周面に、締着セットすることができる。
よって、例えば円形マンホールの接続孔の曲面開口形状に沿わせた円形マンホールの周壁厚さ内に継手ゴムを確実且つ移動不動に収めた状態で接続管の端部外周面と前記接続孔との間に介在することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1乃至4に係る本発明耐震性継手構造を円形マンホールに用いた場合の実施形態の一例を示す要部の縦断面図である。
【図2】同平面図である。
【図3】接続管の端部外周面に対する継手ゴムと分割締付バンドの装着状態を示す斜視図である。
【図4】継手ゴムを分割締付バンドにより接続管の端部外周面に締着保持させた状態を示す斜視図である。
【図5】請求項1乃至5に係る本発明耐震性継手構造を円形マンホールに用いた場合の実施形態の一例を示す縦断面図である。
【図6】同側面図である。
【図7】外枠ライナー、接続管を省略して示す同側面図である。
【図8】本発明耐震性継手構造を円形マンホールに用いた場合の他の実施形態を示す縦断面図である。
【図9】同側面図である。
【図10】本発明耐震性継手構造を円形マンホールに用いた場合の他の実施形態を示す縦断面図である。
【図11】本発明耐震性継手構造を角形マンホールに用いた場合の実施形態の一例を示す要部の横断面図である。
【符号の説明】
1,15:マンホール 1-1,15-1:外枠ライナー
1-2,15-2:内枠ライナー 2:接続管
3,19:接続孔 4,18:継手ゴム
5,20:分割締付バンド 5-1,20-1:バンド部材
6,16:挿入孔 11:バンド押え
X:円形マンホールの軸芯 Y:接続管の軸芯
P:交点 W:放射線上
Claims (5)
- マンホールを構築する外枠ライナーに開設した挿入孔に、接続管を外枠ライナーの外側から挿入し、該外枠ライナーの内側に突出させた接続管の端部外周面に、リング状の継手ゴムを嵌め込み装着すると共に、該継手ゴムをマンホールの接続孔の開口形状に沿わせた形状の締付バンドで締着してマンホールの周壁厚さ内に圧縮保持し、前記外枠ライナーの内側に起立した内枠ライナーとの間にコンクリートを打設して、前記接続管をマンホールの接続孔にフレキシブルに接続することを特徴とするマンホールと管の耐震性継手構造。
- 上記マンホールが円形を成し、該円形マンホールを構築する外枠ライナーの挿入孔から内側に突出させた接続管の端部外周面に、リング状の継手ゴムを円形マンホールの接続孔の曲面開口形状に沿う湾曲形状の締付バンドで締着して円形マンホールの周壁厚さ内に圧縮保持させることを特徴とする請求項1記載のマンホールと管の耐震性継手構造。
- 上記締付バンドは、円形マンホールの接続孔の曲面開口形状に沿う湾曲形状に形成した複数のバンド部材を接続管の端部外周面の円周方向に環状に連結させる分割バンドと成し、
前記バンド部材同士の接合端部は、円形マンホールの軸芯(X)と接続管の軸芯(Y)との交点(P)から接続管の端部外周面方向に放射状に向けた放射線上(W)に位置して付き合わせ接合されるように、該放射線上(W)に沿う斜め形状に形成されていることを特徴とする請求項2記載のマンホールと管の耐震性継手構造。 - 上記締付バンドの幅方向内面両縁に沿わせて継手ゴムの位置決め用の係止部材を設けてなることを特徴とする請求項1乃至3何れか1項に記載のマンホールと管の耐震性継手構造。
- 上記外枠ライナーの内側に、挿入孔の開口縁部に沿わせて締付バンドを接続管の端部外周面に押え付けるバンド押えを設けてなることを特徴とする請求項1乃至4何れか1項に記載のマンホールと管の耐震性継手構造。
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