JP4070018B2 - 耐火構造部材および構造部材用給水装置 - Google Patents

耐火構造部材および構造部材用給水装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は耐火構造部材および構造部材用給水装置に関し、特に火災時に構造部材の表面に水膜を形成することによって構造部材の耐火性能を向上させる構造部材用給水装置および火災時の耐火性能を向上させた耐火構造部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
構造物用構造材としては、金属、木材、合成樹脂等が様々な態様で用いられているが、木材には耐火性能が無く、金属および合成樹脂にも耐火性能を備えていない材質がある。これらの木材、合成樹脂、金属等を含む本来耐火性能を備えていない構造用部材に耐火性能を与えるために、構造部材の表面に珪酸カルシューム板を張り付けたり、耐熱性材料を吹き付けて被覆を形成したりすることが行われている。これらの手段は、構造部材の材質的な強度が火災により低下するのを防止するため、熱伝導率の悪い物質や空気層で構造部材を保護することで、一定時間耐火性能を確保しようとするものである。従って耐火構造部材としては、構造材の周囲が耐火物質で覆われた構造である。
【0003】
また、構造物の延焼防止を目的として、建築物に対し、いわゆるドレンチャー設備を用いて放水することが従来から行われており、窓に対する散水によって火災の延焼を防止することが提案されている。(例えば特許文献1参照)
【0004】
【特許文献1】
特開平6−277309号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような耐火構造部材に於いては次のような問題があった。即ち、上述の構造によれば、本来耐火性能を持たない構造材の周りが耐火物質で覆われているため、耐火構造部材の仕上げ寸法が増加し、構造部材の重さが増加してしまう。また、その他の構造材自体の持つ望ましい特性も失われてしまうことが多く、例えば構造材が木質部材である場合には耐火物質で木目が覆われてしまい、木材の持つ質感、香り、雰囲気等の優れた特性が失われてしまう。このような理由から、これまでは木材の特質を生かした耐火木造構造物が実現できなかった。
【0006】
スプリンクラ設備を設置すると、散水が火災の抑制・消火に効果的であり、間接的に構造部材を防護することができる。しかしながら、スプリンクラ設備は床面に対して均等に散水するよう設計・配置されているため、構造部材に対しては直接散水する仕組みになっていない。また、スプリンクラ設備は通常火災を20分以内に消火できることが前提で、消火水槽の設計を行っているため、耐火設計のための1時間あるいは2時間の連続動作のためには消火水の容量が足りない。このため、構造部材の耐火性能を高める点では殆ど貢献できない。また、散水障害や火災の急激な成長で消火できず、消火水槽の水を使い切ってしまった場合には、構造部材が火災からの熱で高温になり、強度が低下して、倒壊のおそれが出てくる。特に、構造材に木材などの可燃性物質を使用している建築物では、スプリンクラ設備により消火できても内部の構造材の炭化などによる損傷が大きくなり、構造強度の面で問題が発生する。また、ドレンチャー設備は、外部からの延焼に対して建築物を保護する手段であり、自らの火災時に建築物の構造強度を維持するものではない。
【0007】
従って、この発明の課題は本来は耐火性能を持たない木質の構造材にその構造材の特性を維持したまま耐火性能を与え得る耐火構造部材および構造部材用給水装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、この発明によれば、耐火構造部材は、構造物用の木質構造部材と、火災時に炭化層が形成される木質構造部材の表面部分の上部に水を供給して、この表面部分を濡らしながら自由流下して表面部分を覆う水膜を形成する水膜形成装置とを備え、もって火災時の木質構造部材の耐火性能を向上させた耐火構造部材である。
【0009】
また、この発明の構造部材用給水装置は、構造物用の木質構造部材の近傍に設けられる支持装置と、支持装置によって支持されて、火災時に炭化層が形成される木質構造部材の表面部分の上部に水を供給して、この表面部分を濡らしながら自由流下して表面部分を覆う水膜を形成する水膜形成装置を備え、もって火災時の構造部材の耐火性能を向上させる構造部材用給水装置である。
【0010】
即ち、木質構造部材の耐火性能低下の抑制方法として、構造部材の表面に水を流して水膜を形成することで、構造部材への熱侵入を抑制し、温度上昇の抑制を実現する。これにより柱、梁等の耐火構造部材の寸法を小さくできる。
【0011】
具体的には、柱部材、梁部材、壁などの木質構造部材と水膜形成装置を一体化したハイブリッド構造部材を考案し、水膜によりそれら部材の表面を覆うことで、火災時の高温や熱放射による部材の燃焼や温度上昇を防止する。
【0012】
水膜形成装置は、部材上部に散水用パイプを設置し、パイプの穴から水を滴下し水膜を形成する方式、または、部材の外周に配管を設け、配管から柱に向かいノズルを取り付けて柱の上部の一部分に水流を伝わせ、柱の下部に向け水膜を形成する方式の2つの方式があり、それぞれ次のような長所がある。
【0013】
散水の圧力が少なくても基本的には重力により下方へ水が流れ落ちるため、適切な間隔に散水パイプの穴を設ければ、部材全体を水膜で覆うことができる。また、配管にノズルを設置し、散水幅を適切に調整することで、ノズルと散水幅を組合せることにより、部材の表面全体を水膜で覆うことができる。
【0014】
自由落下による方式では、ほとんどの水は柱の表面を覆うのに使用され、水の利用効率が高い。柱に水を滴下もしくはノズルで注水するため、低い水圧でもよく、そのため水道直結方式でも水膜形成装置を構成できる。
【0015】
また構造部材の水膜形成装置を配置させた位置よりも上方部分には水膜が形成されないので熱に弱くなるため、この部分は耐火被覆で柱を覆うとよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1には本発明の構造部材用給水装置および耐火構造部材の一実施形態を給水設備と共に概略斜視図で示してある。即ち、構造部材用給水装置は、建物等の構造物用の柱等の木質の構造部材1の近傍に設けられた支持装置2と、この支持装置2によって支持されて、構造部材1の耐火性能が必要な表面部分3の上部に水を供給して、その上に表面部分3を濡らしながら自由流下する水膜4を形成する流水口5を持つ給水管6である水膜形成装置7とを備えており、火災時には構造部材1の表面部分3を水膜4によって覆って木質構造部材1の耐火性能を向上させる。
【0017】
支持装置2は、図示のように例えば建物の天井8の上面(裏側)に配置されて、柱である構造部材1に固着された支持体32(図2参照)で構成されている。天井8と構造部材1との間には間隙9が設けられている。構造部材用給水装置の水膜形成装置7の給水管6は、配管11を介して一般給水用の給水源である水槽12に接続され得て、水を流水口5から構造部材1上に供給することができる。水槽12は一般水道に接続されている。配管11には感熱開放継手13が設けられていて、建物の天井8に取り付けられた感熱部分14により火災発生時に作動して水膜形成装置7から水を流出させる。
【0018】
このように、本発明によれば、構造物用の木質構造部材1と、この構造部材1に取り付けられた支持装置2と、支持装置2によって支持されて、構造部材1の耐火性能が必要な部分である、火災時に炭化層が形成される表面部分3の上部に水を供給して、表面部分3を濡らしながら自由流下する水膜4を形成する水膜形成装置7とを備えた耐火構造部材が提供され、このような耐火構造部材は火災時の木質の構造部材1の耐火性能が向上されている。耐火構造部材の構造材は、木質、金属、不燃物およびそれらの複合材料であっても良いし、ほぼ垂直方向に延びた柱状体であっても良い。
【0019】
構造部材用給水装置のための給水設備としては、図1に関連して説明したような感熱開放継手方式の構造のシステムを用いることもできるし、火災発生時に作動する定温式熱感知器からの電気信号により制御盤から動作指令を出して電動弁を開放し、一般給水設備からの水を水膜形成装置により構造部材1の表面に沿って流下させる電動弁開放方式を用いることもできる。この場合の定温式熱感知器は、この設備専用でなくとも、自動火災報知設備に用いられている感知器を流用することができる。さらに、感知器として、定温式のものに限らず、例えばアナログ信号方式のものであってもよい。また、火災感知用ヘッド、感知用配管、一斉開放弁を用いた給水起動方式や、スプリンクラ設備の流水検知装置の信号に基づき起動する方式であってもよい。
【0020】
図1に於いて、水膜形成装置7の給水管6は、図示の例では四角柱である構造部材1の4つの平坦な表面部分のうち耐火性能が要求される3つの表面部分3の上部に配置され、図示の例では上縁部近傍で上縁部に沿って延びるように配置されている。給水管6は図2に示すようにカバー状の支持体32により覆われて、構造部材1の表面部分3に接して支持されている。支持体32は給水管6を支持するとともに、水が表面部分3から離れて給水管6から直接滴下するのを防ぐ作用をする。給水管6には図3に示すような互いに離間した不連続な複数の孔17である流水口5が設けられていて、流水口5から流れ出た水が構造部材1の表面部分3に接触して濡らし、重力により表面部分3を伝わって下方に流下して表面部分3上に比較的薄い水膜4を形成するようにしてある。図示の例では、構造部材である柱状体の最上部を囲むように給水管6が配置され、その給水管6に直径1mmの孔17を10mm間隔で設けてある。柱の近傍の温度が所定の高温になると、それまでは閉止していた感熱開放継手13が開放状態に移行し、配管11から給水管6に水が給水され、流水口5から水が噴き出し、柱状体の表面を濡らしながら重力により下方に流下して比較的薄い水膜4を形成して、柱状体の表面部分3を水膜4で覆う。
【0021】
流水口5の形、配置および寸法等は、後に詳述するが、構造部材1上に必要な耐火性能を与える水膜4を形成するために適切に設定することができる。流水口5を図3に示す複数の孔17とする代わりに、図4に示すような連続したスリット18で構成して流水口5としてもよいし、また、流水口5を図5に示すような複数のノズル19で構成して必要な水膜4を形成することもできる。即ち、柱状体である構造部材1の周囲に設置した給水管6から複数のノズル19を延ばしてその先端を表面部分の近傍に配置し、ノズル19の放射パターンを調整して表面部分3に水を放出し、そこから流下して柱全体を水膜4で覆うようにしてある。必要があれば、ノズル19の放出角度を変えて放出された水粒子が柱の表面部分3で跳ね返されないようにし、適切な水膜4が形成できるように調整する。500mm角の柱では7個のノズルを等間隔に取り付け、ノズルからの放水で柱表面に40mm×10mmの放水パターンを作ると、そのパターンから水が流下して厚さが均一に近い水膜を形成することができる。
【0022】
このようにして形成された水膜4は、水平方向にも連続して柱状体の幅方向にいっぱいに広がった水の層であるが、火災時等周囲温度が高温である場合には、本来存在する流れのムラ、熱、柱状体の濡れ性等により水膜4の厚さが特に水平方向に一様でなくなり、縦縞模様となることが多い。このため、柱状体が木材であるので水膜4の薄い部分の表面部分が炭化して図6に示すようなパターンで炭化層が形成され、後に説明するように炭化した部分15と炭化しない部分16とが交互に形成されて縦縞模様が現れる。木材の柱である構造部材1の表面部分3に耐火水膜4を形成するために必要な水量は、後に詳しく説明する実験によれば、幅当たり水量(柱状体の単位幅当たりの毎分の水量)で少なくとも10リットル/分・mである。
【0023】
本発明の構造部材用給水装置の性能および耐火構造部材の耐火性能を確認するために、建築研究所防耐火実験棟内の水平耐火加熱炉を用いて、ISO834標準加熱曲線による加熱をして、図5に示すような構造部材用給水装置7(但しノズル19は各平面に7本ずつある)を取り付けたベイマツ、カラマツの木質柱状体について実験を行い、構造部材の表面部分の炭化層の割合を示す平均燃え残り幅率(柱状体の床上800−100mmの位置に於いて水平方向に測定した炭化した部分15の幅の合計に対する炭化しなかった部分16の幅の合計の割合)を測定した。その結果を図7に示す。
【0024】
300mm角のベイマツおよびカラマツの柱状体にそれぞれ1時間の加熱試験を行った場合、幅当たり水量18リットル/分・mのとき平均燃え残り幅率はそれぞれ40.7%および37.3%になり、水量24リットル/分・mでは平均燃え残り幅率がそれぞれ53.1%および50.4%になり、水膜形成装置により柱状体表面に水膜を形成することによって炭化層の形成が大きく抑制できたことが明らかである。
【0025】
同様に500mm角のベイマツおよびカラマツの柱状体にそれぞれ水量24リットル/分・mの散水を行い、1時間の加熱試験を行ったとき平均燃え残り幅率はそれぞれ33.1%および36.5%になり、また2時間の加熱試験を行ったとき平均燃え残り幅率がそれぞれ33.2%および33.6%になり、加熱時間を2時間にしても炭化層の形成を抑制できることが明らかになった。
【0026】
加熱時間1時間の耐火試験を300mm角ベイマツおよびカラマツの柱状体について、散水量を18リットル/分・mとして行った場合には、縞状に炭化した層の平均炭化深さはそれぞれ1.6mmおよび5.9mmであった。また、散水量を24リットル/分・mとした場合には、縞状に炭化した層の平均炭化深さはそれぞれ3.0mmおよび4.5mmであった。また、500mm角ベイマツおよびカラマツの柱状体に対して24リットル/分・mの散水をした場合の平均炭化層深さは、1時間の加熱時間ではそれぞれ3.7mmおよび4.3mmであり、加熱時間を2時間とした場合にはそれぞれ7.8mmおよび4.1mmであった。
【0027】
500mm角柱では、幅当たり散水量は12リットル/分・mで図7の状態となり、上述の通り炭化層の進行を抑制できていた。幅当たり散水量は10リットル/分・m程度まで減少させても効果が得られる。
【0028】
水膜形成装置を取り付けていないときあるいは表面に水膜が無い場合、1時間耐火試験では、300mm角のベイマツおよびカラマツの柱状体の平均炭化層深さは、それぞれ30.1mmおよび32.3mmであった。2時間耐火試験では、500mm角のベイマツおよびカラマツの柱状体の平均炭化層深さは、それぞれ63.0mmおよび65.1mmとなり、かなり深くまで炭化が進んでいた。
【0029】
このように、水膜形成装置を取り付けた柱状体では、取り付けない柱状体に比べて、炭化層深さがおおよそ1/10に抑制されて炭化しない部分がかなりの部分を占めていたことが明らかである。このことから、水膜形成装置7により、火災時においても柱等の構造部材1の炭化の進行を大幅に抑制でき、火災時の構造強度の低下を抑制できる。木材の外観については、実験終了時まで水膜に覆われている部分は、実験前と同じで退色は見られなかった。これらは、水膜形成装置により可燃物である木材の表面を水膜で覆うことにより、木材の燃焼温度250℃以下に表面温度を抑えることができることを示している。柱状体の上部に取り付けた水膜形成装置7で木材の表面部分に水膜をつくることにより、950℃を超える高温雰囲気中においても、可燃物である木材の柱状体の炭化が防止され、また炭化部分の成長を抑制でき、耐火性能を確保することができる。
【0030】
以上の説明では、柱状体について水膜形成装置を作り耐火性能を確認したが、図8に示す梁状体20のように水平方向に設置される構造部材についても、給水管21を有する水膜形成装置22を梁の鉛直方向の上面側に設け、そこに必要水量を流して耐火性能を必要とする梁状体20の表面部分21、例えば側面および下面にも水膜が回り込むようにすることができる。このようにして水膜を形成すれば、梁状体20の耐火性能を維持することが可能になる。また、梁状体20の下面への水量が不足の場合は、梁の鉛直方向の下部にも給水管23を設置し、そこに上向きのノズルを取りつけて散水することにより梁状体の底面の耐火性能を確保することもできる。
【0031】
必要な場合には、図9に示すように、梁状体20の頂面24、側面25および底面26などの各表面部分に緩やかな勾配を付けて、必要な表面部分の全てに水膜が回り込み水膜で覆われるようにすることもできる。換言すれば、梁状体の表面部分を、梁状体の頂面に供給された水が底面に回り込んで底面にも水膜を形成するように傾斜した面あるいは湾曲した面とするのである。また、構造部材20の表面に細かな凸状あるいは溝状の表面仕上げを施して水流が細く分かれて表面部分が適当な幅の縞模様の水膜で覆われるようにし、耐火性能を高めることもできる。
【0032】
また図10および図11に示すように、構造部材としての壁状体28の上方に本発明の水膜形成装置29を持つ構造部材用給水装置を取付て壁状の耐火構造部材とすることもできる。構造部材用給水装置の水膜形成装置は壁状体28である構造部材の上縁部に配置されて、壁面に水膜を形成するものである。図示の例では水膜形成装置は壁の両側面に設けられているが、耐火性能がいずれか一方の側だけに要求される場合には、必要な側だけに設けてもよい。
【0033】
柱等の重点設置部材は、水膜形成装置よりも上方の部分30(図5参照)には水膜4が形成されないので、火災の高温に曝される。そこで柱の上部の表面は、断熱材により覆ったり、耐熱ペイントを塗ったりして耐火被覆で覆うことができる。また、水膜形成装置よりも上方の柱状体表面に含侵性の材料を設けて、水膜形成装置からの散水の一部を上向きに散水して水を含ませて濡らしておくことができるようにして水に対する濡れ性を高める表面処理をすることもできる。
【0034】
【発明の効果】
以上の如くこの発明の耐火構造部材は、構造物用の木質構造部材と、火災時に炭化層が形成される木質構造部材の表面部分の上部に水を供給して、表面部分を濡らしながら自由流下して表面部分を覆う水膜を形成する水膜形成装置とを備え、もって火災時の木質構造部材の耐火性能を向上させた耐火構造部材であるので、木質構造材の特性を維持したまま耐火性能を持つ構造部材を得ることができる。
【0035】
また、この発明の構造部材用給水装置は、構造物用の木質構造部材の近傍に設けられる支持装置と、支持装置によって支持されて、火災時に炭化層が形成される木質構造部材の表面部分の上部に水を供給して、表面部分を濡らしながら自由流下して表面部分を覆う水膜を形成する水膜形成装置とを備え、もって火災時の木質構造部材の耐火性能を向上させる構造部材用給水装置であるので、本来は耐火性能を持たない木材等の木質構造材にその構造材の特性を維持したまま耐火性能を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構造部材用給水装置を備えた耐火構造部材を示す概略斜視図である。
【図2】 図1の給水管と柱状体との関係を示す概略図である。
【図3】 図2の給水管を示す斜視図である。
【図4】 別の給水管を示す斜視図である。
【図5】 本発明の別の構造部材用給水装置を備えた耐火構造部材を示す概略斜視図である。
【図6】 図5の耐火構造部材の加熱実験後の表面状態を示す図である。
【図7】 図5の耐火構造部材の加熱実験の結果を示す表図である。
【図8】 本発明の構造部材用給水装置を備えた耐火構造部材を梁状体に適用した例を示す概略図である。
【図9】 図8の梁状体の断面図である。
【図10】 本発明の構造部材用給水装置を備えた耐火構造部材を壁状体に適用した例を示す概略図である。
【図11】 図10の耐火構造部材の平面図である。
【符号の説明】
1 構造部材(柱状体)、2 支持装置、3 表面部分、4 水膜、5 流水口、6 給水管、7 水膜形成装置、17 孔、18 スリット、19 ノズル、20 梁状体、24、25、26 傾斜した面、28 壁状体、30 水膜形成装置よりも上方の部分。

Claims (9)

  1. 構造物用の木質構造部材と、
    火災時に炭化層が形成される上記木質構造部材の表面部分の上部に水を供給して、上記表面部分を濡らしながら自由流下して上記表面部分を覆う水膜を形成する水膜形成装置と、
    上記構造部材に取り付けられて上記水膜形成装置を支持する支持装置とを備え、
    上記水膜形成装置は流水口を持つ給水管であるとともに、上記支持装置は、上記給水管を覆うカバー状の支持体であり、
    もって火災時の木質構造部材の耐火性能を向上させた耐火構造部材。
  2. 上記給水管は、配管を介して給水源に接続され、上記配管には、感熱開放継手が設けられていて、天井に取り付けられた感熱部分により火災発生時に作動して水膜形成装置から水を流出させることを特徴とする請求項1記載の耐火構造部材。
  3. 上記耐火構造部材がほぼ垂直方向に延びた柱状体または壁状体であることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の耐火構造部材。
  4. 上記耐火構造部材がほぼ水平方向に延びた梁状体または壁状体であることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の耐火構造部材。
  5. 上記耐火構造部材の上記表面部分の上記水膜形成装置よりも上方の部分を耐火被覆で覆ったことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載の耐火構造部材。
  6. 上記梁状体の上記表面部分が、頂面、側面および底面に緩やかな勾配をつけて上記梁状体の頂面に供給された水が底面に回り込んで底面にも上記水膜を形成するように傾斜した面であることを特徴とする請求項4あるいは5記載の耐火構造部材。
  7. 構造物用の木質構造部材の近傍に設けられる支持装置と、
    上記支持装置によって支持されて、火災時に炭化層が形成される上記木質構造部材の表面部分の上部に水を供給して、上記表面部分を濡らしながら自由流下して上記表面部分を覆う水膜を形成する水膜形成装置とを備え、
    上記水膜形成装置は、流水口を持つ給水管であるとともに、上記支持装置は、上記給水管を覆うカバー状の支持体であり、
    もって火災時の構造部材の耐火性能を向上させる構造部材用給水装置。
  8. 上記水膜形成装置が上記表面部分上に少なくとも10リットル/分・mの幅当たり水量の水を供給することを特徴とする請求項7記載の構造部材用給水装置。
  9. 上記給水管は、配管を介して給水源に接続され、上記配管には感熱開放継手が設けられていて、天井に取り付け螺れた感熱部分により火災発生時に作動して水膜形成装置から水を流出させることを特徴とする請求項1記載の構造部材用給水装置。
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