JP4069695B2 - 電気式脱イオン装置 - Google Patents

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  • Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電気式脱イオン装置に係り、詳しくは単位時間当りの脱イオン水(生産水)の生産水量が少ない場合に好適な電気式脱イオン装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電気式脱イオン装置は、電極(陽極と陰極)同士の間に複数のカチオン交換膜とアニオン交換膜とを交互に配列して脱塩室と濃縮室とを交互に形成し、脱塩室にイオン交換樹脂を充填した構成を有する。この電気式脱イオン装置にあっては陽極、陰極間に電圧を印加しながら脱塩室に被処理水を流入させると共に、濃縮室に濃縮水を流通させて被処理水中の不純物イオンを除去し、脱イオン水を製造する。
【0003】
特公平4−72567号には、このような電気式脱イオン装置において、脱塩室内に水の流れ方向に沿う複数のリブを設けることにより、該脱塩室内を7.6〜101mm程度の細幅の流路に分画し、これによって脱塩室内における偏流と、イオン交換樹脂の移動及び圧縮とを防止することが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記特公平4−72567号では、脱塩室内の小幅の流路に原水を導入するための流入口が細いため、原水が流路内に高流速で流入する。このため、各流路の流入口近傍では偏流が生じ、その分だけ脱塩効率が低下する。
【0005】
また、上記特公平4−72567号で規定している流路幅7.6〜101mmのうち20mmを超える範囲では流路内に偏流が生じ、脱塩効率が低下する。
【0006】
本発明は上記従来の問題点を解決し、脱塩室内の水の偏流を抑制し、高い脱塩効率で高水質の処理水を得ることができる電気式脱イオン装置を提供することを目的とする。
【0007】
本発明はまた、構成が簡易で製作が容易であると共に、印加電圧が低くて済む電気式脱イオン装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の電気式脱イオン装置は、陰極と陽極との間にカチオン交換膜とアニオン交換膜とが配置され、陰極側に配置されたカチオン交換膜と陽極側に配置されたアニオン交換膜との間に脱塩室が設けられ、該脱塩室が一方向に延在し、この延在方向の一端側に原水の流入口が設けられ、他端側に脱イオン水の流出口が設けられ、該脱塩室内にイオン交換体が充填されてなる電気式脱イオン装置であって、該脱塩室の該延在方向と直交方向の幅Wが20mm以下であり、該脱塩室に臨む原水流入口の幅Wが該脱塩室の幅Wの60%以上であり、該原水流入口の開口面積が該脱塩室の断面積の4〜15%であることを特徴とするものである。
【0009】
かかる本発明の電気式脱イオン装置にあっては、脱塩室の流路幅Wが小さく、また脱塩室の厚さも小さいため、脱塩室内におけるイオン交換体の移動及び圧縮が抑制され、また、脱塩室内における水の偏流が抑制される。
【0010】
さらに、本発明においては、脱塩室への原水流入口の幅Wが大きく、且つ原水流入口の開口面積比が適切であるので、原水は脱塩室内に幅方向に均等に流入するようになり、脱塩室の流入側においても偏流が抑制され、脱塩効率が高くなる。
【0011】
本発明では、脱塩室の幅Wが5〜20mmであり、該脱塩室内にはイオン交換体のみが配置されていることが好ましい。このように脱塩室の幅Wを小さくすると、脱塩室内にイオン交換体のみを充填した場合であっても、イオン交換体の移動や圧縮が十分に防止される。即ち、脱塩室内にイオン交換体を保持して移動を防止するための部材を配置することが不要である。
【0012】
本発明では、カチオン交換膜とアニオン交換膜とが1枚ずつ配置され、該陰極とカチオン交換膜との間が濃縮室兼陰極室とされ、該陽極とアニオン交換膜との間が濃縮室兼陽極室とされている構成としてもよい。
【0013】
このように構成した場合、電気式脱イオン装置はフレームやスペーサ、イオン交換膜の数が少ないものとなり、構成が簡素である。また、脱塩室が1室であり、且つこの脱塩室の両側にはそれぞれ陽極室を兼ねた濃縮室と陰極室を兼ねた濃縮室とが配置されているため、電極間距離が小さく、電極間の印加電圧が低い。
【0014】
また、本発明では、第1のカチオン交換膜と、アニオン交換膜と、第2のカチオン交換膜とが順に配置され、陰極と第1のカチオン交換膜との間が濃縮室兼陰極室とされ、第1のカチオン交換膜とアニオン交換膜との間が脱塩室とされ、アニオン交換膜と第2のカチオン交換膜との間が濃縮室とされ、第2のカチオン膜と陽極との間が陽極室とされている構成としても良い。
【0015】
なお、本発明の電気式脱イオン装置は、脱塩室が1室であり、単位時間当たりの生産水量が少ないが、小規模実験用、小型燃料電池用などには十分に実用することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。第1図は実施の形態に係る電気式脱イオン装置の概略的な縦断面図である。第2図はこの電気式脱イオン装置の分解斜視図、第3図(a)はフレーム上部の斜視図、第3図(b)は同(a)のB−B線に沿う断面図である。
【0017】
第1,2図に示す通り、陰極1と陽極2との間にカチオン交換膜3とアニオン交換膜4とを1枚ずつ配置し、陰極1とカチオン交換膜3との間に濃縮室兼陰極室5を形成し、陽極2とアニオン交換膜4との間に濃縮室兼陽極室6を形成し、カチオン交換膜3とアニオン交換膜4との間に脱塩室7を形成している。
【0018】
この実施の形態では、濃縮室兼陰極室5及び濃縮室兼陽極室6を形成するために、それぞれ凹所11,21付きのプレート10,20を用い、脱塩室7を形成するために方形枠状のフレーム30を用いている。
【0019】
凹所11,21は、それぞれプレート10,20の対向する板面から凹設された方形のものである。凹所11はカチオン交換膜3に臨んでおり、凹所21はアニオン交換膜4に臨んでいる。凹所11,21の底面に陰極1及び陽極2が設けられている。
【0020】
この実施の形態では、プレート10の下部に陰極電極水の流入用通水孔12が設けられ、プレート10の上部に濃縮水兼陰極電極水の流出用通水孔17が設けられている。各通水孔12,17はそれぞれ中継室13,16と浅い幅広溝状の連通口14,15を介して濃縮室兼陰極室5内に連通している。
【0021】
また、プレート20の下部に陽極電極水の流入用通水孔22が設けられ、プレート20の上部に濃縮水兼陽極電極水の流出用通水孔27が設けられている。各通水孔22,27はそれぞれ中継室23,26と浅い幅広溝状の連通口24,25を介して濃縮室兼陽極室6内に連通している。
【0022】
フレーム30の上部には、原水導入用の中継室33が設けられ、該中継室33へはアニオン交換膜4及びプレート20の上部に設けられた通水孔32,31を介して原水が導入される。原水は、この中継室33から浅い幅広溝状の原水流入口34を介して脱塩室7内に流入する。脱塩室7内の水は、フレーム30の下部に設けられた浅い幅広溝状の脱塩水流出口35から中継室36に流入し、さらに、アニオン交換膜4及びプレート20の下部に設けられた通水孔37,38を介して取り出される。
【0023】
第2図に示すように、フレーム30は長方形状であり、その上部と下部を除いて厚み方向に刳り抜いた形状にて脱塩室7が形成されている。この脱塩室7はフレーム30に1個だけ設けられている。この脱塩室7は長方形状であり、フレーム30の長手方向に延在している。従って、フレーム30は、この脱塩室7の部分が厚み方向に貫通した長方形の枠形状となっている。
【0024】
この脱塩室7の幅Wは20mm以下、好ましくは5〜20mm特に5〜15mmである。脱塩室7内には、イオン交換体を保持する部材は配置されておらず、脱塩室7は1個の直方体形状の空室となっている。
【0025】
脱塩室7の厚さ、即ちフレーム30の厚さTは、好ましくはこの幅Wの100%以下、特に好ましくは20〜40%である。
【0026】
第2,3図に示される通り、中継室33,36はフレーム30の上部及び下部のうちアニオン交換膜4に重なる面から凹設された深溝により構成されている。この中継室33,36はそれぞれフレーム30の幅方向に延在しており、この中継室33,36は脱塩室7と略等幅となっている。
【0027】
この中継室33,36を脱塩室7内に連通している流入口34と流出口35は、フレーム30のアニオン交換膜4に重なる面に形成された幅広の浅溝よりなる。この浅溝よりなる流入口34及び流出口35の深さは、脱塩室7内に充填されるイオン交換樹脂の粒径よりも小さいものとされ、通常は0.1〜0.3mm程度とされる。
【0028】
この実施の形態では、流入口34及び流出口35の幅方向の中央には、中継室33,36と脱塩室7とを結ぶ方向(フレーム30の長手方向)に延在するリブ34a,35aが設けられている。このリブ34a,35aの頂面はフレーム30のアニオン交換膜4と重なる面と面一である。このリブ34a,35aは、アニオン交換膜4が浅溝状の流入口34及び流出口35内に入り込むことを防いでいる。また、リブ34a、35aとアニオン交換膜4との間に薄板を設けて薄板とリブ34a、35aとの間で流入口34、流出口35を形成させても良い。
【0029】
第3図(b)の通り、リブ34aで区画された流入口34,34は等幅であり、それらの合計の幅がWである。このWとリブ34aの幅との和は、脱塩室7の幅Wよりもごくわずかに小さいものとなっている。
【0030】
この流入口34の幅Wは脱塩室7の幅Wの60%以上特に75%以上であることが好ましい。流入口34の深さTは、イオン交換樹脂の流出を防ぐために、該イオン交換樹脂の粒径よりも小さく設定されている。
【0031】
この流入口34の開口面積W・Tは脱塩室7の断面積W・Tの4〜15%特に4〜10%であることが好ましい。この開口面積比が4%よりも小さいと、流入口34から脱塩室7内への流出速度が過大となり易い。また、15%よりも大きいと、水が流入口34から脱塩室7へ均等に流出しにくくなる。
【0032】
中継室33の幅は、上記流入口34の幅Wとリブ34の幅との和と等しいが、それより大きくてもよい。
【0033】
この中継室33を設けたことにより、通水孔31,32から流入してきた原水が流入口34の幅方向の全域に均等に分配される。
【0034】
フレーム30は上下対称形状であり、中継室36及び流出口35の形状、構造、寸法は中継室33及び流入口34と同一である。符号35aは流出口35に設けられたリブを示す。
【0035】
プレート10,20に設けられた中継室13,16,23,26及び連通口14,15,24,25はそれぞれこの中継室33及び流入口34と同様の構成を有する。各通水孔12,17,22,27は溝状の中継室13,16,23,26の底面に臨んでいる。
【0036】
プレート10,20の凹所11,21の大きさ(幅及び高さ)は脱塩室7と同一であり、濃縮室兼用の陰極室5及び陽極室6は脱塩室7に合致するよう配置されている。
【0037】
プレート10、フレーム30及びプレート20をそれらの間にカチオン交換膜3及びアニオン交換膜4を介して積層し、ボルト等で締め付けることにより電気式脱イオン装置の構造体が構成される。この積層体を締め付けるためにプレート10,20の外側に押え板を配置してもよいが、プレート10,20を高強度材料にて製造した場合には、押え板は不要である。
【0038】
このプレート10,20は例えばポリプロピレン等の合成樹脂製であることが好ましいが、材料はこれに限定されるものではない。
【0039】
この電気式脱イオン装置内部の濃縮室兼用陰極室5及び陽極室6にはそれぞれカチオン交換樹脂が充填されている。この陰極室5及び陽極室6に充填されるイオン交換樹脂は、アニオン交換樹脂や、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂を混合したものであってもよいが、樹脂の強度の点からはカチオン交換樹脂を用いるのが好ましい。脱塩室7にはカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とが好ましくはカチオン交換樹脂/アニオン交換樹脂=2/8〜5/5の比率にて混合状態にて充填されている。
【0040】
このように構成された電気式脱イオン装置においては、陰極1と陽極2との間に電圧を印加した状態にて通水孔31から原水を脱塩室7に導入し、通水孔38から脱塩水(脱イオン水)を取り出す。陰極電極水を濃縮室兼陰極室5に流通させ、陽極電極水を濃縮室兼陽極室6に流通させる。原水中のカチオンはカチオン交換膜3を透過し、陰極電極水に混入して排出される。原水中のアニオンはアニオン交換膜4を透過して陽極電極水に混入し、排出される。
【0041】
この電気式脱イオン装置にあっては、陰極1と陽極2との間にそれぞれ1個の脱塩室7、濃縮室兼陽極室6及び濃縮室兼陰極室5のみが配置されており、陰極1と陽極2との距離が小さい。そのため、電極1,2間の印加電圧が低くても十分に電極1,2間に電流を流して脱イオン処理することができる。
【0042】
なお、電極室が濃縮室を兼ねていることから、電極水の電気伝導度が高い。これによっても、電極1,2間の印加電圧が低くても電極1,2間に十分に電流を流すことが可能となる。
【0043】
電極室兼濃縮室5,6での通水方向は、脱塩室と並流通水でも図示の向流通水でもよいが、いずれの場合でも上昇流通水であることが望ましい。これは、各電極室兼濃縮室5,6には、直流電流によってH、O、Cl等の気体が発生するので、上昇流で通水し気体の排出を促進させ偏流を防ぐためである。
【0044】
本発明において、濃縮室兼陽極室及び濃縮室兼陰極室へ通水される電極水としては、原水を分岐してそれぞれの濃縮室兼電極室へ独立して通水するのが望ましい。この通水方式によれば、従来、一方の電極室流出水を他方の電極水として使用するのと異なり、脱塩室から各濃縮室兼電極室へ移動したイオン種が会合することがないため、スケールが発生しにくくなる。
【0045】
ただし、通水孔38から取り出された脱塩水の一部を分取し、これを通水孔22から陽極電極水として濃縮室兼陽極室6に流通させ、通水孔27からの濃縮水兼陽極電極水を通水孔12から陰極電極水として濃縮室兼陰極室5に流通させてもよい。
【0046】
上記実施の形態は3室構造であるが、本発明は第4図に示す4室構造にも適用できる。
【0047】
第4図の電気式脱イオン装置にあっては、陰極101と陽極102との間に、第1のカチオン交換膜103と、アニオン交換膜104と、第2のカチオン交換膜103’とを1枚ずつ配置し、陰極101と第1のカチオン交換膜103との間に濃縮室兼陰極室105を形成し、第1のカチオン交換膜103とアニオン交換膜104との間に脱塩室107を形成し、アニオン交換膜104と第2のカチオン交換膜103’との間に濃縮室110を形成し、第2のカチオン交換膜103’と陽極102との間に陽極室106を形成している。
【0048】
濃縮室兼陰極室105、濃縮室110及び陽極室106にはそれぞれカチオン交換樹脂108が充填されている。この濃縮室兼陰極室105、濃縮室110及び陽極室106に充填されるイオン交換樹脂は、アニオン交換樹脂やアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂を混合したものであってもよいが、樹脂の強度の点からはカチオン交換樹脂を用いるのが好ましい。脱塩室107にはカチオン交換樹脂108とアニオン交換樹脂109とが混合状態にて充填されている。
【0049】
脱塩室107の一端側には原水の流入口が設けられ、他端側には脱イオン水の流出口が設けられている。
【0050】
陽極室106の一端側には原水又は脱イオン水の流入口が設けられている。陽極室106の流出水は濃縮室110へその一端側から流入し、他端側から流出する。濃縮室110の流出水は、濃縮室兼陰極室105へその一端側から流入し、他端側から濃縮水兼陰極電極水として排出される。
【0051】
陰極101と陽極102との間に電圧を印加した状態にて原水を脱塩室107に導入し、脱イオン水として取り出す。上記の通り、原水又は該脱イオン水を陽極室106に導入し、順次に濃縮室110及び濃縮室兼陰極室105に流通させる。原水中のカチオンは第1のカチオン交換膜103を透過し、陰極電極水に混入して排出される。原水中のアニオンはアニオン交換膜104を透過して濃縮室110に移動し、濃縮室流出水に混入して濃縮室兼陰極室105を経て排出される。
【0052】
この電気式脱イオン装置にあっても、陰極101と陽極102との間にそれぞれ1個の濃縮室兼陰極室105、脱塩室107、濃縮室110及び陽極室106のみが配置されており、陰極101と陽極102との距離が小さい。そのため、電極101,102間の印加電圧が低くても十分に電極101,102間に電流を流して脱イオン処理することができる。
【0053】
また、本発明では脱塩室内のClは濃縮室110にのみ移動し、陽極室106へは移動しない。このため、陽極室106内のCl濃度は原水又は脱イオン水中に存在するClのみとなり、陽極室106で陽極酸化により生じるClが著しく少ない。そのため、陽極室106内のカチオン交換樹脂108や、陽極室106に臨む第2のカチオン交換膜103’の劣化が防止される。
【0054】
なお、陰極室が濃縮室を兼ねていることから、陰極室内の電極水の電気伝導度が高い。これによっても、電極101,102間の印加電圧が低くても電極101,102間に十分に電流を流すことが可能となる。
【0055】
濃縮室兼陰極室105及び濃縮室110での通水方向は、脱塩室107と並流通水でも向流通水でもよい。濃縮室兼陰極室105及び陽極室106は、上昇流通水であることが望ましい。これは、各室105,106には、直流電流によってHやO、場合によっては少量のCl等の気体が発生するので、上昇流で通水し気体の排出を促進させ偏流を防ぐためである。
【0056】
なお、第4図の電気式脱イオン装置から濃縮室110を省略し、脱塩室107からClが陽極室106にすべて流入するとした場合の、陽極室のCl負荷量の一例を次に計算する。なお、陽極室にはCl濃度3ppmの原水を0.8L/hで供給し、脱塩室にはこの原水を1.5L/hで供給するものとする。
【0057】
この場合、脱塩室からClの実質的に全量が陽極室へ移動することから、陽極室のCl負荷量は
脱塩室からのCl量=1.5L/h・3mg/L=4.5mg/h
陽極室流入Cl量=0.8L/h・3mg/L=2.4mg/h
の和6.9mg/hとなる。
【0058】
これに対し、第4図の場合であれば、陽極室Cl負荷量は、陽極室への流入原水中のClのみであるから上記2.4mg/hとなる。なお、陽極室に脱イオン水を通水するならば、陽極室CI負荷量は実質的にゼロになる。
【0059】
この一例からも明らかな通り、脱塩室と陽極室との間に濃縮室を配置することにより、陽極室のCl濃度を低くし、陽極室でのCl発生量を減少させることができる。
【0060】
【実施例】
第1図〜第3図に示す電気式脱イオン装置において、各室5,6,7の高さを200mmとし、脱塩室7の厚みTを5mm、各室5,6の厚みを2.5mmとした。脱塩室流入口34及び流出口35並びに各連通口14,15,24,25の深さTは0.3mmとした。幅Wは脱塩室7の幅Wの76%(即ち、W/W=76%)とした。
【0061】
この脱塩室7の幅を7〜50mmの範囲で種々変えて、電気伝導度10μS/cm、CO=20ppm、水温25℃の原水をLV=27m/hで通水し、脱塩水の比抵抗を測定した。その結果を第5図に示す。
【0062】
第5図の通り、脱塩室7の幅Wを20mm以下とすることにより、脱塩水の比抵抗が約12μΩ・cm以上に安定したものとなる。なお、W=7mm及びW=50mmのときのT/W、流入口34の脱塩室断面積に対する開口面積比は次の通りであり、Wが7〜50mmのいずれにおいてもT/W、開口面積比及び上記W/Wは本発明の範囲内である。
【0063】
=7mmの場合
/W=5/7=71%
開口面積比=W・T/W・T=5.3×0.3/7×5=4.5%
=50mmの場合
/W=5/50=10%
開口面積比=W・T/W・T=38×0.3/50×5=4.6%
【0064】
【発明の効果】
以上の通り、本発明の電気式脱イオン装置は、構成が簡易で製作が容易であると共に、印加電圧が低くて済む。また、本発明によると、比抵抗の大きな高水質の水を生産することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る電気式脱イオン装置の概略的な縦断面図である。
【図2】電気式脱イオン装置の分解斜視図である。
【図3】電気式脱イオン装置のフレームの構成図である。
【図4】4室構造の電気式脱イオン装置の概略的な縦断面図である。
【図5】脱塩水の比抵抗の測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 陰極
2 陽極
3 カチオン交換膜
4 アニオン交換膜
5 濃縮室兼陰極室
6 濃縮室兼陽極室
7 脱塩室
10,20 プレート
11,21 凹部
30 フレーム
34 流入口
35 流出口
34a,35a リブ

Claims (4)

  1. 陰極と陽極との間にカチオン交換膜とアニオン交換膜とが配置され、
    陰極側に配置されたカチオン交換膜と陽極側に配置されたアニオン交換膜との間に脱塩室が設けられ、
    該脱塩室が一方向に延在し、この延在方向の一端側に原水の流入口が設けられ、他端側に脱イオン水の流出口が設けられ、
    該脱塩室内にイオン交換体が充填されてなる電気式脱イオン装置であって、
    該脱塩室の該延在方向と直交方向の幅Wが20mm以下であり、
    該脱塩室に臨む原水流入口の幅Wが該脱塩室の幅Wの60%以上であり、該原水流入口の開口面積が該脱塩室の断面積の4〜15%であることを特徴とする電気式脱イオン装置。
  2. 請求項1において、脱塩室の幅Wが5〜20mmであり、該脱塩室内にはイオン交換体のみが配置されていることを特徴とする電気式脱イオン装置。
  3. 請求項1又は2において、カチオン交換膜とアニオン交換膜とが1枚ずつ配置され、
    該陰極とカチオン交換膜との間が濃縮室兼陰極室とされ、
    該陽極とアニオン交換膜との間が濃縮室兼陽極室とされていることを特徴とする電気式脱イオン装置。
  4. 請求項1又は2において、第1のカチオン交換膜と、アニオン交換膜と、第2のカチオン交換膜とが順に配置され、陰極と第1のカチオン交換膜との間が濃縮室兼陰極室とされ、第1のカチオン交換膜とアニオン交換膜との間が脱塩室とされ、アニオン交換膜と第2のカチオン交換膜との間が濃縮室とされ、第2のカチオン膜と陽極との間が陽極室とされていることを特徴とする電気式脱イオン装置。
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