JP4069247B2

JP4069247B2 - 廃発泡スチロールの一次処理物供給装置

Info

Publication number: JP4069247B2
Application number: JP2002307708A
Authority: JP
Inventors: 良一高松; 重郎平田
Original assignee: T.RAD CO., L T D.
Current assignee: T.RAD CO., L T D.
Priority date: 2002-10-22
Filing date: 2002-10-22
Publication date: 2008-04-02
Anticipated expiration: 2022-10-22
Also published as: JP2004143231A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発泡スチレン樹脂（以下、発泡スチロールと略す）を処理液で減容化して、練り状またはそれが餅状に固形化した一次処理物を油化するための熱分解装置へ供給する一次処理物供給装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
廃棄された発泡スチロールを減容液によって減容する装置が「廃棄発泡スチロール減容方法および廃棄発泡スチロールの減容装置」として提案されている（例えば、特許文献１参照。）。
【０００３】
【特許文献１】
特開平１１−１７９７２７号
【０００４】
これは廃棄発泡スチロールを破砕・微粉砕する装置と、その下流側に設けた減容容器と、その内部に設けられた羽根板を有する回転羽根とを具備し、容器内に１２０℃〜２４０℃程度の液状熱媒体を収納したものである。そしてその容器内に破砕された廃棄発泡スチロールを投入し、板羽根を有する回転体を回転させることにより、廃棄発泡スチロールと液状熱媒体とを攪拌して廃棄発泡スチロールを減容化し、次いで減容化された一次処理物を減容容器を外部から取り出すものである。
【０００５】
なお、前記液状熱媒体である廃棄発泡スチロールの減容液としては、一例としてＡ重油，廃エンジンオイルまたは灯油を主剤とし、これに環状ケトンが配合されたものとする。そしてその環状ケトンとしては、シンクロペンタノン，シンクロヘキサノン，シンクロヘプタノンまたはシンクロオクタノンとすることができる。
また、Ａ重油等の主剤と環状ケトンとの配合割合は、主剤１００に対して環状ケトンを３〜５０重量％とすることができる。
上記減容液に代えて、リモネンを減容液として使用することも可能である。
【０００６】
このようにして減容化された処理体は、減容液を可能な限り絞り出し、温度４０℃程度で、突き立ての柔らかい餅状の一次処理体となる。このような一次処理体は減容化され、処理前の廃発泡スチロール２ｔトラック１台分がペール缶１缶分に減容化される。その重さは約２０Ｋｇ程度となる。このような一次処理物を夫々貯蔵しておき、ある程度以上の量に達すると、それを熱分解装置に供給しそこで気化させ、その気体を次いで冷却凝縮させることにより油化し、燃料等として利用できることが知られている。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
廃発泡スチロールを減容化して生成された一次処理物は、一旦ペール缶等に貯蔵され、後にそれが熱分解装置に供給される。このとき一次処理物は外気温が２０℃あるいはそれ以下になると固形化し、直接それを熱分解装置に供給することが困難となる。そのため、一旦一次処理物を４０℃程度以上に加熱し流動化せ、順次それを供給装置により供給する必要がある。
ところが、一旦固形化した一次処理物に外側から熱を加えても外周のみが加熱され、内部まで熱が伝わり難く加熱に長時間かかり、結果として熱分解装置への供給に多大の時間と熱エネルギーとを要する問題点があることが判った。
【０００８】
そこで本発明は、固形化した一次処理物を迅速に流動化させ、それを熱分解装置に供給する一次処理物供給装置を提供することを課題とする。
さらには、熱分解装置で生成したガス体が一次処理物供給装置側に逆流することを効果的に防止できる安全なものを提供することを課題とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
請求項１に記載の本発明は、減容化されて、練り状またはそれが餅状に固形化した廃発泡スチロールの一次処理物を上方から収納し、それを自重により下方に落下させるケーシング（１）と、
その一次処理物を下方から支持するようにケーシング（１）内に設けられ、上端が先細りに形成された断面三角形の一以上の一次処理物載置体（２）と、
前記ケーシング（１）および前記一次処理物載置体（２）を加温する加温装置（３）と、を具備し、
前記ケーシング（１）内は、前記一次処理物載置体（２）の各高さ位置で、下方ほど前記一次処理物の流通路が狭く形成され、
前記加温装置（３）は、前記ケーシング（１）の外周にジャケット（４）を形成すると共に、一次処理物載置体（２）の内部全体にジャケット（４ａ）を形成し、それらのジャケット（４）（４ａ）に温水または温油液等の加温流体を供給するように構成し、
ケーシング（１）のジャケット（４）は、一次処理物載置体（２）の上端高さより高い位置まで配置された廃発泡スチロールの一次処理物供給装置である。
【００１１】
請求項２に記載の本発明は、請求項１において、
前記ケーシング（１）の下端部または下方と、廃発泡スチロールの一次処理物の熱分解装置（６）との間に、細長いシリンダ（７ａ）内に螺旋羽根（７）を設けた一次処理物の搬送装置（８）が設けられ、シリンダ（７ａ）内を一次処理物で充満するように構成した廃発泡スチロールの一次処理物供給装置である。
【００１２】
請求項３に記載の本発明は、請求項２において、
前記廃発泡スチロールの一次処理物の搬送装置（８）の搬送方向先端と、前記廃発泡スチロールの一次処理物の熱分解装置（６）との間を、先下がりに傾斜し且つ、そこに液トラップ（９）を有する配管（２４）が連結された廃発泡スチロールの一次処理物供給装置である。
【００１３】
【発明の実施の形態】
次に、図面に基づいて本発明の実施の形態につき説明する。
図１は本発明の廃発泡スチロールの一次処理物を熱分解装置６に供給する供給装置の正面略図であり、図２はその左側面略図、図３は図２の III− III矢視図である。また、図４はそのケーシング１の一部破断側面図、図５は図４のＶ−Ｖ矢視断面図、図６は本一次処理物供給装置の加温装置における温水配管系統を示す説明図、図７は本一次処理物供給装置23の処理工程を順に示す説明図である。さらに図８は廃発泡スチロールの一次処理物を本供給装置に投下する説明図である。
【００１４】
この一次処理物供給装置23は、一次処理物22を流動化して熱分解装置６に連続的に供給するものである。
一次処理物供給装置23は、ケーシング１と、ケーシング１内に設けられた一次処理物載置体２と、そのケーシング１および一次処理物載置体２を加温する加温装置３とを有する。そしてケーシング１の下端に搬送装置８が設けられ、その搬送装置８と熱分解装置６とが配管24を介して連結されている。
【００１５】
ケーシング１は横断面が方形の縦長の筒体からなり、上端部開口が僅かに拡開すると共に、底部は先端に向かって縦断面が先下がりに縮小する形状を有し、その底部に搬送装置８が設けられている。ケーシング１内には、縦断面が二等辺三角形をなす一次処理物載置体２が設けられ、その二等辺の交角がケーシング１内で上端に位置し、その交角の二等分線がケーシング１の中心線上に配置されている。そして一次処理物載置体２の底辺の両縁とケーシング１の内壁との間隔が均等に形成されている。
【００１６】
次に、ケーシング１の外周はその中間から上方の筒状部においてジャケット４に被嵌され、一次処理物載置体２内にもジャケット４ａを形成する。そして、このジャケット４およびジャケット４ａの内部は図４の如く連通する。次に、ケーシング１の下端部である底部外周にはジャケット５が被嵌される。
次に、ケーシング１の底部に収納された搬送装置８は回転軸25の外周に連続的な螺旋羽根７が設けられたものであり、駆動モータ20によりチエーン21を介し一回転軸25が駆動され、流動化した一次処理物22を螺旋羽根７によって配管24を介して熱分解装置６に連続的に供給するものである。
【００１７】
その配管24は一端が搬送装置８に連結されると共に、液トラップ９を介して他端が熱分解装置６の内部に連通する。この配管24にも図示しないジャケットが被嵌され、夫々のジャケット内には一例として８０℃程度の温水が流通する。図６はその加温装置３の温水配管の説明図である。この加温装置３は、温水タンク28内に電気ヒータ15が設けられ、その電気ヒータ15によって一例として８０℃程度に加温された温水が循環ポンプ17を介して配管24の外周、および搬送装置８の外周、並びにケーシング１の外周および一次処理物載置体２に設けた夫々のジャケット内に夫々入口ソケット13から供給され、内部を流通して出口ソケット14から温水タンク28に還流し、再び温められて循環する。なお、タンク16は温水タンク28に給水するものである。
【００１８】
【使用方法】
図８において、上蓋が取り除かれたペール缶12がペール缶昇降装置11に装着され、それが上昇して上端で１２０°程度反転し、投入用ダクト10の投入口からペール缶12に収納された一次処理物22がケーシング１内に投入される。すると固形化した一次処理物22は、図７（Ａ）の如く一次処理物載置体２の頂部に支持される。そしてケーシング１の外周及び一次処理物載置体２内の加温装置３によって加温され、次第に軟化して同図（Ｂ）及び（Ｃ）の如く下方に落下する。
【００１９】
下方ほど、一次処理物載置体２とケーシング１との間隔が狭くなり、一次処理物22が下方に移動するほど熱伝達が良好となり、固体の一次処理物22は液化してケーシング１の底部に流動物として溜まる。その一次処理物22は搬送装置８の回転に基づきその回りの螺旋羽根７によって軸方向に移動し、シリンダ７ａから配管24に供給され、配管24の中間に存在する液トラップ９を通過して熱分解装置６の内部にその底部から連続的に供給される。
【００２０】
この熱分解装置６は外周にヒータが設けられ、内部が高温に維持される。そして図示しない攪拌羽根によって攪拌され、次第に気化し、その上端から流出した気体は凝縮器26に送られる。そして凝縮機26の多数のチューブ26ｂ内を流通する間に、冷却風により冷却され、凝縮して燃料タンク27に溜められる。
【００２１】
【発明の作用・効果】
本発明の廃発泡スチロールの一次処理物供給装置は、上端が先細り状に形成された断面三角形の一以上の一次処理物載置体２がケーシング１内に設けられ、そのケーシング１および一次処理物載置体２が加温され且つ、一次処理物載置体２の各高さ位置で下方ほど、一次処理物２２の流通路が狭く形成されたものである。従って、練り状またはそれが餅状に固形化した廃発泡スチロールの一次処理物を上方からケーシング１内に収納すると、その一次処理物２２はケーシング１により外周が温められると共に、一次処理物載置体２により内部から温められ、次第に液状となってケーシング１の下方に流下する。このときケーシング１内は下方ほど、一次処理物２２の流通路が狭く形成されているため、下方ほど加熱され、一次処理物２２を迅速に液化することができる。
【００２２】
しかも、加温装置３は、前記ケーシング１の外周にジャケット４を形成すると共に、一次処理物載置体２の内部全体にジャケット４ａを形成し、それらのジャケット４，４ａに温水または温油液等の加温流体を供給するように構成し、ケーシング１のジャケット４は、一次処理物載置体２の上端高さより高い位置まで配置されたから、練り状またはそれが餅状に固形化した一次処理物２２を図７（Ａ）の如く一次処理物載置体２の上端に載置した状態で、その一次処理物２２を効率よく加温して流動化し、全体を均一な温度にして一次処理物２２の液化をさらに促進させて、一次処理物２２の自重のみで、図７（Ｂ），（Ｃ）のようにケーシング１内を流下させて次工程に供給することができる。
【００２３】
さらに上記構成において、ケーシング１と熱分解装置６との間に螺旋羽根７を有する一次処理物22の搬送装置８を設けることができ、シリンダ７ａ内を一次処理物22で充満することができる。このようにすることにより、ケーシング１内と熱分解装置６との間を一次処理物22の充満状態でシールすることにより、熱分解装置６内の気体がケーシング１側に流入する危険を防止できる。
【００２４】
上記構成において、さらに搬送装置８の先端と熱分解装置６との間に液トラップ９を設けることができる。それによりさらに熱分解装置６内とケーシング１内とを完全に遮断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の廃発泡スチロールの一次処理物供給装置の要部縦断面正面図。
【図２】同一部断面側面図。
【図３】図２の III− III矢視図。
【図４】同装置に用いられるケーシング１の要部を示す一部破断側面図。
【図５】図４のＶ−Ｖ矢視断面図。
【図６】本発明の供給装置の加温装置の温水配管系統図。
【図７】本発明の供給装置の作用を順に示す説明図。
【図８】本発明の供給装置に一次処理物22を投入する説明図。
【符号の説明】
１ケーシング
２一次処理物載置体
３加温装置
４，４ａ，５ジャケット
６熱分解装置
７螺旋羽根
７ａシリンダ
８搬送装置
９液トラップ
10 投入用ダクト
11 ペール缶昇降装置
12 ペール缶
13 入口ソケット
14 出口ソケット
15 電気ヒータ
16 タンク
17 循環ポンプ
18 ケーシング用架台
19 熱分解装置用架台
20 駆動モータ
21 チエーン
22 一次処理物
23 一次処理物供給装置
24 配管
25 回転軸
26 凝縮器
26ａヘッダ
26ｂチューブ
27 燃料タンク
28 温水タンク
29 投入口

Claims

減容化されて、練り状またはそれが餅状に固形化した廃発泡スチロールの一次処理物を上方から収納し、それを自重により下方に落下させるケーシング（１）と、
その一次処理物を下方から支持するようにケーシング（１）内に設けられ、上端が先細りに形成された断面三角形の一以上の一次処理物載置体（２）と、
前記ケーシング（１）および前記一次処理物載置体（２）を加温する加温装置（３）と、を具備し、
前記ケーシング（１）内は、前記一次処理物載置体（２）の各高さ位置で、下方ほど前記一次処理物の流通路が狭く形成され、
前記加温装置（３）は、前記ケーシング（１）の外周にジャケット（４）を形成すると共に、一次処理物載置体（２）の内部全体にジャケット（４ａ）を形成し、それらのジャケット（４）（４ａ）に温水または温油液等の加温流体を供給するように構成し、
ケーシング（１）のジャケット（４）は、一次処理物載置体（２）の上端高さより高い位置まで配置された廃発泡スチロールの一次処理物供給装置。
請求項１において、
前記ケーシング（１）の下端部または下方と、廃発泡スチロールの一次処理物の熱分解装置（６）との間に、細長いシリンダ（７ａ）内に螺旋羽根（７）を設けた一次処理物の搬送装置（８）が設けられ、シリンダ（７ａ）内を一次処理物で充満するように構成した廃発泡スチロールの一次処理物供給装置。
請求項２において、
前記廃発泡スチロールの一次処理物の搬送装置（８）の搬送方向先端と、前記廃発泡スチロールの一次処理物の熱分解装置（６）との間を、先下がりに傾斜し且つそこに液トラップ（９）を有する配管（２４）が連結された廃発泡スチロールの一次処理物供給装置。