JP4069150B2 - 伸線性と疲労特性に優れた高炭素鋼線材用鋼の製造方法 - Google Patents
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Description
Cは、強度の向上に有用な元素であり、この効果を発揮させるためには0.4%以上含有させることが好ましい。より好ましくは0.5%以上である。しかし、C含有量が過剰になると、鋼が脆化して伸線性が損なわれるので1.3%以下(より好ましくは1.2%以下)に抑えるのが良い。
Siは、脱酸作用を有する元素であり、該作用を発揮させるには0.1%以上含有させることが好ましい、より好ましくは0.2%以上含有させるのが良い。但し、Si含有量が過剰になると、脱酸生成物としてSiO2が多く生成し伸線性が損なわれるので、2.5%以下(より好ましくは2.3%以下)に抑えるのが良い。
Mnは、Siと同様に脱酸作用を有すると共に、介在物制御作用を有する元素である。これらの作用を有効に発揮させるには、Mnは0.2%以上(より好ましくは0.3%以上)含有させるのが良い。一方、Mn量が過剰になると、鋼材が脆化して伸線性が損なわれるので1.0%以下(より好ましくは0.9%以下)に抑えるのが良い。
Al含有量が多くなると介在物中のAl2O3濃度が高くなり、断線の原因となる粗大Al2O3が生成する可能性があるので、できるだけ抑制することが好ましく、こうした観点から0.003%以下(より好ましくは0.002%以下)に抑えるのが良い。
Niは、鋼線の強度上昇にはあまり寄与しないが、伸線材の靭性を高める効果を発揮する元素である。こうした効果を発揮させるには、Niを0.05%以上含有させることが好ましく、より好ましく0.1%以上である。しかし、Niを過剰に含有させても上記効果は飽和するだけであるので、1%以下(より好ましくは0.9%以下)とすることが好ましい。
これらの元素は、鋼中の非金属介在物をより軟質化する作用を有する。こうした効果を発揮させるには、Liの場合0.02ppm以上(より好ましくは0.03ppm以上)、Mgの場合0.02ppm以上(より好ましくは0.03ppm以上)、Ceの場合3ppm以上(より好ましくは5ppm以上)、Laの場合3ppm以上(より好ましくは5ppm以上)含有させることが好ましい。しかし上記元素を過剰に入れても効果は飽和するだけであるので、Li、Mgはそれぞれ20ppm以下(より好ましくは10ppm以下)に抑えるのがよい。またCe、Laは夫々100ppm以下(より好ましくは80ppm以下)に抑えるのが良い。
溶銑予備処理工程において、Pを0.007〜0.020%、Sを0.002〜0.01%にまで低下させた溶銑を、或はこの溶銑と冷銑および/または屑鋼を各種割合で転炉に装入し、所定の濃度にまで脱C吹錬し、その後、取鍋へ出鋼し、取鍋加熱精錬装置にて成分調整(成分組成については下記表2、5参照)とスラグ精錬(二次精錬)を実施した。尚、取鍋精錬時のスラグは、CaO/SiO2=0.7〜1.7、Al2O3=4〜25%のCaO−SiO2−Al2O3系である。また、取鍋精錬時の溶鋼撹拌ガスにはArを用い、その流量を溶鋼1t当り0.0002〜0.0080Nm3/分/tの範囲で変化させた。ガス撹拌時間はいずれも15分以上とした。
まず、純水、硝酸(濃度:60%)および硫酸(濃度:96%)を、体積比で各々5:25:1に混合した酸溶液の入ったビーカを準備し、これに鋼線材(1000g)を入れた。このビーカを加熱し、溶液温度を90〜95℃に保持しながら、線材を完全に溶解させた。溶解後、10μmのフィルターで濾過する。その後、フィルターに残った介在物のうち、長径が20μm以上の介在物の組成およびその個数計測を行なった。
介在物の定量に当っては、EPMA[Electron Probe Microanalyzer,日本電子社製(JXA−8000シリーズ)]を用い、加速電圧:20kV、試料電流:0.01μAの条件で、特性X線のエネルギー分散分光により定量分析を行った。定量対象元素は、Al、Mn、Si、Mg、Ca、Ti、Zr、Oとした。定量方法は、上記元素濃度が既知の物質のX線強度を測定して、X線強度と元素濃度の関係を検量線として予め作成し、該検量線を用いて観察対象介在物のX線強度から各元素の存在濃度を求めた。そして各々の元素が、Al2O3、MnO、SiO2、MgO、CaO、TiO2、ZrO2の形で存在すると仮定し、上記定量により求めた各元素濃度を基に、介在物中のAl2O3、MnO、SiO2、MgO、CaO、TiO2、ZrO2の存在濃度を算出し、Al2O3を80%以上含む介在物をアルミナ系介在物として、その長径及び個数を測定した。
上記のようにして得られたφ5.5mm鋼線材を、タイヤコードに適用した場合の伸線性を下記要領で評価した。
φ5.5mm→φ0.2mmへ伸線時の断線回数
(伸線方法)
上記φ5.5mmの鋼線材の酸化皮膜を塩酸で除去した後、連続伸線機(昭和機械社製:型式 CD−610−7+BD610)でφ1.2mmまで乾式伸線を行った。この伸線工程で用いた伸線ダイスの径は、4.8、4.2、3.7、3.26、2.85、2.5、2.2、1.93、1.69、1.48、1.3(いずれも単位:mm)である。またφ1.2mmでの線引き速度は400m/分である。伸線に際し、線材の表面には、予めリン酸亜鉛の皮膜処理を行い、潤滑剤はステアリン酸ナトリウム主体のものを用いた。
上記のようにして得られたφ8.0mm鋼線材を、ばねに適用した場合の疲労特性を下記要領で評価した。
(試料の調製方法および試験方法)
φ8.0mmの鋼線材に、オイルテンパー→歪取焼鈍→ショットピーニング処理→再度歪取焼鈍を施した後、中村式回転曲げ疲労試験機を用いて下記条件で疲労試験を行い、折損率を求めて疲労特性の評価を行った。
試験片長さ:650mm
試験片本数:30本
試験荷重:95.8kgf/mm2(940MPa)
回転速度:4500rpm
試験中止回数:2×107回
折損率の算出式:折損率=折損本数/(全ての供試験片) ×100(%)
転炉主原料の条件を下記表4、鋼材の化学成分組成を下記表5に、および疲労試験の結果を二次精錬の条件と共に下記表6に夫々示す。
Claims (4)
- 転炉に装入する主原料を、溶銑、冷銑および屑鋼とすると共に、これら主原料全体に対する割合で溶銑:96〜100%(質量%の意味、以下同じ)、冷銑:4%以下(0%を含む)および屑鋼:2%以下(0%を含む)とし、且つ全主原料中の平均P濃度を0.02%以下として転炉吹錬を行ない、転炉吹錬終了後の二次精錬時における溶鋼撹拌ガス流量を、溶鋼1t当り0.0005Nm3/分以上、0.004Nm3/分以下とし、次いで連続鋳造におけるタンディッシュ内にパージするAr流量をタンディッシュ内の溶鋼1t当り0.04Nm3/分以上、0.10Nm3/分以下として操業することを特徴とする伸線性と疲労特性に優れた高炭素鋼線材用鋼の製造方法。
- 鋼線材用鋼の化学成分組成が、C:0.4〜1.3%、Si:0.1〜2.5%、Mn:0.2〜1.0%、Al:0.003%以下(0%を含まない)を夫々含み、
残部鉄および不可避不純物である請求項1に記載の製造方法。 - 鋼線材用鋼が更に他の元素として、Ni:0.05〜1%、Cu:0.05〜1%およびCr:0.05〜1.5%よりなる群から選択される1種以上を含むものである請求項2に記載の製造方法。
- 鋼線材用鋼が更に他の元素として、Li:0.02〜20ppm、Mg:0.02〜20ppm、Ce:3〜100ppmおよびLa:3〜100ppmよりなる群から選択される1種以上を含むものである請求項2または3に記載の製造方法。
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