JP4068155B2 - バシラス細胞のサーファクチン突然変異株におけるポリペプチドの製造方法 - Google Patents
バシラス細胞のサーファクチン突然変異株におけるポリペプチドの製造方法 Download PDFInfo
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Description
本発明は、バシラス(Bacillus)細胞の突然変異株におけるポリペプチドの製造方法、バシラス細胞の突然変異株の獲得方法およびバシラス細胞の突然変異株に関する。
関連技術の説明
サーファクチン(Surfactin)は、バシラス属の数種により主に増殖の定常期中に産生される顕著な界面活性を有する環状リポペプチドである(Carswell et al., 1994, Applied Microbiology and Biotechnology 41:281-285; Lin et al., 1994, Applied and Environmental Microbiology 60: 31-38; Morikawa et al., 1992, Journal of Fermentation and Bioenginnering 74:255-261; Arima et al., 1968, Biochemical Biophysical Research Communications 31:488-494)。このリポペプチドは、脂肪酸のカルボキシ基とグルタミン酸のアミノ基との間のアミド結合、および最後のLeuのカルボキシル基と脂肪酸のヒドロキシル基との間のエステル結合を介して3−ヒドロキシ−13−メチル−テトラデカン酸と結合する7個のアミノ酸L-Glu-L-Leu-D-Leu-L-Val-L-Asp-D-Leu-L-Leuを含有する。炭素数13、14および15の脂質鎖長を有する一連の同族体(Hosono and Suzuki, 1983, Journal of Antibiotics 36:667-673; Razafindralambo et al., 1993, Journal of Chromatography 639:81-85)、ならびに第7または第4番目のアミノ酸が異なる[Val7]−、[Ile7]−および[Ala4]−サーファクチンと呼ばれるアイソフォームが知られている(Peypoux et al., 1994, European Journal of Biochemistry 224:89-96; Baugmart et al., 1991, Biochemical Biophysical Research Communications 177:998-1005)。
srfオペロンによりコードされる多酵素複合体(multienzyne complex)は、伝えられる所では、いわゆるチオ鋳型(thiotemplate)メカニズムによるサーファクチンの非リボソーム的生合成に関与する。オペロンは、少なくとも4個の遺伝子srfA、srfB、srfCおよびsrfDを含有する。遺伝子srfA、srfB、srfCおよびsrfDは、かつてはそれぞれsrfAA、srfAB、srfACおよびsrfADとして知られていた。srfA、srfBおよびsrfCは、各々がサーファクチンを産生するためのサーファクチン基質アミノ酸の活性化に必要な1つ又はそれ以上のアミノ酸活性化ドメインを含有するサーファクチンシンセターゼサブユニットをコードする(van Sinderen et al., 1993, Molecular Microbiology 8:833-841; Nakano and Zuber, 1989, Journal of Bacteriology 8:821-831; Cosmina et al., 1993, Molecular Microbiology 8:821-831)。多酵素複合体は、3つの別々のタンパク質上に群生する7つの大型ドメイン中に組織化される(Menkhaus et sl., 1993, Journal of Biological Chemistry 268:7678-7684; Gulli et al., Biochemica et Biophysica Acta 1205:19-28)。7つのドメインは、サーファクチンの7個のアミノ酸の活性化および結合に関与する。チオ鋳型メカニズムにしたがって、特定のアミノ酸のアデニル化および結合は対応するアミノ酸活性化ドメインで起こり、その過程は補因子4−ホスホパンテテインを必要とする。その後のトランス−チオエステル化反応により増殖ペプチド鎖を生じ、その水準は多酵素サブユニットの空間配置により確定される。脂肪酸部分がいつ、どのようにペプチドと結合し、どのようにしてエステル結合が形成されて分子環を作るのかは、現在は不明である。さらに、遺伝子srfはサーファクチンの発現(分泌)に関与すると考えられる(Nakano et al., 1992, Molecular General Genetics 232:313-323)。
バシラスは、元のタンパク質および組換えタンパク質の産生のための宿主細胞系として確立されている。しかしながら、タンパク質発現および分泌の増大という望ましい特性を有するバシラス宿主が、必ずしも発酵がうまく行くための最も望ましい特性を有するとは限らない。特に、発酵は、バイオマスが増大すると発泡が増大するために、最適というわけではない。発泡が増大すると、発酵の生産性が限定される。
したがって、商業的量のタンパク質の発現能力と、迅速増殖性および低発泡性で、それにより発酵生産性を増強するといった申し分ない発酵特性とを併有する改良型バシラス属宿主を提供することが、本発明の目的である。
本発明の要約
本発明は、(a)バシラス細胞の突然変異株を培養し、この場合、(i)突然変異株は、ポリペプチドの産生を促す条件下で、ポリペプチドをコードする一次核酸配列とサーファクチンまたはそのアイソフォームの生合成または分泌に関与する少なくとも1つの遺伝子の修飾を含有する二次核酸配列とを含み、そして(ii)突然変異株は、同一条件下で培養された場合、バシラス細胞より少ないサーファクチンまたはそのアイソフォームを産生し;そして(b)ポリペプチドを培地から単離する、工程を含んでなるポリペプチドの製造方法に関する。
本発明は、バシラス細胞の突然変異株およびバシラス細胞の突然変異株の獲得方法にも関する。
【図面の簡単な説明】
図1は、pShv2の制限酵素地図を示す。
図2は、pSJ3200の制限酵素地図を示す。
図3は、pSJ2662の制限酵素地図を示す。
図4は、pSJ2882−MCSにおけるamyQプロモーター−amyM遺伝子融合の構築を示す。
図5は、pPL2419の制限酵素地図を示す。
図6は、pCAsub2の制限酵素地図を示す。
図7は、pBAN−NOVの制限酵素地図を示す。
図8は、pPL2541−tetの制限酵素地図を示す。
発明の詳細な説明
本発明は、(a)バシラス細胞の突然変異株を培養し、この場合、(i)突然変異株は、ポリペプチドの産生を促す条件下で、サーファクチンまたはそのアイソフォームの生合成または分泌に関与する少なくとも1つの遺伝子の修飾、例えば破壊によるバリサス細胞に関し、そして(ii)突然変異株は、同一条件下で培養された場合、バシラス細胞より少ないサーファクチンまたはそのアイソフォームを産生し;そして(b)ポリペプチドを培地から単離する、工程を含んでなるポリペプチドの製造方法に関する。
「サーファクチン」という用語は、炭素数13〜15の種々の鎖長を有する直鎖または分枝鎖b−ヒドロキシ脂肪酸に結合されるアミノ酸配列L-Glu-L-Leu-D-Leu-L-Val-L-Asp-D-Leu-L-Leuを有する環状リポペプチドと、本明細書中では定義される。「アイソフォーム」という用語は、1つ又はそれ以上のアミノ酸残基が異なるアミノ酸残基で置換されたサーファクチンの変異体、例えば[Val7]−、[Ile7]−および[Ala4]−サーファクチンと定義される。
本発明の方法では、バシラス細胞は、野生型バシラス細胞またはその突然変異株である。本発明の実施に有用なバシラス細胞としては、バシラス・アルカロフィルス(Bacillus alkalophilus)、バシラス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バシラス・ブレビス(Bacillus brevis)、バシラス・サーキュランス(Bacillus circulans)、バシラス・コアギュランス(Bacillus coagulans)、バシラス・ファームス(Bacillus firmus)、バシラス・ラウッス(Bacillus lautus)、バシラス・レンタス(Bacillus lentus)、バシラス・リケンホルミス(Bacillus licheniformis)、バシラス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バシラス・プミルス(Bacillus pumilus)、バシラス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、バシラス・ズブチリス(Bacillus subtilis)およびバシラス・チュリンジエンシス(Bacillus thuringiensis)の細胞が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい実施態様では、バシラス細胞はデンプン液化バシラス・アミロリクエファシエンス、バシラス・レンタス、バシラス・リケニホルミス、バシラス・ステアロサーモフィルスまたはバシラス・ズブチリスの細胞である。さらに好ましい実施態様では、バシラス細胞はバシラス・ズブチリス(Bacillus subtilis)ATCC 6051または6051A、あるいはバシラス・ズブチリス(Bacillus subtilis)NCFB 736(NCDO 736)である。
バシラス細胞の突然変異株は、挿入または欠失に関する当業界で周知の方法を用いてサーファクチンまたはそのアイソフォームの生合成または分泌に関与する1つ又はそれより多くの遺伝子の発現を低減または除去することにより構築され得る。例えば、遺伝子に対して相同性の核酸断片を含有する組込みプラスミドを遺伝子に挿入することにより、遺伝子の1つを中断することができ、これは相同領域の重複を作り、そして重複領域間にベクターDNAを導入するものである。これは、挿入されたベクターが遺伝子のプロモーターをコード領域から分離するかまたは非機能性遺伝子生成物が生じる様にコード配列を中断する場合には、遺伝子発現を除去することができる。さらに、サーファクチンまたはそのアイソフォームの生合成または分泌に関与する1つ又はそれ以上の遺伝子の発現に必要なまたは有益な1つ又はそれより多くの制御配列、例えばプロモーターを修飾することができる。あるいは、遺伝子発現は、遺伝子変換の方法により(例えば、Iglesias and Trautner, 1983, Molecular General Genetics 189:73-76参照)、または遺伝子置換により低減または除去され得る。後者の方法では、遺伝子の突然変異されたバージョンは、選択マーカーと関連して、非複製または温度感受性プラスミド上に導入される。プラスミドの組込みのための選択は、プラスミドを複製させない条件下でマーカーを選択することにより実行される。遺伝子置換を導く第二の組換え事象についての選択は、選択マーカーの損失および突然変異した遺伝子の獲得についてのコロニーの検査により実行される(例えば、Perego, 1993, In A.L.Sonneshein, J.A. Hoch, and R.Losick, editors, Bacillus subtilis and Other Gram-Positive Bacteria, Chapter 42, American Society of Microbiology, Washington, D.C.,1993参照)。さらに、サーファクチンの生合成または分泌に関与する1つ又はそれより多くの遺伝子の発現の低減または除去は、当業界で周知の方法を用いた無作為突然変異誘発により成し遂げられ、その方法としては、転位(trans position)および化学的突然変異誘発が挙げられるが、これらに限定されない。
バシラス細胞の突然変異株は、サーファクチンの変異体またはアイソフォームを産生するためにも構築され得る。変異体またはアイソフォームは、変異体が非発泡性であるか、または界面活性低減を示すという点で、その元の天然源から単離されたペプチドと異なる。サーファクチンの生合成に関与する1又は複数の遺伝子の核酸配列の修飾は、当業界で周知の方法、例えばアミノ酸特異性の変化を伴うペプチド合成及び変化したアミノ酸配列を有するペプチドの生産をコードするハイブリッド遺伝子の構築をもたらすドメインコード領域の交換により成し遂げられる(例えば、Stachelhaus et al.,1995, Science 269:60-72参照)。本発明のさらに別の局面では、アミノ酸置換は、SerとAlaとの置換のようなサーファクチン陰性表現型を付与し得る(D'Souza et al., 1993, Journal of Bacteriology 175:3502-3510; Vollenbroich et al., 1993, FEBS Letters 325:220-224; Stachelhaus et al., 1995,上記)。類似の核酸配列は、生来のサーファクチン分子のアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を生じるヌクレオチド置換の導入により、サーファクチンリポペプチドの生合成に関与する遺伝子の核酸配列を基礎にして構築され得る。ヌクレオチド置換の一般的説明に関しては、例えば、Ford et al., 1991, Protein Expression and Purification 2:95-107を参照されたい。
このような置換が、分子の機能に重要な領域の内外で成され得る、ということは当業者には明らかである。ペプチドの界面活性特性に必須のアミノ酸残基は、当業界で公知の手法、例えば部位特定突然変異誘発またはアラニンスキャニング突然変異誘発により同定され得る(例えば、Cunningham and Wells, 1989, Science 244:1081-1085参照)。後者の技法では、突然変異は分子中のすべての残基に誘発され、そしてその結果生じる突然変異体分子は界面活性に関して試験されて、分子の活性に重要なアミノ酸残基が同定される。
本発明の方法では、サーファクチンまたはそのアイソフォームの生合成または分泌に関与するバシラス細胞のあらゆる遺伝子が修飾され得る。例えば、遺伝子は、srfオペロンのあらゆる遺伝子、例えばsrfA、srfB、srfしいおよびsrfDである。あるいは、遺伝子sfpが修飾され得る。
本発明のさらに別の局面では、分子環を作るために脂肪酸部分をペプチドと結合するのに、またはエステル結合を形成するのに関与する遺伝子(1または複数)は、バシラス細胞が発泡特性を欠くようにさせる修飾の対象であり得る。
本発明のさらに別の局面では、バジラス細胞の突然変異株はさらに、ポリペプチドの生成、回収または適用に有害なその他の遺伝子の欠失または挿入を含有し得る。例えば、好ましい実施態様では、バシラス細胞はプロテアーゼ欠損細胞であり得る。別の好ましい実施態様では、バシラス細胞は、例えばspoIIACにおける欠失のために、胞子を生じない。ポリペプチドの生成、回収または適用に有害なその他の遺伝子、例えばamyE遺伝子も欠失され得る。
本発明の方法では、本発明の突然変異株は、ポリペプチドの産生を促す条件下で培養した場合、非発泡性または発泡低減特性を有する。本発明のバシラス細胞の突然変異株により産生されるサーファクチンリポペプチドのレベルは、当業界で周知の方法を用いて決定し得る(例えば、Ohno et al., 1995, Biotechnology and Bioengineering 47:209-214およびGrossman et al., 1993, Journal of Bacteriology 175:6203-6211参照)。突然変異株細胞は、同一産生条件下で培養した場合に、対応する親バシラス細胞よりも好ましくは少なくとも約25%少ない、さらに好ましくは少なくとも約50%少ない、さらに好ましくは約75%少ない、そして最も好ましくは少なくとも約95%少ないサーファクチンリポペプチドを産生する。突然変異株細胞は、同一産生条件下で培養した場合に、対応する親バシラス細胞よりも好ましくは少なくとも約25%多い、さらに好ましくは少なくとも約50%多い、さらに好ましくは約75%多い、そして最も好ましくは少なくとも約95%多いポリペプチドを産生する。
細胞は、当業界で既知の方法を用いて、ポリペプチドの産生に適した栄養培地中で培養される。例えば、細胞は、適切な培地中で、ポリペプチドを発現および/または単離させ得る条件下で、実験室での浸透フラスコ培養、小規模または大規模発酵(連続、バッチ、供給バッチまたは固体発酵を含む)により、または工業的発酵器中で培養され得る。培養は、当業界で既知の手法を用いて、炭素および窒素供給源ならびに無機塩を含有する適切な栄養培地中で行われる。適切な培地は、商業的供給元から入手可能であり、または発表された(例えば、アメリカ培養細胞コレクションのカタログの)組成物により調製され得る。分泌されたポリペプチドは、培地から直接回収され得る。
ポリペプチドは、ポリペプチドに特異的な当業界で既知の方法を用いて検出され得る。このような検出方法としては、特異的抗体の使用、酵素生成物の形成、酵素基質の消失、またはSDS−PAGEが挙げられる。例えば、酵素検定を用いて、ポリペプチドの活性を決定し得る。酵素活性を決定するための手法は、多数の酵素に関して当業界で既知である。
生じるポリペプチドは、当業界で既知の方法により単離され得る。例えば、ポリペプチドは、従来の手法により栄養培地から単離され、その手法としては、遠心分離、濾過、抽出、噴霧乾燥、蒸発または沈澱が挙げられるが、これらに限定されない。単離されたポリペプチドは次に、種々のクロマトグラフィー法、例えばイオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等により精製され得る。
ポリペプチドは、当業界で既知の種々の手法により精製され、その例としては、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、アフィニティー、疎水性、クロマトフォーカシングおよびサイズ排除)、電気泳動法(例えば、分離用等電点電気泳動(IEF))、差溶解度(例えば、硫酸アンモニウム沈殿)、または抽出(例えば、Protein Purification, J. -C. Janson and Lars Ryden, editors, VCH Publishers, New York, 1989参照)が挙げられるが、これらに限定されない。
ポリペプチドは、任意のポリペプチドであり得る。さらにポリペプチドは、バシラスにとって生来的なものでもよく、異種性のものでもよい。「ポリペプチド」という用語は、特定長のコードされた生成物を示すことを本明細書中では意味せず、したがってペプチド、オリゴペプチドおよびタンパク質を包含する。「ポリペプチド」という用語は、コードされた生成物を生成するために組合される2以上のポリペプチドをも包含する。ポリペプチドは、1つ又はそれより多くがバシラス細胞に対して異種であり得る少なくとも2つの異なるポリペプチドから得られる部分的または完全ポリペプチド配列の組合せを含んで成るハイブリッドポリペプチドも含む。ポリペプチドはさらに、前記のポリペプチドおよびハイブリッドポリペプチドの天然対立遺伝子変異体および工学的処理変体を含む。
好ましくは、ポリペプチドはホルモン、ホルモン変異体、酵素、受容体またはその一部、抗体またはその一部、あるいはレポーターである。さらに好ましい実施態様では、ポリペプチドはオキシドレダクターゼ、トランスフェラーゼ、ヒドロラーゼ、リアーゼ、イソメラーゼまたはリガーゼである。さらにもっと好ましい実施態様では、ポリペプチドはアミノペプチダーゼ、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、カルボキシペプチダーゼ、カタラーゼ、セルラーゼ、キチナーゼ、クチナーゼ、シクロデキストリングリコシルトランスフェラーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、エステラーゼ、α−ガラクトシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、α−グルコシダーゼ、β−グルコシダーゼ、インベルターゼ、ラッカーゼ、リパーゼ、マンノシダーゼ、ムタナーゼ、オキシダーゼ、ペクチン分解酵素、ペルオキシダーゼ、フィターゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、タンパク質分解酵素、リボヌクレアーゼ、トランスグルタミナーゼまたはキシラナーゼである。
本発明の方法では、バシラス細胞の突然変異株は、異種ポリペプチドをコードする核酸配列を含む組換え細胞であり、これはポリペプチドの組換え産生に有益に用い得る。細胞は、好ましくは異種ポリペプチドをコードする核酸配列を含むベクターでトランスフェクトされ、その後染色体中にベクターを組み込む。「形質転換」とは、ベクターが染色体組込物として、または自己複製細胞外ベクターとして保持されるように、二次核酸配列を含有するベクターを宿主細胞中に導入することを意味する。組込みは一般に、核酸配列が細胞中で安定して保持されると思われるので、有益であると考えられる。ベクターの染色体中への組込みは、相同組換え、非相同組換えまたは転位により起こる。
異種ポリペプチドをコードする核酸配列は、あらゆる原核細胞供給源、真核細胞供給源またはその他の供給源、例えば古細菌に由来する。本発明の目的のために、「〜に由来する」という用語は、所与の供給源とともに本明細書中で用いられる場合、ポリペプチドがその供給源によりまたはその供給源からの遺伝子が挿入された細胞により産生されることを意味する。
本発明の方法では、バシラス細胞の突然変異株は、バシラス細胞にとって生来的であるポリペプチドの組換え体産生のためにも用いられる。生来のポリペプチドは、例えばポリペプチドをコードする遺伝子を異なるプロモーターの制御下に置いてポリペプチドの発現を増強し、シグナル配列の使用により細胞外への当該の生来のポリペプチドの輸送を促進し、そしてバシラス細胞により普通に産生されるポリペプチドをコードする遺伝子のコピー数を増大することにより、組換え的に産生され得る。本発明は、「異種ポリペプチド」の用語の範囲内で、このような発現がバシラス細胞にとって生来的でない遺伝的要素の使用、または宿主細胞中で普通には起きない方法で機能するよう操作された生来の要素の使用を伴う程度までの、同種性ポリペプチドの組換え体産生も包含する。
異種ポリペプチドをコードする核酸配列を単離またはクローン化するために用いられる技法は当業界で既知であり、その例としてはゲノムDNAからの単離、cDNAからの調製またはそれらの組合せが挙げられる。このようなゲノムDNAからの核酸配列のクローニングは、例えば周知のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いることにより実行され得る(例えば、Innis et al., 1990, PCR Protocols: A Guide to Methods and Application, Academic Press, New York参照)。クローニング法は、ポリペプチドをコードする核酸配列を含有する所望の核酸断片の切出しおよび単離、断片のベクター分子への挿入、そして組換え体ベクターのバシラス細胞中への組入れを含むが、この場合、核酸配列の多重コピーまたはクローンが複製される。核酸配列は、ゲノム、cDNA、RNA、半合成、合成起源の配列またはそれらのあらゆる組合せのものである。
本発明の方法では、異種ポリペプチドは、別のポリペプチドがポリペプチドまたはその断片のN末端またはC末端で融合した融合ポリペプチドも含むであろう。融合ポリペプチドは、あるポリペプチドをコードする核酸配列(またはその一部)を別のポリペプチドをコードする核酸配列(またはその一部)に融合することにより産生される。融合ポリペプチドの製造方法は当業界で既知であり、融合ポリペプチドの発現が同一プロモーター(1または複数)およびターミネーターの制御下にある様に、ポリペプチドをコードするコード配列をリーディグフレーム内に連結することを含む。
「核酸構築物」とは、天然遺伝子から単離されるか、またはそうでなければ自然に存在しない方法で組合され、そして並置された核酸のセグメントを含有するよう修飾された、一本鎖または二本鎖の核酸分子、と本明細書では定義される。核酸構築物という用語は、核酸構築物が本発明のコード配列の発現に必要なすべての制御配列を含有する場合には、発現カセットと同義である。「コード配列」という用語は、本明細書中で用いる場合、前記の制御配列の制御下に置かれると、mRNAに転写され、本発明のポリペプチドに翻訳される配列である。コード配列の境界は一般に、5‘末端の翻訳開始コドンATGと3’末端の翻訳停止コドンにより確定される。コード配列としては、DNA、cDNAおよび組換え核酸配列が挙げられるが、これらに限定されない。
ポリペプチドをコードする単離された核酸配列は、種々の方法で操作されてポリペプチドの発現を提供し得る。ベクターに挿入する前の核酸配列の操作は、発現ベクターに依存して、望ましいかまたは必要である。クローニング法を用いる核酸配列の修飾技法は、当業界で周知である。
ポリペプチドをコードする核酸配列を含有する核酸構築物は、制御配列と適合可能な条件下でバシラス細胞の突然変異株中でのコード配列の発現を指令し得る1つ又は複数の制御配列に作用可能に連結され得る。
「制御配列」という用語は、核酸配列のコード配列の発現に必要なまたは有益なすべての成分を含むよう、本明細書では定義される。各制御配列は、ポリペプチドをコードする核酸配列にとって生来的な、または外来のものである。このような制御配列としては、リーダー、プロモーター、シグナル配列および転写ターミネーターが挙げられるが、これらに限定されない。少なくとも、制御配列はプロモーター、ならびに転写および翻訳停止シグナルを含む。制御配列は、特異的制限部位を導入するためにリンカーを備えて、制御配列とポリペプチドをコードする核酸配列のコード領域との連結を促し得る。
制御配列は適切なプロモーター配列、即ち核酸の発現のためにバシラス細胞に認識される核酸配列であり得る。プロモーター配列は、ポリペプチドの発現を媒介する転写制御配列を含有する。プロモーターは、特定のバシラス細胞中で転写活性を示すあらゆる核酸配列であり、そしてバシラス細胞と同種のまたは異種の細胞外または細胞内ポリペプチドをコードする遺伝子から得られる。特にバシラス細胞における本発明の核酸構築物の転写を指図するのに適したプロモーターの例は、大腸菌lacオペロン、ストレプトミセス・コーエリコラー(Streptomyces coelicolor)アガラーゼ遺伝子(dagA)、バシラス・ズブチリス(Bacillus subtilis)レバンスクラーゼ遺伝子(sacB)、バシラス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)α−アミラーゼ遺伝子(amyL)、バシラス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)マルトース生成アミラーゼ遺伝子(amyM)、バシラス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)α−アミラーゼ遺伝子(amyQ)、バシラス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)ペニシリナーゼ遺伝子(penP)、枯草菌xylAおよびxylB遺伝子そして原核細胞β−ラクタマーゼ遺伝子から得られるプロモーター(Villa-Kamaroff et al., 1978, Proceedings of the National Academy of Sciences USA 75:3727-3731)、ならびにtacプロモーター(DeBoer et al., 1983, Proceedings of the National Academy of Sciences USA 80:21-25)である。さらに別のプロモーターがScientific American, 1980, 242:74-94,“Useful proteins from recombinant bacteria”およびSambrook et al., 1989(上記)に記載されている。
制御配列はまた、適当な転写ターミネーター、すなわちバシラス細胞により認識される、転写の停止のための配列である。ターミネーター配列はポリペプチドをコードする核酸配列の3’末端に作用可能に連結される。バシラス細胞中で機能するあらゆるターミネーターを本発明において選択して使用することができる。
制御配列は、バシラス細胞による翻訳のために重要であるmRNAの非翻訳領域である適切なリーダー配列でもあり得る。リーダー配列は、ポリペプチドをコードする核酸配列の5’末端に作用可能に連結される。特定のバシラス細胞中で機能的であるあらゆるリーダー配列が、本発明に用い得る。
発現ポリペプチドを細胞の分泌経路に向け得るポリペプチドのアミノ末端に結合されるアミノ酸配列をコードするシグナルペプチドコード領域でもあり得る。シグナルペプチドコード領域は本発明のポリペプチドにとって生来的であるかまたは外来供給源から得られる。核酸配列のコード配列の5’末端は、分泌されるポリペプチドをコードするコード領域のセグメントと翻訳読取り枠を合わせて自然に連結されたシグナルペプチドコード領域を本来的に含有し得る。あるいは、コード配列の5’末端は、分泌されるポリペプチドをコードするコード配列の部分に対して外来性であるシグナルペプチドコード領域を含有し得る。外来シグナルペプチドコード領域は、コード配列がシグナルペプチドコード領域を通常含有しない場合に必要とされ得る。あるいは、外来シグナルペプチドコード領域は、コード配列と通常関連する生来のシグナルペプチドコード領域に比べてポリペプチドの分泌増強を得るために、単に生来のシグナルペプチドコード領域に取って代わり得る。シグナルペプチドコード領域は、バシラス種からのアミラーゼまたはプロテアーゼ遺伝子から得られる。しかしながら、発現されたポリペプチドを特定のバシラス細胞の分泌経路に向け得るあらゆるシグナルペプチドコード領域が、本発明に用い得る。
バシラス細胞に有効なシグナルペプチドコード領域は、バシラスNCIB 11837からのマルトース生成アミラーゼ遺伝子、バシラス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)α−アミラーゼ遺伝子、バシラス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)ズブチリシン遺伝子、バシラス・リケニホルミスβ−ラクタマーゼ遺伝子、バシラス・ステアロサーモフィルス中性プロテアーゼ遺伝子(nprT、nprS、nprM)および枯草菌prsA遺伝子から得られるシグナルペプチドコード領域である。さらに別のシグナルペプチドは、Simone and Palva, 1993, Microbiological Reviews 57:109-137に記載されている。
本発明の方法では、核酸配列、プロモーター、ならびに転写および翻訳停止シグナルを包含する組換え体発現ベクターが、ポリペプチドの組換え体産生のために用いられる。前記の種々の核酸および制御配列は一緒に連結されて、このような部位でのポリペプチドをコードする核酸配列の挿入または置換を可能にする1つ又は複数の便利な制限部位を含み得る組換え体発現ベクターを産生し得る。あるいは、核酸配列は、核酸配列またはその配列を含有する核酸構築物を発現のために適切なベクター中に挿入することにより、発現され得る。発現ベクターを作製するに際しては、コード配列は、コード配列が発現のためにそしておそらくは分泌のために適切な制御配列と作用可能に連結されるように、ベクター中に置かれる。
組換え体発現ベクターは、組換えDNA法を都合よく施され、核酸配列の発現を引き起こし得るあらゆるベクターである。ベクターの選択は、典型的には、ベクターとベクターが導入されるバシラス細胞との適合性による。ベクターは、線状または閉環状プラスミドである。ベクターは、自律複製ベクター、即ち染色体外実体として存在し、その複製が染色体の複製とは無関係なベクター、即ちプラスミド、染色体外素子、ミニ染色体または人工染色体である。ベクターは、自己複製を保証するためのあらゆる手段を含有し得る。あるいは、ベクターは、バシラス細胞中に導入されると、ゲノムに組み込まれ、それが組み込まれた染色体(1または複数)と一緒に複製されるものであり得る。ベクター系は、単一ベクターまたはプラスミド、あるいはバシラス細胞のゲノム中に導入される全DNAを一緒に含有する2つまたはそれ以上のベクターまたはプラスミド、あるいはトランスポゾンであり得る。
ベクターは、バシラス細胞中に導入されると、バシラス細胞ゲノム中に組み込まれる。組込みに関しては、ベクターはポリペプチド、または相同組換えによるゲノム中へのベクターの安定組込みのためのベクターのあらゆるその他の素子をコードする核酸配列に頼る。あるいは、ベクターは、バシラス細胞のゲノム中への相同組換えによる組込みを指図するための付加的核酸配列を含有し得る。付加的核酸配列は、染色体中の正確な位置でバシラス細胞ゲノム中にベクターが組み込まれるようにし得る。正確な位置での組込みの可能性を増大するために、組込み要素は、好ましくは800〜1,500塩基対、さらに好ましくは400〜1,500塩基対、最も好ましくは800〜1,500塩基対といった十分な数の核酸を含有する必要があり、これは相同組換えの可能性を増強するために対応する標的配列と高度に相同である。組込み要素は、バシラス細胞のゲノム中の標的配列と相同なあるあらゆる配列であり得る。さらに、組込み要素は、非コードまたはコード核酸配列であり得る。
自律複製に関しては、ベクターは、問題のバシラス細胞中でベクターを自律的に複製させる複製起点をさらに包含する。細菌の複製起点の例は、大腸菌中での複製を可能にするプラスミドpBR322、pUC19、pACYC177およびpACYC184、ならびにバシラス中での複製を可能にするpUB110、pE194、pTA1060およびpAMβ1の複製起点である。複製の起点は、バシラス細胞中でのその機能を温度感受性にさせるための突然変異を有していてもよい(例えば、Ehrlich, 1978, Proceedings of the National Academy of Sciences USA 75:1433参照)。
本発明のポリペプチドをコードする核酸配列の1つより多いコピーがバシラス細胞中に挿入されて、核酸配列の発現を増幅し得る。核酸配列の安定増幅は、当業界で周知の方法を用いて配列の少なくとも1つの追加コピーをバシラス細胞ゲノム中に組込み、そして形質転換体に関して選択することにより得られる。ゲノムDNA配列の増幅を達成するのに便利な方法は、WO94/14968に記載されている。
ベクターは、好ましくは、形質転換細胞を容易に選択させ得る1つ又はそれ以上の選択マーカーを含有する。選択マーカーは、その生成物が殺生物耐性、重金属に対する耐性、栄養要求株に対する原栄養性等を提供する遺伝子である。細菌選択マーカーの例は、バシラス・ズブチリスまたはバシラス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)からのdal遺伝子、あるいはアンピシリン、カナマイシン、エリスロマイシン、クロラムフェニコールまたはテトラサイクリン耐性のような抗生物質耐性を付与するマーカーである。さらに、選択は、例えばWO91/09129に記載されているような同時形質転換により達成され得る。この場合の選択マーカーは別々のベクター上にある。
前記の要素を連結して本発明の組換え体発現ベクターを構築するために用いられる手法は、当業者には周知である(例えば、Sambrook et al., 1989,上記、参照)。
バシラス細胞の形質転換は、例えばプロトプラスト形質転換(例えば、Chang and Cohen, 1979, Molecular General Genetics 168:111-115参照)により、コンピテント細胞(例えば、Young and Spizizin, 1961, Journal of Bacteriology 81:823-829またはDubnau and Davidoff-Abelson, 1971, Journal of Molecular Biology 56:209-221参照)を用いて、エレクトロポレーション(例えば、Shigekawa and Dower, 1988, Biotechniques 6:742-751参照)により、または接合(例えば、Koehler and Thorne, 1987 Journal of Bacteriology 169:5271-5278参照)により実行され得る。
以下の実施例により本発明をさらに説明するが、それらは本発明の範囲を限定するものではない。
実施例
プライマーおよびオリゴ体はすべて、メーカーの使用説明書にしたがって、Applied Biosystems Model 394合成機(Applied Biosystems, Inc., Foster City, CA)で合成した。
実施例1:バシラス・ズブチリスドナーBW154株の構築
数個の遺伝子(spoIIAC、aprE、nprE、amyEおよびsrfC)を、本明細書中に記載のバシラス・ズブチリス(Bacillus subtillis)A164(ATCC 6051A)および1630(NCFB 736)宿主株中で欠失させた。この仕事を成し遂げるために、これらの遺伝子の欠失型を含有するプラスミドを、pLS20−媒介接合系(conjugntien system)を用いて、これらの株に導入した(Koehler and Thorne, 1987,上記)。要するに、これらの系はpLS20と呼ばれる大型プラスミドを含有するバシラス・ズブチリス「ドナー」株で構成される。pLS20は、pLS20をバシラス・ズブチリスの「レシピエント」株中に可動化するのに必要な機能をコードする。さらに、pUB110およびpBC16のようなプラスミドはこの接合系(pLS20の存在下での)によっても可動化される。これらのプラスミドは、シス−作用領域(oriT)と、oriTVとして作用しこれらのプラスミドのレシピエント株への可動化を促すトランス−作用機能をコードする遺伝子(orf−β)とを含有する。ドナー株がpls20と、pUB110またはpBC16のどちらかを含有する場合(この場合、orf−β機能はトランスで提供される)には、oriTのみを含有するプラスミドも可動化され得る。
pLS20プラスミドまたはpXO503のような誘導体(Koehler and Thorne, 1987,上記)は、株が熟達した(proficient)ドナーであるためには存在しなければならない。さらに、接合完了後にドナー株に対する対抗選択(counter selection)の手段を有するのも望ましい。非常に「クリーン」(バックグラウンドなし)で且つ実行が容易な対抗選択法が開発された。これは、ドナー株にdal遺伝子(細胞壁合成に必要なD−アラニンラセマーゼ酵素をコードする)の欠失を導入し、D−アラニン(このアミノ酸は、バシラス・ズブチリスのdal株が増殖するために、外から培地に付加されねばならない)を欠く固体培地上での接合実験からの細胞混合物を増殖させることによりドナー株に対して選択することを包含する。
前記の遺伝子を欠失するために、遺伝子の欠失型およびoriT配列を含有するpE194レプリコン(エリスロマイシン耐性)(Gryczan et al., 1982, Journal of Bacteriology 152:722-735)を、バシラス・ズブチリスA164およびA1630株中に可動化されねばならなかった。適切なドナー株は、以下の特徴を有するべきである:1)dal遺伝子における欠失(対抗選択のために)、および2)それはpls20(pE194レプリコンがエリスロマイシン選択により保持されねばならず且つpXO503はすでにこの抗生物質に耐性を付与しているために、pXO503は、この場合には適切でない)、ならびにpUB110またはpBC16のどちらかを含有して、orf−β機能をトランスで提供しなければならない。バシラス・ズブチリスBW154がドナー株としてどのように構築されるかを以下に説明する。
(A)バシラス・ズブチリスBW96を産生するためのバシラス・ズブチリスにおけるdal欠失の導入
先ず、野生型バシラス・ズブチリス細胞は接合過程中に他種のバシラスを実際に殺し、この殺す力はbac−1−である細胞では非常に低下するということが従来示されていたために、bac−1遺伝子に突然変異(この突然変異はジペプチド抗生物質バシリシンを合成する株の能力をなくする)を有するバシラス・ズブチリスの株を選択した。したがって、ドナー株はすべて、bac−1バックグラウンドで構築されている。
適切なドナー株を構築する場合の第一工程は、bac−1が存在するバシラス・ズブチリス1A758株(Bacillus Stock Center, Columbus, OH)中のdal遺伝子の一部を欠失することであった。細菌染色体上で野生型dal遺伝子と交換され得るdal遺伝子の欠失型は、in vitroで構築された。dal遺伝子の5’および3’部分は、遺伝子の5’部分(ヌクレオチド19−419、ATGコドンのAが+1である)を増幅するためにプライマー1および2を、遺伝子の3’部分(ヌクレオチド618−1037)を増幅するためにプライマー3および4を用いてPCR増幅した。
増幅反応(100μl)は以下の成分を含有した:200ngのバシラス・ズブチリス168染色体DNA、0.5μMの各プライマー、各々200μMのdATP、dCTP、dGTPおよびdTTP、1xTaqポリメラーゼ緩衝液、ならびに1UのTaq DNAポリメラーゼ。Pitcher等(1989, Letters in Applied Microbiology 8:151-156)の手法にしたがって、バシラス・ズブチリス168染色体DNAを得た。以下の条件下で反応を実施した:95℃で3分間、次に95℃で1分、50℃で1分そして72℃で1分を各々30回、その後72℃で5分間。反応生成物は、アガロースゲル電気泳動により分析した。5’及び3’末のPCR生成物を、メーカーの使用説明書にしたがって、TAクローニングキット(Invitrogen, San Diego, CA)のpCRIIベクター中にクローニングした。PCRプライマーにより導入されたBamHI部位がpCRIIポリリンカーのBamHI部位に隣接するような配向(その他の配向はBamHI部位を遙か遠くに離して置く)でdal遺伝子の5’半分を含有するpCRIIクローンを同定した。次に、dal遺伝子の3’半分を含有するpCRIIクローンをBamHIおよびHindIIIで消化し、dal遺伝子断片を、次に前記のdal遺伝子の5’半分を含有するpCRIIクローンのBamHI−HindIII部位中にクローニングして、遺伝子の5’末端でNotI部位(pCRIIポリリンカーの一部)と、3’末端でHindIII部位と接する中央部に〜200bp欠失を有するdal遺伝子を含有するpCRIIベクターを生成した。
このdal欠失を細菌染色体に導入するために、欠失遺伝子を温度感受性バシラス・ズブチリスレプリコンpE194中にクローニングした(Gryczan et al., 1982,上記)。次に欠失dal遺伝子を2工程で染色体中に導入した:先ず、相同組換えにより染色体dal遺伝子座にプラスミドを組込み、その後プラスミドを除去(再び相同組換えにより)して、細菌染色体上にdal遺伝子の欠失型を残すことに依る。これは、以下のようにして行った:欠失dal遺伝子断片(前記)を温度感受性プラスミドpSK+/pE194(本質的に、pSK+ベクター配列をdal△断片により置換する)のNotI−HindIII部位中にクローン化した。プラスミドpSK+/pE194は、以下のように構築した:BluescriptSK+(Stratagene, La Jolla, CA)およびpE194をXbaIで消化した。次にpSK+ベクターを仔牛腸アルカリ性ホスファターゼで処理し、2つのプラスミドを一緒に連結した。連結混合物を用いて大腸菌DH5α株を形質転換し、形質転換体を、アンピシリン(100μg/ml)およびX−galを含有するLBプレート上に選択した。数個の「白色」クローンからプラスミドを精製し、pE194およびpSK+から成るキメラを制限酵素消化とその後のゲル電気泳動により同定した。このプラスミドをHindIIIおよびNotIで消化した。pE194レプリコンを包含する断片を次にゲル精製し、ゲル精製dal△遺伝子断片(HindIII−NotI)と連結した。連結混合物を用いてbal−1株バシラス・ズブチリス 1A758(Bacillus Stock Center, Columbus, OH)を形質転換し、トリプトン血液寒天ベース(TBAB)+エリスロマイシン(5μg/ml)プレート上で形質転換体を選択して、34℃の許容温度で増殖させた。プラスミドDNAを5つのエリスロマイシン耐性形質転換株から精製し、制限酵素消化/ゲル電気泳動により分析した。dal欠失断片を含有するpE194に対応するプラスミドを同定した。このプラスミドを保有する株は、その後、相同組換えによる染色体中へのdal欠失の導入のために用いられた。
一次交差(染色体上のdal遺伝子中へのdal欠失プラスミドの組込み)を得るために、形質転換株をD−アラニン(0.1mg−ml)およびエリスロマイシン(5μg/ml)を含有するTBABプレート上に画線し、45℃の非許容温度で一夜増殖させた。同一条件下で大型コロニーを再画線して、染色体上のdal遺伝子中に組み込まれた温度感受性プラスミドを含有する細胞の相同集団を産生した。非許容温度では、プラスミドは複製できないため、染色体中にプラスミドを含有する細胞だけがエリスロマイシン上で増殖できた。二次交差(染色体からプラスミドを切り出して、dal遺伝子の欠失型を後に残す)を得るために、ループの多い細胞をD−アラニン(0.1mg/ml)を補充した20mlのルリアブロスに移して、34℃の許容温度で選択せずに後期対数期まで増殖させて複製起点および二次交差の発生を機能させた。細胞をさらに4回移して(毎回1/100希釈)プラスミドを染色体から切り出して、集団の1つを隔離した。最後に、細胞を、D−アラニン(0.1mg/ml)を補充したTBABプレート上で34℃で単一コロニー用に平板培養し、D−アラニン(0.1mg/ml)を含有しないTBABプレートと、D−アラニン(0.1mg−ml)およびエリスロマイシン(5μg/ml)を含有するTBABプレート上でレプリカ平板培養して、dal−およびermが存在するコロニーを評価した。50のコロニーの内2つが、この表現型を生じた。その結果生じた株をバシラス・ズブチリスBW96 bac−1、dal株と命名した。
(B)接合熟達ドナー株バシラス・ズブチリスBW154を産生するためのbac−1,dal欠失バシラス・ズブチリス株へのpLS20およびpBC16の導入
バシラス・ズブチリスBW96中にプラスミドpLS20およびpBC16を導入するために、ドナー株を選定した。この場合、ドナー株は以下の特性を有するべきである:基本的に、pLS20およびpBC16をともに含有するエリスロマイシン感受性バシラス・ズブチリス株(ドナー株に対する対立選択を提供するために)。pLS20およびpBC16を含有するdal−欠失バシラス・ズブチリス株を適切なドナー株として選択したが、これは以下のようにして構築された:バシラス・ズブチリスDN1686(米国特許第4,920,048号)をpHV1248で形質転換して(Petit et al., 1990, Journal of Bacteriology 172:6736-6740)、細胞をエリスロマイシン耐性にした。接合要素pLS20を、バシラス・ズブチリス(natto)3335 UM8との接合により、pBC16とともにバシラス・ズブチリスDN1686(pHV1248)に移した(Koehler and Thorne, 1987、上記)。トランス接合体を、dal欠失を保有するテトラサイクリンおよびエリスロマイシン耐性コロニーとして選択した。pLS20を保有するコロニーを、接合によりその他のバシラス・ズブチリス株にpBC16を移すその能力により評価した。最後に、接合株は、温度を50℃に上げることによりpHV1248がキュアー(cure)されて、ドナー株:pLS20およびpBC16を含有するバシラス・ズブチリスDN1686を産生した。
これらのプラスミドをバシラス・ズブチリスBW96中に導入するためには、適切な対抗選択法が実行されねばならず、したがってバシラス・ズブチリスBW96は温度感受性プラスミドpSK+/pE194で形質転換されてエリスロマイシン耐性を付与したが、これはその後、非許容温度での増殖により除去され得る。pLS20およびpBC16プラスミドを、以下の手法にしたがって、pLS20およびpBC16を含有するバシラス・ズブチリスDN1686からバシラス・ズブチリスBW96(pSK+/pE194を保有する)中に可動化した。1片の各々の細胞型を、D−アラニン(50μg/ml)を補充したTBABプレート上で一緒に混合し、33℃で5時間インキュベートした。細胞をプレートから掻き取り、1mlのLB培地に移した。細胞を種々の希釈で、テトラサイクリン(10μg/ml)、エリスロマイシン(5μg/ml)およびD−アラニン(50μg/ml)を補充したTBABプレート上に塗り広げ、34℃で増殖させて、pBC16を、そして多くの場合に同時にpLS20を獲得するレシピエント細胞に関して選択した。pLS20もトランス接合体中に存在するか否かを試験するために、10個のコロニーを、バシラス・ズブチリスPL1801中にpBC16を移すそれらの能力に関して試験した。バシラス・ズブチリスPL1801は、遺伝子aprおよびnprの欠失を有するバシラス・ズブチリス168(Bacillus Stock Center, Columbus, OH)である。しかしながら、バシラス・ズブチリス168も用い得る。pBC16を可動化し得るドナーは、pLS20を同様に含有しなければならない。一旦接合熟達(conjugate proficient)株(バシラス・ズブチリスbac−1,dal−含有pLS20+pBC16+pSK+/pE194)が同定されると、pSK+/pE194プラスミドは、テトラサイクリン(5μg/ml)およびD−アラニン(50μg/ml)を補充したLB培地中で45℃で一夜、細胞を増殖させることにより、株から除去し、D−アラニン(50μg/ml)を補充したTBABプレート上で33℃で単一コロニーに関して平板培養し、エリスロマイシン感受性コロニーを同定した。この手法により、pLS20およびpBC16を含有するバシラス・ズブチリスbac1,dalであるバシラス・ズブチリスが産生された。
バシラス株およびプラスミドの要約を表Iに示す。
実施例2:バシラス・ズブチリスA164(ATCC 6051A)のspoIIAC遺伝子の欠失
細胞が胞子形成のII段階を進行するのを可能にするシグマFをコードするspoIIAC遺伝子の欠失型を、重複延長(SOE)技法によりスプライシングして作製した(Horton et al., 1989, Gene 77:61-68)。Pitcher等(1989,上記)の方法により、バシラス・ズブチリスA164(ATCC 6051A)染色体DNAを得た。spoIIAC遺伝子のATG開始コドンの上流205ヌクレオチドからATG開始の下流209ヌクレオチドに延びるバシラス・ズブチリスA164染色体DNAからの領域のPCR増幅のために、下記に示すプライマー5および6を合成した。上流プライマーの下線ヌクレオチドを付加して、HindIII部位を作製した。下流プライマーの下線ヌクレオチドは、ATG翻訳開始コドンの上流塩基507〜524と相補的である。プライマー7および8を合成して、ATG翻訳開始コドンの下流507から884ヌクレオチドに延びる領域をPCR増幅した。プライマー7の下線領域は、上流断片を増幅するために用いられるプライマー6の3’半分と正しく相補的である。
2組のプライマーを用いて、別々のPCR増幅において上流および下流spoIIAC断片を増幅した。増幅反応(25μl)は、以下の成分を含有した:200ngのバシラス・ズブチリスA164染色体DNA、0.5μMの各プライマー、各々200μMのdATP、dCTP、dGTPおよびdTTP、1xTaqポリメラーゼ緩衝液、ならびに0.625UのTaq DNAポリメラーゼ。以下の条件下で反応を実施した:96℃で3分間、次に96℃で1分、50℃で1分そして72℃で1分を各々30回、その後72℃で3分間で、増幅断片への末端アデニン残基の付加を保証した(Invitrogen, San Diego, CA)。1.5%アガロースゲルを通す電気泳動により、予測生成物の増幅を立証した。
前記の各増幅反応物2.5μlを含有する新規のPCR混合物を、次に同一条件下で実行したが、しかしプライマー5および8だけを含有し、1089ヌクレオチドの「スプライス化」断片を産生したが、これは298内部ヌクレオチドを欠くspoIIAC遺伝子を表す。この断片を、メーカーの使用説明書にしたがって、Invitrogen TAクローングキットを用いてpCRIIベクター中にクローン化して、HindIII/EcoRI断片として切り出した後、HindIII/EcoRI消化したpShv2中にクローン化した。pShv2は、pUB110のoriTを含有するXbaI切断pBCSK+(Stratagene, La Jolla, CA)をXbaIで切断したpE194と連結し、その後SstI適合末端を含有するPCR増幅断片としてpUB110からのoriTを連結することにより構築されるシャトルベクターである(図1)。oriT断片は、pLS20媒介性接合によりバシラス・ズブチリスA164中へのプラスミドの可動化を可能にする(Battisti et al., 1985, Journal of Bacteriology 162:543-550)。pShv2−△spoIIACをドナー株バシラス・ズブチリスBW154中に形質転換した(実施例1)。バシラス・ズブチリスBW154(pShv2−△spoIIAC)をドナー株として用いて、欠失遺伝子を含有するシャトルベクターをバシラス・ズブチリスA164中に導入した。
欠失遺伝子と無傷(intact)染色体遺伝子との交換は、pShv2−△spoIIACで形質転換したバシラス・ズブチリスBW154とバシラス・ズブチリスA164との接合、エリスロマイシン耐性トランス接合体の選択、及び45℃での増殖により実行した。この温度では、pE194レプリコンは不活性で、細胞は、spoIIAC遺伝子座での欠失遺伝子を含有するプラスミドのキャンベル組込みによりエリスロマイシン耐性を保持し得るだけである。pE194レプリコンの機能に関して許容される温度である34℃で、抗生物質選択を伴わずに、LB培地中で株を2ラウンド増殖させて、ベクターDNAのループアウト、および無傷spoIIAC遺伝子の欠失遺伝子との置換を引き起こす二次組換えを実行した。遺伝子置換が起きていたコロニーを、以下の判定基準にしたがって選択した:1)シャトルベクターpShv2によりコードされるエリスロマイシン(erm)耐性の不存在、2)胞子形成培地での不透明性の低下(これは胞子形成が成されなかったことを示す)、及び3)1089ヌクレオチド(これは遺伝子の非欠失型を示す)の代わりに791ヌクレオチドの断片を得るためのプライマー5および8を用いたPCR増幅。
実施例3:バシラス・ズブチリスA164△spoIIACのnprE遺伝子の欠失
中性プロテアーゼ(nprE)遺伝子(GTG開始コドンの下流ヌクレオチド40−610)の上流部分を、下記に示すプライマー9および10を用いて、実施例2に記載した方法で調製したバシラス・ズブチリスA164△spoIIAC染色体DNAからPCR増幅した。nprE遺伝子(ヌクレオチド1040−1560)の下流部分を、下記のプライマー11および12を用いてPCR増幅した。プライマー10および11は、2つの断片間で15塩基対重複するよう意図された(下線で示す)。増幅反応(25μl)は、実施例2と同一成分を含有し、同一条件下で実行した。
増幅上流および下流断片を、メーカーの使用説明書(Qiagen, Chatsworth, CA)にしたがってQiaex IIキットでゲル精製した。約20ngの各精製断片を含有する新規のPCR混合(100μl)を実施した。SOE反応を、以下の条件下で実施した:プライマーの非存在下で1〜3周期で、「スプライス化」断片を生成し、4〜30周期でプライマー9および12の存在下で、実施例2に明記した条件下。増幅SOE断片をpCRIIベクター中でクローン化し、制限分析により立証した。次に断片をBamHI−XhoI断片としてpShv2中でクローン化した。このプラスミドpShv2−△nprEをバシラス・ズブチリスBW154中に形質転換して、接合に適したドナー株を生成した。次にプラスミドをバシラス・ズブチリスA164△spoIIAC中に可動化した。△nprE遺伝子を、実施例2に記載したように温度転移によりバシラス・ズブチリスA164△spoIIACの染色体中に導入した。1%無脂肪乾燥ミルクを補充したTBAB寒天プレート上でermsコロニーをパッチングし、37℃で一夜インキュベートすることにより、nprE表現型を評価した(nprE株は清澄化ゾーンの顕著な低減を示した)。プライマー9および12を用いた染色体DNAでのPCR分析により、430塩基対欠失が立証された。
実施例4:バシラス・ズブチリスA164△spoIIAC△nprEのaprE遺伝子の欠失
SOEを用いて、アルカリ性プロテアーゼをコードするバシラス・ズブチリスaprE遺伝子の欠失型を作製した。aprEの上流部分を、実施例2に記載したようにして調製したバシラス・ズブチリスA164染色体DNAから、下記のプライマー13及び14を用いて、PCR増幅し、翻訳開始コドンの上流189ヌクレオチドから開始の下流328ヌクレオチドに延びる断片を作製した。プライマー13の下線を施したヌクレオチドは、EcoRI部位を付加するために含有された。プライマー14の下線ヌクレオチドを付加して、下流PCR断片との相補性を提供し、SalI部位を付加した。aprE遺伝子の下流部分を、プライマー15および16を用いてPCR増幅して、aprE翻訳開始コドンの下流789ヌクレオチドから1306ヌクレオチドに延びる断片を作製した。プライマー14および15の下線付き領域を付加して、上流および下流断片との間の相補性を提供した。プライマー16の下線ヌクレオチドは、IIindIII部位を付加するために含有された。増幅反応(25μl)は、実施例2と同一成分を含有し、同一条件下で実行した。
増幅された上流および下流断片を、メーカーの使用説明書(Qiagen, Chatsworth, CA)にしたがってQiaquick PCR精製キットを用いて精製した。次に2つの精製断片を、プライマー13および16を用いて一緒にスプライシングした。増幅反応(50μl)は、前記と同一成分を含有したが、但し、染色体DNAを各々2μlの上流および下流PCR生成物で置換した。反応物を、96℃で3分間(dNTPおよびTaqポリメラーゼを用いずに)を1回、次に96℃で1分そして72℃で1分を各々30回で、インキュベートした。これにより、コード領域から460ヌクレオチドを欠くaprEの欠失型が生じた。反応生成物をアガロースゲル電気泳動により単離し、pCRII中でクローン化して、EcoRI−HindIII断片として切り出した後、EcoRI/HindIII消化pShv2中でクローン化して、pShv2−△aprEを産生した。このプラスミドを、バシラス・ズブチリスA164△spoIIAC△nprE中に接合転移するために前記のドナー株中に導入した。
aprEの欠失遺伝子との置換を、spoIIACおよびnprEに関して前記と同様に実行した。aprEが欠失したコロニーをエリスロマイシン感受性、および1%無脂肪乾燥ミルクを含有する上張りを用いた寒天プレート上での清澄ゾーンの低減により選択した。aprEの欠失をPCRにより確証した。
バシラス・ズブチリスA164△spoIIAC△nprE△aprEは、本明細書中ではバシラス・ズブチリスA164△3と呼ばれる。
実施例5:バシラス・ズブチリスA164△spoIIAC△nprE△aprEのamyE遺伝子の欠失
SOEを用いて、バシラス・ズブチリスα−アミラーゼをコードするamyE遺伝子の欠失型を作製した。amyEの上流部分を、下記のプライマー17及び18を用いて、バシラス・ズブチリスA164染色体DNAからPCR増幅した。これにより、amyE翻訳開始コドンの上流421ヌクレオチドからamyEコード配列のヌクレオチド77に延びる断片を作製し、上流末端にSalI部位を、下流末端にSfiIおよびNotI部位を付加した。amyEの下流部分を、下記のプライマー19および20を用いてPCR増幅した。これにより、amyEコード配列のヌクレオチド445からヌクレオチド953に延びる断片を作製し、上流末端にSfiIおよびNotI部位を、下流末端にHindIII部位を付加した。制限部位を下線で示す。増幅反応(25μl)は、実施例2と同一成分を含有し、同一条件下で実行した。
次に2つの断片を、プライマー17および20を用いて、PCRにより一緒にスプライシングした。増幅反応(25μl)は前記と同一成分を含有したが、但し、染色体DNAを各々2μlの上流および下流PCR生成物と置換した。反応物を、96℃で3分間(dNTPおよびTaqポリメラーゼを用いずに)を1回、次に96℃で1分そして72℃で1分を各々30回で、インキュベートした。この反応物を、2つ(SfiIとNotI部位)の間の相補性領域で重複させて2つの断片を融合し、コード領域から367ヌクレオチドを欠き、amyEの2つの部分の間に組み入れられたSfiI部位とNotI部位を有するamyEの断片を生じた。反応生成物を、標準的方法にしたがって、1%アガロースゲルを用いた電気泳動により単離した。この断片を、メーカーの使用説明書にしたがって、pCRII中でクローン化して、pCRII−△amyEを産生した。
NotIで消化し、結合末端にクレノウ断片およびaNTPをフィルインし、プラスミドを再連結することにより、pShv2を作製した。欠失amyE断片をpCRII−△amyEからSalI−HindIII断片として切り出し、SalI/HindIII消化pShv2.1中でクローン化して、pShv2.1−△amyEを産生した。このプラスミドを、バシラス・ズブチリスA164△spoIIAC△nprE△aprE中に接合転移するために前記のドナー株中に導入した。
amyEの欠失遺伝子との置換を、spoIIAC、nprEおよびaprEに関して前記と同様に実行した。遺伝子置換が起きていたコロニーをエリスロマイシン感受性、およびデンプン青色上張りプレート上の清澄ゾーンの生成が成されないことにより選択した。amyEの欠失を、プライマー17および20を用いて染色体DNAからの欠失遺伝子のPCR増幅により確証した。
実施例6:バシラス・ズブチリスA164△spoIIAC△nprE△aprE△amyE△srfCを生成するためのバシラス・ズブチリスA164△spoIIAC△nprE△aprE△amyEのsrfC遺伝子の欠失
サーファクチンオペロンのsrfCにおける欠失を作製するために、下記のプライマー21〜24を合成した。プライマー21は、srfC遺伝子の既存のHindIII部位(下線)を重複して、プライマー22と一緒に、srfCの翻訳開始の下流の410ヌクレオチドから848ヌクレオチドに延びる領域のPCR増幅を可能にする。プライマー22の下線部分は、ATG開始コドンの下流のヌクレオチド1709−1725と相補的である。プライマー23及び24は、srfCの翻訳開始の下流の1709−2212ヌクレオチドのPCR増幅を可能にする。プライマー23の下線部分は、ATGコドンの下流のヌクレオチド835−848と相補的である。増幅反応物(25μl)は、実施例2と同一成分を含有し、同一条件下で実行した。
QiagenPCRスピンカラム(Qiagen, Chatsworth, CA)でPCR生成物からプライマーおよびその他の夾雑物を除去した。2つのPCR生成断片間の相補性により、SOEによるスプライシングが可能になった。PCR生成物(各々2μlまたは約50ng)を、前記と同一PCR条件下で、「外部プライマー」であるプライマー21および24と一緒にスプライシングしたが、但し、最初の3回はプライマーの付加前に実行して、重複領域を延長した。SOE反応により、srfC遺伝子の内部859ヌクレオチドを欠いた955ヌクレオチド断片が生じた。欠失部分は、7番目のアミノ酸ロイシンをサーファクチン分子に付加するのに関与するsrfCの領域を示し、さらに、チオエステラーゼ活性部位様領域の前でペプチドを終結させるフレームシフト突然変異を引き起こすが、これはSrfCタンパク質からのサーファクチン放出に伴うものと考えられる(Cosmina et al., 1993,上記)。
srfCの欠失遺伝子との置換を、spoIIAC、nprE、aprEおよびamyEに関して前記と同様に実行した。遺伝子置換が起きていたコロニーをエリスロマイシン感受性、および血液寒天プレート上の清澄ゾーンの生成が成されないこと(Grossman et al., 1993, Journal of Bacteriology 175:6203-6211)、ならびに5μg/mlのクロラムフェニコールを補充した、10%スクロース、4%ダイズ粉、0.42%無水リン酸二ナトリウムおよび0.5%炭酸カルシウムから成る50mlのPS−1培地を含入する250ml振盪フラスコ中で250rpmで37℃で4日間培養した場合に発泡が認められないことにより、選択した。srfCの欠失を、プライマー21および24を用いて染色体DNAからの欠失遺伝子のPCR増幅により確証した。
バシラス・ズブチリスA164△spoIIAC△nprE△aprE△amyE△srfCは、本明細書中ではバシラス・ズブチリスA164△5と呼ばれる。
実施例7:バシラス・ズブチリスA1630△spoIIAC△nprE△aprE△amyE△srfCの構築
バシラス・ズブチリスA164欠失に関して構築された欠失プラスミドを用いて、バシラス・ズブチリスA164△spoIIAC△nprE△aprE△amyE△srfC(バシラス・ズブチリスA164△5)に関して実施例1〜6に記載した同一手法にしたがって、バシラス・ズブチリスA1630(NCFB 736、かつてはNCDO 736)から、バシラス・ズブチリスA1630△spoIIAC△nprE△aprE△amyE△srfCを構築した。
バシラス・ズブチリスA1630△spoIIAC△nprE△aprE△amyE△srfCは、本明細書中ではバシラス・ズブチリスA1630△5と呼ばれる。
実施例8:amyQプロモーター−amyM転写カセットのバシラス・ズブチリスA164株中への組込みのためのベクターの構築
バシラス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)アミラーゼ(BAN, Novo Nordisk A/S, Bagsveard, Denmark)をコードするamyQ遺伝子のプロモーターのすぐ下流にNOVAMYL(amyM)遺伝子およびその元のリボソーム結合部位を置く転写融合体を構築した。amyQプロモーター(BANプロモーター)を、下記のプライマー25および26を用いて、前記の実施例2と同一条件で、PCR増幅し、pCRIIベクター中でクローニングして、シーケンシングし、無エラー増幅を立証し、次に、SfiIおよびSstIで切断されていた大腸菌−バシラス・ズブチリスシャトルベクターpHP13−amyMCSの多重クローニング部位中に連結した。
pUC9をAatIIで切断し、クレノウ断片およびデオキシリボヌクレオチドでブラント末端化し、次にHindIIIで切断することにより、pHP13の変異体であるpHP13−ampMCS(Haima et al., 1987, Molecular and General Genetics 209:335-342)を構築した。大型の2.2kb断片をQiaexキット(Qiagen, Thousand Oaks, CA)でゲル精製した。pHP13をHpaI(エリスロマイシン耐性遺伝子内部で切断)で切断し、ブラント末端化した後、pUC9の複製起点およびアンピシリン耐性遺伝子を含有する2.1kb pUC9断片に連結した。最後に、pUC9 MCSを、50mM NaCl、10mM Tris,pH7.5および1mM EDTA中で下記の2つのオリゴヌクレオチド27および28の各々100pmolをアニーリングし、5分間沸騰させて、2時間掛形質転換徐々に室温に冷却することにより作製した新規のMCSと置き換えた。
BANTM(amyQ)プロモーターをPCR増幅するために用いられるプライマーはSfiIおよびSstI部位を導入したため、転写融合体を構築するためには、NOVAMYL(amyM)オープンリーディングフレームの上流にSstI部位を置く必要があった。したがって、SstIリンカーを含有する5’PCRプライマー(下記のプライマー27)は、NOVAMYL(amyM)リボソーム結合部位の上流に4つのヌクレオチドをアニーリングするよう意図された。このPCRプライマーはすぐ下流に位置し、したがって潜在的ステム構造を増幅から省く。PvuII部位と重複するPCRプライマー(下記のプライマー28)を、SstI含有プライマーとともに用いて、実施例2に記載した条件下で、鋳型DNAとして、NOVAMYLのN末端をコードする327ヌクレオチド断片であるpSJ3200(図2)200ngを用いて、増幅した。
NOVAMYL遺伝子を、PstI−BglII断片として、大型MCSを含有するpUB110の誘導体であるpSJ2662(図3)中にクローニングすることによりプラスミドpSJ3200(図2)を構築した。
amyM遺伝子を再構築するために、327ヌクレオチドのPCR増幅断片をSstI−PvuII断片として切り出し、下流2.2kb PvuII−SstI断片(amyMの後者部分をコードする)と一緒に、3方連結で、SstI切断pUC118中にクローニングした。次に、再構築amyM遺伝子をSstI断片として取り出して、pSJ2882−MCSに含まれるamyQプロモーターの下流にクローン化した。図4は、これらのクローニング工程を要約する。pSJ2882−MCSはpHP13に由来する(Haima et al., 1987, Molecular General Genetics 209:335-542)が、しかしSfiI−NotIに挟まれたMCSを含有し、pUB110からのoriT領域を含有するSstI 0.5kb断片も含有する。この後者断片は、pLS20−媒介性接合によるバシラス・ズブチリスA164中へのプラスミドの可動化を可能にする(Battisti et al., 1985, Journal of Bacteriology 162:543-550)。
連結反応物をバシラス・ズブチリスPL1801spoIIE中に直接形質転換した。pSJ2882−MCS中でのamyQプロモーターに対するamyM開放読取枠の適正な配向を、5μg/mlのクロラムフェニコールを含有するデンプン青色プレート上で増殖させたコロニーを取り巻くハローの存在または非存在により、確定した。
組込みベクターpCAsub2を構築するために、pPL2419(図5)のネオマイシン耐性遺伝子をBclIおよびBglIIでの消化により切り出し、そしてpMI1101からのクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(cat)遺伝子含有BamHI断片と置き換えて(Youngman et al., 1984, Plasmid 12:1-9)、プラスミドpPL2419−catを作製した。(BamIII付着末端は、BclIおよびBglII付着末端と適合性である)次に、pPL2419−catの多重クローニング部位(MCS)を、50mM NaCl、10mM Tris,pH7.5および1mM EDTA中で下記の2つのオリゴヌクレオチド27および28の各々100pmolを混合して下記の2つのオリゴヌクレオチド(配列番号:31と配列番号:32)を一緒にアニーリングし5分間沸騰させて2時間掛形質転換徐々に室温に冷却することにより作製した新規のMCSと置き換えた:
(HindIIIおよびKpnI適合部位には下線を、SfiIおよびNotI部位には二重下線を施した)(配列番号:31)
アニール化オリゴヌクレオチド(2μl)をHindIIIおよびKpnI切断pPL2419−cat2μg)と連結して、p2419MCS5−catを生成した。次に、amyEのヌクレオチド942−1751(GenBank Locus BSAMYL,寄託番号V00101,J01547)を、NotIおよびKpnI(Asp718)リンカーを含有する下記のプライマー(配列番号:33および配列番号:34)、及び鋳型としてバシラス・ズブチリスA164△5染色体DNA(実施例2と同様に調製)を用いて実施例2と同様にPCR増幅し、NotIおよびAsp718消化されたp2419MCS5中に挿入して、組込みベクターpCAsub2(図6)を生成した。CAsubは、バシラス・ズブチリス宿主中で用いるための、クロラムフェニコール耐性アミラーゼ相同性を示す。
5'-GCGGCCGCGATTTCCAATGAG-3'(NotI部位を作製するために付加されるヌクレオチドに下線を施した)(配列番号:33)
5'-GGTACCTGCATTTGCCAGCAC-3'(Asp 718I部位を作製するために付加されるヌクレオチドに下線を施した)(配列番号:34)。
このベクターを単独でバシラス・ズブチリス168に組み込んで、デンプン青色上張りプレート上で平板培養すると、アミラーゼ活性の完全排除が認められた。amyQプロモーター−amyM構築物をSfiI−NotIカセットとしてpSJ2882−MCSから取り出し、同一酵素で切断したpCAsub2中にクローン化して、完全組込みベクターpBAN−NOV(図7)を生成した。
実施例9:バシラス・ズブチリスドナー株BW100の構築
実施例8に記載されているように、pE194ベースの「スレーブ」(slave)組込みプラスミド、例えばpCAsub2(クロラムフェニコール耐性を付与し,oriを含有する)を保持および可動化できる適切なドナー株を構築した。このようなドナー株は、以下の特性を有するべきである:基本的に、bac−1,dal−が欠失しており、pLS20またはpXO503及びpE194−ベースの「ヘルパー」プラスミド(「ヘルパー」および「スレーブ」の両方を可動化するためのoriTおよびorf−βの両方、並びに「スレーブ」プラスミドを複製させそしてプラスミドレプリコンとして保持されるためにトランスにrepFタンパク質を提供するためのrepFも含有する)(WO91/09129)を含有する。本株は以下のように構築した:バシラス・ズブチリスBW96をヘルパープラスミドpPL2541−tet(図8)で形質転換すると、ドナー株に対する対立選択が提供されて、バシラス・ズブチリスBW99を生じた。次に、プラスミドpXO503を、ドナー株としてバシラス・ズブチリスBW97を用いて、接合を介してバシラス・ズブチリス中に導入した。バシラス・ズブチリスBW97は、以下のように構築した:先ず、pXO503プラスミドをバシラス・ズブチリスMT101ドナー株からbac−1株バシラス・ズブチリスIA758に可動化し、TBAB+エリスロマイシン(5μg/ml)プレート上でトランス接合に関して選択した(dal−ドナーは、D−アラニンが培地中に含有されていないため、増殖しない)。これにより、pXO503プラスミドを保有するバシラス・ズブチリスのbac−1株が産生された。バシラス・ズブチリスMT101は、バシラス・ズプチリスDN1280に由来し、これはdal遺伝子に欠失を含有するバシラス・ズブチリス168の誘導体である(Diderichsen, In A.T. Ganesan and J.A. Hoch, editors, Bacillus Molecular Genetics and Biotechnology Applications, Academic Press, Inc., New York, 1986)。
次に、実施例8に記載されたBamHI部位に挟まれたcat遺伝子カセット(クロラムフェニコール耐性を付与する)を、pCRII−dal△プラスミドのBamHI部位に挿入した。このプラスミドは、ScaIでリンカー化され、接合プラスミドpXO503を含有するbac−1株中に形質転換されて、TBAB+D−アラニン(0.1mg/ml)+クロラムフェニコール(5μg/ml)上でクロラムフェニコール耐性に関して選択され(二重交差相同組換えにより)、バシラス・ズブチリスBW97、bac−1,dal△::cat接合熟達ドナー株が得られた。最後に、バシラス・ズブチリスBW97を、pPL2541−tetを含有するバシラス・ズブチリスBW99と接合させ、TBABプレート+D−アラニン(0.1mg/ml)+テトラサイクリン(10μg/ml)+エリスロマイシン(5μg/ml)上でトランス接合に関して選択して、ドナー株である、pXO503およびヘルパープラスミドpPL2541−tetを含有するバシラス・ズブチリスBW100:bac−1,dal欠失バシラス・ズブチリス株を得た。
実施例10:バシラス・ズブチリスA164株におけるamyQプロモーター−amyMカセットの組込みおよび増幅
pBAN−NOV中のamyQプロモーター−amyMカセット、ならびにヘルパープラスミドpPL2541−tetを含有する実施例9に記載したバシラス・ズブチリスBW100ドナー株を、pLS20媒介性接合(Battisti et al., 1985,上記)により、バシラス・ズブチリスA164△3およびバシラス・ズブチリスA164△5株と接合させた。
次に、バシラス・ズブチリスA164△3および△5株トランス接合体を、5μgのクロラムフェニコールを補充したLBブロス10mlを含有する125ml振盪フラスコ中で、45℃で2連続継代の間増殖させ、次に45℃で平板培養して、pPL2541−tetヘルパープラスミドの複製を遮断し、amyE遺伝子座での組込みプラスミドの組込みに関して選択した。次に、組込み体を、15、30、45、60および80μg/mlの漸増クロラムフェニコール濃度のクロラムフェニコールで平板培養して、クロラムフェニコール含有amyQプロモーター−amyMカセットの増幅に関して選択した。
実施例11:amyQプロモーター−amyMカセットで形質転換したバシラス・ズブチリスA164株の振盪フラスコ培養
amyQプロモーター−amyMカセットの染色体組込みコピーまたは組込みベクター単独を含有するバシラス・ズブチリスA164△3およびバシラス・ズブチリスA164△5を、37℃で4日間、50mlのPS−1培地を含む250mlの振盪フラスコ中で、250rpmで培養した。
培養上清を、約50および100時間でサンプリングし、2mM PMSF最終濃度で処理し、凍結させた。NOVAMYL発現を概算するために、上清を等容量の2xLaemmli負荷緩衝液と混合し、直ちに沸騰させて、14%または8−16%アクリルアミドTRIS−グリシンゲル(市販供給元(NOVEX, San Diego, CA)から購入)上に載せた。既知量のNOVAMYL標準も同一ゲル上に載せて、生成されたNOVAMYLの量を概算した。いくつかの場合には、基質としてマルトトリオースを用いて、NOVAMYL力価を確定した。特に、酵素の試料を、pH5.0で、37℃で30分間、マルトトリオースとともにインキュベートした。次に、pHを約11に調整して、反応を停止させた。マルトトリオースからグルコースおよびマルトースへの分解により生じたグルコースの量を次に、グルコースデヒドロゲナーゼおよびNADHを用いて、標準条件下で340nmで測定する。既知量のNOVAMYL標準(Novo Nordisk A/S, Bagsvaerd, Denmark)も実施する。結果は、培養2日後では、srfCの欠失を有さない株は発泡の頭高は8cmであったが、これに比して、srfC欠失株に関する発泡頭高は0.5cmであることを示した。srfC欠失株によるサーファクチン産生の欠損は、血液寒天プレート上での溶血の欠損により確証された。結果は、両株が同量のNOVAMYLを産生したが、しかしsrfC欠失株は、非欠失株に比して、発泡の顕著な低減を示したことも明示する。
実施例12:バシラス・ズブチリスA164株の発酵
組込まれ/増幅された、そしてスレーブプラスミドpCAsub2単独により組込まれ/増幅されたバシラス・ズブチリスA164△3およびバシラス・ズブチリスA164△5を、典型的炭素および窒素供給源、ならびに無機塩、微量元素から成る1.5リットルの培地と、培地1リットル当たり3mlの消泡剤(Sigma混合型289,Sigma Chemical Company, St. Louis, MO)を含入する3リットル発酵器中で各々培養した。培養を1.5リットル/分で空気とともに散布して、1000〜1500rpmで2つの標準rushtonタービンで攪拌した。37℃〜39℃の間の温度で、発酵を保持した。
発泡の作用により発酵器から出される液体の量を測定することにより、発泡の量を定量的に査定した。NOVAMYLは、実施例11と同様に測定した。
結果は、バシラス・ズブチリスA164△3が発酵の5時間以内に泡を生じ始め、この場合、泡は発酵器の1.5リットル上部スペースを満たして、排気ラインを通って、目盛付捕獲フラスコ中に溢れ始めた。10〜20分以内に、700〜900mlの液体容量が典型的には、発泡により発酵器から失われた。この期間の後、系は安定化したが、元の容量の45%〜60%が発酵器中に残り、株を大規模製造には不適にした。バシラス・ズブチリスA164△5による同様の発酵は、発酵の少なくとも50時間の間に発泡によるいかなる容量損失も起きなかった。生じたNOVAMYLの量(/ml)は、両株で同様であった。
配列表
(1)一般情報
(i)一般情報
(A)名称:ノボ ノルディスク バイオテックインコーポレイティド
(ii)発明の名称:バシラス細胞のサーファクチン突然変異株におけるポリペプチドの製造方法
(iii)配列の数:34
(2)配列番号:1の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:22塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列の記載:配列番号:1:
(2)配列番号:2の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:23塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列の記載:配列番号:2:
(2)配列番号:3の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:21塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列の記載:配列番号:3:
(2)配列番号:4の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:22塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列の記載:配列番号:4:
(2)配列番号:5の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:20塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列の記載:配列番号:5:
(2)配列番号:6の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:33塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列の記載:配列番号:6:
(2)配列番号:7の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:33塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列の記載:配列番号:7:
(2)配列番号:8の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:18塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列の記載:配列番号:8:
(2)配列番号:9の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:20塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列の記載:配列番号:9:
(2)配列番号:10の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:20塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列の記載:配列番号:10:
(2)配列番号:11の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:35塩基対
(B)型:核酸
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(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列の記載:配列番号:11:
(2)配列番号:12の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:20塩基対
(B)型:核酸
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(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列の記載:配列番号:12:
(2)配列番号:13の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:29塩基対
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(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列の記載:配列番号:13:
(2)配列番号:14の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:36塩基対
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(xi)配列の記載:配列番号:14:
(2)配列番号:15の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:36塩基対
(B)型:核酸
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(2)配列番号:16の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:29塩基対
(B)型:核酸
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(xi)配列の記載:配列番号:16:
(2)配列番号:17の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:28塩基対
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(2)配列番号:18の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:36塩基対
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(2)配列番号:19の情報:
(i)配列の特徴:
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(2)配列番号:20の情報:
(i)配列の特徴
(A)長さ:28塩基対
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(xi)配列の記載:配列番号:20:
(2)配列番号:21の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:19塩基対
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(xi)配列の記載:配列番号:21:
(2)配列番号:22の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:36塩基対
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(xi)配列の記載:配列番号:22:
(2)配列番号:23の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:34塩基対
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(2)配列番号:24の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:18塩基対
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(2)配列番号:25の情報:
(i)配列の特徴:
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(2)配列番号:26の情報:
(i)配列の特徴:
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(2)配列番号:27の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:58塩基対
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(2)配列番号:28の情報:
(i)配列の特徴:
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(2)配列番号:29の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:29塩基対
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(2)配列番号:30の情報:
(i)配列の特徴:
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(2)配列番号:31の情報:
(i)配列の特徴:
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(2)配列番号:32の情報:
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(i)配列の特徴:
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(2)配列番号:34の情報:
(i)配列の特徴:
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(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子型:cDNA
(xi)配列の記載:配列番号:34:
Claims (19)
- (a)バシラス細胞の突然変異株をポリペプチドの産生を促す条件下で培養し、ここで、(i)前記突然変異株は、分泌される異種ポリペプチドをコードする一次核酸配列と、srfA、srfB、srfC、srfDおよびsfp遺伝子からなる群から選択されるサーファクチンまたはそのアイソフォームの生合成または分泌に関与する少なくとも1つの遺伝子の修飾を含有する二次核酸配列とを含有し、そして(ii)突然変異株は、同一条件下で培養された場合、親バシラス細胞より少ないサーファクチンまたはそのアイソフォームを産生し;そして
(b)分泌された異種ポリペプチドを培地から単離する;
工程を含んでなる分泌される異種ポリペプチドの製造方法。 - バシラス細胞がバシラス・アルカロフィルス(Bacillus alkalophilus)、バシラス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バシラス・ブレビス(Bacillus brevis)、バシラス・サーキュランス(Bacillus circulans)、バシラス・コアギュランス(Bacillus coagulans)、バシラス・フィルムス(Bacillus firmus)、バシラス・ラウツス(Bacillus lautus)、バシラス・レンタス(Bacillus lentus)、バシラス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)、バシラス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バシラス・プミルス(Bacillus pumilus)、バシラス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、バシラス・ズブチリス(Bacillus subtilis)またはバシラス・チュリンジエンシス(Bacillus thuringiensis)細胞である請求項1の方法。
- バシラス細胞がバシラス・ズブチリス細胞である請求項2の方法。
- バシラス細胞がバシラス・ズブチリスATCC 6051またはバシラス・ズブチリスATCC 6051Aである請求項3の方法。
- バシラス細胞がバシラス・ズブチリスNCFB 736である請求項3の方法。
- 遺伝子がsrfAである請求項1の方法。
- 遺伝子がsrfBである請求項1の方法。
- 遺伝子がsrfCである請求項1の方法。
- 遺伝子がsrfDである請求項1の方法。
- 遺伝子がsfpである請求項1の方法。
- 同一条件下で培養した場合に、突然変異株細胞がバシラス細胞よりも少なくとも約25%少ないサーファクチンまたはそのアイソフォームを産生する請求項1の方法。
- 修飾がサーファクチンまたはそのアイソフォームの非発泡性変異体の産生を引き起こす請求項1の方法。
- 突然変異株細胞がプロテアーゼをコードする1つ又はそれより多くの遺伝子の修飾をさらに包含する請求項1の方法。
- 遺伝子がnprEおよび/またはaprEである請求項13の方法。
- 突然変異株細胞がspoIIACおよび/またはamyE遺伝子の修飾をさらに包含する請求項1の方法。
- 分泌される異種ポリペプチドをコードする一次核酸配列と、srfA、srfB、srfC、srfDおよびsfp遺伝子からなる群から選択されるサーファクチンまたはそのアイソフォームの生合成または分泌に関与する少なくとも1つの遺伝子の修飾を含有する二次核酸配列とを含む対応する親バシラス細胞の突然変異株であって、同一条件下で培養した場合に親バシラス細胞より少ないサーファクチンまたはそのアイソフォームを産生する、前記分泌されるポリペプチドの生産のための突然変異株。
- 分泌される生来のポリペプチドをコードする一次核酸配列の少なくとも2つのコピーと、srfA、srfB、srfC、srfDおよびsfp遺伝子からなる群から選択されるサーファクチンまたはそのアイソフォームの生合成または分泌に関与する少なくとも1つの遺伝子の修飾を含有する二次核酸配列とを含むバシラス細胞の突然変異株であって、同一条件下で培養した場合にバシラス細胞より少ないサーファクチンまたはそのアイソフォームを産生する、前記分泌されるポリペプチドの生産のための突然変異株。
- (a)srfA、srfB、srfC、srfDおよびsfp遺伝子からなる群から選択されるサーファクチンまたはそのアイソフォームの生合成または分泌に関与する少なくとも1つの遺伝子の修飾を含有する一次核酸配列とバシラス細胞にとって異種性である分泌されるポリペプチドをコードする二次核酸配列とをバシラス細胞中に導入し;そして
(b)核酸配列を含有する、工程(a)からの突然変異株を同定する;
工程を含んで成る請求項16の突然変異株の獲得方法であって、突然変異株細胞が、同一条件下で培養した場合にバシラス細胞より少ないサーファクチンまたはそのアイソフォームを産生することを特徴とする方法。 - (a)srfA、srfB、srfC、srfDおよびsfp遺伝子からなる群から選択されるサーファクチンまたはそのアイソフォームの生合成または分泌に関与する少なくとも1つの遺伝子の修飾を含有する一次核酸配列とバシラス細胞にとって生来のポリペプチドをコードする二次核酸配列とをバシラス細胞中に導入し;そして
(b)核酸配列を包含する工程(a)からの突然変異株を同定する;
工程を含んで成る請求項17の突然変異株の獲得方法であって、突然変異株細胞が、同一条件下で培養した場合にバシラス細胞より少ないサーファクチンまたはそのアイソフォームを産生することを特徴とする方法。
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