JP4066855B2 - 電動カッタ及びその電動カッタを備えたプリンタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続紙等のシート類を切断する電動カッタ及びその電動カッタを備えたプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷後に排出される連続紙等の印刷媒体を切断する電動カッタを搭載したプリンタが実用化されている。この電動カッタの方式の一つとして、固定刃と該固定刃に対してはさみ状に交差摺動する可動刃とから構成されるはさみ方式がある。
【0003】
このはさみ方式の電動カッタを備え、連続紙に印刷を行うプリンタには、連続紙を収納する収納部をそなえたプリンタ本体側に可動刃を設置し、プリンタ本体側の収納部を開閉する蓋体側に固定刃を設置することにより、可動刃と固定刃とを分離可能に構成して、連続紙の収納部への装填を容易にしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この場合、連続紙の交換等における蓋体の開閉の際に、可動刃が露出してその刃部が破損する等の問題を防止するため、開放蓋が開いたときには、可動刃の駆動用のモータが起動しないように電気的にロックする対策が講じられている。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−592号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のものでは、制御プログラムの暴走や電気回路の不具合等のトラブルが発生した場合に、可動刃(可動刃駆動モータ)をロックすることができず、可動刃を保護することができないという恐れがあった。
【0007】
従って、本発明の目的は、簡単な構成で可動刃を確実に保護することのできる電動カッタ及びその電動カッタを備えたプリンタを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の問題を解決するため、本発明においては、プリンタの開閉蓋を開けたときには、仮に電気的なロックが作動せずに可動刃が動き始めたとしても、機械的なストッパによって可動刃の回転を止める機構を有する電動カッタ、及びその電動カッタを備えたプリンタを供給するものである。
【0009】
本発明の電動カッタの第1の実施態様は、分離可能な固定刃と可動刃を備えたはさみ状の切断部と、可動刃に付勢力を与えて可動刃と固定刃に相対的な傾斜を付ける傾斜機構と、可動刃を回転させる駆動装置と、可動刃の回転を止めるストッパとを備え、
固定刃と可動刃とが近接位置に位置する場合には、可動刃が付勢力に抗して固定刃に乗り上げるように回転する第1の軌道上を動き、
固定刃と可動刃とが離れた分離位置に位置する場合には、可動刃が付勢力による傾斜が付いたまま回転する第2の軌道上を動き、
ストッパが、第2の軌道上にあって第1の軌道上にない位置に設置されたことを特徴とする電動カッタである。
【0010】
本実施態様では、固定刃が離れた位置にいる場合において、電気的なロックが作動しない場合であっても、ストッパによって機械的に確実に可動刃の動きを止める構造になっており、可動刃の刃部の保護が図られている。
【0011】
本発明の電動カッタの他の実施態様は、傾斜機構が、固定刃に接する方向に可動刃を付勢するバネを備えたことを特徴とする電動カッタである。本実施形態によって、確実に可動刃と固定刃に相対的な傾斜を付けることが可能となる。
【0012】
本発明の電動カッタの他の実施態様は、駆動装置が、可動刃を往復運動させるカムを備えたことを特徴とする電動カッタである。本実施態様では、カムを用いることによって、小型で信頼性の高い駆動装置を得ることができる。
【0013】
本発明の電動カッタを備えたプリンタの第1の実施態様は、上述の電動カッタを備えたプリンタであって、印刷媒体を収納する収納部を有する筐体と、収納部を開閉する蓋体とを備え、
可動刃が筐体側に、固定刃が蓋体側に設置され、
蓋体が開いた状態では可動刃と固定刃が離れ、蓋体が閉じた状態では可動刃と固定刃が印刷媒体をはさむ位置に近接することを特徴とする電動カッタを備えたプリンタである。
【0014】
本実施態様のプリンタは、上述の電動カッタを、印刷媒体の収納部を覆っている蓋体を開けることによって印刷媒体の交換を容易に行うことができるようになっている。この蓋体が開いている時に、電気的なロックが作動せずに可動刃が動き始めたとしても、機械的にロックすることができる。
【0015】
本発明の電動カッタを備えたプリンタの他の実施態様は、印刷媒体が、連続紙をロール状に巻いたロール紙であることを特徴とする電動カッタを備えたプリンタである。
【0016】
また、本発明の電動カッタは、固定刃と、前記固定刃に対して点接触した状態で鋏状に交叉摺動可能である可動刃と、前記可動刃を支持する第1の支持部と、前記固定刃を支持する第2の支持部であって、前記第1の支持部に対して移動可能なものと、前記第1の支持部側に設けられ、前記可動刃を前記固定刃側に付勢する弾性部材と、前記第1の支持部側に設けられ、前記可動刃側に突出する突部とを有し、前記固定刃は、前記第2の支持部の位置に応じて、前記可動刃に近接して前記記録紙を切断可能な協働状態となる第1の位置と、前記可動刃から分離して前記記録紙を切断不可能な非協働状態となる第2の位置とに移動可能に支持され、前記可動刃は、前記固定刃が前記第1の位置にある状態においては第1の軌道上を、前記固定刃が前記第2の位置にある状態においては第2の軌道上を移動可能であり、前記突部は、前記第1の軌道上を移動する前記可動刃に当接することがなく且つ前記第2の軌道上を移動する前記可動刃に当接可能に設けられていることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(電動カッタ全体の説明)
図1に、本発明の電動カッタの一実施形態の概要を示す。この実施形態では、可動刃5と固定刃6が備えられ、可動刃5が回転軸5aを中心に往復運動を行い、はさみの原理を利用して印刷媒体、紙類、その他シート類(以下では“シート類”と総称する)の切断を行う。この可動刃5は、カム7fの回転によって往復運動する。また、このカム7fは後述する駆動装置7の一部であり、駆動装置7に設置された駆動モータ7aの駆動力によって回転する。駆動モータ7aの回転数は、カッタの切断サイクルに合わせて減速されて、カム7fが回転する。更に、この可動刃5と固定刃6は分離することができるようになっている。例えば、プリンタに用いる場合であれば、印刷媒体を交換するときに、両者を分離することによって、容易に交換できるようになっている。
【0018】
また、シート類の切断の切れ味をよくするために、後述する傾斜機構が備えられている。また、この傾斜機構を利用したストッパ11が備えられており、電気的なロックが効かずに可動刃5が動いたときに、可動刃5を機械的に止めて刃部を保護する機能を有している。
(傾斜機構の説明)
シート類をはさみの原理に基づいて切れ味良く切断するためには、可動刃5の刃部を固定刃6の刃部に対して一点で接触させて切断する必要がある。可動刃5の刃部と固定刃6の刃部を一点で接触させるためには、高い設置精度が必要となるが、可動刃5と固定刃6は分離できる構造になっているので、常に高い設置精度を求めることは困難である。そこで、本実施形態では、可動刃5と固定刃6を常に一点で接触させるために、可動刃5の刃部と固定刃6の刃部とが、相対的に傾斜がつくようになっている。
【0019】
可動刃5には回転中心となる穴が空けられている。そしてこの穴には回転軸5aが通されており、可動刃5は回転軸5aを中心に回転できるようになっている。また、可動刃5には長穴5cが開けられており、カム7fに設けられカムシャフト7eに並行に延びるシャフト7gがこの長穴5cに差し込まれている。ここで、カム7fが矢印Aの方向に回転すると、可動刃5はカム7fのシャフト7gに押されて、回転軸5aを中心に矢印Bの方向へ回転してシート類を切断する。
【0020】
具体的な傾斜をつける傾斜機構としては、この可動刃5に設けられた回転穴と回転軸5aとの間には一定の隙間が空いている。従って、可動刃5は回転軸5aに対して垂直に固定されずに、回転中にある範囲内で首をふる(傾斜する)ことが可能である。
【0021】
また、回転軸5aには、可動刃5と可動刃5を支持する可動刃支持フレーム13の間にスペーサ5bがはめ込まれており、可動刃5の回転中心の高さL1は、スペーサの分だけ若干固定刃6の高さL2よりも高くなっている。更に、可動刃5の先端にはバネ10が設けられ、可動刃5の先端はL2より若干低くなるような位置に、下向きに付勢されている。従って、このバネ10の付勢力によって、可動刃の刃部は、回転中に常に固定刃6の刃部に一点で接触する。
【0022】
この可動刃5と回転軸5aの隙間とバネ10による付勢力よって、可動刃5の刃部が、常に固定刃6の刃部に一点で接触することができるが、この機構を傾斜機構と称する。また、本実施例でバネ10は、可動刃5の先端に設置されているが、回転軸5aの方へ設置する等様々なバリエーションが考えられる。
(可動刃の動作についての説明)
ここで、可動刃5と、固定刃6、ストッパ11の位置関係を図2から図4を用いて説明する。これらの図においては、可動刃5の先端部を下方に付勢するバネ10の図示を省略している。
図2、図3は、固定刃6と可動刃5が近接した切断位置にある状態を示す。図2(a)は、可動刃5が固定刃6に対して開いた状態である待機位置に位置するときの平面図、図2(b)は、矢印A'から見た断面図である。可動刃5の根元(回転軸)部分は固定刃6よりも高く、可動刃5の先端部分は固定刃6よりも低い位置にあることが、図2(b)からわかる。
【0023】
この待機位置から、カム7fが矢印Aの向きに回転すると、可動刃5は矢印Bの方向へ回転を始める。可動刃5と固定刃6が接触する位置(つまり連続紙を切断する位置)は、回転が進むにつれて、回転軸5aに近い位置から刃の先端の位置に移動し、可動刃5と固定刃6が重なり合った時点で切断が終了する。
【0024】
待機位置では、可動刃5の先端はバネ10の付勢力によって、固定刃6の高さL2よりも低くなっているが、回転につれて、可動刃5が固定刃6の上に乗り上げていく形になるので、バネ10はたわんでいく。そして、最終的に、二つの刃が重なり合うときには、可動刃5の先端の高さがL2に一致する。この可動刃5の動く軌道を第1の軌道と称する。従って、可動刃5は、ストッパ11よりも上方の第1の軌道上を通り、ストッパ11と干渉することなく切断が終了する。
【0025】
この切断が終了した状態を、図3に示す。可動刃5は、固定刃6の上に載っており、ストッパ11よりも上の位置にいる。更にカム7fが矢印Aの方向に回転すると、可動刃5は、矢印Cの向きに回転し、元の待機位置へ戻り停止する。この場合も、可動刃5はストッパ11より上方の第1の軌道を通るので、ストッパ11と干渉することはない。これによって、一連の切断のサイクルは終了する。
【0026】
図4は、固定刃6と可動刃5とが分離した位置にあるときの可動刃5の状態を示し、図4(a)はその平面図図4(b)は矢印A'から見た側面図である。固定刃6と可動刃5とが分離位置にあるときには、可動刃5は、固定刃6に接することが無いので、待機位置での傾斜角を保ったままで回転可能である。この可動刃5の動く軌道を、第2の軌道と称する。しかし、可動刃5が第2の軌道上を回転し始めると、すぐに、可動刃5の先端部分がストッパ11に当接し、可動刃5はその回転が妨げられるような機構になっている。これにより、仮に、電気的なロックが機能せずに、駆動装置7に備えられた駆動モータ7aが回転を始めても、このストッパ11で可動刃5の回転を止めることができるので、可動刃5の刃部を保護することが可能となる。
【0027】
次に、上述の電動カッタを備えたプリンタの一実施形態を説明する。
(プリンタの全体構造の説明)
図5に、本発明の電動カッタを備えた小型プリンタの実施形態の一例の外形を示す。この実施形態では、印刷媒体としてロール紙を用いている。また、図6には、図5に示された電動カッタを備えた小型プリンタの内部構造の概要を示している。本実施形態のプリンタの印刷方式はサーマル方式であって、複数の発熱素子が紙幅方向に配置されたサーマルヘッドにより感熱記録紙であるロール紙に印刷を行うものである。尤も、ドットインパクト方式、インクジェット方式等の他の印刷方式であってもよい。
【0028】
まず、本実施形態のプリンタの概略の構造を説明する。図5に示すように、プリンタは、外形的にはフレーム2と開閉蓋3を備える。その内部に、印刷媒体としてロール紙1がフレーム2の収納部4中に収納され、このロール紙1から引き出された連続紙を搬送する搬送機構と、この連続紙に印刷を行う印刷ヘッド12と、印刷後に連続紙を切断する電動カッタとを備えている。
【0029】
また、搬送機構は、搬送ローラ9と、搬送ローラ9を駆動する搬送装置8(図7、図8に詳細な構造が示される。)とを備えている。電動カッタは、可動刃5と、可動刃5を駆動する駆動装置7(図7、図8に詳細な構造が示される。)と、固定刃6と、バネ10と、ストッパ11とを備えている。
【0030】
ここで、連続紙に印刷を行い、印刷された連続紙を切断する一連の動きを説明する。ロール紙1から引き出された連続紙は、搬送ローラ9と印刷ヘッド12の間に挟まれており、搬送ローラ9が回転することによって、上方(排紙口側)へ搬送される。搬送ローラ9は、搬送装置8の搬送モータ8aの駆動力によって回転する。
【0031】
この実施形態では、搬送ローラ9がプラテンの役割を果たし、連続紙が印刷ヘッド12と搬送ローラ9の間を通過するときに、印刷が行なわれる。印刷が行われた連続紙は、搬送ローラ9で引き続き上方へ搬送され、プリンタの外部へ排出される。そして、印刷が終了すると、印刷ヘッド12の上方に設置された電動カッタによって、連続紙が切断される。
【0032】
この電動カッタは、印刷ヘッド12の上方に配置された可動刃5と、搬送ローラ9の上方に配置された固定刃6とを備えている。可動刃5は、通常は、固定刃6や連続紙と接触しない待機位置にいる。切断信号を受けると、駆動装置7の駆動モータ7aが回転を始め、これに輪列7c等を介して接続されたカム7fが回転する。このカム7fの回転によって、可動刃5が往復運動を行い、可動刃5と固定刃6がはさみ状に交差摺動して連続紙を切断する。そして、可動刃5は、再び元の待機位置へ戻り停止する。以上によって、一連の連続紙の印刷〜切断処理が終了する。
【0033】
ここで、ロール紙1を収納する収納部4を覆う開閉蓋3は、ヒンジ機構を介してフレーム2と接続され、開閉できる構造になっている。図5(a)は、収納部4を覆う開閉蓋3が閉じられた状態を示すプリンタ全体の外形図である。印刷媒体(ロール紙)への印刷や切断は、この開閉蓋3が閉じられた状態のときに行う。図5(b)は、開閉蓋3が大きく開けられた状態を示す。この状態で、ロール紙1の芯を、取出して新たなロール紙を装填することができる。この場合、収納部4が大きく開口し、ロール紙1の取出しや装填が非常に容易に行えるようになっている。また、搬送ローラ9(プラテン兼用)と固定刃6が開閉蓋3側に設置されている。この開閉蓋3が開けられた状態では、上述したように、仮に電気的なロックが作動しなくても、ストッパ11によって機械的に可動刃5の動きを止めることができる。
【0034】
ここで、印刷の準備段階として、ロール紙1をセットする手順を説明する。開閉蓋3が開けられた状態で、装填したロール紙1から引き出された連続紙を搬送路に沿わせて、プリンタの上部まで引き出す。そして、開閉蓋3を、この引き出された連続紙の上から閉じると、この連続紙を、搬送ローラ9と印刷ヘッド12の間や、固定刃6と可動刃5の間に容易にセットすることができる。上述のように、可動刃5は、通常、固定刃6や連続紙に接触しない待機位置にいる状態になっているので、干渉することはない。
【0035】
この状態で、外部のコンピュータから印刷指令や印刷データを受信すると、搬送ローラ9が回転を始めて連続紙の搬送を開始し、印刷ヘッド12による印刷と、電動カッタによる切断作業の一連の工程が行われる。
(搬送機構の説明)
次に、図1、図7、図8を用いて、搬送機構の詳細な説明を行う。上述したように、搬送機構は、搬送ローラ9と、搬送装置8を備える。この搬送装置8は、搬送モータ8aと、ピニオンギア8bと、輪列8cとを備える。図7には、搬送モータ8aの回転軸に装着されたピニオンギア8bに、平歯車から構成された輪列8cが接続されているところを示している。この搬送装置8は、フレーム2側に設置されている。
【0036】
一方、搬送ローラ9は開閉蓋3側に設置され、図1に示されるように、ローラ本体9aと、ローラ本体9aの回転軸の両側でローラ本体9aを支える2つの軸受9bと、ローラ本体9aの回転軸の一端に装着された平歯車9cとを備えている。開閉蓋3が閉じられると、この平歯車9cと、フレーム2側に設置されている輪列8cの出力側の歯車が、係合するようになっている。
【0037】
従って、印刷開始の指令により搬送モータ8aが回転を始めると、ピニオンギア8b、輪列8c、平歯車9cの順に動力が伝達され、所定の回転数に減速されて、ローラ本体9aが回転する。連続紙は、このローラ本体9aの回転によって上方へ搬送される。
(電動カッタの説明)
一連の印刷データの印刷が終了すると、この小型プリンタに備えられた制御機構、又は、外部コンピュータによって、連続紙の切断(オートカット)の信号が出され、電動カッタによって連続紙の切断が行なわれる。
【0038】
上述のように、電動カッタは、可動刃5と、可動刃5を駆動する駆動装置7と、固定刃6と、ストッパ11とを備える。具体的には、図7及び図8に示されるように、駆動装置7に備えられた駆動モータ7aの回転軸に装着されたピニオンギア7bに、平歯車で構成された輪列7cが接続されている。更に、輪列7cの出力側の平歯車に、カムシャフト7eの一端(底面側)に装着された平歯車7dが係合している。そして、このカムシャフト7eの他端(上面側)には、カム7fが装着されている。従って、駆動モータ7aが回転すると、ピニオンギア7b、輪列7c、平歯車7dの順に動力が伝達され、駆動モータ7aの回転数は、カットサイクルに応じた所定の回転数に減速されて、カム7fが回転する。平歯車7dとカム7fは同一のカムシャフト7eに装着されているので、カム7fは、切断のサイクルに応じた回転数で回転する。
【0039】
ここで、図1に示されるように、可動刃5には長穴5cが開けられており、カム7fに設けられ、カムシャフト7eに並行に延びるシャフト7gがこの長穴5cに差し込まれている。カム7fが、矢印Aの方向に回転すると、可動刃5はこのカム7fのシャフト7gに押されて、矢印Bの方向へ動き、固定刃6との間に挟まれた連続紙を切断する。そして、更にカム7fが回転すると、可動刃5は、逆向きの矢印Cの方向へ動き、元の待機位置に戻る。これで切断サイクルが完了して、駆動モータ7aは停止する。
【0040】
(搬送装置と駆動装置の配置についての説明)
次に、図7、図8を用いて、駆動装置7と搬送装置8の配置を示す。本実施形態では、駆動装置7がウォームギアでなくの平歯車の輪列による減速機構を用いているため、可動刃5の回転平面に対して、駆動モータ7aの回転軸が垂直な方向に配置される。また、搬送装置8も平歯車の輪列による減速を用いているので、搬送モータ8aの回転軸は、搬送ローラ9の回転軸と平行に配置されている。従って、駆動モータ7aの回転軸と搬送モータ8aの回転軸が、垂直に配置されることになる。また、ウォームギアに比べて動力の伝達効率も高いので、モータサイズ自体も小さくすることができる。従って、従来に比べて、フレーム2の水平方向の寸法を大幅に小さくすることが可能となった。一方、駆動装置7の駆動モータ7aを軸が上下になるように配置しても、ロール紙1等の外径で定まるフレーム2の高さに十分に収めることができる。従って、従来のデッドスペースを有効に利用して、携帯可能な大きさのプリンタに電動カッタを設置することができるようになった。
【0041】
以上、本発明の電動カッタを備えたプリンタの実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、更に様々な実施形態が考えられる。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、電気的な可動刃のロックが作動しない場合であっても、機械的なストッパで可動刃の動きを止めて可動刃の刃部を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る電動カッタの概要を示す図である。
【図2】 固定刃と可動刃が切断位置にある場合で、可動刃が待機位置にあるときの可動刃とストッパとの関係を示す図である。
【図3】 固定刃と可動刃が切断位置にある場合で、可動刃が切断終了位置にあるときの可動刃とストッパとの関係を示す図である。
【図4】 固定刃と可動刃が分離位置にある場合で、可動刃がストッパに当接した状態を示す図である。
【図5】 本発明の一実施形態に係る電動カッタを備えたプリンタの概要を示す図である。
【図6】 図5に示すプリンタの内部構造の概要を示す図である。
【図7】 可動刃の駆動装置と搬送ローラの搬送機構の配置を示す図である。
【図8】 可動刃の駆動装置と搬送ローラの搬送装置の底面側からの斜視図である。
【符号の説明】
1 ロール紙 2 プリンタフレーム
3 開閉蓋 4 ロール紙収納部
5 可動刃 5a 回転軸
5b スペーサ 5c 長穴
6 固定刃 7 駆動装置
7a 駆動モータ 7b ピニオンギア
7c 輪列 7d 平歯車
7e カムシャフト 7f カム
7g シャフト 8 搬送装置
8a 搬送モータ 8b ピニオンギア
8c 輪列 9 搬送ローラ
9a ローラ本体 9b 軸受
9c 平歯車 10 バネ
11 ストッパ 12 印刷ヘッド
13 可動刃支持フレーム
Claims (6)
- 分離可能な固定刃と可動刃を備えたはさみ状の切断部と、前記可動刃に付勢力を与えて前記可動刃と前記固定刃に相対的な傾斜を付ける傾斜機構と、前記可動刃を回転させる駆動装置と、前記可動刃の回転を止めるストッパとを備え、
前記固定刃と前記可動刃とが近接位置に位置する場合には、前記可動刃が前記付勢力に抗して前記固定刃に乗り上げるように回転する第1の軌道上を動き、
前記固定刃と前記可動刃とが離れた分離位置に位置する場合には、前記可動刃が前記付勢力による前記傾斜が付いたまま回転する第2の軌道上を動き、
前記ストッパが、前記第2の軌道上にあって前記第1の軌道上にない位置に設置されたことを特徴とする電動カッタ。 - 前記傾斜機構が、前記固定刃に接する方向に前記可動刃を付勢するバネを備えたことを特徴とする請求項1に記載の電動カッタ。
- 前記駆動装置が、前記可動刃を往復運動させるカムを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の電動カッタ。
- 請求項1から3の何れか1項に記載の電動カッタを備えたプリンタであって、印刷媒体を収納する収納部を有する筐体と、前記収納部を開閉する蓋体とを備え、
前記可動刃は前記筐体側に、前記固定刃は前記蓋体側に設置され、
前記蓋体が開いた状態では前記可動刃と前記固定刃が離れ、前記蓋体が閉じた状態では前記可動刃と前記固定刃が前記印刷媒体をはさむ位置に近接することを特徴とする電動カッタを備えたプリンタ。 - 前記印刷媒体が、連続紙をロール状に巻いたロール紙であることを特徴とする請求項4に記載の電動カッタを備えたプリンタ。
- 固定刃と、
前記固定刃に対して点接触した状態で鋏状に交叉摺動可能である可動刃と、
前記可動刃を支持する第1の支持部と、
前記固定刃を支持する第2の支持部であって、前記第1の支持部に対して移動可能なものと、
前記第1の支持部側に設けられ、前記可動刃を前記固定刃側に付勢する弾性部材と、
前記第1の支持部側に設けられ、前記可動刃側に突出する突部とを有し、
前記固定刃は、前記第2の支持部の位置に応じて、前記可動刃に近接して前記記録紙を切断可能な協働状態となる第1の位置と、前記可動刃から分離して前記記録紙を切断不可能な非協働状態となる第2の位置とに移動可能に支持され、
前記可動刃は、前記固定刃が前記第1の位置にある状態においては第1の軌道上を、前記固定刃が前記第2の位置にある状態においては第2の軌道上を移動可能であり、
前記突部は、前記第1の軌道上を移動する前記可動刃に当接することがなく且つ前記第2の軌道上を移動する前記可動刃に当接可能に設けられていることを特徴とする電動カッタ。
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