JP4066730B2 - 鋳造解析シミュレーションの条件設定方法およびそのプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータによる鋳造解析シミュレーションにおける条件設定方法、および鋳造解析シミュレーションにおける条件設定プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータによる鋳造解析シミュレーションは、鋳型の設計において利用されており、たとえば、特開平8−314152号公報、特開平11−314152号公報に開示されている。
【0003】
ところで、このコンピュータによる鋳造解析シミュレーションにおいては、解析モデルとして多くの部品をモデル化して用いているが、シミュレーションには、準備段階として部品同士の接触状態を確認し、部品同士の熱の伝達係数を入力する条件設定が必要である。
【0004】
従来、このような部品同士の接触状態を確認し、熱伝達係数を入力するのは人手により行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来の鋳造解析シミュレーションにおいては、接触する部品同士の熱伝達係数の入力を人手により行っている。これは最初に各部品を決定し解析モデルを構築する際には何もない状態からの条件設定であるので致し方ない。
【0006】
しかし、従来は部品を一つ取り替えてもその部分の接触状態を調べて、熱伝達係数を手入力しなければならないといった問題があった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、鋳造解析シミュレーションにおいて部品を変更した場合に、部品同士の接触状態から自動的にその熱伝達係数の設定することのできる鋳造解析シミュレーションにおける条件設定方法、およびそのプログラムを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、(a)鋳造解析シミュレーションを実行する解析モデルの各部品の部品変更前の接触状態を確認する段階と、(b)前記各部品のうち少なくとも一つの部品が変更された後、前記各部品の接触状態を確認する段階と、(c)前記(a)の段階により確認された部品変更前の各部品の接触状態と、前記(b)の段階により確認された部品変更後の各部品の接触状態とを比較して接触状態が変更された部品を検索する段階と、(d)前記(c)の段階における検索の結果、接触状態が変更された部品同士の接触部分における熱伝達係数を設定する段階と、を有することを特徴とする鋳造解析シミュレーションの条件設定方法によって達成される。
【0009】
また、上記目的は、(a)鋳造解析シミュレーションを実行する解析モデルデータを読み込み、前記解析モデルを構成する各部品の部品変更前の接触状態を確認するステップと、(b)前記各部品のうち少なくとも一つの部品が変更された後、前記各部品の接触状態を確認するステップと、(c)前記(a)の段階により確認された部品変更前の各部品の接触状態と、前記(b)の段階により確認された部品変更後の各部品の接触状態とを比較して接触状態が変更された部品を検索するステップと、(d)前記(c)の段階における検索の結果、接触状態が変更された部品同士の接触部分における熱伝達係数を設定するステップと、を有することを特徴とする鋳造解析シミュレーションの条件設定プログラム。
【0010】
【発明の効果】
本発明の鋳造解析シミュレーションにおける条件設定方法によれば、鋳造解析シミュレーションの解析モデルの各部品の変更前と変更後における接触状態を確認し、接触状態に変更があった部品同士について熱伝達係数を設定することとしたので、部品を変更した際に、自動的に熱伝達係数を設定することができる。
【0011】
また、本発明の鋳造解析シミュレーションにおける条件設定プログラムによれば、このプログラムをコンピュータにより実行することで、鋳造解析シミュレーションの解析モデルの各部品の変更前と変更後における接触状態が確認されて、接触状態に変更があった部品同士について熱伝達係数が設定されるので、部品を変更した際に、自動的に熱伝達係数を設定することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
図1は、本発明を適用した実施の形態における鋳造解析シミュレーションの条件設定プログラムの全体の流れを示すメインフローチャートである。図2は、図1における変更前接触判定マトリックス作成および変更後接触判定マトリックス作成において使用するマトリックス作成の手順を示すサブルーチンフローチャートである。図3および図4は、図1における熱伝達係数設定の手順を示すサブルーチンフローチャートである。
【0014】
なお、この手順に従って作成されたプログラムは、鋳造解析シミュレーションを行うコンピュータ、または、別途鋳造解析シミュレーションを行うための条件を設定するために用いられるコンピュータにより実行される。また、このプログラムはサーバコンピュータ内に記憶され、このサーバコンピュータから他のコンピュータに読み込まれて実行されてもよい。
【0015】
なお、以下の説明において、登録とはコンピュータ内のメモリやハードディスク、または磁気ディスク(フレキシブルディスクなど)、光ディスク、光磁気ディスク、可搬式半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体にファイルやデータを記憶することを言う。
【0016】
図1を参照して全体の処理の流れを説明する。
【0017】
まず、鋳造解析シミュレーションを行う際の解析モデルのデータから、変更前の状態においてこの解析モデルを構成している各部品の接触判定を行うための接触判定マトリックスを作成する(S1)。
【0018】
続いて、少なくとも一つの部品が変更された後の解析モデルのデータから、変更後の状態において解析モデルを構成している各部品の接触判定を行うための接触判定マトリックスを作成する(S2)。
【0019】
続いて、ステップS1で作成した部品変更前の接触判定マトリックスと、ステップS2で作成した部分変更後の接触判定マトリックスとを比較して、部品変更の前後で接触状態に変化のあった部品について熱伝達係数を変更、設定する(S3)。
【0020】
その後、コンピュータディスプレイ上に、設定された熱伝達係数を表示し、必要に応じて修正を行う(S4)。
【0021】
最後に、熱伝達係数の変更が行われた条件設定ファイルを登録して(S5)、処理を終了する。
【0022】
次に、各処理の詳細な手順を説明する。
【0023】
図2を参照してマトリックスの作成手順を説明する。このマトリックス作成手順は、メインフローチャートにおける部品変更前の接触判定マトリックスの作成および部品変更後の接触判定マトリックスの作成に使用される。
【0024】
接触判定マトリックス作成手順は、まず、解析モデルのデータを取り込む(S11)。このとき、前記ステップS1における部品変更前の接触判定マトリックスの作成であれば、部品変更前の解析モデルのデータを取り込み、部品変更後の接触判定マトリックスの作成であれば部品変更後の解析モデルのデータを取り込む。
【0025】
ここで解析モデルについて説明する。解析モデルは、たとえば、図5に示すように、A〜Eの部品からなる。なお、図5は解析モデルの一例を示すモデル断面図で、図5(a)は部品変更前、図5(b)は部品変更後である。
【0026】
このような解析モデルは、周知のように、鋳造解析シミュレーションを行うために、所定間隔のメッシュに分割されていて、シミュレーションの計算はメッシュの一つひとつのセルごとに行われる。したがって、熱伝達係数は、シミュレーション計算の際に部品同士が接触した一つのセルにおいて伝達される熱量を規定する値となる。
【0027】
そして本実施の形態では、解析モデルを構成する各部品には、それぞれ固有の識別記号を付してある。また、各部品は、それぞれその部品の種類、ここでは鋳型、中子、溶湯のいずれであるかがわかるように登録されている。
【0028】
識別記号は、一つ部品について必ずその部品を識別することのできる固有の記号である。この識別記号は、同じ形状であっても種類が異なる場合には異なる識別記号を付けることが好ましい。これはたとえば、同じ形状で鋳型の場合と中子の場合では、両者を区別できるように異なる識別記号を付ける。ただし、設計変更などで形状が変わった部品は、そのまま同じ識別記号としている。
【0029】
図5に示した例では、A〜Eが各部品の識別記号であり、AおよびDが鋳型、CおよびEが中子、Bが溶湯である。ここで、部品Aは、図5(a)における変更前と図5(b)における変更後でその形状が変化しているが、これは部品Aの形状変更のためであるからこの場合部品の識別記号は変更していない。なお、この識別記号は、部品名称などであってもよい。
【0030】
解析モデルのデータの取得後、使用されている部品をマトリックス番号に対応付けする(S12)。マトリックス番号は、マトリックスを構成する行および列の番号である。この処理は後述するように接触判定マトリックスの一つの番号に対して一つの部品を対応させるための処理である。このマトリックス番号と部品を対応付けしたファイルをマトリックス番号対応ファイルと称する。マトリックス番号対応ファイルは、前述したような記憶媒体へ記憶する。
【0031】
マトリックス番号対応ファイルは、部品の変更前後において同じファイルを使用する。したがって、部品変更前の場合には新たにマトリックス番号対応ファイルを作成してもよいし、またはすでにマトリックス番号と部品との対応関係が登録されたマトリックス番号対応ファイルがあればそれを利用してもよい。ただし、すでにあるマトリックス番号対応ファイルを使用する場合には、少なくとも現在取得している解析モデルに使用されている部品についてマトリックス番号と部品の対応付けが行われていることを要する。もし、現在取得している解析モデルに使用されている部品についてマトリックス番号との対応付けが行われていない部品がある場合には、その部品について、空いているマトリックス番号または新たなマトリックス番号(マトリックス番号は条件設定を行うコンピュータの処理能力の許す限り増加してよい)に対応付けする。
【0032】
一方、部品変更後の場合には、常にマトリックス番号対応ファイルがある。これは、部品変更前の段階で必ずマトリックス番号対応ファイルが作成されているからである。したがって、部品変更後の場合にはすでにあるマトリックス番号対応ファイルを使用することになる。そして、現在取得している解析モデルに使用されている部品についてマトリックス番号との対応付けが行われていない部品がある場合には、その部品について、空いているマトリックス番号または新たなマトリックス番号に対応付けする。
【0033】
図5の示した解析モデルの例では、マトリックス番号に対する部品の対応付けは、図6に示す関係となる。ここでは、マトリックス番号と部品の識別記号を対応付けると共に、各部品の種類も一緒に登録している。したがって、図示するように、マトリックス番号1から順に、部品A、B、C、D、Eを対応付けし、さらに、各部品の種類が何かわかるように部品種を一緒に登録している。
【0034】
ここで作成される接触判定マトリックスについて説明する。図7は接触判定マトリックスの一例を示す図面であり、図7(a)は図5(a)に示した部品変更前の解析モデルに対して作成される接触判定マトリックス、図7(b)は図5(b)に示した部品変更後の解析モデルに対して作成される接触判定マトリックスである。
【0035】
図示するように、この接触判定マトリックスは、行および列にマトリックス番号があり、各番号の交点に「0」、「1」の接触判定フラグが立っている。このフラグが「1」になっている部分の行と列の番号に対応する部品同士が接触していることを示している。なお、行と列の番号が同じ場合は、当然同一の部品であるから接触判定の対象とならないので×印としている。
【0036】
この部品変更前の接触判定マトリックスにおいても部品Eに対応するマトリックス番号「5」が存在しているが、これは、ステップS11において変更後の部品Eもマトリクス対応ファイルとして登録されているので、部品変更前の接触判定マトリックスにおいても行および列にはマトリックス番号「5」が存在し、これについても接触判定が行われる。
【0037】
このようなマトリックス作成のために、前記ステップS12に続いて、実際の接触判定処理に移行する。
【0038】
接触判定処理は、まず、行番号変数nを1にし(S13)、列番号変数mを1にして(S14)、行番号nの部品が列番号mの部品と接触しているか否かを判定する(S15)。
【0039】
この判定の結果、行番号nの部品が列番号mの部品と接触している場合には、接触判定マトリックスの行番号nと列番号mの交点にフラグ「1」を立てる(S16)。一方、接触していなければフラグ「0」を立てる(S17)。
【0040】
この接触判定は、たとえば解析モデル内の行番号nの部品と列番号mの部品のデータから、2つの部品で共通するセルがある場合には、行番号nの部品と列番号mの部品が接触していると判定する。
【0041】
なお、この接触判定において解析モデル中に存在しない部品がある場合には、当然に存在していない部品と他の部品との接触はないものとなる。これはたとえば、部品変更前の接触判定マトリックスの作成において、マトリックス番号「5」に対応する部品Eは、この時点で存在していないためマトリックス番号「5」に接触する部品はすべてないことになる。
【0042】
接触判定後、列番号mを1増加し(S18)、mが最終番号を越えたか否かを判断して(S19)、mが最終番号を越えていなければステップS15に戻り処理を継続する。一方、mが最終番号を越えた場合には、行番号nを1増加し(S20)、nが最終番号を越えたか否かを判断して(S21)、nが最終番号を越えていなければステップS14に戻り処理を継続する。一方、nが最終番号を越えた場合には、その時点で、マトリックスは完成しているので、完成した接触判定マトリックスを登録し(S22)、メインルーチンへ戻る。
【0043】
なお、最終番号は、マトリックス番号に対応付けして登録された部品数によって変わり、マトリックス番号の途中に部品と対応しない番号の空きがなければ部品数と同じになる。したがって、図5に示した解析モデルの場合は、最終番号は5である。
【0044】
このようにして作成された接触判定マトリックスが図7に示したものである。
【0045】
次に、図3および図4を参照して熱伝達係数設定ルーチンについて説明する。
【0046】
まず、部品変更前後の接触判定マトリックスを読み込む(S31)。
【0047】
続いて、行番号変数nを1にする(S32)。続いて、列番号変数mをn+1にする(S33)。このステップS33の処理は、接触判定マトリックスにおいてはn=mを境として右上半分と左下半分が接触状態としては同じ状態を示しているので、後の処理においていすれか一方のフラグを確認するようにするためである。たとえば、n=1とm=2の組み合わせはn=2とm=1の組み合わせと同じであるので、n=1とm=2の組み合わせを確認した後は、その後の処理においてn=2とm=1の組み合わせを確認する必要がない。そこで、ステップS33において、変数mにn+1を入れる処理をして、nに対してそれより大きなmのマトリックス番号の部品との接触状態だけを確認できるようにしている。
【0048】
その後処理は、変更前の接触判定マトリックスの中のnとmの交点のフラグが1か否かを判断する(S34)。
【0049】
この判断の結果、フラグが「1」の場合は、続いて、変更後の接触判定マトリックスの中のnとmの交点のフラグが1か否かを判断する(S35)。
【0050】
この判断の結果、フラグが「1」の場合は、部品変更前後においてnとmに対応する部品同士の接触状態に変更はないので、熱伝達係数を設定しなおす必要はない。
【0051】
したがって、この場合はそのまま列番号mを1増加し(S41)、mが最終番号を越えたか否かを判断して(S42)、mが最終番号を越えていなければステップS34に戻り処理を継続する。一方、mが最終番号を越えた場合には、行番号nを1増加し(S43)、nが最終番号を越えたか否かを判断して(S44)、nが最終番号を越えていなければステップS33に戻り処理を継続する。一方、nが最終番号を越えた場合には、その時点で熱伝達係数の設定が終了したので、熱伝達係数の条件設定ファイルを登録して(S45)、メインルーチンへ戻る。
【0052】
一方、ステップS35の判断の結果、フラグが「1」ではない場合、すなわちフラグが「0」の場合は、部品変更前後においてnとmに対応する部品の接触状態に変更があり(変更前接触していた部品同士が変更後非接触となった)、しかも、変更後非接触となったので、nとmに対応する部品同士の熱伝達係数として非接触の場合の熱伝達係数、通常は0を設定する(S36)。なお、非接触の熱伝達係数としては、0以外にも実行する鋳造解析シミュレーションに合わせて、任意に設定した値としてよい。
【0053】
たとえば、図7に示した変更前後の接触判定マトリックスの場合は、n=1、m=2のとき、変更前はフラグが1で接触していたものが、変更後にフラグが0になり非接触となっている。
【0054】
その後処理は、ステップS41以降の処理へ進む。
【0055】
次に、ステップS34の判断の結果、変更前の接触判定マトリックスの中のn、mの交点のフラグが「1」ではない場合、すなわちフラグが「0」の場合は、続いて、変更後の接触判定マトリックスの中のnとmの交点のフラグが1か否かを判断する(S37)。
【0056】
この判断の結果、フラグが「1」ではない場合、すなわちフラグが「0」の場合は、部品変更前後においてnとmに対応する部品同士の接触状態に変更はないので、熱伝達係数を設定しなおす必要はない。したがって、そのままステップS41以降の処理へ進む。
【0057】
一方、ステップS37の判断の結果、フラグが「1」の場合は、部品変更前後においてnとmに対応する部品同士の接触状態に変更があり(変更前非接触だった部品同士が変更後接触した)、しかも、変更後接触したので、nとmに対応する部品同士の種類に応じた熱伝達係数を設定する(S38)。
【0058】
設定される熱伝達係数は、マトリックス番号対応ファイルから、n、mに対応する部品が何であるかとその部品の種類を確認し、接触している部品同士の部品種に応じて、あらかじめ決められた熱伝達係数を設定する。たとえば、本実施の形態では、鋳型同士の接触および鋳型と中子の接触では0.1、鋳型と溶湯の接触および中子と溶湯の接触では0.01としている。なお、このように接触している部品種により決められた熱伝達係数は、コンピュータ内のメモリやハードディスクなどの記憶媒体にあらかじめ登録しておく。
【0059】
その後処理は、ステップS41以降の処理へ進む。
【0060】
以上のようにして、熱伝達係数の設定が終了すると、メインルーチンにおいて、設定された全部品の接触関係とその熱伝達係数が表示される(S4)。
【0061】
図8は、全部品の接触関係と熱伝達係数の表示例を示す図面である。
【0062】
ここでは、部品の組み合わせ(部品組)と、部品変更前後における接触状態、および部品変更後に設定されている熱伝達係数が表示される。そして、この表示には、上述したステップS3の処理により部品の変更後、自動的に設定された熱伝達係数の値には、そのことがわかるように「*」印が付けられている。
【0063】
図においては、部品の組み合わせとして、A−B、A−E、B−E、C−E、およびD−Eにおける熱伝達係数が自動設定されたことを示すために、「*」が付けられている。
【0064】
この表示によって、一目で自動設定された熱伝達係数がどれであるかわかるため、もし、熱伝達係数を任意に設定、または修正する場合には、簡単に見分けることができる。
【0065】
なお、図8に示した表示例はあくまでも熱伝達係数の自動設定後の一例であり、表示項目については、このような表示例に限定されるものではなく、たとえば、変更後の部品の組み合わせと設定後の熱伝達係数だけがあればよい。ただし、この場合も変更された熱伝達係数がわかるようにすることが好ましい。
【0066】
設定された熱伝達係数の表示、修正後、その熱伝達係数設定ファイルを記憶媒体に登録して(S5)、終了となる。なお、登録された熱伝達係数設定ファイルは、鋳造解析シミュレーションの際の熱伝達係数条件として読み込まれて使用される。
【0067】
以上のように、本発明を適用した実施の形態によれば、解析モデルの部品を一部(もちろん全部を変更した場合でもよい)変更した際に、部品同士の接触状態を確認して、接触状態が変わった部品同士の熱伝達係数を、その部品同士の種類に応じて設定するようにしたので、解析モデルの部品変更時に自動的に熱伝達係数が設定されるようになる。このため、シミュレーションの条件設定における作業を短縮し、また、条件の誤設定によるシミュレーションミスを防止することにもなる。
【0068】
また、本実施の形態によれば、自動設定された熱伝達係数については、表示の際に印を付けることにしたので、自動設定された熱伝達係数であることが容易に識別可能となる。このため、熱伝達係数が部品の変更により自動設定された後であっても、任意に変更することが容易である。
【0069】
以上本発明を適用した実施の形態について説明したが、本発明は、このような実施の形態に限定されるものではない。
【0070】
たとえば、上述した実施の形態においては、図3に示した熱伝達係数設定ルーチンにおいて、先に変更前の接触判定マトリックスを検索(S34)し、その後、変更後の接触判定マトリックスを検索している(S35またはS37)。この処理手順は部品変更前後で部品同士の接触状態に変更がないか否かを確認するための処理であるので、変更後のマトリックスを先に検索してから、変更前のマトリックスを検索するようにしてもよい。また、この場合、先に検索した変更後の接触判定マトリックスにおいて、n、mの交点のフラグが「1」ではない場合、すなわちフラグが「0」の場合、すなわち、変更後のマトリックス番号n、mに対応する部品同士が非接触となる場合には、変更前の接触判定マトリックスのフラグを確認することなく、熱伝達係数として非接触を示す熱伝達係数を設定するようにしてもよい。これは、部品の変更後、非接触となっている部品同士は、部品の変更前後で変化したものであったとしても非接触の状態に違いはないので、変更前の接触判定マトリックスのフラグを確認する処理を省略しその分の処理時間を短縮することができる。
【0071】
さらに、上述した実施の形態では、変更前と変更後で使用される全ての部品に固有の識別記号を付けることで、同じ部品であっても種類が変更された場合に対応できるようにしているが、これに代えて、たとえば、同じ部品には種類にかかわらず同じ識別記号を付けるようにして、部品変更時にその種類が変更されたか否かを確認するようにしてもよい。すなわち、部品種が違っても同じ部品の識別記号が一つのマトリックス番号に対応させ、この部品の種類を鋳型から中子、またはその逆に変更したような場合である。ただし、使用される部品は、種類が変更されると、その部品種の登録が変更される必要がある。
【0072】
このようにするためには、たとえば、図9に示すように、図3に示した熱伝達係数設定ルーチンのうち、ステップS35でマトリックス番号n、mの交点フラグが「1」であった後、すなわち、部品変更前、変更後ともに、同じ部品が接触していると判定された後に、変更前のマトリックス番号n、mの部品の種類と変更後のマトリックス番号n、mの部品の種類が同じか否かを確認する(S51)。 ここで部品種が異なると判断された場合には、ステップS38へ進み、部品変更後に接触している部品同士の種類に応じて熱伝達係数を設定する。一方、部品種の変更がないと判断された場合には、そのままステップS41へ進むようにする。
【0073】
これにより、部品種が異なっても同じ部品として登録されている場合でも、部品種に変更があったときには、自動的に熱伝達係数の登録を行うことができる。
【0074】
さらに、上述した実施の形態では、連番数字のマトリックス番号に部品の識別記号を対応させる処理を行っているが、これに代えて、マトリックスの行および列に直接部品の識別記号を付し、行および列の交点に接触、非接触を示すフラグを立てるようにしてもよい。この場合には、マトリックス番号に部品を対応付けする処理を省略することができる。ただし、部品とその部品の種類を登録したファイルを別途用意し、熱伝達係数を設定するステップS38においては、このファイルを参照して熱伝達係数を設定することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した実施の形態における鋳造解析シミュレーションの条件設定プログラムの全体の流れを示すメインフローチャートである。
【図2】 接触判定マトリックス作成の手順を示すサブルーチンフローチャートである。
【図3】 熱伝達係数設定の手順を示すサブルーチンフローチャートである。
【図4】 図3に続く、熱伝達係数設定の手順を示すサブルーチンフローチャートである。
【図5】 解析モデルの一例を示すモデル断面図で、(a)は部品変更前、(b)は部品変更後である。
【図6】 マトリックス番号対応ファイルの一例を示す図面である。
【図7】 接触判定マトリックスの一例を示す図面であり、(a)は図5(a)に示した変更前の解析モデルに対して作成される接触判定マトリックス、(b)は図5(b)に示した変更後の解析モデルに対して作成される接触判定マトリックスである。
【図8】 全部品の接触関係と熱伝達係数の表示例を示す図面である。
【図9】 熱伝達係数設定手順の他の形態を示すサブルーチンフローチャートである。
Claims (10)
- (a)鋳造解析シミュレーションを実行する解析モデルの各部品の部品変更前の接触状態を確認する段階と、
(b)前記各部品のうち少なくとも一つの部品が変更された後、前記各部品の接触状態を確認する段階と、
(c)前記(a)の段階により確認された部品変更前の各部品の接触状態と、前記(b)の段階により確認された部品変更後の各部品の接触状態とを比較して接触状態が変更された部品を検索する段階と、
(d)前記(c)の段階における検索の結果、接触状態が変更された部品同士の接触部分における熱伝達係数を設定する段階と、
を有することを特徴とする鋳造解析シミュレーションの条件設定方法。 - 前記各部品は、それぞれ固有の識別記号を持ち、
前記(a)および(b)の段階は前記識別記号ごとに接触しているか否かを示すマトリックスを作成し、
前記(c)の段階は前記(a)の段階において作成したマトリックスと前記(b)の段階において作成したマトリックスを比較することにより接触状態の変更された部品を検索することを特徴とする請求項1記載の鋳造解析シミュレーションの条件設定方法。 - 前記各部品は、それぞれにその種類が登録されており、
前記(d)の段階は、接触状態が変更された部品同士の種類を確認して、あらかじめ接触する部品の種類ごとに決められた熱伝達係数を設定することを特徴とする請求項1記載の鋳造解析シミュレーションの条件設定方法。 - 前記(d)の段階の後、さらに、部品変更後前記(d)の段階によって設定された熱伝達係数であることを示す印を付けて、熱伝達係数を表示する段階を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の鋳造解析シミュレーションの条件設定方法。
- 前記部品の種類は、鋳型、中子、および溶湯であることを特徴とする請求項3または4記載の鋳造解析シミュレーションの条件設定方法。
- (a)鋳造解析シミュレーションを実行する解析モデルデータを読み込み、前記解析モデルを構成する各部品の部品変更前の接触状態を確認するステップと、
(b)前記各部品のうち少なくとも一つの部品が変更された後、前記各部品の接触状態を確認するステップと、
(c)前記(a)の段階により確認された部品変更前の各部品の接触状態と、前記(b)の段階により確認された部品変更後の各部品の接触状態とを比較して接触状態が変更された部品を検索するステップと、
(d)前記(c)の段階における検索の結果、接触状態が変更された部品同士の接触部分における熱伝達係数を設定するステップと、
を有することを特徴とする鋳造解析シミュレーションの条件設定プログラム。 - 前記各部品は、それぞれに固有の識別記号を対応させたファイルが記憶媒体に登録されており、
前記(a)および(b)のステップは前記識別記号ごとに接触しているか否かを示すマトリックスを作成し、
前記(c)のステップは前記(a)のステップにおいて作成したマトリックスと前記(b)のステップにおいて作成したマトリックスを比較することにより接触状態の変更された部品を検索することを特徴とする請求項6記載の鋳造解析シミュレーションの条件設定プログラム。 - 前記各部品は、それぞれにその種類が登録されたファイルが記憶媒体に登録されており、
前記(d)のステップは、接触状態が変更された部品同士の種類を確認して、あらかじめ接触する部品の種類ごとに決められた熱伝達係数を設定することを特徴とする請求項6記載の鋳造解析シミュレーションの条件設定プログラム。 - 前記(d)のステップの後、さらに、部品変更後前記(d)のステップによって設定された熱伝達係数であることを示す印を付けて、熱伝達係数を表示するステップを有することを特徴とする請求項6〜8のいずれか一つに記載の鋳造解析シミュレーションの条件設定プログラム。
- 前記部品の種類は、鋳型、中子、および溶湯であることを特徴とする請求項3または4記載の鋳造解析シミュレーションの条件設定プログラム。
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