JP4066262B2 - 廃棄物の乾燥熱分解装置 - Google Patents

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本発明は、会社、工場、ホテル、旅館、飲食店、一般家庭等の様々な場所から排出される廃棄物を乾燥および/または熱分解するための乾燥熱分解装置であり、詳しくは、廃棄物の加熱効率を向上させた乾燥熱分解装置に関する。
製紙汚泥廃棄物(製紙スラッジとも言われる。)や生ゴミ等の廃棄物を処理するために、乾燥および/または熱分解(炭化とも言われる。)する装置が、数多く提案されている。
このような乾燥熱分解装置として、外熱式であり、円筒状のキルンが回転することにより、廃棄物を用いて乾燥、熱分解するロータリキルン式の装置が知られている。また、廃棄物の処理量の比較的大きいものにおいては、複数本のスクリュを高温ガス等が通る伝熱管内に配置する装置などが提案されている。
この廃棄物の乾燥熱分解装置においては、廃棄物の処理量を多くすることが望まれている。そのためには、廃棄物に熱を伝えるための面積(以下、伝熱面積という。)が大きい方が望ましいが、上述の各装置によると、大規模な設備が必要となる。この伝熱面積を大きくするために、廃棄物の乾燥熱分解装置において、種々の改良が行われている。
ロータリキルン式の乾燥熱分解装置においては、一本の大きなロータリキルンの中に複数本の小型キルンを備え、小型キルンの中で廃棄物を処理する多筒キルン(1)により、伝熱面積を大きくすることが知られている。
また、ロータリキルン内部にキルン本体と一体で回転する多数の伝熱管群と、多数の伝熱管群の中心に内部で廃棄物を処理するための管と、を有する熱分解装置(2)により、伝熱面積を大きくすることが知られている。この装置においては、多数の伝熱管内に高温ガスを通し、廃棄物は、上述の管内を撹拌されながら管の軸方向に搬送されて、処理される。
一方、伝熱管の外側およびいわゆるパドル式の撹拌搬送部材の内部に蒸気を流す構成の廃棄物の乾燥装置(3)により、伝熱面積を大きくすることも知られている。
また、外熱式で外筒の内部にビータが設けられ回転レトルト炉が知られている(例えば、特許文献1参照)。この回転レトルト炉は、外筒が回転するように構成されており、この外筒の回転とともにビータが回転し、処理物を撹拌するように構成されている。
特許3073717号
しかしながら、上述の(1)多筒キルンにおいては、処理物を小キルン内へ均等に供給することや、高温ガスを供給するために高温ガスを封止することなど、さらに改良が必要である。
また、(2)キルン内に伝熱管群を配置する装置においても、高温ガスや空気を伝熱管群内に供給し、かつ、処理物も供給しなければならないため、高温ガスを封止するために、さらに改良が必要である。
さらに、上記した(1)および(2)の各キルン式では、その軸方向への処理物の移動が不均一であり、大きなものは早く移動する傾向があり、各装置に投入する前に、処理物の大きさなどを均一にする必要がある。
また、(3)パドル式の乾燥装置においては、パドル内部に蒸気は流せるが、乾燥/熱分解が可能となる高温の熱媒体を用いると、ガス量が大きくなる等の問題があり、現段階で使用されている装置よりも大規模な装置が必要となる。また、高温ガスを封止するために、さらに改良が必要である。
一方、本出願人は、スクリュの代わりに特殊な撹拌搬送用部材を用いた、外熱式の炭化処理装置を提案している(特願2003−132946号参照)。しかしながら、このような外熱式の装置においては、廃棄物の処理量の増大等には対応できるものの、伝熱面積を大きくするには、軸方向に長い伝熱管を有する装置が必要となる。
そこで、本発明は、廃棄物を加熱するために廃棄物と装置との伝熱面積を確保し、効率よく乾燥および/または熱分解を行うことのできる、廃棄物の乾燥熱分解装置を提供することを目的とする。さらに、本発明は、廃棄物の処理量の増大に対応でき、加熱のために用いられる高温ガスの封止機構が簡易である、廃棄物の乾燥熱分解装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の廃棄物の乾燥熱分解装置は、処理すべき廃棄物を加熱して乾燥および/または熱分解を行うための乾燥熱分解装置であって、外周に加熱室を備えるとともに、廃棄物の投入口と排出口とを有する伝熱管内に、前記伝熱管の軸方向に延び内部に熱媒体が流れる複数本の管と、前記伝熱管内を軸方向に延びる複数の領域に仕切るように、前記複数本の管と平行に、かつ伝熱管の中心部から伝熱管の内壁に向かって放射状に設けられた仕切り板と、前記伝熱管の軸方向に対して傾きを有して前記仕切り板に設けられ、前記廃棄物を搬送するための帯状の搬送部材と、からなる撹拌搬送用部材が、軸方向を中心に回転可能に取り付けられたことを特徴とする。
この発明によれば、伝熱管外部の加熱室のほかに複数本の管により廃棄物に熱を伝えられるため、廃棄物への伝熱面積を大きくとることができるとともに、廃棄物を確実に撹拌し、搬送して、乾燥/熱分解処理を行うことができる。また、仕切り板により伝熱管内を区切られているため、大容量の廃棄物を処理する場合にも、区切られた各領域においてほぼ均等な量毎に処理することができるとともに、廃棄物の滞留時間を確保することができる。さらに、撹拌搬送用部材を主にほぼ直線状の管で構成することができるため、乾燥熱分解装置の構成が簡易となる。
上記本発明の廃棄物の乾燥熱分解装置において、前記複数本の管は、前記伝熱管の中心に二重管を有し、前記二重管における二つの管の間を前記熱媒体が流れるとともに、前記二重管の周囲に当該二重管よりも直径の小さな管を複数本有することを特徴とする。
この発明によれば、中心の二重管の外管の直径を調節することにより、処理される廃棄物の体積を調節することができ、また、中心の二重管の外壁から撹拌搬送用部材の上側に位置する廃棄物に熱を伝えることができ、廃棄物を効率よく加熱することができる。
上記本発明の廃棄物の乾燥熱分解装置において、前記複数本の管は、当該複数本の管の両端において各々一本の管に集約されることにより、前記熱媒体の吹入口および排出口が各々一ヶ所であることを特徴とする。
この発明によれば、管内を流れる熱媒体の吹入口が一ヶ所であり、また、同様の熱媒体の排出口が一ヶ所であるため、熱媒体が外に漏れないよう封止する機構を簡易にすることができる。また、管が熱により延伸した場合にも、撹拌搬送用部材6を駆動させる側の反対側において、管の延伸分を許容する構成とすることができ、装置の稼働中の不具合が生じにくい。
上記本発明の廃棄物の乾燥熱分解装置において、前記撹拌搬送用部材の両端は、軸受部材で支持されるとともに、前記軸受部材を備える位置において固定管と連結していることを特徴とする。
この発明によれば、撹拌搬送用部材の両端が、一ヶ所で支持され、かつ、固定管に連結されているため、乾燥熱分解装置の構成が簡易なものとなるとともに、軸受部材は回転する撹拌搬送用部材を支持しつつ、管内を流れる熱媒体を封止する構造とすることが可能となる。
上記本発明の廃棄物の乾燥熱分解装置において、前記熱媒体は、前記廃棄物を加熱することにより生じる排ガスを加熱して無害化された後のガスを用いることを特徴とする。
この発明によれば、無害化された後の高温のガスを乾燥/熱分解のための加熱に使用することにより、熱エネルギを有効に利用することができるとともに、環境への負荷も低減することができる。すなわち、廃棄物から発生するガスは、通常、消煙装置等により、高温に加熱して、無害化、無臭化される。この無害化、無臭化されたガスは、例えば、800℃程度と非常に高温になっているため、大気に排出するためにガス温度を下げるための装置が必要となるが、本発明は、そうした装置を必要とせず、当該高温のガスの熱エネルギを有効に利用することができるものである。
本発明の廃棄物の乾燥熱分解装置によれば、廃棄物を加熱するために廃棄物と装置との伝熱面積を確保することができるため、効率よく乾燥および/または熱分解を行うことができる。そして、本発明によれば、複数本の管に熱媒体を流すとともに、伝熱管外周の加熱室にも熱媒体を通すため、複数本の管と伝熱管の間における熱による延びの差を小さくすることができる。
また、本発明の廃棄物の乾燥熱分解装置によれば、廃棄物の処理量の増大に対応でき、加熱のために用いられる熱媒体の封止機構が簡易であり、撹拌搬送用部材が主として管からなる簡易な構成とすることができる。さらに、本発明の廃棄物の乾燥熱分解装置によれば、廃棄物から発生する排ガスの熱エネルギを有効に利用することができ、環境への負荷を低減することができる。
以下に、本発明の廃棄物の乾燥熱分解装置について、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明の乾燥熱分解装置の一例を示す概略断面図であり、図2は、図1に示す乾燥熱分解装置のA−A’断面図である。なお、図2(a)は、廃棄物を処理している状態を示し、図2(b)は、廃棄物が投入されていない状態を示す。図3は、図1に示す乾燥熱分解装置における撹拌搬送用部材の支持部分の概略拡大図である。また、図4は、本発明の乾燥熱分解装置を示す概略斜視図である。
まず、本発明の乾燥熱分解装置の構成について説明する。
図1に示すように、本発明の乾燥熱分解装置100は、外周に加熱室7を備えた伝熱管1内に、伝熱管1の軸方向に延び内部に熱媒体Gが流れる複数本の管2、3と、伝熱管1内を当該伝熱管1の内側から内壁側に向かって仕切る仕切り板4と、伝熱管1の軸方向に対して傾きを有して仕切り板4に設けられた廃棄物Xを搬送するための帯状の搬送部材5と、からなる撹拌搬送用部材6が、軸方向を中心に回転可能に取り付けられている。この乾燥熱分解装置100により、処理すべき廃棄物Xを加熱して乾燥および/または熱分解を行うことができる。また、伝熱管1の外周には、加熱室7が設けられ、伝熱管1内を外側から加熱するようになっている。
そして、撹拌搬送用部材6の両端は、後述するように、複数本の管2、3が集約されて一本の管21、22となっている。この一方の管21を回転可能に支持し、他方の管22を駆動装置15によって回転させることにより、撹拌搬送用部材6を回転させることができる。このことにより、撹拌搬送用部材6は、投入口11から投入された廃棄物Xを撹拌しつつ搬送する。一方、加熱されて乾燥および/または熱分解処理された廃棄物Xの処理物Zは、排出口12から排出される。
複数本の管2、3は、各々伝熱管1の軸方向に延び、互いに平行または略平行に設けられる。そして、複数本の管2、3内には、廃棄物Xを加熱するための熱媒体Gが流れるように構成されている。
こうした複数本の管2、3は、伝熱管1の中心を通る二重管2と、その周囲に設けられる、二重管2よりも直径の小さな複数本の管からなる小管群3(3は小管群の他に個々の管を表す場合がある。)とからなることが好ましい。
このとき、二重管2には、内側の管と外側の管とに挟まれた空間に熱媒体Gを流し、小管群3にも熱媒体Gを流す。二重管2の内側の管のさらに内部は、空洞になっていてもよいし、内側の管と同じまたは異なる材質の固体が詰まっていてもよい。なお、二重管2は、外側の管内に、外側の管よりも直径の小さい円柱が備えられていることにより、上述の熱媒体Gが流れる空間を保持してもよい。
二重管2は、図2(a)に示すように、撹拌搬送用部材6の上側に位置することとなる廃棄物Xに対し、効率的に熱を伝えて乾燥および/または熱分解させることができる。
また、二重管2は、その直径を調節することにより、廃棄物Xの処理量を調節することができる。
二重管2の周囲には、二重管2を中心とした同心円上に小管群3を設けることが好ましい。例えば、図1に示すように、中心の二重管2の周囲に12本の小管群3を等間隔に設置し、さらにその周囲に16本の小管群3を等間隔に設置することができる。また、例えば、図4に示すように、中心の二重管2の周囲に8本の小管群3を等間隔に設置し、さらにその周囲に12本の小管群3を等間隔に設置することもでき、設ける小管群3の本数は、特に限定されない。
複数本の管2、3は、各複数本の管2、3の両端において各々一本の管21、22に集約されることにより、熱媒体Gの吹入口81および排出口82が各々一ヶ所となっている。言い換えると、撹拌搬送用部材6は、固定管である熱媒体Gの吹入口81との連結部分においては、一本の管21であり、これが分岐して複数本の管2、3となり、さらに、固定管である熱媒体Gの排出口82との連結部分において、集約されて一本の管22となっている。
このように、本発明の乾燥熱分解装置100に設けられる撹拌搬送用部材6は、主として直線状の管2、3からなるため、構成が簡易なものとなる。しかも、これらの管2、3が熱媒体Gの熱により延びた場合には、撹拌搬送用部材6の駆動しない方の端21に、その延伸分を許容できる幅を設けておき、調節することができる。
仕切り板4は、伝熱管1内を内側から内壁側に向かって仕切る。この仕切り板4により、伝熱管1内は、軸方向に延びる複数の領域に分けられる。そのため、仕切り板4は、平坦であり、伝熱管1と同程度の長さを有した板で構成される。図1、図2および図4においては、仕切り板4により、伝熱管1内を4つの領域に区切っているが、この領域の数は特に限定されず、乾燥熱分解装置100の規模や処理される廃棄物Xの量等に応じて、適宜決めればよい。
なお、仕切り板4により仕切られた各領域は、その体積に差異があってもよいが、ほぼ同様の体積とすることが好ましい。このことにより、仕切られた各領域において、廃棄物Xを均等に加熱し、処理することができる。
仕切り板4は、その伝熱管1側の端部を、伝熱管1の内壁に沿うように設けることにより、撹拌搬送用部材6が回転したときに、廃棄物Xを撹拌する機能も有する。仕切り板4は、少なくとも伝熱管1の廃棄物Xの投入口11から排出口12までの間には設けられるようにする。
仕切り板4は、上述のように伝熱管1の中心に二重管2を設ける場合には、二重管2の外壁から伝熱管1の内壁に向かって設けられる。また、仕切り板4は、溶接等をせずに、直径の小さい管3に金具等で取り付けられてもよい。
搬送部材5は、伝熱管1の軸方向に対して傾きを有して仕切り板4に設けられる部材であり、廃棄物Xを搬送するために設けられる。搬送部材5は、帯状であり、小管群3のうち、外側(伝熱管1側)に設けられる管3を通すように設けられている。
また、搬送部材5は、図2(b)に示すように、伝熱管1の内壁に沿うように、すなわち、螺旋の一部となるように仕切り板4に接合される。このことにより、撹拌搬送用部材6が回転したときに、伝熱管1の下側に位置することとなった廃棄物Xを、軸方向に確実に搬送することができる。
搬送部材5を設ける間隔(図1の符号P)は、特に限定されないが、伝熱管1の直径に対して1/4〜3/4程度、好ましくは1/2程度の間隔とする。また、搬送部材5の軸方向に対する傾きも、特に限定されないが、処理される廃棄物Xが十分に伝熱管1内の滞留時間を確保できるよう、軸方向に対して垂直に近い傾きとすることが好ましい。
なお、搬送部材5は幅(図2(b)の符号W)を有しており、その内周側は、小管群3が設けられる他は空洞になっている。図2(a)に示すように、廃棄物Xは、主として二重管2の上側に位置するときに、この空洞を通り抜けて軸方向に搬送される。
撹拌搬送用部材6は、伝熱管1内に回転可能に取り付けられている。また、図1および図3に示すように、撹拌搬送用部材6の両端21、22は、軸受部材13で支持されるとともに、軸受部材13を備える位置において、固定管81、82と連結されている。
具体的に、撹拌搬送用部材6の両端21、22は、軸受部材13により伝熱管1に支えられている。また、一方の軸受部材13(図1における左側)は、固定管81から回転する撹拌搬送用部材6の一端の管21に熱媒体Gを送り、また、他方の軸受部材13(図1における右側)は、回転する撹拌搬送用部材6の一端の管22から固定管82に熱媒体Gを送る、ロータリジョイントの機能も果たしている。
撹拌搬送用部材6の駆動部分(図1および図3における右側)について説明する。撹拌搬送用部材6の一端22は、駆動スプロケット14を介して駆動装置15にチェーンで連結され、固定された伝熱管1に対して回転可能に設置されている。伝熱管1の両端に軸受ハウジングサポート16がフランジで取り付けられ、軸受ハウジング17および軸受部材13により、撹拌搬送用部材6は回転可能に支持されている。軸受ハウジング17の伝熱管1を有しない側には、管固定金物18により固定管82が支持され、いわゆるロータリジョイントの固定側を形成している。また、軸受部材13は、ロータリジョイントのシール部材19を備えており、伝熱管1内部と外気とのシールはチャンバシール部材20で行っている。
このように、本発明の乾燥熱分解装置100においては、撹拌搬送用部材6の支持とロータリジョイントの回転部分を共用している。そのため、乾燥熱分解装置100の構成が簡易なものとなるとともに、回転する撹拌搬送用部材6を支持しつつ、管内を流れる熱媒体Gを封止することが可能となる。なお、従来のいわゆるパドル中に熱媒体である蒸気を流す乾燥装置においては、熱媒体の回転部のシールと内部のパドルの支持とを別個に行っている。
複数本の管2、3に流す熱媒体Gは、廃棄物Xの投入口11と排出口12との間に温度勾配ができるよう、図1に示すように、廃棄物Xの排出口12に近い側の管21から流入させ、廃棄物Xの投入口11に近い側の管22から流出させる。なお、熱媒体Gは、廃棄物Xの投入口11に近い側の管から流入させ、複数本の管2、3を通り、廃棄物Xの排出口12に近い側の管から流出させてもよい。
この熱媒体Gの温度は、伝熱管1内において廃棄物Xを乾燥し、熱分解できる温度にできれば、特に限定されないが、例えば、伝熱管1内が500〜800℃程度となるような温度に設定される。
この熱媒体Gとしては、所定の温度の空気、ガス、蒸気等が用いられる。このうち、熱媒体Gとして、廃棄物Xを加熱することにより生じる排ガスを加熱して無害化された後のガスを用いることが好ましい。すなわち、廃棄物Xを加熱することにより生じる排ガスは、タールやその他の有害物を含むこととなるため、図示しない消煙装置により排ガスを高温で燃焼して無臭化、無害化する必要がある。この無臭化、無害化されたガスは、例えば、800℃程度と、非常に高温であるため、このガスを本発明の乾燥熱分解装置100の管2、3に流すことで、熱エネルギを有効に利用することができる。また、このような熱媒体Gを用いることにより、別個に乾燥熱分解装置100を加熱するためのガスを製造する装置を設けなくてよく、設備的にも簡易になる。
なお、加熱室7においても、熱媒体Gを廃棄物Xの排出口12に近い側に入口71を設けて流入させ、廃棄物Xの投入口11に近い側に出口72を設けて流出させる。この加熱室7に用いる熱媒体Gも、伝熱管1内の管2、3に流す熱媒体Gと同様に、廃棄物Xを加熱することにより生じる排ガスを加熱して無害化された後のガスを用いることが好ましい。なお、図4に示すように、熱媒体Gは、廃棄物Xの投入口11に近い側に開口部73を設けて流入させ、加熱室7内を通り、廃棄物Xの排出口12に近い側に開口部74を設けて流出させてもよい。
また、熱媒体Gの流れは、特に限定されないが、例えば、以下の四つの場合が考えられる。図4を参照して説明すると、(i)熱媒体Gを廃棄物Xの投入口11に近い側の開口部73から流入させ、廃棄物Xの排出口12に近い側の開口部74から流出させた後、複数本の管2、3へ、廃棄物Xの排出口12に近い側の管から流入させ、廃棄物Xの投入口11に近い側の管から流出させる(図4に記載の熱媒体Gの流れ)。(ii)熱媒体Gを開口部74から流入させ、開口部73から流出させた後、複数本の管2、3へ、廃棄物Xの投入口11に近い側の管から流入させ、廃棄物Xの排出口12に近い側の管から流出させる。(iii)熱媒体Gを開口部73から流入させ、開口部74から流出させると同時に、複数本の管2、3へ、いずれか一端の管から流入させ、他端の管から流出させる。(iv)熱媒体Gを開口部74から流入させ、開口部73から流出させると同時に、複数本の管2、3へ、いずれか一端の管から流入させ、他端の管から流出させる。なお、(ii)および(iv)の流れにおいては、熱媒体Gを流入させる開口部74の位置が加熱室7の下側となり、熱媒体Gを流出させる開口部73の位置が上側となる。
以上の(i)〜(iv)の熱媒体Gの流れのうち、(i)、(ii)の流れがより好ましい。すなわち、(i)、(ii)の熱媒体Gの流れにおいては、加熱室7内を流れることにより、伝熱管1内を加熱した後のある程度温度が低下した熱媒体Gが、複数本の管2、3内を流れることになる。そのため、複数本の管2、3を有する撹拌搬送用部材6には、より耐熱性の高い材質を用いる必要がなく、乾燥熱分解装置100のコストを低減させることができる。
ここで、撹拌搬送用部材6の回転速度は、特に限定されず、廃棄物Xが伝熱管1内に投入されてから排出されるまでの間に、廃棄物Xを十分に加熱し、乾燥および/または熱分解することができるような範囲とすればよい。
本発明の乾燥熱分解装置100は上述のような作用効果を奏する複数本の管2、3と仕切り板4と搬送部材5とを備えた撹拌搬送用部材6を伝熱管1内に回転可能に取り付けたことに特徴を有し、その他を特に限定するものではない。
従って、例えば、伝熱管1、複数本の管2、3、仕切り板4および搬送部材5を形成する材質についても特に限定するものではなく、従来公知のいかなる材質を用いてもよい。具体的には、本発明の乾燥熱分解装置100に用いられる各部材には、ある程度の耐熱性、耐腐食性を有した材質を用いることが必要であり、例えば、SUS310Sなどを用いることが好ましい。
また、伝熱管1の直径および長さ、複数本の管2、3の直径(外径と内径)および長さ、搬送部材5の幅(図2の符号W)等の寸法についても特に限定されることはなく、廃棄物Xの搬送速度や撹拌の程度等により任意に設定することができる。
廃棄物Xとしては、様々な場所から排出される廃棄物が用いられるが、具体的には、製紙汚泥廃棄物、生ゴミ、下水汚泥、灰などが挙げられる。こうした廃棄物Xは、構成する物質の粒度に大きなばらつきがなく、水分がほぼ均等に含まれており、乾燥後の物質同士が張り付かない性質の物が、良好に本発明の乾燥熱分解装置100において処理される。なお、他の物質に張り付く性質の廃棄物を用いた場合には、複数本の管2、3に廃棄物が張り付き、伝熱効率が悪くなるとともに、伝熱管1内のつまりの原因ともなる場合がある。
次に、本発明の乾燥熱分解装置100において、廃棄物Xを撹拌搬送する動作を説明する。
廃棄物Xは、伝熱管1の投入口11から伝熱管1内に投入される。すると、廃棄物Xは、仕切り板4で仕切られたいずれかの領域に入ることとなり、中心の二重管2と小管群3とに接触し、それぞれの管2、3から熱を伝えられる。このとき、撹拌搬送用部材6は、回転しているため、廃棄物Xは、中心の二重管2および仕切り板4に沿いながら、伝熱管1の下側の内壁に沿うようになり、廃棄物Xは、伝熱管1からも熱を伝えられる。続いて、撹拌搬送用部材6は、回転を続けているため、廃棄物Xは、伝熱管1の内壁および仕切り板4に沿いながら、再度、中心の二重管2の上側の外壁に沿うようになる。このように、撹拌搬送用部材6が回転することにより、廃棄物Xが伝熱管1内の様々な位置から熱を伝えられることとなる。これを繰り返しながら、廃棄物Xは、搬送部材5によって排出口12の方向へ搬送されていく。そして、廃棄物Xは、乾燥、熱分解処理されて、排出口12から処理物Zとして排出される。
なお、上述のように、廃棄物Xの排ガスからなる高温の熱媒体Gは、固定管81から撹拌搬送用部材6の一端21を介して複数本の管2、3に流入し、撹拌搬送用部材6の他端22を介して固定管82から流出する。また、同様に、廃棄物Xの排ガスからなる高温の熱媒体Gは、入口71から加熱室7に流入し、出口72から流出する。
上述のように、本発明の廃棄物Xの乾燥熱分解装置100によれば、廃棄物Xを加熱するために廃棄物Xと撹拌搬送用部材6との伝熱面積を確保することができるため、効率よく乾燥および/または熱分解を行うことができる。また、本発明の廃棄物Xの乾燥熱分解装置100によれば、廃棄物Xの処理量の増大にも対応でき、加熱のために用いられる熱媒体Gの封止機構が簡易であり、撹拌搬送用部材6が主として管2、3からなる簡易な構成とすることができる。さらに、本発明の廃棄物Xの乾燥熱分解装置100によれば、廃棄物Xから発生する排ガスの熱エネルギを有効に利用することができ、環境への負荷を低減することができる。
本発明の廃棄物の乾燥熱分解装置を示す概略断面図である。 図1に示す本発明の乾燥熱分解装置のA−A’断面図である。 図1に示す本発明の乾燥熱分解装置における撹拌搬送用部材の支持部分の概略拡大図である。 本発明の廃棄物の乾燥熱分解装置を示す概略斜視図である。
符号の説明
1…伝熱管
2…二重管(複数本の管)
3…小管群(複数本の管)
4…仕切り板
5…搬送部材
6…撹拌搬送用部材
7…加熱室
13…軸受部材
81、82…固定管
100…乾燥熱分解装置
P…搬送部材のピッチ
W…搬送部材の幅
X…廃棄物
Z…処理物
G…熱媒体

Claims (5)

  1. 処理すべき廃棄物を加熱して乾燥および/または熱分解を行うための乾燥熱分解装置であって、
    外周に加熱室を備えるとともに、廃棄物の投入口と排出口とを有する伝熱管内に、
    前記伝熱管の軸方向に延び内部に熱媒体が流れる複数本の管と、
    前記伝熱管内を軸方向に延びる複数の領域に仕切るように、前記複数本の管と平行に、かつ伝熱管の中心部から伝熱管の内壁に向かって放射状に設けられた仕切り板と、
    前記伝熱管の軸方向に対して傾きを有して前記仕切り板に設けられ、前記廃棄物を搬送するための帯状の搬送部材と、からなる撹拌搬送用部材が、
    軸方向を中心に回転可能に取り付けられたことを特徴とする乾燥熱分解装置。
  2. 前記複数本の管は、前記伝熱管の中心に二重管を有し、前記二重管における二つの管の間を前記熱媒体が流れるとともに、
    前記二重管の周囲に当該二重管よりも直径の小さな管を複数本有することを特徴とする請求項1に記載の乾燥熱分解装置。
  3. 前記複数本の管は、当該複数本の管の両端において各々一本の管に集約されることにより、前記熱媒体の吹入口および排出口が各々一ヶ所であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の乾燥熱分解装置。
  4. 前記撹拌搬送用部材の両端は、軸受部材で支持されるとともに、前記軸受部材を備える位置において固定管と連結していることを特徴とする請求項3に記載の乾燥熱分解装置。
  5. 前記熱媒体は、前記廃棄物を加熱することにより生じる排ガスを加熱して無害化された後のガスを用いることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の乾燥熱分解装置。
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