JP4065879B2 - 断熱材およびその製造方法 - Google Patents
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そして、そのような断熱材として、近年、新聞古紙を原料としたセルロース(ファイバー)断熱材が提案されるに至っている。
ドライベースの解繊古紙100重量部と、
石膏二水塩50〜100重量部と、
ホウ素(B)として1〜3重量部のホウ素化合物と
を含有する断熱材であって、
ホウ酸(H3BO3)、ホウ砂(B5O8・4H2O)、および、ホウ酸カリウム(K2B4O7)を、
ホウ酸(H3BO3):7重量%、
ホウ砂(B5O8・4H2O):13重量%、
ホウ酸カリウム(K2B4O7):20重量%
となるような割合で水に溶解したホウ素化合物水溶液を添加することにより、前記ホウ素(B)が1〜3重量部の割合で配合されており、
断熱性能として、熱伝導率:約0.030kcal/mh℃の要件を満たし、かつ、
防虫性能として、インテリアファブリクス性能評価協議会指定のガラス管法B法による忌避率;50%以上の要件を満たすものであること
を特徴としている。
断熱性能として、熱伝導率:約0.030kcal/mh℃の要件を満たし、かつ、
防虫性能として、インテリアファブリクス性能評価協議会指定のガラス管法B法による忌避率;50%以上の要件を満たす断熱材を製造する方法であって、
ドライベースの古紙成分100重量部に対し石膏二水塩が50〜100重量部の割合で添加された状態で古紙を乾式解繊する解繊工程と、
前記解繊工程において解繊された解繊古紙に、
ホウ酸(H3BO3)、ホウ砂(B5O8・4H2O)、および、ホウ酸カリウム(K2B4O7)を、
ホウ酸(H3BO3):7重量%、
ホウ砂(B5O8・4H2O):13重量%、
ホウ酸カリウム(K2B4O7):20重量%
となるような割合で水に溶解したホウ素化合物水溶液を、解繊古紙中のドライベースの古紙成分100重量部に対し、ホウ素(B)の添加量が1〜3重量部となるような割合で添加して混合する添加・混合工程と
を具備することを特徴としている。
断熱性能として、熱伝導率:約0.030kcal/mh℃の要件を満たし、かつ、
防虫性能として、インテリアファブリクス性能評価協議会指定のガラス管法B法による忌避率;50%以上の要件を満たす断熱材を製造する方法であって、
廃石膏ボードから分離した、ドライベースの古紙成分100重量部に対し石膏二水塩を50〜100重量部の割合で含有する分離古紙を乾式解繊する解繊工程と、
前記解繊工程において解繊された解繊古紙に、
ホウ酸(H3BO3)、ホウ砂(B5O8・4H2O)、および、ホウ酸カリウム(K2B4O7)を、
ホウ酸(H3BO3):7重量%、
ホウ砂(B5O8・4H2O):13重量%、
ホウ酸カリウム(K2B4O7):20重量%
となるような割合で水に溶解したホウ素化合物水溶液を、解繊古紙中のドライベースの古紙成分100重量部に対し、ホウ素(B)の添加量が1〜3重量部となるような割合で添加して混合する添加・混合工程と
を具備することを特徴としている。
前記乾式解繊を行った後の石膏二水塩を含む解繊古紙のカサ密度が、0.02〜0.04g/cm3となるように前記乾式解繊を行うことを特徴としている。
前記乾式解繊を行うにあたって、
破砕後の紙片を通過させる通過孔として、直径が15〜30mmの通過孔を有するスクリーンを備えた破砕機を用いて古紙の破砕を行った後、
解繊後の解繊古紙を通過させる通過孔として、直径が3〜10mmの通過孔を有するスクリーンを備えた乾式解繊機を用いて、前記破砕機により破砕された古紙の乾式解繊を行うこと、
を特徴としている。
また、本願発明によれば、JIS A1412により測定した熱伝導率が約0.030kcal/mh℃である、良好な断熱性能を備え、かつ、インテリアファブリクス性能評価協議会指定のガラス管法B法による忌避率が50%以上である、優れた防虫性能を備えた断熱材を得ることができる。
また、ホウ素化合物をホウ素(B)として1〜3重量部含有しているので、石膏二水塩によりもたらされる防火、防虫効果とあいまって、十分な難燃性、防虫・防カビ性を確保することが可能になる。
なお、廃石膏ボードから分離された分離古紙を解繊した解繊古紙は、通常、ドライベースの古紙成分100重量部に対して、石膏二水塩50〜100重量部を含有しているので、解繊古紙として、廃石膏ボードから分離された分離古紙を解繊したものを主として用いるようにした場合、石膏二水塩を別途添加することが不要になる場合が多い。
なお、請求項2の場合のように、廃石膏ボードから分離された分離古紙を用いるようにした場合、必然的に、廃石膏ボードから分離した廃石膏が断熱材を構成する石膏二水塩の主要部または全部として用いられることになる。
なお、本願発明の断熱材においては、石膏二水塩が上述のような割合で配合されているので、カサ密度が断熱性能を左右する支配的な条件となる場合には、使用時の充填密度を、含有石膏二水塩量に対応して調整することが望ましい。
図1は本願発明の断熱材の製造方法を実施するために用いた製造設備の概略構成を示す図である。
(分離古紙の組成)
ドライベースの古紙成分 :100重量部(44重量%)
石膏二水塩 : 90重量部(40重量%)
水分 : 36重量部(16重量%)
1)ホウ酸(H3BO3) :7重量%
2)ホウ砂(B5O8・4H2O) :13重量%
3)ホウ酸カリウム(K2B4O7) :20重量%
の割合で、かつ、上記の順に、約50℃の水に溶解することにより、難燃・防虫剤水溶液(ホウ素化合物水溶液)とした。
この難燃・防虫剤水溶液(ホウ素化合物水溶液)は30℃以上の温度に保温し、撹拌することによりホウ素化合物の析出のない水溶液状態に保持することができた。
次に、上記設備を用いて断熱材を製造する方法について説明する。
なお、解繊工程において解繊古紙から脱落(粉落ち)した石膏二水塩は分離して、断熱材原料として循環使用したり、石膏ボードの原料としてリサイクルしたりすることができる。
また、乾式解繊を行った後の石膏二水塩を含む解繊古紙のカサ密度(見かけ密度)が、0.02〜0.04g/cm3となるように乾式解繊を行うことにより、その後に、ホウ素化合物水溶液(難燃・防虫剤水溶液)を添加して混合するだけで、カサ密度が0.05〜0.15g/cm3の範囲にあって、必要な断熱性能を備えた断熱材を効率よく製造することが可能になる。
上記実施例において、ホウ素化合物水溶液(難燃・防虫剤水溶液)の割合(すなわち、ホウ酸(H3BO3)、ホウ砂(B5O8・4H2O)、およびホウ酸カリウム(K2B4O7)の合計量)が、外掛けで、3重量%、7重量%、10重量%となるように、解繊古紙に添加し、均一に混合した断熱材(試料)について、防虫試験および防火試験を行った。
すなわち、長さ100mm、内径20mm、肉厚1mmのガラス管の一方に粘着テープを貼り付け、誘引用ダニ未接種培地0.01gを均一に広げて付着させた後、この端から5mmの厚さにダニ計数用綿0.025gを入れ、さらに0.4gの防ダニ加工試料を20mmの厚さに詰め込み、合計の厚さを25mmとした。
防虫試験の結果を表1に示し、防火試験の結果を表2に示す。
なお、表1に示したホウ素化合物水溶液(難燃・防虫剤水溶液)を添加した各試料については、防カビ性を備えていることも確認されている。
なお、ドライベースの古紙成分100重量部に対して、ホウ素を3重量部程度まで増やすことにより、防虫、防火性能をさらに向上させることが可能であるが、それ以上にホウ素の割合を増やしても、いたずらに薬剤コストの増大を招くことになるため、本願発明においては、ホウ素の配合割合を、ドライベースの古紙成分に100重量部に対して、1〜3重量部の範囲とすることが望ましい。
したがって、本願発明は、古紙を利用した断熱材およびその製造に関する分野に広く利用することが可能である。
2 破砕機
3 乾式解繊機
4 ホウ素化合物溶解槽
5 添加・混合手段
6 ストック槽
7 圧縮梱包器
8 成形機
Claims (10)
- (a)ドライベースの解繊古紙100重量部と、
(b)石膏二水塩50〜100重量部と、
(c)ホウ素(B)として1〜3重量部のホウ素化合物と
を含有する断熱材であって、
ホウ酸(H3BO3)、ホウ砂(B5O8・4H2O)、および、ホウ酸カリウム(K2B4O7)を、
ホウ酸(H3BO3):7重量%、
ホウ砂(B5O8・4H2O):13重量%、
ホウ酸カリウム(K2B4O7):20重量%
となるような割合で水に溶解したホウ素化合物水溶液を添加することにより、前記ホウ素(B)が1〜3重量部の割合で配合されており、
断熱性能として、熱伝導率:約0.030kcal/mh℃の要件を満たし、かつ、
防虫性能として、インテリアファブリクス性能評価協議会指定のガラス管法B法による忌避率;50%以上の要件を満たすものであること
を特徴とする断熱材。 - 前記解繊古紙が、廃石膏ボードから分離された分離古紙を解繊した解繊古紙を含むものであることを特徴とする請求項1記載の断熱材。
- 前記石膏二水塩が、廃石膏ボードから分離した廃石膏を含むものであることを特徴とする請求項1または2記載の断熱材。
- カサ密度が0.05〜0.15g/cm3の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の断熱材。
- 長さおよび幅が500mm以下、厚みが30〜100mmのマット状に成形されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の断熱材。
- 断熱性能として、熱伝導率:約0.030kcal/mh℃の要件を満たし、かつ、
防虫性能として、インテリアファブリクス性能評価協議会指定のガラス管法B法による忌避率;50%以上の要件を満たす断熱材を製造する方法であって、
ドライベースの古紙成分100重量部に対し石膏二水塩が50〜100重量部の割合で添加された状態で古紙を乾式解繊する解繊工程と、
前記解繊工程において解繊された解繊古紙に、
ホウ酸(H3BO3)、ホウ砂(B5O8・4H2O)、および、ホウ酸カリウム(K2B4O7)を、
ホウ酸(H3BO3):7重量%、
ホウ砂(B5O8・4H2O):13重量%、
ホウ酸カリウム(K2B4O7):20重量%
となるような割合で水に溶解したホウ素化合物水溶液を、解繊古紙中のドライベースの古紙成分100重量部に対し、ホウ素(B)の添加量が1〜3重量部となるような割合で添加して混合する添加・混合工程と
を具備することを特徴とする断熱材の製造方法。 - 断熱性能として、熱伝導率:約0.030kcal/mh℃の要件を満たし、かつ、
防虫性能として、インテリアファブリクス性能評価協議会指定のガラス管法B法による忌避率;50%以上の要件を満たす断熱材を製造する方法であって、
廃石膏ボードから分離した、ドライベースの古紙成分100重量部に対し石膏二水塩を50〜100重量部の割合で含有する分離古紙を乾式解繊する解繊工程と、
前記解繊工程において解繊された解繊古紙に、
ホウ酸(H3BO3)、ホウ砂(B5O8・4H2O)、および、ホウ酸カリウム(K2B4O7)を、
ホウ酸(H3BO3):7重量%、
ホウ砂(B5O8・4H2O):13重量%、
ホウ酸カリウム(K2B4O7):20重量%
となるような割合で水に溶解したホウ素化合物水溶液を、解繊古紙中のドライベースの古紙成分100重量部に対し、ホウ素(B)の添加量が1〜3重量部となるような割合で添加して混合する添加・混合工程と
を具備することを特徴とする断熱材の製造方法。 - 前記乾式解繊を行った後の石膏二水塩を含む解繊古紙のカサ密度が、0.02〜0.04g/cm3となるように前記乾式解繊を行うことを特徴とする請求項6または7記載の断熱材の製造方法。
- 前記乾式解繊を行うにあたって、
破砕後の紙片を通過させる通過孔として、直径が15〜30mmの通過孔を有するスクリーンを備えた破砕機を用いて古紙の破砕を行った後、
解繊後の解繊古紙を通過させる通過孔として、直径が3〜10mmの通過孔を有するスクリーンを備えた乾式解繊機を用いて、前記破砕機により破砕された古紙の乾式解繊を行うこと、
を特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の断熱材の製造方法。 - 請求項6〜9のいずれかに記載の方法により製造された断熱材を、長さおよび幅が500mm以下、厚みが30〜100mm、カサ密度が0.05〜0.15g/cm3のマット状に成形することを特徴とする断熱材の製造方法。
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