JP4064982B2 - 洗浄装置及びそれを用いた洗浄方法 - Google Patents

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Description

本発明は、酵素水を適温に加熱すると共に、適度な圧力で放水したり、ブラッシングしたりすることにより、食品の加工場や厨房等の床面に付着した油脂分や有機物を酵素の働きで分解でき、ぬめりを取除いて床面を清潔に保つことができる洗浄装置及びそれを用いた洗浄方法に関する。
従来、食品の加工工場や食品を扱う店舗内の消臭、上記施設の床やU字溝内の汚れの分解、上記施設内外のグリストラップの汚れの分解等の作業は、一般に洗剤と水とを用いてブラッシング作業をすることによって行なわれている。
また、洗浄作業の省力化のために高圧のジェット水流を利用して汚れを除去することも行なわれている。
更に、定期的な殺菌剤の散布による消毒も行なわれている。
しかしながら上記作業においては、付着した油脂分の除去に多大な労力を必要とし、洗浄作業に手間がかかると共に、水の使用量が膨大なものとなり、省資源性に欠けるという問題点があった。また、強力な洗剤や殺菌剤を使用した場合の安全性や浄化設備への負荷の増大等の問題点があった。
これらの問題点を改善するために、例えば(特許文献1)には「原水中に複合微生物製剤を投入する培養部と、上記培養部から放出された酵素液を貯留し、目的とする配管系へ放出する酵素タンクと、上記酵素タンクに対する給配水手段と、上記培養部および/または酵素タンクへのエア供給手段と、上記給配水手段およびエア供給手段の自動制御機構とを有する酵素供給システム」が開示されている。
また、(特許文献2)には「高圧水に脂肪分解酵素を主剤とする所要量の生化学的処理剤を加えて噴射させることを特徴とした排水管内のクリーニング方法」が開示されている。
(特許文献3)には「液体微生物製剤をバイオ増殖タンクに滴下して大量の微生物酵素を発生させ、得られた酵素水をグリストラップまたは動植物性廃油、タンパク質、デンプン等を含む有機物汚染現場に添加または接触させて、有機物を分解させることからなる動植物性廃油等を含む汚染物の処理方法」が開示されている。
特開平7−51048号公報 特許第3015065号号公報 特開2000−325938号公報
しかしながら、上記従来の技術では、以下のような課題を有していた。
(1)(特許文献1)では、全ての工程が自動的に行われるが、構成が複雑で装置が大型化するため、設置場所が限定され汎用性に欠けるという課題を有していた。また、酵素水を加熱する加熱手段を有していないので、酵素の働きが不十分で洗浄性に欠けるという課題を有していた。更に、酵素水の排水時に圧力をかけて放水する手段や移動手段を有していないので、設置場所の隅々まで酵素水を放水することができず、放水できる範囲が限られてしまい、汎用性、洗浄作業性に欠けるという課題を有していた。
(2)(特許文献2)では、噴射圧力が80kg/cm2と高く、噴射水量も20L/minと多いので、省資源性に欠けるという課題を有していた。また、排水管内の洗浄を目的としているため、噴射による推力でホースの先端に取り付けられ噴射口部が自転するようになっており、高圧水が周囲に飛び散ってしまうため、床面の洗浄には不向きで汎用性に欠けるという課題を有していた。更に、酵素水の温度が25℃と低いため、酵素の働きが不十分で洗浄性に欠けるという課題を有していた。
(3)(特許文献3)では、全ての工程が自動的に行われるが、構成が複雑で装置が大型化するため、設置場所が限定され汎用性に欠けるという課題を有していた。酵素水の排水時に圧力をかけて放水する手段や移動手段を有していないので、設置場所の隅々まで酵素水を放水することができず、放水できる範囲が限られてしまい、汎用性、洗浄効率に欠けるという課題を有していた。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、簡単な構成で小型、軽量で設置自在性に優れ、酵素水を適温に加熱することができ、酵素の働きを十分に利用して食品の加工場や厨房等の床面に付着した油脂分や有機物を短時間で分解できると共に、酵素水を適度な圧力で放水したり、ブラッシングしたりすることにより、床面を満遍なく効率的に洗浄して強固な付着物を確実に除去することができ汎用性、洗浄作業性、信頼性に優れる洗浄装置の提供及び床面やU字溝、それに繋がるグリストラップ等の悪臭を低減して清潔に保つことができ、害虫等の発生を防ぐことができ衛生的に優れ、床面のぬめりを除去して作業者の転倒を防止でき安全性に優れ、使用する酵素水の量を低減することができ効率性、省資源性に優れる洗浄方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するために本発明の洗浄装置及びそれを用いた洗浄方法は、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載の洗浄装置は、酵素水が収容される貯留タンクと、前記貯留タンクに連設され前記酵素水を加熱する加熱部と、前記貯留タンクに連設されたポンプと、前記ポンプに接続され前記酵素水を放水する放水部と、前記ポンプ又は前記放水部に配設され前記酵素水の放水圧力を調整する圧力調整部と、を有し、前記放水部が、(a)放水管の先端に配設された噴射カバーと、(b)前記噴射カバーの内部で前記放水管と連通し前記噴射カバーの下面側に開口した噴射口と、(c)一端が前記放水管の先端に連通し他端が前記噴射カバーの内部に開口して形設された連通ノズルと、(d)前記噴射カバーの内部に水平に配設され両端が前記噴射カバーに遊嵌されて回動自在に軸支された回動軸と、前記連通ノズルに対向し前記回動軸に形設された駆動水車と、前記駆動水車の左右の前記回動軸の外周に左右の螺旋が逆向きになるように植設された線毛材と、を有するブラシと、を備えた洗浄ブラシ部を有し、前記圧力調整部による前記酵素水の放水圧力が400kPa〜700kPaである構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)酵素水が収容される貯留タンクと、貯留タンクに連設され酵素水を加熱する加熱部と、を有することにより、貯留タンク内に収容される酵素水を適温に加熱することができ、酵素の働きを十分に利用して短時間で油脂分や有機物等の付着物を分解することができ、洗浄性を向上させることができる。
(2)貯留タンクに連設されたポンプと、ポンプに接続され酵素水を放水する放水部と、を有することにより、貯留タンク内で加熱された酵素水を直ちに適温を保った状態で放水部から放水することができ、酵素の作用で効率よく短時間で洗浄作業を行うことができる。
(3)ポンプ又は放水部に酵素水の放水圧力を調整する圧力調整部を有することにより、汚れ具合や付着物の量等に応じて容易に放水圧力を調整することができ、無駄なく確実に洗浄作業を行うことができる。
(4)圧力調整部を有することにより、酵素水に圧力をかけて放水することができるので、酵素水を床面の隅々まで行き渡らせることができ、酵素水を撒くだけでは取除くことができなかった強固な蛋白質や油脂分等の付着物も効率的に分解して取除くことができ、作業性、信頼性に優れる。
(5)酵素水を用いて洗浄を行うことにより、蛋白質や油脂分等を短時間で分解することができ、床面のぬめりを除去して作業者の転倒等を防止できると共に、悪臭を取除くことができ、床面を衛生的に保ってゴキブリ等の害虫の発生を防止することができる。
(6)酵素水を用いて洗浄を行うことにより、蛋白質や油脂分等を分解することができるので、浄化設備への負荷を低減できると共に、環境に優しく安全性に優れる。
(7)圧力調整部で酵素水の放水圧力を400kPa〜700kPaにすることにより、酵素水が床面の凹凸や隙間等にも入り込むことができ、こびりついた強固な蛋白質や油脂分等を確実に分解することができると共に、放水圧力が従来の高圧洗浄の圧力の1/10〜1/20程度に抑えられ、酵素水の使用量を1/3〜1/5程度に低減でき、洗浄の効率性、省資源性に優れる。
(8)放水部が、放水管の先端に配設された噴射カバーの内部で放水管と連通し、噴射カバーの下面(床面)側に開口した噴射口を有する洗浄ブラシ部を備えているので、放水管から放水された酵素水を周囲に飛び散らせることなく、床面に向かって効率よく放水させることができる。
(9)洗浄ブラシ部が、噴射カバーの内部に配設されたブラシを備えているので、放水管から酵素水を放水しながらブラシで床面をブラッシングすることができ、床面にこびり付いた強固な汚れを効果的に除去することができる。
(10)洗浄ブラシ部の噴射口が噴射カバーの下面側に開口しているので、ブラシで床面をブラッシングしても酵素水が周囲に飛び散ることがなく衛生的で取扱い性に優れる。
(11)噴射カバーに回動自在に軸支された回動軸の外周に線毛材を植設してブラシを形成することにより、洗浄ブラシ部を前後動させてブラッシングを行う際に、回動軸を回動させることができ、線毛材による汚れの掻き落しを効率的に行うことができる。
(12)線毛材を螺旋状に植設することにより、線毛材と線毛材との間に酵素水の通り道が形成されるので、酵素水の流れがよくなり、洗浄効率を高めることができる。また、線毛材と床面との接触面積を減少させることができるので、ブラシを回動させる際の摩擦抵抗を低減させることができ省エネルギー性、施工性に優れる。
(13)洗浄ブラシ部が、一端が放水管の先端に連通し他端が噴射カバーの内部に開口して形設された連通ノズルを有し、ブラシの回動軸に連通ノズルに対向して駆動水車が形設されているので、放水管から連通ノズルを通って噴射カバーの内部に噴射された酵素水が、駆動水車に当たってブラシの回動軸を回動させることができ、特別な動力を用いることなく効率的にブラシによる汚れの掻き落しを行うことができる。
ここで、加熱部としては液体の加熱が可能なものであればよく、ステンレス等の金属で形成されたパイプヒータ、フランジ型ヒータ、プラグヒータ、ねじ込みヒータ等を用いたものを好適に用いることができる。加熱部を貯留タンクに着脱自在にした場合、容易に交換することができ、メンテナンス性に優れる。
加熱部に貯留タンク内の酵素水の温度が設定温度に達したことを音や光等で知らせるアラーム機能を備えた場合、酵素水を必要以上に加熱することがなく、適温の酵素水を放水することができ、省資源性、安全性、洗浄の効率性に優れる。また、加熱部にタイマーを設けて予め加熱時間を設定することや、温度センサを設けて設定温度に達した際に自動的に加熱を停止することにより、確実に必要以上の加熱を防止でき、機能性、信頼性に優れる。
また、加熱部に温度調整部を備えることにより、酵素の種類に応じて酵素水の加熱温度を最適に調整することができる。酵素の分解性能を有効に利用することができるので、汎用性、洗浄効率を向上させることができる。さらに、温度調整部で加熱温度以外に加熱時間を設定できるようにした場合、より細かい加熱条件を設定することができ、汎用性、機能性に優れる。
貯留タンクに酵素水を撹拌する撹拌機を備えた場合、短時間で確実に酵素と水を混合させることができ、生産性、信頼性に優れる。尚、撹拌機はモータ等の駆動部により自動で撹拌するものでもよいし、手動で撹拌するものでもよい。
放水部は放水管の先端に噴射ノズル部を備えたものが好適に用いられる。また、噴射ノズル部の近傍に放水の開始と停止を切替える操作部を有する場合、手元で容易に操作を行うことができ、作業性に優れる。先端の噴射ノズル部が放水管に対し着脱自在に接続されている場合、ノズル径の異なる噴射ノズル部と交換することにより、酵素水の放水量や放水圧力を変更することができ、汎用性に優れる。また、ノズル詰まりが発生した際に容易に噴射ノズル部を交換することや、ノズルの清掃を行うことができ、メンテナンス性に優れる。ノズルとしては、複数の円形状や扁平な直線状等に形成されたものが好適に用いられる。
噴射ノズル部のノズルの形状を床面と平行方向に扁平な直線状に形成した場合、酵素水の放水圧力を高めることができると共に、酵素水を広範囲に拡散させて放水することができ、洗浄時間を短縮することができ、洗浄効率、洗浄作業性に優れる。また、ノズルを水平方向(噴射ノズル部の軸線方向)に対し床面側に10度〜30度の傾斜角で形成した場合、放水部の先端側(噴射ノズル部)を若干、床面側に傾けて保持するだけの楽な姿勢で床面に効率的に放水を行うことができ、作業者の負担を軽減でき、洗浄作業性を向上させることができる。特に、放水方向と床面がなす角は50度〜80度が好ましい。放水方向と床面がなす角が50度より小さくなるにつれ酵素水が床面に衝突する際の圧力が低下し、80度より大きくなるにつれ酵素水と床面との接触面積が低下し、いずれも洗浄効率が低下する傾向があり好ましくない。
また、噴射ノズル部の外周を覆うように傘状等に形成されたカバー部を設けた場合、ノズルから放水された酵素水が周囲に飛び散るのを防止でき、洗浄の効率性、安全性に優れる。
噴射ノズル部に流量調整部を有する場合、必要に応じて酵素水の放水圧力や放水量を調整することができるので、効率的に洗浄作業を行うことができ汎用性、実用性に優れる。
放水管の材質としては、軽量で軟質性の合成樹脂等が好適に用いられるが、特に酵素水の加熱温度以下で軟化などの変質が発生しないものを選択することが好ましい。作業者が軽量な放水部のみを持って移動しながら洗浄作業を行うことができ、物陰などの隠れた場所にも容易に酵素水を放水することができるので、床面を隅々まで確実に洗浄することができ、洗浄作業性に優れる。また、不使用時には放水部を巻き取る等してコンパクトにまとめて収納することができ、設置スペースを低減することができる。特に、放水管が可撓性や伸縮性を有する場合、取扱いが容易で洗浄及び収納の作業性を向上させることができる。
装置の運搬、移動を容易にするために、装置本体の底部にキャスターを設けることが好ましい。これにより、広い工場や厨房内で装置を自在に移動させることができ、床を隅々まで確実に洗浄することができ、実用性、機能性に優れる。尚、キャスターにストッパーを設けた場合、使用時に装置本体が動かないように固定することができ、信頼性に優れる。
貯留タンクの底面側には、酵素水を抜き取るための排水コックを備えることが好ましい。これにより、貯留タンク内に残った酵素水を完全に抜き取ることができると共に、貯留タンク内の洗浄を容易に行うことができ、衛生的でメンテナンス性、信頼性に優れる。
一種類の酵素は一種類の基質にしか反応しないので、複数種類の付着物(有機物)を分解するためには、複数種類の酵素を使用する必要がある。油分分解酵素のリパーゼ、蛋白質分解酵素のプロテアーゼ、でんぷん分解酵素のアミラーゼ、植物繊維分解酵素のペクチナーゼ、繊維質分解酵素のセルラーゼ、糖質分解酵素のベータグルカナーゼ、多糖類分解酵素のヘミセルラーゼ等を好適に用いることができる。酵素の種類は付着物の種類によって選択することができ、それぞれを単独で用いてもよいし、複数種類を混合して用いてもよい。また、酵素水の中に前述の酵素を発生する微生物郡を同時に配合した場合、より多くの酵素を発生させることができ、分解性能を向上させることができる。さらに、酵素阻害性の低いポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩等の界面活性剤を混ぜてもよい。酵素の働きを低下させることなく、洗浄能力を向上させることができ、酵素で分解できない汚れも効率的に取除くことができ、汎用性、実用性に優れる。また、皮膚にも優しいので、作業者の肌荒れ等も発生し難く取扱い性に優れる。
加熱部で酵素水を25℃〜60℃、好ましくは30℃〜45℃に加熱することにより、酵素を活発に働かせることができ蛋白質や油脂分等の付着物を確実に分解でき、洗浄効率を向上させることができる。
酵素水の加熱温度が30℃より低くなるか45℃より高くなるにつれ酵素の働きが低下し、分解性能が低下し易くなる傾向があり、特に25℃より低くなるにつれ酵素の働きが不十分になり、分解性能が著しく低下し、洗浄時間が長くなって効率性が低下する傾向があり、60℃より高くなるにつれ酵素が変性、失活し易くなる傾向があり、いずれも好ましくない。
また、酵素水の放水圧力が400kPaより低くなるにつれ酵素水が床面に衝突する際の圧力が低下し、床面の凹凸や隙間等に十分に酵素水を行き渡らせることが困難になり、こびりついた強固な蛋白質や油脂分等の付着物を分解し難くなって、洗浄効率が低下し易くなる傾向があり、700kPaより大きくなるにつれ酵素水の使用量が増加し省資源性に欠けると共に、酵素水が周囲に飛び散って床面以外に付着し、作業効率が低下し易くなる傾向があり、いずれも好ましくない。
尚、圧力は流速の二乗に比例し、流量が流速に比例するので、圧力を1/10〜1/20程度に抑えた場合、酵素水の使用量を1/3〜1/5程度まで低減できる。
ここで、洗浄ブラシ部は放水管の先端に着脱自在に配設することが好ましい。前述の噴射ノズル部により高圧で酵素水を噴射し床面に叩きつけて洗浄する方法と、洗浄ブラシ部により酵素水を噴射しながらブラシで床面をブラッシングして汚れを擦り落とす方法とを汚れの種類等に応じて選択することができ汎用性に優れるためである。特に、洗浄ブラシ部を用いて洗浄を行う場合には、酵素阻害性の少ないポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩等の界面活性剤を酵素水に混ぜて使用してもよい。作業者の足跡などのように酵素で分解できない汚れやブラッシングだけでは擦り落とすことができない汚れも確実に取除くことができ、洗浄性能を向上させることができる。
ブラシの先端が、噴射カバーの下面側に開口した噴射口から若干、突出するようにブラシを配設することにより、確実にブラシを床面に当接させて汚れを擦り落とすことができる。
噴射カバーは中空状に形成され内部にブラシが配設される。ブラシの上方や前後等に噴射カバーとの隙間を設けることにより、酵素水の通り道が形成され、噴射口全体から酵素水を噴射しながらブラッシングを行うことができる。また、ブラシの線毛材が植設された基部の要所に通水口を穿設してもよい。ブラシの線毛材と線毛材の間から酵素水を噴射させながら効率的にブラッシングすることができるためである。
ブラシは噴射カバーに対して着脱自在に配設することが好ましい。ブラシが破損したり、ブラシの線毛材が摩耗したりした際に、ブラシのみを交換することができメンテナンス性に優れるためである。
ブラシは回動軸の両端を噴射カバーに遊嵌し、作業者の前後動に合わせて回動するようにしてもよいし、モータ等の駆動部により自動で回動するようにしてもよい。駆動部により回動軸を駆動した場合、洗浄ブラシ部を床面に押し当てるだけでブラッシング作業を行うことができ、また汚れを掻き落とす力も向上させることができ、洗浄の作業性、効率性に優れる。
ブラシの線毛材は、回動軸の外周に全面に渡って植設しても良いし、回動軸の長手方向と平行或いは直交方向に所定間隔で帯状に植設したり、螺旋状に植設したりしてもよい。線毛材を所定間隔を空けて帯状に植設したり、螺旋状に植設したりすることにより、線毛材と線毛材との間に酵素水の通り道が形成されるので、酵素水の流れがよくなり、洗浄効率を高めることができる。また、線毛材と床面との接触面積を減少させることができるので、ブラシを回動させる際の摩擦抵抗を低減させることができ省エネルギー性、施工性に優れる。
ここで、駆動水車はブラシの回動軸の長手方向の略中央に設けることが好ましい。連通ノズルから噴射される酵素水の噴射力を有効に利用して回動軸を確実に回動させるためである。
連通ノズルは、駆動水車を駆動するのに十分な動力が得られるように先端を絞ると共に、駆動水車の羽根に正面から確実に酵素水が当たるように角度と位置を選択する。連通ノズルから噴射される酵素水を動力として用いるので、前述のモータ等の駆動部が不要で洗浄ブラシ部の構造を簡素化、軽量化でき、生産性、取扱い性に優れる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の洗浄装置であって、前記噴射カバーの前面又は下面に、床面に当接して汚れを掻き取る剥離機構を有する構成を有している。
この構成により、請求項1の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)剥離機構により、完全に汚れを掻き取ることができなくても、表面に傷をつけることで酵素水が浸透し易くなり、洗浄性を向上させることができる。
ここで、噴射カバーの前面や下面に、金属や硬質性の合成樹脂等で形成され、床面に当接して汚れを掻き取る剥離機構を設けてもよい。剥離機構の形状としては、平板でヘラ状に形成したものや、鋸歯のように突起状に形成したもの等が好適に用いられる。
貯留タンクから放水部の先端に至る管路の途中にクラスタ改質部を配設した場合、酵素水の分子集団を小さくし活性化することができるので、酵素水の浸透性を向上させることができ、床面の細かな凹凸や隙間等にも確実に酵素水を行き渡らせ、隅々まで確実かつ効率的に洗浄を行うことができる。
クラスタ改質部は酵素水の分子集団を小さくすることができるものであればよい。例えば、磁石或いは磁化した金属、ラシヒリング,ポールリング等の不規則充填物、セラミックフィルタ等の多孔質構造体等を管路の途中に充填若しくは配設することにより、管路を通過した酵素水のクラスタ改質を行うことができる。磁石や磁化した金属の形状としては、球状の他、矩形や円形等の環状等に形成されたものが好適に用いられる。特に表面積が大きく酵素水との接触面積を大きくすることができると共に、適度な隙間(酵素水の通り道)を形成でき充填率の高いものが好ましい。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の洗浄装置であって、食品の加工場や厨房の床面の洗浄に用いられる構成を有している。
この構成により、請求項1又は2の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)酵素の働きを十分に利用して食品の加工場や厨房等の床面に付着した油脂分や有機物を短時間で分解できると共に、酵素水を適度な圧力で放水したり、ブラッシングしたりすることにより、床面を満遍なく効率的に洗浄して強固な付着物を確実に除去することができ、ぬめりを取除いて床面を清潔に保つことができ、汎用性、洗浄作業性、信頼性に優れる。
(2)床面やU字溝、それに繋がるグリストラップ等の悪臭を低減して清潔に保つことができ、害虫等の発生を防ぐことができ衛生的に優れ、床面のぬめりを除去して作業者の転倒を防止でき安全性に優れ、使用する酵素水の量を低減することができ効率性、省資源性に優れる。
本発明の請求項4に記載の洗浄方法は、請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の洗浄装置の貯留タンクに貯留された前記酵素水を前記加熱部で25℃〜60℃に加熱する酵素水加熱工程と、前記圧力調整部により前記酵素水の放水圧力を400kPa〜700kPaに調整して前記放水部から放水する酵素水放水工程と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)酵素水加熱工程により、貯留タンクに貯留された酵素水を加熱部で25℃〜60℃に加熱することができるので、酵素の働きを十分に利用することができ、洗浄性を向上させることができる。
(2)酵素水放水工程により、圧力調整部で酵素水の放水圧力を400kPa〜700kPaに調整して放水部から放水することができるので、酵素水を床面の隅々まで行き渡らせることができ、酵素水を撒くだけでは取除くことができなかった強固な蛋白質や油脂分等も効率的に確実に分解して取除くことができる。
(3)圧力調整部で酵素水の放水圧力を400kPa〜700kPaに調整することができるので、汚れ具合や付着物の量等に応じて最適な放水圧力を設定でき、酵素水の使用量の無駄をなくして、効率的に洗浄作業を行うことができる。
(4)酵素水放水工程で酵素水を用いて洗浄を行うことにより、蛋白質や油脂分等を短時間で分解することができ、床面のぬめりを除去して作業者の転倒等を防止できると共に、悪臭を取除くことができ、床面を衛生的に保ってゴキブリ等の害虫の発生を防止することができる。
(5)酵素水放水工程で酵素水を用いて洗浄を行うことにより、蛋白質や油脂分等を分解することができるので、浄化設備への負荷を低減できると共に、環境に優しく安全性に優れる。
ここで、貯留タンクに酵素水を注入する工程は、人が手動で行ってもよいし、貯留タンクの注入口に流量センサ等を設けて自動で行ってもよい。
酵素水加熱工程は、手動或いは自動で行うことができる。手動の場合、作業者が直接、加熱温度や加熱時間を入力して設定することや、使用する酵素の種類や酵素水の量などに応じて予め用意されたメニューの中から加熱温度や加熱時間を選択すること等ができる。自動の場合、温度センサや液面センサ等を利用して酵素水の温度や量に応じて温度を適宜、調整することができ、常に酵素水の温度を略一定に保つことができ、信頼性に優れる。
酵素水の加熱温度を25℃〜60℃、好ましくは30℃〜45℃に調整することにより、酵素の種類に適した加熱温度に設定することができ、様々な付着物を確実に分解でき、汎用性、洗浄効率を向上させることができる。
また、酵素水加熱工程が酵素水撹拌工程を有する場合、酵素水を短時間で均一に加熱することができ、酵素水作製の作業性、信頼性に優れる。
放水圧力の調整は放水開始前だけでなく、放水途中に適宜、行えることが好ましい。これにより、場所によって異なる汚れ具合や付着物の量に即座に対応することができ、洗浄の作業性、効率性に優れる。特に放水部の先端側に圧力調整部を設けた場合、作業者が装置本体まで移動して放水圧力の調整を行う必要がなく、手元で容易に放水圧力を調整しながら作業を行うことができ、作業性を向上させることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の洗浄方法であって、前記ブラシで床面を擦って汚れを掻き落すブラッシング工程を備えた構成を有している。
この構成により、請求項4の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)ブラッシング工程により、ブラシで床面を擦って汚れを掻き落すことができるので、酵素水の噴射だけで取除くことができない床面にこびり付いた強固な汚れでも確実に除去することができる。
ここで、ブラッシング工程は酵素水を噴射しながら行う以外に、酵素水の噴射を止めて単独で行うこともできる。酵素水放水工程で酵素水を放水して洗浄作業をした後に、汚れが残っている箇所を集中的にブラッシングして清掃する際に、無駄な酵素水を消費することがなく実用性、作業性に優れる。
以上のように、本発明の洗浄装置及びそれを用いた洗浄方法によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)貯留タンクに連設された加熱部で貯留タンク内に収容される酵素水を適温に加熱することができ、酵素の働きを十分に利用して短時間で蛋白質や油脂分等の付着物を分解することができる洗浄性能に優れた洗浄装置を提供することができる。
(2)貯留タンクに連設されたポンプに放水部が接続されているので、貯留タンク内で加熱された酵素水を直ちに適温を保った状態で放水部から放水することができ、酵素の働きを効率よく利用することができ、短時間で洗浄できる洗浄作業性、効率性に優れた洗浄装置を提供することができる。
(3)ポンプ又は放水部に配設された圧力調整部により、汚れ具合や付着物の量等に応じて容易に放水圧力を調整することができ、無駄なく確実に洗浄作業を行うことができる効率性、省資源性に優れた洗浄装置を提供することができる。
(4)圧力調整部で酵素水に圧力をかけながら放水することにより、酵素水を床面の隅々まで行き渡らせることができ、酵素水を撒くだけでは取除くことができなかった強固な蛋白質や油脂分等も効率的に確実に分解して取除くことができる洗浄作業性、信頼性に優れた洗浄装置を提供することができる。
(5)酵素水を用いて洗浄を行うことにより、蛋白質や油脂分等を短時間で分解することができ、床面のぬめりを除去して作業者の転倒等を防止できると共に、悪臭を取除くことができ、床面を衛生的に保ってゴキブリ等の害虫の発生を防止することができる衛生的で信頼性に優れた洗浄装置を提供することができる。
(6)酵素水を用いて洗浄を行うことにより、蛋白質や油脂分等を分解することができるので、浄化設備への負荷を低減できると共に、環境に優しく安全性に優れた洗浄装置を提供することができる。
(7)圧力調整部で酵素水の放水圧力を400kPa〜700kPaにすることにより、酵素水が床面の凹凸や隙間等にも入り込むことができ、こびりついた強固な蛋白質や油脂分等を確実に分解することができると共に、放水圧力が従来の高圧洗浄の圧力の1/10〜1/20程度に抑えられていることで、酵素水の使用量を1/3〜1/5程度に低減できる洗浄の効率性、省資源性に優れた洗浄装置を提供することができる。
(8)洗浄ブラシ部のブラシが、下面(床面)側に開口した噴射口を有する噴射カバーで覆われているので、ブラシで床面をブラッシングする際に、放水管から放水される酵素水を周囲に飛び散らせることがなく、床面にこびり付いた強固な汚れを効果的に除去することができる衛生的で取扱い性、信頼性に優れた洗浄装置を提供することができる。
(9)噴射カバーに回動自在に軸支された回動軸の外周に線毛材を植設してブラシを形成することにより、洗浄ブラシ部を前後動させてブラッシングを行う際に、回動軸を回動させることができ、線毛材による汚れの掻き落しを効率的に行うことができる。
(10)線毛材を螺旋状に植設することにより、線毛材と線毛材との間に酵素水の通り道が形成されるので、酵素水の流れがよくなり、洗浄効率を高めることができる。また、線毛材と床面との接触面積を減少させることができるので、ブラシを回動させる際の摩擦抵抗を低減させることができ省エネルギー性、施工性に優れる。
(11)放水管から連通ノズルを通って噴射カバーの内部に噴射された酵素水の噴射力により、駆動水車を駆動してブラシの回動軸を回動させることができるので、洗浄ブラシ部の構造を簡素化、軽量化でき、特別な動力を用いることなくブラシによる汚れの掻き落しを行うことができる省エネルギー性、効率性に優れた洗浄装置を提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)剥離機構により、完全に汚れを掻き取ることができなくても、表面に傷をつけることで酵素水が浸透し易くなり、洗浄性を向上させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)酵素の働きを十分に利用して食品の加工場や厨房等の床面に付着した油脂分や有機物を短時間で分解できると共に、酵素水を適度な圧力で放水したり、ブラッシングしたりすることにより、床面を満遍なく効率的に洗浄して強固な付着物を確実に除去することができ、ぬめりを取除いて床面を清潔に保つことができ、汎用性、洗浄作業性、信頼性に優れる。
(2)床面やU字溝、それに繋がるグリストラップ等の悪臭を低減して清潔に保つことができ、害虫等の発生を防ぐことができ衛生的に優れ、床面のぬめりを除去して作業者の転倒を防止でき安全性に優れ、使用する酵素水の量を低減することができ効率性、省資源性に優れる。
請求項4に記載の発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)酵素水加熱工程により、酵素水を加熱部で25℃〜60℃に加熱し、酵素の働きを十分に利用することができ、洗浄性を向上させることができる効率性、信頼性に優れた洗浄方法を提供することができる。
(2)酵素水放水工程により、圧力調整部で酵素水の放水圧力を400kPa〜700kPaに調整して放水部から放水することができ、酵素水を撒くだけでは取除くことができなかった強固な蛋白質や油脂分等も効率的に取除くことができる洗浄性能、信頼性に優れた洗浄方法を提供することができる。
(3)圧力調整部で酵素水の放水圧力を400kPa〜700kPaに調整することで、汚れ具合や付着物の量等に応じた最適な放水圧力を設定でき、酵素水の使用量に無駄がなく、効率的で省資源性、実用性に優れた洗浄方法を提供することができる。
(4)酵素水放水工程で酵素水を用いて洗浄を行うことにより、蛋白質や油脂分等を短時間で分解することができ、床面のぬめりを除去して作業者の転倒等を防止できると共に、悪臭を取除くことができ、床面を衛生的に保ってゴキブリ等の害虫の発生を防止することができる衛生的で信頼性に優れた洗浄方法を提供することができる。
(5)酵素水放水工程で酵素水を用いて洗浄を行うことにより、蛋白質や油脂分等を分解することができるので、浄化設備への負荷を低減できると共に、環境に優しく安全性に優れた洗浄方法を提供することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項4の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)ブラッシング工程により、ブラシで床面を擦って汚れを掻き落すことができるので、酵素水の噴射だけで取除くことができない床面にこびり付いた強固な汚れでも確実に除去することができる信頼性、汎用性に優れた洗浄方法を提供することができる。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における洗浄装置について、以下図面を用いて説明する。
図1は本発明の実施の形態1における洗浄装置の要部破断模式側面図である。
図1中、1は本発明の実施の形態1における洗浄装置、2は洗浄装置1の貯留タンク、2aは貯留タンクの上面部に形成された酵素水等の注入口、3は貯留タンク2に収容された酵素水、4はステンレス等の金属で形成された渦巻き型のヒータ4aが貯留タンク2内の酵素水3に浸漬するように貯留タンク2に連設され酵素水3を加熱する加熱部、5は貯留タンク2に連設されたポンプ、6は圧力調整部5aを介してポンプ5に接続され酵素水3を放水する放水部、6aは合成樹脂製でホース状に形成され可撓性を有する放水部6の放水管、7は放水管6aに接続され先端の噴射ノズル部8からの放水の開始と停止を切替える放水部6の操作部である。
加熱部4は、貯留タンク2に対し着脱自在とした。これにより、加熱部4を容易に交換することができ、メンテナンス性に優れる。
加熱部4には、加熱温度以外に加熱時間を設定できる温度調整部を設けた。これにより、より細かい条件設定を行うことができ、汎用性、機能性に優れる。
尚、加熱部4に貯留タンク2内の酵素水3の温度が設定温度に達したことを音や光等で知らせるアラーム機能を備えた場合、酵素水3を必要以上に加熱することがなく、適温の酵素水3を放水することができ、省資源性、安全性、洗浄の効率性に優れる。
また、加熱部4にタイマーを設けて予め加熱時間を設定することや、温度センサを設けて設定温度に達した際に自動的に加熱を停止することもできる。この場合、必要以上の加熱を確実に防止でき、機能性、信頼性に優れる。
放水管6aは、可撓性を有する合成樹脂でホース状に形成した。これにより、床面に設置された様々な機器等を避けながら放水部6を移動させ、隅々まで洗浄作業を行うことができる。また、放水管6aの材質として、酵素水3の加熱温度以下で軟化などの変質が発生しないものを選択することにより、信頼性を確保した。
尚、放水管6aを蛇腹状やスパイラル状に形成した場合、伸縮性により必要に応じて容易に伸び縮みさせることができると共に、可撓性により自由に引き回すことができ、洗浄及び収納の作業性に優れる。洗浄装置1に放水管6aを巻き取って収容する放水管収容部を設けた場合、洗浄装置1の未使用時に放水管6aが邪魔になることが無くコンパクトに収納することができ省スペース性に優れる。
また、放水部6は噴射ノズル部8の近傍に操作部7を設け、作業者が手元で容易に放水の開始と停止の切替える操作を行えるようにし、作業性を向上させている。
噴射ノズル部8は操作部7に対し着脱自在に接続し、噴射ノズル部8に穿設されたノズル(図示せず)の径が異なる噴射ノズル部8との交換を可能にした。これにより、酵素水3の放水量や放水圧力を変更することができ、汎用性に優れると共に、ノズル詰まりが発生した際に容易に噴射ノズル部8を交換することや、ノズルの清掃を行うことができ、メンテナンス性に優れる。
噴射ノズル部8のノズルは床面と平行方向に扁平な直線状に形成した。これにより、酵素水3の放水圧力を高めることができると共に、酵素水3を広範囲に拡散させて放水することができ、洗浄時間を短縮することができ、洗浄効率、洗浄作業性に優れる。また、ノズルは水平方向(噴射ノズル部8の軸線方向)に対し床面側に10度〜30度の傾斜角で形成した。これにより、放水部6の先端側(噴射ノズル部8)を若干、床面側に傾けて保持するだけの楽な姿勢で床面に効率的に放水を行うことができ、作業者の負担を軽減し、洗浄作業性を向上させている。
洗浄装置1の運搬、移動を容易にするために、洗浄装置1の底部にキャスターを設けてもよい。これにより、広い工場や厨房内で洗浄装置1を自在に移動させることができ、床面を隅々まで確実に洗浄することができ、実用性、機能性に優れる。更に、キャスターにストッパーを設けた場合、使用時に洗浄装置1が動かないように固定することができ、信頼性に優れる。
また、貯留タンク2の底面部に酵素水3を抜き取るための排水コックを備えた場合、貯留タンク2内に残った酵素水3を完全に抜き取ることができると共に、貯留タンク2内の洗浄を容易に行うことができ、衛生的でメンテナンス性、信頼性に優れる。
更に、貯留タンク2に酵素水3を撹拌する撹拌機を備えた場合、短時間で確実に酵素と水3を混合させることができ、生産性、信頼性に優れる。
次に、本発明の実施の形態1における洗浄装置の変形例について、以下図面を用いて説明する。
図2は本発明の実施の形態1における洗浄装置の変形例を示す噴射ノズル部の要部断面側面図である。
図2における変形例が実施の形態1と異なるのは、噴射ノズル部8の外周に傘状に形成されたカバー部9を有する点である。
噴射ノズル部8の外周に傘状に形成されたカバー部9を有することにより、酵素水3が周囲に飛び散るのを防止して洗浄の効率性、安全性を向上させている。
以上のように形成された実施の形態1における洗浄装置を用いた洗浄方法について図面を用いて説明する。
まず、貯留タンク2の注入口から酵素水3を注入する。酵素水3は予め水に酵素を混ぜたものを注入してもよいし、水と酵素を別々に注入して容器内で混合してもよい。
酵素水3の酵素としては、油分分解酵素のリパーゼ、蛋白質分解酵素のプロテアーゼ、でんぷん分解酵素のアミラーゼ、植物繊維分解酵素のペクチナーゼ、繊維質分解酵素のセルラーゼ、糖質分解酵素のベータグルカナーゼ、多糖類分解酵素のヘミセルラーゼを使用し、前述の酵素を発生する微生物郡を同時に配合した。これにより、より多くの酵素を発生させ、分解性能を向上させている。
尚、酵素水の注入工程は、人が手動で行ってもよいし、貯留タンク2の注入口2aに流量センサ等を設け、別の酵素水供給手段(図示せず)等から自動で行ってもよい。
次に、酵素水加熱工程において、加熱部4のヒータ4aで酵素水3を適温まで加熱する。
酵素水加熱工程における加熱の開始や停止は、人が手動で行ってもよいし、温度センサや液面センサを利用して酵素水3の温度や量を監視しながら自動で行ってもよい。
手動の場合、作業者が直接、加熱温度や加熱時間を入力して設定することや、使用する酵素の種類や酵素水3の量などに応じて予め用意されたメニューの中から加熱温度や加熱時間を選択すること等ができる。
加熱部4が温度調整部を有する場合、酵素の種類や酵素水3の量などに応じて適宜、最適な加熱温度に調整することができ、汎用性に優れる。特に、温度センサを利用して酵素水3の温度をフィードバックし、自動的に加熱温度の調整を行うようにした場合、常に酵素水3の温度を略一定に保つことができ、信頼性に優れる。また、酵素水加熱工程が酵素水撹拌工程を有する場合、酵素水3を短時間で均一に加熱することができ、酵素水作製の作業性、信頼性に優れる。
酵素水3の加熱温度は30℃〜45℃にした。酵素水3の加熱温度が30℃より低くなるか45℃より高くなるにつれ酵素の働きが不十分になり、洗浄性能が低下し易くなる傾向があることがわかったためである。
次に、酵素水放水工程において、放水管6aの先端に接続された操作部7を操作しながら噴射ノズル部8から床面に対して酵素水3の放水を行う。
酵素水放水工程では、汚れ具合や付着物の量などに応じて最適な放水圧力に調整することができ、洗浄作業性に優れる。尚、放水圧力の調整は放水開始前だけでなく、放水途中に適宜、行えることが好ましい。これにより、場所によって異なる汚れ具合や付着物の量に即座に対応でき、洗浄の作業性、効率性に優れる。
本実施の形態では圧力調整部5aを洗浄装置1の本体近傍に設けたが、放水部6の先端側に圧力調整部5aを設けた場合、作業者が洗浄装置1の装置本体側まで移動して放水圧力の調整を行う必要がなく、手元で容易に放水圧力を調整しながら作業を行うことができ、作業性を向上させることができる。
酵素水3の放水圧力は400kPa〜700kPaにした。酵素水3の放水圧力が400kPaより低くなるにつれ酵素水3が床面に衝突する際の圧力が低下し、床面の凹凸や隙間等に十分に酵素水3を行き渡らせることが困難になり、こびりついた強固な蛋白質や油脂分等の付着物を分解し難くなって、洗浄効率が低下し易くなる傾向があり、700kPaより大きくなるにつれ酵素水3の使用量が増加し省資源性に欠けると共に、酵素水3が周囲に飛び散って床面以外に付着し、作業効率が低下し易くなる傾向があることがわかったためである。
なお、放水方向と床面がなす角は50度〜80度となるようにした。放水方向と床面がなす角が50度より小さくなるにつれ酵素水3が床面に衝突する際の圧力が低下し、80度より大きくなるにつれ酵素水3と床面との接触面積が低下し、いずれも洗浄効率が低下する傾向があることがわかったためである。
以上のように実施の形態1における洗浄装置によれば、以下の作用を有する。
(1)酵素水3が収容される貯留タンク2と、貯留タンク2に連設され酵素水3を加熱する加熱部4と、を有することにより、貯留タンク2内に収容される酵素水3を適温に加熱することができ、酵素の働きを十分に利用して短時間で付着物を分解することができ、洗浄性を向上させることができる。
(2)貯留タンク2に連設されたポンプ5と、ポンプ5に接続され酵素水3を放水する放水部6と、を有することにより、貯留タンク2内で加熱された酵素水3を直ちに適温を保った状態で放水部6から放水することができ、酵素の作用で効率よく短時間で洗浄作業を行うことができる。
(3)ポンプ5に酵素水3の放水圧力を調整する圧力調整部5aを有することにより、汚れ具合や付着物の量等に応じて容易に放水圧力を調整することができ、無駄なく確実に洗浄作業を行うことができる。
(4)圧力調整部5aを有することにより、酵素水3に圧力をかけて放水することができるので、酵素水3を撒くだけでは取除くことができなかった強固な蛋白質や油脂分等も効率的に取除くことができ、作業性、信頼性に優れる。
(5)酵素水3を用いて洗浄を行うことにより、蛋白質や油脂分等を短時間で分解することができ、床面のぬめりを除去して作業者の転倒等を防止できると共に、悪臭を取除くことができ、床面を衛生的に保ってゴキブリ等の害虫の発生を防止することができる。
(6)酵素水3を用いて洗浄を行うことにより、蛋白質や油脂分等を分解することができるので、浄化設備への負荷を低減できると共に、環境に優しく安全性に優れる。
(7)加熱部4を貯留タンク2に着脱自在に配設することにより、容易に交換することができ、メンテナンス性に優れる。
(8)噴射ノズル部8の近傍に放水の開始と停止を切替える操作部7を有することにより、手元で容易に操作を行うことができ、作業性に優れる。
(9)噴射ノズル部8のノズルの形状を床面と平行方向に扁平な直線状に形成することにより、酵素水3の放水圧力を高めることができると共に、酵素水3を広範囲に拡散させて放水することができ、洗浄時間を短縮することができ、洗浄効率、洗浄作業性に優れる。
(10)ノズルを水平方向(噴射ノズル部8の軸線方向)に対し床面側に10度〜30度の傾斜角で形成することにより、放水部6の先端側(噴射ノズル部8)を若干、床面側に傾けて保持するだけの楽な姿勢で床面に効率的に放水を行うことができ、作業者の負担を軽減でき、洗浄作業性を向上させることができる。
(11)噴射ノズル部8の外周を覆うように傘状等に形成されたカバー部9を設けた場合、ノズルから放水された酵素水3が周囲に飛び散るのを防止でき、洗浄の効率性、安全性に優れる。
(12)加熱部4に温度調整部を備えることにより、酵素の種類に応じて酵素水3の加熱温度を最適に調整することができ、酵素の分解性能を有効に利用することができ、汎用性、洗浄効率を向上させることができる。
(13)放水管6aがホース状に形成され可撓性を有することにより、物陰などの隠れた場所にも容易に酵素水3を放水することができ、床面を隅々まで確実に洗浄することができる。
(14)放水部6が、ホース状に形成され可撓性を有する放水管6aと、放水管6aの先端に配設された噴射ノズル部8と、を有するので、作業者が軽量な放水部6のみを持って移動しながら洗浄作業を行うことができ、洗浄作業性に優れる。
(15)放水管6aが可撓性を有することにより、不使用時には放水部6をコンパクトにまとめて収納することができ、設置スペースを低減することができる。
(16)放水部6の先端に噴射ノズル部8が配設されているので、ノズルで流量を絞って圧力をかけながら放水することができ、効率的に洗浄作業を行うことができる。
(17)加熱部4で酵素水3を30℃〜45℃に加熱することにより、酵素を活発に働かせることができ、洗浄効率を向上させることができる。
(18)酵素水3の放水圧力が400kPa〜700kPaであることにより、酵素水3が床面の凹凸や隙間等にも入り込むことができ、こびりついた強固な蛋白質や油脂分等を確実に分解することができると共に、放水圧力が従来の高圧洗浄の圧力の1/10〜1/20程度に抑えられていることで、酵素水の使用量を1/3〜1/5程度に低減でき、洗浄の効率性、省資源性に優れる。
実施の形態1における洗浄装置を用いた洗浄方法によれば、以下の作用を有する。
(1)予め洗浄に必要な量の酵素水3を貯留タンク2に注入することができるので、酵素水3の無駄をなくして効率的に洗浄作業を行うことができる。
(2)酵素水加熱工程により、加熱部4で酵素水3を加熱することができるので、酵素の働きを十分に利用することができ、洗浄性を向上させることができる。
(3)酵素水放水工程により、放水部6から圧力をかけながら酵素水3を放水することができるので、酵素水3を床面の隅々まで行き渡らせることができ、酵素水3を撒くだけでは取除くことができなかった強固な蛋白質や油脂分等の付着物も効率的に確実に分解して取除くことができる。
(4)酵素水放水工程で酵素水3を用いて洗浄を行うことにより、蛋白質や油脂分等を短時間で分解することができ、床面のぬめりを除去して作業者の転倒等を防止できると共に、悪臭を取除くことができ、床面を衛生的に保ってゴキブリ等の害虫の発生を防止することができる。
(5)酵素水放水工程で酵素水3を用いて洗浄を行うことにより、蛋白質や油脂分等を分解することができるので、浄化設備への負荷を低減できると共に、環境に優しく安全性に優れる。
(6)酵素水加熱工程において、加熱部4の温度調整部で酵素水3の加熱温度を25℃〜60℃、好ましくは30℃〜45℃に調整することにより、酵素の種類に適した加熱温度に設定することができ、様々な付着物を確実に分解でき、汎用性、洗浄効率を向上させることができる。
(7)酵素水加熱工程が酵素水撹拌工程を有する場合、酵素水3を短時間で均一に加熱することができ、酵素水作製の作業性、信頼性に優れる。
(8)酵素水放水工程において、圧力調整部5aで酵素水3の放水圧力を400kPa〜700kPaに調整することができるので、汚れ具合や付着物の量等に応じて容易に放水圧力を調整しながら洗浄作業を行うことができ、酵素水3の使用量に無駄がなく、効率性に優れる。
(9)酵素水3に酵素を発生する微生物郡を同時に配合することにより、より多くの酵素を発生させることができ、分解性能を向上させることができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2における洗浄装置について、以下図面を用いて説明する。尚、実施の形態1と同様のものには同一の符号を付して説明を省略する。
図3は実施の形態2における洗浄装置を示す要部破断模式側面図である。
図3において、実施の形態2における洗浄装置1aが実施の形態1と異なるのは、貯留タンク2とポンプ5を繋ぐ管路10の途中に配設されたクラスタ改質部10aを有する点と、放水部6bの放水管6aの先端に洗浄ブラシ部18が配設されている点である。尚、10bはクラスタ改質部10aを管路10に着脱自在に固定するための螺号式の接続部である。
クラスタ改質部10aには、管路10を通過する酵素水3の分子集団を小さくして活性化するために、磁石或いは磁化した金属、ラシヒリング,ポールリング等の不規則充填物、セラミックフィルタ等の多孔質構造体等を充填若しくは配設した。磁石や磁化した金属の形状は、球状の他、矩形や円形等の環状等に形成したものを用いた。これにより、表面積を大きくして酵素水3との接触面積を大きくすると共に、適度な隙間(酵素水の通り道)を形成でき充填率を高くしてクラスタ改質の効果を高めている。
また、クラスタ改質部10aは両端の接続部10bにより管路10と着脱自在とした。これにより、クラスタ改質部10aの中に充填或いは配設した充填物やフィルタ等を容易に交換することができるので、クラスタ改質効果を維持することができメンテナンス性、信頼性に優れる。
次に、洗浄ブラシ部の詳細について説明する。
図4は実施の形態2における洗浄装置の洗浄ブラシ部を示す要部断面図であり、図5は図4におけるA−A線断面矢視図である。
図4及び図5中、19は放水管6aの先端に配設された洗浄ブラシ部18の噴射カバー、19aは一端が放水管6aの先端に連通し他端が噴射カバー19の内部に開口して形設された連通ノズル、19bは噴射カバー19の内部で連通ノズル19aを介して放水管6aと連通し噴射カバー19の下面(床面)側に開口した洗浄ブラシ部18の噴射口、20は放水管6aと噴射カバー19との接続部に配設された止水用のOリング、21は放水管6aと噴射カバー19を着脱自在に固定する洗浄ブラシ部固定部、22は噴射カバー19の内部に配設された洗浄ブラシ部18のブラシ、22aは噴射カバー19に回動自在に軸支されたブラシ22の回動軸、22bは回動軸22aの外周に螺旋状に植設されたブラシ22の線毛材、23は連通ノズル19aに対向し回動軸22aの長手方向の略中央に形設された駆動水車、23aは回動軸22aの周りに放射状に配設された駆動水車23の羽根である。
放水管6aと洗浄ブラシ部18の噴射カバー19はOリングで止水し、洗浄ブラシ部固定部21で着脱自在に固定した。これにより、実施の形態1における操作部7を備えた噴射ノズル部8等と容易に交換することができるので、噴射ノズル部8により高圧で酵素水3を噴射し床面に叩きつけて洗浄する方法と、洗浄ブラシ部18により酵素水3を噴射しながらブラシ22で床面をブラッシングして汚れを擦り落とす方法とを汚れの種類等に応じて選択することができ汎用性に優れる。
尚、酵素水3には酵素阻害性の少ないポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩等の界面活性剤を混ぜて使用してもよい。これにより、作業者の靴底のゴム等が付着した足跡などのように酵素で分解できない汚れやブラッシングでは擦り落とすことができない強固な汚れも確実に取除くことができる。酵素の働きを低下させることなく、洗浄能力を向上させることができ、皮膚にも優しいので取扱い性に優れる。
ブラシ22の線毛材22b先端は、噴射カバー19の下面側に開口した噴射口19bから若干、突出するように配設した。これにより、確実に線毛材22bを床面に当接させて汚れを擦り落とすことができる。尚、噴射カバー19の前面や下面に、金属や硬質性の合成樹脂等で形成され、床面に当接して汚れを掻き取る剥離機構を設けてもよい。剥離機構の形状としては、平板でヘラ状に形成したものや、鋸歯のように突起状に形成したもの等が好適に用いられる。剥離機構により、完全に汚れを掻き取ることができなくても、表面に傷をつけることで酵素水3が浸透し易くなり、洗浄性を向上させることができる。
また、ブラシ22の線毛材22bは、回動軸22aの外周に螺旋状に植設した。これにより、線毛材22bと床面との接触面積を減少させることができるので、ブラシ22を回動させる際の摩擦抵抗を低減させることができ、噴射口19aから噴射される酵素水3の噴射力で確実にブラシ22を回動させて汚れを擦り落とすことができる。尚、線毛材22bは、螺旋状に植設する代りに、回動軸22aの長手方向と平行或いは直交方向に所定間隔で帯状に植設してもよい。これにより、線毛材22bと線毛材22bとの間に酵素水3の通り道が形成され、酵素水3の流れがよくなり、洗浄効率を高めることができる。
また、噴射口19aから噴射される酵素水3の噴射力を利用して回動軸22aを回動させる代りに、モータ等の駆動部により電力で回動するようにしてもよいし、回動軸22aの両端を噴射カバー19に遊嵌し、作業者の前後動に合わせて手動で回動するようにしてもよい。駆動部により回動軸22aを駆動した場合、洗浄ブラシ部18を床面に押し当てるだけでブラッシング作業を行うことができ、また汚れを掻き落とす力も向上させることができるので、洗浄の作業性、効率性に優れる。作業者の前後動に合わせて手動で回動軸22aを回動させる場合、駆動水車23や駆動部を設ける必要が無く、洗浄ブラシ部18の構造を簡素化、軽量化でき、生産性、取扱い性に優れる。尚、手動或いはモータ等の駆動部により、回動軸22aを回動させる場合は、ブラシ22の線毛材22bと床面との間に発生する摩擦抵抗の影響を受け難いので、回動軸22aの外周に全面に渡って線毛材22bを植設してもよい。
以上のように形成された実施の形態2における洗浄装置を用いた洗浄方法について説明する。
実施の形態2における洗浄装置を用いた洗浄方法が実施の形態1と異なるのは、ブラシ22で床面を擦って汚れを掻き落すブラッシング工程を有する点である。
酵素水放水工程において、連通ノズル19aから噴射された酵素水3の噴射力により駆動水車23が回動し、それに伴って回動軸22aが回動する。回動軸22aの外周には線毛材22bが植設されているので、噴射ノズル部18の噴射口19bを床面に押し当てるだけで、噴射口19bから酵素水3を噴射しながらブラシ22の線毛材22bで床面に付着した汚れを掻き落すことができる。
尚、ブラッシング工程は酵素水3を噴射しながら行う以外に、酵素水3の噴射を止めて手動で噴射ノズル部18を前後動させて単独で行うこともできる。酵素水放水工程で酵素水3を放水して洗浄作業をした後に、汚れが残っている箇所を集中的にブラッシングして清掃する際に、無駄な酵素水3を消費することがなく実用性、作業性に優れる。
以上のように実施の形態2における洗浄装置によれば、実施の形態1に加え、以下の作用を有する。
(1)放水部6bが、放水管6aの先端に配設された噴射カバー19の内部で放水管6aと連通し、噴射カバー19の下面(床面)側に開口した噴射口19bを有する洗浄ブラシ部18を備えているので、放水管6aから放水された酵素水3を周囲に飛び散らせることなく、床面に向かって効率よく放水させることができる。
(2)洗浄ブラシ部18が、噴射カバー19の内部に配設されたブラシ22を備えているので、放水管6aから酵素水3を放水しながらブラシ22で床面をブラッシングすることができ、床面にこびり付いた強固な汚れを効果的に除去することができる。
(3)洗浄ブラシ部18の噴射口19bが噴射カバー19の下面側に開口しているので、ブラシ22で床面をブラッシングしても酵素水3が周囲に飛び散ることがなく衛生的で取扱い性に優れる。
(4)ブラシ22が、噴射カバー19に回動自在に軸支された回動軸22aと、回動軸22aの外周に植設された線毛材22bとを備えているので、洗浄ブラシ部18を手動で前後動させるだけで回動軸22aを回動させてブラッシングを行うことができ、線毛材22bによる汚れの掻き落しを効率的に行うことができる。
(5)貯留タンク2とポンプ5との間にある管路10の途中にクラスタ改質部10aが配設されていることにより、酵素水3の分子集団を小さくし活性化することができるので、酵素水3の浸透性を向上させることができ、床面の細かな凹凸や隙間等にも確実に酵素水3を行き渡らせ、隅々まで確実かつ効率的に洗浄を行うことができる。
(6)酵素水3に酵素阻害性の少ないポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩等の界面活性剤を混ぜて使用した場合、酵素で分解できない汚れやブラシ22によるブラッシングでは擦り落とすことができない強固な汚れも確実に取除くことができ、洗浄性能を向上させることができる。
実施の形態1における洗浄装置を用いた洗浄方法によれば、実施の形態1に加え、以下の作用を有する。
(1)ブラッシング工程により、ブラシ22で床面を擦って汚れを掻き落すことができるので、酵素水3の噴射だけで取除くことができない床面にこびり付いた強固な汚れでも確実に除去することができる。
本発明は、簡単な構成で小型、軽量で設置自在性に優れ、酵素水を適温に加熱することができ、酵素の働きを十分に利用して食品の加工場や厨房等の床面に付着した油脂分や有機物を短時間で分解できると共に、酵素水を適度な圧力で放水したり、ブラッシングしたりすることにより、床面を満遍なく効率的に洗浄して強固な付着物を確実に除去することができ汎用性、洗浄作業性、信頼性に優れる洗浄装置の提供及び床面やU字溝、それに繋がるグリストラップ等を清潔に保つことができ、害虫等の発生を防ぐことができ衛生的に優れ、床面のぬめりを除去して作業者の転倒を防止でき安全性に優れ、使用する酵素水の量を低減することができ効率性、省資源性に優れる洗浄方法の提供を行うことができる。
本発明の実施の形態1における洗浄装置の要部破断模式側面図 本発明の実施の形態1における洗浄装置の変形例を示す噴射ノズル部の要部断面側面図 実施の形態2における洗浄装置を示す要部破断模式側面図 実施の形態2における洗浄装置の洗浄ブラシ部を示す要部断面図 図4におけるA−A線断面矢視図
符号の説明
1 本発明の実施の形態1における洗浄装置
2 貯留タンク
2a 注入口
3 酵素水
4 加熱部
4a ヒータ
5 ポンプ
5a 圧力調整部
6 放水部
6a,6b 放水管
7 操作部
8 噴射ノズル部
9 カバー部
10a クラスタ改質部
10b 接続部
18 洗浄ブラシ部
19 噴射カバー
19a 連通ノズル
19b 噴射口
20 Oリング
21 洗浄ブラシ部固定部
22 ブラシ
22a 回動軸
22b 線毛材
23 駆動水車
23a 羽根

Claims (5)

  1. 酵素水が収容される貯留タンクと、前記貯留タンクに連設され前記酵素水を加熱する加熱部と、前記貯留タンクに連設されたポンプと、前記ポンプに接続され前記酵素水を放水する放水部と、前記ポンプ又は前記放水部に配設され前記酵素水の放水圧力を調整する圧力調整部と、を有し、前記放水部が、(a)前記放水管の先端に配設された噴射カバーと、(b)前記噴射カバーの内部で前記放水管と連通し前記噴射カバーの下面側に開口した噴射口と、(c)一端が前記放水管の先端に連通し他端が前記噴射カバーの内部に開口して形設された連通ノズルと、(d)前記噴射カバーの内部に水平に配設され両端が前記噴射カバーに遊嵌されて回動自在に軸支された回動軸と、前記連通ノズルに対向し前記回動軸に形設された駆動水車と、前記駆動水車の左右の前記回動軸の外周に左右の螺旋が逆向きになるように植設された線毛材と、を有するブラシと、を備えた洗浄ブラシ部を有し、前記圧力調整部による前記酵素水の放水圧力が400kPa〜700kPaであることを特徴とする洗浄装置。
  2. 前記噴射カバーの前面又は下面に、床面に当接して汚れを掻き取る剥離機構を有することを特徴とする請求項1に記載の洗浄装置。
  3. 食品の加工場や厨房の床面の洗浄に用いられることを特徴とする請求項1又は2に記載の洗浄装置。
  4. 請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の洗浄装置の貯留タンクに貯留された前記酵素水を前記加熱部で25℃〜60℃に加熱する酵素水加熱工程と、前記圧力調整部により前記酵素水の放水圧力を400kPa〜700kPaに調整して前記放水部から放水する酵素水放水工程と、を有することを特徴とする洗浄方法。
  5. 前記ブラシで床面を擦って汚れを掻き落すブラッシング工程を有することを特徴とする請求項4に記載の洗浄方法。
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