JP4064452B2 - 蛋白質相互作用を検出するための相互作用補足系 - Google Patents
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Description
本発明は、蛋白質相互作用を検出する方法及び新規な蛋白質を単離する方法に関する。
発明の概要
一般的に、本発明は、蛋白質間相互作用を検出する方法を特徴とする。
したがって、一つの局面において、本発明は、第一の蛋白質が第二の蛋白質と物理的に相互作用できるか否かを判定する方法を特徴とする。この方法には、(a)(i)DNA結合蛋白質認識部位に機能的に連結したレポーター遺伝子、(ii)DNA結合蛋白質認識部位に特異的に結合することができる結合部位に共有結合する第一の蛋白質を含む第一の融合蛋白質を発現する第一融合遺伝子、及び(iii)遺伝子活性化部分に共有結合し構造的に抑制されている第二の蛋白質を含む第二の融合蛋白質を発現する第二融合遺伝子、を含む宿主細胞を提供すること、及び(b)第一蛋白質と第二蛋白質との間の相互作用の尺度として、レポーター遺伝子の発現を測定すること、が含まれる。
好ましくは、第二の蛋白質は、6アミノ酸以上60アミノ酸以下の長さの短いペプチドであるか、無作為に作成されたもしくは意図的に設計されたペプチド配列を含むか、又は例えばチオレドキシンもしくはチオレドキシン様分子などの構造抑制蛋白質への共有結合の結果構造的に抑制されている。第二の蛋白質が構造抑制蛋白質に共有結合する場合、本発明は、第二の蛋白質が、それの共有結合する構造抑制蛋白質の中に埋め込まれるポリペプチドを特徴とする。構造抑制蛋白質がチオレドキシンである場合、本発明はまた、第二の蛋白質のアミノ末端のシステイン残基とカルボキシ末端のシステイン残基の間のジスルフィド結合によって、構造的に抑制されている第二の蛋白質を含む付加的な方法も特徴とする。
別の局面において、本発明は、蛋白質の集団の中で相互作用する蛋白質を検出する方法を特徴とし、この方法には、(a)(i)DNA結合蛋白質認識部位に機能的に連結したレポーター遺伝子、及び(ii)DNA結合蛋白質認識部位に特異的に結合することができる結合部分に共有結合した試験用蛋白質を含む融合蛋白質を発現する融合遺伝子、を含む宿主細胞を提供すること、(b)遺伝子活性化部分に共有結合し構造的に抑制されている蛋白質の該集団の内の一つを含む第二の融合蛋白質を発現する第二融合遺伝子を宿主細胞に導入すること、及び(c)レポーター遺伝子の発現を測定すること、が含まれる。好ましくは、蛋白質の集団には、1アミノ酸から60アミノ酸長の短いペプチドが含まれる。
本発明はまた、無作為に作製された蛋白質の集合かもしくは意図的に設計されたペプチド配列であるか、又は構造抑制蛋白質に共有結合することによって構造抑制されている蛋白質の集団の中から相互作用する蛋白質を検出する方法を特徴とする。好ましくは、蛋白質の集団が、構造抑制蛋白質に共有結合することによって構造抑制されている場合には、該蛋白質集団は、構造抑制する蛋白質の中に埋め込まれている。本発明はさらに、構造抑制蛋白質がチオレドキシンである集団の中から相互作用する蛋白質を検出する方法を特徴とする。好ましくは、蛋白質の集団は、チオレドキシンの活性部位であるループの中に挿入されている。
本発明は、さらに、蛋白質集団のそれぞれが、該蛋白質のアミノ末端のシステイン残基とカルボキシ末端のシステイン残基の間のジスルフィド結合によって、構造的に抑制されている方法を特徴とする。
さまざまな局面の好ましい態様において、宿主細胞は酵母であり、及び/又はDNA結合ドメインはLexAであり、及び/又はレポーター遺伝子は発色反応又は細胞の生存能力によって評価される。
別の態様において、捕食蛋白質はCdk2又はRas蛋白質の配列であろう。
別の関連する局面において、本発明は、相互作用物質の候補を同定する方法を特徴とする。この方法には、(a)DNA結合蛋白質認識部位へ機能的に連結したレポーター遺伝子を提供すること、(b)DNA結合蛋白質認識部位に特異的に結合することができる結合部分に共有結合する第一の蛋白質を含む第一の融合蛋白質を提供すること、(c)遺伝子活性化部分に共有結合して、構造的に抑制されている、第一の該蛋白質と相互作用できる第二の蛋白質を含む第二融合蛋白質を提供すること、(d)相互作用物質候補を、該第一蛋白質及び/又は該第二蛋白質と接触させること、ならびに(e)該レポーター遺伝子の発現を測定すること、が含まれる。
本発明は、第一融合蛋白質が第一融合蛋白質を発現する第一融合遺伝子を提供することによって提供され、第二融合蛋白質が該第二融合蛋白質を発現する第二融合遺伝子を提供することによって提供される場合における相互作用物質の候補を同定する方法を特徴とする。(又は、レポーター遺伝子、第一融合遺伝子、及び第二融合遺伝子は、一本のDNA断片に含まれている。)
本発明はまた、相互作用物質候補を同定する方法であって、第一融合蛋白質及び第二融合蛋白質が該相互作用物質候補と接触する前に相互作用できるようにした方法、ならびに、関連する方法において、第一融合蛋白質及び相互作用物質候補が、該第二融合蛋白質と接触する前に相互作用できるようにした方法を特徴とする。
好ましい態様において、相互作用物質候補は、構造的に抑制されている。相互作用物質候補が拮抗物質であるときには、レポーター遺伝子の発現は減少する。相互作用物質候補が作用物質であるときには、レポーター遺伝子の発現は増加する。相互作用物質候補は、蛋白質、ポリヌクレオチド及び小さな分子からなる群より選択されるものである。さらに、相互作用物質候補は、cDNAライブラリー又は合成DNAライブラリーの一つによってコードされるものであってもよい。さらに、相互作用物質候補は、該第一融合蛋白質又は該第二融合蛋白質の変異体であってもよい。
関連する局面において、本発明は、各細胞が構造的に抑制された細胞内ペプチドをコードする組換えDNA分子をもち、集団中に100以上の異なった組換え分子があり、各分子が該集団の少なくとも一個の細胞に含まれている、真核細胞の集団を特徴とする。
好ましくは、細胞集団の中の細胞内ペプチドは、構造抑制蛋白質に共有結合しているために構造的に抑制されている。
好ましい態様において、細胞内ペプチドは、構造抑制蛋白質、好ましくは、チオレドキシンの中に埋め込まれる。及び/又は、細胞内ペプチドは、該第二蛋白質のアミノ末端のシステイン残基とカルボキシ末端のシステイン残基の間のジスルフィド結合によって構造的に抑制されている。及び/又は真核細胞集団は酵母の細胞であり、及び/又は組換えDNA分子は、さらに、該細胞内ペプチドに共有結合する遺伝子活性化部分をコードしており、及び/又は、細胞内ペプチドは、該真核細胞の内部の第二の組換え蛋白質と物理的に相互作用する。
別の局面において、本発明は、第一の蛋白質と第二の蛋白質との間の相互作用を測定する方法を特徴とする。この方法には、(a)DNA結合蛋白質認識部位へ機能的に連結したレポーター遺伝子を提供すること、(b)DNA結合蛋白質認識部位に特異的に結合することができる結合部分に共有結合する第一の蛋白質を含む第一の融合蛋白質を提供すること、(c)構造的に抑制され、遺伝子活性化部分に共有結合する第二の蛋白質を含む第二の融合蛋白質を提供すること、(d)レポーター遺伝子、第一融合蛋白質、及び第二融合蛋白質を結合させること、ならびに(e)レポーター遺伝子の発現を測定すること、が含まれる。
本発明は、さらに、第一融合蛋白質が第一融合蛋白質を発現する第一融合蛋白質遺伝子を提供することによって提供され、第二融合蛋白質が第二融合蛋白質を発現する第二融合遺伝子を提供することによって提供される、二つの蛋白質の間の相互作用を測定する方法を特徴とする。
さらに別の局面において、本発明は、配列Leu-Val-Cys-Lys-Ser-Tyr-Arg-Leu-Asp-Trp-Glu-Ala-Gly-Ala-Leu-Phe-Arg-Ser-Leu-Phe(配列番号:1)を含み、好ましくは、構造的に抑制されている蛋白質;配列Met-Val-Val-Ala-Ala-Glu-Ala-Val-Arg-Thr-Val-Leu-Leu-Ala-Asp-Gly-Gly-Asp-Val-Thr(配列番号:2)を含み、好ましくは、構造的に抑制されている蛋白質;配列Pro-Asn-Trp-Pro-His-Gln-Leu-Arg-Val-Gly-Arg-Val-Leu-Trp-Glu-Arg-Leu-Ser-Phe-Glu(配列番号:3)を含み、好ましくは、構造的に抑制されている蛋白質;配列Ser-Val-Arg-Met-Arg-Tyr-Gly-Ile-Asp-Ala-Phe-Phe-Asp-Leu-Gly-Gly-Leu-Leu-His-Gly(配列番号:9)を含み、好ましくは、構造的に抑制されている蛋白質;配列Glu-Leu-Arg-His-Arg-Leu-Gly-Arg-Ala-Leu-Ser-Glu-Asp-Met-Val-Arg-Gly-Leu-Ala-Trp-Gly-Pro-Thr-Ser-His-Cys-Ala-Thr-Val-Pro-Gly-Thr-Ser-Asp-Leu-Trp-Arg-Val-Ile-Arg-Phe-Leu(配列番号:10)を含み、好ましくは、構造的に抑制されている蛋白質;配列Tyr-Ser-Phe-Val-His-His-Gly-Phe-Phe-Asn-Phe-Arg-Val-Ser-Trp-Arg-Glu-Met-Leu-Ala(配列番号:11)を含み、好ましくは、構造的に抑制されている蛋白質;配列Gln-Val-Trp-Ser-Leu-Trp-Ala-Leu-Gly-Trp-Arg-Trp-Leu-Arg-Arg-Tyr-Gly-Trp-Asn-Met(配列番号:12)を含み、好ましくは、構造的に抑制されている蛋白質;配列Trp-Arg-Arg-Met-Glu-Leu-Asp-Ala-Glu-Ile-Arg-Trp-Val-Lys-Pro-Ile-Ser-Pro-Leu-Glu(配列番号:13)を含み、好ましくは、構造的に抑制されている蛋白質;配列Trp-Ala-Glu-Trp-Cys-Gly-Pro-Val-Cys-Ala-His-Gly-Ser-Arg-Ser-Leu-Thr-Leu-Leu-Thr-Lys-Tyr-His-Val-Ser-Phe−Leu-Gly-Pro-Cys-Lys-Met-Ile-Ala-Pro-Ile-Leu-Asp(配列番号:17)を含み、好ましくは、構造的に抑制されている蛋白質;配列Leu-Val-Cys-Lys-Ser-Tyr-Arg-Leu-Asp-Trp-Glu-Ala-Gly-Ala-Leu-Phe-Arg-Ser-Leu-Phe(配列番号:18)を含み、好ましくは、構造的に抑制されている蛋白質;配列Tyr-Arg-Trp-Gln-Gln-Gly-Val-Val-Pro-Ser-Asn-Trp-Ala-Ser-Cys-Ser-Phe-Arg-Cys-Gly(配列番号:19)を含み、好ましくは、構造的に抑制されている蛋白質;配列Ser-Ser-Phe-Ser-Leu-Trp-Leu-Leu-Met-Val-Lys-Ser-Ile-Lys-Arg-Ala-Ala-Trp-Glu-Leu-Gly-Pro-Ser-Ser-Ala-Trp-Asn-Thr-Ser-Gly-Trp-Ala-Ser-Leu-Ala-Asp-Phe-Tyr(配列番号:20)を含み、好ましくは、構造的に抑制されている蛋白質、及び直前に示した蛋白質をコードする実質的に純粋なDNAを特徴とする。
本発明はまた、前記の方法で同定された新しい蛋白質及び他の相互作用物質候補を含む。これらの蛋白質及び相互作用物質候補が、レポーター遺伝子の活性を上昇させるか又は低下させること、及び、本明細書において説明する測定法か又は当技術分野において既知の測定法を用いて活性におけるこのような変化を測定できることが認識されるであろう。
本明細書で用いられるとき、「レポーター遺伝子」とは、その発現を測定できる1遺伝子を意味し、このような遺伝子には、制限はないが、lacZ、アミノ酸生合成遺伝子、例えば、酵母のLEU2、HIS3、LYS2、TRP1もしくはURA3遺伝子、核酸生合成遺伝子、哺乳類クロラムフェニコール・トランスアセチラーゼ(CAT)遺伝子、又は特異的な抗体が利用できる表面抗原遺伝子などが含まれる。レポーター遺伝子は、例えば、細胞増殖に必要な蛋白質、もしくは細胞死をもたらす毒性遺伝子などの形質マーカーを提供する何らかの蛋白質をコードしているかもしれないし、又は発色の有無をもたらす発色解析によって検出できる蛋白質(例えば、蛍光蛋白質、及びそれらから誘導体化された蛋白質)をコードしているかもしれない。
又は、レポーター遺伝子は、その発現によって測定可能な表現型を産するサプッレサーtRNAをコードしているかもしれない。本発明によるレポーター遺伝子は、レポーター遺伝子の機能に必要な要素(例えば、すべてのプロモーター因子)を含む。
「機能的に連結した」とは、適当な分子(例えば、転写活性化蛋白質又は転写活性化ドメインを含む蛋白質)が調節配列に結合した場合に、遺伝子発現が行われるような方法で、遺伝子及び調節配列が連結されていることを意味する。
「共有結合した」とは、2つのドメインが、共有結合によって直接的又は間接的に結合されることを意味する。すなわち、「共有結合」した蛋白質又は蛋白質の一部は、直接に連続しているか、又は同じ融合蛋白質の中の一個以上のアミノ酸の領域によって隔てられているかもしれない。
「提供すること」とは、融合蛋白質を、連続的又は同時に、そして直接的に(蛋白質として)又は間接的に(それらの蛋白質をコードする遺伝子として)相互作用系に導入することを意味する。
「蛋白質」とは、天然のポリペプチドもしくはペプチド、又は非天然のポリペプチドもしくはペプチド(例えば、無作為に作製されたペプチド配列、もしくは意図的に設計されたペプチド配列の集合のひとつ)の一部又は全てを構成する、あらゆる長さのアミノ酸配列を意味する。
「結合部分」とは、特定のDNA配列(すなわち「DNA結合蛋白質認識部位」)に特異的なポリペプチドを直接的に結合させることができるアミノ酸の領域を意味する。
「弱い遺伝子活性化部分」とは、遺伝子の調節領域に結合すると、その遺伝子の発現を弱く誘導できるアミノ酸の領域を意味する。本明細書で用いられるように、「弱く」とは、GAL4活性化領域IIによって影響される活性化のレベル(Ma及びPtashne, Cell 48:847, 1987)よりも低く、また、好ましくは、マ及びプタシュネ(Ma及びPtashne, Cell 51:113, 1987)のB112活性化ドメインによって影響される活性化レベル以下であることを意味する。活性化レベルは、何らかの下流のレポーター遺伝子系を用い、平行解析で、GAL4領域II-ポリペプチドによって刺激される発現の度合いを試験すべきポリペプチドによって刺激される発現の程度と比較して測定される。
「レポーター遺伝子の発現を変化させる」とは、用いられた測定法において、変化を検出するのに必要な程度までレポーター遺伝子の発現が増加するか又は減少することを意味する。レポーター遺伝子構築物の種類又は用いられているレポーター遺伝子発現解析の種類によって、変化の程度は変化することが理解されるであろう。
「構造的に抑制されている」とは、蛋白質のアミノ末端及びカルボキシ末端が空間的に固定されるために、構造的な可塑性が低下した蛋白質を意味する。好ましくは、構造的に抑制されている蛋白質は、構造的に固定化した方法で表示される。本発明による構造的な抑制は、天然の、又は組み換えによって、一つの残基を蛋白質のアミノ末端又はその近辺に置き、もう一方の残基をカルボキシ末端又はその近辺に置くよう導入した一組のシステイン残基のジスルフィド結合能力を利用することによって引き起こしてもよい。又は、構造的な抑制は、目的の蛋白質を、構造抑制蛋白質の中に埋め込むことによって促進されるかもしれない。
「構造抑制蛋白質」とは、別の蛋白質のアミノ末端及び/又はカルボキシ末端の可塑性を低下させることができるペプチド又はポリペプチドを意味する。好ましくは、そのような蛋白質は、目的の蛋白質のための、固定した足場又は土台を提供する。さらに、このような蛋白質は、好ましくは、蛋白質分解作用による崩壊などからの保護を提供でき、及び/又は、可溶性を向上させることができる。構造抑制蛋白質の例には、チオレドキシン及び他のチオレドキシン様蛋白質、ヌクレアーゼ(例えば、RNase A)、プロテアーゼ(例えば、トリプシン)、プロテアーゼ阻害剤(例えば、ウシ膵臓トリプシン阻害剤)、抗体、又はそれらに構造的に固定された断片、及びコノトキシン(conotoxin)が含まれる。構造抑制ペプチドは、適当な長さのものでよく、一アミノ酸残基であってもよい。
「チオレドキシン様蛋白質」は、本明細書において、大腸菌のチオレドキシンのアミノ酸配列と、80アミノ酸長のアミノ酸配列について、実質的に類似した、例えば、少なくとも18%の相同性をもつアミノ酸配列と定義される。又は、チオレドキシン様DNA配列とは、本明細書において、ヒト又は大腸菌のチオレドキシン、例えば、グルタレドキシンの立体構造に実質的に類似した立体構造を持つことにより、場合によっては、活性部位のループを持つことにより特徴づけられる蛋白質、又は、蛋白質の断片をコードするDNA配列と定義される。グルタレドキシンのDNA配列は、立体構造におけるこのような実質的な類似性を示し、Cys....Cys活性部位ループを含む蛋白質をコードする、チオレドキシン様DNA配列の例である。大腸菌チオレドキシンのアミノ酸配列は、「エクランド(Eklund)ら、EMBO J. 3:1443-1449(1984)」に述べられている。大腸菌チオレドキシンの立体構造は、「ホルムグレン(Holmgren)、J. Biol. Chem. 264:13963-13966(1989)」の図2に描かれている。大腸菌チオレドキシン蛋白質をコードするDNA配列が、「リム(Lim)ら、J. Bacterio1., 163:311-316(1985)」に示されている。ヒト・チオレドキシンの立体構造は、「フォーマン−ケイ(Forman-Kay)ら、Biochemistry 30:2685-98(1991)」に述べられている。大腸菌チオレドキシン及びグルタレドキシンの立体構造の比較が、「シャー(Xia)、Protein Science I:310-321(1992)」で公表されている。これら4つの発表文献は、当業者に既知のチオレドキシン様蛋白質に関する情報を提供するために、参照文献として本明細書に包含される。チオレドキシン様蛋白質の例は、本明細書で述べられている。
「相互作用物質候補」とは、目的の蛋白質と物理的に相互作用する蛋白質(「相互作用する蛋白質の候補」)又は化合物を意味する。この語はまた、作用物質及び拮抗物質を含む。作用性相互作用物質は、一組の相互作用蛋白質の介在によって、レポーター遺伝子の発現を増加させることができる化合物又は蛋白質として同定される。拮抗性相互作用物質は、一組の相互作用蛋白質の介在によって、レポーター遺伝子の発現を減少させることができる化合物又は蛋白質として同定される。
「化合物」には、一般的には1000分子量未満の、炭水化物、ポリヌクレオチド、脂質などの小さな分子が含まれる。
「試験用蛋白質」とは、一組の相互作用蛋白質の一方を意味し、この組み合わせのもう一方は、一般的に、「相互作用物質候補」という(前記)。
「無作為に作製された」とは、前もって定めた配列をもたない配列を意味する。これは、その合成前に、あるDNAもしくは蛋白質の配列、又はモチーフをもつ「意図的に設計された」配列と対照をなす。
「変異した」とは、部位指向的又は任意の変異誘発のいずれかによって配列が変化することを意味する。蛋白質の変異型は、点突然変異ならびに、挿入、欠失、又は転座を含む。
「細胞内」とは、ペプチドが、細胞の表面ではなく、細胞の内部に局在することを意味する。
「活性化Ras」とは、変異型のRasで、対応する野生型蛋白質が示すよりも長い時間GTPに結合したままでいるものを意味する。「Ras」とは、これらに制限されるものではないが、N-ras、K-ras、及びH-rasを含む、すべての型のRas蛋白質を意味する。
本明細書で説明する相互作用捕捉系には、相互作用蛋白質、又は、相互作用蛋白質をコードする遺伝子を分離するための従来の方法よりもはるかに優れた利点がある。例えば、本出願者らの系は、蛋白質と他のペプチドとの物理的な相互作用に基づく、広い範囲の有用な蛋白質をコードする遺伝子の同定及び精製のための、広汎な有用性をもつ、迅速かつ安価な方法を提供する。この一般的な有用性は、さまざまな親和性をもつ、蛋白質の相互作用の検出(例えば、蛋白質相互作用に対する感受性が量的に異なるレポーター遺伝子を用いることによって)を容易にするために、系の構成成分を簡単に修飾できるという事実から一部派生したものである。また、相互作用する蛋白質を発現させるために用いられるプロモーターは、誘導できるという性質をもつが、これは、その蛋白質が長期間発現すると宿主に対して毒性のあるものですら、蛋白質の発現を短時間で急激に行い、それの、相互作用し、レポーター遺伝子の発現を刺激する能力をテストして、簡単に分離できるため、検出されるべき相互作用物質候補の範囲を広げる。
必要であれば、弱い遺伝子活性化ドメインタグを利用して、相互作用する蛋白質の検出を行ってもよい。この方法は、利用できる相互作用蛋白質候補で、より強い活性化ドメインと関連した蛋白質(例えば、GAL4又はVP16)のプールに対する制約を回避する。その機構は明らかでないが、このような制約は、強い活性化ドメインによって仲介される、低度から中度の宿主細胞毒性に、明らかに起因している。
さらに、請求の範囲の方法は、構造的に抑制されている蛋白質(すなわち、アミノ末端及びカルボキシ末端での抑制によって可塑性が低下した蛋白質)を利用している。構造的な抑制は、目的とする蛋白質を、構造を抑制する蛋白質(すなわち、相互作用する蛋白質候補を、特定の立体構造に閉じこめることができる、適当な長さ及びアミノ酸組成をもつ蛋白質)の中に埋め込むことによって起こるかもしれない。構造を抑制する蛋白質の実施例には、これらに限定されるものではないが、チオレドキシン(もしくは他のチオレドキシン様蛋白質)、ヌクレアーゼ(例えば、RNase A)、プロテアーゼ(例えば、トリプシン)、プロテアーゼ阻害剤(例えば、ウシ膵臓トリプシン阻害剤)、抗体もしくはそれらに構造的に固定された断片、及び、コノトキシンが含まれる。
又は、構造的な抑制は、天然のもしくは組み換えによって導入した一組のシステイン残基で、一つの残基が目的の蛋白質のアミノ末端に、もう一つの残基がカルボキシ末端に存在するシステイン残基のジスルフィド結合能力を利用することによって成立するかもしれない。このようなジスルフィド結合は、固定していて、そのために構造的に抑制されたループ構造の中に蛋白質を封じ込める。例えば、大腸菌のtrxB変異系統の細胞質中などに、アミノ末端のシステインとカルボキシ末端のシステインの間にジスルフィド結合が形成されるかもしれない。ある条件の下では、例えば、酵母(S. cerevisiae)YTR4-変異系統などの等価的変異が起きた高等生物の細胞質及び核の中に、ジスルフィド結合が形成されることもあるかもしれない(Furterら, Nucl. Acids Res. 14:6357-6373, 1986;ジェンバンク(GenBank)登録番号P29509)。さらに、本明細書で説明されているチオレドキシンの融合(trxA融合)は、チオレドキシンの活性化部位のループの中に挿入されたペプチドの塩基にあるシステイン残基は、適当な条件の下で、ジスルフィド結合を形成するのに互いが適当な距離にあるため、構造的な抑制を導入する、この代替的方法に基づいて分析できる。
三次構造分析が容易なために、薬理学的な特性を改良した単純な有機分子疑似薬の設計が容易になるため、相互作用物質候補である構造的に抑制されている蛋白質は、本発明において有用である。例えば、チオレドキシンは既知の構造をもつため、構造的に抑制されている領域の間の蛋白質構造は、NMR及びX線回折分析などの方法を用いて、より容易に解析することができる。また、一定の構造抑制蛋白質は、埋め込まれた蛋白質を細胞内消化から保護し、及び/又は、蛋白質の可溶性を増加させ、及び/又は、他の点で相互作用物質候補の相互作用する能力を変化させる。
また、分離しさえすれば、相互作用捕捉系を用いて、蛋白質の相互作用能力に何らかの変化があることを示す相互作用によって生じる信号を用い、相互作用蛋白質を分析することができる。特定の実施例において、相互作用蛋白質の両者又は一方に変化を起こし(例えば、標準的な、インビボもしくはインビトロ指向的、又は、任意の突然変異誘発処理によって)、レポーター遺伝子の発現を測定して変化の効果を測定する。この技術を用いて、相互作用能力が向上したか、又は、低下した相互作用蛋白質を分離する。このような蛋白質は、治療薬分子(例えば、作用薬又は拮抗薬)として、又は、前述のように、単純な有機分子疑似薬の設計用モデルとして有用である。
また、蛋白質作用物質及び拮抗物質は容易に同定され、相互作用捕捉系を変更したものを用いて単離されるだろう。特に、蛋白質−蛋白質相互作用が一度記録されると、作用物質もしくは拮抗物質の候補をコードする付加的DNA、又は好ましくは、作用物質もしくは拮抗物質をコードする可能性のある配列のライブラリーの一つを宿主細胞に導入して、レポーター遺伝子の発現を測定する。又は、相互作用候補物質である作用物質又は拮抗物質である化合物(例えば、ポリペプチド、ならびに例えば、一本の標準的なポリヌクレオチドなどの非蛋白質性化合物を含む)を、本発明によるインビボ又はインビトロの相互作用捕捉系に導入し、レポーター遺伝子の発現に影響を与える、それらの能力を測定する。レポーター遺伝子の発現が低下すれば(候補配列又は化合物をもたない対照と比較して)、それが拮抗物質であることを示している。反対に、レポーター遺伝子の発現が増加すれば(やはり、対照と比較して)、作用物質であることを示している。相互作用の作用物質及び拮抗物質は、治療薬として、又は、単純な疑似薬の設計用モデルとして有用であり、必要な場合には、本明細書で述べられている利点を提供するために、作用又は拮抗蛋白質は構造的に抑制されていてもよい。相互作用蛋白質で、それに対する作用物質又は拮抗物質が同定され得る蛋白質の特別な例には、それらに制限されるわけではないが、IL-6レセプター−リガンドの組み合わせ、TGF−βレセプター−リガンドの組み合わせ、IL-1レセプター−リガンドの組み合わせ、及び、他のレセプター-リガンドの相互作用、プロテインキナーゼ−基質の組み合わせ、転写因子の相互作用する組み合わせ、シグナル伝達経路の相互作用する構成成分(例えば、あるレセプター及びG-蛋白質の細胞内ドメイン)、細胞周期制御に関与する相互作用蛋白質の組み合わせ(例えば、p16とCDK4)、及び、神経伝達物質の組み合わせが含まれる。
また、本発明には、構造的に抑制されている蛋白質をコードするライブラリーが含まれる。このようなライブラリー(合成DNA配列の集合体と同様に、天然のDNA配列の集合体が含まれていてもよい)は、細胞内で発現されるか又は、場合によっては、無細胞系で発現されて、あらゆる標準的な遺伝学的選抜法もしくはスクリーニング法とともに、又は、作用物質もしくは拮抗物質、又は、細胞に同定可能な形質を付与する蛋白質、例えば、細胞周期の過程を乱す蛋白質などの、相互作用する蛋白質を同定するための数ある相互作用捕捉方式のいずれかとともに用いられよう。したがって、ペプチドをコードするライブラリー(無作為なもの、又は設計されたものいずれか)は、転写的な基礎をもったり、もしくはもたなかったりする選抜又はスクリーニングに用いることができる。これらのライブラリー(好ましくは、100以上の異なったペプチドをコードする種を含み、より好ましくは、1000又は10,000又はそれよりも多数の固有の種を含む)は、有用な原核生物、又は、好ましい宿主に代表される酵母のような真核生物宿主に形質転換することができる。又は、このようなペプチドをコードするライブラリーは、無細胞系で発現させることもできる。
本発明の、その他の特徴及び利点は、それに関する以下の詳細な説明、及び、請求の範囲から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
まず、図面について簡単に説明する。
図1A〜1Cは、本発明による相互作用捕捉系の一つを例示している。
図2は、ライブラリー用ベクターpJM1の概略図である。
図3Aは、ペプチドのアプタマーと他の蛋白質との相互作用を示す写真である。
図3Bは、Cdk2と相互作用する、例示的なペプチドの配列を示している。
図4は、ペプチド3及び13を、Gst-Cdk2で共沈殿させたものを示す。
レーン1.Gstビーズ、TrxAを含む抽出物;
レーン2.Gstビーズ、TrxA-ペプチド3を含む抽出物;
レーン3.Gstビーズ、TrxA-ペプチド13を含む抽出物;
レーン4.Gst-Cdk2ビーズ、TrxAを含む抽出物;
レーン5.Gst-Cdk2ビーズ、TrxA-ペプチド3を含む抽出物;及び、
レーン6.Gst-Cdk2ビーズ、TrxA-ペプチド13を含む抽出物。
図5は、ベクターBRM116-H-Ras(G12V)を示す。
図6は、ベクターpEG202-H-Ras(G12V)を示す。
詳細な説明
本出願者らは、目的の第二の蛋白質と物理的に相互作用するか、又はそのような相互作用に拮抗するか、もしくは作用する、構造的に抑制されている蛋白質を同定し、解析するための新しい相互作用捕捉系を開発した。一つの態様において、本系は、既知のDNA結合ドメインに共有結合する融合蛋白質として、治療目的又は診断目的の蛋白質を産生するように作製された真核生物の宿主系統(例えば、酵母の系統)を含む。本系における目的が、有用であるが、未知であるか又は特徴付けられていない、相互作用するポリペプチド(「被食」と名付ける。後記参照)を「捕らえる」ことであるためこの蛋白質は、「捕食」蛋白質と呼ばれる。また、真核生物宿主系統は、一個以上の「レポーター遺伝子」、すなわち、被食−捕食相互作用に対する反応で転写を検出される遺伝子を含む。捕食蛋白質は、そのDNA結合ドメインを経由して、レポーター遺伝子の上流にある特異的なDNA結合認識部位に結合する。しかし、捕食蛋白質には活性化ドメインがないため、レポーター遺伝子の転写は刺激されない。
新しい相互作用蛋白質をコードするDNA配列を単離するために、DNA発現ライブラリーの一部(例えば、cDNAライブラリー又は合成DNAライブラリーで、無作為に作製されたもの、又は意図的に作製されたもののいずれか)を、レポーター遺伝子及び捕食蛋白質をもつ系統に導入する。ライブラリーの各要素は、一様な遺伝子活性化ドメイン・タグに融合させた相互作用蛋白質候補の合成を指令する。ライブラリーにコードされているそれらの蛋白質で、プロモーターに結合した捕食蛋白質と物理的に相互作用する蛋白質は「被食」蛋白質と名付けられている。そのように結合した被食蛋白質は、(それらの活性化ドメインタグを通して)下流のレポーター遺伝子の発現を検出できる程度に活性化し、目的の、相互作用する蛋白質をコードする特定のDNAクローンを同定するための迅速な解析法を提供する。本発明において、各被食蛋白質候補は構造的に抑制されている(例えば、該蛋白質が構造を抑制する蛋白質の中に埋め込まれることによって、又は、蛋白質のアミノ末端とカルボキシ末端とを結合させることによって)。このような蛋白質は、固定化した立体配座を維持し、疑似薬の設計を容易にする。
本発明による相互作用捕捉系の実施例を図1A〜Cに示す。図1Aは、2つのレポーター遺伝子、LexAop-LEU2及びLexAop-LacZをもつ、ロイシン要求性の酵母の系統で、捕食蛋白質遺伝子を構造的に発現している。捕食蛋白質(五角形で示されている)を、DNA結合ドメイン(円で示す)に融合する。DNA結合蛋白質は、レポーター遺伝子に機能的に連結した、特異的なDNA結合蛋白質認識部位(黒塗りの四角形で示す)を認識し、これに結合する。図1B及び1Cにおいて、細胞は、さらに、活性ドメイン(黒い正方形で示される)と融合した被食蛋白質候補(相互作用物質候補)(1Bでは白い四角形で、1Cでは白い六角形で示す)を含む。被食蛋白質は、構造抑制蛋白質(2つの黒い半円として示される)の中に埋め込まれている。図1Bは、被食蛋白質候補が、転写的に不活性なLexA融合捕食蛋白質と相互作用しなければ、レポーター遺伝子は転写されず、細胞は、Leu-培地でコロニーを形成することができず、β-ガラクトシダーゼ活性がないため、Xgal培地で白くなる。図1Cは、被食蛋白質候補が捕食蛋白質と相互作用すれば、両方のレポーター遺伝子は活性であることを示している。細胞は、Leu-培地でコロニーを形成し、このようなコロニー中の細胞は、β-ガラクトシダーゼ活性があり、Xgal培地で青くなる。好ましくは、この系において、捕食蛋白質(すなわち、部位特異的DNA結合ドメインを含む蛋白質)は、転写的に不活性で、レポーター遺伝子(捕食蛋白質に結合される)には、本質的に、基底となる転写は起こらない。
今から、本系の各構成要素について、さらに詳しく述べる。
捕食蛋白質
図1A〜Cに描かれている選抜用宿主系統は、バクテリアのLexA蛋白質に由来するDNA結合部分をコードするDNAに融合した捕食蛋白質をコードするDNAを含んでいる。LexADNA結合ドメインを利用することは、ある利点をもたらす。例えば、酵母において、LexA部分は、活性化機能をもたず、酵母の遺伝子の転写に対して既知の影響を有していない(Brent及びPtashne, Nature 312:612-615, 1984;Brent及びPtashne, Cell 43:729-736, 1985)。さらに、LexAを利用する方が、例えば、GAL4 DNA結合ドメインを利用するよりもむしろ、ガラクトース誘導に対する反応において、被食蛋白質の条件付き発現が可能になる。このことは、継続的に発現すれば、宿主細胞に対して毒性であるかもしれない被食蛋白質の検出を容易にする。最後に、LexAなどの、明確に定義されている系を利用すれば、LexAとLexA結合部位(例えば、LexAオペレーター)との間の相互作用に関する知識を、最大限の遺伝子の活性化をもたらすために、オペレーターの利用を至適化し、及び/又は、結合捕食蛋白質の幾何学的構造を至適化する目的で利用することができる。
好ましくは、捕食蛋白質は、また、LexAの二量体化ドメインを含み、このドメインを選択すれば、LexAの効率的な二量体形成が促進される。LexAは二量体となって、そのDNA結合部位に結合するため、このドメインを捕食蛋白質に包含させることもまた、オペレーターの利用性の効率を至適化させる(Golemis及びBrent, Mol. Cell Biol. 12:3006-3014, 1992)。
LexAは、本発明における好ましいDNA結合ドメインを代表するものである。しかし、本相互作用捕捉系においては、他のいかなる転写的に不活性な、又は、実質的に転写不活性なDNA結合ドメインを用いてもよい。そのようなDNA結合ドメインは、周知であり、蛋白質ACE1(CUP1)、ラムダcI、lacリプレッサー、jun、fos、GCN4、又は、TetリプレッサーのDNA結合部位を含む。GAL4 DNA結合ドメインは、捕食蛋白質にとってほんの少し好ましくないDNA結合部分の代表である。
捕食蛋白質は、興味の対象となるいかなる蛋白質から選んでもよく、未知の蛋白質、既知の蛋白質、又は、診断上、治療上、もしくは、薬理学上重要性をもつと思われる蛋白質を含む。好ましい捕食蛋白質には、腫瘍蛋白質(例えば、myc、特にC末端のmyc、ras、src、fos、及び特にfosのオリゴマーの相互作用ドメイン)又は、細胞周期の調節に関係する他のすべての蛋白質(例えば、キナーゼ、ホスファターゼ、膜結合レセプターの細胞質部位)が含まれる。好ましい捕食蛋白質の特別の例には、サイクリン及びサイクリン依存的キナーゼ(例えば、Cdk2)又はレセプターとリガンドの組み合わせ、又は、神経伝達物質の組み合わせ、又は、他のシグナル蛋白質の組み合わせが含まれる。どの場合にも、本明細書において、一般的に説明されているように、目的の蛋白質を既知のDNA結合ドメインに融合する。
レポーター
図1Bに示されているように、本発明による、一つの好ましい宿主系統は、異なった二つのレポーター遺伝子、LEU2遺伝子及びlacZ遺伝子をもち、この遺伝子はそれぞれ上流に、捕食蛋白質の結合部位を持っている。図1Bに描かれたレポーター遺伝子は、それぞれ、上流の結合部位として、本来の上流活性化配列(Upstream Activation Sequences;UASs)の部位に一個以上のLexAオペレーターを含む。これらのレポーター遺伝子は、染色体に組み込まれるか、又は自律複製するプラスミド(例えば、酵母の2μプラスミド)に含ませてもよい。
本発明のインビボでの態様においては、様々な理由から、このような二つのレポーターの組み合わせが好ましい。まず、相互作用蛋白質候補の可能性がある、数多くの蛋白質を含む細胞の検査を容易にするため、LexAop-LEU2構築物によって、ロイシンを欠乏培地での増殖から、相互作用する蛋白質をもつ細胞を選抜することができる。第二に、LexAop-lacZレポーターにより、相互作用を確認するため、LEU+細胞をすぐにスクリーニングできるようになる。そして、第三に、他の技術を考慮すると、LexAop-LEU2レポーターは、非常に感度の高い、第一の選択肢を提供するが、一方、LexAop-lacZレポーターによって、異なった相互作用親和性をもつ蛋白質間の区別が可能になる。
本明細書で説明されるレポーター遺伝子は、本発明の好ましい態様を示すものであるが、標準的な方法で、その発現が検出できるか、もしくは測定できる別の同様な遺伝子を、LEU2及びlacZ遺伝子に連結させるか、又はその代わりに用いてもよい。一般的には、このようなレポーター遺伝子は、例えば、細胞増殖に必要な蛋白質、もしくは細胞死に至らせる毒性蛋白質などの形質マーカーを提供する酵素か、又はそれが発現すると発色するかもしくは色を失うために、発色解析によって検出できる蛋白質をコードする酵素をコードする。又は、レポーター遺伝子は、例えば、宿主細胞の致死的な突然変異を抑制することから、その発現を測定できるサプレッサーtRNAをコードしていてもよい。転写を検出できる他の有用な遺伝子の特別な例には、アミノ酸及び核酸生合成遺伝子(酵母のHIS3、URA3、TRP1及びLYS2など)のGAL1、大腸菌のgalK(これは酵母のGAL1を補足する)、ならびに、CAT、GUS、蛍光蛋白質などのレポーター遺伝子及びそれに由来する遺伝子、ならびに、抗体を利用することができる細胞表面抗原(例えばCD4)をコードするすべての遺伝子が含まれる。レポーター遺伝子は、相互作用物質候補が作用性物質か又は拮抗性物質かを区別するために、定性的な方法又は定量的な方法のいずれかによって、測定してもよい。
被食蛋白質
本明細書で説明されている選択において、一連の相互作用蛋白質候補(すなわち、被食蛋白質)をコードする、別のDNA構築物が用いられる。ここで、これらはそれぞれ、構造抑制蛋白質の中に埋め込まれているために、又は、被食蛋白質のアミノ末端とカルボキシ末端とが結合している(例えば、ジスルフィド結合によって)ために、構造的に抑制されている。具体的な被食蛋白質には、アミノ末端からカルボキシ末端に、蛋白質発現のためのATG、場合によっては核に局在する配列、弱い活性化ドメイン(例えば、マ及びプタシュネのB112又はB42活性化ドメイン;Cell 51:113,1987)、及び、融合蛋白質合成を免疫学的に迅速に検出するための選択的なエピトープ・タグを有する、非変異型N末端部分が含まれる。被食蛋白質をコードする融合遺伝子を産生するために、ライブラリーの配列、無作為なDNA配列、もしくは、意図的に設計された合成DNA配列、又は、構造的に抑制されている蛋白質をコードする配列が、このN末端断片の下流に挿入されてもよい。
本明細書で説明される被食蛋白質以外の被食蛋白質も、本発明において有用である。例えば、cDNAをいずれかのmRNA集団から作製して、同様の発現ベクターに挿入してもよい。このような特別のライブラリーを、市販のキット(例えば、カリフォルニア州ラホヤのストラタジーン社(Stratagene))を用いて、又は、確立した調製方法(例えば、分子生物学の最新プロトコール(Current Protocols in Molecular Biology),ニューヨーク、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ社(John Wiley and Sons)、1987)を用いて、新たに構築してもよい。又は、(いくつかの異なった組織からの)いくつかのcDNAライブラリーが、一般的に入手でき、市販されている。ライブラリーの入手先としては、例えば、クローンテック社(Clontech)(カリフォルニア州パロアルト)及びストラタジーン社(Stratagene)(カリフォルニア州ラホヤ)が含まれる。また、被食蛋白質が天然の全長ポリペプチドである必要はないことにも留意すべきである。好ましい態様において、被食蛋白質は、合成DNA配列にコードされたり、無作為に作製されたオープン・リーディングフレームの産物であったり、意図的な配列バイアスを用いて合成したオープン・リーディングフレームであったり、又は、それらの一部であったりする。好ましくは、このような短く無作為に作製された配列は、長さ1(好ましくは、6)から60アミノ酸のペプチドをコードしている。特別な例において、被食蛋白質は、一個だけ相互作用ドメインをもつが、このようなドメインは、捕食蛋白質の活性を改変するための治療薬として役に立つかもしれない(すなわち、拮抗薬又は作用薬として)。
同様に、活性ドメインがいくつかあっても、被食分子のその部位にとって有用であるかもしれない。このような活性ドメインは、好ましくは、弱い活性ドメインである。すなわち、GAL4活性領域II部分より弱く、好ましくは、B112よりは強くない(測定としては、例えば、lacZレポーター遺伝子を用いたβ-ガラクトシダーゼ平行解析において、GAL4活性領域II又はB112と比較して)。したがって、このようなドメインはB112よりも弱い。特に、LEU2選抜機構の並外れた感度があれば、非常に弱い活性ドメインであっても、本発明において利用することができる。他の有用な、弱い活性ドメインの例には、マ及びプタシュネ(MaおよびPtashne, Cell 51:113, 1987)、ルーデンら(Rudenら, Nature 350:426-430, 1991)、ならびに、ギナイジャー及びプタシュネ(GinigerおよびPtashne, Nature 330:670, 1987)で述べられているB17、B42及び両親媒性ヘリックス(AH)ドメインが含まれる。
被食蛋白質は、必要な場合には、別の随意の核に局在する配列(例えば、GAL4又はMATα2遺伝子に由来する配列)又は、別の随意のエピトープ・タグ(例えば、c-myc蛋白質の一部、又は、イムネクス社(Immunex)から入手可能なフラッグ・エピトープ)が含まれる。これらの配列は、系の効率を最も効果的にするが、それを操作する必要はない。特に、核に局在する配列は、その被食分子が核移行レポーター遺伝子構築物に到達し、それによって、有効な濃度に上昇させ、弱い蛋白質相互作用を検出できるようにするため、効率を最も効果的にする。エピトープ・タグは、融合蛋白質の発現に関する簡素な免疫解析を容易にするにすぎない。
当業者は、また、前述のレポーター遺伝子、DNA結合ドメイン、及び遺伝子活性化ドメインの要素が、酵母、哺乳類の細胞、及び、原核細胞のゲノムもしくはcDNAならびに人工的配列を含む、あらゆる適当な真核生物又は原核生物に由来しうることが分かるであろう。さらに、相互作用捕捉系にとって、酵母が好ましい宿主生物の代表である(増殖、遺伝子操作、及び大規模スクリーニングがしやすいため)が、哺乳動物の細胞など、別の宿主生物を利用することもできる。哺乳動物系を選んだ場合には、好ましいレポーター遺伝子は、感度が高く、解析が容易なCAT遺伝子である。そして、有用なDNA結合ドメイン及び遺伝子活性化ドメインは、前記のもの(例えば、LexA DNA結合ドメイン及びB42もしくはB112活性ドメイン)から選択されよう。
構造抑制蛋白質
本発明の一つの態様によって、被食蛋白質をコードするDNA配列は、構造抑制蛋白質(すなわち、被食蛋白質のアミノ末端及びカルボキシ末端の可塑性を抑制する蛋白質)をコードするDNA配列の中に埋め込まれる。蛋白質のアミノ末端とカルボキシ末端を直接的に結合させる方法(例えば、適当な位置にあるシステイン残基のジスルフィド結合によって)については、前述している。この方法に代わるものとして、構造抑制蛋白質を利用できる。一般的に、構造抑制蛋白質は、足場又は土台として作用し、目的のペプチド又は蛋白質が自由にとりうる、可能な立体配座の数に制約を加える。構造抑制蛋白質の好ましい例は、チオレドキシン又はチオレドキシン様配列であるが、他の、多くの蛋白質もこの目的のために使用される。好ましくは、構造抑制蛋白質は、小さいサイズ(一般的に、200アミノ酸以下)で、固定された構造で、既知の立体配座をもっており、構造を不当に破壊することなく、目的とする蛋白質が挿入されるのを受け入れることができる。このような蛋白質の主要な特徴は、ペプチドを挿入することができる位置(例えば、チオレドキシン活性部位ループ)を、溶媒にさらす表面で使用できることである。また、構造抑制蛋白質を産生する遺伝子が、さまざまな原核生物及び真核生物の宿主において、又は適当な無細胞系において非常に発現しやすく、そして、該蛋白質が可溶性でプロテアーゼ分解に対して抵抗性であることも好ましい。本発明において有用な構造抑制蛋白質の例には、ヌクレアーゼ(例えば、RNase A)、プロテアーゼ(例えば、トリプシン)、プロテアーゼ阻害剤(例えば、ウシ膵臓トリプシン阻害剤)、抗体又はその構造的に固定した断片、及び、コノトキシンが含まれる。しかし、この列挙した者に限定されるわけではない。前記で同定されていないか、又は、おそらく未だ同定も発表もされていない配列をもつ別の構造抑制蛋白質も、その構造的な安定性及び固定性に基づけば有用であることが期待される。
前述したように、本発明による好ましい構造抑制蛋白質の一つは、チオレドキシン、又は、他のチオレドキシン様蛋白質である。本発明において有用なチオレドキシン様蛋白質の一つの例とである、大腸菌のチオレドキシンは、以下の特徴を持っている。大腸菌のチオレドキシンは、小さな蛋白質で、11.7kDしかなく、高濃度まで産生されうる。該蛋白質のサイズが小さく、高濃度で合成する能力があることが、細胞内濃度の高さの一因である。大腸菌のチオレドキシンは、さらに、蛋白質の精製を容易にする、非常に安定で、厳格な三次構造をもつのが特徴である。
大腸菌のチオレドキシンの立体配座は既知で、アミノ酸残基Cys33残基とCys36残基の間に蛋白質本体から突き出した、特徴的なCys....Cys活性部位ループを含む、いくつかの表面ループを持っている。このCys....Cys活性部位ループは、同定可能で、利用しやすい表面ループ領域であり、全体的な構造安定性に寄与する、蛋白質の残りの部分との相互作用には関係しない。したがって、これは、被食蛋白質の挿入部位として良い候補である。ヒトのチオレドキシン、グルタレドキシン、及び、他のチオレドキシン様分子も、このCys....Cys活性部位ループを持つ。大腸菌のチオレドキシンのアミノ末端及びカルボキシ末端は共に、蛋白質の表面にあるため、融合構築物として簡単に利用できる。大腸菌のチオレドキシンは、また、プロテアーゼに対して安定で、80℃までの加熱に対して安定で、低pHでも安定である。
本発明において有用なチオレドキシン様DNA配列によってコードされている、他のチオレドキシン様蛋白質は、相同なアミノ酸配列、ならびに類似した物理的及び構造的特徴を共有している。したがって、他のチオレドキシン様蛋白質をコードするDNA配列を、本発明による大腸菌のチオレドキシンの代わりに用いることもできる。例えば、他の生物種のチオレドキシン、例えば、ヒトのチオレドキシンをコードするDNA配列が適合する。二つの分子のNMRによる構造を比較して判定すると、ヒトのチオレドキシンは、大腸菌のチオレドキシンの立体配座と事実上、重なり合う立体配座をもつ。フォーマン−ケイ(Forman-Kay)ら、Biochem. 30:2685(1991)。ヒトのチオレドキシンも、大腸菌の蛋白質に見られるCys....Cys活性部位ループに、構造的及び機能的に同等な活性部位ループをもつ。本発明の方法によって、蛋白質及び小さなペプチドを産生するときに、これを、大腸菌チオレドキシンの代わりに、又は、それに加えて用いることができる。ヒトのチオレドキシンの活性部位ループ及びアミノ末端への挿入は、大腸菌のチオレドキシンへの挿入と同じように許容されよう。
本発明で用いられうる、他のチオレドキシン様配列には、グルタレドキシン蛋白質、及びそれのさまざまな種の相同蛋白質の全部又は一部が含まれる(Holmgren、上記)。大腸菌のグルタレドキシン及び大腸菌のチオレドキシンは、20%未満のアミノ酸相同性しかないが、この二つの蛋白質は、構造的及び機能的な類似性を持っており(Eklundら, EMBO J. 3:1443-1449(1984))、グルタレドキシンは、構造的及び機能的に、大腸菌のチオレドキシンのCys....Cys活性部位ループに同等な活性部位ループをもつ。したがって、グルタレドキシンは、本明細書で定義されているように、チオレドキシン様分子である。
さらに、蛋白質ジスルフィド・イソメラーゼ(PDI)の反復ドメインは、大腸菌のチオレドキシンと>30%の相同性をもち、大腸菌のチオレドキシンのCys....Cys活性部位ループに、構造的及び機能的に同等な活性部位ループをもつため、PDI、又は、それのチオレドキシン様ドメインを含む部分、及び、そのさまざまな種の相同蛋白質(Edmanら, Nature 317:267-270)をコードするDNA配列も、チオレドキシン様DNA配列として用いられうる。当業者に既知で利用可能なグルタレドキシン及びPDIに関する情報を提供するために、最後の二つの論文は参照として本明細書に包含される。
同様に、ホスホイノシチド特異的ホスホリパーゼC(PI-PLC)、その断片、及び、それのさまざまな種の相同蛋白質(Bennetら, Nature, 334:268-270(1988))をコードするDNA配列も、大腸菌のチオレドキシンとのアミノ酸配列相同性に基づくチオレドキシン様配列として、又は、立体配座の類似性、ならびに構造的及び機能的に、大腸菌チオレドキシンのCys....Cys活性部位ループに同等な活性部位ループの存在に基づいたチオレドキシン様配列として、本発明で用いられよう。小胞体蛋白質のERp72、又は、これの、さまざまな種の相同蛋白質をコードするDNA配列の全部又は一部も、本発明の目的のために、アミノ酸配列の相同性に基づいた、又は、立体配座の類似性、並びに大腸菌チオレドキシンのCys....Cys活性部位ループに構造的及び機能的に同等な活性部位ループの存在に基づいたチオレドキシン様DNA配列として含まれる(Mazzarellaら, J. Biol. Chem. 265:1094-1101(1990))。別のチオレドキシン様配列は、成人T細胞白血病由来の因子(ADF)、又は、他の種における、それの相同蛋白質(Wakasugiら, Proc. Natl.Acad. Sci. USA, 87:8282-8286(1990))の全部もしくは一部をコードするDNA配列である。ADFは、今では、ヒトのチオレドキシンだと考えられている。同様に、大腸菌の原形質周辺におけるジスルフィド結合形成の促進に関与する蛋白質である、dsdA遺伝子産物(Bardwellら, Cell 67:581-89, 1991)もチオレドキシン様配列と考えることができる。当業者に既知で利用可能なPI-PLC、ERp72、ADF及びdsdAに関する情報を提供するために、最後の三つの論文は参照として本明細書に包含される。
上で用いられた、チオレドキシン様配列の定義から、上では特に同定されていない他の配列、又は、おそらく未だ同定も発表もされていない配列が、大腸菌のチオレドキシンとのアミノ酸配列の相同性に基づくか、又は大腸菌もしくはヒトのチオレドキシンと実質的に類似する立体配座をもつこと、ならびに、大腸菌チオレドキシンのCys....Cys活性部位ループに構造的及び機能的に同等な活性部位ループをもつこと基づくチオレドキシン様配列として有用となることが期待される。当業者は、例えば、X線結晶解析又は二次元NMR分光による解析を行ない、その立体配座を、公表されている大腸菌チオレドキシンについての立体配座と比較することによって、ならびに、その分子のアミノ酸配列を解析して、それが大腸菌チオレドキシンのCys....Cys活性部位ループに構造的及び機能的に同等な活性部位ループをもつか否かを判定することによって、ある分子が、これらの最後の二つの特徴を持つか否かを判定することができる。立体構造又は立体配座において「実質的に類似した」とは、グルタレドキシンと同じくらい、大腸菌のチオレドキシンに類似していることを意味する。さらに、一次配列のコンピュータによる解析から、チオレドキシン様蛋白質の同定を可能にする、予測アルゴリズムが述べられている(Ellisら, Biochemistry 31:4882-91(1992))。前述の説明に基づいて、当業者は、不必要な実験を行わずに、本発明で用いるためチオレドキシン様DNA配列を選択し、同定し、また、必要があれば、改変することができるだろう。例えば、天然のチオレドキシン、又は、天然のチオレドキシン様配列の一部に起き、その結果できる分子の構造に影響しない単純な点突然変異は、天然のチオレドキシン又は天然のチオレドキシン様配列の対立遺伝子変異と同じように、別のチオレドキシン様配列である。
大腸菌のチオレドキシン、又は、その構造的な相同体の配列に、厳密度、又は、低厳密度のハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするDNA配列も、本発明で利用するためのチオレドキシン様蛋白質をコードする。このような厳密なハイブリダイゼーション条件の実施例は、65℃で4x SSCでハイブリダイゼーションした後、65℃で一時間0.1x SSC中で洗浄することである。又は、典型的な厳密なハイブリダイゼーション条件は、50%ホルムアミド中で、4x SSC中、42℃で行われる。厳密でないハイブリダイゼーション条件の実施例は、4x SSC、50℃であり、又は、42℃で30-40%ホルムアミドを用いたハイブリダイゼーションである。このようなチオレドキシン様配列のすべての利用は、本発明に含まれると考えられる。
さまざまな理由から、被食蛋白質は、チオレドキシン又はチオレドキシン様分子の活性部位ループの中に融合されることが好ましいであろう。活性部位ループの回りのチオレドキシンの表面は、非特異的蛋白質ジスルフィド酸化還元酵素として、広範囲の蛋白質の表面に相互作用できるように、蛋白質の主要な機能を保持したまま進化してきた。強い二次構造の分節の間に、活性部位ループ領域が発見されていて、これが、被食蛋白質をつなぐ、固定した土台を提供する。
チオレドキシン様蛋白質の活性部位ループの中に挿入された、小さな被食蛋白質は、三次構造の維持に関係のない、蛋白質の領域に存在している。したがって、このような融合蛋白質の構造は安定している。実際、大腸菌のチオレドキシンは、活性部位ループに近い位置で切断して二つの断片にすることができるが、蛋白質を安定化させる三次的な相互作用はそのままである。
大腸菌のチオレドキシンの活性部位ループは、NH2...Cys33-Gly-Pro-Cys36...COOHという配列をもつ。選択した被食蛋白質をチオレドキシン様蛋白質と、この蛋白質の活性ループ部位で融合させると、被食蛋白質の構造的な自由度が低下し、その結果被食蛋白質がとる選択される構造の数が減少して、被食蛋白質を両末端で抑制する。挿入された被食蛋白質は、両末端がシステイン残基によって結合され、それによって、天然のチオレドキシンで形成されるように、互いにジスルフィド結合を形成し、さらに、挿入された被食蛋白質の構造的な自由度を制限しうる。
さらに、活性部位ループの中に置かれることによって、被食蛋白質は、チオレドキシン様蛋白質の表面に位置し、生物活性のある蛋白質の配座のスクリーニング、及び他の解析に用いるのに役立つ。一般的に、チオレドキシン又は他のチオレドキシン様蛋白質の利用について、マッコイ(McCoy)らの米国特許第5,270,181号、及びラバリー(LaVallie)らの「Bio/Technology 11:187-193(1993)」に記載されている。これら二つの文献は、本明細書に参照文献として包含される。
次に、本発明によるチオレドキシン相互作用捕捉系の説明をする。これらの実施例は、例示のために設計されたものであり、本発明を制限するものではない。
チオレドキシン相互作用捕捉系
蛋白質の相互作用を検出するために、該相互作用に関与する蛋白質を同定し単離するために、該相互作用の作用物質及び拮抗物質を同定し単離するために、構造的に抑制された蛋白質を利用する相互作用捕捉系が開発された。ここで、例示的な系を説明する。
1.Cdk2被食蛋白質によるチオレドキシン相互作用捕捉
真核細胞の細胞周期の進行には、Cdkと相互作用し、これの活性を制御する、数多くの制御蛋白質の共同作用が必要となる(Sherr, Cell 79:551-555(1994))。これらの調節蛋白質には、Cdkの活性を正の方向に制御するサイクリン、サイクリン依存型キナーゼ・インヒビター(Ckis)、及び、数多くの蛋白質キナーゼ及びホスファターゼが含まれる。その中には、CAKやcdc25のようにキナーゼ活性を正の方向に制御するものや、Cdi1(Gyurisら, Cell 75:791-803(1993))のように今のところその効果が不明なもの(Morgan, Nature 374:131-134(1995))などが含まれる。Cdk2は、高等真核細胞がG1期からS期に進行するために必要だと考えられている(Fang & Newport, J. Cell Biol. 66:731-742(1991);Paganoら, J. Cell Biol.121:101-111(1993);van den Heuvel & Harlow, Science 262:2050-2054(1993))。Cdk2キナーゼの活性は、サイクリンE及びサイクリンAによって正の制御を受け(Koffら, Science 257:1689-1694(1992);Dulicら, Science 257:1958-1961(1992);Tsaiら, Nature 353:174-7(1991))、p21、p27、及びp57によって負の制御を受ける(Harperら, Cell 75:805-816(1993);Polyakら, Genes Dev. 8:9-22(1994);Toyoshima & Hunter, Cell 78:67-74(1994);Matuokaら, Genes Dev. 9:660-662(1995);Leeら,Genes Dev.9:639-649(1995))。さらに、Cdk2は、G1期からS期に移行するときに、Cdi1と複合体を形成する(Gyurisら, Cell 75:791-803(1993))。ここで、本発明者らは、結合ライブラリーから、Cdk2を認識する分子を選抜するための酵母2ハイブリッド系の利用を説明する。
被食蛋白質用ベクターは、大腸菌のチオレドキシン遺伝子(trxA)を含むように構築されている。pJG4-4(Gyurisら, Cell 75:791,1993)を基本的なベクターとして用い、EcoRIとXhoIで切断する。プラスミドLexA-B112をPCR増幅して、B112転写活性化ドメインをコードするDNA断片を得(Doug Ruden, 博士論文、ハーバード大学、1992)、MunIとNdeIで切断する。NdeIとSalIで切断して、大腸菌trxA遺伝子をベクターpALTRXA-781(米国特許第5,292,646号;インビトロジェン社、カリフォルニア州サンディエゴ)から切り出す。次に、標準的な技術によって、trxA及びB112の断片を、EcoRI/XhoIで切断した基本ベクターpJG4-4につないでpYENAeTRXを作成する。このベクターは、SV40の核移行ドメイン、B112転写活性化ドメイン、赤血球凝集素のエピトープ・タグ、及び大腸菌チオレドキシンを含む融合蛋白質をコードしている(図2A)。
以下のようにして、ペプチドライブラリーを作製する。DNAオリゴマー5’GACTGACTGGTCCG(NNK)20GGTCCTCAGTCAGTCAG 3’(ここで、N=A、C、G、T、かつK=G、T)(配列番号:4)を合成し、このオリゴマーの3’末端で二本鎖DNAを形成させるために、第二オリゴマー(5’CTGACTGACTGAGGACC 3’)(配列番号:5)とアニールさせる。第二オリゴマーをプライマーにして、クレノウ酵素を用いて、第二鎖合成を酵素的に完了させる。この産物をAvaIIで切断して、RsrIIで切断したpYENAeTRXに挿入する。ライゲーションした後、この構築物を用いて、標準的な方法により大腸菌を形質転換する(Ausbelら、上記)。このライブラリーは、2.9X109の構築物を含み、このうち、109個以上がペプチド合成を行った。
相互作用するペプチドをスクリーニングするために、このライブラリーのうち20μgを用いて、酵母系統EGY48(Matαhis3 leu2::2Lexop-LEU2 ura3 trp1 LYS2;Gyurisら、上記)を形質転換する。この系統はまた、酵母の2μ複製開始点、URA3遺伝子、及び4個のcolE1 LexAオペレーターで置き換えたGAL1上流制御因子をもつGAL1-lacZレポーター遺伝子を含む、pLR1Δ1由来のレポーター・プラスミドpSH 18-34を含み(Westら, Mol. Cell Biol. 4:2467, 1984;Ebinaら, J. Biol. Chem.258:13258, 1983;HanesおよびBrent, Cell 57:1257, 1989)、また、被食蛋白質用ベクターpLexA202-Cdk2(Cdk2は、必須の細胞周期酵素である、ヒトのサイクリン依存的キナーゼ2をコードする)(Gyurisら、上記;Tsaiら, Oncogene 8:1593, 1993)。約2.5X106の形質転換体が得られ、それをプールした。第一の選抜段階は、2%ガラクトース/1%ラフィノースで誘導した(Gyurisら、上記;GuthrieおよびFink,酵母の遺伝学及び分子生物学への手引き、第194巻、1991)後、ロイシン欠失培地上で増殖させることであるが、酵母におけるライブラリーの8倍の重複度(20X106cfu)でこれを行なうと、30℃で5日間増殖させた後約900個のコロニーが得られる。大きい方から300個のコロニーを面線接種して精製し、LEU2遺伝子産物及びβ-ガラクトシダーゼ(pSH 18-34によってコードされる)のガラクトース依存的発現を調べるが、後者により、培地中のXgalの存在下で青いコロニーが生じる(Ausubelら、上記)。33個のコロニーがこれらの要求性を充たし、配列決定をすると、これらは、すべてLexA-Cdk2被食蛋白質に特異的に結合して、LexAやLexA-Cdk3被食蛋白質(Finleyら,Proc. Natl. Acad. Sci., 1994)には結合しない14個の異なるクローンを含んでいる。結合の強さは、それぞれ異なる相互作用体を含む酵母のコロニーによって形成される青色の濃さによって判断される。この方法によって、各相互作用体を強い結合体、中度結合体、弱い結合体に分類し、並行接合相互作用アッセイ(side by side mating interaction assay)で、Cdk2のパートナーとなるさまざまな天然の蛋白質によって作られる青色の量に対して標準化する。各分類の代表的なペプチド配列の例をここに挙げる。
強い結合体:ペプチド3(配列番号:6)
-Gly34-Pro35-Leu-Val-Cys-Lys-Ser-Tyr-Arg-Leu-Asp-Trp-Glu-Ala-Gly-Ala-Leu-Phe-Arg-Ser-Leu-Phe-Gly34-Pro35-
中度結合体:ペプチド2(配列番号:7)
-Gly34-Pro35-Met-Val-Val-Ala-Ala-Glu-Ala-Val-Arg-Thr-Val-Leu-Leu-Ala-Asp-Gly-Gly-Asp-Val-Thr-Gly34-Pro35-
弱い結合体:ペプチド6(配列番号:8)
Gly34-Pro35-Pro-Asn-Trp-Pro-His-Gln-Leu-Arg-Val-Gly-Arg-Val-Leu-Trp-Glu-Arg-Leu-Ser-Phe-Glu-Gly34-Pro35-
検出可能な結合を示さない対照用ペプチドは、c4:Arg-Arg-Ala-Ser-Val-Cys-Gly-Pro-Leu-Leu-Ser-Lys-Arg-Gly-Tyr-Gly-Pro-Pro-Phe-Tyr-Leu-Ala-Gly-Met-Thr-Ala-Pro-Glu-Gly-Pro-Cys(配列番号:14)、及び、c:Arg-Arg-Ala-Ser-Val-Cys-Gly-Pro-Leu-His-Tyr-Trp-Gly-Leu-Gly-Gly-Phe-Val-Asp-Leu-Trp-Gln-Glu-Thr-Thr-Gly-Val-Gly-Pro-Cys(配列番号:15)
図3Aは、5個のペプチドが、LexA-Cdk2被食蛋白質と強く反応したが、多数の無関係な蛋白質とは反応しなかったことを示している。いずれのCdk2アプタマーも、Cdk2と65%の同一性があるCDC28及びCdc2とは反応しなかった。しかし、5個のCdk2相互作用体のうちの2個は、ヒトCdk3と反応し、5個のうち1個は、ショウジョウバエ(Drosophila)のCdc2cとも反応した。このことは、これらのペプチドが、これらの蛋白質に共通する決定基を認識することを示している。ラムダ・リプレッサーのC末端に関する理論的な考察と較正実験から、EGY48におけるpSH18-34レポーターの転写は、10-6Mの弱さで、Kdsとの蛋白質相互作用によって活性化できることが示された。ペプチド3及び13が、このLexAop-lacZレポーターの確実な転写を行わせるという事実は、これらが実質的により強固に相互作用するという考えと一致する。これらのペプチドの配列を図3Bに示す。二つのペプチドは、ユニットとなる長さよりも長く、これらはどちらも、明らかに、ライブラリーを構築するために用いられたインビトロ操作による人為的な産物である。いずれのペプチドも、既知の蛋白質に対して有意な配列類似性を示さず、また、互いに偶然の類似性以上の類似性を示さない。このことは、Cdk2を認識できるペプチドモチーフが涸渇していないことを示している。
Cdk2相互作用の特異性を確かめるために、本発明者らは、グルタチオン・セファロースビーズにGst-Cdk2融合蛋白質を固定して、これらのビーズを用いて、細菌が発現する二つのペプチド・アプタマーを特異的に沈殿させた(図4)。Gst-Cdk2を大腸菌で発現させ、既に述べられているところに従ってグルタチオンセファロースで精製した(Leeら, Nature 374:91-94(1995))。ペプチド3及び13を、以下のようにして作製した。ペプチド3及び13の合成を行わせた断片を、対応するライブラリー・プラスミドがコードするインサートのPCR増幅によって作製し、pAL-TrxAに導入した(LaVallieら,Bio/Technology 11:187-193(1993))。融合蛋白質を発現させて、既に述べられているところ(LaVallieら,Bio/Technology 11:187-193(1993))に従って、フランス式圧力容器(French pressure cell)の中で溶解した。既に述べられているところ(Leeら, Nature 374:91-94(1995))に従って、Gst-セファロースビーズで共沈殿し、この試料を15%SDSポリアクリルアミドゲルで泳動して、ナイロン・メンブレンにトランスファーした。抗TrxA抗体でメンブレンを検出し、固定化された抗体を、製造業者(アマシャム社(Amersham)、イリノイ州アーリントンハイツ)の指示に従い、ペルオキシダーゼに結合させた抗ウサギIgG抗体ECL試薬で発色させて、TrxAを含む融合蛋白質を可視化した。
これらの実験で、Cdk2とペプチド・アプタマーの間の相互作用がインビトロで観察でき、このため、酵母が本来もつ架橋用蛋白質を必要としないことが示された。同定されれば、これらのペプチドを競合実験に用いることができる。
細胞内被食蛋白質と呼ばれる蛋白質と特異的に相互作用するTrxA-ペプチドの選抜ができると、他の分類に属する細胞内試薬の作出が見込めることになる。例えば、適切に誘導体化したTrxA-ペプチド融合物は、拮抗剤と作用剤を作出できるかもしれない(上述)。又は、ペプチド融合によって、特定の蛋白質の対に相互作用を行わせる、ホモ二量体又はヘテロ二量体からなる「仲介蛋白質(match maker)」を作出できる。特定の実施例において、相互作用ペプチド候補を含む構造抑制蛋白質に接続したロイシン・ジッパー配列を利用して、二つの蛋白質を結合する。この蛋白質は、対になる蛋白質の両方のメンバーに結合でき、それらの相互作用を促す。又は、「仲介蛋白質」が、第一のポリペプチドに親和性をもつ配列と、第二のポリペプチドに親和性をもつ配列との二つの配列をもつようにしてもよい。これもまた、第一と第二のポリペプチド間の相互作用を促す結果になる。本明細書において説明されている、ペプチド融合のための別の実用的な応用方法は、宿主のプロテアーゼによる分解のために結合蛋白質を標的とする「破壊蛋白質(destroyer)」の作出である。破壊蛋白質の応用例として、相互作用する組み合わせの一方の成分にプロテアーゼを融合し、分解の標的となる蛋白質(例えば、プロテアーゼの基質)と相互作用させる。この方法によって、プロテアーゼは、それが作用するのに好都合な部位に輸送されるため、その蛋白質分解能力が効果的に強化される。さらに、本明細書で説明されている、融合蛋白質の別の応用法は、標的蛋白質が特定の構造を好むか、その構造を安定化するように誘導する「構造安定化蛋白質(conformational stabilizer)」である。特定の例において、ras蛋白質は、細胞に分裂シグナルを送る構造と、細胞に分裂しないようにシグナルを送るもう一つの構造を持つ。望ましい構造を安定化するペプチドないし蛋白質を選抜することによって、細胞が分裂するかしないかを決めることができる。活性を上げたり下げたりする構造的な変化をとる他の蛋白質は、また、所望の蛋白質の性質に影響を与えるため、適当な「構造安定化蛋白質」に結合していてもよい。
2.Cdk2の機能的な阻害
Cdk2相互作用ペプチドが、インビボでCdk2の機能を阻害するか否かを判定するために、本発明者らは、ヒトCdk2が温度感受性のCdc28対立遺伝子を相補できるという事実を利用した(ElledgeおよびSpottswood, EMBO 10:2653-2659, 1991;Ninomiyaら,PNAS 88:9006-9010, 1991;Meyersonら, EMBO 11:2909-2917, 1992)。ペプチド13は、Cdk2依存型酵母のプレートでの培養効率を阻害する。温度感受性cdc28-1N変異をもつ系統は、Cdk2を発現するプラスミドを持っていれば、高温下でコロニーを形成することができる。限定的な温度で、対照用ペプチドを発現している酵母の効率に比べて、ペプチド13を発現すると、この系統のプレート効率が10倍低下する。ペプチド3もペプチド13も、cdc28-13ts遺伝子をもつCdk2(+)系統の、37℃でのプレート効率に与える影響は同じである。
ペプチド13の発現は、Cdk2(+),cdc28ts-1N系統の倍加時間を50%の比率になるまで遅くさせる。このペプチドを発現している系統を顕微鏡で調べると、これらの細胞は、高い割合で、限定的な温度下で、cdc28-1N細胞に特徴的な伸長した形態をもつことが分かった。このとき、一方、対照用ペプチドを発現している細胞は、より正常な形態をもっていた。
ペプチド13は、野生型Cdc28産物を発現するプラスミドによって、欠損が相補される高温下で、cdc28-1Nts系統の増殖に影響を与えない。また、増殖できる温度下での酵母に対しても影響を与えない。いかなる理論にも束縛されることを意図するものではないが、このペプチドは、Cdk2分子の表面のどこかに結合してその機能を阻害し、サイクリン、他のパートナー、又は基質と相互作用する能力を阻害することによって、酵母の細胞周期の進行を妨げると考えられる。
3.OncoRas被食蛋白質によるチオレドキシン相互作用捕捉
ras蛋白質は、多くのシグナル伝達経路にとって不可欠であり、細胞増殖を含む、さまざまな生理学的機能を制御している。ras遺伝子は、ハーベイ及びカーステン肉腫ウイルスのゲノムから最初に同定された。哺乳類のras遺伝子の3つの型(N-、K-ras及びH-ras)は、分子量が21kDaで、活性(GTP-結合)型と不活性(GDP-結合)型の間を循環する、高度に保存された膜結合グアニン・ヌクレオチド結合蛋白質をコードしている。
正常な細胞では、活性型Rasは、それの固有のGTPase活性が、結合したGTPを急速にGDPに転化するため短命である。GTPase活性は、GTPase活性化蛋白質(GAPs)によって105倍に刺激される。GTP結合Rasは、GAP、c-Raf、1型神経線維腫(NF-1)及びRalグアニン・ヌクレオチド解離刺激因子(RalGDS)と相互作用する。
突然変異によって活性化されたRAS蛋白質は、ヒトの腫瘍細胞の約30%に見出され、GTPase活性を大幅に減少しているためGAPによって刺激を受けない。今までに研究された突然変異の大多数は、RasのGly-12残基又はGln-61残基のいずれかの点突然変異に起因する。これらのRas変異体は、活性型のままであり、腫瘍形成を引き起こす下流エフェクターと相互作用する。野生型のGTP結合型と発癌性Ras蛋白質との間には構造的に有意な差異があることが示されている。このような構造上の差異が、発癌性ras蛋白質によって誘導される悪性トランスフォーメーションの原因である可能性が高い。
GTP結合H-ras変異体における、突然変異によって活性化されるこのような構造的変化は、構造を抑制されたランダムペプチド・ライブラリーの構成ペプチドに対する標的を提供する。本実施例において、ライブラリーは、上述のように、構造的に抑制されているチオレドキシンのペプチド・ライブラリーである。ライブラリーの構成ペプチドは、発癌性Rasと相互作用するが、前述の相互作用捕捉技術を改変した技術を用いて同定される。単離された発癌性Rasのペプチド・アプタマーは、発癌性Rasの既知のエフェクターとの相互作用を阻止して、細胞のトランスフォーメーションを阻害する能力についてアッセイしてもよい。
発明者らは、十分に特徴が分かっている発癌性H-ras(G12V)を用いて、そのペプチド・アプタマーの単離及び特徴決定を行なった。本明細書で提供されているプロトコールを改変したものを用いて、他の癌遺伝子に対するペプチド・アプタマーを単離することができる。
被食蛋白質の構築
LexA-Ras(G12V)/pEG202:H-Ras(G12V)DNAの構築は、BTM116-H-Ras(G12V)(図5)をBamHIとSalIで消化して行った。H-Ras(G12V)DNAを、BamHIとSalIで消化したpEG202基本ベクターに融合させた。この結果できたプラスミドをpEG202-H-Ras(G12V)(又はV6)と名付けた(図6)。
H-Ras(G12V)ペプチド・アプタマーに対するスクリーニング
pEG202-H-Ras(G12V)(V6)で、標準的な酵母の形質転換プロトコールにしたがって、EGY48系統を形質転換した。特に、ここでは、ザイモ・リサーチ社(Zymo Research,カリフォルニア州オレンジカウンティ)によって提供されたプロトコールを用いた。EGY48をYPD培地でOD600=0.2〜0.7まで増殖させた。細胞は、500 X gで4分間遠心して沈殿させ、10mlのEZ2溶液(ザイモリサーチ(Zymo Research))に再懸濁させた。次に、細胞を遠心して沈殿させ、1mlのEZ1溶液(ザイモリサーチ)に再懸濁させた。このコンピテント細胞を等量に分けて(50μl)、-70℃の冷凍庫に保存した。
等量のコンピテント細胞を、0.1μlのLexA-Ras(G12V)/pEG202と500μlのEZ3(ザイモリサーチ)溶液と混合した。この混合物を30℃で30分間インキュベートして、ヒスチジン及びウラシルを含まない酵母用培地に塗布して培養した。一個のコロニーを選んで、100mlのグルコースUra-His-培地に接種し、OD600測定値が0.96になるまで、30℃で振とう(150rpm)培養した。培養液を2000gで5分間遠心分離し、細胞沈殿物を、5mlの滅菌したLiOAc/TEに再懸濁させた。再び、細胞を上記のように遠心分離して0.5mlの滅菌したLiOAc/TEに再懸濁させた。
次に、細胞の一部(50μl)を、1μgのチオレドキシンペプチド・ライブラリーDNA、70μgのサケ精子DNA及び300μlの滅菌した40%PEG入りLiOAc/TEとともに30℃で30分間インキュベートした。混合物に15分間42℃で熱ショックを与える。各等量液をグルコースUra-His-Trp-培地を入れた24cm X 24cmのプレートに塗布して、30℃で2日間培養した。形質転換効率は、典型的には、ライブラリーのDNA1μg当たり50,000から100,000コロニー形成ユニットの範囲であった。
全部で150万個の形質転換体を得、ガラクトース/ラフィノースLeu-Ura-His-Trp-の選択培地に塗布した。338個のコロニーが形成されたが、酵母プラスミドDNAを調製するために、このうち50個をランダムに選んで、5mlのグルコースLeu-Ura-His-Trp-培地に接種した。各酵母培養液0.5mlを等容量の酸で洗浄した砂とフェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(24:24:1)と混合し、2分間ボルテックスミキサーで撹拌した。次に、混合物を15分間遠心し、上清をエタノールで沈殿させた。DNA沈殿物を50μlのTEに再懸濁させた。
各試料から1μlを採り、大腸菌KC8細胞をエレクトロポレーションで形質転換するために用いた。ウラシル、ロイシン、ヒスチジン及びアンピシリンを添加した最少寒天の上で、細菌の形質転換体を選抜した。各タイプの形質転換体から、ロイシンマーカーを持ち、チオレドキシン−ペプチド融合蛋白質をコードするDNA断片を持つプラスミドが最終的に単離された。
fmolDNA(登録商標)シークエンシング・システム(プロメガ社(Promega)、ウィスコンシン州マジソン)の指示にしたがい、プライマー5’-GACGGGGCGATCCTCGTCG-3’(配列番号:16)を用いて、50の単離物の配列決定を行なった。dT/ddTターミネーション反応物の電気泳動によって決定したところ、50個の単離物の中の9個(#4、#18、#39、#41、#22、#24、#30、#31、#46と呼ぶ)は、独自のペプチドをコードする配列を含んでいた。これらのうち、#39の推定ペプチド・アプタマー配列は以下の通りである。すなわち、Trp-Ala-Glu-Trp-Cys-Gly-Pro-Val-Cys-Ala-His-Gly-Ser-Arg-Ser-Leu-Thr-Leu-Leu-Thr-Lys-Tyr-His-Val-Ser-Phe-Leu-Gly-Pro-Cys-Lys-Met-Ile-Ala-Pro-Ile-Leu-Asp(配列番号:17)。発明者らの結果から、第一回のスクリーニングで、約60個の独特のH-Ras(G12V)ペプチド・アプタマー(338 X 9/50)が単離された。
他の態様
上述のように、本発明は、蛋白質-蛋白質の相互作用を検出し、解析するための方法を特徴とする。典型的には、上記の実験において、被食蛋白質をDNA結合ドメインに融合させ、捕食蛋白質を(構造抑制蛋白質と連結して)遺伝子活性化ドメインに融合させる。しかし、本発明は、容易に他の方式に適用される。例えば、本発明はまた、被食蛋白質を遺伝子活性化ドメインに融合させ、捕食蛋白質を(構造抑制蛋白質と連結して)DNA結合ドメインに融合させる、「逆」相互作用捕捉を含む。また、被食蛋白質と捕食蛋白質間の相互作用の結果、レポーター遺伝子発現の活性化が起きる。しかし、このような「逆」相互作用捕捉系は、それ自身では下流にある遺伝子発現を活性化しない捕食蛋白質の使用に依存する。
本明細書で説明されている蛋白質相互作用アッセイは、また、無細胞のインビトロ系で行うこともできる。そのような系は、DNA結合蛋白質認識部位(例えば、LexA結合部位)に機能的に結合したレポーター遺伝子を含んだDNA構築物で開始する。このDNAに、被食蛋白質(例えば、本明細書で説明されている、LexA結合ドメインに結合した被食蛋白質のいずれか)と、捕食蛋白質(例えば、構造的に抑制された相互作用体候補の捕食蛋白質で、遺伝子活性化ドメインに結合したもの)を加える。RNA産物として、インビトロで翻訳された蛋白質として、又は、翻訳されたレポーター遺伝子産物の何らかの酵素活性として、レポーター遺伝子産物を測定して、被食蛋白質と捕食蛋白質の間の相互作用を測定する。このインビトロの系は、既知の相互作用する蛋白質の対(上で説明した系において)に作用物質候補又は拮抗物質の相互作用体の候補を加えて、候補となる化合物や蛋白質を欠いた、コントロール反応と比較して、レポーター遺伝子の発現における増加又は減少を(それぞれ)測定するだけで、作用物質や拮抗物質を同定するために用いることもできよう。大規模なスクリーニングを容易にするためにまず、例えば10個か20個の候補となる化合物又は蛋白質の、候補となる被食蛋白質又は作用物質又は拮抗物質をまとめて調べてもよい。次に、陽性の結果を示すプールから、このプールの構成成分を個別にアッセイして、特定の相互作用する蛋白質又は作用物質又は拮抗物質を同定する。このようなインビトロの系は、ロボットによる自動化やキットの製造を行いやすい。本明細書で説明された、いずれかの相互作用捕捉系の構成要素を含むキットも、本発明に含まれる。
本発明の、インビボ又はインビトロいずれかの構成成分(例えば様々な融合蛋白質又はそれに対するDNA)は、目的とする実験計画に応じて、逐次的に又は同時に提供されよう。
配列表
(1)一般情報:
(i)出願人:Brent, Roger
McCoy, John M.
Jessen, Timm H.
Xu, Chanxing Wilson
(ii)発明の表題:蛋白質相互作用を検出するための相互作用補足系
(iii)シーケンス数:20
(iv)文書通信情報:
(A)宛名:Fish & Richardson, P.C.
(B)街路名:225 Franklin Street
(C)市名:Boston
(D)州名:Massachusetts
(E)国名:U.S.A.
(F)郵便番号:02110-2804
(v)コンピューター読み取りフォーム:
(A)メディア形式:フロッピーディスク
(B)コンピューター:IBM PC compatible
(C)運転システム:PC-DOS/MS-DOS
(D)ソフトウェア:PatentIn Release #1.0, Version #1.30
(vi)現行出願データ:
(A)出願番号:
(B)出願日:
(C)分類:
(vii)先の出願のデータ:
(A)出願番号:
(B)出願日:
(viii)弁護士/代理人情報:
(A)氏名:Paul T. Clark
(B)登録番号:30,162
(C)参照/明細書番号:00786/288001
(ix)電気通信情報:
(A)電話:(617)542-5070
(B)ファックス:(617)542-8906
(C)テレックス:200154
(2)配列番号:1の情報:
(i)配列の特性:
(A)配列の長さ:20
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列の記載:配列番号:1:
(2)配列番号:2の情報:
(i)配列の特性:
(A)配列の長さ:20
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列の記載:配列番号:2:
(2)配列番号:3の情報:
(i)配列の特性:
(A)配列の長さ:20
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列の記載:配列番号:3:
(2)配列番号:4の情報:
(i)配列の特性:
(A)配列の長さ:91
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ix)配列の特徴:
(D)他の情報:NはA又はT又はG又はCであり、KはG又はTである。
(xi)配列の記載:配列番号:4:
(2)配列番号:5の情報:
(i)配列の特性:
(A)配列の長さ:17
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列の記載:配列番号:5:
(2)配列番号:6の情報:
(i)配列の特性:
(A)配列の長さ:24
(B)配列の型:アミノ酸
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(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列の記載:配列番号:6:
(2)配列番号:7の情報:
(i)配列の特性:
(A)配列の長さ:24
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列の記載:配列番号:7:
(2)配列番号:8の情報:
(i)配列の特性:
(A)配列の長さ:24
(B)配列の型:アミノ酸
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(xi)配列の記載:配列番号:8:
(2)配列番号:9の情報:
(i)配列の特性:
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(B)配列の型:アミノ酸
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(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列の記載:配列番号:9:
(2)配列番号:10の情報:
(i)配列の特性:
(A)配列の長さ:42
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列の記載:配列番号:10:
(2)配列番号:11の情報:
(i)配列の特性:
(A)配列の長さ:20
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列の記載:配列番号:11:
(2)配列番号:12の情報:
(i)配列の特性:
(A)配列の長さ:20
(B)配列の型:アミノ酸
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(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列の記載:配列番号:12:
(2)配列番号:13の情報:
(i)配列の特性:
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(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列の情報:配列番号:13:
(2)配列番号:14の情報:
(i)配列の特性:
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(B)配列の型:アミノ酸
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(2)配列番号:15の情報:
(i)配列の特性:
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(2)配列番号:16の情報:
(i)配列の特性:
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(B)配列の型:核酸
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(D)トポロジー:直鎖状
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(2)配列番号:17の情報:
(i)配列の特性:
(A)配列の長さ:38
(B)配列の型:アミノ酸
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(xi)配列の記載:配列番号:17:
(2)配列番号:18の情報:
(i)配列の特性:
(A)配列の長さ:20
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(i)配列の特性:
(A)配列の長さ:20
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列の記載:配列番号:19:
(2)配列番号:20の情報:
(i)配列の特性:
(A)配列の長さ:38
(B)配列の型:アミノ酸
(C)鎖の数:
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列の記載:配列番号:20:
Claims (11)
- 真核細胞の集団において、各細胞が、アミノ末端とカルボキシル末端をチオレドキシンに共有結合させることによって構造的に抑制された細胞内ペプチドをコードする組換えDNA分子を有し、該集団中に構造的に抑制された異なる細胞内ペプチドをコードする少なくとも100の異なる組換え分子が存在し、各分子が該集団の少なくとも一個の細胞に含まれている、真核細胞の集団。
- 細胞内ペプチドがチオレドキシンに融合されている、請求項1の集団。
- 細胞内ペプチドが、ペプチドのアミノ末端のシステイン残基とカルボキシ末端のシステイン残基との間のジスルフィド結合によって構造的に抑制されている、請求項1の真核細胞の集団。
- 酵母細胞である、請求項1の真核細胞の集団。
- 組換えDNA分子が、細胞内ペプチドに共有結合した遺伝子活性化部分をさらにコードしている、請求項1の真核細胞の集団。
- 細胞内ペプチドが真核細胞内の組換え蛋白質と物理的に相互作用する、請求項1の真核細胞の集団。
- 真核細胞の集団において、各細胞が、アミノ末端とカルボキシル末端をチオレドキシンに共有結合させることによって構造的に抑制された細胞内蛋白質をコードする組換えDNA分子を有し、該集団中に構造的に抑制された異なる6〜60アミノ酸長の細胞内ペプチドをコードする少なくとも100の異なる組換え分子が存在し、各分子が該集団の少なくとも一個の細胞に含まれている真核細胞集団の、構造的に抑制されたペプチドと物理的に相互作用し、レポーター遺伝子の発現を増加もしくは減少させる蛋白質を同定、あるいは細胞の増殖を妨げるか、細胞死を引き起こすか、細胞の発色もしくは色の消失をもたらす蛋白質を同定するための細胞内スクリーニングにおける使用。
- 細胞内スクリーニングが転写に基づくものでない、請求項7に記載の使用。
- 構造的に抑制されたペプチドをコードするDNAが無作為なものである、請求項7に記載の使用。
- 一対の相互作用蛋白質が媒介するレポーター遺伝子の発現を増加させる能力を有するアゴニストまたは一対の相互作用蛋白質が媒介するレポーター遺伝子の発現を減少させる能力を有するアンタゴニスト蛋白質を同定し、場合によっては単離する、以下の段階を含む方法。
・一対の相互作用蛋白質、および、発現がその相互作用蛋白質のペアによって媒介されるレポーター遺伝子を含む宿主細胞を準備する段階、
・アミノ末端とカルボキシル末端をチオレドキシンに共有結合させることによって構造的に抑制されている6〜60アミノ酸長のアゴニストまたはアンタゴニスト蛋白質をコードするDNAを前記宿主細胞に導入する段階、
・前記レポーター遺伝子の発現を測定する段階、ならびに
・場合により、レポーター遺伝子発現を増加させる能力を有する蛋白質アゴニスト、もしくはレポーター遺伝子発現を減少させる能力を有する蛋白質アンタゴニストを単離する段階。 - アミノ末端とカルボキシル末端をチオレドキシンに共有結合させることによって構造的に抑制された6〜60アミノ酸長の相互作用蛋白質候補の、細胞の増殖を妨げるか、細胞死を引き起こすか、細胞の発色もしくは色の消失をもたらす蛋白質をコードするレポーター遺伝子の活性を真核細胞中において増加あるいは減少させるための使用。
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