JP4064406B2 - 穿孔性害虫の防除及び拡散を防止する方法、及び当該方法にて使用する高分子製剤 - Google Patents

穿孔性害虫の防除及び拡散を防止する方法、及び当該方法にて使用する高分子製剤 Download PDF

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本発明は、カミキリムシ類やキクイムシ類などの穿孔性害虫が樹木の内部に侵入しないように防止すると共に、樹木内部で繁殖・羽化した穿孔性害虫の成虫の周囲への拡散を防止するための方法、並びに、当該方法にて使用する高分子製剤(高分子被覆剤)に関するものである。
従来より、森林の保護や果樹園の果樹など、樹木に対する害虫の予防・駆除及び拡散の防止方法としては、対象とする害虫の種類により、捕殺、灯火誘殺、天敵による駆除、農薬の散布や農薬の塗布などなどが行われている。中でも樹皮の内部に穿入し、靭皮、コルク層、成形層で生育、繁殖する、いわゆる穿孔性害虫に関しては、その他のたとえば、種子(果実)食性害虫、葉食性害虫、吸汁性害虫と異なり、自身が樹皮表面に出ることが少ないため、捕殺、灯火誘殺、農薬の散布及び塗布による防除が困難である。その結果として、穿孔性害虫に対しては農薬の過剰な散布・塗布や、短いサイクルでの散布・塗布を行うこととなり、その農薬の有害性は、散布する作業員自身の体のみならず、環境への影響等も無視できない状況である。
また、農薬を使用しない方法として、ビニールシートを巻きつけて防除する方法も提案されているが、ビニールシートによる被覆は、不定形の樹木に対しては、密閉性を得るのが困難である上、固定のためには、ガムテープやロープなどの固定の為の副資材と時間及び手間を要するという欠点がある。
最近では農薬の散布以外の方法として、農薬や忌避剤を添加したテープを巻きつける方法などが報告されている(例えば下記の特許文献1及び2など)。
特開平5−328883号公報 特開平10−327732号公報
上記特許文献1には、基布の一面もしくは両面に鉱物性油脂を主成分とする粘着剤が塗工された粘着テープの一側縁部に防虫剤が塗布された防虫粘着テープを用いた防虫方法が開示されており、又、上記特許文献2には、長尺テープ裏面に粘着剤を施し、その表面に石灰や酸化マグネシウムを主剤とするアルカリ防虫剤を塗布した防虫駆除テープが開示されているが、これらはいずれもビニール等のシートまたはテープを用い、片面に忌避剤や防虫剤、粘着性の糊剤などを処理していることを特徴としている。
しかしながら、これら特許文献に記載される方法では、樹木の形状が入り組んでいたり枝分かれなどしている時には表面に隙間無く、全体または目的の部位の全てを覆う事が困難であり、例えば地中から表皮伝いに移動する昆虫等には効果が得られても飛来性の昆虫等に対しては充分目的を達することができない。また、農薬散布と比べ、目的部位以外への薬剤の散布による被害は無いとは言え、忌避剤やある種の有害性が考えられる薬剤を使用するため、雨水などを介しての環境への流出による影響を回避することはできない。
又、下記の非特許文献1には、農薬を使用することなく穿孔性害虫を防除する方法として、ビニールシートや生分解性シートで樹木の一部または全体を覆うことが開示されており、このような方法によって防除効果が得られることも記載されている。この方法によれば、作業員が農薬を取り扱うことに対するリスクが軽減されることは勿論、環境に対する負荷も少なくすることができるが、このような方法の場合には、樹木への巻きつけや巻き付けたシートの末端の固定処理などが困難であるという問題点があり、固定の為にはシートを巻きつけて端末をロープで縛ったり、粘着テープを巻き付けて固定するなどの作業が必要であった。また、このような方法を実施する際には、複数の人間による作業が必要であり、手間と時間を要する。しかも、この方法によっても、樹木の形状が入り組んでいたり枝分かれなどしている時には表面に隙間なく巻きつけることは不可能であった。
森林防疫 FOREST PESTS No.616、京都府林業試験場発行、小林、荻田の論文(2003年7月)
本発明は、上述の従来の方法における問題点を解消し、環境への悪影響がなく、時間と手間が比較的かからず、簡単に実施可能な、穿孔性害虫の防除及び拡散を防止する方法を提供することを課題とする。
そこで本発明者等は、常温で成膜して高分子皮膜となる高分子化合物の水溶液または分散体または乳化物を対象物(樹木)に塗布し、成膜した皮膜で樹木の一部または全部の表面を覆うことにより、環境への悪影響がなく、時間と手間が比較的かからず、害虫の予防及び駆除が有効に行なえることを見い出して本発明を達成した。
本発明の方法は、樹木内部への穿孔性害虫の外部からの侵入、及び樹木内部で繁殖・羽化した穿孔性害虫の成虫の周囲への拡散を防止するための方法であって、前記樹木表面の全部又は一部に、常温での成膜により高分子皮膜を生成し得る常温成膜性高分子化合物を含む水溶液または分散体または乳化物を塗布することにより当該樹木の表面を高分子皮膜で覆うことを特徴とする。
又、本発明は、上述の方法における前記常温成膜性高分子化合物が、天然ゴムラテックス、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム及びイソプレンゴムから成るグループより選ばれたラテックス又はこれらの混合物、あるいは、アクリル酸エステル、スチレンアクリル共重合物、アクリロニトリル、アクリルメタクリル、酢酸ビニル、酢ビアクリル共重合物、塩化ビニル、ポリウレタン及びシリコーン樹脂から成るグループより選ばれた高分子化合物又はこれらの混合物であることを特徴とするものでもある。
更に本発明は、上述の方法における前記常温成膜性高分子化合物の最低造膜温度が25℃以下であり、しかもガラス転移点が5℃以下であることを特徴とするものでもある。
又、本発明は、上述の方法における前記常温成膜性高分子化合物を成膜して得られた前記高分子皮膜の破断伸度が、25℃環境下において150%以上であることを特徴とするものでもある。
又、本発明は、樹木内部への穿孔性害虫の外部からの侵入、及び樹木内部で繁殖・羽化した穿孔性害虫の成虫の周囲への拡散を防止するために、当該樹木表面に塗布して使用される高分子製剤でもあり、この高分子製剤は、常温での成膜により高分子皮膜を生成し得る常温成膜性高分子化合物を含む水溶液または分散体または乳化物の形態であることを特徴とする。
本発明の方法では、樹木表面に、常温成膜性高分子化合物の水溶液または分散体または乳化物を、吹き付けあるいはローラー、刷毛などを用いて塗布し、樹木表面上で乾燥・成膜せしめてフィルム状とし、樹木表面を高分子皮膜で覆うことによって、環境へ悪影響を及ぼすことなく、カミキリムシ類やキクイムシ類などの穿孔性害虫が樹木の内部へ侵入するのを有効に防止でき、更には、処理時に既に樹木内部に穿入し、樹木内部で繁殖・羽化した穿孔性害虫の成虫が周囲へ移動拡散するのも有効に防止できる。
本発明において「穿孔性害虫」とは、ゾウムシ、キクイムシ、シロアリ、カミキリムシ類に代表される木材及び樹木の樹皮の内部に穿入する昆虫等を指すが、本発明の方法にて使用される高分子製剤はこれらに限定されることなく、小動物の樹皮、靭皮に対する各種被害抑制に対しても応用可能である。
又、本発明の方法にて使用される高分子製剤は、水溶液の形態であっても分散体の形態であっても乳化物の形態であってもよく、この製剤中に含有される高分子化合物(常温成膜性高分子化合物)は、吹き付けあるいは、ローラーや刷毛などを用いて塗布した際に、常温での乾燥・成膜が起こり、その結果、樹木表面においてフィルム状の高分子皮膜を生成し得るものであれば良い。
本発明における「常温成膜性高分子化合物」とは、具体的にはラテックス類、アクリル酸エステル、酢酸ビニル、ポリウレタン、シリコーン樹脂、及びそれらを構造中に含む共重合物で、望ましくは取り扱いの容易な水溶液または水系分散体または乳化物であり、使用環境及び条件から最低造膜温度(MFT)が25℃以下のものが望ましい。
上記の樹脂と同様の効果が得られる成分としては、天然ゴムラテックス、SBR(スチレンブタジエンゴム)、BR(ブタジエンゴム)、NBR(ニトリルゴム)、CR(クロロプレンゴム)、IR(イソプレンゴム)等のラテックス類、アクリル酸エステル、スチレンアクリル共重合物、アクリロニトリル、アクリルメタクリル、酢酸ビニル、酢ビアクリル共重合物、塩化ビニル、ポリウレタン、シリコーン樹脂、等の高分子化合物及びそれらを構造中に含む共重合物のうち、常温で成膜しうるものが利用可能である。
本発明の、穿孔性害虫の防除及び拡散防止方法において使用される高分子製剤を樹木表面に塗布、成膜後に得られる高分子皮膜(フィルム)は、樹木表皮からの揮発性誘引物質の揮散の阻害、表面感触を変えることによる昆虫の「とりつき」の阻害、高分子フィルムの物理的障害による穿入阻止のほか、既に害虫の穿入している樹木に対しては、内部で羽化した成虫の脱出を阻害することによる別の樹木への移動阻止による拡散防止効果が得られるものであり、このような目的を達するための製剤は、以下の要件、即ち、
1.常温で成膜すること、即ち25℃以下の環境で連続した皮膜を形成すること。
2.樹木の成長や風などによる動きに対応し、使用環境下で適度な柔軟性、強度、伸度が得られること
3.求める膜厚が得られること
4.雨水で膨潤・劣化・割れ・剥離などが起きず、耐水性耐候性を有すること
5.低温で硬化・劣化が生じないこと、また夏季の気温でも軟化による剥離等を生じないこと
6.自然環境下で小動物や風等によって起こる事象に耐える強度を有すること
7.作業性、安全性に優れていること
を満たす必要がある。但し、使用に際しては気温や湿度、必要な強度や予想される成長度合いなどに関して、使用される環境を考慮して適切な成分調整、配合がなされることが望ましい。
常温で連続した皮膜を形成するため、通常、最低造膜温度は25℃以下、望ましくは10℃以下であることが望ましい。但し、気温や湿度などの環境により、適宜調節することが望ましい。
樹皮表面で成膜が、樹木の成長や風などによる一時的な変形することに対し、ひび割れや剥離を生じないために必要な柔軟性や伸度を得るためには、高分子製剤中に含まれる常温成膜性高分子化合物のガラス転移点が5℃以下であることが望ましく、0℃以下であることが特に望ましい。
またガラス転移点が過度に低く、−40℃以下になると、夏季等の高温多湿時、表面にタックが生じ、本来の目的外の有害でない昆虫や小動物が捕獲されてしまう恐れがあり、−40℃以上であることが望ましい。
前記の常温成膜性高分子化合物を成膜して得られる高分子皮膜は、常温下で引張り強度500N/cm以上、破断時の伸度は150%以上が必要であり、望ましくは破断伸度が200%以上であることが望ましい。
穿孔性害虫の防除及び拡散を防止するための本発明の高分子製剤に対しては、用途や環境により、製剤の求める機能を補助するための添加剤として、耐水・耐候性向上剤、紫外線吸収剤などの助剤を添加することができる。特に作業性、安全性の点から乳化物を用いる場合、製剤中に乳化時に使用した界面活性剤が残留し、使用中の湿度や雨などによって皮膜が膨潤劣化あるいは剥離するため、成膜を疎水化するための添加剤が必要となる。自然環境下での湿度や降雨による成膜の膨潤、劣化、剥離を防止するための疎水性向上剤の具体的な化合物としては、n−パラフィンやポリエチレンワックス、ジメチル或いはエポキシ変性のシリコーン類、アクリル・シリコーン樹脂、フッ素樹脂及びそれらの水溶液または乳化物等が使用可能であるが、本発明の目的に対しては成膜後のフィルム強度を損なわないものとして、架橋型の水溶性アクリル・シリコーン樹脂等が望ましい。
又、本発明の高分子製剤に対しては、製剤の利便性、安定性を得るための添加剤として防黴剤、防腐剤、安定剤、沈澱防止剤、レベリング剤などの助剤を添加することができ、更に、塗布作業に適した粘度及び有効な膜厚を得るための増粘剤として、高分子系増粘剤またはアクリル系アルカリ増粘剤などが添加されても良い。
本発明の効果を発揮するために必要な高分子皮膜の膜厚に関しては、対象となる昆虫の種類やその効果の発現の機構により異なるが、概ね0.05mmから1mm程度の成膜を得ることで効果が得られる。膜厚がそれ以下では成膜の強度が十分に得られず、それ以上では乾燥・成膜に過度の時間がかかる上、農業用塩化ビニールシートと比べて著しいコスト増となるため望ましくない。
通常、樹木の主幹部分は垂直であり、仮に凹凸が無いとすれば、上記の膜厚を得るためには製剤の粘度は概ね500〜5000mPa・s程度が望ましい。樹木に使用する際、塗布面が垂直あるいはそれ以上においても効果的な塗布作業、有効な膜厚を得るために増粘剤などを用いて粘度調整を行なう。
但し、これらの諸物性は、樹木の樹皮の状態や気温、湿度や処理方法などに影響されるため、効果的な膜厚を得るためには適宜粘度等を調整することにより対応することが可能である。
以下に本発明者等が実際に評価に用いた配合例を挙げるが、本発明はそれらに限定されるものではない。また、現在の日本の環境を想定し、−20℃から+40℃の温度範囲を想定して評価を行なっているが、使用環境によっては原材料の調整を行い、樹脂の成分や最低造膜温度及びガラス転移点、製剤の粘度などを調整することが可能である。
以下の条件、即ち、
1.高分子主成分の最低造膜温度が25℃以下であること
2.適度な柔軟性、伸度が得られる構造組成であること
3.耐水性耐候性の成分であること、もしくは耐水性耐候性を付与する添加剤を含有させること
4.低温で硬化・劣化が生じず、目安としてガラス転移点がないか、5℃以下であること
5.作業性、安全性に優れていること
の条件に適合すると思われる主原料として、以下の表1に記載される材料を用意した。
Figure 0004064406
[実験1]
上記の原材料乳化物をガラス板上に塗布し、常温下で乾燥させて厚さ約0.5mmのフィルム状とし、その物性を比較した。その結果を以下の表2に示す。
Figure 0004064406
一般的に使用される農業用軟質塩化ビニールシートは引張強度2000N/cm、破断伸度300%程度であり、上記の結果から、望む機能を得るにはTgが約5℃以下である材料が使用可能であることが解る。
また、Tgが−42℃のE剤においては、40℃環境では表面タック感があり、本来の機能については問題がないが、標準的な日本の夏季の環境を想定すれば本来防除の対象とはならない昆虫、小動物が捕らえられる可能性がある。但し、この場合も15〜25℃環境においてはそのような現象は発生せず、北海道や北日本及び高地など、夏季にも高温に成らない環境では有用である。
[実験2] 添加剤評価
上記の原材料乳化物のうち、B、C、D剤を以下の配合で調整し、そのエマルションをガラス板上で常温下で乾燥して厚さ約0.5mm、及び1.0mmのフィルム状とし、その物性を比較した。
なお、樹木への塗布を想定し、膜厚を揃え、液だれを防止するため液粘度は1000mPa・sから3000mPa・sとなるよう、アルカリ増粘剤で調整した。
また、エマルション製剤では通常乳化時に用いる界面活性剤が残留し、降雨などによる水分で膨潤劣化するため、表面を疎水化することが必要で、内部にシリコーン系の疎水基を持つアクリル・シリコーン共重合樹脂を添加剤として配合した。
この結果を、以下の表3に示す。
Figure 0004064406
上記の実験結果から、本発明に記載の上記高分子乳化物を常温で成膜せしめて得られた皮膜は、市販の軟質塩化ビニルシートと同等の強度、伸度を有することが確認できた。
[実験3] 耐候性評価
実験2の配合液を、樹木(間伐した枝)に処理し 室温で乾燥した後、屋外に12ヶ月暴露した時の状態の比較観察を行った。樹木への塗布を実施するにあたり、膜厚を揃え、液だれを防止するため、液粘度が1000mPa・sから3000mPa・sとなるよう、アルカリ増粘剤で調整した。
試験に供した樹木は、直径概ね50mmの生木で、表面形状は一定でなく、樹木に塗布したもの自身の膜厚、塗布量は測定できなかったが、同条件で垂直な硝子板に塗布したものは製剤の見掛け800g/mがガラス板上にとどまり、乾燥後の成膜は概ね400g/m、その膜厚は0.45mmから0.55mmであった。
実際の樹木に塗布した実験結果を、以下の表4に示す。
Figure 0004064406
以上の実験結果から、本発明に記載の高分子乳化物を塗布し、対象物上で成膜せしめることにより、市販の軟質塩化ビニルシートによる被覆と同等性能の皮膜を得られること、及びこれにより少なくとも12ヶ月以上の期間にわたり表面の保護が可能であることが確認できた。

Claims (6)

  1. 樹木内部への穿孔性害虫の外部からの侵入、及び樹木内部で繁殖・羽化した穿孔性害虫の成虫の周囲への拡散を防止するための方法であって、前記樹木表面の全部又は一部に、常温での成膜により高分子皮膜を生成し得る常温成膜性高分子化合物を含む水溶液または分散体または乳化物を塗布することにより当該樹木の表面を高分子皮膜で覆うことを特徴とする、穿孔性害虫の防除及び拡散を防止する方法。
  2. 前記常温成膜性高分子化合物が、天然ゴムラテックス、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム及びイソプレンゴムから成るグループより選ばれたラテックス又はこれらの混合物、あるいは、アクリル酸エステル、スチレンアクリル共重合物、アクリロニトリル、アクリルメタクリル、酢酸ビニル、酢ビアクリル共重合物、塩化ビニル、ポリウレタン及びシリコーン樹脂から成るグループより選ばれた高分子化合物又はこれらの混合物であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記常温成膜性高分子化合物の最低造膜温度が25℃以下であり、しかもガラス転移点が5℃以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記常温成膜性高分子化合物を成膜して得られた前記高分子皮膜の破断伸度が、25℃環境下において150%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 樹木内部への穿孔性害虫の外部からの侵入、及び樹木内部で繁殖・羽化した穿孔性害虫の成虫の周囲への拡散を防止するために、当該樹木表面に塗布して使用される高分子製剤であって、前記高分子製剤が、常温での成膜により高分子皮膜を生成し得る常温成膜性高分子化合物を含む水溶液または分散体または乳化物の形態であることを特徴とする、穿孔性害虫の防除及び拡散を防止するための高分子製剤。
  6. 前記高分子製剤が、自然環境下での湿度や降雨による成膜の膨潤、劣化、剥離を防止するための疎水性向上剤と、塗布作業に適した粘度及び有効な膜厚を得るための増粘剤の少なくともいずれか一方を含有していることを特徴とする請求項5に記載の高分子製剤。
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