JP4063478B2 - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の可変動弁装置、とりわけ、吸気弁や排気弁である機関弁のリフト特性を制御する可変動弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来の可変動弁装置としては、本出願人が先に出願した例えば特開平11−294125号公報に記載されたものがある。
【0003】
図11に基づいて概略を説明すれば、この可変動弁装置は、吸気弁側に適用されたもので、クランク軸の回転に同期して図中時計方向に回転する駆動軸61の外周に、軸心Yが駆動軸61の軸心Xから偏心した駆動カム62が固設されていると共に、駆動カム62の回転力が多節リンク状の伝達機構を介して伝達されて、吸気弁63の上端部に有するバルブリフター64の上面をカム面65が摺接して吸気弁63を開閉作動させる揺動カム66を有している。この揺動カム66は、基端部に形成された保持孔66aを介して駆動軸61の外周面に揺動自在に支持されている。
【0004】
前記伝達機構は、揺動カム66の上方に配置されて、後述の制御軸67に制御カム74を介して回動自在に支持されたロッカアーム68と、円環状の一端部69aが駆動カム62の外周面に嵌合しかつ他端部69bがロッカアーム68の一端部68aにピン70を介して回転自在に連結されたリンクアーム69と、一端部71aがロッカアーム68の他端部68bにピン72を介して回転自在に連結され、他端部71bが前記揺動カム66の端部にピン73を介して回転自在に連結されたリンクロッド71とから構成されている。
【0005】
また、前記制御軸67の外周面には、軸心P1が制御軸67の軸心P2から所定量αだけ偏心した制御カム74が固定されている。この制御カム74は、ロッカアーム68のほぼ中央に穿設された支持孔68c内に回転自在に嵌入保持されて、その回転位置に応じてロッカアーム68の揺動支点を変化させて、揺動カム66のカム面65のバルブリフター64上面に対する転接位置を変化させて、吸気弁63のバルブリフトを可変制御するようになっている。
【0006】
すなわち、機関運転状態が、低回転低負荷域の場合は、図外の電動モータによって制御軸67を一方向へ回転させて、制御カム74も同方向へ回転させることにより、ロッカアーム68の回動支点位置を駆動軸61より離れる方向へ移動させる。これにより、ロッカアーム68とリンクロッド71との枢支点が上方に移動して揺動カム66のカムノーズ部側の端部66bを引き上げ、これによって揺動カム66のバルブリフター64上面上の当接位置がリフト部65aから離れる方向に移動する。したがって、吸気弁63は、そのバルブリフト特性が最小となるように制御される。
【0007】
一方、高回転高負荷域である場合は、図外の電動モータが制御軸67を介して制御カム74を他方向へ回転させて、制御カム74を同方向へ回転させるため、ロッカアーム68の回動支点が図11に示すように駆動軸61に近づく方向に移動する。これにより、揺動カム66は、リンクロッド71などによって端部66bが押し下げられて、バルブリフター64上面との当接位置がリフト部65a側に移動するため、吸気弁63のバルブリフト特性が最大となるように制御される。
【0008】
したがって、機関運転状態に応じて燃費や出力の向上など機関性能を十分に発揮させることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の可変動弁装置にあっては、前述のように制御軸67を介して制御カム74を回動制御することにより、ロッカアーム68の回動支点位置を変化させることによって吸気弁63のリフト特性を可変にするようになっているため、かかるリフト制御時、最大リフト制御時や最小リフト制御時などにおいて図7の実線に示すように、吸気弁63のバルブリフト位相、つまりバルブリフトが極大となる瞬間の駆動軸61の位相が特異な変化特性を示すことから、機関性能を十分に発揮できないおそれがある。
【0010】
すなわち、可変機構によるバルブリフト制御中における前記バルブリフト位相について図7の実線に基づいて考察すると、最大リフト(Lmax)からリフトを低下させていくと、少しづつ進角し、さらに最小リフト(Lmin)に向かってリフトを低下させていくと、今度は途中から逆に遅角していくといった特異な変化特性を示す。これは、バルブリフトが極大となる瞬間においては、図11に示すように、駆動カム52の駆動偏心円の動径R1と、駆動カム62の軸心Yとリンクアーム69の他端部69bの枢支点(ピン70の軸心)Zとを結ぶ線R2が一直線になった瞬間、すなわち駆動軸61の軸心(回転中心)Xと枢支点Zの距離が最大となった瞬間であり、このとき、動径R1の方向はシリンダヘッド60の鉛直方向線Qに対して角度θだけ手前側、つまり駆動軸61の回転からみて進角側にある。
【0011】
次に、制御軸67が図中時計方向に回動していった場合において、駆動カム62の動径R1と前記R2が一直線になった場合を考察する。すなわち、このとき角度θは、制御軸67の時計方向の回動とともに、次第に増加してロッカアーム68の動径R3と制御カム74の動径αが一直線になったときに最大となり、すなわちこのときの駆動軸61角度からみて最進角になり、制御軸67がさらに時計方向に回動すると、逆に減少していく。このため、バルブリフト位相は、前述したように特異な変化特性を示すようになるのである。
【0012】
したがって、例えば、前述のように、最大リフト(Lmax)に制御された際に、吸気弁63のバルブリフト位相が遅角側に寄ってしまうことによって、吸気弁63と排気弁とのいわゆるバルブオーバーラップ期間が減少する。この結果、例えば排気脈動効果により発生する負圧波をこのオーバーラップ期間に同調させることによって得られる気筒内残留ガスを掃気させる効果が低減してしまう。したがって、吸気弁53の最大リフト制御が行なわれる例えば高回転高負荷時において吸気充填効率を十分に高めることができず、出力性能を十分に引き出すことができなくなる。
【0013】
また、最小リフト(Lmin)制御時にも、最大リフト制御時と同じように、バルブリフト位相が遅角側に寄ってしまうことによって、吸気弁63の開弁時期がピストン上死点からかなりの角度で下死点側にずれた位置になる。この結果、吸気弁63の開弁までに気筒内の負圧が大きくなっていわゆるポンピングロスが増大し、最小リフト制御が行なわれる例えばアイドリング回転時における燃費低減効果が十分に得られない、といった技術的課題を招いている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記従来の可変動弁装置の実情に鑑みて案出されたもので、請求項1記載の発明は、機関のクランク軸に同期回転し、外周に駆動カムが固定された駆動軸と、前記駆動カムの回転力を揺動力として伝達する伝達機構と、揺動自在に支持され、前記伝達機構から伝達される揺動力によって弁駆動部材を介して機関弁を開閉作動させる揺動カムと、を備え、制御軸を制御することにより前記伝達機構の作動位置を可変制御して、機関弁の少なくともリフト量を可変制御し、バルブリフトが極大となる瞬間の駆動軸位相が最大リフト制御時と最小リフト制御時の間に亘って変化する第1可変機構を設けると共に、前記クランク軸と駆動軸との相対回動位相を変化させる第2可変機構を設け、かつ前記第1可変機構と第2可変機構とを機関運転状態に応じて制御する内燃機関の可変動弁装置であって、前記第1可変機構による機関弁のリフト量の変化に伴うリフト量毎のバルブリフトが極大となる瞬間における前記駆動軸の回動位相変化を、第2の可変機構で補正したことを特徴としている。
【0015】
したがって、この発明によれば、本願発明の第1可変機構の基本的構造及び作用から生じる不都合、つまり、第1可変機構による機関弁のリフト量の変化に伴うリフト量毎のバルブリフトが極大となる瞬間の駆動軸位相の特異な変化を第2可変機構によって矯正して、所定リフト制御に応じた適正なバルブリフト位相あるいは開閉タイミングに制御することができるため、各運転領域における機関性能を十分に引き出すことが可能になる。
【0016】
請求項2に記載の発明にあっては、前記伝達機構は、前記駆動カムに回動支点を介して連係する駆動カム連係部と、可変な揺動支点を有し、前記揺動カムに連係する揺動カム連係部を備えたロッカアームと、前記ロッカアームの他端部と前記揺動カムとを連係するリンクロッドと、を有し、前記第1可変機構は、前記伝達機構と、前記制御軸と、該制御軸に設けられた偏心制御カムと、によって構成され、前記ロッカアームの揺動支点を変化させる揺動支点可変機構と、を備え、前記ロッカアームを偏心制御カムの軸心を中心に回動支持すると共に、前記制御軸を回転制御することにより機関弁の少なくともリフト量を可変制御するものであって、前記駆動軸の軸心から前記ロッカアームの前記回動支点までの距離が最大となり、かつ前記制御軸の軸心と偏心制御カムの軸心及び前記ロッカアーム一端部における枢支点が同一線上に位置した際のリフト量より、前記第1可変機構の制御リフト量が小さい場合または大きい場合に、前記駆動軸を、第2可変機構によって前記ロッカアーム一端部の枢支点が偏心制御カムの軸心へ近付く方向と同方向に回動制御することを特徴としている。
【0017】
この発明によれば、第1可変機構による特に最大リフト制御時や最小リフト制御時に発生し易いバルブリフト位相の特異な変化を第2可変機構によって効果的に矯正することができるため、かかる運転領域での機関性能を十分に発揮させることが可能になる。
【0018】
請求項3に記載の発明にあっては、前記伝達機構は、前記駆動カムに回動支点を介して連係する前記駆動カム連係部と、可変な揺動支点を有し、前記揺動カムに連係する揺動カム連係部を備えたロッカアームと、前記ロッカアームの他端部と前記揺動カムとを連係するリンクロッドと、を有し、前記第1可変機構は、前記伝達機構と、前記制御軸と、該制御軸に設けられた偏心制御カムと、によって構成され、前記ロッカアームの揺動支点を変化させる揺動支点可変機構と、を備え、前記ロッカアームを偏心制御カムの軸心を中心に回動支持すると共に、前記制御軸を回転制御することにより機関弁の少なくともリフト量を可変制御するものであって、前記駆動軸の軸心から前記ロッカアームの前記回動支点までの距離が最大となり、かつ前記制御軸の軸心と偏心制御カムの軸心及び前記ロッカアーム一端部における枢支点が同一線上に位置した際のリフト量と前記第1可変機構の制御リフト量とがほぼ一致した場合に、前記駆動軸を、前記第2可変機構によって前記ロッカアーム一端部の枢支点が偏心制御カムの軸心から離れる方向と同方向に回動制御することを特徴としている。
【0019】
この発明によれば、第1可変機構による特に中間リフト制御時おけるバルブリフト位相の特異な変化を第2可変機構によって効果的に矯正することができるため、かかる運転領域での機関性能を十分に発揮させることが可能になる。
請求項4に記載の発明は、機関のクランク軸に同期回転し、外周に駆動カムが固定された駆動軸と、揺動自在に支持され、弁駆動部材を介して機関弁を開閉作動させる揺動カムと、を備え、前記機関弁の少なくともリフト量を可変制御し、前記リフト量を変化させた際に、バルブリフトが極大となる瞬間の前記駆動軸の位相が変化する第1可変機構と、前記クランク軸と前記駆動軸との相対回動位相を変化させる第2可変機構と、を設け、前記リフト量が変化することによる前記駆動軸の位相の変化を抑制する方向へ前記第2可変機構によって制御したことを特徴としている。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る可変動弁装置を吸気側に適用した実施形態を示し、シリンダヘッド11に図外のバルブガイドを介して摺動自在に設けられた1気筒あたり2つの吸気弁12,12を備え、かつ該各吸気弁12,12のバルブリフトを機関運転状態に応じて可変にする第1可変機構1と、各吸気弁12,12の開閉タイミング(バルブタイミング)を機関運転状態に応じて可変にする第2可変機構2とを備えている。
【0021】
前記第1可変機構1は、図1〜図3に示すように、シリンダヘッド11上部の軸受14に回転自在に支持された中空状の駆動軸13と、該駆動軸13に圧入などによって固設されて中心が駆動軸13の軸心Xと所定量偏心した2つの駆動カム15,15と、駆動軸13に揺動自在に支持されて、各吸気弁12,12の上端部に配設された弁駆動部材であるバルブリフター16,16の平坦な上面16a,16aに摺接して各吸気弁12,12を開作動させる揺動カム17,17と、駆動カム15,15と揺動カム17,17との間に連係されて、駆動カム15,15の回転力を揺動カム17,17の揺動力として伝達する伝達機構18,18と、該伝達機構18,18の作動位置を可変制御にする揺動支点可変機構19とを備えている。
【0022】
前記駆動軸13は、機関前後方向に沿って配置されていると共に、一端部に設けられた後述する可変機構2のタイミングスプロケット40に巻装された図外のタイミングチェーン等を介して機関のクランク軸から回転力が伝達されて、図2の矢印に示すように時計方向に回転するようになっている。
【0023】
前記軸受14は、図1に示すようにシリンダヘッド11の上端部に設けられて、駆動軸13の上部を支持するメインブラケット14aと、該メインブラケット14aの上端部に設けられて、後述する制御軸32を回転自在に支持するサブブラケット14bとを有し、両ブラケット14a,14bが一対のボルト14c,14cによって上方から共締め固定されている。
【0024】
前記両駆動カム15は、図1〜図3に示すようにほぼリング状を呈し、カム本体15aと、該カム本体15aの外端面に一体に設けられた筒状部15bとからなり、内部軸方向に駆動軸挿通孔15cが貫通形成されていると共に、カム本体15aの軸心Xが駆動軸13の軸心Yから径方向へ所定量だけオフセットしている。また、この各駆動カム15は、駆動軸13に対し前記両バルブリフター16,16に干渉しない両外側に駆動軸挿通孔15cを介して圧入固定されていると共に、両方のカム本体15a,15aの外周面15d,15dが同一のカムプロフィールに形成されている。
【0025】
前記揺動カム17は、図2に示すようにほぼ雨滴状を呈し、一端部側の円環状の基端部20には駆動軸13が嵌挿されて回転自在に支持される支持孔20aが貫通形成されていると共に、他端部のカムノーズ部21にピン孔21aが貫通形成されている。また、揺動カム17の下面には、カム面22が形成され、基端部20側の基円面22aと該基円面22aからカムノーズ部21側に円弧状に延びるランプ面22bと該ランプ面22bの先端側に有するリフト面22cとが形成されており、該基円面22aとランプ面22b及びリフト面22cとが、揺動カム17の揺動位置に応じて各バルブリフター16の上面16a所定位置に当接するようになっている。
【0026】
前記伝達機構18は、図2に示すように駆動軸13の上方に配置されたロッカアーム23と、該ロッカアーム23の一端部23aと駆動カム15とを連係する駆動カム連係部であるリンクアーム24と、ロッカアーム23の他端部23bと揺動カム17とを連係するリンクロッド25とを備えている。
【0027】
前記各ロッカアーム23は、図3に示すように、平面からみてほぼクランク状に折曲形成され、中央に有する筒状基部23cが後述する制御カム33に回転自在に支持されている。また、各基部23cの各外端部に突設された前記一端部23aには、図2及び図3にも示すように、リンクアーム24と相対回転自在に連結するピン26が挿通されるピン孔23dが貫通形成されている一方、各基部23cの各内端部に夫々突設された前記他端部23bには、各リンクロッド25の一端部25aと相対回転自在に連結するピン27が挿通されるピン孔23eが形成されている。
【0028】
また、前記リンクアーム24は、比較的大径な円環状の基部24aと、該基部24aの外周面所定位置に突設された突出端24bとを備え、基部24aの中央位置には、前記駆動カム15のカム本体15aの外周面に回転自在に嵌合する嵌合孔24cが形成されている一方、突出端24bには、前記ピン26が回転自在に挿通するピン孔24dが貫通形成されている。
【0029】
さらに、前記リンクロッド25は、図2にも示すように所定長さのほぼく字形状に折曲形成され、両端部25a,25bには、図3にも示すようにピン挿通孔25c,25dが形成されており、この各ピン挿通孔25c,25dに、前記ロッカアーム23の他端部23bに有するピン孔23eと揺動カム17のカムノーズ部21に有するピン孔21aにそれぞれ挿通した各ピン27,28の端部が回転自在に挿通している。
【0030】
そして、このリンクロッド25は、前記揺動カム17の最大揺動範囲を前記ロッカアーム23の揺動範囲内に規制するようになっている。
【0031】
尚、各ピン26,27,28の一端部には、リンクアーム24やリンクロッド25の軸方向の移動を規制するスナップリング29,30,31が設けられている。
【0032】
前記揺動支点可変機構19は、機関前後方向に配設された前記制御軸32と、該制御軸32の外周に固定されてロッカアーム23の揺動支点となる制御カム33と、制御軸32の回転位置を制御する電動アクチュエータである電動モータ34とから構成されている。
【0033】
前記制御軸32は、駆動軸13と並行に設けられて、前述のように軸受14のメインブラケット14a上端部の軸受溝とサブブラケット14bとの間に回転自在に支持されている。一方、前記各制御カム33は、夫々円筒状を呈し、図2に示すように軸心P1位置が制御軸32の軸心P2からα分だけ偏倚している。
【0034】
前記電動モータ34は、駆動シャフト34aの先端部に設けられた第1平歯車35と制御軸32の後端部に設けられた第2平歯車36との噛合いを介して、制御軸32に回転力を伝達するようになっていると共に、機関の運転状態を検出するコントローラ37からの制御信号によって駆動するようになっている。
【0035】
一方、前記第2可変機構2は、図1に示すように前記駆動軸13の先端部側に設けられ、図外のタイミングチェーンによって機関のクランク軸から回転力が伝達されるタイミングスプロケット40と、駆動軸13の先端部にボルト41によって軸方向から固定されたスリーブ42と、タイミングスプロケット40とスリーブ42との間に介装された筒状歯車43と、該筒状歯車43を駆動軸13の前後軸方向へ駆動させる駆動機構である油圧回路44とから構成されている。
【0036】
前記タイミングスプロケット40は、筒状本体40aの後端部にチェーンが巻装されるスプロケット部40bがボルト45により固定されていると共に、筒状本体40aの前端開口がフロントカバー40cによって閉塞されている。また、筒状本体40aの内周面には、はす歯形のインナ歯46が形成されている。
【0037】
前記スリーブ42は、後端側に駆動軸13の先端部が嵌合する嵌合溝が形成されていると共に、前端部の保持溝内にはフロントカバー40cを介してタイミングスプロケット40を前方に付勢するコイルスプリング47が装着されている。また、スリーブ42の外周面には、はす歯形のアウタ歯48が形成されている。
【0038】
前記筒状歯車43は、軸直角方向から2分割されて前後の歯車構成部がピンとスプリングによって互いに接近する方向に付勢されていると共に、内外周面には前記各インナ歯46とアウタ歯48に噛合いするはす歯形の内外歯が形成されており、前後に形成された第1,第2油圧室49,50へ相対的に供給される油圧によって各歯間を摺接しながら前後軸方向へ移動するようになっている。また、この筒状歯車43は、フロントカバー40cに突当った最大前方移動位置で吸気弁12を最遅角位置に制御する一方、最大後方移動位置で最進角位置に制御するようになっている。さらに、第2油圧室50内に弾装されたリターンスプリング51によって第1油圧室49の油圧が供給されない場合に最大前方移動位置に付勢されるようになっている。
【0039】
前記油圧回路44は、図外のオイルパンと連通するオイルポンプ52の下流側に接続されたメインギャラリ53と、該メインギャラリ53の下流側で分岐して前記第1,第2油圧室49,50に接続された第1,第2油圧通路54,55と、前記分岐位置に設けられたソレノイド型の流路切換弁56と、該流路切換弁56に接続されたドレン通路57とから構成されている。
【0040】
前記流路切換弁56は、前記第1可変機構1の電動モータ34を駆動制御する同じコントローラ37からの制御信号によって切換駆動されるようになっている。
【0041】
前記コントローラ37は、クランク角センサからの機関回転数信号、エアフローメータからの吸気流量信号(負荷)及び機関油温センサなどの各種のセンサからの検出信号に基づいて現在の機関運転状態を演算等により検出すると共に、制御軸32の現在の回転位置を検出する第1位置検出センサ58や駆動軸13とタイミングスプロケット40との相対回動位置を検出する第2位置検出センサ59からの検出信号に基づいて、前記電動モータ34及び流路切換弁56に制御信号を出力している。
【0042】
すなわち、コントローラ37が、機関回転数、負荷、油温、機関始動後の経過時間などの情報信号から吸気弁12の目標リフト特性、つまり制御軸32の目標回転位置を決定して、この指令信号に基づき電動モータ34を回転させることにより制御軸32を介して制御カム33を所定回転角度位置まで回転制御する。また、第1位置検出センサ58により、制御軸32の実際の回転位置をモニターし、フィードバック制御により制御軸32を目標位相に回転させるようになっている。
【0043】
具体的には、機関始動初期のクランキング時及びアイドリング時には、コントローラ37からの制御信号によって電動モータ34を介して制御軸32が一方向へ回転制御されて、図4に示すように制御カム33の軸心P1が制御軸32の軸心P2から図示のように左上方の回動位置に保持され、厚肉部33aが駆動軸13から上方向へ離間回動する。これにより、ロッカアーム23は、全体が駆動軸13に対して上方向へ移動し、このため各揺動カム17はリンクロッド25を介して強制的に引き上げられて反時計方向へ回動する。したがって、駆動カム15が回転してリンクアーム24を介してロッカアーム23の一端部23aを押し上げると、そのリフト量がリンクロッド25を介して揺動カム17及びバルブリフター16に伝達されるが、そのリフト量Lは、図4に示すように小さくなる。このため、ガス流動が強化されて燃焼が改善されて、燃費の向上と機関回転の安定化が図れる。
【0044】
特に、クランキング時には、バルブリフト量を図7に示すように零に近い極小リフト(Lmin)になるように設定されているため、後述するように機関回転の立ち上がりが良好になる。
【0045】
一方、高回転高負荷域では、コントローラ37からの制御信号によって電動モータ34により制御軸32が今度は他方向に回転して制御カム33を図2,図6に示す位置に回転させて厚肉部33aを下方向へ回動させる。このため、ロッカアーム23は、全体が駆動軸13方向(下方向)へ移動し、他端部23bが揺動カム17をリンクアーム25を介して下方向へ押圧して揺動カム17全体を所定量だけ図示の位置(時計方向)に回動させる。
【0046】
したがって、駆動カム15が回転してリンクアーム24を介してロッカアーム23の一端部23aを押し上げると、そのリフト量がリンクロッド25を介して揺動カム17及びバルブリフター16に伝達されるが、そのリフト量Lは図6に示すように最も大きくなる(Lmax)。そして、その最小リフト(Lmin)から最大(Lmax)までのリフト量変化は、制御カム33の回動位置により図7に示すような特性(Lmin〜L1〜L6〜Lmax)となる。
【0047】
一方流路切換弁56側は、前述と同じく各センサからの情報信号から吸気弁12の目標進角量を決定して、この指令信号に基づき流路切換弁56により、第1油圧通路54とメインギャラリ53とを所定時間連通させると共に、第2油圧通路55とドレン通路57とを所定時間連通させる。これによって、筒状歯車43を介してタイミングスプロケット40と駆動軸13との相対回動位置を変換して進角側に制御する。また、この場合も第2位置検出センサ59により予め駆動軸13の実際の相対回動位置をモニターして、フィードバック制御により駆動軸を目標相対回動位置すなわち目標進角量に回転させるようになっている。
【0048】
具体的には、機関始動時から所定時間つまり油温が所定温度Toに達するまでは、流路切換弁56により第2油圧室50のみに油圧が供給されて第1油圧室49には油圧が供給されない。したがって、図1に示すように筒状歯車43は、リターンスプリング51のばね力で、最大前方位置に保持されて、駆動軸13が最大遅角の回転位置に保持されている。その後、油温が所定温度Toを越えると、運転条件に応じて、コントローラ37からの制御信号により流路切換弁56を駆動させて第1油圧通路54とメインギャラリ53を連通させて、第2油圧通路55とドレン通路57を連通させる時間が連続的に変化する。これにより、筒状歯車43は、最前方位置から最後方位置までを移動し、したがって、吸気弁12の開閉タイミングは、最遅角状態から最進角まで連続的に可変制御される。
【0049】
尚、前記吸気弁12は、第1可変機構1により最大リフトに制御されかつ第2可変機構2により最大遅角位置に制御された状態において、シリンダ内のピストンや対向する排気弁と干渉しないような配置構成に設定されている。
【0050】
以下、コントローラ37による第1可変機構1と第2可変機構2との具体的な駆動制御を図9及び図10に示すフローチャートにもとづいて説明する。
【0051】
すなわち、まず、始動後の油温との関係では、図9示すように、セクションS1では、タイマーにより機関始動後から所定時間toを越えたか否かを判断して、越えた場合はセクションS2で油温センサによる情報に基づき現在の油温が所定温度Toを越えたか否かを判別し、越えた場合はセクションS3で第1,第2の両方の可変機構1,2を駆動させるが、セクションS1及びセクションS2で所定時間toを越えず、または油温が所定油温To以下であればセクションS4で第1可変機構1のみを駆動させて第2可変機構2を駆動させない制御を行う。
【0052】
したがって、低温始動時は第1可変機構1によるバルブリフト制御のみが行われ、第2可変機構2によるバルブタイミング制御が行われず、吸気弁12は前述した最遅角側に保持される。よって、この運転域での油圧駆動源に起因する可変作動不良といった問題が生じないと共に、バルブリフト制御による始動性の向上など機関性能の向上が図れる。また、油温上昇後は第2可変機構2も駆動するので、機関性能の大幅な向上が図れる。
【0053】
次に、前述した第1可変機構1の制御を図10に基づいて説明すれば、まず、セクションS11で、イグニッションスイッチをONすると、その直後にセクションS12において第1可変機構1を最小リフトLmin(零に近い極小リフト)に制御する。続いて、セクションS13でスタータースイッチをONしクランキングが開始した後にセクションS14にて第1可変機構1により、機関回転数(クランキング回転数)の上昇に伴い、リフトを図7に示すL3まで増加する制御を行う。
【0054】
続いて、セクションS15では、油温センサにより現在の油温が所定温度(T1)よりも高いか否かを判別し、高い場合はセクションS16において、機関運転状態に応じた第1可変機構1によるリフト可変制御を行う。しかし、油温がT1以下の場合は、セクションS17において、第1可変機構1によるリフト制御を前記L3に固定状態とする。
【0055】
このように、クランキングを開始した始動初期の時点では、セクションS12で最小リフトに制御されているため、動弁系のフリクションが小さくなっているので、機関回転を速やかに立ち上げることができる。
【0056】
また、セクションS14でのリフト増加制御により、混合気のガス交換効率が向上して、機関トルクが速やかに立ち上がって、前記機関回転の速やかな立ち上がりと相俟って始動性を大幅に改善できる。
【0057】
さらに、油温がT1以下である場合は、セクションS17においてリフトをL3の比較的低いリフトに固定するため、吸気弁12からの混合気流の速度を増加させて気筒内の強いガス流動を発生させることにより、冷機始動時の燃焼の改善が図れ、燃費性能と排気エミッション性能を向上できる。
【0058】
油温がT1より高い場合については、前述のように第1可変機構によるリフト可変制御を行なうが、さらに始動後経過時間がt0を越え、油温がTo(To>T1)を越えると、図9のセクション3へ移行し、第1、第2可変機構1、2の両方の制御を開始する。
【0059】
第1可変機構1は、図7の一点鎖線に示すバルブリフト可変特性を示し、同図実線で示すバルブリフト位相(バルブリフトが極大となる瞬間の駆動軸位相)は最大リフト(Lmax)からリフトを低下させていくと少しづつ進角し、さらに最小リフト(Lmin)に向かってリフトを低下させていくと、今度は途中から逆に遅角していくといった特異な変化特性を示すが、第2可変機構2によって駆動軸13を進角方向へ中間リフトL2に対して相対的に位相を変化させるように構成されている。
【0060】
すなわち、第2可変機構2は、前記第1可変機構1により図7に示すような最大リフト(Lmax)に制御した際、及び最小リフト(Lmin)に制御した際に、この状態を制御軸32の実際の回転位置をモニターした第1位置検出センサ58からの情報信号に基づいてコントローラ37が第2可変機構2を制御して、駆動軸13を、枢支点Zが制御カム33の軸心P1に近付く方向と同方向に捩り回動させる。これによって、バルブリフト位相が、図7の実線のリフトカーブで示すように進角側に矯正されて中間リフトL2のバルブリフト位相にほぼ等しいかあるいはそれ以上に進角制御される。
【0061】
したがって、かかる最大リフト(Lmax)制御運転領域となる例えば高回転高負荷時などにおいてバルブリフト位相が上死点に近付くように制御されることにより、バルブオーバーラップが大きくなり、排気脈動の負圧波を大きなバルブオーバーラップ期間と同期させることで、気筒内の残留ガスを掃気することができるので、新気の吸入効率を高め、出力を大きく向上させることが可能になる。また、最小リフト(Lmin)制御運転領域となる例えばアイドリング回転時などの燃費効果の目減り、すなわち開弁時期が下死点側にずれ、開弁までの気筒内負圧が高くなり、ポンピングロス増大による燃費効果の目減りも防止でき、燃費性能の向上が図れる。
【0062】
以上のように、第2可変機構2により最大リフト時と最小リフト時における進角制御を行なうことにより、機関性能の低下を防止できる。一方、前記図7の実線のような特異なバルブリフト位相によってやや小リフトの中間リフトL2域では進角状態になっているため、この点でも不都合が生じるおそれがある。すなわち、かかるやや小リフト及び小作動角のリフトカーブは機関の低速トルクを高めることなどに適しているが、このときの進角した開閉タイミングによって排気弁と吸気弁12のバルブオーバーラップ期間が大きくなり、燃焼室内での残留ガスが増加してしまう。つまり、低回転域では、排気ガス量が少ないことなどに起因して、高回転域のような排気脈動の負圧波を生成しにくく、この結果、バルブオーバラップ期間が大きいと、大きな排気正圧によって排気ガスが燃焼室内に逆流し、したがって、その分新気の充填効率が目減りして低速トルクを十分に得られないおそれがある。
【0063】
そこで、第2の実施形態としては、図8の実線のリフトカーブで示すように、第1可変機構1によって最小、最大リフトの中間リフトであるやや小リフト(L2)に制御された際に、第2可変機構2によってバルブリフト位相を矯正的に遅角側へ制御するようにしたものである。具体的には、前記中間リフト(L2)域での制御時に第2可変機構2が駆動軸13を、前記枢支点Zが制御カム33の軸心P1から離間する方向と同方向に捩り回動させる( 図5参照 )。この結果、図8に示すように、中間リフト(L2)域におけるバルブリフト位相を遅角側に移動させることができる。
【0064】
したがって、前記特異なバルブリフト位相による中間リフト(L2)域でのバルブオーバラップ期間を小さくすることができることから、燃焼室内での残留ガスの増大を防止できるため、低速トルクの目減りを防止できる。
【0065】
前記各実施形態では、駆動軸13が図2中時計回りの回転方向のものを示したが、これに限定されるものではなく、駆動軸13が図2の反時計回りに回転するものにも適用できる。すなわち、駆動軸13が反時計方向に回転する場合は、特異なバルブリフト位相変化が前述とは逆になり、最大リフト(Lmax)と最小リフト(Lmin)で進角し、中間リフト(L2)で遅角する特性になる。この場合には、第2可変機構2によって駆動軸13を前述とは逆に捩り回動させて最大、最小リフト時にバルブリフト位相を遅角側にすればよく、その場合、第1実施形態と同様に駆動軸13を枢支点Zが制御カム33の軸心P1近付く方向と同方向に捩ることになる。あるいは、中間リフト時には進角側に制御すればよく、その場合、第2実施形態と同様に枢支点Zを制御カム33の軸心P1から離間する方向と同方向に駆動軸13を捩ることになる。これによって、運転状態に応じた機関性能の向上が図れる。
【0066】
また、この発明は、例えば排気側に適用することも可能であり、例えば、排気弁の最大、最小リフト時において、前述のような遅角または進角する特異なバルブリフト位相を示す場合に第2可変機構2によって進角側または遅角側に制御することによって、機関性能の低下を防止できる。
【0067】
また、本発明は、各可変機構の駆動源が油圧、電動に拘わらずいかなる駆動源であってもよく、また、両方の可変機構を同じ電動あるいは油圧によって駆動するものに適用することが可能である。
【0068】
なお、この発明は、前記従来技術で示した可変機構等のほかに、例えば米国特許第5,937,809号のFig2、Fig3に記載された構造の可変機構にも適用することが可能である。補足すると、同図(Fig2,3)におけるピボット軸が偏心制御カムに相当し、ローラフォロアの軸心がロッカアームが駆動カムと連係する回動支点となっている。
【0069】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、本願発明の第1可変機構の基本的構造及び作用から生じる不都合、つまり偏心制御カムなどによるロッカアームの回動支点を変化させることによる所定リフト制御時の機関弁のバルブリフト位相(バルブリフトが極大となる瞬間の駆動軸位相)の特異な変化を第2可変機構によって矯正して、所定リフト制御に応じた適性なバルブリフト位相に制御することができるため、各運転領域における機関性能を十分に引き出すことが可能になる。
【0070】
請求項2記載の発明によれば、第1可変機構による特に最大リフト制御時や最小リフト制御時に発生し易い機関弁のバルブリフト位相の特異な変化を第2可変機構によって効果的に矯正することができるため、かかる運転領域での機関性能、例えば、目減りのない高い出力や燃費性能を十分に発揮させることが可能になる。
【0071】
請求項3記載の発明によれば、第1可変機構による特に中間リフト制御時おける機関弁のバルブリフト位相の特異な変化を第2可変機構によって効果的に矯正することができるため、かかる運転領域での機関性能、例えば目減りのない十分な低速トルクを発揮することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す断面図
【図2】図1のA−A線断面図
【図3】第1可変機構の平面図
【図4】第1可変機構の最小リフト制御の作用説明図
【図5】第1可変機構の最大リフトと最小リフトの間の中間リフト制御の作用説明図
【図6】第1可変機構の最大リフト制御の作用説明図
【図7】本実施形態のバルブリフト及びバルブタイミングの特性図
【図8】第2の実施形態のバルブリフト及びバルブタイミングの特性図
【図9】本実施形態のコントローラーによる制御フローチャート図
【図10】本実施形態のコントローラーによる制御フローチャート図
【図11】先願にかかる可変動弁装置の作動説明図
【符号の説明】
1…第1可変機構
2…第2可変機構
12…吸気弁
13…駆動軸
17…揺動カム
19…制御機構
23…ロッカアーム
24…リンクアーム
25…リンクロッド
34…電動モータ
37…コントローラ
Claims (4)
- 機関のクランク軸に同期回転し、外周に駆動カムが固定された駆動軸と、
前記駆動カムの回転力を揺動力として伝達する伝達機構と、
揺動自在に支持され、前記伝達機構から伝達される揺動力によって弁駆動部材を介して機関弁を開閉作動させる揺動カムと、を備え、
制御軸を制御することにより前記伝達機構の作動位置を可変制御して、機関弁の少なくともリフト量を可変制御し、バルブリフトが極大となる瞬間の駆動軸位相が最大リフト制御時と最小リフト制御時の間に亘って変化する第1可変機構を設けると共に、
前記クランク軸と駆動軸との相対回動位相を変化させる第2可変機構を設け、
かつ前記第1可変機構と第2可変機構とを機関運転状態に応じて制御する内燃機関の可変動弁装置であって、
前記第1可変機構による機関弁のリフト量の変化に伴うリフト量毎のバルブリフトが極大となる瞬間における前記駆動軸の回動位相変化を、第2の可変機構で補正したことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。 - 前記伝達機構は、前記駆動カムに回動支点を介して連係する駆動カム連係部と、可変な揺動支点を有し、前記揺動カムに連係する揺動カム連係部を備えたロッカアームと、前記ロッカアームの他端部と前記揺動カムとを連係するリンクロッドと、を有し、
前記第1可変機構は、前記伝達機構と、前記制御軸と、該制御軸に設けられた偏心制御カムと、によって構成され、前記ロッカアームの揺動支点を変化させる揺動支点可変機構と、を備え、前記ロッカアームを偏心制御カムの軸心を中心に回動支持すると共に、前記制御軸を回転制御することにより機関弁の少なくともリフト量を可変制御するものであって、
前記駆動軸の軸心から前記ロッカアームの前記回動支点までの距離が最大となり、かつ前記制御軸の軸心と偏心制御カムの軸心及び前記ロッカアーム一端部における枢支点が同一線上に位置した際のリフト量より、前記第1可変機構の制御リフト量が小さい場合または大きい場合に、前記駆動軸を、第2可変機構によって前記ロッカアーム一端部の枢支点が偏心制御カムの軸心へ近付く方向と同方向に回動制御することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。 - 前記伝達機構は、前記駆動カムに回動支点を介して連係する前記駆動カム連係部と、可変な揺動支点を有し、前記揺動カムに連係する揺動カム連係部を備えたロッカアームと、前記ロッカアームの他端部と前記揺動カムとを連係するリンクロッドと、を有し、
前記第1可変機構は、前記伝達機構と、前記制御軸と、該制御軸に設けられた偏心制御カムと、によって構成され、前記ロッカアームの揺動支点を変化させる揺動支点可変機構と、を備え、
前記ロッカアームを偏心制御カムの軸心を中心に回動支持すると共に、前記制御軸を回転制御することにより機関弁の少なくともリフト量を可変制御するものであって、
前記駆動軸の軸心から前記ロッカアームの前記回動支点までの距離が最大となり、かつ前記制御軸の軸心と偏心制御カムの軸心及び前記ロッカアーム一端部における枢支点が同一線上に位置した際のリフト量と前記第1可変機構の制御リフト量とがほぼ一致した場合に、前記駆動軸を、前記第2可変機構によって前記ロッカアーム一端部の枢支点が偏心制御カムの軸心から離れる方向と同方向に回動制御することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。 - 機関のクランク軸に同期回転し、外周に駆動カムが固定された駆動軸と、
揺動自在に支持され、弁駆動部材を介して機関弁を開閉作動させる揺動カムと、を備え、
前記機関弁の少なくともリフト量を可変制御し、前記リフト量を変化させた際に、バルブリフトが極大となる瞬間の前記駆動軸の位相が変化する第1可変機構と、
前記クランク軸と前記駆動軸との相対回動位相を変化させる第2可変機構と、を設け、
前記リフト量が変化することによる前記駆動軸の位相の変化を抑制する方向へ前記第2可変機構によって制御したことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
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