JP4063398B2 - タイヤが雨天溝付き道路上で示す性能を予測する方法 - Google Patents

タイヤが雨天溝付き道路上で示す性能を予測する方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の分野】
本発明は一般にタイヤの性能を評価する試験方法に関する。より詳細には、本発明は、タイヤを雨天溝ふらつき(rain groove wander)に関して試験する方法、そしてタイヤの雨天溝ふらつきの主観的現場分析と客観的分析技術をタイヤが雨天溝付き道路(rain groove roadways)で示す性能を予測するための車試験を行う必要なく相互に関係付ける方法に関する。
【0002】
【発明の背景】
公道上の水に関する問題を取り扱う目的でいろいろな建設方法が開発されてきた。車が湿った舗道で示す粘着摩擦を高める1つの一般的方法は道路に縦方向の溝を配置することであった。このように道路に溝を配置すると車の粘着摩擦は高くなるが、そのような溝を設けると、結果としてまた車の操作性および乗用性(rideability)の両方が低下する。これは車のタイヤと道路の溝の間の相互作用力によって引き起こされ、一般に、小型車にかかる力の方が激しい。その結果として、タイヤ製造業者は、そのような溝付き道路によって引き起こされる車の操作性および乗用性の低下を軽減またはなくすタイヤモデルを提供すると言った動機を有していた。
【0003】
過去では、1組のタイヤを試験用車に取り付けて現場評価を実施することでタイヤの性能を主観的に評価していた。このような現場試験の場合、運転者は車を溝付き道路上で運転しそしてその車が溝付き高速道路を走行する時ばかりでなく実際の運転状態を模擬する目的でいろいろなレーンを横切って移行する時の車の操作性および乗用性に関して主観的な等級付けを行っていた。そのような主観的な評価は、顧客の満足さに緊密な相互関係を示すタイヤ性能を反映した実際のデータを与える点では非常に価値のあるものである。しかしながら、そのような主観的な現場分析は時間を消費することに加えて高価な分析方法である。1番目として、車に取り付けるタイヤの運転性能を正確に反映させる目的で車に取り付ける4つのタイヤに主観的な分析を受けさせる必要があった。従って、原型タイヤデザインを試験しようとする場合には、そのようなタイヤを4個製造する必要があった。初期の原型デザイン段階では、タイヤ用鋳型の作成に要する高い費用を避ける目的で、しばしば、個々のタイヤを手で削って所望のタイヤ踏み面を成形することが行われている。それゆえ、そのようなタイヤを4つ作成するには実質的に長い時間を要しかつ各々が若干異なる可能性があり、その結果として、試験データに誤差が生じる可能性がある。2番目として、多様な軸方向負荷に渡るタイヤ性能を正確に反映させる目的でタイヤデザインをいろいろ車モデルで試験しようとすると、また、タイヤを雨天溝ふらつきに関して効果的に現場試験することができるように他のサイズの原型タイヤを追加的に準備する必要があった。従って、原型タイヤデザイン各々を適切に現場試験するには多数のタイヤが必要になり、それによって、タイヤを開発する時間が更に長くなりかつ費用が更に高くなる。最後に、タイヤの輸送および取り扱いそしてタイヤの処分に関係して総体的に費用がかかる。
【0004】
【発明の要約】
タイヤを雨天溝ふらつきに関して試験する方法を提供し、この方法は、タイヤを実験室で客観的に試験することを可能にするもので、この客観的試験結果は主観的現場分析型のデータに緊密な相互関係を示すことから、個々のタイヤの主観的な現場分析を行う必要なく主観的なタイヤ性能を予測することを可能にするものである。この方法では、また、実験室の試験セットで軸方向の負荷を変えることで単一のタイヤサイズを客観的に試験することができ、それによって、各々が同じ踏み面デザインを有するタイヤサイズを複数構築する必要がなくなる。本方法では雨天溝付き道路条件を模擬しそして実験室の試験方法論で得た客観的分析データと他のタイヤが示す雨天溝ふらつきタイヤ性能の主観的な現場分析データを相互に関係付け、それによって、そのような主観的現場分析データを得るための現場試験を実施する必要なく該タイヤの主観的な性能を同定するに適した実質的に正確な技術が得られる。この方法では、原型タイヤデザインの設計および試験に要する費用が実質的に低くなりかつタイヤデザイン試験の実施に要する時間が実質的に短縮される。
【0005】
本発明の1つの面に従い、タイヤが雨天溝付き道路で示す性能をタイヤ試験で予測する方法に、雨天溝付き道路条件を模擬しそしてタイヤをその模擬した道路条件で作動させてタイヤに作用する力を1つ以上測定することを含める。次に、この1つ以上の測定力と主観的タイヤ性能データを相互に関係付けそしてこの相互関係を基にして主観的タイヤ性能を予測し、それによって、上記タイヤが示す雨天溝ふらつき性能の試験を現場試験を実施する必要なく効果的に行う。上記雨天溝付き道路条件を模擬する段階に、上記タイヤを溝付き表面に接触させて回転可能なように位置させそして上記タイヤが上記溝付き表面に接触した状態で回転したままになるように上記溝付き表面を動かすことで雨天溝付き道路を走行するタイヤを模擬することを含めてもよい。
【0006】
タイヤを雨天溝ふらつきに関して試験する方法に、更に、上記タイヤにいろいろな軸方向負荷をかけることでいろいろな種類の車を用いた時のタイヤ性能を模擬することを含めてもよい。この方法に、また、上記タイヤを上記動いている溝付き表面を軸方向に横切らせて移行させることで車が雨天溝付き道路上で横方向に動くのを模擬することを含めてもよい。
【0007】
模擬雨天溝付き道路条件下でタイヤに作用する力を1つ以上測定する段階に、上記タイヤに作用する横力を測定してデータとして蓄積することを含める。このデータを処理して、この処理したデータを、主観的現場分析タイヤ性能データと実質的に緊密な相互関係を示すフォーマット(format)にする。このデータ処理の1つのオプションに、上記データの時間フィルタリング(time filtering)[ここでは、複数の指定時間各々の範囲内のデータの平均を取る]を行いそして上記タイヤが上記溝付き表面上の溝に関して示す個々の横方向位置に関連した各データをグラフに重ね合わせるように上記データを圧縮することを含めてもよい。次に、この圧縮したデータを上記溝付き表面を横切る測定平均横力に関して正規化し、そしてこの正規化したデータのピークとピークの力差を計算して、それを、測定力と主観的現場分析タイヤ性能データを相互に関係付ける時に用いる。別法として、上記圧縮したデータを上記溝付き表面を横切る平均横力に関して正規化した後、前以て決めておいた数のフーリエ係数をその圧縮して正規化したデータから引き出してもよく、そしてその後、このフーリエ係数を二乗して一緒に合計し、それを、測定力と主観的タイヤ性能データを相互に関係付ける時に用いる。
【0008】
本発明の別の面では、タイヤに関する雨天溝ふらつきの主観的現場分析と客観的実験室分析技術を車の試験を行う必要なく相互に関係付ける方法に、個々のタイヤに関して雨天溝ふらつきの主観的現場測定値を集めることを含める。上記現場試験中に上記主観的現場測定値を集めると同時に上記タイヤに作用する1つ以上の力の客観的現場測定値を集めて、この主観的現場測定値と客観的現場測定値を相互に関係付ける。模擬雨天溝付き道路条件下で上記タイヤに作用する1つ以上の力の客観的実験室測定値を集め、そして上記客観的現場測定データと上記客観的実験室測定データの間の相互関係を同定し、それによって、上記客観的実験室測定データと上記主観的現場測定データを効果的に相互に関係付ける。
【0009】
上記主観的現場測定値を集める段階に、1組の評価用タイヤを取り付けた車を雨天溝付き道路で運転して運転中に主観的な等級付けを行う(この主観的等級付けは、上記車の運転者が感知する車操作性と乗用性の複合特性を反映したものである)ことを含める。上記客観的現場測定値を集める段階に、更に、1組の評価用タイヤを取り付けた車を雨天溝付き道路で運転して上記雨天溝付き道路上の溝が上記タイヤに及ぼす1つ以上の力を測定することを含める。更にその上、模擬雨天溝付き道路条件下で上記タイヤに作用する力の客観的実験室測定値を集める段階に、雨天溝付き道路条件を模擬しそして上記タイヤを上記模擬雨天溝付き道路条件で作動させて上記タイヤに作用する力を1つ以上測定してこのデータを処理した後にこの処理したデータと主観的タイヤ性能分析データを相互に関係付けることを含める。
【0010】
本発明の別の面では、主観的な現場タイヤ評価を実施することなく所望の主観的な雨天溝付き道路特性を基にした所望のタイヤを選択する方法に、所望の主観的雨天溝付き道路タイヤ性能特徴を選択することを含める。上記所望の主観的雨天溝付き道路タイヤ性能特徴に相互関係を示す客観的力値を同定しそしてこの同定した客観的力を基にした模擬力特徴を選択する。次に、1つ以上のタイヤを模擬し、そしてその必要な模擬力特徴に合致するタイヤを選択し、それによって、所望の主観的雨天溝付き道路タイヤ性能特徴を示すタイヤを選択する。
【0011】
本発明の上記および他の特徴を本明細書の以下に詳細に記述しそして本請求の範囲の中に個別に指摘する。以下に行う記述および添付図に本発明の説明的態様を1つ以上詳細に示すが、これらは各々、本発明の原理を利用することができるいろいろな様式のほんの1つを示すものである。
【0012】
【実施例】
タイヤを雨天溝ふらつきに関して試験する方法は、雨天溝付き道路で主観的な分析試験を行う目的でいろいろの組のタイヤを車で使用して現場試験を主観的に行うことを含む。このような主観的現場分析では、運転者が車を雨天溝付き道路で運転しながらタイヤと雨天溝付き道路の間の相互作用によって引き起こされる車の操作性および乗用性を主観的に分析する。この主観的現場分析と同時にまた客観的現場分析も行い、この現場分析では、力測定装置(例えばロードセル)をタイヤ現場試験中の車のスピンドルの1つ以上に取り付ける。この力測定装置を用いて上記タイヤに作用する1つ以上の力を測定し、そしてこの測定装置は、直角に交わる3つの力を記録することに加えて3つのモーメント力を記録するように操作可能であり、それによって、タイヤが雨天溝付き道路に関して動く範囲を充分に限定することができる。この特別な態様では少なくとも雨天溝付き道路がタイヤに及ぼす横力を上記力測定装置で測定する。次に、このデータを集積して処理することで、集めた主観的現場分析データと相互に関係付ける。従って、現場分析では、主観的現場データの集積ばかりでなく、それと同時に、いろいろな組のタイヤに関して単一の軸方向負荷で1組の客観的現場分析データが得られる。現場データを一度得たならば、追加的現場分析を得る必要なく、客観的な実験室試験を基にしてタイヤが雨天溝付き道路で示す性能を予測することができる。
【0013】
客観的実験室試験では、雨天溝付き道路条件を模擬する試験セットを用いて、好適にはタイヤに及ぼす横力を記録する実験室試験セット装置(これを後でより詳細に記述する)を用いて、現場試験で試験したタイヤを試験する。この様式で各タイヤの客観的実験室分析データを集めて、いろいろ実験室データと集めた現場データの間の相互関係を調査することができる。本発明は1つ以上のデータを処理して客観的実験室データと主観的現場分析データの間の実質的に緊密な相互関係を確立することでタイヤの主観的性能を実験室内で行ったタイヤ試験で予測しそして更にそれによって費用がかかると共に時間を消費する主観的現場分析を排除することを意図するものである。
【0014】
図1は、実験室の試験セット10を説明するシステムレベル(system level)図式図であり、この試験セットを用いてタイヤ12を模擬雨天溝付き道路条件下で試験する。通常の車現場試験で受けると思われる実質的に平らな道路条件を好適に模擬する目的でタイヤ12の直径よりも実質的に大きな直径を有する筒状ドラム14を上記実験室試験セット10に含める。この特別な態様における筒状ドラム14の直径は約10フィートであり、これを厚みが約3/8インチのアルミニウム環16で取り巻く。このアルミニウム環16には雨天溝付き道路を模擬するように表面に溝が付いている(この表面を3/4インチの中心に0.1インチの溝が存在するように機械加工する)。別法として、他の種類の道路条件を模擬するように、異なる幅と異なる中心間隔を有する溝を環16内に生じさせることも可能である。別の代替態様では、実際の雨天溝付き道路内の平らでないか或は規則的でない溝の特性を模擬することを助長する目的で、平らでないか或は規則的でない動きを環16に持たせるように機械加工するか或は引っかき傷を付けることも可能である。
【0015】
タイヤ試験セット18を用い、軸20(これを試験制御およびデータ集積用モジュール22で制御する)に取り付けたリム18(これにはロードセルが入っている)でタイヤ12を筒状ドラム14およびアルミニウム環16に接触させて回転可能なように位置させる。上記試験制御およびデータ集積用モジュール22は、タイヤが受ける可能性があるいろいろな車重量を模擬する目的で、いろいろな試験特徴、例えばタイヤ12にかかる軸方向負荷などが得られるように操作可能である。このモジュール22は、また、タイヤが模擬溝付き道路に関してずれた時のタイヤの影響を更に模擬する目的で、タイヤ12がドラム14および環16に関して滑る度合を変化させるように操作することも可能である。しかしながら、このような特別な態様で滑る度合をゼロにして、その滑る度合を変えてさらなるデータを集めることも可能である。上記モジュール22は、また、車がレーンを変える時に溝付き道路内でそのタイヤに作用するいろいろな力を模擬する目的で、タイヤが模擬雨天溝付き道路(ドラム14および環16)を横方向(軸方向)に横切って移行するように操作することも可能である。加うるに、モジュール22では、また、リム18上に位置させたロードセルを用いて、模擬道路条件によってタイヤにかかる力に関するデータも集める。この特別な態様では、タイヤの踏み面が環16上の溝の上を14秒毎に横切るような移行速度にして、50Hzのサンプリング率でデータ(少なくともタイヤ12にかかる横力を表す)を集める。いろいろな速度または車の加速もしくは失速を模擬しようとする場合、筒状ドラム14の回転速度を変えることでタイヤ12が受ける速度を変更するか或は変化させることも可能である。図2に、軸20によってタイヤ12が環16およびドラム14上を移行する機能を示す。
【0016】
データを集めた後にそれを処理する段階は、図3、4および5に関係させて更に詳細に説明可能である。図3は、いろいろなタイヤが示す集めた主観的現場測定値と試験下の個々のタイヤに関して集めた実験室測定値の間の相互関係型方法論を作り出す目的で採用したいろいろな段階(26−36)を説明するブロック図24である。図4は、段階32の客観的実験室データ集積方法で用いたいろいろな段階を示すブロック図であり、そして図5は、図4の客観的実験室データ集積方法論32内のデータ処理段階44で用いたいろいろな段階(46−50)を示すブロック図である。相互に関係付ける段階30を実施して充分に正確な相互関係方法論を同定した後、相互に関係付ける段階30(そしてそれに先行する段階)を中断し、そしてその後、それに続くタイヤ試験全部を客観的データ集積方法32で実施することにより、現場分析によるさらなる試験(これは費用がかかると共に時間を消費する)を排除することができることを注目すべきである。
【0017】
図4の客観的実験室データ集積段階32では、筒状ドラム14および環16を段階38で回転させそして段階40ではタイヤ12を上記試験制御およびデータ集積用モジュール22で環16の表面を横切って移行させる。この移行段階中、上記試験制御およびデータ集積用モジュール22のロードセルで横力を記録し、この横力は、模擬雨天溝付き道路がタイヤ12に及ぼす横力を表す。しかしながら、この横力を測定する特別な態様では、別法として、上記試験制御およびデータ集積用モジュール22を用いてまたタイヤ12にかかる他のいろいろな力を記録してさらなる分析または相互関係で用いることも可能である。この移行段階40が終了しそしてタイヤ12にかかる力を段階42で記録した後、この集積データに対してデータ処理段階44を実施する。このデータ処理段階44は、主に、主観的現場性能データに実質的に緊密な相互関係を示すフォーマットにデータを入れることに向けたものである。データ処理方法論の1例を図5に示し、そして図6−8、9、10、11および12の添付グラフで更に説明する。しかしながら、本発明では他のデータ処理方法も考えられる。
【0018】
図5は、データ処理方法44で採用したいろいろな段階を説明するブロック図である。いろいろなデータ処理段階を実施することができるが、典型的な態様は下記を伴う。1番目として、集積した実験室データを段階46でフィルタリングした(filtered)後、段階48でデータの圧縮を行いそして段階50でデータの正規化を行う。フィルタリング段階46の結果を図6に示し、この図は、記録した横力(ポンド)を試験を実施した時間に関して示している。この特別な態様では、タイヤの踏み面が14秒毎に溝を横切る速度でタイヤ12をドラム14を横方向に横切らせて移行させながら50Hzのサンプリング率で横力測定値を記録した。更に、図6内のデータは、1つの特別な軸方向負荷値で集めたデータである。次に、時間に関して1秒毎にデータの平均を取ることにより、その集めたデータのフィルタリングを行う。これを図6に明瞭さの目的で線で連結したデータ点でグラフに表す。この横力データは溝の間隔に関して周期的で14秒毎に繰り返すことを特記する。これは、模擬雨天溝付き道路がタイヤ12に及ぼす横力が試験下の個々のタイヤの踏み面に関する溝の位置の強力な関数であることを反映したものである。図6に1つの特別なデータフィルタリング方法46を示す。所望に応じて他の種類のフィルタリングを実施することも可能である。
【0019】
次に、データ圧縮段階48でデータの圧縮を実施してもよく、その結果を図7に示す。このデータ圧縮方法48では、間隔を置いて位置する1つの溝各々に関してタイヤにかかる横力を重ね合わせる、と言うのは、図6に示すように、横力の分布は実際上実質的に周期的であるからである。従って、図6から時間フィルタリングしたデータの全部または一部を1つの溝間隔範囲に渡ってグラフで見ることができ、このようにして、データを図7に示すように圧縮することができる。
【0020】
図7は、また、次に行うデータ処理を簡潔にする目的で平均横力に関して行うデータの正規化(図5の段階50)も示している。別法として、このデータを正規化しない状態で保持することも可能である。図8は、上記試験制御およびデータ集積用モジュール22の方に向かう移行方向およびそれから離れる移行方向両方で取った横力データを圧縮して正規化したデータを示すグラフである。図8は、模擬雨天溝付き道路がタイヤ12に及ぼす横力はいずれの移行方向も実質的に同じであることを示している。従って、所望に応じていずれかの方向または両方の方向で試験データを取ってもよい。好適には、実験室データ集積の試験時間を短縮する目的でデータを1つの方向で取る。別法として、実験室試験装置10に異常がないことを確認しようとする場合には両方の移行方向でデータを記録してそのデータを比較することにより、実験室データ集積方法の精度を冗長および改良することができる。
【0021】
次に、集めた実験室データと主観的現場性能データの間の実質的に緊密な相互関係を同定する所望に応じてさらなるデータ処理を行うことも可能である。
【0022】
図9および12は、1つの典型的なデータ処理方法論の結果を示すグラフであり、ここでは、図6および7のデータの時間フィルタリング、圧縮および正規化を行いそしてそのデータを利用して溝の間隔に沿ったピークとピークの横力値を計算する。例えば、図9では、特別なタイヤに関する特別な軸方向負荷におけるピークとピークの横力値は約8.5ポンドであるとして計算する。個々のタイヤに関する軸方向負荷は多様であることから、ピークとピークの計算値は多様である。タイヤ12にかかる軸方向負荷を変えるように試験セット18を操作することができることから客観的実験室データをいろいろな軸方向負荷で集めるのは簡単であることを特記する。図12は、各軸方向負荷値で取ったピークとピークの横力値の平均を示すグラフであり、ここでは、軸方向負荷に渡るピークとピークの複合的特徴を作り出す目的でいろいろなタイヤの平均を一緒に取る。次に、この複合軸方向負荷を、客観的実験室試験データを主観的タイヤ性能データと相互に関係付ける時の相互関係曲線として用いることができる。
【0023】
図10は、代替のデータ処理方法論の結果を示す図であり、ここでは、図6および7のデータを時間フィルタリングし、圧縮しそして正規化する横力データの処理をフーリエ係数を引き出すことで行う。フーリエ係数は通常のシグナル処理技術で引き出し可能である。図10に、いろいろなフーリエ係数の横力の大きさをそれの調和番号に従って示す。係数を引き出す場合、解答の調和の数を選択することができる。この典型的な態様では、後で主観的現場タイヤ性能データと相互に関係付けるに充分な解答を得るには4つの係数で充分であると見られることから、係数の数を4にすることを選択した。しかしながら、別法として、より少ない数のフーリエ係数を引き出すことでも充分な相互関係を得ることができるならば、そのようにすることも可能であり、そして更に、主観的現場タイヤ性能データに対する相互関係をより緊密かつより正確にする目的で追加的フーリエ係数を選択することも可能である。従って、シグナル処理で引き出すべきフーリエ係数の数は相互関係で必要とされる確実さか或は利用できるシグナル処理力によって決定される。図11に、図10の引き出したフーリエ係数各々の大きさを二乗してそれらの大きさを一緒に合計して調和力(平方ポンド)を得ることでフーリエ係数に対して後で実施した数学的操作をグラフで示し、それを分類分けした後、本発明ではそれを溝横断力として定義する。溝横断力(これは客観的実験室試験データを代表する)と主観的現場タイヤ性能データの間の相互関係を得る目的で図12に溝横断力を軸方向負荷に関して示す。
【0024】
図13に、主観的現場試験データ(1から10点のスケールで示す)と処理した客観的現場試験データ(これは上記主観的データと同時に集めたデータであり、これはタイヤ12にかかる横力の平方である)(車にかかる全パワーFy(on−vehicle total power Fy))の間の相互関係を示す。また図14に異なる車に関する同じ種類の相互関係(効果的に軸方向負荷を変更)を示し、そして図13および14に示す曲線の傾きが異なることは車の感受性が異なることを表している。この上で強調したように、一般に、小型車(結果として横方向負荷が小さい)の方が重い車よりも雨天溝ふらつきの影響をより敏感に感じる。従って、主観的現場試験データがそのタイヤの試験で用いた車の種類の関数であることは驚くべきことでない。測定全パワーはそのタイヤの主観的等級に直線的に関係することを特記する。記号r2は、測定係数を表す統計学的記号であり、これは、散乱グラフが回帰線にどれぐらい緊密に適合しているかを示す尺度である(r2=1は完全な適合である)。
【0025】
図15および16は、処理した客観的現場試験データと処理した客観的実験室試験データの間の相互関係を示すグラフである。両方のグラフとも相互関係を確立する目的で図10、11および12のフーリエ係数引き出し処理技術を利用する。この相互関係は、正確ではないが80%の信頼度で予測可能であり(図15および16中の80%予測帯で示されるように)、この特別な態様における相互関係は、主観的タイヤ性能を予測するに充分なほど緊密な相互関係である。予測信頼度が80%であることは、主観的等級点予測(subjective rating point prediction)が±1であることに関係し、これを図17−19に関係させてより詳細に説明する。従って、原型タイヤを客観的に実験室で試験することにより、後で現場試験を実施する必要なく、タイヤの主観的現場性能特徴を±1の主観的等級点以内で予測することができる。
【0026】
相互関係の誤差の源は少なくとも下記にある。タイヤが模擬試験セット10に当たる角度が現場の場合の角度とは異なり、このことは、模擬試験セット10上の溝は直線であるが実際の道路上の溝は多様であることを意味する。相互関係の誤差の別の源は、試験セット10における移行の頻度は低くかつ滑りの角度が固定されている点でモジュール22の移行制御が実際の運転状態を正確に模擬していないことによる誤差にある。追加的に、ドラム14は湾曲しておりそして環16(この態様における)はアルミニウムで出来ていることから、タイヤ跡の動力学が実際の雨天溝付き道路状態とは異なる。また、実験室試験セット10では溝を環16上に機械加工しており、その結果として、正確な間隔を有する正方形の縁を有するが、実際の道路の溝は使用および摩耗が原因でより丸まっておりそしてその間隔はあまり正確でない。最後に、また、現場および実験室両方の測定でタイヤにかかる力を測定するロードセルの正確さも相互関係の確実さに影響を与える。上記および他の要因が図15および16に示す相互関係の誤差の一因になってはいるが、しかしながら、必要ならば、実際の雨天溝道路条件をより正確に模擬するように実験室の試験セット10を修飾することも可能であり、例えばより大きなドラムを製造することで平らな道路をより緊密に模擬し、移行の頻度を増し、そして得られる相互関係予測の確実さをより高くする目的で、より複雑な力集積装置を用いかつ環16上の溝の配置を修飾することも可能である。本発明ではそのような種類の修飾も考えられる。しかしながら、この上に示した特別な態様では80%の予測確実さで充分であった。
【0027】
図17−19は、客観的実験室試験データを個々のタイヤの主観的現場性能の予測で用いる様式を示すグラフである。図17に、主観的現場等級と処理した客観的現場データの間の相互関係を示す。従って、約7.0のタイヤ性能等級を得ようとする場合には、示すように、客観的現場試験中に約150平方ポンドの全パワー(Fy)を得る必要がある。その後、原型タイヤを試験セット10上に位置させ、力を測定し、それをデータとして処理することで、個々の軸方向負荷(これは車が現場試験で及ぼす軸方向負荷に合致する)における溝横断力を得ることができる(或は、別法として、充分に緊密な相互関係を与える別の処理方法論を用いて)。図18に示すように、溝横断力は1.0平方ポンド(80%の確実さ以内)である必要がある。図19に示すように、主観的/客観的現場相互関係グラフに80%予測帯を位置させると、相互関係の80%確実さは±1の等級点確実さをもたらす。従って、原型タイヤが1.0平方ポンドの溝横断力を得たならばそのタイヤが雨天溝付き道路で示す主観的性能は6.0から8.0の範囲になるであろうと正確に予測することができる。
【0028】
好適な特定態様または態様類に関係させて本発明を示しかつ説明してきたが、本分野の他の技術者は本明細書および添付図を読んで理解した時点で相当する変形および修飾形を思い浮かべるであろうことは明らかである。特に、この上に記述した完全体(構成要素、組み立て品、装置、組成物など)が果すいろいろな機能に関して、そのような完全体を記述する目的で用いた用語(如何なる「手段」の言及も包含)は、特に明記しない限り、この開示した構造に構造的に相当していなくても本明細書で示した本発明の典型的な態様または態様類に示した機能を果すならば、その記述した完全体の指定機能を果す(即ち機能的に相当する)如何なる完全体にも該当することを意図する。加うるに、本発明の個々の特徴をこの上に説明したいくつかの態様の1つのみに関係させて記述したが、そのような特徴を他の態様の他の特徴の1つ以上と組み合わせることは所定または個々の用途で望まれるか或は有利であり得るならば可能である。
【0029】
本発明の特徴および態様は以下のとおりである。
【0030】
1. タイヤを雨天溝ふらつきに関して試験する方法であって、
雨天溝付き道路条件を模擬し、
該タイヤをその模擬した道路条件で作動させて該タイヤに作用する力を1つ以上測定し、
この測定力と他の1つ以上のタイヤを現場試験することで集めた主観的タイヤ性能データの間の相互関係を同定し、そして
この相互関係を基にして該タイヤの主観的タイヤ性能を予測し、それによって、該タイヤが雨天溝付き道路で示す主観的性能を現場試験を実施する必要なく効果的に評価する、
段階を含む方法。
【0031】
2. 該雨天溝付き道路条件を模擬する段階が、
該タイヤを溝付き表面に接触させて回転可能なように位置させ、そして
該タイヤが該溝付き表面に接触した状態で回転したままになるように該溝付き表面を動かし、それによって、雨天溝付き道路を走行するタイヤを模擬する、
段階を含む第1項記載の方法。
【0032】
3. 該溝付き表面が溝付き周囲表面を有する筒状ドラムでありそして該溝付き表面を動かす段階が該ドラムを回転させることを含む第2項記載の方法。
【0033】
4. 該タイヤにいろいろな軸方向負荷をかけ、それによって、いろいろな種類の車を用いた時のタイヤ性能を模擬する段階を更に含む第2項記載の方法。
【0034】
5. 該タイヤを該動いている溝付き表面を軸方向に横切らせて移行させ、それによって、車が雨天溝付き道路上で横方向に動くのを模擬する段階を更に含む第2項記載の方法。
【0035】
6. 該タイヤに作用する力を1つ以上測定する段階が横力を測定することを含む第1項記載の方法。
【0036】
7. 1つ以上の測定力がデータを含みそして該データを処理してこの処理したデータを主観的タイヤ性能データと実質的に緊密な相互関係を示すフォーマットにすることを含む第1項記載の方法。
【0037】
8. 該データを処理する段階が、
該データを時間フィルタリングすることで、複数の指定時間各々の範囲内のデータの平均を取り、
該タイヤが該溝付き表面上の溝に関して示す横方向位置に関連した各データをグラフに重ね合わせるように該データを圧縮し、
この圧縮したデータを該溝付き表面を横切る平均横力に関して正規化し、そして
この正規化したデータのピークとピークの力差を計算して、それを、測定力と主観的タイヤ性能データを相互に関係付ける時に用いる、
段階を含む第7項記載の方法。
【0038】
9. 該データを処理する段階が、
該データを時間フィルタリングすることで、複数の指定時間各々の範囲内のデータの平均を取り、
該タイヤが該溝付き表面上の溝に関して示す横方向位置に関連した各データをグラフに重ね合わせるように該データを圧縮し、
この圧縮したデータを該溝付き表面を横切る平均横力に関して正規化し、
前以て決めておいた数のフーリエ係数をその圧縮して正規化したデータから引き出し、そして
この前以て決めておいた数のフーリエ係数の平方値を合計して、それを、測定力と主観的タイヤ性能データを相互に関係付ける時に用いる、
段階を含む第7項記載の方法。
【0039】
10. タイヤの雨天溝ふらつきの主観的分析と客観的な分析技術を車の試験を行う必要なく相互に関係付ける方法であって、
個々のタイヤに関する雨天溝ふらつきの主観的現場測定値を集め、ここで、該集める段階は
1組の評価用タイヤを取り付けた車の雨天溝付き道路での運転及び
運転中の主観的な等級付け、ここで、主観的等級付けは雨天溝付道路上で運転者が感知する車操作性と乗用性との複合特性を反映している、
を含み、
この主観的現場測定値を集めると同時に該タイヤに作用する力の客観的現場測定値を集め、ここで、該集める段階は
1組の評価用タイヤを取り付けた車の雨天溝付き道路での運転及び
雨天溝付き道路上の溝が及ぼす1つ以上の力の測定
を含み、
該主観的現場測定値と客観的現場測定値を相互に関係付け、
模擬運転条件下で該タイヤに作用する力の客観的実験室測定値を集め、そして
該客観的現場測定値と該客観的実験室測定値の間の相互関係を同定し、それによって、該客観的実験室測定値と主観的現場測定値を効果的に相互に関係付ける、
段階を含む方法。
【0040】
11. 該主観的現場測定値を集める段階が、
1組の評価用タイヤを取り付けた車を雨天溝付き道路で運転し、そして運転者が雨天溝付き道路で感知する車操作性と乗用性の複合特性を反映した主観的な等級付けを運転中に行う、
段階を含む第10項記載の方法。
【0041】
12. 該客観的現場測定値を集める段階が、
1組の評価用タイヤを取り付けた車を雨天溝付き道路で運転し、そして
雨天溝付き道路が該タイヤに及ぼす1つ以上の力を測定する、
段階を含む第10項記載の方法。
【0042】
13. 模擬運転条件下でタイヤに作用する力の客観的実験室測定値を集める段階が、
雨天溝付き道路条件を模擬し、そして
該タイヤを該模擬道路条件で作動させて該タイヤに作用する力を1つ以上測定する、
段階を含む第10項記載の方法。
【0043】
14. 該雨天溝付き道路条件を模擬する段階が、
該タイヤを溝付き表面に接触させて回転可能なように位置させ、そして該タイヤが該溝付き表面に接触した状態で回転したままになるように該溝付き表面を動かし、それによって、雨天溝付き道路を走行するタイヤを模擬する、
段階を含む第13項記載の方法。
【0044】
15. 該溝付き表面が溝付き周囲表面を有する筒状ドラムでありそして該溝付き表面を動かす段階が該ドラムを回転させることを含む第14項記載の方法。
【0045】
16. 該タイヤにいろいろな軸方向負荷をかけ、それによって、いろいろな種類の車を用いた時のタイヤ性能を模擬する段階を更に含む第14項記載の方法。
【0046】
17. 該タイヤを該動いている溝付き表面を軸方向に横切らせて移行させ、それによって、車が雨天溝付き道路上で横方向に動くのを模擬する段階を更に含む第14項記載の方法。
【0047】
18. 該客観的実験室測定値がデータを含みそして該客観的現場測定値と該客観的実験室測定値の間の相互関係の同定が該データを処理してこの処理したデータを客観的現場測定値と実質的に緊密な相互関係を示すフォーマットにすることを更に含む第10項記載の方法。
【0048】
19. 主観的なタイヤ評価を実施することなく主観的な雨天溝付き道路特性を基にした所望のタイヤを選択する方法であって、
主観的雨天溝付き道路上のタイヤ性能と1つ以上のタイヤの試験からの測定された客観的力値を関係付け、
所望の主観的雨天溝付き道路タイヤ性能を選択し、
該所望の主観的雨天溝付き道路タイヤ性能に相互関係を示す客観的力値を同定し、
この同定した客観的力値を基にした模擬力特性を選択し、
1つ以上のタイヤを模擬し、そして
該模擬力特性に合致するタイヤを選択し、それによって、所望の主観的雨天溝付き道路性能を示すタイヤを選択する、
段階を含む方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】タイヤを模擬雨天溝付き道路条件下で試験する場合に用いた実験室試験セット装置を示す図式図である。
【図2】試験タイヤを模擬雨天溝付き道路を横切らせて移行させるのを示す図式的透視図である。
【図3】主観的現場性能特性と客観的実験室分析データの間を相互に関係付ける目的で主観的現場測定値、客観的現場測定値および客観的実験室測定値を集める時に採用した段階を示すブロック図である。
【図4】客観的実験室分析データを集める時に必要な段階を示すブロック図である。
【図5】この集めた客観的実験室分析データを処理する時に実施する段階を示すブロック図である。
【図6】測定した経時的横力とこの集めたデータを処理する時の時間フィルタリング段階を示すグラフである。
【図7】フィルタリングして圧縮したデータを示すグラフであり、ここでは、時間フィルタリングした横力を、模擬雨天溝付き道路内の溝に関係したタイヤの位置(溝中心からの偏り)に関係させてグラフで示し、そしてまた、測定平均横力に関するデータ正規化も示す。
【図8】模擬道路条件下で集めたデータがこの模擬道路を横切って移行するタイヤの方向に関しては実質的に同じである様式を示すグラフである。
【図9】溝中心からの偏りに関して正規化した横力を示すグラフ(このグラフからピークとピークの力値を計算する)である。
【図10】図7の正規化したデータから引き出したフーリエ係数の横力の大きさを示すグラフである。
【図11】いろいろな調和(harmonic)フーリエ係数の二乗の合計を示すグラフである。
【図12】軸方向負荷に関するピークとピークの測定値の平均に加えて軸方向負荷に関する溝横断力(groove crossing power)を示すグラフである。
【図13】1番目の車に関して試験した1組のタイヤの主観的現場等級と処理した客観的現場測定値の間の相互関係を示すグラフである。
【図14】2番目の車に関して試験した1組のタイヤの主観的現場等級と処理した客観的現場測定値の間の相互関係を示すグラフである。
【図15】1番目の車の客観的現場分析データと溝横断力の間の相互関係を示すグラフである。
【図16】2番目の車の客観的現場測定データと溝横断力の間の相互関係を示すグラフである。
【図17】個々のタイヤの客観的実験室試験データを評価することで個々のタイヤが充分な主観的性能を与えるか否かを同定することができる様式を示すグラフである。
【図18】個々のタイヤの客観的実験室試験データを評価することで個々のタイヤが充分な主観的性能を与えるか否かを同定することができる様式を示すグラフである。
【図19】個々のタイヤの客観的実験室試験データを評価することで個々のタイヤが充分な主観的性能を与えるか否かを同定することができる様式を示すグラフである。
【符号の説明】
10 試験セット
12 タイヤ
14 筒状ドラム
16 アルミニウム環
18 タイヤ試験セット
20 軸
22 モジユール

Claims (3)

  1. タイヤを雨天溝ふらつきに関して試験する方法であって、
    雨天溝付き道路条件を模擬し、
    該タイヤをその模擬した道路条件で作動させて該タイヤに作用する力を1つ以上測定し、
    この測定力と他の1つ以上のタイヤを現場試験することで集めた主観的タイヤ性能データの間の相互関係を同定し、そして
    この相互関係を基にして該タイヤの主観的タイヤ性能を予測し、それによって、該タイヤが雨天溝付き道路で示す主観的性能を現場試験を実施する必要なく効果的に評価する、
    段階を含む方法。
  2. タイヤの雨天溝ふらつきの主観的分析と客観的な分析技術を車の試験を行う必要なく相互に関係付ける方法であって、
    個々のタイヤに関する雨天溝ふらつきの主観的現場測定値を集め、ここで、該集める段階は
    1組の評価用タイヤを取り付けた車の雨天溝付き道路での運転及び
    運転中の主観的な等級付け、ここで、主観的等級付けは雨天溝付道路上で運転者が感知する車操作性と乗用性との複合特性を反映している、
    を含み、
    この主観的現場測定値を集めると同時に該タイヤに作用する力の客観的現場測定値を集め、ここで、該集める段階は
    1組の評価用タイヤを取り付けた車の雨天溝付き道路での運転及び
    雨天溝付き道路上の溝が及ぼす1つ以上の力の測定
    を含み、
    該主観的現場測定値と客観的現場測定値を相互に関係付け、
    模擬運転条件下で該タイヤに作用する力の客観的実験室測定値を集め、そして
    該客観的現場測定値と該客観的実験室測定値の間の相互関係を同定し、それによって、該客観的実験室測定値と主観的現場測定値を効果的に相互に関係付ける、
    段階を含む方法。
  3. 主観的なタイヤ評価を実施することなく主観的な雨天溝付き道路特性を基にした所望のタイヤを選択する方法であって、
    主観的雨天溝付き道路上のタイヤ性能と1つ以上のタイヤの試験からの測定された客観的力値を関係付け、
    所望の主観的雨天溝付き道路タイヤ性能を選択し、
    該所望の主観的雨天溝付き道路タイヤ性能に相互関係を示す客観的力値を同定し、
    この同定した客観的力値を基にした模擬力特性を選択し、
    1つ以上のタイヤを模擬し、そして
    該模擬力特性に合致するタイヤを選択し、それによって、所望の主観的雨天溝付き道路性能を示すタイヤを選択する、
    段階を含む方法。
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