JP4063203B2 - 画像データ圧縮装置及びエンコーダ - Google Patents

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Description

本発明は、画像データ圧縮装置及びエンコーダに関する。
静止画像又は動画像の画像データや音声データといったマルチメディア情報に対する汎用的な符号化方式として、MPEG−4(Moving Picture Experts Group Phase 4)が規格化されている。近年の携帯機器は、このMPEG−4の規格に準拠した画像データのエンコード及びデコードを実現し、動画像の再生やネットワークを介した送受信ができる。
MPEG−4の規格では、動画像の画像データをエンコードした圧縮データを、一定のレートで生成する必要がある。ところが、動画像の画像データを圧縮する場合、画像データの種類に依存して圧縮効率が大きく変動してしまう。非特許文献1には、この変動を所定の範囲に収めるように、発生する符号量を制御することで、一定のレートで圧縮データを生成するレートコントロール方式が述べられている。
MPEG-4 Visual Part(勧告書ISO/IEC 14496-2:1999(E) Annex L)
MPEG−4のエンコード(圧縮)処理を行う場合、一連の処理をすべてハードウェアにより実施することが考えられる。しかしながら、この場合、回路規模が大きくなり、IC(半導体装置、集積回路)化した場合の小型化を図ることが困難となる。特に携帯電話機等の携帯機器では、機器の小型化への要請に応えられない。
一方、エンコードの一連の処理を、すべてソフトウェアを用いて実施することが考えられる。しかしながら、この場合、ソフトウェアを処理するCPU(Central Processing Unit)の負荷が増大してしまう。そのため、CPUが他の処理に費やす時間に制約が生じ、このCPUを搭載する機器のパフォーマンスを低下させてしまう。またCPUの処理時間の増加を招き、消費電力が大きくなってしまう。特に携帯電話機等の携帯機器では、バッテリの消耗を抑えるための低消費電力化への要請に応えられない。
そこで、エンコードの一連の処理をハードウェアとソフトウェアとに分担させることが考えられる。しかしながら、本発明者の検討の結果、エンコードの一連の処理についてハードウェアとソフトウェアとの分担の最適化を図る場合、非特許文献1に開示されたレートコントロール方式を実施できないということが判明した。従って、画像データの圧縮処理についてハードウェアとソフトウェアとの分担の最適化と、一定レートでの圧縮データの生成とを両立できないという問題がある。
また非特許文献1に述べられているレートコントロール方式では、圧縮データの生成レートをコントロールできたとしても、該圧縮データを伸張した画像にはブロックノイズが表示されることが多く、表示品質を劣化させる場合があるという問題がある。
本発明は、以上のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、画像データの圧縮処理についてハードウェアとソフトウェアとの分担の最適化と、一定レートでの圧縮データの生成とを両立し、かつ表示品質の劣化を防止できる画像データ圧縮装置及びエンコーダを提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、画像データを圧縮するための画像データ圧縮装置であって、フレーム単位で画像データを量子化する量子化部と、前記量子化部によって量子化された、少なくともN(Nは2以上の整数)フレーム分の量子化データがバッファリングされるFIFOバッファ部と、前記FIFOバッファ部への書き込みと非同期で前記FIFOバッファ部から量子化データを読み出し、該量子化データを符号化した符号化データを生成する符号化データ生成部と、前記符号化データのデータサイズを用いて前記量子化部の量子化ステップを変化させて、符号化データのデータサイズを変化させるレートコントロール部とを含み、前記レートコントロール部が、前記量子化部で量子化される画像データのフレームより過去のNフレーム分の各フレームの符号化データのデータサイズを平均化した平均データサイズを用いて、その値が設定可能な量子化パラメータ上限閾値以下となるように又はその値が設定可能な量子化パラメータ下限閾値以上となるように量子化パラメータを求め、該量子化パラメータに基づいて前記量子化ステップを変化させる画像データ圧縮装置に関係する。
本発明においては、量子化部と符号化データ生成部との間にFIFOバッファ部を設けている。こうすることで、量子化部と符号化データ生成部との処理を非同期で、かつ並列に動作させることができる。そして、符号化データ生成部による符号化データの生成のレートを制御する場合、レートコントロール部が、量子化部で量子化される画像データのフレームより過去の複数フレーム分の符号化データのデータサイズを平均化した平均データサイズを用いて、量子化部の量子化ステップを変化させるようにしている。
これにより、量子化部と符号化データ生成部との処理を非同期で行うように構成した結果、非特許文献1に開示されたレートコントロール方式を実施できない場合であっても、符号化データの生成のレートを制御でき、一定のレートで画像データを圧縮した符号化データを生成できるようになる。
また本発明では、レートコントロール部が、量子化パラメータ上限閾値以下となるように量子化パラメータを求めるようにしている。一般的に、量子化パラメータの値を大きくするほど、画像データを大きく間引いて量子化データのサイズを小さくし、符号化データのサイズを小さくできる。その反面、該符号化データをデコードした画像にはブロックノイズが目立つようになる。従って、本発明によれば、上述のようにレートコントロールを実施したとしても、エンコード後の圧縮データをデコードした画像にブロックノイズが目立つ事態を回避できるようになる。
或いは本発明では、レートコントロール部が、量子化パラメータ下限閾値以上となるように量子化パラメータを求めるようにしている。一般的に、量子化パラメータの値を小さくするほど、画像データの間引き量が少なくなって量子化データのサイズを大きくなる。その反面、該符号化データをデコードした画像にはブロックノイズが少なくなる。従って、本発明によれば、上述のようにレートコントロールを実施したとしても、無駄にデータサイズを大きくすることがなくなる。
また本発明に係る画像データ圧縮装置では、前記FIFOバッファ部から読み出された量子化データが、1フレーム内で符号化されるフレーム内符号化マクロブロックのデータのとき、前記レートコントロール部が、該量子化データを符号化した符号化データのデータサイズを、前記平均データサイズとして求めることができる。
本発明によれば、量子化部と符号化データ生成部との処理を非同期で行うように構成した結果、非特許文献1に開示されたレートコントロール方式を実施できない場合であっても、Iピクチャのように前のフレームの画像データとの連続性がないときに、符号化データの生成のレートを適切に制御でき、一定のレートで画像データを圧縮した符号化データを生成できるようになる。
また本発明に係る画像データ圧縮装置では、前記レートコントロール部が、前記平均データサイズを用いて、前記量子化パラメータ上限閾値以下で、かつ前記量子化パラメータ下限閾値以上となるように前記量子化パラメータを求めることができる。
本発明によれば、圧縮効率と画質との最適化を図るレートコントロールを容易に実現できる。
また本発明に係る画像データ圧縮装置では、前記レートコントロール部が、前記量子化部がM(M≧N、Mは整数)フレーム分の画像データを所定の量子化ステップで量子化した後に前記平均データサイズを求めることができる。
本発明によれば、過去のNフレーム分の符号化データのデータサイズの平均値が正確でないような場合に、不要なレートコントロールが行われて画質を劣化させることを防止できる。
また本発明に係る画像データ圧縮装置では、量子化ステップ値を記憶する量子化テーブルを含み、前記レートコントロール部が、前記量子化パラメータと前記量子化ステップ値との積を用いて量子化を行うことで、前記量子化ステップを変化させることができる。
また本発明に係る画像データ圧縮装置では、離散コサイン変換された前記画像データを、フレーム単位で前記量子化部に供給する離散コサイン変換部を含むことができる。
また本発明に係る画像データ圧縮装置では、動画像の画像データをハードウェアにより処理するハードウェア処理部と、前記FIFOバッファ部から読み出された量子化データをソフトウェアにより符号化処理して符号化データを生成するソフトウェア処理部とを含み、前記ハードウェア処理部が、前記量子化部と、前記FIFOバッファ部とを含み、前記ソフトウェア処理部が、前記符号化データ生成部と前記レートコントロール部とを含むことができる。
ここで、量子化された動画像データは、ゼロデータが圧倒的に多く、量子化前のデータと比較すればデータの情報量の種類が圧倒的に少ない場合が多い。しかも、一般的に符号化のための演算自体の負荷も少ない。よって、情報量が少なく演算負荷の軽い処理をソフトウェア処理部で処理しても、その処理の負荷は小さい。逆に、量子化の処理の多くは、情報量が多い上に演算も複雑で、ソフトウェアで処理するには負荷が大きい。そして、これらは負荷が重い処理ではあるが、規格化されている場合には、変更の必要性は乏しく、また、繰り返し処理が多いため、ハードウェア処理部での処理に適している。また、ハードウェア処理部での処理後のデータ量が少ないので、ハードウェア処理部からソフトウェア処理部に伝送されるデータ量が少なく、伝送負荷も軽くなる。また、ソフトウェア処理部とハードウェア処理部との間には、FIFOバッファ部が介在するので、ソフトウェア処理とハードウェア処理とを並列的に処理することができる。更に、ソフトウェア処理とハードウェア処理とを使い分けることで、装置の小型化と消費電力の低減の双方を実現できる。
また本発明に係る画像データ圧縮装置では、前記ハードウェア処理部が、現在のフレームの入力画像データと現在のフレームの1フレーム前の過去画像データとの差分を動きベクトル情報として出力し、該動きベクトル情報に対して離散コサイン変換を行って前記画像データとして前記量子化部に出力し、前記量子化データに対して前記量子化ステップで逆量子化して求められる逆量子化データに基づいて、前記過去画像データを生成することができる。
また本発明に係る画像データ圧縮装置では、前記ソフトウェア処理部が、前記FIFOバッファ部から読み出された量子化データを可変長符号に符号化することができる。
また本発明に係る画像データ圧縮装置では、前記ソフトウェア処理部が、前記FIFOバッファ部から読み出された量子化データを並び換えるスキャン処理を行い、該スキャン処理の結果を可変長符号に符号化することができる。
また本発明に係る画像データ圧縮装置では、前記ソフトウェア処理部が、前記FIFOバッファ部から読み出された量子化データからDC成分及びAC成分とを求め、前記DC成分及びAC成分を並び換えるスキャン処理を行い、該スキャン処理の結果を可変長符号に符号化することができる。
また本発明は、画像データに対して圧縮処理を行うエンコーダであって、画像データを入力するためのインタフェース処理を行う画像入力インタフェースと、フレーム単位で前記画像データを量子化する量子化部と、前記量子化部によって量子化された、少なくともN(Nは2以上の整数)フレーム分の量子化データがバッファリングされるFIFOバッファ部と、前記FIFOバッファ部への書き込みと非同期で、前記FIFOバッファ部に記憶された量子化データを読み出すホストとのインタフェース処理を行うホストインタフェースとを含み、前記ホストが、前記量子化部が量子化する画像データのフレームより過去のNフレーム分の各フレームの符号化データのデータサイズを平均化した平均データサイズを用いて、その値が設定可能な量子化パラメータ上限閾値以下となるように又はその値が設定可能な量子化パラメータ下限閾値以上となるように量子化パラメータを求め、前記量子化部が、前記量子化パラメータに基づく量子化ステップにより、量子化するエンコーダに関係する。
本発明によれば、例えば撮像部からの動画像の画像データを圧縮するためのエンコードの処理を、エンコーダとホストとに分担させることができる。従って、上述のエンコードの処理の量子化と符号化データの生成とを並列的に実行することができる。更に、エンコーダとホストとを使い分けることで、このエンコーダを搭載する装置の小型化と消費電力の低減の双方を実現できる。
また本発明に係るエンコーダでは、前記FIFOバッファ部から読み出された量子化データが、1フレーム内で符号化されるフレーム内符号化マクロブロックのデータのとき、前記ホストが、該量子化データを符号化した符号化データのデータサイズを前記平均データサイズとして求め、前記量子化部が、前記量子化パラメータに基づく量子化ステップにより、量子化することができる。
また本発明に係るエンコーダでは、前記ホストが、前記平均データサイズを用いて、前記量子化パラメータ上限閾値以下で、かつ前記量子化パラメータ下限閾値以上となるように前記量子化パラメータを求めることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成のすべてが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. MPEG−4
まずMPEG−4のエンコード処理について簡単に説明する。またこのエンコード処理によって符号化された圧縮データを伸張するためのデコード処理についても説明する。
図1(A)、(B)に、MPEG−4のエンコード処理と、デコード処理の説明図を示す。この処理の詳細については、例えば日本実業出版社の「JPEG&MPEG 図解でわかる画像圧縮技術」(越智宏、黒田英夫の共著)に説明されているので、本発明に関する処理についてのみ主として説明する。
図1(A)に示すエンコード処理では、まず、連続する2枚(2フレーム)の画像間の動き検出(ME:Motion Estimation)が実施される(ステップS1)。具体的には2枚の画像間の同一画素同士の差分を求める。2枚の画像間で変化のない画像領域では差分が0になるので、情報量を少なくできる。この画像領域のゼロデータに加え、2枚の画像間で変化のある画像領域の差分(プラス・マイナス成分)が動き検出後の情報となる。
次に、離散コサイン変換(DCT:Discrete Cosine Transform)が実施される(ステップS2)。この離散コサイン変換(DCT)は、図2に示す8画素×8画素の1ブロック単位で演算され、1ブロック毎にDCT係数を求めるものである。離散コサイン変換後のDCT係数は、1ブロック内の画像の濃淡変化を、全体の明るさ(DC成分)と空間周波数(AC成分)とで表わしたものである。図3は、8画素×8画素の1ブロック内のDCT係数の一例を示している(上述の図書の第116頁の図5−6を引用)。その左上隅のDCT係数がDC成分を示し、それ以外のDCT係数がAC成分を示す。なお、AC成分のうち、高周波成分を省略しても画像認識への影響が少ない。
次に、DCT係数の量子化が行われる(ステップS3)。この量子化は、1ブロック内の各DCT係数を、量子化テーブル中の対応する位置の量子化ステップ値で除算して、情報量を少なくするために実施される。例えば、図3のDCT係数を図4の量子化テーブルを用いて量子化した1ブロック内のDCT係数を図5に示す(上述の図書の第117頁の図5−9及び図5−10を引用)。図5に示す通り、特に、高周波成分のDCT係数を量子化ステップ値で除算し、その小数点以下を四捨五入すると、ほとんどがゼロデータとなり、情報量が大幅に減少している。
このエンコード処理には、現フレームと該現フレームの次のフレームとの間で上述の動き検出(ME)を実施するために、帰還ルートが必要となる。この帰還ルートでは、図1(A)に示すように、逆量子化(iQ)、逆DCT及び動き補償(MC:Motion Compensation)が実施される(ステップS4〜S6)。なお、動き補償の詳細な動作については省略するが、この処理は図2に示す16画素×16画素の1マクロブロック単位で実施される。
本実施形態では、上述したステップS1〜S6の処理が、ハードウェアによって実施される。
図1(A)のステップS7で実施されるDC/AC(直流/交流成分)予測処理及びステップS8で実施されるスキャン処理は、共にステップS9の可変長符号(VLC:Variable Length Code)の符号化の効率を高めるために必要な処理である。なぜなら、ステップS9の可変長符号への符号化は、DC成分については隣接ブロック間での差分を符号化し、AC成分についてはブロック内を周波数が低い側から高い側に向けてスキャン(ジグザグスキャンとも称する)して符号化の順序を決める必要があるからである。
ステップS9の可変長符号への符号化とは、エントロピー符号化とも称され、符号化原理として、出現頻度の多いものは少ない符号で表すように符号化するものである。ステップS7、ステップS8での結果を利用して、DC成分について隣接ブロック間での差分を符号化し、AC成分についてはスキャンされた順番で低周波側から高周波側から順にDCT係数値を符号化する。
ここで、画像データは、その画像の複雑さや動きの激しさによって情報の発生量が変動する。この変動を吸収し、一定の伝送レートで伝送するには符号発生量の制御が必要であり、これがステップS10のレートコントロールである。レートコントロールのために通常バッファメモリが設けられ、そのバッファメモリがオーバーフローしないように蓄積情報量を監視し、情報発生量を抑えるようにする。具体的には、ステップS3での量子化特性を粗くして、DCT係数値を表すビット数を減らしている。
本実施形態では、上述したステップS7〜S10の処理が、ソフトウェアによって実施される。即ち、ステップS7〜S10の処理が、ソフトウェアを読み込んだハードウェアによって実現される。
図1(B)は、図1(A)のエンコード処理によって圧縮された画像データのデコード処理を示す。このデコード処理は図1(A)のエンコード処理を逆順でかつ逆処理することで達成される。なお、図1(B)中の「ポストフィルタ」とは、ブロックノイズを消去するためのフィルタである。また図1(B)中の「YUV/RGB変換」とは、ポストフィルタの出力を、YUVフォーマットからRGBフォーマットに変換することを指す。
2. レートコントロール
次に、図1(A)に示すステップS10で実施されるレートコントロールに関し、非特許文献1に記載される手法について簡単に説明する。この手法では、エンコード時の量子化パラメータを変化させる。量子化パラメータを変化させることで、図1(A)に示す量子化(ステップS3)の量子化ステップを変化させて量子化特性を変化させ、発生する符号量(データのサイズ)を制御する。
この手法では、フレームごとに量子化パラメータQcを設定して、1フレームを符号化したときの発生符号量Rの制御を行う。このとき、図6に示すモデル式に従って、量子化パラメータQcを求める。
図6において、Rは1フレームを符号化しときの発生符号量、Qcは量子化パラメータ、Ecはフレームの複雑度、X、Xは本モデルのパラメータを示す。フレームの複雑度Ecは、符号化対象とする画素の絶対値平均を用いる。ここでフレーム間符号化マクロブロックに関しては、フレームの複雑度Ecは、現フレームと該現フレームの前のフレームとの差分値x´ijの絶対値の総和を面積Aで除した値として、動き検出後に求められる。フレーム内符号化マクロブロックに関しては、現フレームと基準値μとの差分値の絶対値(|xij−μ|)の総和を面積Aで除した値として求められる。なお基準値μは、マクロブロック内の全画素の平均値とすることができる。
このように、図6では、発生符号量はフレームの複雑度と量子化パラメータの逆数の2次式とによってモデル化される。
図7に、図6に示すモデル式を用いたレートコントロールの処理フローの一例を示す。
まず、初期フレームを、所定の量子化パラメータを用いてエンコードする(ステップS30)。次に、モデルパラメータX、Xの初期値を設定する(ステップS31)。続いて、現フレームの複雑度Ecを算出する(ステップS32)。複雑度Ecは、図6に示す式を用いて求めることができる。そして、エンコードに使用する符号量を、使用可能な残りの符号量及び前フレームで使用した符号量を基に求める(ステップS33)。
更に、ステップS31で設定されたモデルパラメータX、X、ステップS32で求められた複雑度Ecを、図6に示すモデル式に設定する。また、ステップS33で求められたエンコードに使用する符号量から、前フレームで使用したビット数のうちヘッダや動きベクトル等の情報以外のビット数を減算した値を、1フレームを符号化したときの発生符号量Rとして図6に示すモデル式に設定する。そして、図6に示すパラメータをQcとする2次方程式を解いて、量子化パラメータQcを求める(ステップS34)。
次に、ステップS34で求められた量子化パラメータQcを用いてフレームの量子化と符号化とを行って(ステップS35)、現フレームの1フレーム前にエンコードしたフレームの量子化パラメータと発生符号量等とを基に、図6に示すモデル式からモデルパラメータX、Xを求めて更新する(ステップS36)。
所定の条件でこの処理フローを終了するとき(ステップS37:Y)、一連の処理を終了し(エンド)、終了しないとき(ステップS37:N)、ステップS32に戻る。以上のような処理を毎フレーム行う。
このように非特許文献1に記載されるレートコントロール方式では、1フレーム前のエンコード結果を次のフレームのエンコードに反映させる必要がある。
3. 画像データ圧縮装置
ところで本実施形態は、上述したエンコードの一連の処理をハードウェアとソフトウェアとに分担させ、この分担の最適化を図る画像データ圧縮装置を提供するものである。
図8に、本実施形態における画像データ圧縮装置の構成の概要のブロック図を示す。
本実施形態における画像データ圧縮装置10は、量子化部20を含む。量子化部20は、図1(A)に示すステップS3の処理を行う。量子化部20は、フレーム単位で画像データを量子化する。即ち、量子化部20は、フレーム単位に画像データを量子化して量子化データを生成する。ここで画像データは、例えば図1(A)に示すステップS2のDCT処理後のDCT係数により表わすことができる。この場合、図3に示すDCT係数が、図4に示す量子化テーブルの量子化ステップ値で除算され、図5に示すように量子化される。
画像データ圧縮装置10は、FIFOバッファ部30を含む。FIFOバッファ部30には、量子化部20によって量子化された、少なくともN(Nは2以上の整数)フレーム分の量子化データがバッファリングされる。フレーム単位で量子化部20から出力される量子化データは、FIFOバッファ部30に順次書き込まれる。そしてFIFOバッファ部30は、先入れ先出し記憶回路として機能する。
画像データ圧縮装置10は、符号化データ生成部40を含む。符号化データ生成部40は、FIFOバッファ部30から1フレーム分の量子化データを読み出し、該量子化データを符号化した符号化データを生成する。この符号化データ生成部40は、FIFOバッファ部30への書き込みと非同期で、FIFOバッファ部30から1フレーム分の量子化データを読み出す。
このように量子化部20と符号化データ生成部40との間にFIFOバッファ部30を設けることで、処理負荷の重い量子化部20の処理をハードウェアに負担させ、処理負荷の軽い符号化データ生成部40の符号化処理をソフトウェア処理で実現させると共に、両者の処理を並列に処理できるようになる。
以下では、量子化部20が例えば高速なハードウェアによって実現され、符号化データ生成部40が例えば低速なソフトウェア処理によって実現されるものとして説明するが、これに限定されるものではなく、符号化データ生成部40が、FIFOバッファ部30への書き込みと非同期でFIFOバッファ部30から量子化データを読み出す場合に本実施形態を適用することができる。従って、量子化部20が例えば高速なハードウェアによって実現され、符号化データ生成部40が例えば低速なハードウェアによって実現されてもよい。或いは量子化部20と符号化データ生成部40がソフトウェアを読み込むハードウェアによって実現され、互いに非同期で処理するようにしてもよい。
画像データ圧縮装置10は、レートコントロール部50を含む。レートコントロール部50は、符号化データ生成部40によって生成された符号化データのデータサイズを用いて、量子化部20の量子化ステップを変化させて符号化データのデータサイズを変化させる。図5より明らかなように、量子化ステップを大きくすれば、量子化されたDCT係数のゼロデータが増える。一方、量子化ステップを小さくすれば、量子化されたDCT係数のゼロデータが減る。こうしてゼロデータが増減される量子化データは、FIFOバッファ部30に書き込まれる。その結果、FIFOバッファ部30から読み出した量子化データを、符号化データ生成部40が符号化した符号化データのサイズも、量子化パラメータに応じて変更できるようになる。
上述のように非特許文献1に記載されたレートコントロール方式では、1フレーム前のエンコード結果を次のフレームのエンコードに反映させる必要がある。ところが、量子化部20の量子化と符号化データ生成部40の符号化とを、ハードウェアとソフトウェアとに分担させるようにすると、互いに非同期で処理されることになる。そのため、FIFOバッファ部30で読み出された量子化データが、量子化部20で量子化されるデータの2フレーム以上過去のフレームのデータとなってしまうことがある。このため、1フレーム前のエンコード結果を次のフレームのエンコードに反映させた非特許文献1に記載されたレートコントロール方式を実現できなくなる。
そこで本実施形態では、レートコントロール部50は、量子化部20で量子化される画像データのフレームより過去のNフレーム分の各フレームの符号化データのデータサイズを平均化して平均データサイズを求め、該平均データサイズを用いて量子化パラメータを求める。この量子化パラメータに基づいて、量子化部20の量子化ステップを変化させる。例えば、量子化部20で量子化される画像データが第L(Lは正の整数)フレーム目であるとき、レートコントロール部50は、第Lフレームより過去のNフレーム分の第(L−P)(但し、L>P、Pは正の整数)フレーム目〜第(L−P−N+1)(但し、L−P>N−1)フレーム目までの符号化データのデータサイズを平均化して求めた平均データサイズを用いて、量子化ステップを変化させる。
図9に、本実施形態におけるレートコントロールの手法の説明図を示す。但し、図8に示す画像データ圧縮装置10と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。なお図9では、FIFOバッファ部30が、7フレーム分の量子化データを記憶できるものとする。
図10に、図9に示すレートコントロール手法の動作タイミングの模式図を示す。
量子化部20は、フレーム単位で画像データを量子化する。例えば図4に示す量子化ステップ値が設定された量子化テーブル22を設ける。そして、量子化部20は、量子化テーブル22に設定された量子化ステップ値とレートコントロール部50からの量子化パラメータとに基づいて、フレーム単位で画像データを量子化する。より具体的には、量子化パラメータを量子化ステップ値の係数とし、量子化部20が、該量子化パラメータと量子化ステップ値との積を用いて量子化を行うことで、量子化ステップを変化させる。
量子化部20は、時刻t1、t2、・・・において、フレーム単位で画像データを量子化し、量子化データを第1のフレームF、第2のフレームF、・・・の順にFIFOバッファ部30に書き込む。符号化データ生成部40は、FIFOバッファ部30への量子化データの書き込みタイミングとは非同期で、FIFOバッファ部30から量子化データをフレーム単位で読み出し、符号化処理を行う。
そしてレートコントロール部50が、量子化部20で量子化される画像データのフレーム(現在のフレーム)より過去の例えば4(N=4)フレーム分の各フレームの符号化データのデータサイズを平均化して求めた平均データサイズを用いて、量子化部20の量子化ステップを変化させる。これにより、量子化部20で量子化された量子化データのサイズが変化し、この結果として符号化データ生成部40が生成する符号化データのサイズも変化する。
図10では、符号化データ生成部40がFIFOバッファ部30から第1〜第4のフレームF〜Fの量子化データを順次読み出して、各フレームの符号化データをそれぞれ生成して出力している。このとき量子化部20が第7のフレームFの画像データの量子化を行うものとする。
レートコントロール部50は、第1〜第4のフレームF〜Fの各フレームの符号化データのサイズを記憶しており、第1〜第4のフレームF〜Fにおける各フレームの符号化データのサイズの平均値を平均データサイズとして求める。そして図6及び図7で説明したように、レートコントロール部50は、この平均データサイズを用いて第7のフレームFのエンコードに使用する符号量を算出して、量子化パラメータQcを求める。この結果、量子化部20は、第7のフレームFの画像データの量子化を、第1〜第4のフレームF〜Fの符号化データのデータサイズの平均値を用いて求められた量子化パラメータQcと量子化テーブル22の量子化ステップ値との積を用いて量子化する。この量子化結果が、FIFOバッファ部30に書き込まれる。こうして、所望のレートで、符号化データを生成できるようになる。
このようなレートコントロール方式では、データサイズが急激に変化する場合にも、一定のレートを維持できるようにしなければならない。従って、Nの値が小さくなると、データサイズが例えば1フレームだけ急激に変化した場合にも追従してしまい、その分他のフレームの画質を劣化させてしまう。一方、Nの値が大きくなると、データサイズが例えば1フレームだけ急激に変化した場合に、量子化ステップがほとんど変化しなくなる。
ところで、データサイズが急激に変化する一例として、I(Intra-coded)ピクチャ(1フレーム内で符号化されるフレーム内符号化マクロブロックを有するフレーム)の画像データが入力される場合がある。この場合は、過去のフレームの画像データとの連続性がないため、急激に符号化データを生成するレートが低下することになり、レートコントロールの手法を工夫する必要が生ずる。
本実施形態では、FIFOバッファ部30から読み出された量子化データが、1フレーム内で符号化されるフレーム内符号化マクロブロックのデータのとき、レートコントロール部50は、該量子化データを符号化した符号化データのデータサイズを、平均データサイズとして求めるようにする。こうすることで、Iピクチャのように前のフレームの画像データとの連続性がない場合でも、適切に追従できるようになる。
またレートコントロール部50は、量子化部20がM(M≧N、Mは整数)フレーム分の画像データを所定の量子化ステップ(予め決められた量子化ステップ)で量子化した後に、上述の平均データサイズを求め、該平均データサイズを用いて量子化ステップを変化させるようにしてもよい。こうすることで、過去のNフレーム分の符号化データのデータサイズの平均値が正確でないような場合に、不要なレートコントロールが行われて画質を劣化させることを防止できる。
また上述のようにレートコントロールを実施したとしても、エンコード対象の画像によっては、エンコード後の圧縮データをデコードした画像にブロックノイズが目立つ場合も想定される。これは、非特許文献1に述べられているレートコントロール方式により、圧縮データの生成レートをコントロールしたとしても、該圧縮データを伸張した画像にはブロックノイズが表示されることが多く、表示品質を劣化させる場合があるからである。
図11に、量子化パラメータ、符号化データのデータサイズ及びブロックノイズの関係を模式的に示す。図11では、横軸が量子化パラメータを表わし、縦軸がデータサイズ及びブロックノイズを表わす。なお、非特許文献1に記載されるレートコントロール方式では、量子化パラメータQcの値の範囲が1〜31である。
図11に示すように、量子化パラメータの値を大きくするほど、画像データを大きく間引いてDCT係数をゼロデータにすることになり量子化データのサイズを小さくし、符号化データのサイズを小さくできる。その反面、該符号化データをデコードした画像にはブロックノイズが目立つようになる。即ち、データサイズが小さいほど、ブロックノイズが多くなる。
そこで本実施形態では、量子化パラメータQcの値が一定値より大きくならないように、量子化パラメータ上限閾値QcUpperLimitを設けている。この量子化パラメータ上限閾値QcUpperLimitの値は、レートコントロールに先立って設定される。従って、レートコントロール部50は、量子化部20で量子化される画像データのフレームより過去のNフレーム分の各フレームの符号化データのデータサイズを平均化した平均データサイズを用いて、その値が設定可能な量子化パラメータ上限閾値以下となるように量子化パラメータを求める。このように、Qc≦QcUpperLimitとすることにより、上述のようにレートコントロールを実施したとしても、エンコード後の圧縮データをデコードした画像にブロックノイズが目立つ事態を回避できるようになる。
一方、量子化パラメータの値を小さくするほど、画像データを間引く量が小さくなり、DCT係数のゼロデータが少なくなる。そのため量子化データのサイズが大きくなり、符号化データのサイズも大きくなる。その反面、該符号化データをデコードした画像にはブロックノイズが少なくなる。即ち、データサイズが大きいほど、ブロックノイズが少なくなる。例えば量子化パラメータQcの値が1のとき、デコードした画像を最高画質にできるが、1フレーム分の符号化データとして使用されるデータ量が膨大となってしまう。このとき、人間の眼では確認できないような撮像部のノイズもすべて残った状態となる。
そこで本実施形態では、量子化パラメータQcの値が一定値より小さくならないように、量子化パラメータ下限閾値QcLowerLimitを設けている。この量子化パラメータ下限閾値QcLowerLimitの値は、レートコントロールに先立って設定される。従って、レートコントロール部50は、量子化部20で量子化される画像データのフレームより過去のNフレーム分の各フレームの符号化データのデータサイズを平均化した平均データサイズを用いて、その値が設定可能な量子化パラメータ下限閾値以上となるように量子化パラメータを求める。このように、Qc≧QcLowerLimitとすることにより、上述のようにレートコントロールを実施したとしても、無駄にデータサイズを大きくすることがなくなる。
以上のように、レートコントロール部50は、平均データサイズを用いて量子化パラメータ上限閾値QcUpperLimit以上となるように又は量子化パラメータ下限閾値QcLowerLimit以上となるように量子化パラメータを求めるようにしてもよいが、これに限定されるものではない。
レートコントロール部50は、上述のように平均データサイズを用いて、量子化パラメータ上限閾値QcUpperLimit以下で、かつ量子化パラメータ下限閾値QcLowerLimit以上となるように量子化パラメータを求めるようにしてもよい。この場合、量子化パラメータQcの値を、図11に示す範囲RangeQcとすることで、データサイズの範囲RangeDataとすることができ、圧縮効率と画質との最適化を図るレートコントロールを容易に実現できる。
以下では、レートコントロール部50が、平均データサイズを用いて、量子化パラメータ上限閾値QcUpperLimit以下で、かつ量子化パラメータ下限閾値QcLowerLimit以上となるように量子化パラメータを求めるものとして説明する。
3.1 量子化パラメータQcの算出処理
次に、レートコントロール部50で行われる量子化パラメータQcの算出処理について具体的に説明する。
図12及び図13に、量子化パラメータQcの算出処理のフローの一例を示す。ここでは、図14に示す量子化パラメータQcの算出処理で用いられる変数の説明図を参照しながら、図12及び図13に示すフローを説明する。図12及び図13に示すフローが、毎フレーム行われる。
まず前フレームで使用したビット数Sを算出する(ステップS40)。ここで、変数Sに、前フレームで求められた、エンコードに使用したビット数(現フレームのエンコードに使用したビット数)Rcの値が設定される。
図15に、エンコードに使用したビット数Rcの値の算出処理のフローの一例を示す。ここでは、エンコード対象の画像データが、フレーム内符号化マクロブロックのものか否かを判別する(ステップS60)。そして、フレーム内符号化マクロブロックのものであると判別されたとき(ステップS60:Y)、過去のNフレーム分の各符号化データのデータサイズを、現フレームの符号化データのデータサイズに置き換える(ステップS61)。
そして、ステップS60で、フレーム内符号化マクロブロックのものではない、即ちフレーム間符号化マクロブロックのものであると判別されたとき(ステップS60:N)、或いはステップS61に続いて、変数Rcの値が求められる(ステップS62)。
ステップS62では、過去の第k(kは自然数)のフレームの符号化データのデータサイズをfs(k)とし、過去のNフレーム分の各符号化データのデータサイズの総和をフレーム数Nで割って、変数Rcの値を求めている。変数Rcの値が、平均データサイズである。
なお、過去のNフレーム分の各フレームは、現フレームを基準に少なくとも2フレーム以上前のフレームである。
こうして求められた変数Rcの値は、次のフレームで変数Sに設定される。
図12に戻って、説明を続ける。変数Sの値が求められると、現フレームに割り当てるビット数Tを求める(ステップS41)。ステップS41では、残りの使用可能ビット数Rrと、残りにエンコードフレーム枚数Nrとにより、1フレーム当たりの平均割り当てビット数(Rr/Nr)を求め、その値と前フレームの割り当てビット数Sとの比で、現フレームに割り当てられるビット数Tを求める。ステップS41では、例えば0.95:0.05となっている。そして、現フレームに割り当てられるビット数Tが、下限値であるRs/30の値を下回らないようにする。
次に、現在のFIFOバッファ部30の占有ビット数Bと、FIFOバッファ部30のビット数Bsとの比から、現フレームに割り当てられるビット数Tを調整する(ステップS42)。この結果、現在のFIFOバッファ部30の占有ビット数Bが、FIFOバッファ部30のビット数Bsの半分より小さい場合は、変数Tの値を大きくし、逆に大きい場合は変数Tの値を小さくする。
そして、現在のFIFOバッファ部30の占有ビット数Bと変数Tの加算値が、FIFOバッファ部30のビット数Bsの9割を超えたか否かを判別する(ステップS43)。該加算値が変数Bsの値の9割を超えたと判別されたとき(ステップS43:Y)、変数Tの値が、FIFOバッファ部30のビット数Bsの9割から変数Bの値を減算した値に設定(クリップ)される(ステップS44)。即ち、現在のFIFOバッファ部30の占有ビット数Bと変数Tの加算値が、FIFOバッファ部30のビット数Bsの9割を超えないように設定される。また、ステップS41と同様に、変数Tの値が、下限値であるRs/30の値を下回らないようにする。
一方、ステップS43において、該加算値が変数Bsの値の9割を超えていないと判別されたとき(ステップS43:N)、変数Tの値は、1フレームあたりの平均発生ビット数Rpから変数Bの値を減算し、変数Bsの値の1割を加算した値に設定される(ステップS45)。即ち、変数Bsと変数Tの加算値から1フレームあたりの平均発生ビット数Rpを減算した値が、FIFOバッファ部30のビット数Bsの1割を下回らないように設定される。
ステップS44又はステップS45に続いて、変数Tの値が、残りの使用可能ビット数Rrより大きくならないように設定する(ステップS46)。次に、フレーム間で極端に変数Tの値が変化しないように、変数Tの値を調整する(ステップS47)。
次に、量子化パラメータQcの値を求めるため、図6に示したモデル式を、変数Qcの2次方程式として解く。そのため図13に示すように、まず変数tmpの値を求める(ステップS48)。
ここで、モデルパラメータXが0のとき、或いは変数tmpの値が負の値のとき(ステップS49:Y)、1次方程式となるモデル式より量子化パラメータQcを求める(ステップS50)。ここで、変数Rは、現フレームに割り当てられるビット数Tから、前のフレームで使用したビット数のうちヘッダ等の情報以外のビット数Hpを減算した値となるため、Qc=X×Ec/(T−Hp)より求められる。また変数Ecの値は、図6に示したようにフレームの画素の絶対値平均の値である。
ステップS49において、モデルパラメータXが0ではなく、かつ変数tmpの値が0以上の値のとき(ステップS49:N)、図6に示すモデル式から導かれる2次方程式の解を、量子化パラメータQcの値とする(ステップS51)。
ステップS50又はステップS51に続いて、量子化パラメータQcの値が前フレームの量子化パラメータQpとの差が25パーセント以内に収まり、かつ量子化パラメータQcの値が1〜31の値となるように処理する(ステップS52、ステップS53、ステップS54、ステップS55)。ステップS52、ステップS54において、ceil(x)は、xの値を正の方向に切り上げて整数にすることを意味する。
本実施形態では、更にステップS55で求められた量子化パラメータQcの値の調整処理を行い(ステップS56)、一連の処理を終了する(エンド)。
図16に、量子化パラメータQcの値の調整処理のフローの一例を示す。
まずステップS55で求められた量子化パラメータQcの値が、この調整処理に先立ってその値が設定される量子化パラメータ上限閾値QcUpperLimit以上か否かを判別する(ステップS100)。
量子化パラメータQcの値が、量子化パラメータ上限閾値QcUpperLimit以上であると判別されたとき(ステップS100:Y)、量子化パラメータQcの値を量子化パラメータ上限閾値QcUpperLimitに設定する(ステップS101)。
量子化パラメータQcの値が量子化パラメータ上限閾値QcUpperLimit以上ではないと判別されたとき(ステップS100:N)、或いはステップS101に続いて、量子化パラメータQcの値が、この調整処理に先立ってその値が設定される量子化パラメータ下限閾値QcLowerLimit以下であるか否かを判別する(ステップS102)。
量子化パラメータQcの値が、量子化パラメータ下限閾値QcLowerLimit以下であると判別されたとき(ステップS102:Y)、量子化パラメータQcの値を量子化パラメータ下限閾値QcLowerLimitに設定する(ステップS103)。
量子化パラメータQcの値が量子化パラメータ下限閾値QcLowerLimit以下ではないと判別されたとき(ステップS102:N)、或いはステップS103の後では、その時点の量子化パラメータQcの値が量子化部20に供給されることになる(図16のエンド、図13のエンド)。
なお図13及び図16では、ステップS56において調整処理を行っていたが、これに限定されるものではない。例えば図13においてステップS56を設けず、ステップS53の31の値を量子化パラメータ上限閾値QcUpperLimitに置き換え、ステップS55の1の値を量子化パラメータ下限閾値QcLowerLimitに置き換えるようにしてもよい。
以上のようにして求められた量子化パラメータQcを量子化部20に供給することで、量子化部20の量子化ステップを変化させる。
即ち、例えば図17に示すように、DCT係数により表わされる画像データのDCT係数Dijを、量子化テーブルの対応する位置の量子化ステップ値Qijと量子化パラメータQcとの積で除算して、量化されたDCT係数dijを求める。その結果、量子化されたDCT係数のゼロデータを増減させることができる。
3.2 構成例
図18に、本実施形態の画像データ圧縮装置の詳細な機能ブロック図を示す。但し、図8に示す画像データ圧縮装置10と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
図18に示す画像データ圧縮装置100は、MPEG−4に準拠した動画像の画像データの圧縮処理を行う。画像データ圧縮装置100は、ハードウェア処理部110と、ソフトウェア処理部150とを含む。
ハードウェア処理部110は、動画像の画像データをハードウェアにより処理する。このハードウェア処理部110は、量子化部20と、FIFOバッファ部30とを含む。ハードウェア処理部110は、ソフトウェアを使用せず、ASICや専用回路等のハードウェアにより実現される。
ソフトウェア処理部150は、FIFOバッファ部30から読み出された量子化データをソフトウェアにより符号化処理して符号化データを生成する。このソフトウェア処理部150は、符号化データ生成部40と、レートコントロール部50とを含む。ソフトウェア処理部150は、ソフトウェア(ファームウェア)によりその機能が実現される処理部であり、ソフトウェア(ファームウェア)を読み込んだCPU等(ハードウェア)によりその機能が実現される。
より具体的にはハードウェア処理部110は、離散コサイン変換(DCT)部112、動き検出部114、逆量子化部116、逆DCT部118、動き補償部120を含む。DCT部112は、図1(A)に示すステップS2の処理を行う。動き検出部114は、図1(A)に示すステップS1の処理を行う。逆量子化部116は、図1(A)に示すステップS4の処理を行う。逆DCT部118は、図1(A)に示すステップS5の処理を行う。動き補償部120は、図1(A)に示すステップS6の処理を行う。
即ち、ハードウェア処理部110は、現在のフレームの入力画像データと現在のフレームの1フレーム前の過去画像データとの差分を動きベクトル情報として出力し、該動きベクトル情報に対して離散コサイン変換を行って画像データとして量子化部に出力する。更に、この量子化データに対して、上述の量子化ステップで逆量子化して求められる逆量子化データに基づいて、上記の過去画像データを生成する。
なおハードウェア処理部110は、これら各部をすべて含んで構成される必要はなく、上記各部のうち少なくとも1つが省略される構成でもよい。
またソフトウェア処理部150の符号化データ生成部40は、DC/AC予測部152、スキャン部154、VLC符号化部156を含む。DC/AC予測部152は、図1(A)に示すステップS7の処理を行う。スキャン部154は、図1(A)に示すステップS8の処理を行う。VLC符号化部156は、図1(A)に示すステップS9の処理を行う。
なおソフトウェア処理部150は、これら各部をすべて含んで構成される必要はなく、上記各部のうち少なくとも1つが省略される構成でもよい。例えば、ソフトウェア処理部150は、FIFOバッファ部30から読み出された量子化データを可変長符号に符号化するようにしてもよい。また、ソフトウェア処理部150は、FIFOバッファ部30から読み出された量子化データを並び換えるスキャン処理を行い、該スキャン処理の結果を可変長符号に符号化するようにしてもよい。更にまた、ソフトウェア処理部150は、FIFOバッファ部30から読み出された量子化データからDC成分及びAC成分とを求め、このDC成分及びAC成分を並び換えるスキャン処理を行い、該スキャン処理の結果を可変長符号に符号化するようにしてもよい。
ここで、本実施形態において、図1(A)のステップS1〜S6をハードウェア処理し、ステップS7〜S10をソフトウェア処理する理由は下記の通りである。まず、図1(A)のステップS3の量子化後であれば、図5に示すように各ブロック内にはゼロデータが圧倒的に多く、量子化前のデータ(図3)と比較すればデータの情報量の種類が圧倒的に少ない。しかも、ステップS7〜S10の演算自体の負荷も少ないので、図1(A)のステップS7〜S10をソフトウェアで処理しても、その処理の負荷は小さくなる。逆に、図1(A)のステップS3の量子化、ステップS2のDCT、及びステップS5の逆DCTなどは、情報量が多い上に演算も複雑で、ソフトウェアで処理するには負荷が大きい。これらの量子化、DCT、逆DCT、動き補償などは、負荷が重い処理ではあるが規格が決まっているため変更の必要性は乏しく、また、図1(A)のステップS1〜S6には繰り返し処理が多いため、ハードウェアでの処理に適している。また、上述した通りハードウェア処理部110にて処理された量子化後のデータ量が少ないので、ハードウェア処理部110からソフトウェア処理部150に伝送されるデータ量が少なく、データ転送制御の負担を軽くできる。
図19に、画像データ圧縮装置100のハードウェア構成例を示す。ここでは、図18に示すハードウェア処理部110が集積化され、エンコードIC(集積回路)(広義にはエンコーダ)200として半導体装置に実装される。また図18に示すソフトウェア処理部150の機能は、ホスト210により実現される。なお図19において、図18に示すハードウェア処理部110と同一部分には同一符号を付し、説明を適宜省略する。
ホスト210は、CPU212とメモリ214とを含む。メモリ214には、符号化データ生成部40及びレートコントロール部50の機能を実現するためのプログラムが格納される。CPU212は、メモリ214に格納されたプログラムを読み出して、該プログラムに基づいて処理することで、符号化データ生成部40及びレートコントロール部50の機能を実現する。
ここでエンコードIC200は、図示しないカメラモジュール(広義には撮像部)において撮像により得られた動画像の画像データを、MPEG−4の規格に準拠してエンコードを行い、一定のレートで符号化データを生成する。このためエンコードIC200は、図18に示すハードウェア処理部110の各部の機能を実現する回路の他に、ホストインタフェース(InterFace:I/F)202、カメラI/F(広義には画像入力インタフェース)204、量子化パラメータ設定レジスタ206を含む。
エンコードIC200とホスト210は、割り込み信号とデータをやり取りすることで、図8や図18に示す画像データ圧縮装置の機能を実現する。
ホストI/F202は、ホスト210とのインタフェース処理を行う。より具体的には、ホストI/F202は、エンコードIC200からホスト210に対する割り込み信号の生成や、ホスト210とエンコードIC200との間のデータの送受信の制御を行う。ホストI/F202は、FIFOバッファ部30に接続される。
カメラI/F204は、図示しないカメラモジュールからの動画像の入力画像データを入力するためのインタフェース処理を行う。カメラI/F204は、動き検出部114に接続される。
図示しないカメラモジュールは、撮像により得られた動画像の画像データを、入力画像データとしてエンコードIC200に供給する。このときカメラモジュールは、入力画像データのフレームの区切りを指定するVSYNC信号(垂直同期信号)もエンコードIC200に供給する。エンコードIC200では、カメラI/F204が、カメラモジュールからのVSYNC信号をVSYNC割り込みとして受け付ける。これによりエンコードIC200は、エンコードを開始する。
動き検出部114は、エンコード開始後、最初に取り込まれる入力画像データについては動き検出を行わず、次のフレームの入力画像データが取り込まれてから動き検出を行う。ここで、動き検出の詳細については上述の通りであるため、逆量子化部116等の動作についての説明は省略する。このように、動き検出が行われる段階では、少なくとも1フレーム分の量子化データがFIFOバッファ部30に書き込まれる。動き検出部114の動き検出が完了すると、動き検出部114は、動き検出完了割り込み(ME割り込み)を、ホストI/F202を介してホスト210に通知する。
図20に、ホスト210で行われる割り込み受け付け処理のフローの一例を示す。メモリ214には、図20に示す処理を実現するプログラムが格納される。CPU212は、このプログラムを読み込んで、図20に示す処理を実現する。
まず、CPU212は、割り込み入力を監視している(ステップS70:N)。そして、CPU212が、割り込みを検出したとき(ステップS70:Y)、その割り込みがME割り込みであるか否かを判別する(ステップS71)。
CPU212が、ME割り込みであると判別したとき(ステップS71:Y)、後述するME割り込み処理を実行する(ステップS72)。
CPU212が、ME割り込みではないと判別したとき(ステップS71:N)、後述するエンコード完了割り込みであるか否かを判別する(ステップS73)。更にCPU212が、エンコード完了割り込みであると判別したとき(ステップS73:Y)、後述するエンコード完了割り込み処理を実行する(ステップS74)。
ステップS73において、CPU212が、エンコード完了割り込みではないと判別したとき(ステップS73:N)、所定の割り込み処理を実行する(ステップS75)。
ステップS72、ステップS74又はステップS75に続いて、終了ではないとき(ステップS76:N)、ステップS70に戻り、終了のとき(ステップS76:Y)、一連の処理を終了する(エンド)。
図21に、ME割り込み処理のフローの一例を示す。メモリ214には、図21に示す処理を実現するプログラムが格納される。CPU212は、このプログラムを読み込んで、図21に示す処理を実現する。
このME割り込み処理は、図20のステップS72で行われる。
ME割り込みが検出されると、CPU212は、ホストI/F202を介して、動き検出部114で生成される複雑度Ecを読み出す(ステップS80)。この複雑度Ecは、図6に示す式に従って動き検出部114で生成される。
続いてCPU212は、量子化パラメータQcを求める(ステップS81)。より具体的には、CPU212は、図12〜図16で説明したように量子化パラメータQcの値を求める。
次にCPU212は、ステップS81で求めた量子化パラメータQcの値を、ホストI/F202を介して、量子化パラメータ設定レジスタ206に設定し(ステップS82)、一連の処理を終了する。
図19に戻って、説明を続ける。エンコードIC200は、量子化パラメータ設定レジスタ206に量子化パラメータQcの値が設定されたことにより、DCT部112の処理を開始する。そして上述のように量子化部20では、量子化パラメータ設定レジスタ206に設定された量子化パラメータと、図示しない量子化テーブルの量子化ステップ値とを用いて、DCT部112によって生成されたDCT係数(広義には画像データ)を量子化する。その結果である量子化データは、FIFOバッファ部30に書き込まれる。
FIFOバッファ部30に量子化データを書き込むと、FIFOバッファ部30は、1フレームのエンコード処理が終了したことを示すエンコード完了割り込みを、ホストI/F202を介してホスト210に通知する。
図22に、エンコード完了割り込み処理のフローの一例を示す。メモリ214には、図22に示す処理を実現するプログラムが格納される。CPU212は、このプログラムを読み込んで、図22に示す処理を実現する。
エンコード完了割り込み処理は、図20に示すステップS74で行われる。
CPU212がエンコード完了割り込みを検出すると、FIFOバッファ部30から1フレーム単位で量子化データを読み出す(ステップS90)。
そしてCPU212は、マクロブロック単位で、DC/AC予測処理(ステップS91)、スキャン処理(ステップS92)及び可変長符号化処理(ステップS93)を行って符号化データを生成する。
次にCPU212は、ステップS93で生成した符号化データにマクロブロックヘッダを付加する。このようにして得られた符号化データを1VOP(Video Object Plane)分行って、既に求められた量子化パラメータを基にGOVヘッダやVOPヘッダを生成し、所定のフレーム数分のエンコードが終了したらMPEG−4ファイルとして出力する(ステップS95)。
以上のようにして、ハードウェア処理部110とソフトウェア処理部150とに分担して、画像データの圧縮処理を行う。
4. 表示コントローラ
上述したエンコードICの機能は、表示コントローラに適用できる。
図23に、本実施形態における表示コントローラの構成例のブロック図を示す。
表示コントローラ300は、カメラI/F310と、エンコード処理部320と、メモリ330と、ドライバI/F340と、制御部350と、ホストI/F360とを含む。
カメラI/F310は、図示しないカメラモジュールに接続される。このカメラモジュールは、撮像により得られた動画像の入力画像データをYUVフォーマットで出力すると共に、1フレームの区切りを指定する同期信号(例えばVSYNC信号)を出力する。カメラI/F310は、カメラモジュールで生成された動画像の入力画像データを受信するためのインタフェース処理を行う。
エンコード処理部320は、図19のエンコードIC200のうちホストI/F202及びカメラI/F204の機能を省略したものである。即ち、エンコード処理部320は、図19に示す量子化部20、FIFOバッファ部30、DCT部112、動き検出部114、逆量子化部116、逆DCT部118、動き補償部120、量子化パラメータ設定レジスタ206の各部の機能を有する。
メモリ330は、エンコード処理部320の出力である符号化データを記憶する。またメモリ330は、表示パネルに表示するための画像データを記憶しており、ドライバI/F340は、メモリ330から所定の周期で画像データを読み出し、該画像データを、表示パネルを駆動する表示ドライバに対して供給する。ドライバI/F340は、表示ドライバに対して画像データを送信するためのインタフェース処理を行う。
制御部350は、カメラI/F310、エンコード処理部320、メモリ330及びドライバI/F340の制御を司る。制御部350は、例えばホストI/F360を介して図示しないホストからの指示に従って、カメラモジュールからの入力画像データの受信処理、該入力画像のエンコード処理、符号化データのメモリ330への書き込み処理、メモリ330からの表示用の画像データの読み出し処理、表示ドライバへの該画像データの送信処理を行う。
図24に、図23に示す表示コントローラが適用される電子機器の構成例のブロック図を示す。ここでは、電子機器として、携帯電話機の構成例のブロック図を示す。但し、図23と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
携帯電話機400は、カメラモジュール410を含む。カメラモジュール410は、CCD(Charge-Coupled device)カメラを含み、CCDカメラで撮像した画像のデータを、YUVフォーマットで表示コントローラ300に供給する。
携帯電話機400は、表示パネル420を含む。表示パネル420として、液晶表示パネルを採用できる。この場合、表示パネル420は、表示ドライバ430によって駆動される。表示パネル420は、複数の走査線、複数のデータ線、複数の画素を含む。表示ドライバ430は、複数の走査線の1又は複数本単位で走査線を選択する走査ドライバの機能を有すると共に、画像データに対応した電圧を複数のデータ線に供給するデータドライバの機能を有する。
表示コントローラ300は、表示ドライバ430に接続され、表示ドライバ430に対して画像データを供給する。
ホスト440は、表示コントローラ300に接続される。ホスト440は、表示コントローラ300を制御する。またホスト440は、アンテナ460を介して受信された画像データを、変復調部450で復調した後、表示コントローラ300に対して供給できる。表示コントローラ300は、この画像データに基づき、表示ドライバ430により表示パネル420に表示させる。
またホスト440は、図19に示すホスト210の機能を有する。ホスト440は、カメラモジュール410で生成された画像データをエンコード処理部320でエンコードして変復調部450で変調した後、アンテナ460を介して他の通信装置への送信を指示できる。このとき、表示コントローラ300は、カメラモジュール410で生成された画像データをエンコードし、エンコードして得られた符号化データをホスト440に出力できる。
ホスト440は、操作入力部470からの操作情報に基づいて画像データの送受信処理、エンコード処理、カメラモジュール410の撮像、表示パネルの表示処理を行う。
なお、図24では、表示パネル420として液晶表示パネルを例に説明したが、これに限定されるものではない。表示パネル420は、エレクトロクミネッセンス、プラズマディスプレイ装置であってもよく、これらを駆動する表示ドライバに画像データを供給する表示コントローラに適用できる。
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
また、本発明のうち従属請求項に係る発明においては、従属先の請求項の構成要件の一部を省略する構成とすることもできる。また、本発明の1の独立請求項に係る発明の要部を、他の独立請求項に従属させることもできる。
図1(A)、(B)はMPEG−4のエンコード処理とデコード処理の説明図。 マクロブロックの説明図。 DCT係数の一例の説明図。 量子化テーブルの一例の説明図。 量子化されたDCT係数の一例の説明図。 レートコントロール方式で用いられるモデル式の説明図。 図6に示すモデル式を用いたレートコントロールの処理の一例のフロー図。 本実施形態の画像データ圧縮装置の構成の概要のブロック図。 本実施形態におけるレートコントロールの手法の説明図。 図9に示すレートコントロール手法の動作タイミングの模式図。 量子化パラメータ、符号化データのデータサイズ及びブロックノイズの関係の模式図。 量子化パラメータの算出処理の一例の前半のフロー図。 量子化パラメータの算出処理の一例の後半のフロー図。 量子化パラメータの算出処理で用いられる変数の説明図。 エンコードに使用したビット数の値の算出処理の一例のフロー図。 量子化パラメータの調整処理の一例のフロー図。 本実施形態の量子化処理の説明図。 本実施形態の画像データ圧縮装置の詳細な機能ブロック図。 図18の画像データ圧縮装置のハードウェア構成例を示す図。 ホストで行われる割り込み受け付け処理の一例のフロー図。 ME割り込み処理の一例のフロー図。 エンコード完了割り込み処理の一例のフロー図。 本実施形態における表示コントローラの構成例のブロック図。 図23の表示コントローラが適用される電子機器の構成例のブロック図。
符号の説明
10、100 画像データ圧縮装置、 20 量子化部、 30 FIFOバッファ部、
40 符号化データ生成部、 50 レートコントロール部、
110 ハードウェア処理部、 112 離散コサイン変換(DCT)部、
114 動き検出部、 116 逆量子化部、
118 逆離散コサイン変換(iDCT)部、 120 動き補償部、
150 ソフトウェア処理部、 152 DC/AC予測部、 154 スキャン部、
156 VLC符号化部

Claims (8)

  1. 画像データを圧縮するための画像データ圧縮装置であって、
    フレーム単位で画像データを量子化する量子化部と、
    前記量子化部によって量子化された、少なくともN(Nは2以上の整数)フレーム分の量子化データがバッファリングされるFIFOバッファ部と、
    前記FIFOバッファ部への書き込みと非同期で前記FIFOバッファ部から量子化データを読み出し、該量子化データを符号化した符号化データを生成する符号化データ生成部と、
    前記符号化データのデータサイズを用いて前記量子化部の量子化ステップを変化させて、符号化データのデータサイズを変化させるレートコントロール部とを含み、
    前記レートコントロール部が、
    前記量子化部で量子化される画像データのフレームより過去のNフレーム分の各フレームの符号化データのデータサイズを平均化した平均データサイズを用いて、その値が設定可能な量子化パラメータ上限閾値以下で、かつその値が設定可能な量子化パラメータ下限閾値以上となるように量子化パラメータを求め、
    該量子化パラメータに基づいて前記量子化ステップを変化させることを特徴とする画像データ圧縮装置。
  2. 画像データを圧縮するための画像データ圧縮装置であって、
    フレーム単位で画像データを量子化する量子化部と、
    量子化ステップ値を記憶する量子化テーブルと、
    前記量子化部によって量子化された、少なくともN(Nは2以上の整数)フレーム分の量子化データがバッファリングされるFIFOバッファ部と、
    前記FIFOバッファ部への書き込みと非同期で前記FIFOバッファ部から量子化データを読み出し、該量子化データを符号化した符号化データを生成する符号化データ生成部と、
    前記符号化データのデータサイズを用いて前記量子化部の量子化ステップを変化させて、符号化データのデータサイズを変化させるレートコントロール部とを含み、
    前記レートコントロール部が、
    前記量子化部で量子化される画像データのフレームより過去のNフレーム分の各フレームの符号化データのデータサイズを平均化した平均データサイズを用いて、その値が設定可能な量子化パラメータ上限閾値以下となるように又はその値が設定可能な量子化パラメータ下限閾値以上となるように量子化パラメータを求め、
    該量子化パラメータと前記量子化ステップ値との積を用いて量子化を行うことで、前記量子化ステップを変化させることを特徴とする画像データ圧縮装置。
  3. 画像データを圧縮するための画像データ圧縮装置であって、
    前記画像データを離散コサイン変換する離散コサイン変換部と、
    フレーム単位で、前記離散コサイン変換された画像データを量子化する量子化部と
    前記量子化部によって量子化された、少なくともN(Nは2以上の整数)フレーム分の量子化データがバッファリングされるFIFOバッファ部と、
    前記FIFOバッファ部への書き込みと非同期で前記FIFOバッファ部から量子化データを読み出し、該量子化データを符号化した符号化データを生成する符号化データ生成部と、
    前記符号化データのデータサイズを用いて前記量子化部の量子化ステップを変化させて、符号化データのデータサイズを変化させるレートコントロール部とを含み、
    前記レートコントロール部が、
    前記量子化部で量子化される画像データのフレームより過去のNフレーム分の各フレームの符号化データのデータサイズを平均化した平均データサイズを用いて、その値が設定可能な量子化パラメータ上限閾値以下となるように又はその値が設定可能な量子化パラメータ下限閾値以上となるように量子化パラメータを求め、
    該量子化パラメータに基づいて前記量子化ステップを変化させることを特徴とする画像データ圧縮装置。
  4. 画像データを圧縮するための画像データ圧縮装置であって、
    画像データをハードウェアにより処理するハードウェア処理部と、
    量子化データをソフトウェアにより符号化処理して符号化データを生成するソフトウェア処理部とを含み、
    前記ハードウェア処理部が、
    フレーム単位で画像データを量子化する量子化部と、
    前記量子化部によって量子化された、少なくともN(Nは2以上の整数)フレーム分の量子化データがバッファリングされるFIFOバッファ部とを含み、
    前記ソフトウェア処理部が、
    前記FIFOバッファ部への書き込みと非同期で前記FIFOバッファ部から量子化データを読み出し、該量子化データを符号化した符号化データを生成する符号化データ生成部と、
    前記符号化データのデータサイズを用いて前記量子化部の量子化ステップを変化させて、符号化データのデータサイズを変化させるレートコントロール部とを含み、
    前記レートコントロール部が、
    前記量子化部で量子化される画像データのフレームより過去のNフレーム分の各フレームの符号化データのデータサイズを平均化した平均データサイズを用いて、その値が設定可能な量子化パラメータ上限閾値以下となるように又はその値が設定可能な量子化パラメータ下限閾値以上となるように量子化パラメータを求め、
    該量子化パラメータに基づいて前記量子化ステップを変化させることを特徴とする画像データ圧縮装置。
  5. 請求項4において、
    前記ソフトウェア処理部が、
    前記FIFOバッファ部から読み出された量子化データを可変長符号に符号化することを特徴とする画像データ圧縮装置。
  6. 請求項5において、
    前記ソフトウェア処理部が、
    前記FIFOバッファ部から読み出された量子化データを並び換えるスキャン処理を行い、該スキャン処理の結果を可変長符号に符号化することを特徴とする画像データ圧縮装置。
  7. 請求項6において、
    前記ハードウェア処理部が、
    画像データを離散コサイン変換して、DC成分及びAC成分を含むDCT係数を求め、前記DCT係数を画像データとして前記量子化部に供給する離散コサイン変換部を
    含み、
    前記量子化部は、前記DCT係数のDC成分及びAC成分を量子化し、量子化されたDCT係数を量子化データとして前記FIFOバッファ部に供給し、
    前記ソフトウェア処理部が、
    前記FIFOバッファ部から読み出された量子化データからDC成分及びAC成分求め、前記DC成分及びAC成分を並び換えるスキャン処理を行い、該スキャン処理の結果を可変長符号に符号化することを特徴とする画像データ圧縮装置。
  8. 画像データに対して圧縮処理を行うエンコーダであって、
    画像データを入力するためのインタフェース処理を行う画像入力インタフェースと、
    フレーム単位で前記画像データを量子化する量子化部と、
    前記量子化部によって量子化された、少なくともN(Nは2以上の整数)フレーム分の量子化データがバッファリングされるFIFOバッファ部と、
    前記FIFOバッファ部への書き込みと非同期で、前記FIFOバッファ部に記憶された量子化データを読み出すホストとのインタフェース処理を行うホストインタフェースとを含み、
    前記ホストが、
    前記量子化部が量子化する画像データのフレームより過去のNフレーム分の各フレームの符号化データのデータサイズを平均化した平均データサイズを用いて、その値が設定可能な量子化パラメータ上限閾値以下で、かつその値が設定可能な量子化パラメータ下限閾値以上となるように量子化パラメータを求め、
    前記量子化部が、
    前記量子化パラメータに基づく量子化ステップにより、量子化することを特徴とするエンコーダ。
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