JP4063053B2 - 2層積層膜およびこれを用いたパターン形成方法 - Google Patents

2層積層膜およびこれを用いたパターン形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、精密微細加工する際にフォトリソグラフィー技術を用いるいわゆるフォトファブリケーションに関する。より詳しくは、本発明は、2層レジスト膜を用いたリフトオフ法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
レジストを加工物表面に塗布し、フォトリソグラフィー技術によりレジスト膜をパターニングしたのち、蒸着および/またはスパッタにより、有機物または無機物を堆積させ、レジスト膜上に堆積した有機薄膜または無機薄膜を、このレジスト膜ごと剥離することで、レジスト開口部に所望の有機薄膜パターンまたは無機薄膜パターンを得る方法を一般にリフトオフ法と呼ぶ。
【0003】
このリフトオフ法においては、レジストパターンの形状は非常に重要となる。たとえば、レジストパターンの形状が図2(c)に示すようなポジ型レジストに多くみられる順テーパー形状である場合には、レジストの剥離後に得られる薄膜パターンは、図2(d)のようなエッジの部分にバリを有するものになってしまう。
【0004】
具体的には、たとえば、MR磁気ヘッドのスライダー加工においては、ABS(Air Bearing Surface)面に、パッドの保護膜であるDLC(Diamond Like Carbon)膜を形成する際にリフトオフ法が用いられている。しかしながら、前述したように、DLC膜のエッジ部分にバリが生じる場合がある。この際に生じたDLC膜のバリは、HDD(Hard Disk Drive)の磁気記録ディスクに傷をつけたり、異物となったりして、HDDの故障の原因となるという問題があった。
【0005】
このようなバリの形成を防ぐため、図3(c)に示すように、開口底部が開口上部と比較して大きな、いわゆる逆テーパー形状のレジストパターンを形成しうるネガ型レジストやイメージリバーサルレジスト等を使用することが考えられる。
しかしながら、これらの方法では一般にレジストパターンの形状制御が困難である上、形成したレジストパターンを光学顕微鏡で確認することが困難であり、さらには硬化型であるためレジストの剥離が困難であるなどの問題があった。
【0006】
また、基板となる加工物表面は、一般に複数の加工工程を経ているため、レジストの塗布膜厚に対して大きな凹凸を有している場合が多く、均一な膜厚のレジスト膜を形成することが難しいという問題があった。
たとえば、先に述べたMR磁気ヘッドのABS面の加工においては、row barと呼ばれる短冊状に切り出した多数の加工片を、そのABS面を上にして、冶具に貼り付けた状態で加工しているが、このrow bar間には隙間が空いているため、液状のレジストを直接塗布することができず、ドライフィルム等のフィルム状レジストが一般に用いられている。
【0007】
また、加工物の生産性向上の点からは、加工工程の流れを妨げず、一連の工程の一部として、加工物表面に容易にパターン形成できる技術が望まれていた。
本発明者らは、このような状況に鑑みて鋭意研究した結果、特定のポジ型感放射線性樹脂組成物1を用いて形成したレジスト膜[I]と、特定のポジ型感放射線性樹脂組成物2を用いて形成したレジスト膜[II]とからなる2層積層膜を用いたパターン形成方法により、アンダーカット形状のレジストパターンを、1回の露光および現像で得ることができ、これによって、バリのない製膜層を容易に形成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
【発明の目的】
本発明は、基板表面にバリのない製膜層を容易に形成することができるレジスト膜およびこれを用いたパターン形成方法を提供することを目的としている。
【0009】
【発明の概要】
本発明に係る2層積層膜は、(A)水酸基および/またはカルボキシル基を有するラジカル重合体、(B)キノンジアジド基含有化合物および(C)溶剤を含有するポジ型感放射線性樹脂組成物1から形成されたレジスト膜[I]と、
(D)フェノール性水酸基を有する重合体、(E)キノンジアジド基含有化合物および(F)溶剤を含有するポジ型感放射線性樹脂組成物2から形成されたレジスト膜[II]とからなることを特徴としている。
【0010】
また、本発明に係るパターン形成方法は、(A)水酸基および/またはカルボキシル基を有するラジカル重合体、(B)キノンジアジド基含有化合物および(C)溶剤を含有するポジ型感放射線性樹脂組成物1から形成されたレジスト膜[I]と、
(D)フェノール性水酸基を有する重合体、(E)キノンジアジド基含有化合物および(F)溶剤を含有するポジ型感放射線性樹脂組成物2から形成されたレジスト膜[II]とからなる2層積層膜を形成する工程を含むことを特徴としている。
【0011】
本発明に係るパターン形成方法は、
(a)基板表面に、前記ポジ型感放射性樹脂組成物1からレジスト膜[I]を形成した後、前記レジスト膜[I]上に、前記ポジ型感放射性樹脂組成物2からレジスト膜[II]を形成して、2層積層膜を形成する工程と、
(b)前記積層膜を、UV光での露光および/または電子線での描画によってパターン露光する工程と、
(c)前記積層膜を現像することによって、底部が開口部と比較して大きなアンダーカット形状のレジストパターンを形成する工程と、
(d)前記レジストパターンを形成している積層膜を有する基板上に有機薄膜または無機薄膜を蒸着および/またはスパッタする工程と、
(e)前記積層膜上に堆積した蒸着膜および/またはスパッタ膜を前記積層膜ごと剥離する工程とを備えることが好ましい。
【0012】
前記ポジ型感放射線性樹脂組成物1において、ラジカル重合体(A)は、水に不溶であり、アルカリ水溶液に可溶であり、さらに、前記溶剤(F)に不溶または難溶であることが好ましい。
前記ポジ型感放射線性樹脂組成物2において、溶剤(F)は2−ヘプタノンであることが好ましい。
【0013】
前記レジスト膜[I]の膜厚は、0.1μm〜3μmの範囲にあり、前記レジスト膜[II]の膜厚は、1μm〜20μmの範囲にあることが好ましい。
本発明では、前記工程(a)において、基板は、磁気ヘッドスライダのABS(Air Bearing Surface)面であり、前記工程(d)において、有機薄膜は、DLC(Diamond Like Carbon)膜であることが好ましい。
【0014】
【発明の具体的説明】
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明に係る2層積層膜は、(A)水酸基および/またはカルボキシル基を有するラジカル重合体、(B)キノンジアジド基含有化合物および(C)溶剤を含有するポジ型感放射線性樹脂組成物1から形成されたレジスト膜[I]と、
(D)フェノール性水酸基を有する重合体、(E)キノンジアジド基含有化合物および(F)溶剤を含有するポジ型感放射線性樹脂組成物2から形成されたレジスト膜[II]とからなることを特徴としている。
【0015】
まず、本発明に用いられるポジ型感放射線性樹脂組成物1および2について、具体的に説明する。
<下層用ポジ型感放射線性樹脂組成物1(組成物1)>
本発明に用いるポジ型感放射線性樹脂組成物1(以下、単に組成物1ともいう。)は、(A)水酸基および/またはカルボキシル基を有するラジカル重合体、(B)キノンジアジド基含有化合物、および(C)溶剤からなり、必要に応じて、(G)その他の成分を含有する組成物であることが望ましい。
((A)水酸基および/またはカルボキシル基を有するラジカル重合体)
本発明に用いられる水酸基および/またはカルボキシル基を有するラジカル重合体(以下、「重合体(A)という。」)は、水酸基を有するラジカル重合性化合物(モノマーI)および/またはカルボキシル基を有するラジカル重合性化合物(モノマーII)、その他のラジカル重合性化合物(モノマーIII)の炭素−炭素二重結合が開裂して得られる繰り返し単位から構成される。
【0016】
(モノマーI)
水酸基を有するラジカル重合性化合物(モノマーI)は、アルコール性水酸基を有するモノマーと、フェノール性水酸基を有するモノマーとの二つに大別される。
アルコール性水酸基を有するモノマーとしては、具体的には、たとえば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のヒドロキシアルキルエステル類;ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類で重合後加水分解することにより、アルコール性水酸基を生じるものなどが挙げられる。これらの化合物は、単独で、または2種以上組み合わせて使用できる。これらの中では、ヒドロキシアルキルエステル類が好ましく、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート等がより好ましい。
【0017】
フェノール性水酸基を有するモノマーとしては、具体的には、たとえば、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン、α−メチル−p−ヒドロキシスチレン、α−メチル−m−ヒドロキシスチレン、α−メチル−o−ヒドロキシスチレン、4−イソプロペニルフェノール、2−アリルフェノール、4−アリルフェノール、2−アリル−6−メチルフェノール、2−アリル−6−メトキシフェノール、4−アリル−2−メトキシフェノール、4−アリル−2,6−ジメトキシフェノール、4−アリルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられる。これらの化合物は、単独で、または2種以上組み合わせて使用できる。これらの中では、p−ヒドロキシスチレン、4−イソプロペニルフェノールが好ましい。
【0018】
(モノマーII)
カルボキシル基を有するラジカル重合性化合物(モノマーII)としては、具体的には、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、およびクロトン酸などのモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸などのジカルボン酸;2−マレイノロイルオキシエチルメタクリレート、2−サクシノロイルオキシエチルメタクリレート、2−ヘキサヒドロフタロイルエチルメタアクリレートなどのカルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸誘導体などが挙げられる。
【0019】
これらの化合物は、単独で、または2種以上組み合わせて使用できる。これらの中では、アクリル酸、メタクリル酸、2−ヘキサヒドロフタロイルエチルメタアクリレートが好ましい。
(モノマーIII)
他のラジカル重合性化合物(モノマーIII)は、主として重合体の機械的特性を適度にコントロールする、すなわち、重合体のガラス転移温度をコントロールする目的で使用する。ここで、「他の」とは、前出のラジカル重合性化合物(モノマーIおよびモノマーII)以外のラジカル重合性化合物を意味する。
【0020】
前記モノマーIIIとしては、具体的には、たとえば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、(メタ)アクリル酸アリールエステル類、ジカルボン酸ジエステル類、芳香族ビニル類、共役ジオレフィン類、ニトリル基含有重合性化合物、塩素含有重合性化合物、アミド結合含有重合性化合物、脂肪酸ビニル類などが挙げられる。より具体的には、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アリールエステル;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチルなどのジカルボン酸ジエステル;
スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メトキシスチレンなどの芳香族ビニル類;
1,3−ブタジエン、イソプレン、1,4−ジメチルブタジエンなどの共役ジオレフィン類;
アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル基含有重合性化合物;
塩化ビニル、塩化ビニリデンなどの塩素含有重合性化合物;
アクリルアミド、メタクリルアミドなどのアミド結合含有重合性化合物;
酢酸ビニルなどの脂肪酸ビニル類を用いることができる。
【0021】
これらの化合物は単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中では、アクリル酸アルキルエステル、特にn−ブチルアクリレートなどを好ましい化合物として挙げることができる。
このように本発明に用いられる重合体(A)は、前記モノマーIおよび/またはモノマーIIと、モノマーIIIとをラジカル重合することによって得られる共重合体であるが、より具体的には、前記モノマーIとモノマーIIとモノマーIIIとをラジカル重合することによって得られる共重合体であることが好ましい。
【0022】
前記重合体(A)における前記各モノマーI、モノマーII、モノマーIIIから誘導される構成単位含有量(以下、それぞれモノマーI、II、III単位含有量という)は、前記重合体(A)が、前記モノマーIとモノマーIIとモノマーIIIとをラジカル重合することによって得られる共重合体である場合には、
モノマーI単位含有量が、好ましくは19〜90重量%、より好ましくは、40〜80重量%であり、
モノマーII単位含有量が、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは2〜20重量%であり、
モノマーIII単位含有量が、好ましくは9〜80重量%、より好ましくは18〜50重量%であることが望ましい。
【0023】
また、前記重合体(A)が、前記モノマーIまたはモノマーIIと、モノマーIIIとをラジカル重合することによって得られる共重合体である場合には、
モノマーIまたはモノマーII単位含有量が、好ましくは10〜90重量%、より好ましくは20〜60重量%であり、
モノマーIII単位含有量が、好ましくは10〜90重量%、より好ましくは40〜80重量%であることが望ましい。
【0024】
重合体(A)を合成する際に用いられる重合溶媒としては、たとえばメタノール、エタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテル類;エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテートなどの多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジアセトンアルコールなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類が挙げられる。これらのうち、環状エーテル類、多価アルコールのアルキルエーテル類、多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類、ケトン類、エステル類などが好ましく挙げられる。
【0025】
また、ラジカル重合における重合触媒としては、通常のラジカル重合開始剤が使用でき、たとえば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物;ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1′−ビス−(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンなどの有機過酸化物および過酸化水素などを挙げることができる。なお、過酸化物をラジカル重合開始剤に使用する場合には、還元剤を組み合わせてレドックス型の開始剤としても良い。
【0026】
また、前記重合体(A)の分子量は、得られる感放射線性樹脂組成物1を用いて形成するレジスト膜[I]における現像性、密着性などの観点から、重量平均分子量(本明細書における重量平均分子量は、すべてGPC法によるポリスチレン換算値である。)が2000〜100000であることが好ましく、5000〜50000の範囲にあることがより好ましい。重量平均分子量が2000未満であると、現像時間が短すぎ、一方、100000を超えると現像時間が長すぎ、解像性が著しく低下することがある。
【0027】
また、重合体(A)は、現像性および望ましいアンダーカット構造のレジストパターンを形成する点から水に不溶であり、アルカリ水溶液に可溶であることが好ましい。さらに、レジスト膜[I]上に、レジスト膜[II]を積層する際に、これらの混合層の発生を防止する点から、後述する溶剤(F)に不溶または難溶であることが好ましい。
【0028】
ここで、水に不溶とは、重合体(A)が水に対して実質的に溶解しないことを意味するが、具体的には25℃の水100gに対して、0.1g以下の量で溶解してもよい。
また、アルカリ水溶液に可溶であるとは、好適にアルカリ現像可能であることを意味するが、具体的にはアルカリ水溶液、たとえば、25℃のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38重量%水溶液100gに対して、重合体(A)が、好ましくは5g以上溶解することが望ましい。ここで、前記アルカリ水溶液を構成するアルカリ類は、特に限定されないが、現像液を構成するアルカリ類として後述するものが挙げられる。
【0029】
さらに、溶剤(F)に不溶または難溶とは、後述する溶剤(F)に対して重合体(A)が実質的に溶解しないこと、または溶解してもごく微量であることを意味するが、具体的には、後述する溶剤(F)、たとえば、25℃の2−ヘプタノン100gに対して、重合体(A)が0.1g以下の量で溶解してもよい。
((B)キノンジアジド基含有化合物)
キノンジアジド基含有化合物は、感光剤として現像時に2層レジスト膜のアンダーカット部分の後退量Wを充分コントロールできるだけの現像時間マージンを確保するために用いられる。なお、ここで、アンダーカット部分の後退量Wとは、図1(d)に示すように、底部が開口部と比較して大きいアンダーカット形状の領域のうち、下層2に由来する領域から上層3に由来する領域を引いた領域を意味する。
【0030】
前記キノンジアジド基含有化合物としては、具体的には、たとえば
2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4'−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシ−2'−メチルベンゾフェノン、2,3,4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3',4,4',6−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,2',3,4,4'−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,2',3,4,5−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,3',4,4',5',6−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、2,3,3',4,4',5'−ヘキサヒドロキシベンゾフェノンなどのポリヒドロキシベンゾフェノン類;ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2−(2',4'−ジヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(2',3',4'−トリヒドロキシフェニル)プロパンなどのビス[(ポリ)ヒドロキシフェニル]アルカン類;トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタンなどのトリス(ヒドロキシフェニル)メタン類またはそのメチル置換体;ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタンなどの、ビス(シクロヘキシルヒドロキシフェニル)ヒドロキシフェニルメタン類またはそのメチル置換体;4,4'−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ジフェノール;7−ヒドロキシ−4−(4'−ヒドロキシフェニル)−2−メチル−2−(2',4'−ジヒドロキシ)フェニルクマロン;ノボラック樹脂、ピロガロール−アセトン樹脂、p−ヒドロキシスチレンのホモポリマーまたはこれと共重合しうるモノマーとの共重合体;フェノール、p−メトキシフェノール、ジメチルフェノール、ヒドロキノン、ナフトール、ピロカテコール、ピロガロール、ピロガロールモノメチルエーテル、ピロガロール−1,3−ジメチルエーテル、没食子酸、アニリン、p−アミノジフェニルアミン、4,4'−ジアミノベンゾフェノンなどの水酸基またはアミノ基を有する化合物;などと、
ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホン酸、ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホン酸、オルトアントラキノンジアジドスルホン酸などのキノンジアジド基含有スルホン酸またはナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリドとの完全エステル化合物、部分エステル化合物、アミド化物または部分アミド化物などを挙げることができる。
【0031】
本発明で使用される下層用ポジ型感放射線性樹脂組成物1は、前記のキノンジアジド基含有化合物を単独で含有してもよいし、2種以上を含有してもよい。
これらのうちでは、4,4'−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ジフェノール1モルと、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリド1.0モルとのエステル化反応生成物が好ましい。
【0032】
また(B)キノンジアジド基含有化合物は、前記(A)ラジカル重合体100重量部に対して、5〜60重量部、好ましくは10〜50重量部、より好ましくは15〜30重量部の範囲で配合することが望ましい。この配合量が5重量部未満では未露光部と露光部とのアルカリ溶解速度に差がつきにくく、60重量部を超えると得られるレジスト膜[I]の基板に対する密着性が低下する場合がある。
((C)溶剤)
組成物1に用いられる(C)溶剤としては、具体的には、たとえば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等を挙げることができる。さらに、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等の高沸点溶剤を添加することもできる。これらの溶剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらのうちでは、2−ヒドロキシプロピオン酸エチルが好ましい。
【0033】
これらの溶剤は、得られる組成物1をスピンコート法にて5μm以下に塗布する点からは、組成物1の固形分濃度が5重量%〜50重量%、より好ましくは10重量%〜25重量%になる範囲で使用することが望ましい。すなわち、前記重合体(A)およびキノンジアジド基含有化合物(B)の合計100重量部に対して、前記溶剤を100〜1900重量部、好ましくは300〜900重量部の量で使用することが望ましい。
((G)その他の成分)
前記組成物1には、他の成分として、塗布性、消泡性、レベリング性などを向上させる目的で界面活性剤を配合することもできる。界面活性剤としては、たとえばBM−1000、BM−1100(BM ケミー社製)、メガファックF142D、同F172、同F173、同F183(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431(住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145(旭硝子(株)製)、SH−28PA、同−190、同−193、SZ−6032、SF−8428(東レシリコーン(株)製)、NBX−15(ネオス(株)製)などの名称で市販されているフッ素系界面活性剤、またノニオンS−6、ノニオン0−4、プロノン201、プロノン204(日本油脂(株)製)、エマルゲンA−60、同A−90、同A−500(花王(株)製)などの名称で市販されているノニオン系界面活性剤を、1種または2種以上使用することができる。
【0034】
これらの界面活性剤は、前記(A)ラジカル重合体100重量部に対して、好ましくは5重量部以下、より好ましくは0.01〜2重量部の量で使用されることが望ましい。
<上層用ポジ型感放射線性樹脂組成物2(組成物2)>
本発明に用いられる上層用ポジ型感放射線性樹脂組成物2(以下、単に組成物2ともいう。)は、(D)フェノール性水酸基を有する重合体、(E)キノンジアジド基含有化合物、(F)溶剤からなり、必要に応じて(H)他の成分として、水酸基および/またはカルボキシル基を有するラジカル重合体や界面活性剤などの添加剤を含有する組成物であることが望ましい。
((D)フェノール性水酸基を有する重合体)
フェノール性水酸基を有する重合体としては、以下に示すノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレンおよびその誘導体が挙げられる。これらは単独で使用することもできるが、混合して使用してもよい。
【0035】
(ノボラック樹脂)
本発明において用いられるアルカリ可溶性ノボラック樹脂は、m−クレゾールと他の1種以上のフェノール類とをアルデヒド化合物と縮合して得られる樹脂であって、m−クレゾールの割合が全フェノール類中の40〜90モル%であるアルカリ可溶性ノボラック樹脂であれば特に制限されない。
【0036】
ノボラック樹脂の原料に用いられる前記他のフェノール類としては、具体的には、たとえば、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノールおよび2,3,5−トリメチルフェノールなどを挙げることができる。これらは、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0037】
これらのうちでは、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、3,4−キシレノールおよび2,3,5−トリメチルフェノールを好ましく挙げることができる。
また、m−クレゾールと他の1種以上のフェノール類との好ましい組み合わせとしては、m−クレゾール/2,3−キシレノール、m−クレゾール/2,4−キシレノール、m−クレゾール/2,3−キシレノール/3,4−キシレノール、m−クレゾール/2,3,5−トリメチルフェノールおよびm−クレゾール/2,3−キシレノール/2,3,5−トリメチルフェノールなどを挙げることができる。
【0038】
また、縮合させるアルデヒド化合物としては、たとえばホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、グリオキサール、グルタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド、イソフタルアルデヒド等を挙げることができる。これらのうち、特に、ホルムアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒドを好適に用いることができる。
【0039】
これらのアルデヒド類も単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。このようなアルデヒド化合物を、フェノール類1モルに対し、好ましくは0.4〜2モル、より好ましくは0.6〜1.5モルの量で使用することが望ましい。
フェノール類とアルデヒド化合物との縮合反応には、通常、酸性触媒が使用される。この酸性触媒としては、たとえば塩酸、硝酸、硫酸、ギ酸、シュウ酸、酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等を挙げることができる。このような酸性触媒は、通常、フェノール類1モルに対し、1×10-5〜5×10-1モルの量で使用することができる。
【0040】
縮合反応においては、通常、反応媒質として水が使用されるが、反応初期から不均一系になる場合は、反応媒質としてたとえばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類、エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類を用いることができる。これらの反応媒質は、通常、反応原料100重量部当り、20〜1,000重量部の量で使用される。
【0041】
縮合反応の温度は、原料の反応性に応じて、適宜調整することができるが、通常10〜200℃である。
反応方法としては、フェノール類、アルデヒド化合物、酸性触媒等を一括して仕込む方法および酸性触媒の存在下にフェノール類、アルデヒド化合物等を反応の進行とともに加えていく方法等を適宜採用することができる。
【0042】
縮合反応終了後は、系内に存在する未反応原料、酸性触媒、反応媒質等を除去するために、反応温度を130℃〜230℃に上昇させ、減圧下で揮発分を除去し、ノボラック樹脂を回収する方法や、得られたノボラック樹脂をエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、乳酸エチル、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、ジオキサン、メタノール、酢酸エチル等の良溶媒に溶解したのち、水、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の貧溶媒を混合し、次いで、析出する樹脂溶液層を分離し、高分子量のノボラック樹脂を回収する方法もある。
【0043】
また、前記ノボラック樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、組成物2を製膜する際の作業性、レジストとして使用する際の現像性、感度および耐熱性の点から、2,000〜20,000であることが好ましく、3,000〜15,000であることが特に好ましい。
(ポリヒドロキシスチレン)
本発明に用いることができるポリヒドロキシスチレン類としては、マルカリンカーM,マルカリンカーCMM、マルカリンカーCHM、マルカリンカーMB、マルカリンカーPHM−C、マルカリンカーCST、マルカリンカーCBA(丸善石油化学(株)製)などの名称で市販されている樹脂が挙げられる。
((E)キノンジアジド基含有化合物)
(E)キノンジアジド基含有化合物としては、下層用ポジ型感放射線性樹脂組成物1(組成物1)で記述した(B)キノンジアジド基含有化合物と同様のものが使用できる。
【0044】
(E)キノンジアジド基含有化合物として、好ましい組み合わせとしては、
4,4'−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ジフェノール1モルとナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリド2.0モルとのエステル化反応生成物、
7−ヒドロキシ−4−(4'−ヒドロキシフェニル)−2−メチル−2−(2'、4'−ジヒドロキシ)フェニルクマロン1モルとナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリド2.0モルのエステル化反応生成物が挙げられる。
【0045】
本発明で使用される上層用ポジ型感放射線性樹脂組成物2は、前記キノンジアジド基含有化合物を単独で含有してもよいし、2種以上を含有してもよい。
このキノンジアジド基含有化合物は、前記(D)フェノール性水酸基を有する重合体100重量部に対して、5〜60重量部、好ましくは10〜50重量部、より好ましくは15〜35重量部の範囲で配合することが望ましい。この配合量が5重量部未満では未露光部と露光部とのアルカリ溶解速度に差がつきにくく、60重量部を超えると形成されるレジスト膜[II]の均質性が低下し、解像性が劣化する傾向がみられる。
((F)溶剤)
溶剤としては、下層用ポジ型感放射線性樹脂組成物1(組成物1)で記述した(C)溶剤と同様のものに加えて2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノンが使用できる。
【0046】
これらのうち、レジスト膜[I]上に、レジスト膜[II]を積層する時に双方の混合層の発生を防止する点からは、重合体(A)が不溶または難溶である溶剤が好ましく、具体的には、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノンを使用することが好ましい。
これらの溶剤は、得られた組成物2をスピンコート法で5μm以下に塗布する点からは、組成物2の固形分濃度が好ましくは5重量%〜50重量%、より好ましくは10重量%〜40重量%になる範囲で使用することが望ましい。すなわち、前記(D)フェノール性水酸基を有する重合体および(E)キノンジアジド基含有化合物の合計100重量部に対して、前記溶剤を100〜1900重量部、好ましくは150〜900重量部の量で使用することが望ましい。
((H)その他の成分)
前記組成物2は、その他の成分として、以下のものを含有してもよい。
【0047】
(水酸基および/またはカルボキシル基を有するラジカル重合体)
本重合体は、組成物2の必須成分ではないが、添加することで塗布性、クラック耐性を向上することができる。このような重合体として、具体的には、組成物1で記述した(A)水酸基および/またはカルボキシル基を有するラジカル重合体と同様のものが使用できる。なお、該重合体を添加する場合には、溶剤(F)として、重合体(A)を溶解しうるものを使用することは言うまでもない。
【0048】
組成物2においては、前記重合体(A)を、その他の成分(H)として、フェノール性水酸基を有する重合体(D)100重量部に対して、50重量部以下、好ましくは30重量部以下の量で使用することができる。
(多核フェノール化合物)
本化合物は、組成物2の必須成分ではないが、添加することでアルカリ溶解性が向上し、レジストパターンの形状をコントロールすることができる。ここで多核フェノール化合物とは、独立に存在するベンゼン環を2個以上有し、かつ、該ベンゼン環の一部に水酸基が結合したフェノール性水酸基を1分子中に2個以上有する化合物を意味する。具体的には、たとえば、4,4'−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ジフェノール、2,2−ビス(1,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチルエステル、4,6−ビス〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル〕−1,3−ベンゼンジオールなどが挙げられる。
【0049】
これらの多核フェノール化合物は、(D)フェノール性水酸基を有する重合体100重量部に対して、1〜30重量部、好ましくは5〜20重量部の量で使用することが望ましい。
(界面活性剤)
界面活性剤としては、下層用ポジ型感放射線性樹脂組成物1(組成物1)で記述した界面活性剤と同様のものが使用できる。
【0050】
このような界面活性剤は、前記(D)フェノール性水酸基を有する重合体100重量部に対して、好ましくは5重量部以下、より好ましくは0.01〜2重量部の量で使用されることが望ましい。
次に、本発明に係る2層積層膜およびこれを用いたパターン形成方法について説明する。
<2層積層膜およびこれを用いたパターン形成方法>
本発明に係る2層積層膜は、前記ポジ型感放射線性樹脂組成物1から形成されたレジスト膜[I]と、前記ポジ型感放射線性樹脂組成物2から形成されたレジスト膜[II]とからなり、
本発明に係るパターン形成方法は、前記2層積層膜を形成する工程を含むことを特徴としているため、該パターン形成方法とあわせて、本発明に係る2層積層膜について、以下に説明する。
【0051】
すなわち、図1を参照して説明すると、本発明に係るパターン形成方法は、基板1表面に、ポジ型感放射線性樹脂組成物1(組成物1)からレジスト膜[I](図1では下層2)を形成した後(a-1)、ポジ型感放射線性樹脂組成物2(組成物2)からなるレジスト膜[II](図1では上層3)をその上に形成して(a-2)、2層積層膜を形成する工程(a)と、
前記積層膜をUV光での露光および/または電子線での描画によってパターン露光する工程(b)と、
前記積層膜を現像することにより底部が開口部と比較して大きなアンダーカット形状のレジストパターンを形成する工程(c)と、
前記レジストパターンを形成している積層膜を有する基板上に有機あるいは無機薄膜4a,4bを蒸着および/またはスパッタする工程(d)と、
前記積層膜上に堆積した蒸着および/またはスパッタ膜4aを前記積層膜、すなわち下層2,上層3ごとリフトオフする工程(e)とを具備している。
【0052】
前記工程(a)において、本発明に係る2層積層膜が形成されるが、ここで、ポジ型感放射線性樹脂組成物1とポジ型感放射線性樹脂組成物2との組み合わせを選択することで、該2層積層膜の形成方法として、(1)両層をスピンコート法で形成する方法と、(2)下層(レジスト膜[I])をラミネート法で、上層(レジスト膜[II])をスピンコート法で形成する方法の双方を採用することが可能である。すなわち、レジスト膜[I]とレジスト膜[II]の形成方法としては、下層/上層を、スピンコート/スピンコート、ラミネート/スピンコートで形成する方法をそれぞれ採用することができる。
【0053】
具体的には、たとえば、加工物(基板)表面の凹凸の程度が比較的小さい場合は、前者(1)の方法を選択することで、プロセスの簡略化が可能となる。このため、通常は前者の方法が好ましく採用される。
一方、加工物(基板)表面の凹凸の程度が比較的大きくスピンコートが困難な場合、または加工工程における加工物の状態により、液状のレジストを直接塗布できない場合には、後者(2)の方法を選択することで、均一な膜厚の積層膜を得ることができる。
【0054】
なお、下層2の形成方法において、ラミネート法を選択する場合には、下層2が、加熱、加温下で、基板(加工物)表面にラミネートされるが、基板(加工物)の種類によって、加熱温度には上限がある。たとえば、基板が、MR磁気ヘッドスライダの場合、熱による素子破壊が懸念されるため100℃を超える加熱工程は好ましくない。したがって、この場合には100℃以下でのラミネートを可能にする点から、組成物1において下層2のガラス転移点をある程度低く設定することが好ましい。
【0055】
このようにして得られた前記レジスト膜[I](下層)の膜厚は、レジスト膜の膜厚制御と、蒸着および/またはスパッタ膜の寸法制御の点から、0.1〜3μmであることが好ましく、0.3〜2μmの範囲であることがより好ましい。下層の膜厚が0.1μm未満の場合には、膜厚制御が困難となり、ピンホールが発生する恐れがある。下層の膜厚が3μmを超える場合には、蒸着および/またはスパッタの際にアンダーカット部での拡散が顕著となり、蒸着および/またはスパッタ膜パターンの寸法制御が困難となることがある。
【0056】
また、得られた前記レジスト膜[II](上層)の膜厚は、蒸着および/またはスパッタ工程での熱変形パターニング特性との点から、1〜20μmであることが好ましい。上層の膜厚が1μm未満の場合、蒸着および/またはスパッタ工程で上層表面が加熱されアンダーカット上部が熱ダレして垂れ下り、基板表面に触れる恐れがでてくる。上層の膜厚が20μmを超える場合には、パターニング時間が長くなり、蒸着および/またはスパッタ膜パターンの寸法制御が困難になることがある。
【0057】
なお、前記工程(a)において、下層2と上層3とを製膜した際に、下層2と上層3との混合層が発生すると、現像後にアンダーカット部分の基板面に現像残渣が発生する不具合が生じ易くなる。その一方で、両層がまったく混合せず両層の間に界面が存在する場合には、現像時に現像液がこの界面にそって浸透し、下層2の水平方向の現像速度が速くなり、アンダーカットの水平方向のサイズをコントロールすることが困難となる。この混合層を防止する手段として水溶性有機物を中間層として使用する事も可能であるが、加工工程が増える上、中間層の膜厚変化により適正な現像時間がシフトし、結果としてレジストの開口寸法にばらつきがでてしまう等の不具合が発生しやすい。これらの理由から下層2と上層3に用いる材料は、適度なインターミキシングが進行する組み合わせであることが好ましい。
【0058】
また、本発明に係る2層積層膜では、続く工程(c)において、前記積層膜に、底部が開口部と比較して大きなアンダーカット形状のレジストパターンを形成する点から、レジスト膜[I]の方がレジスト膜[II]よりも、同一現像液に対する溶解速度、すなわち、アルカリ水溶液に対する溶解速度が速いことが好ましい。
【0059】
さらに、引き続く工程(d)、すなわち、レジストパターンを形成している積層膜を有する基板上に有機あるいは無機薄膜4a,4bを蒸着および/またはスパッタする工程(d)においては、積層膜表面が加熱される。このとき上層3の耐熱性が充分でない場合および/または、アンダーカット部分の後退量Wが大きい場合には、熱だれして周辺部分が垂れ下がり、蒸着および/またはスパッタした有機薄膜あるいは無機薄膜4bにバリが発生する原因となる。
【0060】
したがって、上層3に用いるポジ型感放射線性樹脂組成物2は、この工程(d)に支障がでないような耐熱性を有することが好ましく、下層2および上層3は、現像時にアンダーカット部分の後退量Wを充分コントロールできるだけの現像時間に対するマージンを有する事が好ましい。
なお、アンダーカット部分の後退量Wとは、前述したように、図1(d)に示すように底部が開口部と比較して大きいアンダーカット状の領域のうち、下層2に由来する領域から上層3に由来する領域を引いた領域を意味する。
【0061】
このように本発明における組成物1と組成物2の組み合わせは、上記条件を満足する組み合わせであることが好ましい。
以下、図1に基づいて、本発明に係るパターン形成方法を各工程ごとにさらに具体的に説明する。
(工程(a))
まず図1(a-1)に示すように下層材である組成物1を用いて基板表面にレジスト膜[I](図1では下層2)を形成する方法であるが、基板表面が比較的平坦な場合は、組成物1(固形分量:5〜50重量%)を、スピンコート法によって、基板1に塗布し、塗布後、塗膜(下層2)を有する基板1を200℃以下、より好ましくは70〜130℃で乾燥することにより、下層2を形成することができる。
【0062】
基板1表面に凹凸がある場合には、レジスト膜[I]の均一性を確保する目的でPET(ポリエチレンテレフタレート)等の基材上にスピンコートした後、クリーンオーブン等でベークすることでフィルム化した後、ラミネーターを用いて基板1にラミネートすることで、下層2を形成することができる。なお、この際、ラミネートする条件は基板1の材質等に応じて調整する。
【0063】
次いで、図1(a-2)に示すように上層材である組成物2を用いて、レジスト膜[I]上にレジスト膜[II]を形成する。形成方法としては、たとえば、組成物2をレジスト膜[I](図1では下層2)上に、スピンコート法によって塗布した後、200℃以下、より好ましくは70〜130℃で乾燥してレジスト膜[II](図1では上層3)を形成する方法が好ましく挙げられる。
【0064】
なお、組成物2をPET等の基材上にフィルム化した後、ラミネーターを用いてレジスト膜[I](下層2)上にラミネートする方法で、レジスト膜[II](図1では上層3)を形成してもよく、またPET等の基材上に下層材、上層材の順にフィルム化した後、ラミネーターを用いて基板1にラミネートすることにより、下層2と上層3を一度に形成してもよい。
【0065】
(工程(b))
次いで、所定のマスクMを介して、下層2および上層3からなる積層膜に、放射線を照射し、パターン露光を行う。これらの放射線の線源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、アルゴンガスレーザーなどを用いることができる。ここで放射線とは、紫外線(UV光)、可視光線、遠紫外線、X線、電子線などを意味する。これらのうちでは、操作性の点からUV光、電子線が好ましい。パターン露光の際には、前記放射線を、前記積層膜に、好ましくは100〜1500mJ/cm2、より好ましくは300〜1000mJ/cm2の露光量となるように照射することが望ましい。
【0066】
(工程(c))
露光後の積層膜を、アルカリ現像液を用いて、浸漬法、パドル法、シャワー法に従って現像処理することで、積層膜の露光部を選択的に溶解除去し、図1(c)に示すような所望のレジストパターンを得ることができる。前記レジストパターンは、底部が開口部に比較して大きなアンダーカット形状となる。
【0067】
ここで現像液としては、たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノナンなどのアルカリ類の水溶液を使用することができる。
【0068】
また、上記アルカリ類の水溶液にメタノール、エタノールなどの水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。現像処理後の基板およびレジストパターンに対して、水などを用いてリンス処理を施し、さらに乾燥させる。
なお、上述したような工程以外に他の工程が付加されても何等差し支えない。たとえば、下層2の下地として平坦化工程、基板1あるいは下地と下層2との密着性向上のための前処理工程、下層2と上層3との混合をコントロールするための中間層形成、積層膜の現像前の濡れ性向上を目的としたプリウェット処理、現像後に実施するポストベーク工程等を適宜ほどこすことができる。
【0069】
本発明で用いる組成物1およびこれからなるレジスト膜[I]、組成物2およびこれからなるレジスト膜[II]は、アルカリ溶解性が極めて良好であり、さらに、同一現像液に対して、レジスト膜[I]の溶解速度の方がレジスト膜[II]の溶解速度よりも速いため、高い再現性をもってアンダーカット形状のレジストパターンを形成することができる。
【0070】
また、このアンダーカット構造のレジストパターンは、光学顕微鏡による観察で形状を確認することが可能であり、レジストの剥離が容易であるため、所望のアンダーカット形状が得られなかった場合には、レジストを剥離し、再度パターニングすることができる。
(工程(d))
次に、得られたアンダーカット形状のレジストパターンを用いて、図1(d)に示すように薄膜4aおよび4b(有機薄膜あるいは無機薄膜)を蒸着および/またはスパッタにより形成する。得られる有機薄膜あるいは無機薄膜の厚さに特に制限はないが、これらの形状をコントロールする点からは、無機薄膜あるいは有機薄膜の厚さは、下層2の膜厚よりも薄い方が好ましい。
【0071】
また、蒸着および/またはスパッタ方法により、得られる薄膜の垂直方向に異方性が生じるため、薄膜4bの形状制御には、上層3のポジ型レジスト開口寸法と、下層2の膜厚の調整が重要となる。前記蒸着および/またはスパッタ方法としては、たとえば、真空蒸着、スパッタリングなどのPVD(物理的気相堆積)が挙げられる。
【0072】
(工程(e))
次に、前記工程(d)で形成した薄膜4aおよび4bのうち、積層膜上に形成した部分4aを前記積層膜ごと剥離し、目的とする薄膜パターン4bを得る。
薄膜4aおよび4b形成後のレジストパターンの剥離には、ポジ型レジストの剥離に一般に用いられる溶剤がそのまま使用することができる。すなわち、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、アセトン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等を挙げることができる。さらに、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等の高沸点溶剤を使用することもできる。
【0073】
前記レジストパターンの剥離は、室温でも可能であるが、温度を上げることにより剥離性能を向上することができる。
また、剥離前にレジストパターンを有する基板を、UV光で全面露光して、上層と下層、または、上層に含有される感光剤を分解させ、剥離を容易にすることができる。この場合には、剥離液としてエチルアルコール、イソプロピルアルコールなどの腐食性がほとんどみられない溶剤、または上述した現像液中に、室温でディップするだけで剥離が可能である。
【0074】
【発明の効果】
本発明によれば、1回の露光および現像により断面がアンダーカット形状をした微細レジストパターンを基板上に形成することができ、このレジストパターンを用いたリフトオフ法により、基板上に所望の薄膜(有機あるいは無機薄膜)パターンを形成することができる。
【0075】
前記アンダーカット形状をした微細レジストパターンは、1回の露光および現像で得られること、光学顕微鏡で形状確認が可能なこと、剥離が容易であることなど、製造工程上の利点が多いため、本発明をその製造工程に用いることで、被加工物の生産性を向上することができる。
本発明にかかるパターン形成方法は、上記のような効果を有するため、特に、磁気ヘッドのABS(Air Bearing Surface)におけるDLC(Diamond Like Carbon)膜の製膜工程に最適である。
【0076】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、特にことわりの無い限り、部は重量部、%は重量%を示す。
【0077】
【調製例】
組成物1および組成物2の調製
以下の(A)〜(H)成分を用いて、組成物1(下層用組成物(1-1)〜(1-7))および組成物2(上層用組成物(2-1)〜(2-2))を調製した。
<(A)水酸基および/またはカルボキシル基を有するラジカル重合体>
(ラジカル重合体A−1の合成):
ドライアイス/メタノール環流器と温度計の付いたフラスコを窒素置換した後、重合開始剤として2,2′−アゾビスイソブチロニトリル3.0g、溶媒として2−ヒドロキシプロピオン酸エチルを150g仕込み、重合開始剤が溶解するまで攪拌した。引き続いて、4−イソプロペニルフェノール(モノマーI)43g、n−ブチルアクリレート(モノマーIII)30.8g、アクリル酸(モノマーII)2.9g、2ーヒドロキシエチルアクリレート(モノマーI)23.3gを仕込んだ後、ゆるやかに攪拌を始めた。その後、溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度で3時間重合を行った。次いで重合開始剤として2,2′−アゾビスイソブチロニトリル1.5gを添加し、さらに70℃で3時間重合を継続した。その後、室温まで放冷し、フラスコ内を空気で置換した後、p−メトキシフェノール150mgを加えた。反応生成物を多量のメタノールに滴下して反応物を凝固させた。この凝固物を水洗後、凝固物と同重量のテトラヒドロフランに再溶解し、多量のメタノールで再度凝固させた。この再溶解−凝固操作を計3回行った後、得られた凝固物を40℃で48時間真空乾燥し、ラジカル重合体A−1を得た。
【0078】
(ラジカル重合体A−2の合成):
上記A−1において、モノマーとして、4−イソプロペニルフェノール(モノマーI)43.43g、n−ブチルアクリレート(モノマーIII)20.75g、アクリル酸(モノマーII)2.92g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(モノマーI)32.9gを仕込んだ以外は同一の手順で合成を実施し、ラジカル重合体A−2を得た。
【0079】
(ラジカル重合体A−3の合成):
上記A−1において、モノマーとして、4−イソプロペニルフェノール(モノマーI)47.2g、n−ブチルアクリレート(モノマーIII)33.80g、アクリル酸(モノマーII)19.0gを仕込んだ以外は同一の手順で合成を実施し、ラジカル重合体A−3を得た。
【0080】
(ラジカル重合体A−4の合成):
ドライアイス/メタノール環流器と温度計の付いたフラスコを窒素置換した後、重合開始剤として2,2′−アゾビスイソブチロニトリル3.0g、溶媒として2−ヒドロキシプロピオン酸エチルを225g仕込み、重合開始剤が溶解するまで攪拌した。引き続いて、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(モノマーI)75.0g、n−ブチルアクリレート(モノマーIII)60.0g、2−ヘキサヒドロフタロイルエチルメタアクリレート(モノマーII)15.0gを仕込んだ後、ゆるやかに攪拌を始めた。その後、溶液の温度を80℃に上昇させ、この温度で4時間重合を行った。その後、室温まで放冷し、フラスコ内を空気で置換した後、p−メトキシフェノール150mgを加えた。反応生成物を多量のメタノールに滴下して反応物を凝固させた。この凝固物を水洗後、凝固物と同重量のテトラヒドロフランに再溶解し、多量のメタノールで再度凝固させた。この再溶解−凝固操作を計3回行った後、得られた凝固物を40℃で48時間真空乾燥し、ラジカル重合体A−4を得た。
【0081】
(ラジカル重合体A−5の合成):
上記A−4において、モノマーとして4−イソプロペニルフェノール(モノマーI)60.0g、n−ブチルアクリレート(モノマーIII)60.0g、n−ブチルメタアクリレート(モノマーIII)30.0gを仕込んだ以外は同一の手順で合成を実施し、ラジカル重合体A−5を得た。
【0082】
(ラジカル重合体A−6の合成):
上記A−4において、モノマーとして2−ヘキサヒドロフタロイルエチルメタアクリレート(モノマーII)60.0g、n−ブチルアクリレート(モノマーIII)60.0g、n−ブチルメタアクリレート(モノマーIII)30.0gを仕込んだ以外は同一の手順で合成を実施し、ラジカル重合体A−6を得た。
<(B)キノンジアジド基含有化合物、(E)キノンジアジド基含有化合物>
キノンジアジド基含有化合物として、それぞれ以下のものを用いた。
B−1:
4,4'−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ジフェノール1モルと、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリド1.0モルとのエステル化反応生成物。
E−1:
4,4'−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ジフェノール1モルとナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリド2.0モルとのエステル化反応生成物。
E−2:
7−ヒドロキシ−4−(4'−ヒドロキシフェニル)−2−メチル−2−(2'、4'−ジヒドロキシ)フェニルクマロン1モルとナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリド2.0モルのエステル化反応生成物。
<(C)溶剤>
溶剤として、以下のものを用いた。
【0083】
EL:2−ヒドロキシプロピオン酸エチル
<(D)フェノール性水酸基を有する重合体の合成>
D−1:
m−クレゾールと2,3−キシレノールと3,4−キシレノールを重量比80:10:10の割合で混合し、これにホルマリンを加え、シュウ酸触媒を用いて常法により縮合してクレゾールノボラックを得た。この樹脂に対して分別処理を施し、低分子領域をカットして重量平均分子量10、000のノボラック樹脂D−1を得た。
D−2:
m−クレゾールとp−クレゾールを重量比40:60の割合で混合し、これにホルマリンを加え、シュウ酸触媒を用いて常法により縮合してクレゾールノボラックを得た。この樹脂に対して分別処理を施し、低分子領域をカットして重量平均分子量15000のノボラック樹脂D−2を得た。
D−3:
m−クレゾールと3,5−キシレノールを重量比80:20の割合で混合し、これにホルマリンを加え、シュウ酸触媒を用いて常法により縮合してクレゾールノボラックを得た。この樹脂に対して分別処理を施し、低分子領域をカットして重量平均分子量15000のノボラック樹脂D−3を得た。
<(F)溶剤>
溶剤として、以下のものを用いた。
【0084】
MAK:2−ヘプタノン
EL(2−ヒドロキシプロピオン酸エチル)とEEP(3−エトキシプロピオン酸エチル)との混合溶剤。
<(G)界面活性剤、(H)界面活性剤>
界面活性剤として、以下のものを用いた。
【0085】
NBZ−15(フッ素系界面活性剤;ネオス(株)製)
SF−8428(東レシリコーン(株)製)
<(H)多核体フェノール化合物>
多核体フェノール化合物として、以下のものを用いた。
多核体フェノール化合物1:4,4'−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ジフェノール
<組成物1(下層用組成物(1-1)〜(1-7))の調製>
(組成物(1-1)の調製)
上記ラジカル重合体A−1を100部、キノンジアジド基含有化合物B−1を20部、界面活性剤NBX−15(ネオス(株)製)0.2部、ELを680部添加し溶解した後、孔径1μmのメンブレンフィルターを用いてろ過し、組成物(1-1)を調製した。
【0086】
(組成物(1-2)〜(1-7)の調製)
表1に示す材料を用いて組成物(1-1)と同様の手順で調製した。
<組成物2(上層用組成物(2-1)〜(2-2))の調製>
(組成物(2-1)の調製)
D−1を90部、多核フェノール化合物1を10部、キノンジアジド基含有化合物E−1を20部、E−2を10部、界面活性剤としてNBX−15を0.2部、MAK180部に均一に溶解した後、これを孔径3μmのメンブレンフィルターを用いてろ過し、固形分35%の組成物(2-1)を調製した。
【0087】
(組成物(2-2)の調製)
D−2を25部、D−3を75部、それにマルカリンカーPHM−Cを50部、A−4を10部、キノンジアジド基含有化合物B−1を35部、界面活性剤としてSF−8428を0.05部、フェノール多核体化合物15部をEL179部とEEP179部の混合溶剤に溶解した後、これを孔径3μmのメンブレンフィルターを用いてろ過し、固形分38%の組成物(2-2)を調製した。
【0088】
【実施例1】
<基板表面への積層膜形成>
スピンコート/スピンコート:
組成物(1-1)をシリコンウェハー上に滴下し、スピンコートした後、ホットプレートにて100℃、10分間ベークして、レジスト膜[I](下層)を得た。次にこの上に組成物(2-1)を滴下しスピンコート、ホットプレートにて100℃、5分間ベークすることでレジスト膜[II](上層)を形成し、2層積層膜を得た。
【0089】
<塗布性と塗布膜厚の評価>
下層製膜後と上層製膜後に、光学顕微鏡にて塗膜の表面状態を観察した。
以下の基準で評価し、評価結果を○、×で示した。結果を表3に示す。
塗布性 ○ :塗布基板全面で、均一な塗膜が得られた。
× :剥がれやホールなどが見られ、塗布基板全面では均一な塗膜が得られなかった。
【0090】
塗布性の良好な塗膜を有する基板について、下層と上層の膜厚を触針式の膜厚計にて測定した。上層の膜厚は2層膜の膜厚から下層の膜厚を引くことで求めた。結果を表3に示す。
<露光、現像およびその評価>
上記の要領で作製した塗布性良好な基板を、アルカリ現像し、パターニング評価を実施した。評価条件は以下の通り。
【0091】
露光機:Karl Suss Aligner MA150
(ズース・マイクロテックス社製、コンタクトアライナー)
露光量:500mJ/cm2 (420nm付近)
露光様式:ハードコンタクト露光
現像:テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液中で、ディップすることにより行った。なお、現像時間は10秒刻みで変えて行った。
【0092】
リンス:超純水の流水にて1分間リンスし、エアーブローして乾燥した。
現像後、必要に応じて、光学顕微鏡と走査型電子顕微鏡にてパターン形状を確認した。評価パターンは直径20μmの丸ホールで隣接するホール間のスペースが40μm(ピッチ60μm)のものを使用した。
評価:以下の基準で評価し、○、×で示した。結果を表3に示す。
【0093】
現像性 ○ : 現像残りなく、アンダーカット形状が得られおり、現像時間20秒以上でも隣接するホールのアンダーカットがつながっていない。
現像性 × : 現像時間によらず、現像残りがある、および/または隣接するホールのアンダーカットがつながっている。
<DLC膜の製膜、および評価>
上記パターニング基板のうち、現像性の良好なレジストパターンを有する基板をホットプレート上にて80℃、10分間、ポストベークし、DLC膜の製膜および評価に使用した。
【0094】
DLC膜の製膜には、DLC−150S(島津製作所(株)製)を用いた。
前処理として、スパッタリングにてパターニング基板表面を洗浄したのち、Siを約20オングストローム蒸着した後、DLC膜を、250〜300オングストローム蒸着した。このときの真空度は5×10-3Torrであった。
DLC製膜後、このDLC膜を有する基板を100℃に加温したN−メチルピロリドン中に約10分間ディップしてレジストを剥離した。その後、アセトンで数回リンスし、風乾した。
【0095】
レジスト膜の剥離性の評価:
レジスト膜の剥離状態を光学顕微鏡で観察し、以下の基準で評価した。結果を表3に示す。
剥離性 ○ :剥離処理した後、基板表面に剥離残渣がない。
× :剥離処理した後、基板表面に剥離残渣がみられた。
【0096】
DLC膜の評価:
上記のようにして、得られたDLCパターンの形状を、AFM(原子間力顕微鏡)にて確認し、以下の基準で評価した。結果を表3に示す。
○ :基板全面でDLC表面にバリ/突起がなく、直径が20〜21μm程度。
【0097】
△ :基板全面でDLC表面にバリ/突起は無いが、直径が22μm以上になる。
× :DLC表面にバリ/突起がある。
<アルミナ膜の製膜、および評価>
上記パターニング基板のうち、現像性の良好なレジストパターンを有する基板をホットプレート上にて80℃、10分間、ポストベークし、アルミナ膜の製膜および評価に使用した。本アルミナ膜は、GMR素子のギャップ絶縁膜に用いられている。
【0098】
アルミナ膜の製膜には、MPS-GA-LTS(日本(株)製)を用いた。前処理として、スパッタリングにてパターニング基板表面を洗浄したのち、アルミナ膜を、1500〜1600オングストローム蒸着した。このときの真空度は5×10-5Torr、基板温度は約70℃に制御した。製膜速度は、約100オングストローム/分であった。
【0099】
アルミナ製膜後の剥離性とアルミナ膜の評価はDLC膜の場合とまったく同様に行った。結果を表3に示す。
【0100】
【実施例2】
表1に示した組成物1(下層用組成物)と、表2に示した組成物2(上層用組成物)を用い、組成物1として組成物(1-1)に代えて組成物(1-2)を用いた他は、実施例1と同様にして行った。結果を表3に示す。
【0101】
【実施例3】
表1に示した組成物1(下層用組成物)と、表2に示した組成物2(上層用組成物)を用い、組成物1として組成物(1-1)に代えて組成物(1-3)を用いた他は、実施例1と同様にして行った。結果を表3に示す。
【0102】
【実施例4】
表1に示した組成物1(下層用組成物)と、表2に示した組成物2(上層用組成物)を用い、組成物1として組成物(1-1)に代えて組成物(1-4)を用いて、塗布膜厚を変更した他は、実施例1と同様にして行った。結果を表3に示す。
【0103】
【実施例5】
表1に示した組成物1(下層用組成物)と、表2に示した組成物2(上層用組成物)を用い、組成物1として組成物(1-1)に代えて組成物(1-4)を用いて、下層を以下のようにしてラミネートにより形成し、塗布膜厚を変更した他は、実施例1と同様にして行った。結果を表3に示す。
ラミネート/スピンコート:
組成物(1-4)をPETフィルム上に滴下し、スピンコートした後、オーブンにて100℃、5分間ベークした。シリコンウェハー上にこのフィルムをラミネートしたのち、PETフィルムを引き剥がすことで、レジスト膜[I](下層)を得た。ラミネート条件は、以下の通りであった。
【0104】
搬送速度:0.1m/min.
ロール温度:95℃
ロール圧:1.5kgf/cm2
次に、得られた下層に組成物(2-1)を滴下、スピンコートした後、ホットプレートにて100℃、5分間ベークすることでレジスト膜[II](上層)を形成し、2層積層膜を得た。
【0105】
【実施例6】
表1に示した組成物1(下層用組成物)と、表2に示した組成物2(上層用組成物)を用い、組成物2として組成物(2-1)に代えて組成物(2-2)を用いた他は、実施例4と同様にして行った。結果を表3に示す。
【0106】
【実施例7】
表1に示した組成物1(下層用組成物)と、表2に示した組成物2(上層用組成物)を用い、組成物2として組成物(2-1)に代えて組成物(2-2)を用いた他は実施例5と同様にして行った。結果を表3に示す。
【0107】
【実施例8】
表1に示した組成物1(下層用組成物)と、表2に示した組成物2(上層用組成物)を用い、組成物1として組成物(1-4)に代えて組成物(1-5)を用いたのと、組成物2として組成物(2-1)に代えて組成物(2-2)を用いた他は、実施例5と同様にして行った。結果を表3に示す。
【0108】
【実施例9】
表1に示した組成物1(下層用組成物)と、表2に示した組成物2(上層用組成物)を用い、組成物1として組成物(1-4)に代えて組成物(1-6)を用いたのと、組成物2として組成物(2-1)に代えて組成物(2-2)を用いた他は、実施例5と同様にして行った。結果を表3に示す。
【0109】
【比較例1】
表1に示した組成物1(下層用組成物)と、表2に示した組成物2(上層用組成物)を用い、組成物1として組成物(1-4)に代えて組成物(1-7)を用いた他は実施例4と同様にして行った。結果を表3に示す。
【0110】
【比較例2】
表1に示した組成物1(下層用組成物)と、表2に示した組成物2(上層用組成物)を用い、組成物1として組成物(1-4)に代えて組成物(1-7)を用いた他は実施例5と同様にして行った。結果を表3に示す。
【0111】
【比較例3】
表1に示した組成物1(下層用組成物)と、表2に示した組成物2(上層用組成物)を用い、組成物1として組成物(1-4)に代えて組成物(1-7)を用いた他は実施例6と同様にして行った。結果を表3に示す。
【0112】
【比較例4】
表1に示した組成物1(下層用組成物)と、表2に示した組成物2(上層用組成物)を用い、組成物1として組成物(1-4)に代えて組成物(1-7)を用いた他は実施例7と同様にして行った。結果を表3に示す。
【0113】
【表1】
Figure 0004063053
【0114】
【表2】
Figure 0004063053
【0115】
【表3】
Figure 0004063053

【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明に係るパターン形成方法の概略図である。
【図2】 図2は、従来のパターン形成方法の概略図である。
【図3】 図3は、従来のパターン形成方法の概略図である。
【符号の説明】
1 … 基板
2 … 下層
3 … 上層
4a … 蒸着および/またはスパッタ膜
4b … 蒸着および/またはスパッタ膜
5 … レジスト
6a … 蒸着および/またはスパッタ膜
6b … 蒸着および/またはスパッタ膜
7 … レジスト
8a … 蒸着および/またはスパッタ膜
8b … 蒸着および/またはスパッタ膜
M … マスク

Claims (8)

  1. (A)水酸基および/またはカルボキシル基を有するラジカル重合体、(B)キノンジアジド基含有化合物および(C)溶剤を含有するポジ型感放射線性樹脂組成物1から形成されたレジスト膜[I]と、
    (D)フェノール性水酸基を有する重合体、(E)キノンジアジド基含有化合物および(F)溶剤を含有するポジ型感放射線性樹脂組成物2から形成されたレジスト膜[II]とからなり、
    該ポジ型感放射線性樹脂組成物1において、該ラジカル重合体(A)が、水に不溶であり、アルカリ水溶液に可溶であり、さらに、該溶剤(F)に不溶または難溶であることを特徴とする2層積層膜。
  2. 前記ポジ型感放射線性樹脂組成物2において、溶剤(F)が2−ヘプタノンであることを特徴とする請求項1に記載の2層積層膜。
  3. 前記レジスト膜[I]の膜厚が0.1μm〜3μmの範囲にあり、前記レジスト膜[II]の膜厚が1μm〜20μmの範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の2層積層膜。
  4. (A)水酸基および/またはカルボキシル基を有するラジカル重合体、(B)キノンジアジド基含有化合物および(C)溶剤を含有するポジ型感放射線性樹脂組成物1から形成されたレジスト膜[I]と、
    (D)フェノール性水酸基を有する重合体、(E)キノンジアジド基含有化合物および(F)溶剤を含有するポジ型感放射線性樹脂組成物2から形成されたレジスト膜[II]とからなる2層積層膜を形成する工程を含み、
    該ポジ型感放射線性樹脂組成物1において、該ラジカル重合体(A)が、水に不溶であり、アルカリ水溶液に可溶であり、さらに、該溶剤(F)に不溶または難溶であることを特徴とするパターン形成方法。
  5. (a)基板表面に、前記ポジ型感放射性樹脂組成物1からレジスト膜[I]を形成した後、前記レジスト膜[I]上に、前記ポジ型感放射性樹脂組成物2からレジスト膜[II]を形成して、2層積層膜を形成する工程と、
    (b)前記積層膜を、UV光での露光および/または電子線での描画によってパターン露
    光する工程と、
    (c)前記積層膜を現像することによって、底部が開口部と比較して大きなアンダーカット形状のレジストパターンを形成する工程と、
    (d)前記レジストパターンを形成している積層膜を有する基板上に有機薄膜または無機薄膜を蒸着および/またはスパッタする工程と、
    (e)前記積層膜上に堆積した蒸着膜および/またはスパッタ膜を前記積層膜ごと剥離する工程と
    を備えることを特徴とする請求項に記載のパターン形成方法。
  6. 前記ポジ型感放射線性樹脂組成物2において、溶剤(F)が2−ヘプタノンであることを特徴とする請求項4または5に記載のパターン形成方法。
  7. 前記レジスト膜[I]の膜厚が0.1μm〜3μmの範囲にあり、前記レジスト膜[II]の膜厚が1μm〜20μmの範囲にあることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のパターン形成方法。
  8. 前記工程(a)において、基板が磁気ヘッドスライダのABS(Air Bearing Surface)面であり、
    前記工程(d)において、有機薄膜がDLC(Diamond Like Carbon)膜であることを特徴とする請求項に記載のパターン形成方法。
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