JP4063018B2 - 接地不良検出方法及び接地不良検出装置及びエンジンの自動停止制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電源の接地不良を検出する接地不良検出方法及び接地不良検出装置、並びに適宜の電源を用いてエンジンを自動的に停止させる制御を行うエンジンの自動停止制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、停車率の高い市街地走行時の燃費向上等を目的として、信号待ち時等、車両が停車したときにはエンジン(内燃機関)を自動停止し、車両の発進時には同エンジンを再始動させるエンジン自動停止始動装置が知られている。
【0003】
こうしたエンジンの自動停止始動装置は、通常、エンジンを始動するモータと、同モータに電力を供給するバッテリ(電源)とを備えて構成されている。そして、エンジン自動停止後の再始動に際しては、車両の駆動力としてこのモータの駆動力を用い、その後、同車両の駆動力としてエンジンの駆動力を用いるようにしている。
【0004】
また、こうしたエンジンの自動停止始動装置にあっては、例えば特開2001―69681号公報に見られるように、バッテリを含む電源回路の異常を検出する装置を備え、これにより異常が検出されたときには、上述したエンジンの自動停止制御を禁止するものも提案されている。すなわち、バッテリを含む電源回路に接触不良等の異常があると、上記モータに適正な電力が供給されず、エンジンの自動始動を行うことができなくなるおそれがある。この点、上記公報に記載の装置のように、バッテリを含む電源回路の異常が検出されたときには、エンジンの自動停止制御を禁止することで、こうした問題を回避することができるようになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記バッテリには、接地用の配線が設けられており、この配線は、通常、アースボルトを介して車体に接地、すなわち電気的に接続されている。ちなみにこのアースボルトは、これを締め付けて車体に取り付ける際に車体の表面塗装をはがすなどして車体との電気的な導通を確保する構造を有する専用のボルトである。しかし、このアースボルトは、例えばバッテリをフレームに固定する際などに用いる通常の締め付けボルトと類似しており、これを誤ってアースボルトとして使用してしまうと上記バッテリの接地用配線を的確に接地することができなくなるおそれがある。
【0006】
ちなみに、このようなバッテリの接地不良が生じるようなことがあると、所望とする電力が得られないなどの理由によって上記モータの動力不足等が生じ、始動制御に際して不都合が生じるおそれがある。しかし、上記公報に記載の装置にあっては、電源回路の異常が検出されたときにエンジンの自動停止制御を禁止するようにはしているものの、電源回路の異常としてバッテリの接地不良まではこれを的確に検出することができず、結局は、上記始動制御に際してもその実行に不安を残すものとなっている。
【0007】
なお、上記通常の締め付けボルトがアースボルトと誤って使用される場合に限らず、バッテリの接地不良そのものが上記始動制御をはじめとする各種制御に及ぼす影響は、それがいかなるものであれ、無視できないものとなっている。
【0008】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、バッテリ等、電源の接地不良を的確に検出することのできる接地不良検出方法及び接地不良検出装置を提供することにある。また、この発明は、こうした接地不良に起因するエンジンの始動制御異常を好適に回避することのできるエンジンの自動停止制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
【0019】
請求項1記載の発明は、エンジンを自動的に停止させる制御を行うエンジンの自動停止制御装置において、高電圧電源及び低電圧電源と、前記高電圧電源からの電力供給を受けて前記エンジンを始動させるモータと、前記高電圧電源の非接地側の端子と接地との電位差を第1の電圧として検出する手段と、前記高電圧電源の端子間電圧を第2の電圧として検出する手段と、それら検出される第1及び第2の電圧の間に所定以上のずれが生じることに基づき前記高電圧電源の接地不良を検出する接地不良検出手段と、前記接地不良が検出されるときに前記エンジンの自動停止制御を禁止する手段とを備えることをその要旨とする。
【0020】
上記構成では、高電圧電源の接地不良が検出されるときにエンジンの自動停止制御を禁止させる。このように、接地不良に起因してモータの動力不足等が生じ、始動制御に際して不都合が生じる可能性のあるときには、エンジンの自動停止制御を禁止することで、エンジンの始動制御に際しての不都合を回避することができるようになる。
【0022】
高電圧電源に接地不良があるときには、たとえ高電圧電源が接地用の配線等を備えていたとしても、高電圧電源の端子間電圧の値が高電圧電源の非接地側電位の値に対してずれたものとなる。
【0023】
この点、上記構成では、第1及び第2の電圧の間に所定以上のずれが生じることで高電圧電源の接地不良を的確に検出することができるようになる。なお、ここで所定以上のずれとは、高電圧電源の接地側の端子及び接地間の電圧降下や、高電圧電源の非接地側電位を検出する電圧検出手段の非接地側端子と高電圧電源の非接地側端子との間の電圧降下などを考慮して決定すればよい。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のエンジンの自動停止制御装置において、前記モータは、インバータを介して前記高電圧電源と接続されるとともに、前記インバータ及びDC−DCコンバータを介して前記低電圧電源と接続され、前記第1の電圧を検出する第1の電圧検出回路と、前記第2の電圧を検出する第2の電圧検出回路とを備えることをその要旨とする。
【0024】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記接地不良検出手段は、前記第1及び第2の電圧の間に所定以上のずれが所定時間以上生じたときに前記接地不良を検出するものであることをその要旨とする。
【0025】
上記構成では、第1及び第2の電圧の間に所定以上のずれが所定時間以上生じたときに接地不良を検出するようにすることで、突発的なノイズによる所定以上のずれが生じた場合等においても、これから直ちに接地不良を検出することはない。このため、ノイズの混入に起因して第1及び第2の電圧の間にずれの生じる場合等を接地不良として検出することを回避することができるようになる。
【0026】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記高電圧電源は、その接地配線がアースボルトを介して車体に電気的に接続されるとともに、同高電圧電源本体が固定用ボルトを通じて車体に固定されてなることをその要旨とする。
【0027】
上記構成では、固定用ボルトがアースボルトに類似しており、誤って固定用ボルトをアースボルトとして用いてしまうなどして電源に接地不良が生じた場合にも、これに適切に対処することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるエンジンの自動停止制御装置の一実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0029】
図1は、本実施形態にかかるエンジンの停止制御装置の全体構成を示す。同図に示すように、エンジン(内燃機関)2は自動変速機4に連結されており、その自動変速機4を通じて図示しない駆動輪へと動力を伝達するようになっている。
【0030】
エンジン2の周囲には、機械的な駆動力の供給によって駆動される補機類6や、モータジェネレータ(M/G)20が配置されている。なお、この補機類6としては、エアコンディショナ用のコンプレッサ、パワーステアリングポンプ、ウォータポンプ等が該当する。
【0031】
エンジン2の出力軸であるクランクシャフト8と、これら補機類6及びモータジェネレータ20とは、伝動ベルト10を通じて互いに駆動連結されている。また、クランクシャフト8と伝動ベルト10との間には電磁式のクラッチ12が介設されており、このクラッチ12への通電の制御に応じてクランクシャフト8と伝動ベルト10との間での動力伝達が断接されるようになっている。
【0032】
上記モータジェネレータ20は、伝動ベルト10に駆動連結されたロータ22に巻線された励磁コイル22aと、ステータ24に配設されたU相、V相、W相の電機子コイル24aとを備える巻線界磁式の三相交流回転電気機として構成されている。そして、このモータジェネレータ20は、動力を発生する電動機として、或いは伝動ベルト10からの動力伝達によって発電を行う発電機として機能するようになっている。
【0033】
そして、このモータジェネレータ20は、インバータ30を介して、高電圧(例えば36V)バッテリ40と、また、インバータ30及びDC−DCコンバータ42を介して低電圧(例えば12V)バッテリ44とそれぞれ電気接続されている。
【0034】
上記インバータ30は、上記各電機子コイル24aの各出力線31と両電源ラインHL、LLとをそれぞれ、並列接続された整流素子32及びスイッチング素子33を介して結線した三相ブリッジ回路と、上記励磁コイル22aを励磁する励磁駆動回路34とを備えている。ここで、整流素子32としては例えばダイオードを、スイッチング素子33としては例えば電解効果型トランジスタ(FET)をそれぞれ採用することができる。
【0035】
このインバータ30は、モータジェネレータ20を電動機として作動させるときには、高電圧バッテリ40に蓄電された電力を直流−交流変換して電機子コイル24aに給電する。また、インバータ30は、モータジェネレータ20を発電機として作動させるときには、発電によって電機子コイル24aから出力される交流電気を交流−直流変換して高位電源ラインHL及び低位電源ラインLLに給電する。そして、この高位電源ラインHLを通じて、高電圧バッテリ40に給電されるとともに、DC−DCコンバータ42を介して低電圧バッテリ44に給電される。
【0036】
なお、こうした高電圧バッテリ40や低電圧バッテリ44は、図2に示すように、固定用ボルトを通じて車体に固定される態様にて車両に搭載されている。すなわち、これら高電圧バッテリ40や低電圧バッテリ44は、いくつかの支持部材60〜63によって支持されるとともに、これら支持部材60〜63同士や、これら支持部材60〜63と車体(ここでは、サイドメンバ64、65)とは固定用ボルト66等によって固定されている。更に、高電圧バッテリ40は、アースケーブル69及びアースボルト70を通じて車体に電気的に接続されており、これにより接地がなされている。
【0037】
図3に、このアースボルト70の構成を示す。図3(a)はアースボルト70の斜視図であり、図3(b)はアースボルト70の側面図であり、図3(c)は図3(b)に示すアースボルト70のA−A断面図である。図3(a)に示すように、このアースボルト70は、雄ねじの形成されたねじ部71を備え、これにより車体に締め付けるようにして取り付け可能となっている。そして、このねじ部71は、ねじ山のつぶされたねじ山つぶし部71bと、ねじ山71aとを備えている。このように、ねじ部71に、ねじ山つぶし部71bを備えることで、車体に締め付けるようにして取り付ける際に、車体の塗装をはがしつつ同車体に係合させることが可能となる。これにより、このアースボルト70は、車体と良好に電気的に接続される。
【0038】
次に、本実施形態にかかるエンジンの停止制御装置の制御システムの構成を説明する。同図1に示すように、この制御システムは、電子制御装置50を中心として構成されている。電子制御装置50は、インバータ30の上記高位電源ラインHL及び接地AS間の電位を検出する電圧検出回路52や高電圧バッテリ40の両端の電圧を検出する電圧検出回路54等、エンジン2や車両の状態を検知する各種センサ類の出力信号が入力されるようになっている。
【0039】
そして、電子制御装置50は、そうした各種センサ類の検知結果に基づいてエンジン2の各種制御を行うとともに、上記クラッチ12への通電制御等も併せ行っている。更に、電子制御装置50は、インバータ30への指令信号の出力を通じて、モータジェネレータ20の作動制御も行っている。
【0040】
ここで、本実施形態にかかるエンジン2の自動停止始動制御について説明する。
本実施形態では、信号待ち等の車両の一時停止時にエンジン2の作動を一時停止する制御を行っている。電子制御装置50では、車両が一時停止状態にあることを検知すると、クラッチ12の接続を解除してクランクシャフト8と伝動ベルト10との接続を遮断した後、エンジン2を停止する。そして電子制御装置50は、高電圧バッテリ40に蓄電された電力によってモータジェネレータ20を電動機として稼動させ、その動力によって補機類6を作動させる。これにより、エンジン2の停止中も、補機類6の作動が維持される。
【0041】
またこうしたエンジン2の停止中に、Dレンジでブレーキペダルの踏み込みが解除される、或いはP、Nレンジからのシフト操作が行われると、電子制御装置50はクラッチ12を接続し、モータジェネレータ20によってクランクシャフト8を回転させる。このときモータジェネレータ20の動力は、そのクランクシャフト8から自動変速機4等を通じて駆動輪に伝達され、車両の走行が開始される。
【0042】
更にエンジン2の回転速度が所定の回転速度に達すると、ファイアリングを開始してエンジン2を再始動させる。すなわち本実施形態では、一時停止からのエンジン2の再始動時には、モータジェネレータ20がスタータモータとしての役割を果たすこととなる。そして、エンジン2が安定して自立運転するようになると、モータジェネレータ20の電動機としての稼動を停止し、エンジン2の動力によって補機類6を駆動する。またこのときモータジェネレータ20は、エンジン2の動力によって駆動され、発電機として機能する。
【0043】
次に、エンジン2の作動状態等に応じた、モータジェネレータ20の制御態様について説明する。
まず、上記エンジン2の再始動時には、電子制御装置50では、上記インバータ30の三相ブリッジ回路の各スイッチング素子33をオン/オフ制御することで、高電圧バッテリ40に蓄電された電力を直流―交流変換して電機子コイル24aに給電する。これにより、モータジェネレータ20は、電動機(モータ)として稼働するようになる。
【0044】
一方、エンジン2の作動時には、モータジェネレータ20を発電機として作動させ、ここで発電された電力を、高電圧バッテリ40に蓄電すると共に、DC−DCコンバータ42にて降圧した後、低電圧バッテリ44に蓄電する。
【0045】
詳しくは、伝動ベルト10を通じてモータジェネレータ20に動力が伝達され、これによりモータジェネレータ20のロータ22が回転する。このとき、励磁駆動回路34からの給電によってロータ22に設けられた励磁コイル22aを励磁することで、各相の電機子コイル24aに誘導起電力が発生し、発電が行われる。そして、電子制御装置50では、インバータ30を制御して、そのスイッチング素子33の位相制御によって交流−直流変換を行うか、各スイッチング素子33を解放した状態に保持し、整流素子32の整流作用のみによって交流−直流変換を行うかする。
【0046】
そしてこの際、電子制御装置50では、インバータ30の三相ブリッジ回路の出力(高圧電源ラインHLへの出力)を所定の電圧とするために、電圧検出回路52の出力をモニタしつつインバータ30を制御する。すなわち、電子制御装置50では、上記電圧検出回路52によって検出される高位電源ラインHLの電圧に応じて、励磁駆動回路34を通じて励磁コイル22aへの印加電圧を制御して、モータジェネレータ20の発電電圧の調整(例えば42Vへの調整)を行う。なお、各スイッチング素子33のオン/オフ操作を繰り返すことで発電を行う際には、上記励磁駆動回路34による励磁コイル22aへの印加電圧を制御することに加えて、スイッチング素子33のオン期間及びオフ期間の比率を制御することでも発電電流の調整を行うことができる。
【0047】
こうして電子制御装置50では、モータジェネレータ20によって発電される電力量を制御することで、上記高電圧バッテリ40や低電圧バッテリ44の蓄電量を適切な量に保つようにしている。例えば高電圧バッテリ40の蓄電量については、上記電圧検出回路54によって検出される高電圧バッテリ40の端子間の電圧と、図示しないセンサによって検出される高電圧バッテリ40との間を流れる電流量とに基づいて同蓄電量をモニタし、これに基づいて上記発電量を制御する。
【0048】
なお、低電圧バッテリ44は、上記電子制御装置50をはじめ、エンジン2の各種電子駆動式のアクチュエータ等へ電力を供給する。
次に、本実施形態にかかるエンジンの自動停止制御の実行態様について説明する。
【0049】
本実施形態では、高電圧バッテリ40の接地不良に起因してモータジェネレータ20の動力不足等が生じ、始動制御に際して不都合が生じる可能性のあるときには、エンジン2の自動停止制御を禁止することで、エンジン2の始動制御に際しての不都合の回避を図る。
【0050】
そして、本実施形態では、この高電圧バッテリ40の接地不良を、高電圧バッテリ40の端子間電圧と高電圧バッテリ40の正極電位とのずれに基づいて検出する。
【0051】
これは、高電圧バッテリ40に接地不良があるときには、たとえ高電圧バッテリ40の負極端子が接地されていたとしても、高電圧バッテリ40の端子間電圧が同高電圧バッテリ40の正極電位に対してずれたものとなるという性質に着目したものである。こうした性質のために、高電圧バッテリ40の端子間電圧と高電圧バッテリ40の正極電位とに所定以上のずれが生じることで高電圧バッテリ40の接地不良を検出することが可能となる。なお、ここで所定以上のずれとは、高電圧バッテリ40の負極端子及び接地間の電圧降下や、高電圧バッテリ40の正極端子と電圧検出回路52の正極端子との間の電圧降下などを考慮して設定すればよい。
【0052】
ここで、図4を用いて、上記エンジンの自動停止制御の禁止にかかる処理手順について更に説明する。同図4は、上記禁止制御にかかる処理手順を示すフローチャートである。この処理は、先の図1に示した電子制御装置50において、所定周期で繰り返し実行される。
【0053】
この一連の処理においては、まずステップ100において、高電圧バッテリ40の正極電位及び端子間電圧が適切な値であるとの条件の下、上記高電圧バッテリ40の端子間電圧と高電圧バッテリ40の正極電位とに所定以上のずれがあるか否かを検出する。
【0054】
ここで上記条件は、電圧検出回路52によって検出される高電圧バッテリ40の正極電位に異常がある場合や、電圧検出回路54によって検出される高電圧バッテリ40の端子間電圧に異常がある場合には、上記ずれの有無に基づいて接地不良を的確に検出することができない可能性があるために設けた。
【0055】
そして、高電圧バッテリ40の正極電位及び端子間電圧の各検出値α、βに異常がないときに、これら各検出値の差分の絶対値|α―β|を上記ずれとして検出する。そして、この絶対値|α―β|が所定値γ以上であるか否かを判断する。なお、ここで、所定値γは、所定以上のずれを示す値であり、高電圧バッテリ40に接地不良がある場合に、上記差分の絶対値|α―β|が取りうると想定される値に設定される。なお、この所定値γは、所定のマージンを設けつつも、高電圧バッテリ40に接地不良がある場合に、上記差分の絶対値|α―β|が取りうる極力小さな値に設定することが望ましい。
【0056】
そして、ステップ100において、高電圧バッテリ40の正極電位及び端子間電圧が適切な値であるとの条件の下、これら端子間電圧と正極電位とに所定以上のずれがあると判断されると、ステップ110に移行する。
【0057】
このステップ110では、異常検出時間をカウントする。これは例えば、このステップ110に移行する直前のカウント値に、この処理の周期を加算するなどして行うことができる。
【0058】
そして、ステップ120では、カウントされた異常検出時間が所定時間T以上であるか否かを判断する。この所定時間Tは、上記ずれが所定以上と検出されている継続時間に基づいて、接地不良と判断可能な値に設定される。なお、この所定時間Tは、ノイズの混入に起因して高電圧バッテリ40の端子間電圧と正極電位との間にずれ生じることに起因した接地不良の誤検出を回避することのできるような値に設定することが望ましい。また、この所定時間Tは、上記ずれが所定以上と検出されている継続時間に基づき接地不良と判断できる範囲で極力小さな値に設定することが望ましい。
【0059】
そして、ステップ120において、異常検出時間が所定時間T以上となると、ステップ130において高電圧バッテリ40の接地不良を検出し、ステップ140においてエンジン2の自動停止制御を禁止する。すなわち、車両が一時停止状態にあることが検知されたとしても、上述したエンジン2の自動停止制御を禁止する。これにより、高電圧バッテリ40に接地不良が生じており、モータジェネレータ20の動力不良が生じるなどしてエンジン2の再始動が適切に行えなくなることを回避することができる。
【0060】
なお、ステップ130において高電圧バッテリ40の接地不良が検出されたときには、ステップ140の処理に加えて、接地不良のある旨、通知する等することが望ましい。これにより、高電圧バッテリ40の接地不良に迅速に対処可能となり、この接地不良に起因して高電圧バッテリ40や低電圧バッテリ44から電力を供給される部材に様々な不都合が発生することを迅速に解消することもできる。
【0061】
一方、上記ステップ100において、高電圧バッテリ40の正極電位や端子間電圧が適切な値にないか、これら端子間電圧と正極電位とに所定以上のずれがないと判断されると、ステップ150に移行する。このステップ150においては、異常検出時間が初期化され、ステップ120に移行する。
【0062】
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)高電圧バッテリ40の接地不良が検出されたときにエンジン2の自動停止制御を禁止させた。このように、接地不良に起因してモータジェネレータ20の動力不足等が生じ始動制御に際して不都合が生じる可能性のあるときには、エンジン2の自動停止制御を禁止することで、エンジン2の始動制御に際しての不都合を回避することができるようになる。
【0063】
(2)高電圧バッテリ40の接地不良を、高電圧バッテリ40の端子間電圧の値と高電圧バッテリ40の正極電位の値とのずれに基づいて検出した。これにより、接地不良を適切に検出することができるようになる。
【0064】
(3)高電圧バッテリ40の端子間電圧の値と正極電位の値とに所定以上のずれが所定時間以上生じたときに接地不良を検出するようにすることで、ノイズの混入に起因して端子間電圧の値と正極電位の値との間にずれの生じる場合等を接地不良として誤検出することを回避することができる。
【0065】
(4)高電圧バッテリ40の正極電位及び端子間電圧が適切な値であるとの条件の下、これら端子間電圧の値と正極電位の値とに所定以上のずれがあると判断されるときに接地不良を検出することで、この接地不良の検出精度をいっそう向上させることができる。
【0066】
(5)高電圧バッテリ40の正極電位を、インバータ30の電圧制御に用いる電圧検出回路52によって検出した。これにより、何ら新たなセンサを設けることなく、接地不良の検出のための正極電位の検出を行うことができる。
【0067】
(7)高電圧バッテリ40の端子間電圧を、同高電圧バッテリ40の電圧制御に用いる電圧検出回路54によって検出した。これにより、何ら新たなセンサを設けることなく、接地不良の検出のための端子間電圧の検出を行うことができる。
【0068】
(8)アースボルト70を通じて車体に電気的に接続されるとともに、固定用ボルト66等を通じて車体に固定される態様にて高電圧バッテリ40が搭載されている車両に、当該エンジン2の自動停止制御装置を搭載した。こうした車両にあっては、アースボルト70と固定用ボルト66等が類似しており、固定用ボルト66等を誤ってアースボルト70として用いることに起因して接地不良が生じた場合であれ、これに的確に対処することができる。
【0069】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記モータジェネレータ20やインバータ30の構成は、上記実施形態で例示したものに限らない。
【0070】
・正極の電位を検出する電圧検出手段としては、上記インバータ30の電圧制御に用いる電圧検出回路52に限らない。
・高電圧バッテリ40の端子間電圧を検出する手段としては、同高電圧バッテリ40の電圧制御に用いる電圧検出回路54に限らない。
【0071】
・高電圧バッテリ40の端子間電圧と高電圧バッテリ40の正極電位とのずれに基づいて高電圧バッテリ40の接地不良を検出する検出手段としては、上記実施形態で例示したものに限らない。例えば検出手段にノイズが混入する可能性が低いなら、端子間電圧と正極電位とに所定以上のずれがあるなら、所定時間のカウントを行うことなく接地不良を検出するようにすることもできる。
【0072】
・上記実施形態では、高電圧バッテリ40の負極端子側を接地したが、これに限らず、正極端子側を接地してもよい。この場合には、高電圧バッテリ40の非接地側の端子側である負極端子と接地との電位差を第1の電圧とし、同高電圧バッテリ40の端子間電圧を第2の電圧としてこれらのずれに基づいて高電圧バッテリ40の接地不良を検出する。
【0073】
・高電圧バッテリ40の接地態様や同高電圧バッテリ40の車両への搭載態様は、先の図2に例示したものに限らない。
・その他、エンジンシステムとしては、自動変速機4を搭載しないものや、補機類6と伝動ベルト10との間に電磁クラッチを設ける等、適宜変更してよい。
【0074】
・更に、エンジンを始動させるモータの電源の接地不良を検出するものに限らず、一般に電源の接地不良を検出する際には、本発明の適用は有効である。
なお、上記実施形態及びその変形例から把握することのできる技術思想としては、以下のものがある。
【0080】
(1)請求項1〜4のいずれかに記載のエンジンの自動停止制御装置において、前記モータは、前記エンジンの駆動力によって回転されることにより発電機ともなるとともに、この発電された交流電力を所定の直流電力に変換してこれを前記高電圧電源に蓄電するインバータを備え、前記第1の電圧は、前記インバータの出力する直流電力の電圧制御に際して用いられる電圧検出手段によって検出されることを特徴とするエンジンの自動停止制御装置。
【0081】
(2)請求項1〜4又は上記(2)に記載のエンジンの自動停止制御装置において、前記接地不良検出手段は、前記第1及び第2の電圧が適切な値であるとの条件の下でこれらに所定以上のずれが生じることに基づき異常を検出するものであることを特徴とするエンジンの自動停止制御装置。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態にかかるエンジンの停止制御装置の全体構成を示す図。
【図2】同実施形態の高電圧バッテリ及び低電圧バッテリの車体への取り付け態様を示す斜視図。
【図3】同実施形態のアースボルトの構成を示す斜視図及び側面図及び断面図。
【図4】同実施形態にかかるエンジンの自動停止制御の禁止処理の手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
2…エンジン、4…自動変速機、6…補機類、8…クランクシャフト、10…伝動ベルト、12…クラッチ、20…モータジェネレータ、22…ロータ、22a…励磁コイル、24…ステータ、24a…電機子コイル、30…インバータ、31…出力線、32…整流素子、33…スイッチング素子、34…励磁駆動回路、40…高電圧バッテリ、42…DC−DCコンバータ、44…低電圧バッテリ、50…電子制御装置、52、54…電圧検出回路、60〜63…支持部材、66…固定用ボルト、69…アースケーブル、70…アースボルト。
Claims (4)
- エンジンを自動的に停止させる制御を行うエンジンの自動停止制御装置において、
高電圧電源及び低電圧電源と、前記高電圧電源からの電力供給を受けて前記エンジンを始動させるモータと、前記高電圧電源の非接地側の端子と接地との電位差を第1の電圧として検出する手段と、前記高電圧電源の端子間電圧を第2の電圧として検出する手段と、それら検出される第1及び第2の電圧の間に所定以上のずれが生じることに基づき前記高電圧電源の接地不良を検出する接地不良検出手段と、前記接地不良が検出されるときに前記エンジンの自動停止制御を禁止する手段とを備える
ことを特徴とするエンジンの自動停止制御装置。 - 請求項1に記載のエンジンの自動停止制御装置において、
前記モータは、インバータを介して前記高電圧電源と接続されるとともに前記インバータ及びDC−DCコンバータを介して前記低電圧電源と接続され、
前記第1の電圧を検出する第1の電圧検出回路と、前記第2の電圧を検出する第2の電圧検出回路とを備える
ことを特徴とするエンジンの自動停止制御装置。 - 前記接地不良検出手段は、前記第1及び第2の電圧の間に所定以上のずれが所定時間以上生じたときに前記接地不良を検出するものである
請求項1又は2に記載のエンジンの自動停止制御装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のエンジンの自動停止制御装置において、
前記高電圧電源は、その接地配線がアースボルトを介して車体に電気的に接続されるとともに、同高電圧電源本体が固定用ボルトを通じて車体に固定されてなる
ことを特徴とするエンジンの自動停止制御装置。
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