JP4063010B2 - 再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は再生装置に係り、特に光ディスク等の記録媒体から再生された、ランレングス制限符号を波形等化する波形等化回路を備えた再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ランレングス制限符号が高密度記録された光ディスク等の記録媒体から当該ランレングス制限符号を再生する再生装置では、再生信号の波形歪を除去し、確からしい2値情報を得るため、パーシャルレスポンス(PR)等化特性を持つ波形等化回路と最尤復号(ML:maximum likelihood)を組み合わせたPRMLと呼ばれる技術を使用するものが、従来から知られている。さらに、システムクロックの周波数を下げる、若しくは相対的に回路のスピードを上げる目的で、パラレル処理するものも従来から知られている。
【0003】
図43はこの従来の再生装置の一例のブロック図を示す。同図において、ランレングス制限符号が高密度記録された光ディスク15からPDヘッドアンプ16で光電変換及び増幅されたランレングス制限符号(ディジタル信号)は、低域フィルタ(LPF)17を用いて高域(ノイズ)成分が阻止され、続いてA/D変換器18を通し、必要に応じて図示しないAGC回路で振幅が一定になるように自動利得制御(AGC)された後、リサンプリングDPLL19に供給される。
【0004】
リサンプリングDPLL19は、自分自身のブロックの中でループが完結しているディジタルPLL回路で、A/D変換器18により固定のシステムクロックでサンプリングされている入力信号に対し、所望のビットレートでリサンプリングしたディジタルデータ(すなわち、ディジタルデータの位相0°、180°のうち、180°のリサンプリング・データ)を生成し、適応等化回路20に供給する。
【0005】
なお、ここでリサンプリングとは、ビットクロックのタイミングにおけるサンプリングデータを、システムクロックのタイミングでA/D変換したデータより間引き補間演算をして求めることをいう。このとき、データを奇数番目のデータφ3と偶数番目のデータφ4に振り分けて後述する適応等化回路20へ出力する。適応等化回路20は、奇数等化後データφ9と偶数等化後データφ10を生成し、それらを復号回路31に供給して、例えばビタビ復号させる。ECC回路32は、復号回路31からの復号データ系列中の誤り訂正符号を用い、その誤り訂正符号の生成要素の符号誤りを訂正し、誤りの大幅に低減された復号データ(奇数番目データ及び偶数番目データ)を出力する。
【0006】
図44は図43中の適応等化回路20の一例のブロック図を示す。図44に示すように、適応等化回路20はリサンプリングDPLL19からのリサンプリング・データφ3に対してPR等化特性を付与するトランスバーサルフィルタ(TVF)21aと、このトランスバーサルフィルタ21aの係数をエラー信号に応じて可変する乗算器・低域フィルタ(LPF)22aと、トランスバーサルフィルタ21aの出力信号に基づいてエラー信号ERRaを生成する仮判別回路24aと、エラー信号ERRaを極性反転して乗算器・LPF22aに供給するインバータ(INV)25aとよりなる回路部EQ1と、リサンプリングDPLL19からのリサンプリング・データφ4に対してPR等化特性を付与するトランスバーサルフィルタ(TVF)21bと、このトランスバーサルフィルタ21bの係数をエラー信号に応じて可変する乗算器・低域フィルタ(LPF)22bと、トランスバーサルフィルタ21の出力信号に基づいてエラー信号ERRbを生成する仮判別回路24bと、エラー信号ERRbを極性反転して乗算器・LPF22bに供給するインバータ(INV)25bとよりなる回路部EQ2とより構成されている。上記のトランスバーサルフィルタ21a、21bから前述した奇数等化後データφ9、偶数等化後データφ10が出力される。
【0007】
入力される再生信号の最高周波数がサンプリングクロックに対して十分に低い条件においては、このような構成を行い、一つおきの符号間干渉のみに限定して除去することでも、満足な性能を得ることができる場合がある。このとき、演算処理時間を半分にすることができる。
【0008】
さらに、光ディスクにおいては、光ヘッドのレーザーパワーなどの影響により、上下非対称性(アシンメトリ)が生ずるので、これに対応して、ビタビ複号の目標値を適応的に変化させると良い性能が得られる場合がある。図45はこの従来の再生装置の一例のブロック図を示す。同図中、図43と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0009】
図45において、適応等化回路30はリサンプリングDPLL19からのリサンプリング・データφ3、φ4に対してPR等化特性を付与した波形等化後データφ9、φ10を復号回路35へ出力すると共に、リサンプリング・データφ3、φ4に基づいて演算した目標値群AMa及びAMbを復号回路35に供給している。
【0010】
図46は図45中の適応等化回路30の一例のブロック図を示し、図44と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図46において、仮判別回路26aからの仮判別情報TDaと、TVF21aからの波形等化後データφ9は、目標値演算回路27aに供給され、ここで目標値群AMaが演算生成される。また、仮判別回路26bからの仮判別情報TDbと、TVF21bからの波形等化後データφ10は、目標値演算回路27bに供給され、ここで目標値群AMbが演算生成される。
【0011】
図47は図46の目標値演算回路27aもしくは27bの一例のブロック図を示す。図47の目標値演算回路27(図46の27a、27b)は、n個の低域フィルタ(LPF)271〜27nが並列に配置された構成であり、仮判別情報TDaまたはTDbに従い、波形等化後データφ9またはφ10とTDaまたはTDbとの差をそれぞれの仮判別値毎にフィルタリングしていく。
【0012】
LPF271〜27nは、()内の数字とTDaまたはTDbの数字が一致したときだけイネーブル動作をする。このようにすることで、最尤復号(ビタビ復号)の目標値が適応的に変化するので、アシンメトリがずれても、エラーレートを低減することができる。
【0013】
再び図45に戻って説明するに、適応等化回路30から出力された目標値群AMa及びAMbは復号回路35に供給される。PRMLの基本的な考え方としては、まず、適応等化回路30がビタビと同じ目標値に等化し、その目標値からの誤差の自乗(ブランチメトリック)を、考えられるパス(状態遷移)に対して累積加算し、その値(パスメトリック)が最も小さくなるようにパスをビタビが選択する。結果として、1つのサンプリングポイントの情報に基づいて復号するビットバイビット復号よりも、複数の情報に基づいて復号するビタビ復号の方がエラーが少なくなる。
【0014】
適応等化回路30から出力される波形等化後のデータφ9、φ10は、復号回路35内のブランチメトリック演算回路に供給され、ここで各目標値との減算が行われ、更に自乗されて、パスメトリック演算回路に供給される。パスメトリック演算回路は、ブランチメトリック演算回路の出力信号を元に、考え得るパスに対してブランチメトリックの累積を行い、パスメトリックをパスメモリ演算回路に供給する。パスメモリ演算回路では、正しいパスの結果をデータに反映させる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、従来の再生装置は、適応回路20、30が図44、図46に示したように、タップ係数毎に存在する乗算器+LPF22a、22bの構成が複雑であり、実際、システム全体からみて、これらの回路規模は半分以上を占めている。つまり、従来の再生装置は、システムクロックの低減と回路規模削減の両立が十分ではない。
【0016】
また、上記の従来の再生装置において、実際には、伝送系の伝送特性によって歪が生じ、正しい目標値に等化されない場合が存在する。特に光ディスクの場合、レーザーの記録・再生パワーや、記録媒体の特性によって、このような状態となる。このとき、レベルの中心(ゼロクロス付近)から離れたところにおいては、目標値から一定方向にずれる直流的なずれ、かつ、目標値からのばらつきを示す交流的なずれの双方が大きくなる可能性が高い。これは、ブランチメトリックを計算する場合にも、この直流的なずれがそのままパスメトリックに反映されるため、相対的にゼロクロス付近の情報の重み付けが下がり、正しいパスを選択できなくなる要因となる。つまり、ビタビ本来の改善効果が発揮できなくなる。
【0017】
これをヒストグラムで示したものを図48に示す。これは5値によるPR(1,1,1,1)波形等化データ(ただし、3T系の場合)のヒストグラムを示す。同図において、横軸はレベルであり、縦軸は出現頻度である。表示からの直流的なずれ及び交流的なずれが大きいことが分かる。
【0018】
この問題を解決する第1の方法は、適応等化回路より受け渡された目標値群の全部若しくは一部をそのままビタビの目標値として置き換えてしまう方法である。このようにすることで目標値から一定方向にずれる直流的なずれは軽減することができる。
【0019】
上記の問題を解決する第2の方法は、適応等化回路にて、ゼロクロス付近のエラーだけに基づいて等化エラーを生成することで、等化後の信号波形を変えることである。このようにすることで、目標値からのばらつきを示す交流的なずれも小さくなる。上記の問題を解決する第3の方法は、上下非対称性に適応的に対応するため、上下の目標値の平均をとるなどの演算を行って新しい目標とすることである。
【0020】
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、システムクロック周波数を従来の半分に下げたことによる回路の並列処理化の増大を、軽減し得る再生装置を提供することを目的とする。
【0021】
また、本発明の他の目的は、ゼロクロスから離れた目標値に対応する歪みを含むエラー信号を無効化し、ゼロクロス付近の確からしいエラー信号だけを有効成分として取り出すことにより、再生信号の歪が大きく、パーシャルレスポンス等化しきれない場合でも、目標値とのずれが小さく、正しくエラー信号を抽出でき、結果としてエラーレートを向上することができる再生装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、第1の発明の再生装置は、記録媒体に記録されているランレングス制限符号を再生し、その再生信号をトランスバーサルフィルタを用いてパーシャルレスポンス等化した後復号する再生装置において、再生信号をサンプリングした信号、もしくはサンプリング信号をさらにリサンプリング補間して得られる信号を、偶数番目の再生データ信号と奇数番目の再生データ信号とに振り分けて出力するサンプリング出力手段と、偶数番目の再生データ信号をタップ係数に基づきフィルタリングして、偶数フィルタリング後信号として出力する偶数フィルタリング手段と、奇数番目の再生データ信号をタップ係数に基づきフィルタリングして、奇数フィルタリング後信号として出力する奇数フィルタリング手段と、偶数フィルタリング後信号の仮判別値を算出し、その仮判別値と偶数フィルタリング後信号との差分値を偶数エラー信号として出力する偶数仮判別手段と、奇数フィルタリング後信号の仮判別値を算出し、その仮判別値と奇数フィルタリング後信号との差分値を奇数エラー信号として出力する奇数仮判別手段と、偶数仮判別手段の偶数エラー信号と奇数仮判別手段の奇数エラー信号の一方を、選択信号に基づいて選択して選択後エラー信号として出力するエラー信号選択手段と、偶数番目の再生データ信号と奇数番目の再生データ信号の一方を、選択信号に基づいて選択して選択後データ信号として出力するデータ信号選択手段と、選択後エラー信号と選択後データ信号に基づき、偶数フィルタリング手段及び奇数フィルタリング手段のタップ係数を選択後エラー信号が最小になるように可変制御する係数生成手段と、再生信号のデータパターンに基づき、選択信号を生成する選択信号生成手段とを有する構成としたものである。
【0023】
この発明では、フィルタリング手段のタップ係数を可変制御する係数生成手段の時定数が大きいことに着目し、再生信号のデータパターンに基づき選択信号を生成して、偶数仮判別手段の出力エラー信号と奇数仮判別手段の出力エラー信号の一方を選択すると共に、偶数番目の再生データ信号と奇数番目の再生データ信号の一方を選択し、これら選択後のエラー信号と選択後のデータ信号に基づき、偶数フィルタリング手段及び奇数フィルタリング手段のタップ係数をエラー信号が最小になるように可変制御するようにしたため、比較的に回路規模の大きい係数生成手段を偶数フィルタリング手段と奇数フィルタリング手段に共用することができる。
【0024】
また、上記の目的を達成するため、第2の発明の再生装置は、第1の発明における偶数仮判別手段及び奇数仮判別手段を、偶数番目の再生データ信号及び奇数番目の再生データ信号の両方に基づき、ゼロクロスポイントか否かを検出して0ポイント情報を出力する検出手段と、検出手段よりビットクロックに同期して取り出される0ポイント情報を、少なくとも連続して3つ出力する遅延回路を共通に有する構成とし、パーシャルレスポンス等化の種類を示すPRモード信号と、再生信号のランレングス制限符号の種類を示すRLLモード信号と、遅延回路からの複数の0ポイント情報と、偶数フィルタリング後信号又は奇数フィルタリング後信号を入力として受け、PRモード信号とRLLモード信号で定まる状態遷移と、複数の0ポイント情報のパターンとに基づき、偶数フィルタリング後信号の仮判別値、又は奇数フィルタリング後信号の仮判別値を算出することを特徴とする。
【0025】
また、上記の目的を達成するため、第3の発明の再生装置は、偶数フィルタリング後信号と奇数フィルタリング後信号の一方を、選択信号に基づいて選択して選択後フィルタリング後信号として出力するフィルタリング後信号選択手段と、偶数仮判別手段の仮判別値と奇数仮判別手段の仮判別値の一方を、選択信号に基づいて選択して選択後仮判別値として出力する仮判別値選択手段と、選択後フィルタリング後信号と選択後仮判別値に基づき、各仮判別値に応じて誤差成分の低周波成分を目標値として抽出する少なくとも1つ以上のフィルタを有するフィルタ手段とを有し、フィルタ手段からの目標値を定めて偶数フィルタリング後信号と奇数フィルタリング後信号を最尤復号する構成としたものである。
【0026】
この発明では、偶数フィルタリング後信号と奇数フィルタリング後信号の一方を選択信号に基づいて選択すると共に、偶数仮判別手段の仮判別値と奇数仮判別手段の仮判別値の一方を選択信号に基づいて選択し、これら選択後のフィルタリング後信号と選択後の仮判別値に基づき、偶数フィルタリング後信号と奇数フィルタリング後信号をそれぞれ最尤復号するときに使用する目標値を共通に生成するようにできる。
【0027】
また、上記の目的を達成するため、第4の発明の再生装置は、上記の選択信号生成手段を、偶数番目の再生データ信号と奇数番目の再生データ信号、又は偶数フィルタリング後信号と奇数フィルタリング後信号のいずれかがゼロクロスポイントを示すときに、偶数0ポイント情報を順次遅延させる偶数ゼロクロス用タップ及び奇数0ポイント情報を順次遅延させる奇数ゼロクロス用タップと、偶数ゼロクロス用タップの出力する複数の0ポイント情報と、奇数ゼロクロス用タップの出力する複数の0ポイント情報に基づき、ゼロクロスが一方に偏らないように論理制御された選択信号を発生する論理制御手段とを有することを特徴とする。
【0028】
また、上記の目的を達成するため、第5の発明の再生装置は、サンプリング手段を、再生信号をA/D変換器によりシステムクロックでサンプリングして得たディジタル信号を入力信号として受け、所望のビットレートでリサンプリングした偶数番目の再生データ及び奇数番目の再生データを生成して偶数フィルタリング手段及び奇数フィルタリング手段に供給すると共に、ゼロクロスポイントか否かを検出して0ポイント情報を出力するリサンプリングDPLLにより構成したことを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。図1は本発明になる再生装置の第1の実施の形態のブロック図を示す。同図中、図43と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図1において、適応等化回路40はリサンプリングDPLL19からのリサンプリング・データφ3、φ4に対してPR等化特性を付与した波形等化後データφ9、φ10を復号回路36へ出力すると共に、リサンプリング・データφ3、φ4に基づいて演算した目標値群AMを復号回路36に供給する。なお、A/D変換器18を設ける位置は、リサンプリングDPLL19の前であればどこであってもよい。
【0030】
ここで、リサンプリングDPLL19について、更に詳細に説明する。図2はリサンプリングDPLL19の一実施の形態のブロック図を示す。同図に示すように、リサンプリングDPLL19は、補間器191、位相検出器192、ループフィルタ193及びタイミング発生器194からなる一巡のフィードバックループ回路であり、補間器191には図1のA/D変換器18からの再生ディジタル信号φ0と、タイミング発生器194からのデータ点位相情報とビットクロックが入力され、再生ディジタル信号φ0の位相点データのデータ値が補間により推定されて出力される。
【0031】
補間器191の出力データ値であるφ1及びφ2は、リサンプリング・データとして位相検出器192に供給される。位相検出器192は図1の適応等化回路40へ奇数再生データφ3及び偶数再生データφ4を出力する一方、位相誤差信号を生成し、ループフィルタ193に供給し、ここで積分させた後、タイミング発生器194に供給する。タイミング発生器194は入力されるループフィルタ193からのデータに基づいて、次のデータ点位相の推定を行い、このデータ点位相情報と同じく生成されたビットクロックを補間器191へ出力する。リサンプリングDPLL19から適応等化回路40に受け渡されるデータと、時間軸どおりに並べたサンプル点の関係を図3に示す。
【0032】
再び図1に戻って説明するに、適応等化回路40から波形等化されて出力されたデータφ9、φ10は復号回路36に供給される。このとき、ビタビ復号の目標値として、適応等化回路40の内部で演算して得られた目標値群AMが復号回路36に供給される。復号回路36は、従来の復号回路31と異なり、ビタビ復号の目標値が固定値ではなく、適応等化回路40から供給される所定の処理をされた目標値群AMに基づきビタビ復号を行うため、より適切な復号ができる。
【0033】
図4は適応等化回路40の一実施の形態のブロック図を示す。同図において、リサンプリングDPLL19からのリサンプリング・データφ3に対してPR等化特性を付与するトランスバーサルフィルタ(TVF)41aと、トランスバーサルフィルタ41aの出力信号に基づいてエラー信号ERRaを生成する仮判別回路42aと、エラー信号ERRaを極性反転するインバータ(INV)43aとからなるイコライザ回路部EQ1と、リサンプリングDPLL19からのリサンプリング・データφ4に対してPR等化特性を付与するトランスバーサルフィルタ(TVF)41bと、トランスバーサルフィルタ41bの出力信号に基づいてエラー信号ERRbを生成する仮判別回路42bと、エラー信号ERRbを極性反転するインバータ(INV)43bとからなるイコライザEQ2を有する。トランスバーサルフィルタ41a及び41bのフィルタ係数は共通(Ca1〜Ca5)である。
【0034】
更に、適応等化回路40は、ゼロクロス検出器44a及び44bと、これらゼロクロス検出器44a及び44bの出力ゼロクロス情報ZZa及びZZbに基づき制御信号CTLを発生する制御信号発生器45と、フィルタ係数Ca1〜Ca5を出力する乗算器及び低域フィルタ(LPF)47と、スイッチ46a、46b、48a及び48bと、目標値演算回路49を有している。
【0035】
スイッチ46bは、インバータ(INV)43aの出力エラー信号とインバータ(INV)43bの出力エラー信号の一方を、制御信号CTLに応じて選択して新しいエラー信号として乗算器+低域フィルタ(LPF)47に供給する。スイッチ46aは、φ3とφ4の一方を制御信号CTLに応じて選択して新しい再生データとして乗算器+低域フィルタ(LPF)47に入力する。乗算器+低域フィルタ(LPF)47は、これらの入力信号の関係に応じて、TVF41a及び41bへ出力するフィルタ係数Ca1〜Ca5を可変する。
【0036】
制御信号発生器45は以下のようにして制御信号CTLを生成する。リサンプリングPLL19から入力される、リサンプリング信号である奇数番目再生データφ3又は適応等化回路40から出力される波形等化後データφ9がゼロクロス検出器44aに供給され、ここでゼロクロスが検出されてゼロクロス情報ZZaとして制御信号発生器45に供給される。一方、リサンプリングPLL19から入力される、リサンプリング信号である偶数番目再生データφ4又は適応等化回路40から出力される波形等化後データφ10がゼロクロス検出器44bに供給され、ここでゼロクロスが検出されてゼロクロス情報ZZbとして制御信号発生器45に供給される。
【0037】
図5は制御信号発生器45の要部の一例の回路系統図を示す。同図に示すように、制御信号発生器45は、ゼロクロス情報ZZaとゼロクロス情報ZZbは、それぞれ多段縦続接続されたラッチ回路452〜454と、ラッチ回路455〜457に入力される。また、これらのラッチ回路452〜457には2入力OR回路451により得られたゼロクロス情報ZZaとゼロクロス情報ZZbの論理和信号がイネーブル信号として供給されており、ゼロクロス情報ZZaとゼロクロス情報ZZbのいずれかがゼロクロスを示しているときに、多段ラッチ回路452〜454と、455〜457が順次情報を遅延する。多段ラッチ回路452〜454と、455〜457のタップ出力TZa及びTZbに基づき、制御信号発生器45内の演算部は図6に示すフローチャートによって制御信号CTLを生成する。
【0038】
図6において、TZaが0000、TZbが1111であるか否かを判別し(ステップS1)、その場合には入力信号のパターンが偏っていると判断し、状態を反転させる。つまり、スイッチ46a及び46b、48a及び48bを切り替えるための制御信号を出力する。TZaが0000、TZbが1111でない場合には、TZaが1111、TZbが0000であるか否かを判別し(ステップS2)、その場合には入力信号のパターンが偏っていると判断し、状態を反転させる。つまり、スイッチ46a及び46b、48a及び48bを切り替えるための制御信号を出力する。TZaが1111、TZbが0000でない場合には、状態を保持する。つまり、スイッチ46a及び46b、48a及び48bの接続状態を保持する制御信号を出力する。
【0039】
再び図4に戻って説明するに、仮判別回路42aにより得られた仮判別情報TDaと仮判別回路42bにより得られた仮判別情報TDbは、制御信号CTLによって切り替わるスイッチ48aにより一方が選択されて新しい仮判別情報TDsとして目標値演算回路49に供給される。同様に、波形等化後データφ9とφ10は、制御信号CTLによって切り替わるスイッチ48bにより一方が選択されて新しいフィルタリング後信号RDsとして目標値演算回蕗49に供給される。
【0040】
図7は目標値演算回路49の一例のブロック図を示す。目標値演算回路49は、n個の低域フィルタ(LPF)491〜49nが並列に配置された構成であり、前述したスイッチ48aに選択された仮判別情報TDsに従い、前述したスイッチ48bに選択された新しいフィルタリング信号RDsとTDsとの差をそれぞれの仮判別値毎にフィルタリングしていく。
【0041】
LPF491〜49nは、()内の数字とTDsの数字が一致したときだけイネーブル動作をする。このようにすることで、最尤復号(ビタビ復号)の目標値が適応的に変化するので、アシンメトリがずれても、エラーレートを低減することができる。この目標値演算回路49は図47に示した目標値演算回路27(図46の27a、27b)と同じ構成であり、入出力信号が異なるだけである。
【0042】
以上の動作により、図4に示したように、比較的に回路規模の大きい乗算器+低域フィルタ(LPF)47と目標値演算回路49を、イコライザ回路EQ1及びEQ2に共通の一本化した構成とすることが可能となるため、従来に比べて大幅に回路規模を削減することができる。これは乗算器+低域フィルタ(LPF)47と目標値演算回路49の時定数が大きいことに着目し、時分割処理を行い、かつ、偏ったパターンに陥らないように制御信号発生器45を設けたことによって実現されている。
【0043】
次に、本発明再生装置における復号回路36の具体的な実施の形態について図面と共に説明する。図8は本発明再生装置における復号回路36の一実施の形態のブロック図を示す。同図において、適応等化回路40より出力された波形等化後データφ9、φ10は、各々ブランチメトリック演算回路361a、361bに入力され、それぞれのブランチメトリック(状態遷移によって示される、取り得る全ての値との差、つまりユークリッド距離を2乗したもの、若しくはそれに負の極性を付加したもの)が演算される。
【0044】
その結果(この場合は、ブランチメトリック演算回路361aより得られるbm_p3a、bm_p2a、bm_p1a、bm_0a、bm_m1a、bm_m2a、bm_m3a、及びブランチメトリック演算回路361bより得られるbm_p3b、bm_p2b、bm_p1b、bm_0b、bm_m1b、bm_m2b、bm_m3b)は、パスメトリック演算回路362に供給され、パスメトリック演算の過程で得られるパスメモリ制御信号(ctl1a、ctl2a、ctl3a、ctl4a、及びctl1b、ctl2b、ctl3b、ctl4b)が、パスメモリ演算回路363に供給される。パスメモリ演算回路363は、パスメモリ制御信号に基づき、復号後データφ11、φ12を出力する。
【0045】
図9はブランチメトリック演算回路361a又は361bの一例のブロック図を示す。図17(C)に示した状態遷移図の入力値をそれぞれ図9の右に示したように、aim_p3、aim_p2、aim_p1、aim_0、aim_m1、aim_m2、aim_m3に割り当てたとすると、入力された信号とそれぞれの値を減算器371〜377で減算し、その減算結果を対応する2乗演算ブロック381〜387に供給して2乗演算し、その演算結果をブランチメトリックとして出力する。
【0046】
前記第1及び第2の方法では、目標値aim_p3、aim_p2、aim_p1、aim_0、aim_m1、aim_m2、aim_m3の全部若しくは一部を適応等化の目標値群AMに置き換えればよい。前記第3の方法では、例えば目標値群AMの値をaim_p3_am、aim_p2_am、aim_p1_am、aim_0_am、aim_m1_am、aim_m2_am、aim_m3_amとすると、
aim_p3_am'={abs(aim_p3_am)+abs(aim_m3_am)}/2
aim_m3_am'={−aim_m3_am'}}
ただし、上式中、absは絶対値演算を示す。また、上記の演算に替えて
aim_meen={(aim_p3_am−aim_p2_am)+(aim_m2_am−aim_m3_am)}/2
aim_p3_am'=aim_p2_am+aim_meen
aim_m3_am'=aim_m2_am−aim_meen
などとして、目標値を置き換えればよい。
【0047】
このようにして、前記第1乃至第3の方法のいずれかの方法を使った結果をヒストグラムで示したものが図10である。図10において、横軸はレベルであり、縦軸は頻度である。図10は、ゼロクロス付近の内側3値によるPR(1,1,1,1)波形等化データのヒストグラムで、矢印で示す新しい目標値から見ると、直流的なずれ及び交流的なずれの双方が軽減していることが分かる。
【0048】
次に、本発明の第2の実施の形態について図面と共に説明する。図11は本発明になる再生装置の第2の実施の形態のブロック図を示す。同図中、図1と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図11に示す第2の実施の形態では、図1のリサンプリングDPLL19の代わりに、リサンプリングDPLL51が挿入されており、リサンプリング信号φ3、φ4に加えて、ゼロクロス情報ZDa及びZDbが適応等化回路52に供給される点に特徴がある。
【0049】
ここで、リサンプリングDPLL51について、更に詳細に説明する。図12はリサンプリングDPLL51の一実施の形態のブロック図を示す。同図において、図2と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図12において、位相検出器511は補間器191からのリサンプリング・データφ1及びφ2を入力として受け、図11の適応等化回路52へ奇数再生データφ3及び偶数再生データφ4を出力する一方、0ポイント情報ZDa及びZDbを生成し、適応等化回路52へ供給する。0ポイント情報のタイミング、つまりゼロクロス点は、位相誤差信号を生成する際に、すでに把握しているはずである。リサンプリングDPLL51から適応等化回路52に受け渡されるデータと、時間軸どおりに並べたサンプル点の関係を図13に示す。
【0050】
再び図11に戻って説明するに、適応等化回路52においてフィルタリングされた信号φ9、φ10は復号回路38に供給される。このとき、ビタビ復号の目標値として、適応等化回路52の内部で演算して得られた目標値群AMを復号回路38に供給する。
【0051】
図14は適応等化回路52の一実施の形態のブロック図を示す。同図中、図4と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図14に示すように、適応等化回路52は、リサンプリングDPLL51からの0ポイント情報ZDa,ZDbに基づいて制御信号CTLを発生する制御信号発生器54と、上記の0ポイント情報ZDa、ZDbを遅延するタップ遅延回路55と、乗算器+LPF47と、イコライザ回路EQ1及びEQ2と、目標値演算回路49とから構成されている。
【0052】
イコライザ回路EQ1は、トランスバーサルフィルタ(TVF)41aと、トランスバーサルフィルタ41aの出力信号とタップ遅延回路55からの遅延信号Za1〜Za5とに基づいてエラー信号ERRaを生成する仮判別回路56aと、エラー信号ERRaを極性反転するインバータ(INV)43aとより構成されている。また、イコライザ回路EQ2は、トランスバーサルフィルタ(TVF)41bと、トランスバーサルフィルタ41bの出力信号とタップ遅延回路55からの遅延信号Zb1〜Zb5とに基づいてエラー信号ERRbを生成する仮判別回路56bと、エラー信号ERRbを極性反転するインバータ(INV)43bとより構成されている。
【0053】
仮判別回路56a及び56bは論理回路により構成されており、入力された信号に基づいて、後述のアルゴリズムに従ってパーシャルレスポンス特性の性質を巧みに利用した仮判別動作を行う。タップ遅延回路55は、例えば図15に示す如き回路構成とされている。図16は図15の中のLMの内部回路を示す。また、仮判別回路56a及び56bは、例えば図17に示す如き回路構成とされている。
【0054】
タップ遅延回路55は、図15に示すように、リサンプリングDPLL51からの0ポイント情報ZDa及びZDbを遅延素子(Delay)101a、101bでそれぞれ遅延して遅延信号Za1、Zb1として出力すると共に、更に4段縦続接続されたラッチモジュール(LM)102〜105を通して、それぞれ遅延し、それぞれから遅延信号Za2及びZb2、Za3及びZb3、Za4及びZb4、Za5及びZb5を出力する。
【0055】
上記のLM102〜105は、それぞれ同一構成で図16に示すように、D型フリップフロップ106で構成された遅延回路部とそのままスルーで入力信号を出力する非遅延回路部からなる回路である。なお、LM102〜105内のD型フリップフロップの各イネーブル端子(図示省略)にはビットクロックがそれぞれ入力されており、また、各クロック端子にはシステムクロックがそれぞれ入力され、更に各クリア端子にはリセット信号がそれぞれ入力される。
【0056】
また、仮判別回路56a及び56bは同一構成で、それぞれ図17に示すように、仮判別器110a(または110b)と減算器111a(または111b)により構成されている。仮判別器110a(または110b)には、トランスバーサルフィルタ41a(または41b)からのデータと、タップ遅延回路55の出力遅延信号と、後述のPRモード信号と、後述のRLLモード信号とが入力される。減算器111a(または111b)は入力データφ3(またはφ4)から、仮判別器110a(または110b)からの仮判別結果を差し引いてエラー信号を生成する。
【0057】
このように、タップ遅延回路55と仮判別回路56a及び56bは、いずれもディジタル回路で構成されるため、アナログ特有の経時変化・パラメータばらつきの影響を受けることがなく、信頼性が高く、しかも回路規模も殆ど増えることのない構成である。
【0058】
再び図14に戻って説明するに、図4と異なる点として、0ポイント情報ZDa,ZDbに基づいて制御信号CTLを生成する制御信号発生器54がある。図18は制御信号発生器54の要部の一例の回路系統図を示す。同図に示すように、制御信号発生器54は、0ポイント情報ZDaと0ポイント情報ZDbは、それぞれ多段縦続接続されたラッチ回路542〜544と、ラッチ回路545〜547に入力される。
【0059】
また、これらのラッチ回路542〜547には2入力OR回路541により得られた0ポイント情報ZDaと0ポイント情報ZDbの論理和信号がイネーブル信号として供給されており、0ポイント情報ZDaと0ポイント情報ZDbのいずれかが0ポイントを示しているときに、多段ラッチ回路542〜544と、545〜547が順次情報を遅延する。多段ラッチ回路542〜544と、545〜547のタップ出力TZa及びTZbに基づき、制御信号発生器54内の演算部は図19に示すフローチャートによって制御信号CTLを生成する。
【0060】
図19において、TZaが0000、TZbが1111であるか否かを判別し(ステップS11)、その場合には入力信号のパターンが偏っていると判断し、状態を反転させる。つまり、図14のスイッチ46a及び46b、48a及び48bを切り替えるための制御信号を出力する。TZaが0000、TZbが1111でない場合には、TZaが1111、TZbが0000であるか否かを判別し(ステップS12)、その場合には入力信号のパターンが偏っていると判断し、状態を反転させる。つまり、スイッチ46a及び46b、48a及び48bを切り替えるための制御信号を出力する。TZaが1111、TZbが0000でない場合には、状態を保持する。つまり、スイッチ46a及び46b、48a及び48bの接続状態を保持する制御信号を出力する。
【0061】
再び図14に戻って説明するに、仮判別回路56aから出力される仮判別情報TDaと仮判別回路52から出力される仮判別情報TDbは、制御信号発生器54から出力される制御信号CTLによって切り替わるスイッチ48aにより一方が選択されて、新しい仮判別情報TDsとして目標値演算回路49に供給される。同様に、フィルタリングされたデータφ9とφ10は、制御信号発生器54から出力される制御信号CTLによって切り替わるスイッチ48bにより一方が選択されて、新しいフィルタリング後信号RDsとして目標値演算回路49に供給される。
【0062】
次に、パーシャルレスポンス(PR)特性について説明するに、例えばPR(a,b,b,a)の特性を図20(A)に示す孤立波に付与して等化すると、その等化波形はよく知られているように図20(B)に示すようになる。更に、連続波では、この等化波形は、0,a,a+b,2a,2b,a+2b,2a+2bの7値をとる。この7値をビタビ復号器に入力すると、元のデータ(入力値)とPR等化後の再生信号(出力値)は、過去の信号の拘束を受け、これと(1,7)RLLによって入力信号の”1”は2回以上続かないことを利用すると、図20(C)に示すような状態遷移図で表わすことができることが知られている。
【0063】
図20(C)において、S0〜S5は直前の出力値により定まる状態を示す。この状態遷移図から例えば状態S2にあるときは、入力値がa+2bのとき出力値が1となって状態S3へ遷移し、入力値が2bのとき出力値が1となって状態S4へ遷移するが、それ以外の入力値は入力されないことが分かり、また、もし入力されればそれはエラーであることが分かる。
【0064】
図21は上記のPR(a,b,b,a)の特性とランレングス制限規則RLLモードと仮判別器110a(または110b)の出力する仮判定値との関係を示す図である。同図において、一番上の行のPRモードは、仮判別回路56a(または56b)に入力される信号の値を示しており、一番左の列のRLLモードは、仮判別回路56a(または56b)の仮判別器110a(または110b)に入力される信号を示しており、ここではRLL(1,X)とRLL(2,X)を示している。
【0065】
PRモードの値はパーシャルレスポンス特性がPR(1,1)、PR(1,1,1)、PR(1,2,2,1)、PR(1,3,3,1)、PR(2,3,3,2)及びPR(3,4,4,3)のいずれであるかを示す。また、RLL(1,X)は最小反転間隔が”2”で、最大反転間隔が変調方式によって異なる所定の値Xのランレングス制限規則を示し、RLL(2,X)は最小反転間隔が”3”で、最大反転間隔が変調方式によって異なる所定の値Xのランレングス制限規則を示している。
【0066】
RLL(1,X)の場合は、図20と共に説明したように、等化波形は、PR(a,b,b,a)では0,a,a+b,2a,2b,a+2b,2a+2bの7値をとり、これらに対応した各パーシャルレスポンス特性における仮判定値が図21に示されている。仮判定値のうち、矢印の右側の値が上記の7値の中央値である「a+b」が”0”になるようにオフセットしたときの値を示す。RLL(2,X)はRLL(1,X)と同様の仮判定値を示すが、RLL(1,X)の2a、2bで示す2行の値は存在しない。これは、図20(C)の状態遷移図のS5→S1、S2→S4の遷移が存在しないからである(値2a、2bをとらないからである)。
【0067】
また、図21において、PR(1,1)はPR(a,b,b,a)のa=0、b=1の場合である。更に、図21において、ゲインGはオフセット後の絶対値の最大値(a+b)*を正規化するための乗算係数であり、A/(a+b)*で表される(ただし、Aは任意のレベル)。
【0068】
次に、再び図17に戻って図17に示す回路の動作について説明するに、入力された図14のトランスバーサルフィルタ41a(または41b)からの波形等化再生信号は、現在時刻における信号D3として取り扱われる。一方、リサンプリングDPLL51からの0ポイント情報ZDa(またはZDb)はタップ遅延回路55に供給され、そのタップ遅延出力が仮判別器110a(または110b)に入力される。仮判別器110a(または110b)は後述のアルゴリズムに従って、パーシャルレスポンス等化を前提とした仮判別(収束目標設定)を行う。減算器111a(または111b)は現在時刻信号D3から仮判別器110a(または110b)により得られた判別結果を減算してエラー信号ERRa(又はERRb)を演算して出力する。
【0069】
図14において、このエラー信号ERRa、ERRbは、インバータ43a、43bで極性反転された後、一方がスイッチ46bで選択されて共通の乗算器+LPF47へ供給され、ここでリサンプリング信号φ3とφ4のうちスイッチ46aで選択された一方のリサンプリング信号と乗算された後、高域周波数成分が除去され、上記のエラー信号を0にするようなタップ係数(フィルタ係数)Ca1〜Ca5としてトランスバーサルフィルタ41a及び41bへ出力される。
【0070】
次に、仮判別器110a(または110b)による動作について、図22のフローチャート等と共に更に詳細に説明する。ここで、上記の0ポイント情報の値Zが”1”であるときはゼロクロスポイントを示しており、これは、図20(C)に示したPR(a,b,b,a)の状態遷移図では「a+b」という値で表わされており、状態S1→S2又は状態S4→S5へ遷移する過程において発生する。
【0071】
この場合、図20(C)中、右半分の状態S2、S3及びS4は正の値の経路(a+b=0に正規化した場合、図21と共に説明したように、a+2b、2a+2b、2bのいずれか)を辿り、左半分の状態S5、S0及びS1は負の値の経路(a+b=0に正規化した場合、図21と共に説明したように、0、a、2aのいずれか)を辿るため、ゼロクロスポイントの前又は後の値を参照することにより、正の経路なのか、負の経路なのかが判別できる。
【0072】
しかも、あるゼロクロスポイントから次のゼロクロスポイントまでの間隔が分かれば、つまり状態S2から状態S5に至るまで、又は状態S5から状態S2に至るまでの遷移数がわかれば、経路が確定し、取り得るべき値が各々のサンプル点に対して明確になる。
【0073】
また、上記の状態遷移図で「a+b」以外の値、すなわちゼロクロスポイントでないときは、上記の0ポイント情報の値Zは”0”である。この状態遷移図から、ゼロクロスポイント(Z=1)は2つ連続して取り出されることはなく、また、RLL(1,X)の場合は、隣接するZ=1の間には最低1つの”0”が存在する(0ポイント情報の値Zが1→0→1と変化したとき、すなわち、状態S2→S4→S5、あるいは状態S5→S1→S2と遷移したとき)。なお、RLL(2,X)の場合は、隣接するZ=1の間には最低2つの”0”が存在する。2a及び2bの値は存在しないからである。
【0074】
実際の信号では、ノイズ等の影響により、ゼロクロスポイント自体の検出を誤ることも十分に予想されるが、フィードバック制御の場合、正しい判定のできる確率が誤る確率を上回っていれば、正しい方向に収束していくはずであり、また、十分な積分処理のため、単発のノイズは実用上問題ないと考えられる。
【0075】
以上の点に着目し、仮判別器101a(または110b)は、まず、タップ遅延回路55を介してビットクロックの周期毎に入力される0ポイント情報の値Zを識別し、連続する5クロック周期の5つの値がオール”0”であるかどうか(図22のステップ61)、上記の5つの値のうちの最後の値のみが”1”かどうか(図22のステップ62)、上記の5つの値のうちの最初の値のみが”1”かどうか(図22のステップ63)、上記の5つの値のうちの最初と最後の値が’1”で残りの3つの値は”0”かどうかを判別する(図22のステップ64)。
【0076】
これらのパターンは、着目する0ポイント情報の値Zの中央の値を”0”としたとき、前後両側の0ポイント情報の値Zがいずれも”0”である場合であり、このときは信号波形が正側、又は負側に張り付いている場合であるので、これらのパターンのいずれかを満たすときは、
P=(a+b)*×G (1)
なる式により、大なる値Pを算出する(図22のステップ65)。ただし、(1)式及び後述の(2)、(3)式中、Gは図21に示したゲイン、a*、b*はPR(a,b,b,a)におけるaとbの値を、中央値(a+b)が0になるようにオフセットした後の値であることを示す。これらa*、b*及びGの値は、入力されるPRモード信号、RLLモード信号により求められる既知の値である。
【0077】
上記のパターンのいずれでもないときは、連続する5クロック周期の5つの0ポイント情報の値Zが”01010”であるかどうか判別し(図22のステップ66)、このパターンのときはRLLモード信号に基づき、RLL(1,X)のパーシャルレスポンス等化であるかどうか判定する(図22のステップ67)。このパターンは、着目する中央値の0ポイント情報の値Zを”0”としたとき、中央値の前後両側に隣接する2つのZの値がいずれも”1”の場合であり、これは前記したように、RLL(1,X)のときのみ発生する可能性があるので、RLL(1,X)であるときは
P=(b−a)*×G (2)
なる式により、値Pを算出する(図22のステップ68)。なお、このときは、極性が2クロック目で瞬時に変化するので、(2)式により小なる値Pが算出される。
【0078】
連続する5クロック周期の5つの0ポイント情報の値Zが”01010”でないときは、それら5つの0ポイント情報の値Zが”01001”、”10010”、”00010”及び”01000”のうちのいずれかのパターンであるかどうか判別する(図22のステップ69〜72)。これら4つのパターンは、連続する5つの0ポイント情報のうち中央値がゼロクロス点を示しておらず、かつ、中央値の前後に隣接する2つの0ポイント情報の一方がゼロクロス点を示しているときである。
【0079】
上記の4つのパターンのどれかであるとき、あるいはステップ67でRLLモードが(1,X)でないと判定されたときは、
P=b*×G (3)
なる式により、値Pを算出する(図22のステップ73)。この場合、信号波形は短期間、同じ極性を保っているので、(1)式及び(2)式の中間レベルの値Pが(3)式により算出される。
【0080】
上記のステップ65、68及び73のいずれかで値Pを算出すると、続いて前述した現在時刻の波形等化信号D3が0以上であるかどうか判別する(図22のステップ74)。現在時刻の波形等化信号D3が0以上であるときは最終仮判定レベルQをPの値とし(図22のステップ75)、負であるときは最終仮判定レベルQを−Pの値とする(図22のステップ76)。
【0081】
なお、ステップ72で0ポイント情報の値Zが”01000”でないと判定されたときは、最終仮判定レベルQを”0”とする(図22のステップ77)。例えば、連続する5つの0ポイントZの中央値が”1”の場合などがこの場合に相当する。
【0082】
以上の仮判別処理により得られた仮判定レベルQは、図17の仮判別器110a(又は110b)から減算器111a(又は111b)に供給されて現在時刻の波形等化信号D3との差分をとられてエラー信号ERRa(又はERRb)とされ、前述したように、図14のINV43a(または43b)を介して図14の乗算器+LPF47へ出力され、ここで乗算されてから高域周波数成分が除去され、トランスバーサルフィルタ41a及び41bにタップ係数Ca1〜Ca5として出力される。
【0083】
このようにして、図14の仮判別回路56a、56bから取り出されるエラー信号ERRa、ERRbが0になるように、トランスバーサルフィルタ41a、41bのタップ係数Ca1〜Ca5が可変制御されることにより、トランスバーサルフィルタ41a、41bによる波形等化を、収束範囲を拡大させて好適に行うことができる。
【0084】
次に、上記の仮判別処理による波形等化について、更に具体的に説明する。例えば、図23(A)に実線で示す波形の等化後再生信号が、トランスバーサルフィルタ41a(又は41b)から取り出されて仮判別回路56a(又は56b)に入力される場合、この仮判別回路56a(又は56b)にはリサンプリングDPLL51からは同図(A)の波形の下部に示すような値Zの0ポイント情報も入力される。
【0085】
ここで、図23(A)において、○印は記録媒体に記録されたランレングス制限符号の本来のデータ点を示す。また、×印はトランスバーサルフィルタ41a(又は41b)によりパーシャルレスポンス等化するときの等化用のサンプル点を示し、これは本来のデータ点から180°ずれている(他の図23(B)〜(D)、図24、図25も同様)。
【0086】
図23(A)において、連続する5つの0ポイント情報の値Zがオール”0”のときと”10000”のときと”00001”のときは前記(1)式に基づいて等化され(図22のステップ61〜63、65)、図23(B)に示すように、再生信号が本来と同様の波形で得られる。なお、上記の(1)式〜(3)式の演算結果による波形等化は、連続する5つの0ポイント情報の値Zの3番目のタイミングで、波形等化信号D3の極性に応じて行われることは図22に示した通りである。
【0087】
図23(C)はリサンプリングDPLL51から取り出された連続する5つの0ポイント情報の値Zが”10001”であるときの、トランスバーサルフィルタ41a(又は41b)の出力等化後再生信号波形の一例を示す。この場合、連続する5つの0ポイント情報の値Zの3番目のタイミングの、波形等化信号D3の値は正であるから、このとき(1)式による波形等化が行われ(図22のステップ64、65、74、75)、図23(D)に示す等化後再生信号がトランスバーサルフィルタ41a(又は41b)から得られる。
【0088】
図24(A)はリサンプリングDPLL51から取り出された連続する5つの0ポイント情報の値Zが”01010”で、かつ、RLL(1,X)であるときと、連続する5つの0ポイント情報の値Zが”01001”であるときのトランスバーサルフィルタ41a(又は41b)の出力等化後再生信号波形の一例を示す。この場合、連続する5つの0ポイント情報の値Zが”01010”のときの波形等化信号D3の値は正であるから、(2)式による正の値の波形等化が行われ(図22のステップ66〜68、74、75)、”01001”のときの波形等化信号D3の値は負であるから、(3)式による負の値の波形等化が行われ(図22のステップ69、73、74、76)、図24(B)に示す等化後再生信号がトランスバーサルフィルタ41a(又は41b)から得られる。
【0089】
図25(A)はリサンプリングDPLL51から取り出された連続する5つの0ポイント情報の値Zが”01000”であるときと、連続する5つの0ポイント情報の値Zが”00010”であるときのトランスバーサルフィルタ41a(又は41b)の出力等化後再生信号波形の一例を示す。この場合、連続する5つの0ポイント情報の値Zが”01000”、”00010”のときはいずれも波形等化信号D3の値は正であるから、(3)式による正の値の波形等化が行われ(図22のステップ71、73〜75、又はステップ72〜75)、図25(B)に示す等化後再生信号がトランスバーサルフィルタ41a(又は41b)から得られる。
【0090】
更に、図25(C)はリサンプリングDPLL51から取り出された連続する5つの0ポイント情報の値Zが”01001”であるときと、連続する5つの0ポイント情報の値Zが”10010”であるときのトランスバーサルフィルタ41a(又は41b)の出力等化後再生信号波形の一例を示す。この場合、連続する5つの0ポイント情報の値Zが”01001””10010”のときはいずれも波形等化信号D3の値は正であるから、(3)式による正の値の波形等化が行われ(図22のステップ69、73〜75、又はステップ70、73〜75)、図25(D)に示す等化後再生信号がトランスバーサルフィルタ41a(又は41b)から得られる。
【0091】
このように、この実施の形態では、0ポイント情報の値Zを参照し、状態遷移図から自と決定される値に等化するようにしたため、現在のサンプル点のレベルに依存しない(他の目標値に近くても影響されない)正確な波形等化ができる。また、異なるパーシャルレスポンス等化に対応でき、更に判定を誤る確率はスレッショルドが固定の従来装置に比べて少ないので、収束時間を短時間にできる。なお、本実施の形態は、RLL(2,X)にも同様に適用できる。図21と共に説明したように、RLL(1,X)と略同様の状態遷移が行われるからである。
【0092】
図26は仮判別回路56a及び56b内の仮判別器110a及び110bの他の例の動作説明用フローチャートを示す。これは連続した3つの0ポイント情報に基づいて仮判別結果を得る場合である。すなわち、まず、連続する3クロック周期の3つの0ポイント情報の値Zがオール”0”であるかどうか判別し(図26のステップ81)、このときは信号波形が正側、又は負側に張り付いている場合であるので、このパターンを満たすときは、前記(1)式により大なる値Pを算出する(図26のステップ82)。
【0093】
上記のパターンでないときは、連続する3クロック周期の3つの0ポイント情報の値Zが”101”であるかどうか判別し(図26のステップ83)、このパターンのときはRLLモード信号に基づき、RLL(1,X)のパーシャルレスポンス等化であるかどうか判定する(図26のステップ84)。このパターンは、着目する中央値の0ポイント情報の値Zを”0”としたとき、前後両側に隣接するZの値がいずれも”1”の場合であり、これは前記したように、RLL(1,X)のときのみ発生する可能性があるので、RLL(1,X)であるときは前記(2)式により値Pを算出する(図26のステップ85)。
【0094】
連続する3クロック周期の3つの0ポイント情報の値Zが”101”でないときは、それら3つの0ポイント情報の値Zが”100”と”001”のうちのいずれかのパターンであるかどうか判別する(図26のステップ87、88)。これらのパターンは、着目する中央値の0ポイント情報の値Zの中央の値を”0”としたとき、前後両側に隣接する2つの0ポイント情報の値Zの一方が”1”である場合である。これらのパターンのどれかであるとき、あるいはステップ84でRLLモードが(1,X)でないと判定されたときは、前記(3)式により値Pを算出する(図26のステップ86)。
【0095】
上記のステップ82、85及び86のいずれかで値Pを算出すると、前記の現在時刻の波形等化信号D3が0以上であるかどうか判別する(図26のステップ89)。現在時刻の波形等化信号D3が0以上であるときは最終仮判定レベルQをPの値とし(図26のステップ91)、負であるときは最終仮判定レベルQを−Pの値とする(図26のステップ90)。ステップ88で0ポイント情報の値Zが”001”でないと判定されたときは、最終仮判定レベルQを”0”とする(図26のステップ92)。例えば、連続する3つの0ポイントZの中央値が”1”の場合がこの場合に相当する。
【0096】
また、図27は仮判別回路56a及び56b内の図17に示した仮判別器110a、110bの他の例の動作のフローチャートを示す。同図中、図22と同一処理ステップには同一符号を付し、その説明を省略する。図27において、着目する0ポイント情報の値Zの中央の値を”0”としたとき、前後両側の0ポイント情報の値Zがいずれも”0”である場合(すなわち、信号波形がゼロクロスポイントから離れている場合)には、ステップ65で(1)式の演算によりPを算出した後、仮判定レベルQを0とし(ステップ79)、処理を終了する。
【0097】
仮判定レベルQは、現在時刻の波形等化信号D3との差分をとられてエラー信号とされるが、(1)式によりPを算出する場合は、サンプル値がゼロクロスサンプルより離れているサンプル値を示しているので、それらのサンプル値は確からしくないと判断し、仮判定レベルQを0とすることで、エラー信号を無効化する。上記の図26、図27にそれぞれ示した方法でも図22と同様に効果が得られる。
【0098】
以上の動作により、幅広い収束範囲を可能とし、性能を向上すると共に、図14に示したように比較的に回路規模の大きい乗算器+低域フィルタ(LPF)47と目標値演算回路49を一本化してイコライザ回路EQ1及びEQ2に共用することができ、この結果、大幅に回路規模を削減することができる。これは乗算器+低域フィルタ(LPF)47と目標値演算回路49の時定数が大きいことに着目し、時分割処理を行い、かつ偏ったパターンに陥らないように制御信号発生器54を設けたことによって実現される。
【0099】
図28(A)、(B)は適応等化回路52から出力される実際のデータ(奇数等化後データφ9と偶数等化後データφ10)のアイパターンを示す。同図中、縦軸は2の補数表示で表したレベル、横軸はサンプル点数により表現される時間を示す。図28(A)、(B)から分るように、本実施の形態によれば、PR(1,1,1,1)に等化下場合、いずれのデータφ9、φ10共に、「0」、「32」、「64」、「−32」及び「−64」の5つの目標値にそれぞれ分離して収束されており、ただしく等化されていることがわかる。
【0100】
図29は、実際に偏ったパターンに陥る可能性がある信号を示している。図中、上の信号がφ3、φ4、φ9、φ10のいずれかの信号であり、横軸は時間である。5μsec付近から、4T信号が連続するため、パラレル動作では、いずれか片方のラインにはゼロクロスが入力されなくなる。また、図29の下の信号は制御信号CTLであり、この場合は0、つまり片方に固定されている。
【0101】
図30は、本発明の場合の信号波形を示しており、偏ったパターンに陥る可能性がある信号φ3、φ4、φ9又はφ10においても、ゼロクロスが入力されなくなったことを検出して、同図の下に示す制御信号CTLのように、0,1を切り替える、つまり前述したスイッチ46a、46b、48a及び48bを切り替えるため、ゼロクロスが入力されることになり、PR等化動作、後段のビタビ復号の動作が適切に行われるようになる。
【0102】
次に、本発明の再生装置の第3の実施の形態について説明する。図31は本発明になる再生装置の第3の実施の形態のブロック図を示す。同図中、図1と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図31に示す再生装置の第3の実施の形態では、LPF17の入力再生信号が位相同期ループ(PLL)回路121に供給され、ここでビットに同期したクロックが生成され、そのクロックがA/D変換器18及び補間フィルタ(IPF)122に供給される。
【0103】
A/D変換器18から出力された奇数番目データ(もしくは偶数番目データ)φ3は適応等化回路40に供給されると共に、補間フィルタ(IPF)122に供給され、IPF122において隣り合う2つの奇数番目データ(もしくは偶数番目データ)φ3からシステムクロックのタイミングで間引き補間演算して生成された、隣り合う2つの奇数番目データ(もしくは偶数番目データ)φ3の中間位置のサンプル点データφ4が、偶数番目データ(もしくは奇数番目データ)として適応等化回路40に供給される。
【0104】
適応等化回路40は、第1の実施の形態の適応等化回路40と同様の構成により、入力されたデータφ3、φ4に対して適応等化処理を行って奇数番目のデータφ9と偶数番目のデータφ10を出力すると共に、目標値群AMを出力する。
【0105】
このように、本実施の形態では、適応等化回路40が、リサンプリングDPLL19からの信号ではなく、A/D変換した再生信号とIPF122の出力データ(φ3、φ4)を入力信号として受け.動作するところに特徴がある。
【0106】
次に、本発明の再生装置の第4の実施の形態について説明する。図32は本発明になる再生装置の第4の実施の形態のブロック図を示す。同図中、図31と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図32に示す再生装置の第4の実施の形態では、LPF17からの再生信号をそれぞれディジタル信号に変換するA/D変換器123と124を並列に設け、これら2系統のA/D変換器123及び124にPLL121から相対的に位相が180°ずれたクロックを供給することにより、奇数番目データφ3および偶数番目データφ4を得るところに特徴がある。
【0107】
次に、本発明の再生装置の第5の実施の形態について説明する。図33は本発明になる再生装置の第5の実施の形態のブロック図を示す。同図中、図31と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図33に示す再生装置の第5の実施の形態では、適応等化回路40にA/D変換器18から取り出される奇数番目データφ3及びIPF122から取り出される偶数番目データφ4を入力として供給すると共に、ゼロクロス検出・位相比較器125に供給される。このゼロクロス検出・位相比較器125は、奇数番目データφ3及び偶数番目データφ4のゼロクロス検出を行い、その検出ゼロクロス点の位相と電圧制御発振器(VCO)127よりのビットクロックの位相とを位相比較して位相誤差信号を生成する。この位相誤差信号はループフィルタ126を通してVCO127に制御電圧として印加され、その出力システムクロック周波数を可変制御する。VCO127から出力されるシステムクロックは上記のビットクロックを含み、装置のクロックが必要な各ブロックに印加される。
【0108】
ループフィルタ126及びVCO127はディジタルでもアナログでも構成可能であり、アナログの場合はD/A変換を行うインターフェースが必要となる。この実施の形態も上記の各実施の形態と同様の特長を有する。
【0109】
次に、本発明の再生装置の第6の実施の形態について説明する。図34は本発明になる再生装置の第6の実施の形態のブロック図を示す。同図中、図33と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図34に示す再生装置の第6の実施の形態では、LPF17から出力された再生信号が、2つのA/D変換器128及び129にそれぞれ供給される。
【0110】
一方、VC0127から出力されるシステムクロックは上記のビットクロックを含むが、互いに位相が180°異なるシステムクロックが出力され、A/D変換器128には位相0°のシステムクロックが供給されて再生信号のA/D変換を行わせて奇数番目データ(もしくは偶数番目データ)φ3を生成させ、A/D変換器129には位相180°のシステムクロックが供給されて再生信号のA/D変換を行わせて偶数番目データ(もしくは奇数番目データ)φ4を生成させる。これらのデータφ3及びφ4は適応等化回路40及びゼロクロス検出・位相比較器125にそれぞれ供給される。
【0111】
次に、本発明の再生装置の第7の実施の形態について説明する。図35は本発明になる再生装置の第7の実施の形態のブロック図を示す。同図中、図33と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図35に示す再生装置の第7の実施の形態では、ゼロクロス検出・位相比較器130が、適応等化回路40に入力されるデータφ3及びφ4ではなく、適応等化回路40から出力されるデータφ9及びφ10を入力として、ゼロクロス検出動作・位相比較動作を行うことを特徴とする。この場合も、第5の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0112】
次に、本発明の再生装置の第8の実施の形態について説明する。図36は本発明になる再生装置の第8の実施の形態のブロック図を示す。同図中、図34と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図36に示す再生装置の第8の実施の形態は、ゼロクロス検出・位相比較器131が、適応等化回路40に入力されるデータφ3及びφ4ではなく、適応等化回路40から出力されるデータφ9及びφ10を入力として、ゼロクロス検出動作・位相比較動作を行う点が、図34に示した第6の実施の形態の再生装置と異なる。この場合も、第6の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0113】
次に、本発明の再生装置の第9の実施の形態について説明する。図37は本発明になる再生装置の第9の実施の形態のブロック図を示す。同図中、図11及び図31と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図37に示す再生装置の第9の実施の形態では、LPF17の入力再生信号が位相同期ループ(PLL)回路121に供給され、ここでビットに同期したクロックが生成され、そのクロックがA/D変換器18及びIPF122に供給される。
【0114】
A/D変換器18から出力される奇数番目データ(もしくは偶数番目データ)φ1は、遅延及びゼロ検出器132に直接に供給されると共に、IPF122に供給され、IPF122において隣り合う2つの奇数番目データ(もしくは偶数番目データ)φ1からシステムクロックのタイミングで間引き補間演算して生成された、隣り合う2つの奇数番目データ(もしくは偶数番目データ)φ1の中間位置のサンプル点データφ2が、偶数番目データ(もしくは奇数番目データ)として遅延及びゼロ検出器132に供給される。
【0115】
これにより、遅延及びゼロ検出器132は、入力されたデータφ1及びφ2に基づき、入力データφ1及びφ2の極性が反転したときに、近傍の2つのサンプル点のうち、より0に近い方を0ポイント情報として遅延回路に供給して遅延することにより、図12に示したリサンプリングDPLL51と同様に、奇数番目のデータφ3と偶数番目のデータφ4と、奇数番目データφ3に対応した奇数0ポイント情報ZDa及び偶数番目データφ4に対応した偶数0ポイント情報ZDbを生成出力し、適応等化回路52に供給する。
【0116】
適応等化回路52は、第2の実施の形態の適応等化回路52と同様の構成により、入力されたデータφ3、φ4及び0ポイント情報ZDa及びZDaに対して適応等化処理を行って奇数番目のデータφ9と偶数番目のデータφ10を出力する。
【0117】
このように、本実施の形態では、適応等化回路52が、リサンプリングDPLL51からの信号ではなく、A/D変換した再生信号を入力信号として受け、φ3、φ4及びZDa、ZDbを出力する遅延及びゼロ検出器132の出力信号を入力として動作するところに特徴がある。
【0118】
次に、本発明の再生装置の第10の実施の形態について説明する。図38は本発明になる再生装置の第10の実施の形態のブロック図を示す。同図中、図37と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図38に示す再生装置の第10の実施の形態では、LPF17の出力信号が供給される2系統のA/D変換器133及び133に対して、PLL121より、相対的に180°位相がずれたクロックを供給することにより、φ1およびφ2を得るところに特徴がある。
【0119】
次に、本発明の再生装置の第11の実施の形態について説明する。図39は本発明になる再生装置の第11の実施の形態のブロック図を示す。同図中、図33と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図39に示す再生装置の第11の実施の形態では、適応等化回路52が、A/D変換器18から取り出される奇数番目データφ3と、IPF122から取り出される偶数番目データφ4を入力として受け、更に奇数番目データφ3及び偶数番目データφ4が供給されたゼロクロス検出・位相比較器135の出力である0ポイント情報ZDa及びZDbを入力として、適応等化動作を行うところに特徴がある。
【0120】
ゼロクロス検出・位相比較器135は、図33に示したゼロクロス検出・位相比較器125と同様に奇数番目データφ3及び偶数番目データφ4のゼロクロス検出を行い、その検出ゼロクロス点の位相と電圧制御発振器(VCO)127よりのビットクロックの位相とを位相比較して位相誤差信号を生成してループフィルタ126ヘ出力すると共に、奇数番目データφ3に対応した奇数0ポイント情報ZDa及び偶数番目データφ4に対応した偶数0ポイント情報ZDbを生成し、適応等化回路52に供給する。本実施の形態も第10の実施の形態と同様の特長を有する。
【0121】
次に、本発明の再生装置の第12の実施の形態について説明する。図40は本発明になる再生装置の第12の実施の形態のブロック図を示す。同図中、図36及び図39と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図40に示す第12の実施の形態は、図36に示した第8の実施の形態のゼロクロス検出・位相比較器131に替えて、図38に示したゼロクロス検出・位相比較器135を設け、適応等化回路52により、データφ3及びφ4と0ポイント情報ZDa及びZDbに基づく適応等化処理を行えるようにしたものである。
【0122】
次に、本発明の再生装置の第13の実施の形態について説明する。図41は本発明になる再生装置の第13の実施の形態のブロック図を示す。同図中、図39と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図41に示す再生装置の第13の実施の形態では、ゼロクロス検出・位相比較器136が、適応等化回路52に入力されるデータφ3及びφ4ではなく、適応等化回路52から出力されるデータφ9及びφ10を入力として、ゼロクロス検出動作・位相比較動作を行うことを特徴とする。
【0123】
次に、本発明の再生装置の第14の実施の形態について説明する。図42は本発明になる再生装置の第14の実施の形態のブロック図を示す。同図中、図40及び図41と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図42に示す本発明になる再生装置の第14の実施の形態は、図40に示した第12の実施の形態のゼロクロス検出・位相比較器135に替えて、図41に示した第13の実施の形態の、適応等化回路52から出力されるデータφ9及びφ10を入力として、ゼロクロス検出動作・位相比較動作を行うゼロクロス検出・位相比較器136を設けた点に特徴がある。本実施の形態も第12、第13の実施の形態と同様の特長がある。
【0124】
なお、本発明は以上の実施の形態に限定されるものではなく、例えば仮判別回路56a、56bはPRモード信号とRLLモード信号の両方を可変としてエラー信号を生成するようにしたが、いずれか一方又は両方を固定してエラー信号を生成することもできる。
【0125】
また、前記INV43a、43bはトランスバーサルフィルタ41a、41bの係数を更新する際に、ネガティブフィードバック(負帰還)にする目的で挿入しているものであり、その目的を達成する方法は他にも多く考えられ、代表的な方法は次の通りである。▲1▼INVでトランスバーサルフィルタ41a、41bのタップ出力それぞれを反転する。▲2▼INVで乗算器+LPF47の出力を反転する。▲3▼トランスバーサルフィルタ41a、41b内部のメイン信号の極性を変えてつじつまを合わせる。▲4▼ループ内各ブロックのうちのいずれかの中で極性反転を行う。このとき、図22、図26、図27に示したフローチャートで使用されているD3の極性及びそのエラー出力の極性について配慮されなければならないことは勿論である。また、メモリ素子としてはFIFO以外のRAMその他のメモリ素子を用いることも可能である。
【0126】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、フィルタリング手段のタップ係数を可変制御する係数生成手段の時定数が大きいことに着目し、比較的に回路規模の大きい乗算器・低域フィルタ(LPF)による係数生成手段を偶数フィルタリング手段と奇数フィルタリング手段に共用するようにしたため、回路規模を削減することができる。
【0127】
また、本発明によれば、目標値演算回路の時定数が大きいことに着目し、時分割処理を行い、かつ、偏ったパターンに陥らないように制御信号発生器を設けるようにしたため、偶数フィルタリング後信号と奇数フィルタリング後信号をそれぞれ最尤復号するときに使用する目標値を共通に発生でき、比較的に回路規模の大きい目標値演算回路を共用でき、回路規模を削減でき、上記の乗算器・低域フィルタ(LPF)の回路規模削減と相まって、大幅に回路規模を削減することができる。
【0128】
また、本発明によれば、システムクロック周波数を従来の半分に下げたことによる回路の並列処理化の増大を、軽減することができる。更に、本発明によれば、最小反転間隔2と3のいずれのランレングス制限符号に対応でき、また、ディジタル回路で構成できるため、アナログ回路に比べて信頼性が高く、また回路規模も殆ど増大することのない構成にできる。また、更に、本発明によれば、確からしくないエラー値を示す信号を無効化し、確からしいエラー信号だけを有効成分として取り出すようにしたため、再生信号の歪みが大きく、パーシャルレスポンス等化しきれない場合でも、目標値とのずれが小さく、正しくエラー信号を抽出でき、結果としてエラーレートを向上することができる。
【0129】
また、本発明によれば、リサンプリングDPLLから取り出されるリサンプリング・データ及び0ポイント情報を、FIFOのようなメモリ素子にシステムクロックに同期してビットクロックのタイミングで一旦書き込んでから、ビットクロックの発生する周波数の平均値などの低い周波数の新しいクロックのタイミングで読み出して適応等化回路に入力することにより、適応等化回路が上記の新しいクロックに基づいて演算動作を行えるようにしたため、回路の動作周波数がメモリ素子を用いない回路に比べて低くて済み、演算時間に余裕ができ、このことからラッチ等が少なくなり、回路遅延・回路規模が小さくて済み、結果として、ICデバイスによる速度制限の間題を解決でき、また、コストや消費電力を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の再生装置の第1の実施の形態のブロック図である。
【図2】図1中のリサンプリングDPLLの一実施の形態のブロック図である。
【図3】 図1のリサンプリングDPLLから適応等化回路に受け渡されるデータと、時間軸どおりに並べたサンプル点の関係を示す図である。
【図4】図1中の適応等化回路の一実施の形態のブロック図である。
【図5】 図4中の制御信号発生器の一例の回路系統図である。
【図6】図4中の制御信号発生器が多段ラッチ回路のタップ出力TZa及びTZbに基づき、制御信号CTLを生成することを示すフローチャートである。
【図7】図4中の目標値演算回路の一例のブロック図である。
【図8】本発明再生装置における復号回路の一実施の形態のブロック図である。
【図9】図8中のブランチメトリック演算回路の一例のブロック図である。
【図10】本発明装置の内側3値によるPR(1,1,1,1)波形等化データのヒストグラムである。
【図11】 本発明の再生装置の第2の実施の形態のブロック図である。
【図12】図11中のリサンプリングDPLLの一実施の形態のブロック図である。
【図13】 図11のリサンプリングDPLLから適応等化回路に受け渡されるデータと、時間軸どおりに並べたサンプル点の関係を示す図である。
【図14】図11中の適応等化回路の一実施の形態のブロック図である。
【図15】図14中のタップ遅延回路の一例のブロック図である。
【図16】図15中のラッチモジュールの一例の回路図である。
【図17】図14中の仮判別回路の一例のブロック図である。
【図18】 図14中の制御信号発生器の一例の回路系統図である。
【図19】図14中の制御信号発生器が多段ラッチ回路のタップ出力TZa及びTZbに基づき、制御信号CTLを生成することを示すフローチャートである。
【図20】パーシャルレスポンス特性の説明図である。
【図21】PR(a,b,b,a)の特性とランレングス制限規則RLLモードと仮判別器の仮判定値との関係を示す図である。
【図22】図17中の仮判別器の一例の動作説明用フローチャートである。
【図23】本発明による波形等化前と波形等化後の波形例を示す図(その1)である。
【図24】本発明による波形等化前と波形等化後の波形例を示す図(その2)である。
【図25】本発明による波形等化前と波形等化後の波形例を示す図(その3)である。
【図26】図17中の仮判別器の他の例の動作説明用フローチャートである。
【図27】図17中の仮判別器の更に他の例の動作説明用フローチャートである。
【図28】本発明による再生装置内の適応等化回路の出力信号のアイパターンの一例を示す図である。
【図29】実際に偏ったパターンに陥る可能性がある信号を示す図である。
【図30】本発明の要部のデータ及び制御信号を示す図である。
【図31】 本発明の再生装置の第3の実施の形態のブロック図である。
【図32】 本発明の再生装置の第4の実施の形態のブロック図である。
【図33】 本発明の再生装置の第5の実施の形態の要部のブロック図である。
【図34】 本発明の再生装置の第6の実施の形態の要部のブロック図である。
【図35】 本発明の再生装置の第7の実施の形態の要部のブロック図である。
【図36】 本発明の再生装置の第8の実施の形態の要部のブロック図である。
【図37】 本発明の再生装置の第9の実施の形態のブロック図である。
【図38】 本発明の再生装置の第10の実施の形態のブロック図である。
【図39】 本発明の再生装置の第11の実施の形態の要部のブロック図である。
【図40】 本発明の再生装置の第12の実施の形態の要部のブロック図である。
【図41】 本発明の再生装置の第13の実施の形態の要部のブロック図である。
【図42】 本発明の再生装置の第14の実施の形態の要部のブロック図である。
【図43】 従来の再生装置の一例のブロック図である。
【図44】図43中の適応等化回路の一例のブロック図である。
【図45】従来の再生装置の他の例のブロック図である。
【図46】図45中の適応等化回路の一例のブロック図である。
【図47】図45中の目標値演算回路の一例のブロック図である。
【図48】従来装置の5値によるPR(1,1,1,1)波形等化データ(ただし、3T系の場合)のヒストグラムである。
【符号の説明】
15 光ディスク
16 PDヘッドアンプ
17 LPF
18 A/D変換器
19、51 リサンプリングDPLL
32 ECC回路
36 復号回路
40、52 適応等化回路
41a、41b トランスバーサルフィルタ(TVF)
42a、42b、56a、56b 仮判別回路
44a、44b ゼロクロス検出器
45、54 制御信号発生器
46a、46b、48a、48b スイッチ
47 乗算器+低域フィルタ(LPF)
49 目標値演算回路
55 タップ遅延回路
102〜105 ラッチモジュール(LM)
110a、110b 仮判別器
111a、111b 減算器
121 PLL
122 補間フィルタ(IPF)
123、124、128、129、133、134 A/D変換器
125、130、131、135、136 ゼロクロス検出・位相比較器
126 ループフィルタ
127 電圧制御発振器(VCO)
132 遅延及びゼロ検出器
191 補間器
192、511 位相検出器
193 ループフィルタ
194 タイミング発生器
361a、361b ブランチメトリック演算回路
362 パスメトリック演算回路
363 パスメモリ演算回路
Claims (5)
- 記録媒体に記録されているランレングス制限符号を再生し、その再生信号をトランスバーサルフィルタを用いてパーシャルレスポンス等化した後復号する再生装置において、
前記再生信号をサンプリングした信号、もしくは前記サンプリング信号をさらにリサンプリング補間して得られる信号を、偶数番目の再生データ信号と奇数番目の再生データ信号とに振り分けて出力するサンプリング出力手段と、
前記偶数番目の再生データ信号をタップ係数に基づきフィルタリングして、偶数フィルタリング後信号として出力する偶数フィルタリング手段と、
前記奇数番目の再生データ信号を前記タップ係数に基づきフィルタリングして、奇数フィルタリング後信号として出力する奇数フィルタリング手段と、
前記偶数フィルタリング後信号の仮判別値を算出し、その仮判別値と前記偶数フィルタリング後信号との差分値を偶数エラー信号として出力する偶数仮判別手段と、
前記奇数フィルタリング後信号の仮判別値を算出し、その仮判別値と前記奇数フィルタリング後信号との差分値を奇数エラー信号として出力する奇数仮判別手段と、
前記偶数仮判別手段の偶数エラー信号と前記奇数仮判別手段の奇数エラー信号の一方を、選択信号に基づいて選択して選択後エラー信号として出力するエラー信号選択手段と、
前記偶数番目の再生データ信号と前記奇数番目の再生データ信号の一方を、前記選択信号に基づいて選択して選択後データ信号として出力するデータ信号選択手段と、
前記選択後エラー信号と前記選択後データ信号に基づき、前記偶数フィルタリング手段及び奇数フィルタリング手段の前記タップ係数を前記選択後エラー信号が最小になるように可変制御する係数生成手段と、
前記再生信号のデータパターンに基づき、前記選択信号を生成する選択信号生成手段と
を有することを特徴とする再生装置。 - 前記偶数仮判別手段及び前記奇数仮判別手段は、前記偶数番目の再生データ信号及び前記奇数番目の再生データ信号の両方に基づき、ゼロクロスポイントか否かを検出して0ポイント情報を出力する検出手段と、前記検出手段よりビットクロックに同期して取り出される前記0ポイント情報を、少なくとも連続して3つ出力する遅延回路を共通に有し、
前記パーシャルレスポンス等化の種類を示すPRモード信号と、前記再生信号のランレングス制限符号の種類を示すRLLモード信号と、前記遅延回路からの複数の前記0ポイント情報と、前記偶数フィルタリング後信号又は前記奇数フィルタリング後信号を入力として受け、前記PRモード信号とRLLモード信号で定まる状態遷移と、前記複数の0ポイント情報のパターンとに基づき、前記偶数フィルタリング後信号の仮判別値、又は前記奇数フィルタリング後信号の仮判別値を算出することを特徴とする請求項1記載の再生装置。 - 前記偶数フィルタリング後信号と前記奇数フィルタリング後信号の一方を、前記選択信号に基づいて選択して選択後フィルタリング後信号として出力するフィルタリング後信号選択手段と、前記偶数仮判別手段の仮判別値と前記奇数仮判別手段の仮判別値の一方を、前記選択信号に基づいて選択して選択後仮判別値として出力する仮判別値選択手段と、前記選択後フィルタリング後信号と前記選択後仮判別値に基づき、各仮判別値に応じて誤差成分の低周波成分を目標値として抽出する少なくとも1つ以上のフィルタを有するフィルタ手段とを有し、前記フィルタ手段からの前記目標値を定めて前記偶数フィルタリング後信号と前記奇数フィルタリング後信号を最尤復号することを特徴とする請求項1又は2記載の再生装置。
- 前記選択信号生成手段は、前記偶数番目の再生データ信号と前記奇数番目の再生データ信号、又は前記偶数フィルタリング後信号と前記奇数フィルタリング後信号のいずれかがゼロクロスポイントを示すときに、偶数0ポイント情報を順次遅延させる偶数ゼロクロス用タップ及び奇数0ポイント情報を順次遅延させる奇数ゼロクロス用タップと、前記偶数ゼロクロス用タップの出力する複数の0ポイント情報と、前記奇数ゼロクロス用タップの出力する複数の0ポイント情報に基づき、ゼロクロスが一方に偏らないように論理制御された前記選択信号を発生する論理制御手段とを有することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の再生装置。
- 前記サンプリング手段は、前記再生信号をA/D変換器によりシステムクロックでサンプリングして得たディジタル信号を入力信号として受け、所望のビットレートでリサンプリングした前記偶数番目の再生データ及び前記奇数番目の再生データを生成して前記偶数フィルタリング手段及び前記奇数フィルタリング手段に供給すると共に、ゼロクロスポイントか否かを検出して前記0ポイント情報を出力するリサンプリングDPLLにより構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一項記載の再生装置。
Priority Applications (1)
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JP2002233792A JP4063010B2 (ja) | 2002-08-09 | 2002-08-09 | 再生装置 |
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