JP4062981B2 - Organic EL device - Google Patents

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JP4062981B2
JP4062981B2 JP2002174172A JP2002174172A JP4062981B2 JP 4062981 B2 JP4062981 B2 JP 4062981B2 JP 2002174172 A JP2002174172 A JP 2002174172A JP 2002174172 A JP2002174172 A JP 2002174172A JP 4062981 B2 JP4062981 B2 JP 4062981B2
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亮之介 寺
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    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/80Constructional details
    • H10K50/84Passivation; Containers; Encapsulations
    • H10K50/844Encapsulations
    • H10K50/8445Encapsulations multilayered coatings having a repetitive structure, e.g. having multiple organic-inorganic bilayers
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K71/00Manufacture or treatment specially adapted for the organic devices covered by this subclass
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  • Inorganic Chemistry (AREA)
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  • Optics & Photonics (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板の一面上に下部電極、有機層および上部電極を順次積層することにより形成された素子部と、この素子部を被覆して封止する封止層とを備える有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機EL素子は、基板と、基板の一面上に形成された素子部とを備える。ここで、素子部は基板の一面側から下部電極、有機発光材料を含む有機層、上部電極が順次積層されてなり、上下電極間に電圧を印加することにより有機層を発光させるものである。
【0003】
このような有機EL素子は、無機発光材料を用いた無機EL素子に比べ、印加電圧を大幅に低下させることができるので、各種材料、素子の開発が進められている。有機EL素子における現在の問題点としては、発光寿命が無機EL素子に比べ短いことが挙げられる。
【0004】
特に、ダークスポットと呼ばれる無発光領域が発生する現象は、この寿命低下や表示信頼性低下の問題を引き起こすことが知られている。ダークスポットは、有機EL素子の製造工程中もしくは素子部の形成後に外部から水分や酸素が侵入したり付着したりすることが原因の一つとされている。
【0005】
従来、有機EL素子における外部からの水分侵入の防止措置として、吸湿剤を金属製の蓋などで封止したり、素子部を直接被覆して封止する封止層を形成したりするといった手法が考えられている。ここで、吸湿剤と金属製の蓋による封止はコストの点で不利であるため、封止層による素子部封止の技術開発が進められている。
【0006】
そのような封止層を用いたものとして、例えば、特開平4−212284号公報では、金属酸化物、金属フッ化物、金属硫化物を封止層として適用した例が示されており、特開平5−101885号公報では、封止層としてダイアモンド様薄膜を用いることが示されている。また、特開平7−161474号公報には、炭素やケイ素を含有する無機アモルファス層の適用が示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来公報に記載されているような封止層を素子部上に形成した構成においては、素子部は完全に外気から遮断される。そのため、素子部に電気的短絡による破壊が発生した場合、電極のジュール熱による酸化が起こらず、導電性を保ってしまうことから、この破壊は局所的に収まる自己修復型とはならない。
【0008】
もし、素子部に上記破壊が発生した時点で、破壊部に対して外気から酸素が供給されれば、電極を酸化させて不導体化させることが可能である。そして、破壊部が不導体化すれば、それ以上ジュール熱の発生は起こらず、破壊をその周囲へ伝播させることは無い。
【0009】
しかし、上記したように、従来の封止層では、破壊部の酸化が起こらず、破壊が伝播する伝播型の破壊となるため、表示特性に重大な問題を引き起こす。この現象について、本発明者等の行った検証結果を示す。
【0010】
図4は、従来の封止層を用いた有機EL素子の断面構造を示す図である。ガラスからなる基板10の一面上に、ITO(インジウムチンオキサイド)からなる下部電極20、一般的な有機EL素子用の有機材料からなる有機層30、Alからなる上部電極40を形成した。
【0011】
そして、これら電極20、40および有機層30からなる素子部50を被覆するように封止層J60を形成した。ここで、封止層J60の材料としては、Al23、SiO2、SiON、SixOyなどを用いた。これらは、CVD法やスパッタリング法、蒸着法などで形成することができる。
【0012】
また、これらの封止層J60は、いずれもアモルファス性膜でありピンホールなどの欠陥が無い限り、封止性そのものは十分である。しかしながら、その薄膜自体が化学的に安定であるため、電極20、40間の短絡における破壊時に発生するジュール熱をもってしても電極に酸素が供給されることがない。そのため、電極、例えば上部電極40のAlは酸化されず、高い伝導度を維持し伝播型の破壊となってしまう。
【0013】
図4に示す有機EL素子において、実際に、上下電極20、40間に電圧を印加して発光させた。そのときに発生した伝播型破壊は光学顕微鏡により明確に観察された。図5は、この顕微鏡写真に基づいて当該伝播型破壊の様子を模式的に示したものである。
【0014】
図5においては、上下電極20、40の重なり部が矩形の画素55として示されており、破壊が、図中の斜線ハッチングDSに示すように、本来の表示領域である画素55にまで大きく拡がり、発光表示性能に大きな支障をきたしていることがわかる。
【0015】
また、上記した従来の封止層においては、膜の材料によっては酸素や水分の遮断が不十分であり、上記したダークスポットが多数発生し、発光表示性能に大きな支障をきたしてしまう。
【0016】
本発明は上記問題に鑑み、素子部を被覆して封止する封止層を備える有機EL素子において、素子部の破壊が発生したときにその破壊の伝播を極力抑制できるようにすることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、封止層に用いられる膜の構造と性質について鋭意検討した結果、アモルファス構造を有するアモルファス性膜に比べて、柱状結晶膜の方が粒界が多いという性質を有することに着目し、アモルファス性膜の材質や膜厚を検討した結果、なされたものである。
【0018】
すなわち、請求項1に記載の発明では、基板(10)と、基板の一面上に順次積層された下部電極(20)、有機層(30)および上部電極(40)からなる素子部(50)と、素子部を被覆して封止する封止層(60)とを備える有機EL素子において、封止層は、アモルファス構造を有し膜厚10nmのAl 2 3 薄膜からなるアモルファス性薄膜(61)と、柱状の結晶構造を有する柱状結晶薄膜(62)とが積層されたものであって、素子部側からアモルファス性薄膜、柱状結晶薄膜、アモルファス性薄膜が順次積層された3層構造、或いは、アモルファス性薄膜、柱状結晶薄膜をそれぞれ2層以上交互に積層したものであることを特徴とする。
【0019】
本発明者等の行った実験によれば、本発明のように、封止層を膜厚10nmのAl 2 3 薄膜からなるアモルファス性薄膜と柱状結晶薄膜との積層膜であって、素子部側からアモルファス性薄膜、柱状結晶薄膜、アモルファス性薄膜が順次積層された3層構造、或いは、アモルファス性薄膜、柱状結晶薄膜をそれぞれ2層以上交互に積層したものとすることで、実際に、素子部の破壊が発生したときにその破壊の伝播を極力抑制することができることがわかった。つまり、本発明では自己修復型の破壊となり、発光表示性能に支障をきたさない程度のエリアに破壊をとどめておくことができる。
【0020】
このように自己修復型の破壊を実現できる理由は、次のように推定できる。柱状結晶薄膜は、その粒界部分が経路となり、膜厚10nmのAl 2 3 薄膜からなるアモルファス性薄膜に比べて、単独では水分や酸素を透過させやすい。しかし、アモルファス性薄膜との上記したような3層構造或いは2層以上交互に積層した積層構造とすることで封止層全体の封止性は確保できる。
【0021】
また、柱状結晶薄膜は、本発明者等の顕微鏡観察等によれば膜の成長方向に大略沿った柱状の結晶構造をなすものであり、その膜内に粒界が多く存在し且つその粒界には該柱状結晶薄膜の成膜時点で捕捉された酸素が蓄積されていると考えられる。
【0022】
そして、素子部の破壊が生じたときには、その破壊のジュール熱等によって、柱状結晶薄膜の膜自身の酸素や粒界に蓄積された酸素が、放出される。ここで、封止層を上記したような積層構成とすることにより個々の膜厚10nmのAl 2 3 薄膜からなるアモルファス性薄膜の膜厚は薄くできるので、個々のアモルファス性薄膜においては或る程度、酸素が透過可能と考えられる。
【0023】
そのため、柱状結晶薄膜から放出された酸素は破壊部に供給され、この供給された酸素によって破壊部の電極が不導体化し、破壊の伝播が抑制されると考えられる。以上のような推定メカニズムにより、本発明によれば、自己修復型の破壊を実現させることができると考えられる。
【0024】
また、請求項2に記載の発明では、膜厚10nmのAl 2 3 薄膜からなるアモルファス性薄膜(61)と柱状結晶薄膜(62)と、互いに異なる金属の酸化物としたことを特徴とする。
【0025】
膜厚10nmのAl 2 3 薄膜からなるアモルファス性薄膜と柱状結晶薄膜とを、互いに異なる金属の酸化物とすることにより、互いの薄膜の結晶性を適切に制御することができるため、これらアモルファス性薄膜、柱状結晶薄膜のそれぞれを適切に形成することができる。
【0026】
また、請求項3に記載の発明のように、状結晶薄膜(62)はAl以外の金属またはその酸化物とすることができる。
【0027】
また、請求項4に記載の発明のように、柱状結晶薄膜(62)としては、W、Ti、Zr、Znの酸化膜を採用することができる。
【0028】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。図1は本発明の実施形態に係る有機EL素子S1の概略断面構成を示す図である。
【0030】
基板としてのガラス基板10の一面上には、ITOやインジウム−亜鉛の酸化物といった透明導電膜よりなる下部電極としての陽極20がスパッタリング法等により形成されている。この陽極20の膜厚は、100nm〜1μm程度にできる。本例では、陽極20はITOよりなり、その膜厚は150nm程度とした。
【0031】
陽極20の上には、有機層30が形成されている。この有機層30は、一般に有機EL素子に採用可能な有機発光材料、正孔輸送性材料、電子輸送性材料等を真空蒸着法等を用いて積層した膜である。
【0032】
本例では、有機層30は、陽極20側から、α−ナフチル・フェニル・ベンゼンよりなる膜厚40nm程度の正孔輸送層、母材としてのアルミキノリノールに蛍光色素としてのクマリンを1wt%ドープした材料よりなる膜厚40nm程度の発光層、アルミキノリノールよりなる膜厚5nm程度の電子輸送層を順次積層形成したものである。
【0033】
ここで、上記正孔輸送層には、陽極20から正孔が注入され、該正孔輸送層は上記発光層へ正孔を輸送するようになっている。そして、上記電子輸送層の上すなわち有機層30の上には、該電子輸送層へ電子を注入するための陰極40が上部電極として形成されている。
【0034】
本例では、陰極40は、蒸着法によって、有機層30(電子輸送層)側からLiFを0.5nm成膜し、その上にAlを100nm成膜したものとして構成されている。
【0035】
このように、ガラス基板10の一面上に順次積層された陽極(下部電極)20、有機層30および陰極(上部電極)40により、素子部50が形成されている。
【0036】
ここで図1に示す例では、陽極20は、図中の左右方向に延びるストライプ形状をなし、陰極40は、図中の紙面垂直方向に延びるストライプ形状をなしており、上下電極20、40の重なり合う部分が、本来の発光領域である画素として構成されている。この画素は後述する図3を参照のこと。本例の画素55は矩形状をなす。
【0037】
このような素子部50においては、配線21、41を介して上下電極20、40間に電圧を印加することにより有機層30における発光層にて正孔と電子を再結合させ、そのときのエネルギーにより該発光層を発光させるようになっている。本例では、上記発光層における蛍光色素であるクマリンが発光する。
【0038】
そして、素子部50の上には、素子部50を被覆して封止する封止層60が形成されている。この封止層60の模式的な断面構造を図2に示す。
【0039】
この封止層60は、アモルファス構造を有するアモルファス性薄膜61と、柱状結晶構造を有する柱状結晶薄膜62とが積層されたものである。なお、明確に図示しないが、各電極20、40と配線21、41との接続部は、封止層60が形成されておらず封止層60から露出している。
【0040】
ここで、図1に示す例では、封止層60は素子部50側からアモルファス性薄膜61、柱状結晶薄膜62、アモルファス性薄膜61が順次積層された3層構造となっているが、図2に示すように、封止層60はアモルファス性薄膜61、柱状結晶薄膜62をそれぞれ2層以上交互に積層したものであっても、もちろんかまわない。また、各々の薄膜61、62の膜厚も適宜変更可能である。
【0041】
図2では、柱状結晶薄膜62の結晶構造が、SEM(走査型電子顕微鏡)観察に基づいて模式的に示されており、膜の成長方向に大略沿った柱状の結晶構造をなす。柱状結晶薄膜62では、結晶粒62aが特定の方向に沿って成長し、結果的に膜の成長方向に沿って柱状の結晶粒62aおよび粒界62bが形成される。
【0042】
本例の3層構造では、アモルファス性薄膜61としてAl23からなる膜を用い、柱状結晶薄膜62としてZnOからなる膜を用いている。ZnOは、六方晶型の結晶構造を有し、C軸配向性が高いため、膜を形成する温度が低くとも柱状結晶となる。
【0043】
その他、アモルファス性薄膜61としては、例えばSi、Y、Cr、Ca、Zr、In、Sn、Ta、Hfなどの酸化物、窒化物、または酸窒化物が挙げられる。さらには、たとえZnOのように配向性が高く、柱状結晶構造を採りやすい組成であっても、膜厚を厚くしたり、成膜温度を低くしたり、ドーピング材料を加えたりすることによってアモルファス性を実現することが可能である。
【0044】
もともと、アモルファス性薄膜61は絶縁性を有するものであって、その役割は水分などから素子部を保護するものであるため、そのような性能が確保できれば、その材料は問わない。例えば、アモルファス性薄膜61としては、フラン、ポリイミド、パリレンなどの有機物でも良い。
【0045】
また、柱状結晶薄膜62としては、その性状を有するものであればZnOでなくても良い。比較的低温で柱状結晶を採りうるものとして、WO3、TiO2、ZrO2、In23、SnO2などの金属酸化物のほか、ZnSなどの硫化物、Zn、Al、W、Tiなどの金属もしくはその窒化物が挙げられる。さらには、その結晶構造が柱状結晶であれば材料は問わない。
【0046】
なお、アモルファス性薄膜61と柱状結晶薄膜62とは互いに異なる金属の酸化物である方が好ましい。これは、両薄膜61、62を互いに異なる金属の酸化物とすることにより、互いの薄膜の結晶性を適切に制御することができ、アモルファス性薄膜、柱状結晶薄膜のそれぞれを適切に形成できるためである。
【0047】
具体的には、アモルファス性薄膜61がAl23である場合、柱状結晶薄膜62はAl以外の金属の酸化物とする。なお、このとき、柱状結晶薄膜62はAl以外の金属でも良い。
【0048】
これらの各薄膜61、62は、原子層成長法(ALE法)、スパッタ法等により形成することができる。なお、柱状結晶薄膜62においては、斜めから粒子を飛ばすスパッタにて成膜する場合であっても良い。その場合、斜めに柱状となった結晶粒となることもある。
【0049】
本例の3層構造の封止層60においては、Al23からなるアモルファス性薄膜61およびZnOからなる柱状結晶薄膜62はそれぞれALE法にて形成している。したがって、アモルファス性薄膜61は多数のAl23膜が積層された構成を有し、また柱状結晶薄膜62は多数のZnO膜が積層された構成を有する。
【0050】
ALE法とは、基板に化学吸着するに十分な飽和分子量以上のガスと、そのガスと反応する同じく飽和分子量以上のガスとを交互に反応炉に導入し、成膜する手法である。
【0051】
ここで、ALE法においては、気相での反応(CVDモード)を防ぐため、各ガスの導入後、反応炉内をN2やArなどのガスでパージをする。また、反応を促進するため、吸着、脱離分子の制御を行うため基板の加熱を行うが、有機EL素子の素子部上に成膜する場合、できるだけ低温が好ましい。
【0052】
これは、有機EL素子の場合、例えば140℃を上回る温度では有機薄膜の分解が始まり、発光特性に大きな支障をきたすことによる。そのため、反応性の高い原料を用いるなどの手段が考えられる。例えば、ALE法にて金属酸化膜を成膜する場合、膜の原料として室温でもH2Oと激しく反応する性質を持つ有機金属材料を用いれば、100℃程度の基板温度でも十分に成膜することができる。
【0053】
具体的なALE法による成膜の一例を示す。本例の3層構造の封止層60において、基板温度(成膜温度)100℃にて、アモルファス性薄膜61であるAl23薄膜を膜厚10nm、その上に柱状結晶薄膜62であるZnO薄膜を膜厚80nm、その上にアモルファス性薄膜61であるAl23薄膜を膜厚10nm成膜した。
【0054】
Al23の原料としては、TMA(トリエチルアルミニウム、(CH33Al)とH2Oの気体を使用し形成した。ZnOの原料としては、DEZ(ジエチル亜鉛、(C252Zn)とH2Oの気体を使用し形成した。
【0055】
下部および上部のAl23薄膜の成膜条件は次の通りである。TMAおよびH2Oはボトル内にて常温で気化されたものをキャリアガスであるN2ガスによって反応炉に導入した。キャリアガスであるN2ガスの流量は、TMAおよびH2Oの両方の場合とも400sccmとした。また、パージガスとしてもN2ガスを使用した。
【0056】
こうして、反応炉に対してTMA導入→N2ガスによるTMAのパージ→H2O導入→N2ガスによるH2Oのパージのサイクルが繰り返される。このサイクルにおいて、TMAの導入時間は0.2秒、H2Oの導入時間は0.2秒、各パージにおけるN2ガスの導入時間は7.0秒とした。そして上記サイクルを80回繰り返すことにより、膜厚が10nmのAl23薄膜を形成した。
【0057】
ZnO薄膜の成膜条件は次の通りである。DEZおよびH2Oはボトル内にて常温で気化されたものをキャリアガスであるN2ガスによって反応炉に導入した。キャリアガスであるN2ガスの流量は、DEZおよびH2Oの両方の場合とも400sccmとした。また、パージガスとしてもN2ガスを使用した。
【0058】
こうして、反応炉に対してDEZ導入→N2ガスによるDEZのパージ→H2O導入→N2ガスによるH2Oのパージのサイクルが繰り返される。このサイクルにおいて、DEZの導入時間は0.2秒、H2Oの導入時間は0.2秒、各パージにおけるN2ガスの導入時間は7.0秒とした。そして上記サイクルを308回繰り返すことにより、膜厚が80nmのZnO薄膜を形成した。
【0059】
このようにして作製した本例の有機EL素子S1について、素子部50の破壊の伝播を抑制する効果が実験的に確認された。図3は、陽極20と陰極40との重なり部である画素55に、電気的短絡による破壊が発生した状態を示すものであり、光学顕微鏡観察に基づいて模式的に示されたものである。
【0060】
図3中、画素55内に黒丸で示す部分が破壊部55aである。この程度の破壊部55aの大きさは、発光表示性能に支障をきたさない程度のエリアである。つまり、本実施形態の有機EL素子S1によれば、素子部50の破壊が発生しても自己修復型の破壊となるため、その破壊の伝播を極力抑制することができることがわかった。
【0061】
さらに、この破壊部55aが存在する有機EL素子S1を、約50時間室温で大気に放置した。その後、この素子S1の発光状態を顕微鏡で観察したが、破壊部55aの拡がりや増加は無かった。そして、ダークスポットの発生も無く、安定した発光を実現できた。
【0062】
このように自己修復型の破壊を実現できる理由は、次のように推定できる。柱状結晶薄膜62は、アモルファス性薄膜61に比べて単独では水分や酸素を透過させやすい。しかし、アモルファス性薄膜61との積層構造とすることで封止層60全体の封止性は確保できる。
【0063】
また、柱状結晶薄膜62は、上述したように、膜の成長方向に大略沿った柱状の結晶構造をなすものであり、その膜内に粒界が多く存在している。そして、その粒界には柱状結晶薄膜62が成膜された時点で酸素が捕捉され蓄積されていると考えられる。
【0064】
そして、素子部50の破壊が生じたときには、その破壊のジュール熱等によって、柱状結晶薄膜62の膜自身の酸素や粒界に蓄積された酸素が放出される。ここで、封止層60を積層構成とすることにより個々のアモルファス性薄膜61の膜厚は薄くできるので、個々のアモルファス性薄膜61においては或る程度酸素を透過させることが可能と考えられる。
【0065】
そのため、柱状結晶薄膜62から放出された酸素は破壊部55aに供給され、この供給された酸素によって、破壊部55aの電極、本例ではAlからなる陰極40が不導体化し、破壊の伝播が抑制されると考えられる。以上のような推定メカニズムにより、本実施形態によれば、自己修復型の破壊を実現させることができると考えられる。
【0066】
以上述べてきたように、本実施形態によれば、封止層60をアモルファス性薄膜61と柱状結晶薄膜62との積層膜とすることで、素子部50の破壊が発生したときに、その破壊は自己修復型となり、破壊の伝播を極力抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る有機EL素子の概略断面構成を示す図である。
【図2】封止層の模式的な断面構造を示す図である。
【図3】上記実施形態における電気的短絡による破壊が発生した状態を模式的に示す図である。
【図4】従来の封止層を用いた有機EL素子の断面構造を示す図である。
【図5】従来の有機EL素子における伝播型破壊の様子を模式的に示す図である。
【符号の説明】
10…ガラス基板、20…陽極、30…有機層、40…上部電極、
50…素子部、60…封止層、61…アモルファス性薄膜、
62…柱状結晶薄膜。
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention provides an organic EL (Electro EL) comprising an element part formed by sequentially laminating a lower electrode, an organic layer and an upper electrode on one surface of a substrate, and a sealing layer covering and sealing the element part. (Luminescence) element.
[0002]
[Prior art]
The organic EL element includes a substrate and an element portion formed on one surface of the substrate. Here, the element portion is formed by sequentially laminating a lower electrode, an organic layer containing an organic light emitting material, and an upper electrode from one side of the substrate, and the organic layer emits light by applying a voltage between the upper and lower electrodes.
[0003]
Since such an organic EL element can significantly reduce the applied voltage as compared with an inorganic EL element using an inorganic light emitting material, various materials and elements have been developed. A current problem with organic EL devices is that their light emission lifetime is shorter than with inorganic EL devices.
[0004]
In particular, it is known that a phenomenon in which a non-light-emitting region called a dark spot is generated causes problems such as a reduction in lifetime and display reliability. One of the causes of the dark spot is that moisture or oxygen enters or adheres from the outside during the manufacturing process of the organic EL element or after the element portion is formed.
[0005]
Conventionally, as a measure for preventing moisture intrusion from the outside in an organic EL element, a method of sealing a moisture absorbent with a metal lid or the like, or forming a sealing layer that directly covers and seals the element part Is considered. Here, since sealing with a hygroscopic agent and a metal lid is disadvantageous in terms of cost, technical development of element part sealing with a sealing layer is underway.
[0006]
As an example using such a sealing layer, for example, Japanese Patent Laid-Open No. 4-212284 shows an example in which a metal oxide, a metal fluoride, or a metal sulfide is applied as a sealing layer. Japanese Patent No. 5-101885 discloses the use of a diamond-like thin film as a sealing layer. JP-A-7-161474 discloses the application of an inorganic amorphous layer containing carbon or silicon.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the configuration in which the sealing layer described in the above-described conventional publication is formed on the element portion, the element portion is completely shielded from the outside air. Therefore, when a breakdown due to an electrical short circuit occurs in the element portion, the electrode is not oxidized due to Joule heat, and the conductivity is maintained. Therefore, this breakdown does not become a self-repairing type that can be accommodated locally.
[0008]
If oxygen is supplied from the outside air to the destruction portion when the destruction occurs in the element portion, the electrode can be oxidized to be made non-conductive. If the destructive portion becomes non-conductive, no more Joule heat is generated, and the destructive propagation is not propagated to the surroundings.
[0009]
However, as described above, the conventional sealing layer does not oxidize the destruction portion, and causes propagation-type destruction in which the destruction propagates, which causes a serious problem in display characteristics. The verification result which this inventor etc. performed about this phenomenon is shown.
[0010]
FIG. 4 is a diagram showing a cross-sectional structure of an organic EL element using a conventional sealing layer. On one surface of a substrate 10 made of glass, a lower electrode 20 made of ITO (indium tin oxide), an organic layer 30 made of an organic material for a general organic EL element, and an upper electrode 40 made of Al were formed.
[0011]
And the sealing layer J60 was formed so that the element part 50 which consists of these electrodes 20 and 40 and the organic layer 30 might be coat | covered. Here, Al 2 O 3 , SiO 2 , SiON, SixOy, or the like was used as the material of the sealing layer J60. These can be formed by CVD, sputtering, vapor deposition, or the like.
[0012]
Moreover, these sealing layers J60 are all amorphous films, and the sealing performance itself is sufficient as long as there are no defects such as pinholes. However, since the thin film itself is chemically stable, oxygen is not supplied to the electrode even with Joule heat generated at the time of breakdown in the short circuit between the electrodes 20 and 40. For this reason, the electrode, for example, Al of the upper electrode 40 is not oxidized, and high conductivity is maintained and propagation type destruction occurs.
[0013]
In the organic EL element shown in FIG. 4, light was actually emitted by applying a voltage between the upper and lower electrodes 20 and 40. The propagation-type fracture that occurred at that time was clearly observed with an optical microscope. FIG. 5 schematically shows the state of the propagation-type destruction based on the micrograph.
[0014]
In FIG. 5, the overlapping portion of the upper and lower electrodes 20 and 40 is shown as a rectangular pixel 55, and the destruction greatly extends to the pixel 55 that is the original display area as indicated by the hatched hatching DS in the figure. It can be seen that the display performance is greatly hindered.
[0015]
Further, in the above-described conventional sealing layer, oxygen and moisture are not sufficiently blocked depending on the material of the film, and a large number of the above dark spots are generated, resulting in a great hindrance to the light emitting display performance.
[0016]
In view of the above problems, an object of the present invention is to provide an organic EL element including a sealing layer that covers and seals an element portion, and can suppress the propagation of the destruction as much as possible when the element portion is broken. And
[0017]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies on the structure and properties of the film used for the sealing layer, the present invention focuses on the fact that the columnar crystal film has more grain boundaries than the amorphous film having an amorphous structure. As a result of studying the material and film thickness of the amorphous film .
[0018]
That is, in the invention according to claim 1, the element portion (50) comprising the substrate (10) and the lower electrode (20), the organic layer (30), and the upper electrode (40) sequentially laminated on one surface of the substrate. When, in the organic EL element and a sealing layer (60) for sealing by covering the element portion, the sealing layer is amorphous thin film ing from Al 2 O 3 thin film having a thickness of 10nm have a amorphous structure and (61), it der which is a columnar crystal thin film (62) laminated with a columnar crystal structure, an amorphous thin film from the device side, columnar crystal thin film, three layers of amorphous thin films are sequentially stacked structure, or an amorphous thin film, the der Rukoto a laminate of a columnar crystal thin film alternately two or more layers respectively, characterized.
[0019]
According to experiments conducted by the inventors, as in the present invention, the sealing layer is a laminated film of an amorphous thin film made of an Al 2 O 3 thin film having a thickness of 10 nm and a columnar crystal thin film , The device is actually a three-layer structure in which an amorphous thin film, a columnar crystal thin film, and an amorphous thin film are sequentially stacked from the side, or two or more amorphous thin films and a columnar crystal thin film are alternately stacked. It was found that the propagation of the fracture can be suppressed as much as possible when the fracture of the part occurs. In other words, in the present invention, self-repairing type destruction occurs, and the destruction can be kept in an area that does not hinder the light emitting display performance.
[0020]
The reason why self-healing destruction can be realized in this way can be estimated as follows. In the columnar crystal thin film, the grain boundary portion serves as a path, and it is easy for water and oxygen to permeate alone, compared to an amorphous thin film made of an Al 2 O 3 thin film having a thickness of 10 nm . However, the sealing property of the whole sealing layer can be ensured by adopting a three-layer structure as described above with an amorphous thin film or a laminated structure in which two or more layers are alternately laminated .
[0021]
Further, the columnar crystal thin film has a columnar crystal structure roughly along the growth direction of the film according to the microscopic observation of the present inventors and the like, and there are many grain boundaries in the film. It is considered that oxygen trapped at the time of forming the columnar crystal thin film is accumulated.
[0022]
When the element portion is broken, oxygen of the columnar crystal thin film itself or oxygen accumulated in the grain boundary is released by Joule heat or the like of the destruction. Since it thinner film thickness of the amorphous thin film composed of Al 2 O 3 thin film of the individual thickness of 10nm by a laminated structure as described above the sealing layer, certain in individual amorphous thin film To some extent, oxygen is considered to be permeable.
[0023]
Therefore, it is considered that oxygen released from the columnar crystal thin film is supplied to the destruction portion, and the supplied oxygen makes the electrode of the destruction portion non-conductive, thereby suppressing the propagation of the destruction. According to the present invention, it is considered that self-healing type destruction can be realized by the above estimation mechanism.
[0024]
Further, in the invention according to claim 2, and characterized in that the amorphous thin film composed of Al 2 O 3 thin film having a thickness of 10 nm (61) and columnar crystal thin film (62), and a different metal oxides To do.
[0025]
Since the amorphous thin film and the columnar crystal thin film composed of Al 2 O 3 thin film having a thickness of 10 nm, by a different metal oxides, it is possible to appropriately control the crystallinity of the thin film to each other, these Each of the amorphous thin film and the columnar crystal thin film can be appropriately formed.
[0026]
It is preferable as defined in claim 3, pillar-like crystal thin film (62) may be a metal or oxide other than Al.
[0027]
Further, as the invention according to claim 4, as the columnar crystal thin film (62), an oxide film of W, Ti, Zr, Zn can be adopted.
[0028]
In addition, the code | symbol in the bracket | parenthesis of each said means is an example which shows a corresponding relationship with the specific means as described in embodiment mentioned later.
[0029]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
DESCRIPTION OF THE PREFERRED EMBODIMENTS Embodiments shown in the drawings will be described below. FIG. 1 is a diagram showing a schematic cross-sectional configuration of an organic EL element S1 according to an embodiment of the present invention.
[0030]
On one surface of the glass substrate 10 as a substrate, an anode 20 as a lower electrode made of a transparent conductive film such as ITO or indium-zinc oxide is formed by sputtering or the like. The thickness of the anode 20 can be about 100 nm to 1 μm. In this example, the anode 20 is made of ITO, and the film thickness is about 150 nm.
[0031]
An organic layer 30 is formed on the anode 20. The organic layer 30 is a film obtained by laminating an organic light emitting material, a hole transporting material, an electron transporting material and the like that can be generally used for an organic EL element by using a vacuum deposition method or the like.
[0032]
In this example, the organic layer 30 was doped from the anode 20 side with 1 wt% of coumarin as a fluorescent dye to a hole transport layer made of α-naphthyl, phenyl, and benzene having a thickness of about 40 nm and aluminum quinolinol as a base material. A light emitting layer having a thickness of about 40 nm made of a material and an electron transporting layer made of aluminum quinolinol having a thickness of about 5 nm are sequentially laminated.
[0033]
Here, holes are injected from the anode 20 into the hole transport layer, and the hole transport layer is configured to transport holes to the light emitting layer. On the electron transport layer, that is, on the organic layer 30, a cathode 40 for injecting electrons into the electron transport layer is formed as an upper electrode.
[0034]
In this example, the cathode 40 is configured by depositing LiF to a thickness of 0.5 nm from the organic layer 30 (electron transport layer) side by vapor deposition, and depositing Al to a thickness of 100 nm thereon.
[0035]
As described above, the element portion 50 is formed by the anode (lower electrode) 20, the organic layer 30, and the cathode (upper electrode) 40 that are sequentially laminated on one surface of the glass substrate 10.
[0036]
In the example shown in FIG. 1, the anode 20 has a stripe shape extending in the left-right direction in the drawing, and the cathode 40 has a stripe shape extending in the direction perpendicular to the paper surface in the drawing. The overlapping portion is configured as a pixel that is the original light emitting region. See FIG. 3 below for this pixel. The pixel 55 in this example has a rectangular shape.
[0037]
In such an element unit 50, by applying a voltage between the upper and lower electrodes 20 and 40 via the wirings 21 and 41, holes and electrons are recombined in the light emitting layer of the organic layer 30, and the energy at that time Thus, the light emitting layer emits light. In this example, coumarin which is a fluorescent dye in the light emitting layer emits light.
[0038]
A sealing layer 60 that covers and seals the element unit 50 is formed on the element unit 50. A schematic cross-sectional structure of the sealing layer 60 is shown in FIG.
[0039]
The sealing layer 60 is formed by laminating an amorphous thin film 61 having an amorphous structure and a columnar crystal thin film 62 having a columnar crystal structure. Although not clearly shown, the connection portion between each electrode 20, 40 and the wiring 21, 41 is not formed with the sealing layer 60 and is exposed from the sealing layer 60.
[0040]
In the example shown in FIG. 1, the sealing layer 60 has a three-layer structure in which an amorphous thin film 61, a columnar crystal thin film 62, and an amorphous thin film 61 are sequentially laminated from the element portion 50 side. Of course, the sealing layer 60 may be formed by alternately laminating two or more amorphous thin films 61 and columnar crystal thin films 62, respectively. Moreover, the film thickness of each thin film 61 and 62 can also be changed suitably.
[0041]
In FIG. 2, the crystal structure of the columnar crystal thin film 62 is schematically shown based on SEM (scanning electron microscope) observation, and forms a columnar crystal structure approximately along the growth direction of the film. In the columnar crystal thin film 62, crystal grains 62a grow along a specific direction, and as a result, columnar crystal grains 62a and grain boundaries 62b are formed along the growth direction of the film.
[0042]
In the three-layer structure of this example, a film made of Al 2 O 3 is used as the amorphous thin film 61, and a film made of ZnO is used as the columnar crystal thin film 62. ZnO has a hexagonal crystal structure and high C-axis orientation, so that it becomes a columnar crystal even when the temperature for forming the film is low.
[0043]
In addition, examples of the amorphous thin film 61 include oxides, nitrides, and oxynitrides such as Si, Y, Cr, Ca, Zr, In, Sn, Ta, and Hf. Furthermore, even if the composition is highly oriented like ZnO and easily adopts a columnar crystal structure, it can be made amorphous by increasing the film thickness, lowering the film formation temperature, or adding a doping material. Can be realized.
[0044]
Originally, the amorphous thin film 61 is insulative, and its role is to protect the element portion from moisture and the like, so any material can be used as long as such performance can be ensured. For example, the amorphous thin film 61 may be an organic material such as furan, polyimide, or parylene.
[0045]
The columnar crystal thin film 62 may not be ZnO as long as it has the properties. In addition to metal oxides such as WO 3 , TiO 2 , ZrO 2 , In 2 O 3 , SnO 2 , sulfides such as ZnS, Zn, Al, W, Ti, etc. Or a nitride thereof. Further, the material is not limited as long as the crystal structure is a columnar crystal.
[0046]
The amorphous thin film 61 and the columnar crystal thin film 62 are preferably different metal oxides. This is because by making the thin films 61 and 62 different metal oxides, the crystallinity of the thin films can be appropriately controlled, and the amorphous thin film and the columnar crystal thin film can be formed appropriately. It is.
[0047]
Specifically, when the amorphous thin film 61 is Al 2 O 3 , the columnar crystal thin film 62 is an oxide of a metal other than Al. At this time, the columnar crystal thin film 62 may be a metal other than Al.
[0048]
Each of these thin films 61 and 62 can be formed by an atomic layer growth method (ALE method), a sputtering method, or the like. Note that the columnar crystal thin film 62 may be formed by sputtering in which particles are blown from an oblique direction. In that case, the crystal grains may be obliquely columnar.
[0049]
In the three-layer sealing layer 60 of this example, the amorphous thin film 61 made of Al 2 O 3 and the columnar crystal thin film 62 made of ZnO are formed by the ALE method. Therefore, the amorphous thin film 61 has a configuration in which a large number of Al 2 O 3 films are stacked, and the columnar crystal thin film 62 has a configuration in which a large number of ZnO films are stacked.
[0050]
The ALE method is a method of forming a film by alternately introducing a gas having a saturated molecular weight or more sufficient for chemical adsorption to a substrate and a gas having a saturated molecular weight or more that reacts with the gas into a reaction furnace.
[0051]
Here, in the ALE method, in order to prevent a reaction in the gas phase (CVD mode), the inside of the reaction furnace is purged with a gas such as N 2 or Ar after the introduction of each gas. In order to accelerate the reaction, the substrate is heated to control the adsorbed and desorbed molecules. However, when the film is formed on the element portion of the organic EL element, the temperature is preferably as low as possible.
[0052]
This is because, in the case of an organic EL element, for example, decomposition of the organic thin film starts at a temperature higher than 140 ° C., resulting in a great hindrance to the light emission characteristics. Therefore, means such as using highly reactive raw materials can be considered. For example, when a metal oxide film is formed by the ALE method, if an organometallic material having a property of reacting violently with H 2 O at room temperature is used as a film material, the film is sufficiently formed even at a substrate temperature of about 100 ° C. be able to.
[0053]
An example of film formation by a specific ALE method is shown. In the sealing layer 60 having a three-layer structure of this example, an Al 2 O 3 thin film that is an amorphous thin film 61 is 10 nm thick and a columnar crystal thin film 62 is formed thereon at a substrate temperature (film forming temperature) of 100 ° C. A ZnO thin film was formed to a thickness of 80 nm, and an Al 2 O 3 thin film as an amorphous thin film 61 was formed thereon to a thickness of 10 nm.
[0054]
As a raw material for Al 2 O 3 , TMA (triethylaluminum, (CH 3 ) 3 Al) and H 2 O gas were used. As a raw material for ZnO, a gas of DEZ (diethyl zinc, (C 2 H 5 ) 2 Zn) and H 2 O was used.
[0055]
The film forming conditions for the lower and upper Al 2 O 3 thin films are as follows. TMA and H 2 O, which were vaporized at room temperature in a bottle, were introduced into the reactor using N 2 gas as a carrier gas. The flow rate of the carrier gas N 2 gas was 400 sccm for both TMA and H 2 O. N 2 gas was also used as the purge gas.
[0056]
Thus, the cycle of TMA introduction → N 2 gas by TMA purge → H 2 O introduced → N 2 gas by of H 2 O purge is repeated for the reactor. In this cycle, the TMA introduction time was 0.2 seconds, the H 2 O introduction time was 0.2 seconds, and the N 2 gas introduction time in each purge was 7.0 seconds. Then, the above cycle was repeated 80 times to form an Al 2 O 3 thin film having a thickness of 10 nm.
[0057]
The conditions for forming the ZnO thin film are as follows. DEZ and H 2 O, which were vaporized at room temperature in a bottle, were introduced into the reactor using N 2 gas as a carrier gas. The flow rate of the carrier gas N 2 gas was 400 sccm for both DEZ and H 2 O. N 2 gas was also used as the purge gas.
[0058]
Thus, the cycle of DEZ introduction → N 2 gas by DEZ purge → H 2 O introduced → N 2 gas by of H 2 O purge is repeated for the reactor. In this cycle, DEZ introduction time was 0.2 seconds, H 2 O introduction time was 0.2 seconds, and N 2 gas introduction time in each purge was 7.0 seconds. Then, the above cycle was repeated 308 times to form a ZnO thin film having a thickness of 80 nm.
[0059]
Thus, about the produced organic EL element S1 of this example, the effect which suppresses propagation of destruction of the element part 50 was confirmed experimentally. FIG. 3 shows a state in which destruction due to an electrical short circuit has occurred in the pixel 55, which is an overlapping portion of the anode 20 and the cathode 40, and is schematically shown based on observation with an optical microscope.
[0060]
In FIG. 3, a portion indicated by a black circle in the pixel 55 is a destructive portion 55 a. This size of the destruction portion 55a is an area that does not hinder the light emitting display performance. That is, according to the organic EL element S1 of the present embodiment, it is found that even if the element unit 50 is broken, self-repair type destruction occurs, and thus propagation of the destruction can be suppressed as much as possible.
[0061]
Further, the organic EL element S1 in which the destruction portion 55a exists was left in the atmosphere at room temperature for about 50 hours. Thereafter, the light emission state of the element S1 was observed with a microscope, but the destruction portion 55a did not expand or increase. In addition, stable light emission could be realized without generating dark spots.
[0062]
The reason why self-healing destruction can be realized in this way can be estimated as follows. The columnar crystal thin film 62 is easy to permeate moisture and oxygen by itself compared to the amorphous thin film 61. However, the sealing property of the entire sealing layer 60 can be ensured by adopting a laminated structure with the amorphous thin film 61.
[0063]
Further, as described above, the columnar crystal thin film 62 has a columnar crystal structure approximately along the growth direction of the film, and there are many grain boundaries in the film. It is considered that oxygen is captured and accumulated at the grain boundary when the columnar crystal thin film 62 is formed.
[0064]
When the element portion 50 is broken, oxygen of the film of the columnar crystal thin film 62 itself and oxygen accumulated in the grain boundary are released by the broken Joule heat or the like. Here, since the film thickness of each amorphous thin film 61 can be reduced by forming the sealing layer 60 in a laminated configuration, it is considered that oxygen can be transmitted through the amorphous thin film 61 to some extent.
[0065]
Therefore, the oxygen released from the columnar crystal thin film 62 is supplied to the destruction portion 55a, and the supplied oxygen makes the electrode of the destruction portion 55a, in this example, the cathode 40 made of Al non-conductive, thereby suppressing the propagation of the destruction. It is thought that it is done. According to the present embodiment, it is considered that self-repair type destruction can be realized by the above estimation mechanism.
[0066]
As described above, according to the present embodiment, when the sealing layer 60 is a laminated film of the amorphous thin film 61 and the columnar crystal thin film 62, when the element portion 50 is broken, the destruction is caused. Becomes self-healing and can suppress the propagation of destruction as much as possible.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing a schematic cross-sectional configuration of an organic EL element according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a diagram showing a schematic cross-sectional structure of a sealing layer.
FIG. 3 is a diagram schematically showing a state in which breakdown due to an electrical short circuit has occurred in the embodiment.
FIG. 4 is a diagram showing a cross-sectional structure of an organic EL element using a conventional sealing layer.
FIG. 5 is a diagram schematically showing the state of propagation-type breakdown in a conventional organic EL element.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 10 ... Glass substrate, 20 ... Anode, 30 ... Organic layer, 40 ... Upper electrode,
50 ... Element part, 60 ... Sealing layer, 61 ... Amorphous thin film,
62: Columnar crystal thin film.

Claims (4)

基板(10)と、
前記基板の一面上に順次積層された下部電極(20)、有機層(30)および上部電極(40)からなる素子部(50)と、
前記素子部を被覆して封止する封止層(60)とを備える有機EL素子において、
前記封止層は、アモルファス構造を有し膜厚10nmのAl 2 3 薄膜からなるアモルファス性薄膜(61)と、柱状の結晶構造を有する柱状結晶薄膜(62)とが積層されたものであって、前記素子部側から前記アモルファス性薄膜、前記柱状結晶薄膜、前記アモルファス性薄膜が順次積層された3層構造、或いは、前記アモルファス性薄膜、前記柱状結晶薄膜をそれぞれ2層以上交互に積層したものであることを特徴とする有機EL素子。
A substrate (10);
An element part (50) comprising a lower electrode (20), an organic layer (30) and an upper electrode (40) sequentially laminated on one surface of the substrate;
In an organic EL element comprising a sealing layer (60) for covering and sealing the element portion,
The sealing layer has a have a amorphous structure amorphous thin film ing from Al 2 O 3 thin film having a thickness of 10 nm (61), in which a columnar crystal thin film (62) having a columnar crystal structure are laminated I Oh, the amorphous thin film from said element portion, the columnar crystal film, wherein the amorphous thin film are sequentially stacked three-layer structure, or the amorphous thin film, the columnar crystal thin film alternately two or more layers respectively the organic EL element characterized in der Rukoto formed by laminating.
前記アモルファス性薄膜(61)と前記柱状結晶薄膜(62)とは、互いに異なる金属の酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子。  The organic EL device according to claim 1, wherein the amorphous thin film (61) and the columnar crystal thin film (62) are different metal oxides. 記柱状結晶薄膜(62)はAl以外の金属またはその酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子。 Before SL columnar crystal thin film (62) is an organic EL device according to claim 1, characterized in that a metal or an oxide thereof other than Al. 前記柱状結晶薄膜(62)は、W、Ti、Zr、Znの酸化膜であることを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子。  The organic EL device according to claim 1, wherein the columnar crystal thin film (62) is an oxide film of W, Ti, Zr, or Zn.
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