JP4062884B2 - 筒内噴射型内燃機関 - Google Patents

筒内噴射型内燃機関 Download PDF

Info

Publication number
JP4062884B2
JP4062884B2 JP2001033640A JP2001033640A JP4062884B2 JP 4062884 B2 JP4062884 B2 JP 4062884B2 JP 2001033640 A JP2001033640 A JP 2001033640A JP 2001033640 A JP2001033640 A JP 2001033640A JP 4062884 B2 JP4062884 B2 JP 4062884B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
valve
fuel
catalyst
control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001033640A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002235647A (ja
Inventor
公二郎 岡田
真一 村田
保樹 田村
康之 山口
茂雄 山本
英夫 中井
文昭 平石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP2001033640A priority Critical patent/JP4062884B2/ja
Publication of JP2002235647A publication Critical patent/JP2002235647A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4062884B2 publication Critical patent/JP4062884B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、筒内噴射型内燃機関、特に排気バルブ及び/又は吸気バルブの開閉タイミングを調整しうる筒内噴射型内燃機関における触媒の昇温技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の内燃機関に備えられる触媒は、排気ガス中の有害成分(HC,CO,NOx等)を浄化する効果を有している。しかしながら、この排ガス浄化効果を得るためには触媒が所定の活性化温度に達していることが必要であり、冷態始動時のように触媒温度が低い状態では十分な効果を得ることはできない。この点については近年実用化されている筒内噴射型内燃機関でも同様であるが、筒内噴射型内燃機関では、燃料噴射時期を任意に制御できるという特性を生かした種々の触媒昇温技術が提案されている。
【0003】
例えば、特開2000−240485号公報には、触媒の昇温が要求される時、空燃比が理論空燃比近傍になるように燃料を圧縮行程中に噴射して成層燃焼を行わせる技術が開示されている。この技術は、成層燃焼によって空燃比がリッチな領域とリーンな領域とを局部的に生じさせ、リッチ空燃比領域では不完全燃焼により多量のCO,H2を発生させ、リーン空燃比領域では多量の余剰O2を発生させるようにしたものである。つまり、この技術によれば、多量のCO,H2及びO2を触媒に同時に供給することができ、触媒上でのCO,H2とO2との酸化反応による反応熱によって触媒を効率的に昇温させることができる。
【0004】
また、筒内噴射型内燃機関においては、主燃料の噴射後の膨張行程中に追加燃料を噴射することによって触媒を昇温させる技術も知られている。膨張行程中に噴射された追加燃料は内燃機関の出力には寄与せず、そのエネルギの多くは熱となって排気温度を高めることになるので、この技術によれば、高温の排気ガスを触媒に供給して触媒を効率的に昇温させることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来技術は、何れも、燃料噴射時期を任意に制御できるという筒内噴射型内燃機関の特性を生かし、燃料噴射時期によって内燃機関の燃焼状態を制御して触媒の昇温を図っている。しかしながら、内燃機関の燃焼状態を制御するためのパラメータとしては、上記の燃料噴射時期のほかに、点火時期や排気バルブ及び吸気バルブの開閉タイミング等がある。したがって、燃料噴射時期だけでなくこれらの燃料噴射時期以外の制御パラメータも用いて内燃機関の燃焼状態を制御すれば、より効率的な触媒の昇温制御が可能になると考えられる。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑み創案されたもので、触媒を効率的に昇温させることを可能にした筒内噴射型内燃機関を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の筒内噴射型内燃機関は、排気通路に設けられ排気ガスの浄化を行う触媒の昇温が要求されるときには、制御手段により以下の昇温制御を実行することを特徴としている。すなわち、上記触媒の昇温が要求されるときには、燃料噴射手段を駆動して空燃比が理論空燃比近傍若しくは理論空燃比よりも若干希薄空燃比になるように燃料を圧縮行程中に燃焼室内に直接噴射するとともに、制御開始後の所定期間はバルブタイミング調整手段を駆動して排気バルブと吸気バルブとの開弁期間のオーバラップ(バルブオーバラップ)を通常運転時よりも増大させ、上記所定期間の経過後はバルブオーバラップを減少させるとともに点火手段による点火時期を通常運転時よりも遅角させる。
【0008】
バルブオーバラップを通常運転時よりも増大させることにより、内燃機関内の内部EGR量は増大する。このため、上記吸気バルブが開くことによる吸気の負圧によって排気通路側に排出された排気ガス中の未燃燃料は再び上記燃焼室内に引き戻され、また、上記燃焼室内に残存している未燃燃料もそのまま上記燃焼室内に閉じ込められることになる。したがって、未燃燃料は上記燃焼室内で再燃焼させられることになり、制御開始直後の上記触媒が十分に昇温されていないときであっても、外部への未燃燃料の排出を抑制することができる。なお、内部EGRの増大は一般に燃焼安定性の低下を招くことになるが、本発明の筒内噴射型内燃機関では、圧縮行程中に燃料を噴射することによって燃焼速度の速い成層燃焼を実現しており、且つ空燃比が理論空燃比近傍若しくは理論空燃比よりも若干希薄空燃比のときにはさらに燃焼安定性が高いので、バルブオーバラップの増大に伴う燃焼安定性の低下を十分に相殺することができる。
【0009】
そして、制御開始から所定期間が経過して上記触媒がある程度まで昇温された後は、バルブオーバラップを減少させて燃焼安定性をさらに高めているので、点火時期を遅角させた場合でも安定した後燃え燃焼が確保される。したがって、上記昇温制御の実行により排気温度は確実に高められ、圧縮行程噴射により生成されるCO,H2と余剰O2の触媒上での反応と相俟って上記触媒を効率よく昇温させることができ、上記触媒の早期活性化により未燃燃料の排出も抑制できるようになる。
【0010】
なお、上記触媒の昇温が要求されるときとしては、内燃機関の冷態始動時の他、アイドリングやリーン運転がある程度の時間にわたって継続したときのように上記触媒の温度が活性化温度以下まで低下したり或いは低下しそうな状況にあるとき等が挙げられる。昇温要求の有無の判定は、例えば、触媒温度を直接検出したり、或いは高温センサにより検出できる排気温度から触媒温度を推定したりして、検出或いは推定した触媒温度が所定温度以下のときに昇温要求が有ると判定してもよい。また、内燃機関の冷却水温(或いは油温)が所定温度まで低下したら昇温要求があると判定してもよい。なお、上記触媒の種類には限定はなく、三元触媒の他、吸蔵型NOx触媒や選択還元型NOx触媒等も適用できる。また、上記触媒の配設位置にも限定はなく、床下触媒でもよいし近接触媒でもよい。
【0011】
また、バルブオーバラップや点火時期の設定を切り換える上記所定期間は、触媒温度が所定温度に達するまでの期間とするのが好ましい。触媒温度は触媒から直接検出してもよく、或いは高温センサにより検出できる排気温度から推定してもよい。また、上記昇温制御の開始からの経過時間と触媒温度との関係を予め実験等で求めておき、タイマで上記昇温制御の開始からの経過時間を計測し、タイマの計測値が所定値に達したらバルブオーバラップや点火時期の設定を切り換えるようにしてもよい。
【0012】
上記昇温制御時の空燃比(A/F)は、リッチ過ぎる場合には不完全燃焼の度合いが高すぎて未燃燃料が多量に発生するとともに、上記点火手段としての点火プラグのくすぶりの要因となり、スモークを発生させる虞がある。逆にリーン過ぎる場合にはCOの生成量が不足するとともに、燃費の悪化やドライバビリティの低下を招いてしまう。したがって、上記昇温制御時の空燃比(A/F)は、14〜18の範囲に設定するのが好ましく、より好ましくは14.5〜16の範囲に設定する。同様に上記点火手段の周囲に局所的に生成されるリッチ領域の空燃比については8〜10の範囲になるのが好ましい。また、空燃比の制御はオープンループ制御でもよいが、より好ましくは、上記触媒の上流側に設置されるO2センサが活性化した時点で空燃比のフィードバック制御を行うようにする。
【0013】
また、上記バルブタイミング調整手段は、吸気バルブの開閉タイミングを調整するものでもよく、排気バルブの開閉タイミングを調整するものでもよい。さらに、吸/排気バルブ双方の開閉タイミングを調整するものでもよい。バルブタイミングの調整機構としては、切換式,位相切換式,偏芯式或いは電磁弁式等、少なくともバルブタイミングを変更可能なものであればよい。好ましくは、ベーン式のタイミング可変機構のように連続的にバルブタイミングを変更できる機構とする。この場合、上記昇温制御開始から所定期間経過後のバルブオーバラップの量は、少なくとも所定期間経過する前よりも減少していればよいが、クランク角度で0度以下、すなわちバルブオーバラップが全く無いか或いは排気バルブも吸気バルブも開いていない期間を設けるようにしてもよい。このようにバルブオーバラップが全く無い状態とすることで、内部EGRを完全に無くして燃焼安定性を高めることができる。
【0014】
また、上記昇温制御における圧縮行程噴射においては、好ましくは、同負荷,同回転速度で比較したときの通常運転時の圧縮行程噴射における噴射時期よりも圧縮行程の範囲内で噴射時期を進角させる。このように噴射時期を進角させることで、燃焼室空間が比較的広いときに燃料を噴射することができ、燃料の拡散を促進して燃焼安定性をより向上させることが可能になる。また、噴射された燃料の霧化時間が十分に確保されることにより、スモークの発生を抑制することもできる。
【0015】
また、上記所定時間経過後における点火時期は、少なくとも通常運転時よりも遅角させていればよいが、好ましくは上死点後に設定する。具体的には、上死点から上死点後30度の範囲に設定するのが好ましく、より好ましくは、上死点後5〜20度の範囲に設定する。このような範囲内に点火時期を設定することで、燃費の悪化やドライバビリティの低下を招くことなく排気温度を上昇させることができる。
また、上記制御手段は、上記昇温制御に先立って、所定時間だけ上記オーバラップを通常運転時よりも減少させることが好ましい。
また、上記燃焼室から排出された上記排気ガスを積極的に干渉させるための容積部を有する反応型排気マニホールドをそなえていることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
まず、本発明の一実施形態にかかる筒内噴射型内燃機関の概要について説明すると、本筒内噴射型内燃機関は、吸気,圧縮,膨張及び排気の各行程を一作動サイクル中に備える4サイクル機関であって、火花点火式で、且つ、燃焼室内に燃料を直接噴射可能に構成されている。より具体的には、本筒内噴射式内燃機関は図1の概略構成図に示すように構成されている。
【0017】
図1に示すように、本筒内噴射式内燃機関(以下、エンジンという)1のシリンダヘッド2には、吸気通路4および排気通路5が燃焼室3に連通しうるように接続されている。吸気通路4と燃焼室3とは吸気バルブ6によって連通制御されるとともに、排気通路5と燃焼室3とは排気バルブ7によって連通制御されるようになっている。このうち吸気バルブ6には、吸気バルブ6の開閉タイミングを可変調整するバルブタイミング調整装置10が備えられている。バルブタイミング調整装置(バルブタイミング調整手段)10の機構は公知であるのでここでは詳細な説明は省略するが、例えばタイミングベルトを介してクランク軸に連結されるタイミングプーリのハウジング内にベーンロータを回動可能に設け、このベーンロータに吸気カム軸を連結することによって構成される。そして、ベーンロータに作用させる油圧を制御することでタイミングプーリに対する吸気カム軸の位相を調整し、吸気バルブ6の開閉タイミングを連続的に調整できるようになっている。
【0018】
また、シリンダヘッド2には、各気筒毎に燃料噴射弁(燃料噴射手段)9が備えられている。燃料噴射弁9は、燃焼室3内に燃料を直接噴射できるように、その開口を燃焼室3に臨ませるように配置されている。この燃料噴射弁9には、図示しない低圧燃料ポンプ及び高圧燃料ポンプにより加圧された燃料が供給されるようになっている。さらに、シリンダヘッド2の各気筒の燃焼室3の頂部中央には、点火プラグ(点火手段)8が備えられている。
【0019】
吸気通路4には、各気筒の燃焼室3内に吸入空気を導入するための吸気マニホールド11が備えられている。シリンダヘッド2には、吸気ポートが気筒毎に燃焼室3に対して比較的直立して設けられており、吸気マニホールド11は各吸気ポートと連通するようにシリンダヘッド2に接続されている。吸気マニホールド11の上流には、吸入空気量を調整するためのスロットルバルブ12が設けられている。
【0020】
一方、排気通路5には、各気筒の燃焼室3から排出された排ガスを一つに集合させる排気マニホールド17が備えられている。シリンダヘッド2には、排気ポートが気筒毎に比較的水平方向に設けられており、排気マニホールド17は各排気ポートと連通するようにシリンダヘッド2に接続されている。排気マニホールド17としては、各気筒の燃焼室3から排出される排気ガスの干渉を防止してエンジン出力の向上を図るためデュアルタイプの排気マニホールドが採用されている。また、排気マニホールド17の下流側で車両床下には触媒装置18および図示しないマフラ (消音器)が設けられている。触媒装置18は、排気ガス中の有害成分(CO,未燃HC,NOx)を浄化する装置であり、吸蔵型NOx触媒18Aの上下流に三元触媒18B,18Cを配置した構造になっている。
【0021】
さらに、車室内には、エンジン1を制御する制御手段としての電子制御ユニット(ECU)30が備えられている。ECU30は、入出力装置,ROM,RAM,CPU及びタイマカウンタ等から構成されており、入力側に接続された種々のセンサからの検出情報に基づいてエンジン1の総合制御を行っている。
ECU30の入力側に接続されるセンサとして、まず吸気通路4には、そのスロットルバルブ12の配設部分に、スロットルバルブ12の開度θthを検出するためのスロットルポジションセンサ(TPS)20が付設されている。また、排気通路5には、触媒装置18の上流部分にO2センサ21と高温センサ22とが配設されている。O2センサ21は、排気ガス中の酸素濃度を検出するセンサであり、理論空燃比(ストイキオ)を境としてその出力が大きく変化するような特性を有している。高温センサ22は排気ガスの温度を検出するセンサである。さらに、その他のセンサとして、エンジン1の冷却水の水温WTを検出する水温センサ23や、クランクシャフトの回転に同期して信号を出力するクランク角センサ24や、図示しないアクセル開度センサやエアフローセンサ等が設けられている。なお、クランク角センサ24からの信号はエンジン回転速度Neの算出に用いられる。
【0022】
一方、ECU30の出力側には、点火プラグ8,燃料噴射弁9及びバルブタイミング調整装置10等が接続されている。ECU30は、上記の各種センサ20〜24からの検出情報に基づいて、点火プラグ8の点火時期や、燃料噴射弁9からの燃料噴射時期及び燃料噴射量や、バルブタイミング調整装置10による吸気バルブ6の開閉タイミング等を制御している。
【0023】
なお、本実施形態にかかるエンジン1の燃料噴射の態様(燃料噴射モード)としては、吸気行程中に燃料を噴射して予混合燃焼を行う吸気行程噴射モードと、圧縮行程中に燃料を噴射して成層燃焼を行う圧縮行程噴射モードの燃料噴射時期の異なる2つのモードが設けられている。より詳しくは、吸気行程噴射モードとして、O2センサ21からの信号を用いて空燃比がストイキオになるようにフィードバック制御する吸気O2−F/Bモード、ストイキオよりも希薄な空燃比(リーン空燃比)となるようオープンループ制御する吸気リーンモード、及び、ストイキオよりも過濃な空燃比(リッチ空燃比)となるようオープンループ制御する吸気O/Lモードが設けられている。一方、圧縮行程噴射モードとしては、吸気リーンモードよりもさらに希薄な空燃比となるようオープンループ制御する圧縮リーンモード、ストイキオよりも若干リーンなスライトリーン空燃比(A/F=15〜16)となるようオープンループ制御する圧縮スライトリーンモード(圧縮S/Lモード)が設けられている。
【0024】
上記の噴射モードのうち、各吸気行程噴射モードと圧縮リーンモードとは、通常時の燃料噴射制御に用いられ、ECU30は、アクセル開度とエンジン回転速度Neとで決まるエンジン1の運転状態に応じて適宜の燃料噴射モードを選択するようになっている。一方、圧縮S/Lモードは、後述する昇温制御時の燃料噴射制御に用いられる。昇温制御は、触媒装置18の昇温が要求される場合、すなわち触媒18A〜18Cの温度が低下しているような状況で選択されるエンジン1の制御方法であり、本実施形態にかかるエンジン1では、ECU30は、上記の燃料噴射モードに加え、点火プラグ8の点火時期と、バルブタイミング調整装置10による吸気バルブ6の開閉タイミングとを総合制御することによって実現している。
【0025】
以下、本発明の一実施形態にかかる昇温制御について、図2のフローチャート及び図3のタイムチャートを用いて説明する。触媒装置18の昇温が要求されるときとしては、エンジン1の冷態始動時の他、アイドリングやリーン運転(特にリーン化の度合いが大きい圧縮リーン運転)が比較的長時間継続したときのように、活性化していた触媒装置18(触媒18A〜18C)の温度が活性化温度以下に低下したとき或いは低下しそうなとき等も挙げられるが、本実施形態では、代表して、エンジン1を冷態始動させる場合の昇温制御について説明する。
【0026】
まず、ステップS10では、ECU30は、始動スイッチ(例えばイグニションキー)が操作されてオン状態とされた場合、すなわちエンジン1が始動したと判定された場合に、本制御ルーチンで用いるタイマの値Tを0にリセットしてカウントを開始する〔すなわちタイマオン、図3(d)参照〕。そして、ステップS20において、エンジン回転速度Neが所定値Ne0(Ne0>アイドル回転速度)に達したと判定され、始動判定が完了したら次のステップS30に進む。なお、図3(a)に示すように、エンジン1の始動後、エンジン回転速度Neが所定値Ne0に達するまでは、始動に十分な燃料を供給すべく燃料噴射モードは吸気O/Lモードが選択される。
【0027】
ステップS30では、ECU30は、昇温制御を実行してもよいか否かを判定する。具体的には、水温(冷却水温)WT,エンジン回転速度Ne,目標平均有効圧Pe(アクセル開度とエンジン回転速度Neとから推定),車速Vがそれぞれ対応する所定値WT1,Ne1,Pe1,V1以下であるか否かを判定する〔図3(e)〜図3(h)参照〕。エンジン回転速度Ne,目標平均有効圧Pe,車速Vのいずれかが高い条件では、エンジン1の運転状態は圧縮行程噴射領域を外れており、排気温度が高い通常走行状態とみなすことができるので、昇温制御を用いなくても触媒装置18を昇温することができ、逆に昇温制御を実行すると排気浄化触媒装置18の過昇温を招く虞がある。また、水温センサ23により検出された冷却水温WTが、所定値、すなわちエンジン1が暖機したとみなせる暖機温度WT1以下であるか否かを判定するのは、排気浄化触媒装置18の過昇温を防止するためである。
【0028】
したがって、水温WT,エンジン回転速度Ne,目標平均有効圧Pe,車速Vのいずれかが対応する所定値WT1,Ne1,Pe1,V1よりも大きい場合(Noルート)には、ECU30は、昇温制御を実行することなく、ステップS40において通常時の制御を実行する。つまり、エンジン1の運転状態に応じた燃料噴射モード,点火時期,及び吸気バルブ6の開閉タイミングを選択する。一方、水温WT,エンジン回転速度Ne,目標平均有効圧Pe,車速Vのいずれもが対応する所定値WT1,Ne1,Pe1,V1以下の場合(Yesルート)には、次のステップS50に進み、ステップS50の第1段階の昇温制御(第1昇温制御)を実行する。
【0029】
昇温制御は、上述したように燃料噴射モード,点火時期,及び吸気バルブ6の開閉タイミングの総合制御によって実現される。具体的には、ステップS50の第1昇温制御では、ECU30は、燃料噴射モードとして圧縮S/Lモードを選択し、吸気バルブ6の開閉タイミングは図4に示すように排気バルブ7と吸気バルブ6との開弁期間のオーバラップが通常運転時よりも大きくなるように進角させる〔図3(a),図3(b)参照〕。
【0030】
冷態始動時のように触媒温度が低く触媒装置18の浄化能力が低いときには、空燃比は燃焼が悪化しない範囲で極力リーン化したほうが未燃HCの低減に効果がある。その際、吸気行程噴射よりも圧縮行程噴射のほうが成層燃焼のため燃焼が早く、燃焼安定性に優れており、ドライバビリティも良好となる。加えて、空燃比をストイキオ近傍或いはストイキオよりも若干リーン寄りのスライトリーン空燃比に制御して圧縮行程噴射を行った場合には、局部的に極めて燃料濃度の濃いリッチ領域と燃料濃度の薄いリーン領域とが燃焼室3内に形成される。そして、リッチ領域では局部的に酸素が不足するために不完全燃焼が生起されて比較的多量のCO,H2が発生し、リーン領域では燃焼に寄与しないO2が余剰O2として多く存在することになる。
【0031】
したがって、上述のように燃料噴射モードとして圧縮S/Lモードが選択されることにより、反応性に富むCO,H2と余剰O2とを排気通路5を経て触媒装置18へ同時供給することができ、排気通路5及び触媒装置18内での酸化反応によるCO,H2とO2との反応熱によって触媒装置18の昇温が図られることになる。なお、空燃比がリッチ過ぎる場合には不完全燃焼の度合いが高すぎて未燃HCが多量に発生するとともに、点火プラグ8のくすぶりの要因となり、スモークを発生させる虞がある。逆に空燃比がリーン過ぎる場合にはCO,H2の生成量が不足するとともに、燃費の悪化やドライバビリティの低下を招いてしまう。したがって、昇温制御における空燃比は、14〜18の範囲に設定されるのが好ましく、より好ましくは14.5〜16の範囲とする。また、点火プラグ8の周りに局所的に生成されるリッチ領域の空燃比については8〜10の範囲が好ましい。
【0032】
また、ECU30は、燃料噴射モードとして圧縮S/Lモードを選択すると同時に、排気バルブ7と吸気バルブ6との開弁期間のオーバラップが通常運転時よりも大きくなるように吸気バルブ6の開閉タイミングを進角させている。開弁期間のオーバラップを通常運転時よりも増大させることにより、エンジン1内の内部EGR量が増大し、吸気バルブ6が開くことによる吸気の負圧によって排気通路5側に排出された排気ガス中の未燃HCは再び燃焼室3内に引き戻され、また、燃焼室3内に残存している未燃HCもそのまま燃焼室3内に閉じ込められることになる。したがって、未燃HCは燃焼室3内で再燃焼させられることになり、冷態始動直後の触媒装置18の浄化能力が十分に発揮されていないときであっても、未燃HCが外部へ排出されるのを抑制することができる。
【0033】
また、上述のように開弁期間のオーバラップを増大させる場合、通常であれば燃焼が不安定になってトルク変動等のドライバビリティの悪化を招いてしまうことになる。しかしながら、ECU30は、燃焼噴射モードとして圧縮S/Lモードを選択して燃焼安定性の高い圧縮行程噴射を行っているので、開弁期間のオーバラップの増大に伴う燃焼安定性の低下によってドライバビリティが悪化することが抑制される。
【0034】
つまりステップS50の第1昇温制御によれば、空燃比がストイキオ近傍若しくはスライトリーン空燃比になるように燃料を圧縮行程中に噴射することと、排気バルブ7と吸気バルブ6との開弁期間のオーバラップを通常運転時よりも増大させることの相乗効果によって、未燃HCの排出を抑制しながら触媒装置18を効率的に昇温することができるという効果が得られる。
【0035】
次に、ECU30は、ステップS60において、タイマが所定タイマ時間T1をカウントしたか否かを判定する。所定タイマ時間T1は、予め実験等により、例えば、冷態始動後、ステップS50の第1昇温制御の実行により未燃HCがある程度浄化される程度までに触媒温度が上昇したと推定される時間に設定されている。そして、タイマが所定タイマ時間T1に達していない場合(Noルート)には、ECU30は、ステップS30の処理を経てステップS50の第1昇温制御を継続し、タイマが所定タイマ時間T1をカウントした場合(Yesルート)には、次のステップS70の処理を行う。
【0036】
ステップS70では、ECU30は、第2段階の昇温制御(第2昇温制御)を実行してもよいか否かを判定する。具体的には、ステップS30と同様に、水温WT,エンジン回転速度Ne,目標平均有効圧Pe,車速Vがそれぞれ各対応する所定値WT1,Ne1,Pe1,V1以下であるか否かを判定する〔図3(e)〜図3(h)参照〕。そして、水温WT,エンジン回転速度Ne,目標平均有効圧Pe,車速Vのいずれかが対応する所定値WT1,Ne1,Pe1,V1よりも大きい場合(Noルート)には、ECU30は、第2昇温制御を実行することなく、ステップS80において通常時の制御を実行する。一方、水温WT,エンジン回転速度Ne,目標平均有効圧Pe,車速Vのいずれもが対応する所定値WT1,Ne1,Pe1,V1以下の場合(Yesルート)には、次のステップS90に進み、第2昇温制御を実行する。なお、ここでは第1昇温制御の開始判定で用いた所定値WT1,Ne1,Pe1,V1を第2昇温制御の開始判定でも用いているが、第1昇温制御とは異なる所定値WT2,Ne2,Pe2,V2を用いてもよい。
【0037】
ステップS90の第2昇温制御では、ECU30は、燃料噴射モードとして圧縮S/Lモードを選択したまま、点火時期を圧縮上死点後に遅角させるとともに、図4に示すように排気バルブ7と吸気バルブ6との開弁期間のオーバラップが通常運転時よりも小さくなるように吸気バルブ6の開閉タイミングを遅角させる〔図3(a)〜図3(c)参照〕。
【0038】
このように点火時期が圧縮上死点後まで遅角されることによって、膨張行程での十分な後燃えが可能になり、後燃えによる排気温度の上昇によってより速やかに触媒装置18の昇温が図られることになる。特に、CO,H2とO2との反応熱のみでは、触媒18A〜18Cが全く活性していない場合や活性化度合いが低い場合、触媒18A〜18Cが活性化するまでに時間がかかるが、上記のように点火時期が圧縮上死点後まで遅角されることによって排気温度を高めることができ、触媒18A〜18C(特に18B)を十分に加熱して活性化させることができる。その結果、圧縮S/Lモードでの燃料噴射により供給されるCO,H2及びO2を触媒18A〜18C(特に18B)上で有効に反応させることができ、その反応熱によって触媒18A〜18C(特に18B)のさらなる早期活性化が図られることになる。
【0039】
また、上述のように点火時期が大きく遅角される場合、通常であれば燃焼が不安定になってトルク変動等のドライバビリティの悪化を招いてしまうことになるが、ECU30は、燃焼安定性の高い圧縮行程噴射を行っている。そして、さらに、上述のように排気バルブ7と吸気バルブ6との開弁期間のオーバラップを通常運転時よりも減少させことによってエンジン1の内部EGRを低減し、これによっても燃焼安定性を高めている。したがって、点火時期を大きく遅角させた場合でも、燃焼安定性の低下によってドライバビリティが悪化することがない。
【0040】
つまりステップS90の第2昇温制御によれば、空燃比がストイキオ近傍若しくはスライトリーン空燃比になるように燃料を圧縮行程中に噴射することと、点火時期を圧縮上死点後に設定することと、排気バルブ7と吸気バルブ6との開弁期間のオーバラップを通常運転時よりも減少させることの相乗効果によって、燃焼安定性の悪化を招くことなく触媒装置18をさらに効率的に昇温することができるという効果が得られる。特に、本実施形態にかかる床下配置の触媒装置18はエンジン1本体から遠いため排気ガスが触媒装置18に到達する前に排気温度が下がりやすく、また、デュアルタイプ排気マニホールド17は排気干渉が少ない分、排気マニホールド17内での反応が少なく、且つ熱容量が大きいと同時に表面積(放熱面積)が大きいために排気温度が下がりやすい。しかしながら、このように排気温度の維持に不利な構造であっても、触媒装置18を早期に活性化温度まで上昇させ、有害物質(HC,CO及びNOx)の浄化効率を速やかに上昇させることができる。
【0041】
なお、ステップS90における排気バルブ7と吸気バルブ6との開弁期間のオーバラップは、少なくとも温態時(通常運転時)の同負荷,同回転速度における設定量よりも小さければよいが、バルブタイミング調整装置10の機構上可能であれば、好ましくは0度以下の設定にする。オーバラップがある限りは燃焼安定性の低下の要因である内部EGRは多少とも存在しており、特に吸気通路4に負圧が発生している場合には、わずかでもオーバラップがあると負圧に引かれて本来排気通路5に排出されるべき排気ガスが内部EGRとして燃焼室3内に残存してしまう。したがって、上記のようにオーバラップを0度以下に設定することで内部EGRを完全に無くし、さらなる燃焼安定性の向上を図ることが可能になる。
【0042】
以上のように第2昇温制御を実行して触媒装置18の昇温を実施したら、ECU30は、次にステップS100の処理を行う。ステップS100では、ECU30は、タイマが所定タイマ時間T2をカウントしたか否か、即ち上記の第1,第2昇温制御の通算継続時間が所定タイマ時間T2を超えたか否かを判定する。所定タイマ時間T2は、予め実験等により、例えば、冷態始動後、昇温制御の実行により触媒装置18が活性化温度に近い所定温度にまで昇温したと推定されるまでの時間に設定されている。そして、タイマが所定タイマ時間T2に達していない場合(Noルート)には、ECU30は、ステップS70の処理を経て再びステップS90において第2昇温制御を継続する。一方、タイマが所定タイマ時間T2をカウントした場合(Yesルート)には、次のステップS110の処理を行う。すなわち、ステップS110では、ECU30は、昇温制御を終了し〔図3(a)〜図3(c)参照〕、エンジン1の運転状態に応じた燃料噴射モード,点火時期,及び吸気バルブ6の開閉タイミングを選択して再び通常の制御を行う。
【0043】
なお、以上の制御において、第1昇温制御に先立って、所定時間の間、第2昇温制御と同様にバルブオーバラップを通常運転時よりも減少させる制御を追加してもよい。これによって、特に触媒温度が低く触媒装置18による排ガス浄化が期待できない初期において、バルブオーバラップ期間中に吸気してそのまま排気管へ吹き抜ける未燃HCを低減することができる。
【0044】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施しうるものである。例えば、上述の実施形態では、所定タイマ時間T1の経過後、点火時期を圧縮上死点後まで遅角させているが、少なくとも通常制御時の点火時期よりも遅角させれば、後燃えによる排気温度の上昇により触媒装置18を昇温させることができ、本発明の目的とする効果を達成することができる。
【0045】
また、上記の昇温制御においてO2センサ21が活性化状態に達した後は、O2センサ21からの信号を用いて空燃比がストイキオ近傍或いはスライトリーン空燃比になるようにフィードバック制御を行うようにしてもよい。このように空燃比がストイキオ近傍或いはスライトリーン空燃比になるようにフィードバック制御しながら圧縮行程噴射を実行することにより、圧縮S/Lモードを選択した場合と同様に成層燃焼によって比較的多量のCO,H2及び余剰O2を生成することができる。さらに、フィードバック制御であることから、圧縮S/Lモードにおけるオープンループ制御に比較して空燃比を正確に設定することができ、制御精度を高めることが可能になる。また、圧縮行程噴射では、成層燃焼に伴う局部的な不完全燃焼により排気ガス中に比較的多量のH2が発生するが、このH2はO2よりもO2センサ21のPt電極を覆うコート層を拡散する速度が速いため、O2濃度が実際よりも小さく検出されてO2センサ21の出力はややリッチ寄りとなる。したがって、ストイキオを目標空燃比としてフィードバック制御を行った場合でも、実際の空燃比は自然にストイキオよりも若干リーン寄りのスライトリーン空燃比に制御されることになる。
【0046】
また、図1ではO2センサ21は触媒装置18の上流側に配置しているが、O2センサ21を触媒装置18の下流側に配置してもよく、さらに上下流両側に配置してもよい。さらに、O2センサ21として、リニア空燃比センサを用いることもできる。この場合には、任意の空燃比を目標空燃比としてフィードバック制御を実行することができる。
【0047】
また、上述の実施形態では、吸気バルブ6にバルブタイミング調整装置10を備えているが、排気バルブ7の開閉タイミングを調整してもよく、或いは吸気バルブ6,排気バルブ7両方の開閉タイミングを調整してもよい。
また、昇温制御における圧縮行程噴射(圧縮S/Lモード)の噴射時期は、通常運転時における圧縮行程噴射の噴射時期より進角させてもよい。このように噴射時期を進角させることで、燃焼室3の空間が比較的広い時に燃料を噴射することができ、燃料の拡散を促進して燃焼安定性をより向上させることができる利点がある。また、噴射された燃料の霧化時間が十分に確保されることにより、スモークの発生を抑制することができる利点もある。
【0048】
また、上述の実施形態では、第1昇温制御の間は、点火時期は通常制御時と同じ時期に設定しているが、ある程度遅角させてもよい。点火時期の遅角は燃焼安定性を低下させる要因であるが、燃料噴射モードとして圧縮S/Lモードを選択して燃焼安定性の高い圧縮行程噴射を行っているので、燃焼悪化を抑制することができる。そして、このように点火時期をある程度遅角させることにより、さらに効率的に触媒温度を昇温させることができるようになる。
【0049】
また、スロットルバルブ12が電子制御式の場合には、点火時期の遅角度合いに応じてスロットルバルブ12を開き、吸入空気量を増加してもよい。点火時期を遅角させると出力が低下するので、このようにスロットルバルブ12を制御することで点火時期の遅角による出力の低下を補うことができる利点がある。
また、上述の実施形態のエンジン1は、出力の向上を図るために排気干渉の少ないデュアルタイプの排気マニホールド17を備えているが、放熱面積及び熱容量が少なく排気温度の低下防止に有利で且つ低コストのシングルタイプの排気マニホールド17を備えてもよい。さらに、積極的に排気干渉をさせるための容積部を有するクラムシェルタイプの排気マニホールド(反応型排気マニホールド)を備えてもよい。このタイプの排気マニホールドによれば、排気マニホールド内部での排気干渉に伴う未燃成分の反応によって排気温度をさらに高めることができる。
【0050】
また、上述の実施形態では、タイマを用いて第1昇温制御から第2昇温制御への切り換え時期を計測しているが、高温センサ22で検出された触媒装置18の直上流の排気温度から触媒温度Texを推定し、推定した触媒温度Texが所定温度(触媒がある程度まで活性化したと判断できる温度)Tex1に達したら制御を切り換えるようにしてもよい。同様に、昇温制御の終了時期についても、推定した触媒温度Texが所定温度(触媒が十分に活性化したと判断できる温度)Tex2に達したら昇温制御を終了するようにしてもよい。なお、触媒温度Texは、例えば、排気温度と触媒温度Texとの関係を記憶したマップを参照したり、排気温度をパラメータとする所定の計算式を用いたりすることによって推定したり、エンジン負荷,エンジン回転速度,車速,空燃比等に基づいて推定してもよい。また、排気温度から触媒温度Texを推定する代わりに、水温センサ23で検出された冷却水の水温WT(或いは油温)を用いてもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の筒内噴射型内燃機関によれば、触媒温度が低い制御開始直後は、開弁期間のオーバラップを通常運転時よりも増大させることによる内部EGRの増大によって外部への未燃燃料の排出を抑制しながら、圧縮行程噴射により生成されるCO,H2及び余剰O2の触媒上での反応により触媒を昇温させることができ、触媒がある程度昇温した後は、圧縮行程噴射による成層燃焼の実現と上記オーバラップを減少させることによる内部EGRの低減とによって燃焼安定性を高めながら、点火時期を通常運転時よりも遅角させることによる排気温度の上昇と圧縮行程噴射により生成されるCO,H2及び余剰O2の触媒上での反応との相乗効果によって触媒をさらに効率よく昇温させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる筒内噴射型内燃機関の概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる冷態始動時の昇温制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図3】図2に示す昇温制御の制御内容を示すタイムチャートであり、タイマ値(d)、水温(e)、エンジン回転速度(f)、目標有効圧力(g)、車速(h)の各時間変化と、対応する燃料噴射モード(a)、点火時期(b)、オーバラップ量(c)の各設定を示したものである。
【図4】本発明の一実施形態にかかる開弁期間のオーバラップ量の設定を示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン(筒内噴射型内燃機関)
2 シリンダヘッド
4 吸気通路
5 排気通路
6 吸気バルブ
7 排気バルブ
8 点火プラグ(点火手段)
9 燃料噴射弁(燃料噴射手段)
10 バルブタイミング調整装置(バルブタイミング調整手段)
12 スロットルバルブ
18 触媒装置
18A 吸蔵型NOx触媒
18B,18C 三元触媒
20 スロットルポジションセンサ
21 O2センサ
22 高温センサ
23 水温センサ
24 クランク角センサ
30 ECU(制御手段)

Claims (3)

  1. 排気通路に設けられ排気ガスの浄化を行う触媒と、
    燃料を燃焼室内に直接噴射しうる燃料噴射手段と、
    排気バルブ及び/又は吸気バルブの開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整手段と、
    上記燃焼室内の混合気に点火しうる点火手段と、
    上記触媒の昇温が要求されるとき、上記燃料噴射手段を駆動して空燃比が理論空燃比近傍若しくは理論空燃比よりも若干希薄空燃比になるように燃料を圧縮行程中に噴射するとともに、制御開始後の所定期間は上記バルブタイミング調整手段を駆動して上記排気バルブと上記吸気バルブとの開弁期間のオーバラップを通常運転時よりも増大させ、上記所定期間の経過後は上記オーバラップを減少させるとともに上記点火手段による点火時期を通常運転時よりも遅角させる、昇温制御を実行する制御手段とを備えた
    ことを特徴とする、筒内噴射型内燃機関。
  2. 上記制御手段は、上記昇温制御に先立って、所定時間だけ上記オーバラップを通常運転時よりも減少させる
    ことを特徴とする、請求項1記載の筒内噴射型内燃機関。
  3. 上記燃焼室から排出された上記排気ガスを積極的に干渉させるための容積部を有する反応型排気マニホールドをそなえている
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の筒内噴射型内燃機関。
JP2001033640A 2001-02-09 2001-02-09 筒内噴射型内燃機関 Expired - Fee Related JP4062884B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001033640A JP4062884B2 (ja) 2001-02-09 2001-02-09 筒内噴射型内燃機関

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001033640A JP4062884B2 (ja) 2001-02-09 2001-02-09 筒内噴射型内燃機関

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002235647A JP2002235647A (ja) 2002-08-23
JP4062884B2 true JP4062884B2 (ja) 2008-03-19

Family

ID=18897361

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001033640A Expired - Fee Related JP4062884B2 (ja) 2001-02-09 2001-02-09 筒内噴射型内燃機関

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4062884B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4577091B2 (ja) * 2005-05-31 2010-11-10 日産自動車株式会社 筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置
JP2007297918A (ja) * 2006-04-27 2007-11-15 Toyota Motor Corp 内燃機関の排気浄化装置
JP4883319B2 (ja) * 2008-01-11 2012-02-22 三菱自動車工業株式会社 筒内噴射型内燃機関の排気浄化装置
JP5605713B2 (ja) * 2011-05-24 2014-10-15 三菱自動車工業株式会社 内燃機関の制御装置及び制御方法
JP5590467B2 (ja) * 2011-06-15 2014-09-17 三菱自動車工業株式会社 可変バルブタイミング制御装置
JP2015121177A (ja) * 2013-12-24 2015-07-02 三菱自動車工業株式会社 内燃機関の制御装置
JP6256015B2 (ja) * 2014-01-10 2018-01-10 いすゞ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
JP6131865B2 (ja) * 2014-01-23 2017-05-24 トヨタ自動車株式会社 火花点火式内燃機関の制御装置
JP7155962B2 (ja) * 2018-12-03 2022-10-19 マツダ株式会社 エンジンの制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002235647A (ja) 2002-08-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3052856B2 (ja) 排気昇温装置
JP3613018B2 (ja) 筒内噴射式エンジンの制御装置
JP3414303B2 (ja) 直噴火花点火式内燃機関の制御装置
JP5299586B2 (ja) 火花点火式エンジンの制御方法及び火花点火式エンジン
JP4250856B2 (ja) 筒内噴射型内燃機関
JP4023115B2 (ja) 直噴火花点火式エンジンの制御装置
EP1030046B1 (en) In-cylinder injection type internal combustion engine
JP4862592B2 (ja) 火花点火式ガソリンエンジン
JP4788554B2 (ja) 火花点火式直噴ガソリンエンジン
JP4062884B2 (ja) 筒内噴射型内燃機関
JP4038989B2 (ja) 筒内噴射型内燃機関
JP4062883B2 (ja) 筒内噴射型内燃機関
JP4816383B2 (ja) 火花点火式直噴ガソリンエンジン
JP2000145511A (ja) 排気昇温装置
WO2017169640A1 (ja) エンジンの制御装置
JP4032859B2 (ja) 直噴火花点火式エンジンの制御装置
JP3743277B2 (ja) 直噴火花点火式内燃機関の制御装置
JP3731403B2 (ja) 直噴火花点火式内燃機関の制御装置
JP3771101B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2004257331A (ja) 圧縮自着火運転可能なエンジン
JP2007056719A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP3613020B2 (ja) 筒内噴射式エンジンの制御装置
JP3832288B2 (ja) 排ガス浄化装置
JP3724369B2 (ja) 直噴火花点火式エンジンの制御装置
JP5195588B2 (ja) 高膨張比内燃機関

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040928

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070403

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070626

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070823

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071211

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071224

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4062884

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110111

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120111

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120111

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130111

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140111

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees