JP4062614B2 - 血圧計用エアソケットおよび電子血圧計 - Google Patents

血圧計用エアソケットおよび電子血圧計 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、外部カフ(以下、単にカフと記載する)から導出するエアチューブと血圧計本体ケースの加圧エア供給ポートとの間に設けられる定速排気弁内蔵エアソケットを備えた電子血圧計に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にコロトコフ法による血圧測定を行う血圧計では、腕に巻き付けたカフにエアを供給して加圧し、その後、微速排気して圧力を下げながらコロトコフ音の発生、消滅を確認して血圧値を測定する。この種の血圧計は、図7に示されるように、圧力測定部Aを備えた血圧計本体1とチューブ2aが導出するカフ2とは、プラグ5とソッケト4とで構成されるコネクタ3により接続されている。ソケット4には、エア排気用の排気路6と圧力測定部Aに連通する空気路7とが設けられており、空気路7より送られるエアがチューブ2aを介してカフ2に送られて、カフ2を加圧するようになっている。また、チューブ2bを介して排気路6に接続された定速排気弁8からエアが微速排気されることで、カフ2の圧力を徐々に下げるようになっている。
【0003】
なお、図示されていないが、定速排気弁8には、カフ2(排気路6)の圧力がゆっくりと等速度で低下するように排気速度(単位時間あたりの排気量)を調整する調速手段が設けられており、この調速手段によって予めカフ2の大きさ(空気容量)に応じた最適排気速度に調整されている。
【0004】
符号Pは空気路7に加圧エアを送る加圧ポンプで、空気路7の圧力は圧力センサ10によって検出され、加圧ポンプP,圧力センサ10および圧力回路12で圧力測定部Aが構成されている。符号14は、加圧ポンプPおよび圧力回路12に接続された動作制御回路で、符号16は電源回路、符号18は表示部である。
【特許文献1】
特開平5−228120号(段落0002,図1,図7参照)
【発明の解決しようとする課題】
この種の血圧計では、腕に巻き付けたカフにエアを供給して所定値まで加圧する必要があるが、カフは細い腕から太い腕まで捲回できるように大きめに設定されている。しかし、腕の太さに対応しないカフを使用して測定すると、測定精度が悪いとか、特に細い腕の血圧測定ではカフを加圧するのに時間が掛かりすぎる等の問題があり、腕の太さに対応した大きさのカフを使用することが望ましい。
【0005】
そして、カフには腕の太さに応じた大,中,小3種類存在するが、カフ2と血圧計本体1とはセットとして構成されている。このため、血圧計本体1に、予め接続されているカフとは異なる大きさのカフを接続して使用する場合には、血圧計本体1内の定速排気弁8の排気速度を改めて調整する必要があり、この排気速度の調整はユーザ側で行うことは困難で、メーカーに送って調整してもらうことになる。また、メーカ側において排気速度を調整するにしても、定速排気弁8が血圧計本体1内に設けられていることから、調整作業が面倒で時間もかかる。このため、従来の血圧計において大きさの異なるカフに取り替えて使用することは、実質上、困難なことであった。
【0006】
このため、従来では、常に高精度の血圧測定を行うためには腕の太さに応じた大きさの異なるカフ毎に専用の血圧計をそれぞれ揃えておく必要があり、一般家庭ではコスト的に到底無理なことであった。
【0007】
そこで、発明者は、大きさの異なるカフから導出するエアチューブのそれぞれに予め排気速度を調整(カフの容量に応じて調整)した定速排気弁内蔵エアソケットを接続一体化した複数のカフセットを用意しておき、選択した任意のカフセットのエアソケットを血圧計本体ケースに設けた加圧エア供給孔に接続できるように構成すれば、血圧計本体1台で大きさの異なるカフを使い分けることができると考えて、本発明を提案するに至ったものである。
【0008】
本発明は、前記従来技術の問題点および前記した発明者の知見に基づいてなされたもので、その第1の目的は、カフから導出するエアチューブと血圧計本体ケースに設けられた加圧エア供給ポート間に接続可能な簡潔な構成の定速排気弁内蔵エアソケットを備えて、大きさの異なるカフを使い分けられるようにした電子血圧計を提供することであり、その第2の目的は、定速排気弁の排気速度の調整が容易な電子血圧計を提供することにある。
【0009】
前記目的を達成するために、請求項1に係る発明の電子血圧計では血圧計本体内のエアポンプと、該エアポンプと接続されるとともに血圧計本体ケースの外側面に設けられた加圧エア供給ポートと、大きさが異なる外部カフをそれぞれ有する複数のカフユニットとを備え、適切なカフユニットを選択して前記加圧エア供給ポートに接続できるようにし、各カフユニットは、前記外部カフに一端が接続されたエアチューブと、該エアチューブの他端が接続されるとともに前記加圧エア供給ポートに着脱自在に接続されるエアソケットとを備え、前記エアソケットを構成する筐体には、第1の空気通路が開口するとともに前記エアチューブの他端に挿着可能なカフ側プラグと、第2の空気通路が開口するとともに前記加圧エア供給ポートに挿着可能なポンプ側プラグとが形成され、前記ポンプ側プラグと前記カフ側プラグが略直交するとともに、前記第1の空気通路と前記第2の空気通路の連通部には筐体外部から調速可能な定速排気弁が接続され、該定速排気弁は前記カフ側プラグと反対側に前記カフ側プラグと同軸状に設けられ、前記筐体がT字形に構成されたことを特徴とする。
【0010】
(作用)エアソケットは、筐体の一端にポンプ側プラグが、他端にカフ側プラグが形成され、筐体内部に定速排気弁が設けられ、筐体外部に調速手段が露呈するというコンパクトかつ簡潔な構成である。そして、血圧計本体ケースの加圧エア供給ポートにポンプ側プラグを挿着し、カフから導出するエアチューブにカフ側プラグを挿着することで、血圧計本体とカフとが定速排気弁エアソケットを介して接続された形態となる。しかも、エアソケットの筐体が略T字型であるため、指で掴み易く、カフ側プラグとエアチューブを接続したり、ポンプ側プラグを血圧計本体ケースの加圧エア供給ポートに挿着する作業がし易い。さらに、定速排気弁の排気速度の調整は、エアソケットのポンプ側プラグを検査用血圧計本体ケースの加圧エア供給ポートに挿着した形態で行うが、血圧計本体ケース外部のエアソケットの他端部に定速排気弁の調速手段である調速ねじが露呈する形態となり、調速ねじを回動操作させ易い。さらに、一般に、加圧エア供給ポートは血圧計本体ケース表面に対し略直交して設けられており、加圧エア供給ポートにポンプ側プラグを挿着して血圧計本体にエアソケットを接続すると、エアソケットのカフ側プラグに接続されたエアチューブは血圧計本体ケース表面に沿って延びる形態となり、エアチューブのエアソケットとの接続部に不測の応力が作用しにくく、また血圧計収納ケース内における血圧計の収納スペースも小さくてよい。
【0011】
また、カフから導出するエアチューブにカフ側プラグを挿着してカフとエアソケットを接続一体化したカフユニットを予め用意しておけば、エアソケットのポンプ側プラグを血圧計本体ケースの加圧エア供給ポートに挿着するだけで、血圧計本体とカフユニットがエアソケットを介して接続された形態となる。
【0012】
即ち、例えば大きさが大、中、小と異なる3種類のカフそれぞれから導出するエアチューブに、カフ側プラグを挿入してカフとエアソケットを接続一体化した3種類のカフユニットを構成し、それぞれのエアソケットの定速排気弁をカフの大きさ(空気容量)に対応して調速(排気速度を調整)しておくことで、カフの大きさが異なる3種類のカフユニットを揃えることができる。
【0013】
そして、例えば、腕に巻き付けて使用するカフについて言えば、女性や子供のようにカフを巻き付ける腕が細い場合には、小型のカフユニットを選択し、そのエアソケットのポンプ側プラグを血圧計本体ケースの加圧エア供給ポートに接続すれば、血圧計本体とカフユニットがエアソケットを介して接続された形態となるので、小型のカフを用いた血圧測定が可能となる。また、腕周りの太い大人の場合には、大型のカフユニットを選択し、そのエアソケットのポンプ側プラグを血圧計本体ケースの加圧エア供給ポートに接続すれば、血圧計本体とカフユニットがエアソケットを介して接続された形態となるので、大型のカフを用いた血圧測定が可能となる。
【0014】
請求項2に係る発明の電子血圧計では、請求項1に係る発明の電子血圧計において、前記定速排気弁の調速手段を、前記筐体に設けられた排気弁挿着孔の開口側に螺着され、回動させることで前記排気弁挿着孔に沿って進退して、前記第1の空気通路及び第2の空気通路との連通と前記排気弁挿着孔間に配設されている弁体の初期開口量を調整できる調速ねじで構成するようにした。
【0015】
(作用)エアソケットはカフから導出するエアチューブに接続一体化されたカフユニットとして構成されており、エアソケットのポンプ側プラグを検査用血圧計本体ケースの加圧エア供給ポートに接続し、血圧計とカフがエアソケットを介し接続された形態にした後、検査用血圧計本体から加圧エアをカフに供給し、定速排気弁の調速手段である調速ねじを回動させることで、定速排気弁を調速(排気速度を調整)する。このとき、エアソケットは検査用血圧計本体ケースの外部にあって、しかも筐体の排気弁挿着孔開口側に調速ねじが露呈しているので、調速ねじを回動操作させ易い。
【0020】
請求項3に係る発明の電子血圧計では、請求項1又は2に係る発明の電子血圧計において、前記ポンプ側プラグの空気通路内に誤挿着防止リブを突設したことを特徴とする。
【0021】
(作用)血圧計本体ケースには、加圧エア供給ポートに似たACアダプタの端子挿着孔が設けられており、この孔にユーザが誤ってエアソケットのポンプ側プラグを差し込むおそれがある。しかし、ACアダプタの端子挿着孔内の中央部には、電極端子ピンが突設されており、挿入されるポンプ側プラグの誤挿着防止リブがこのピンに干渉当接して挿入が阻止されて、差し込むことができない。一方、加圧エア供給ポート内には、ポンプ側プラグの誤挿着防止リブが干渉当接する突起は設けられておらず、ポンプ側プラグを加圧エア供給ポートに挿着できる。
【0026】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
【0027】
図1〜図6は本発明の一実施例を示し、図1は本発明に係る電子血圧計の実施例の全体構成図、図2は本発明に係る血圧計用エアソケットの実施例の分解斜視図、図3は同エアソケットの平面図、図4は同エアソケット右側面図、図5は同エアソケットの縦断面図(図4に示す線IV−IVに沿う断面図)、図6は大きさの異なる3種類のカフそれぞれに同エアソケットを接続一体化した3種類のカフユニットの平面図である。
【0028】
図1において、符号1Aは、圧力測定部Aを備えた血圧計本体で、血圧計本体ケースの外側面1aには、加圧ポンプPに連通する加圧エア供給ポート21が開口するエアソケット20が設けられている。血圧計本体1Aの内部には、加圧ポンプPや圧力測定部A等が収容されており、その基本構成は、図7に示す従来の血圧計本体1の基本構成と同一であり、同一の部分は同一の符号を付すことで、その重複した説明は省略する。
【0029】
符号2は、加圧エアが供給されることで膨張するカフで、カフ2から導出するエアチューブ2aの先端には、定速排気弁内蔵エアソケット30の一端部が接続され、この定速排気弁内蔵エアソケット30の他端部は、血圧計本体1Aケースの外側面1aに設けられた本体側エアソケット20(加圧エア供給ポート21)に接続されている。
【0030】
定速排気弁内蔵エアソケット30は、ポリアセタール樹脂で構成された筐体31全体がT字型に形成されており、図2に拡大して示すように、筐体31の一端部には、空気通路33が開口し、カフ2から導出するエアチューブ2aが接続されるカフ側プラグ32が形成され、カフ側プラグ32に直交する他端部には、空気通路33に連通する空気通路35が開口し、本体側エアソケット20(加圧エア供給ポート21)に挿着されるポンプ側プラグ34が形成され、カフ側プラグ32と同軸で反対側の端部には、内蔵する定速排気弁40の排気速度を調整する調速ねじ46が設けられている。
【0031】
一方、本体側エアソケット20は軟質ウレタンゴムで構成されるとともに、図5に示すように、その内周面には凸部20aが周設され、一方、ポンプ側プラグ34の外周面にも凸部20aに係合する凸部34aが周設されている。そして、エアソケット30を指で掴みポンプ側プラグ34を本体側エアソケット20(加圧エア供給孔21)に圧入すると、プラグ34外周面とエアソケット20(加圧エア供給孔21)内周面が密着するとともに、凸部34aが凸部20aに係合して、エアソケット30(ポンプ側プラグ34)が本体側エアソケット20(加圧エア供給孔21)に対し抜け止め保持される。即ち、エアソケット30が本体側エアソケット20(加圧エア供給孔21)に接続された形態となる。また、指で掴んだエアソケット30を強く引っ張れば、本体側エアソケット20(加圧エア供給孔21)からエアソケット30(ポンプ側プラグ34)を抜き出すことができる。
【0032】
また、ポンプ側プラグ34の空気通路35内には、誤挿着防止リブ35aが突設されており、プラグ34を誤ってエアソケット20(加圧エア供給ポート21)以外の孔に挿着できないようになっている。即ち、血圧計本体ケース1aには、エアソケット20(加圧エア供給ポート21)に似たACアダプタの端子挿着孔(図示せず)が設けられており、この孔にユーザが誤ってエアソケット30のポンプ側プラグ34を差し込むおそれがある。しかし、ACアダプタの端子挿着孔内の中央部には、電極端子ピンが突設されており、挿入されるポンプ側プラグ34の誤挿着防止リブ35aがこのピンと干渉当接して挿入が阻止されて、差し込むことができない。一方、本体側エアソケット20(加圧エア供給ポート21)内には、ポンプ側プラグ34の誤挿着防止リブ35aと干渉する突起が一切設けられておらず、ポンプ側プラグ34を本体側エアソケット20(加圧エア供給ポート21)に挿着できる。
【0033】
一方、カフ側プラグ32は、先細テーパ形状に形成されており、カフ2から導出するエアチューブ2aの先端にスムーズに圧入することができる。
【0034】
また、本体側エアソケット20(加圧エア供給孔21)は本体ケースの外側面1aに対し略直交して設けられており、本体側エアソケット20(加圧エア供給孔21)にポンプ側プラグ34を挿着して血圧計本体1Aにエアソケット30を接続すると、図5に示すように、エアソケット30のカフ側プラグ32に接続されたエアチューブ2aは血圧計本体ケースの外側面1aに沿って延びる形態となり、エアチューブ2aのエアソケット30との接続部に不測の応力が作用しにくく、また血圧計収納ケース(図示せず)内における血圧計の収納スペースも小さくてよい。
【0035】
また、筐体31の外周面には、補強リブ38が略等間隔に設けられて、エアソケット30(筐体31)の剛性強度が高められている。この補強リブ38は、エアソケット30(筐体31)を指で掴む際の滑り止めとしても機能する。
【0036】
また、筐体31内には、カフ側プラグ32の中央に形成されている空気通路33とポンプ側プラグ34の中央に形成されている空気通路35とが直交するように配設されており、両空気通路33,35の交差する連通部33a位置から空気通路33と同軸状に弁挿着孔36が配設され、この弁挿着孔36に定速排気弁40が挿着されている。
【0037】
即ち、定速排気弁40は、先端部が閉塞された円筒形状に形成され、その側面に縦スリット42が設けられた軟質シリコン製弁体41と、弁体41の開口基部に係合する段付き円筒型の先頭44と、弁挿着孔36の雌ねじ部37に螺着され、その先端部を先頭44の基端部に係合させた形態に保持された調速ねじ46で構成されている。先頭44の先端部には小孔44aが設けられ、調速ねじ46の中央部にも縦孔46aが設けられて、弁体41の縦スリット42,先頭44の小孔44aおよび調速ねじ46の縦孔46aによって排気弁40の排気通路が構成されている。符号45は、調速ねじ46と弁挿着孔36間に密着するように介装されたOリングで、弁挿着孔36を封止するとともに、調速ねじ46の周方向位置を拘束するためのものである。
【0038】
そして、弁挿着孔36から露呈する調速ねじ46の後端部には、マイナスドライバが係合できる係合溝47が設けられており、ドライバを使って調速ねじ46を回動させると、調速ねじ46は回動しながら進退動作し、これにより、定速排気弁40の縦スリット42の初期開口量を増減調整できる。例えば、調速ねじ46を前進させると、弁体41の開口側基端部が先頭44に押圧されて弁体外側壁が膨張するように引っ張られて、縦スリット42が拡げられて、定速排気弁40(縦スリット42)の初期開口量が増える。したがって、カフ2が大きい(空気容量が大きい)場合には、調速ねじ40を前進方向に回動して、定速排気弁40の初期開口量を増やし、逆に、カフ2が小さい(空気容量が小さい)場合には、調速ねじ40を後退方向に回動して、定速排気弁40の初期開口量を減らして、定速排気弁40の排気速度(カフ2の圧力降下速度)を一般に好ましいとされている適正値に調整することができる。
【0039】
このように、本実施例では、従来の血圧計の場合ように血圧計本体内部に定速排気弁が設けられておらず、血圧計本体1Aの外部に定速排気弁40が設けられているので、それだけ調速ねじ46を回動して定速排気弁40の排気速度を調整する作業が容易となる。
【0040】
また、カフ2とエアソケット30とは、カフ2から導出するエアチューブ2aにエアソケット30を予め接続一体化したカフユニットUとして構成されており、エアソケット30を血圧計本体1Aに接続することで、血圧計として構成されるようになっている。
【0041】
即ち、図6に示すように、大きさが大、中、小と異なる3種類のカフ2A,2B,2Cから導出するエアチューブ2aにエアソケット30がそれぞれ接続されることで、3種類のカフユニットU1,U2,U3が構成されている。勿論、それぞれのカフユニットU1,U2,U3におけるエアソケット30内の定速排気弁40の排気速度は、調速ねじ46を使ってカフ2A,2B,2Cの大きさ(空気容量)に対応するように予め調整済みである。
【0042】
そして、女性や子供のようにカフを巻き付ける腕が細い場合には、小型のカフユニットU1を選択し、そのエアソケット30のポンプ側プラグ34を血圧計本体1Aのエアソケット20(加圧エア供給ポート21)に接続すれば、血圧計本体1AとカフユニットU1がエアソケット30を介して接続された形態となるので、女性や子供に対しては小型のカフ2Aを用いた血圧測定を行うことができる。一方、腕周りの太い大人の場合には、大型のカフユニットU3を選択し、そのエアソケット30のポンプ側プラグ34を血圧計本体1Aのエアソケット20(加圧エア供給ポート21)に接続すれば、血圧計本体1AとカフユニットU3がエアソケット30を介して接続された形態となるので、腕周りの太い大人に対しては大型のカフ2Cを用いた血圧測定を行うことができる。
【0043】
なお前記した実施例では、エアソケット30の筐体31は、カフ側プラグ32と同軸で反対側の端部に調速ねじ46が配置されたT字型に構成されているが、この配置に限られるものではなく、例えば、カフ側プラグ32とポンプ側プラグ34とを逆に配置して、ポンプ側プラグ34と同軸で反対側の端部に調速ねじ48を配置するように構成してもよい。
【0044】
また、前記した実施例では、血圧計本体ケースに設けられた加圧エア供給ポートと、外部カフから導出するエアチューブとの間に定速排気弁内蔵エアソケットが設けられた構成として説明したが、定速排気弁内蔵エアソケットは、血圧計本体ケースに設けられた加圧エア供給ポートと外部カフとを接続するエア供給路の途中に設けるように構成してもよい。
【0045】
また、前記した実施例では、腕用電子血圧計を例にあげて本発明を説明したが、手首用や指用の電子血圧計についても同様に適用できることはいうまでもない。
【0046】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1に係る発明によれば、コンパクトかつ簡潔な構成の定速排気弁内蔵のエアソケットを備えた電子血圧計を提供できる。また、エアソケットの筐体がつかみ易い略T字型であるため、エアソケットを介してカフと血圧計本体をスムーズに接続できるので、それだけ迅速に血圧測定を開始できる。さらに、エアソケットを血圧計本体に接続した形態で行う調速ねじの回動操作がし易いので、短時間で定速排気弁の排気速度を調整することができる。さらに、エアソケットを介して血圧計本体とカフが接続された形態では、エアソケットに接続されたエアチューブが血圧計本体ケース表面に沿って導出するため、血圧計収納ケースをコンパクトにできる。さらに、血圧計本体の外部に定速排気弁が設けられているため、定速排気弁が血圧計本体の内部に設けられた従来構造と比べて、定速排気弁の排気量の調整作業が容易となって、電子血圧計の生産コストを低減できる。
【0047】
また、一台の血圧計本体と、大きさが異なるカフそれぞれから導出するエアチューブにエアソケットをそれぞれ接続一体化した複数のカフユニットを予め用意しておき、カフを巻き付ける測定対象に最適なカフユニットを選択して血圧計本体に接続することで、誰でも簡単かつ手軽に高精度の血圧測定を行うことができる。
【0048】
請求項2に係る発明によれば、調速ねじの回動操作が容易なため、定速排気弁の排気速度を簡単に調整することができる。
【0052】
請求項3に係る発明によれば、エアソケットと血圧計本体間の誤った接続が回避されるので、エアソケットを介しカフと血圧計本体を適正かつスムーズに接続できることとなって、それだけ迅速に血圧測定を開始できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る電子血圧計の実施例の全体構成図である。
【図2】 前記電子血圧計用が備えるエアソケットの実施例の分解斜視図である。
【図3】 同エアソケットの平面図である。
【図4】 同エアソケット右側面図である。
【図5】 同エアソケットの縦断面図(図4に示す線IV−IVに沿う断面図)である。
【図6】 大きさの異なる3種類のカフそれぞれに同エアソケットを接続一体化した3種類のカフユニットの平面図である。
【図7】 従来の電子血圧計の分解斜視図
【符号の説明】
1A 血圧計本体
1a 血圧計本体ケースの外側面
A 圧力検出部
P 加圧ポンプ
2(2A,2B,2C) カフ
2a エアチューブ
20 加圧エア供給ポートを形成する血圧計本体側のエアソケット
21 加圧エア供給ポート
30 定速排気弁内蔵エアソケット
31 筐体
32 カフ側プラグ
33 第1の空気通路
33a 第1の空気通路及び第2の空気通路との連通
34 ポンプ側プラグ
35 第2の空気通路
35a 誤挿着防止リブ
36 排気弁挿着孔
40 定速排気弁
41 弁体
46 調速手段である調速ねじ
U(U1,U2,U3) カフユニット

Claims (3)

  1. 血圧計本体内のエアポンプと、該エアポンプと接続されるとともに血圧計本体ケースの外側面に設けられた加圧エア供給ポートと、大きさが異なる外部カフをそれぞれ有する複数のカフユニットとを備え、適切なカフユニットを選択して前記加圧エア供給ポートに接続できる電子血圧計であって、
    各カフユニットは、前記外部カフに一端が接続されたエアチューブと、該エアチューブの他端が接続されるとともに前記加圧エア供給ポートに着脱自在に接続されるエアソケットとを備え
    前記エアソケットを構成する筐体には、第1の空気通路が開口するとともに前記エアチューブの他端に挿着可能なカフ側プラグと、第2の空気通路が開口するとともに前記加圧エア供給ポートに挿着可能なポンプ側プラグとが形成され、前記ポンプ側プラグと前記カフ側プラグが略直交するとともに、前記第1の空気通路と前記第2の空気通路の連通部には筐体外部から調速可能な定速排気弁が接続され、該定速排気弁は前記カフ側プラグと反対側に前記カフ側プラグと同軸状に設けられ、前記筐体がT字形に構成されたことを特徴とする電子血圧計。
  2. 前記定速排気弁の調速手段は、前記筐体に設けられた排気弁挿着孔の開口側に螺着され、回動させることで前記排気弁挿着孔に沿って進退して、前記第1の空気通路及び第2の空気通路との連通部と前記排気弁挿着孔間に配設されている弁体の初期開口量を調整できる調速ねじで構成されたことを特徴とする請求項1に記載の電子血圧計
  3. 前記第2の空気通路内には、誤挿着防止リブが突設されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子血圧計。
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