JP4062284B2 - 溶融めっき付着量制御方法およびガスワイピングノズル - Google Patents

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Description

本発明は、溶融めっきプロセス等における溶融めっき付着量制御方法およびめっき付着量の制御に使用するガスワイピングノズルに関するものである。より具体的には、板幅方向の目付量を均一に制御し、且つスプラッシュの発生を抑え、効率的な操業を行うのに適した溶融めっき付着量制御方法およびガスワイピングノズルに関するものである。
例えば、連続溶融めっきプロセス等においては、図1に示すように、一般的に溶融金属が満たされているめっき浴25に鋼帯10を浸漬させた後、該鋼帯10を垂直上方に引き上げる工程の後に、鋼帯10表面に付着した溶融金属が板幅方向および板長手方向に均一に所定のめっき厚になるように、鋼帯10と平行な面内に、この鋼帯10を挟んで対向して設けた帯体幅方向に延在するワイピングノズル22から気体(ワイピングガス)を鋼帯に向かって噴出させて、余剰な溶融金属を絞り取り、溶融金属の付着量を制御するガスワイピング装置が設けられている。
ワイピングノズル22は、多様な鋼帯10の幅に対応すると同時に、鋼帯10の引き上げ時の幅方向のズレなどに対応するため、通常、鋼帯10の幅より長く、すなわち鋼帯10の幅端部より外側まで延びている。このようなガスワイピング装置では、鋼帯エッジ部に衝突する噴流がやや外側を向いてしまって衝突力が減少するために、鋼帯エッジ部のめっき厚が鋼帯中央部に比べて厚くなるエッジオーバーコート及び付着量ムラが発生したり、鋼帯10に衝突した噴流の乱れによって鋼帯下方に落下する溶融金属が周囲に飛び散る、いわゆるスプラッシュが発生したりして、鋼帯表面品質の低下を招く。
上記の問題を解決するため、主として鋼帯に付着した溶融金属の付着量を制御するワイピングノズル(主ノズル)の周囲に補助的なノズル(副ノズル)を配置し、副ノズルの作用によって、主ノズルの性能を向上させる方法が開示されている。
特許文献1に開示された方法は、主ノズルの上下部に、且つ幅方向に3分割以上分けられた、それぞれ独立に制御可能な補助ノズル(副ノズル)を設けて噴射することより、主ノズルからの主噴流の広がりを抑えられ、衝突後鋼板に沿って流れるガスが安定するとされている。
特許文献2に開示された方法は、主ノズルと副ノズルの仕切り板の噴出口先端を鋭角にし、尚且つ主ノズルに対して副ノズルを5〜20度傾け、ポテンシャルコアを長くした結果、付着量制御性が増加し、噴流が安定するため騒音も低減するとしている。
特許文献3に開示された方法は、主噴流を噴射する際、主噴流を周囲の空気から遮断するための遮断ガスとして火炎を放射することにより、主噴流の周りを高温ガスで囲んで、主噴流の流動抵抗を低下させ、ポテンシャルコア延長による衝突力向上が可能になるとしている。
以下に先行技術文献情報について記載する。なお、非特許文献1及び非特許文献2については説明の都合上、発明を実施するための最良の形態の項で説明する。
特開平1−230758号公報(第1頁) 特開平10−204599号公報(第2、3頁) 特開2002−348650号公報(第2頁) N・ラジャラトナム著、野村安正訳、「噴流」、森北出版、1981年7月31日発行、p.1〜3 須藤浩三、他、「流体の力学」、コロナ社、1994年9月30日発行、P.187〜190
ところが、特許文献1に開示された方法では、主ノズルと副ノズルとの仕切り板付近に不安定な渦が発生し、この渦の混合作用によってせん断渦が増大して、ポテンシャルコアの成長が阻害されるため、付着量制御のためには主ノズルの噴射圧力を増加させなくてはならず、スプラッシュが悪化する。
特許文献2に開示された方法は、上記特許文献1の問題点を解決すべく実施された。上記副噴流を主噴流近傍から与えた場合、3つの噴流がすぐに結合して1つの噴流になるため、整流効果によって噴流の直進性は増加すると考えられるが、実質上1つのやや広い噴出口をもつノズルからの噴流制御と変わらず、溶融金属の薄目付け制御には不向きである。
特許文献3に開示された方法は、主噴流(低温ガス)と副噴流(高温ガス)との間で、比重の相違による不均一な混合作用が働き、付着量ムラが発生しやすいことがわかった。
本発明は、上記の問題点を解消すべく案出されたものであり、副ノズルからの脈動流で主噴流のせん断渦を一定の周波数で積極的に励起し、主噴流のせん断力を幅方向で均一に強化し、溶融金属の絞り取り力を増進させ、低ノズル圧力での操業を可能にすることで、スプラッシュによる表面欠陥を低減させることを目的とする。
上記課題を解決する本発明の手段は次のとおりである。
第1発明は、溶融めっき金属浴から連続的に引き上げられる鋼帯の表面に、ワイピングノズルからガスを吹き付けて溶融めっき金属の付着量を制御するガスワイピング方法において、鋼帯幅方向に噴出口が設けられた、主に溶融めっき金属の付着量を調節する主噴流を噴射する主ノズルと、主ノズルの上下のうちの少なくとも一方に、主ノズルの噴出口と平行な噴出口から脈動流を噴射する副ノズルとを設けて、溶融めっき金属浴から引き上げられる鋼帯の表裏両面に前記主ノズルからの主噴流及び前記副ノズルからの脈動流を吹き付け、前記副ノズルから噴射する脈動流の脈動周波数は、前記主ノズルから噴射される主噴流のせん断渦周波数以上の周波数とすることを特徴とする溶融めっき付着量の制御方法である。
第2発明は、第1発明において、前記副噴流の脈動流は、前記副ノズルの噴出口でのガスの吸い込み・吐き出しに基づく脈動流であることを特徴とする溶融めっき付着量の制御方法である。
第3発明は、第1発明において、前記副ノズルの噴出口におけるガス流れ方向がガス吐き出し方向を正方向とすると、前記副ノズルの噴出口における脈動流のガス流れ方向は常に正方向であることを特徴とする溶融めっき付着量の制御方法である。
第4発明は、第2発明又は第3発明において、前記副ノズルから噴射する脈動流の脈動周波数を、前記主ノズルより噴射される主噴流のせん断渦周波数の1〜10倍の周波数範囲とすることを特徴とする溶融めっき付着量の制御方法である。
第5発明は、溶融金属めっき浴から連続的に引き上げられる鋼帯の表面に、ワイピングノズルからガスを吹き付けて付着金属の厚さを制御するガスワイピングノズルにおいて、ワイピングノズルとして、鋼帯幅方向に噴出口が設けられた、主に溶融めっき金属の付着量を調節する主噴流を噴射する主ノズルと、主ノズルの上下に主ノズルの噴出口と平行な噴出口から脈動流を噴射する副ノズルを有することを特徴とするガスワイピングノズルである。
本発明によれば、上記手段を有するので、主噴流の上下のうちの少なくとも一方からの脈動する副噴流によって、主噴流のせん断渦が一定周波数で固着され、安定且つ強いせん断力の主噴流を形成することができ、溶融めっき付着量を効率よく制御可能となる。
本発明によれば、副ノズルからの脈動流を最適周波数範囲にすることで、主噴流せん断層が固着されたような状態になり、ポテンシャルコアはより下流まで延長され、せん断渦のせん断力が増加するため、主噴流の広がり角を狭くし、溶融めっきの付着量を制御するワイピング力を増加させることができる。したがって、主噴流の吐出圧を下げても効率よくワイピングすることが可能となり、目付け量制御性が向上するとともに、スプラッシュを低減させることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の溶融めっき制御方法およびガスワイピング装置を説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係るガスワイピングノズルの構成例を示す概略図である。図2に示すように、ガスワイピングノズル1は、ガス供給口2から圧力ヘッダー3に供給されたワイピングガス(主噴流)8を、ガス通過口(図示なし)を有する整流板4にて鋼帯幅方向の圧力分布を均一にし、主ノズル5から鋼帯10に向けて噴射するようにする。副ノズル7は、主ノズル5の上下に配置され、副ノズル7の各噴出口は主ノズル5の噴出口と平行に設置され、主ノズル5と同等の有効長を有する。副ノズル7の噴射口から吐出される脈動流(本明細書では、副ノズル7から噴射されたガス流を「副噴流」とも記載する。)は、主噴流に対してやや傾斜して噴射され、一定の周波数および振幅をもって脈動しており、噴射後直ちに一定周波数(脈動周波数)の微小な渦流9になって主噴流に作用する。
本ワイピングノズルの性能を評価するため、ノズル出口の風速測定(ポテンシャルコア長測定)をオフラインで行った。ここで、2次元噴流の特性および測定方法について簡単に示す。尚、2次元噴流に関する記述は、非特許文献1によった。図3に示すとおり、ノズルからの噴流は、その軸方向に向かって“展開領域”と“発達領域”の2つの部分に分けることができる。展開領域は、噴流の中心線に向かって、外部からの乱れが次第に浸透していく領域であって、そこでは噴流初期速度U0の平均速度が全く衰えないくさび型の領域が存在する。このくさび型の領域はポテンシャルコアと呼ばれ、その両側を混合領域で囲まれている。図3中に示すように、発達領域では、噴流軸方向と垂直な断面の速度分布が相似形となる。
前述のガスワイピングノズルにおいて、このような噴流の速度分布を測定するため、本測定実験では、空間分解能、周波数分解能が高く、乱流計測に一般的に用いられる熱線風速計を用いた。熱線風速計とは、気流中に加熱された金属細線(熱線プローブ)を配置し、気流の冷却効果によって流速を計測する測定機である。
熱線流速計から得られるデータは図4に示すような変化の大きい速度の時系列データuiで、式(1)より平均速度Uavgが得られる(n:サンプル数)。また、速度の時系列データuiをFFT(高速フーリエ変換)処理することで、周波数解析をすることができる。
Figure 0004062284
本測定では、図5に示す座標系において、噴流の中心軸即ちy=0の線に沿って、熱線流速計の測定センサーである熱線プローブを設置し、ワイピングガスの平均流速Uavgを測定することにより、ポテンシャルコア長を測定した。
実験の結果、副ノズルの脈動周波数を変化させると、主噴流のポテンシャルコア長が増減する現象を発見した。同実験を詳細に行った結果を図6に示す。ここで、D:ノズルギャップ(主ノズルギャップ)、F:脈動周波数、F0:主噴流せん断渦周波数、P:ポテンシャルコア長である。なお、F/F0=0は副ノズルの噴射無しの状態である。主噴流せん断渦周波数F0は、主噴流速度およびノズル出口形状によって変化する数値で、本発明ではポテンシャルコアのY方向端部における速度データを周波数分析して得られる卓越周波数(図7に示すようなパワースペクトルのピーク)で規定した。尚、副噴流の脈動の強さ(脈動の変動振幅Vr)に関しては、後述する。
このように、脈動周波数に伴ってポテンシャルコア長が変化する原因は、次のように推測される。渦流9が発生すると、主噴流のせん断渦が励起され、渦流9の周波数(=脈動周波数)で主噴流せん断層が固着されたような状態になる。脈動周波数を所定範囲内に設定すると、即ち、F/F0≧1とすると、固着されたせん断層によって、主噴流のポテンシャルコアはより下流まで延長する。しかし、脈動周波数を所定範囲内に設定しないと、即ち、F/F0<1とすると、主噴流自体が上下に振動し始め、ポテンシャルコアが減少してめっき付着量制御には不向きな噴流となる。この傾向は、副噴流の平均速度の大小によらず見られた。主噴流のせん断渦が固着されるということは、せん断渦のせん断力が増加したことを意味しており、主噴流の広がり角を狭くし、溶融めっきの付着量を制御するいわゆる“ワイピング力”の増加を示すということである。ワイピング力の増加は、主噴流が同等でも、めっき付着量が低下することを意味する。したがって、主噴流のガスヘッダ圧力を下げても効率よくワイピングすることが可能となり、付着量制御性が向上するとともに、スプラッシュを低減させることができると考えられる。
めっき付着量制御性にはポテンシャルコア長が長い方が有利であると考えられる。図6に示す結果に基き、脈動周波数の好ましい範囲は1≦F/F0≦10とした。脈動周波数のより好ましい範囲は3≦F/F0≦7であり、最適範囲は3≦F/F0≦5である。
本発明は、溶融金属めっきのワイピングノズルを対象としており、通常、ノズル圧力は0.1〜1.5kgf/cm2程度である。このときノズル出口風速は120〜360m/sであり、上記測定位置におけるせん断渦周波数はおよそ100Hzから50000Hzに亘ることが知られている。したがって、脈動周波数の最適範囲を選ぶなら、F0=100Hzであれば、300Hz≦F≦500Hz、F0=50000Hzであれば、150000≦F≦250000Hzの範囲で制御するが妥当である。
以上の調査は、脈動する副噴流の流速の変動振幅Vr(Vrは図9,図12参照)を主噴流出口風速の20%に設定して行った。
副噴流の流速の変動振幅Vrの最適値に関する詳細な調査結果を図8に示す。副噴流の流速の変動振幅Vrの測定は、副ノズル出口に熱線プローブを配置し、主噴流なしの状態で副噴流の流速の変動振幅を定量化した。このときの脈動周波数FはF/F0=4に固定した。図8より副噴流の流速の変動振幅Vrは、Vr/U≧0.05を満足することが好ましく、最適範囲はVr/U≧0.2である。但し、U:主噴流出口平均流速である。
以上の調査は、主噴流および主噴流の上下の2つの副噴流のすべてからガスを噴射して行った。副噴流のどちらか一方のみを使用した場合、影響度はやや低減するものの、ポテンシャルコアが延長する効果が見られた。ただし、上下でポテンシャルコアの延長に差異はなかった。
副ノズル出口における副噴流の流れ方向について、副ノズルから吐き出される流れを正方向の流れ、その逆方向、すなわち副ノズル内へ吸い込まれる流れを負方向の流れとしたときに、副ノズルから噴射する脈動流の実施の形態の一例として、図9に示すように、ノズル出口での流れの方向がある周期で正負を交互に繰り返す、即ち吐出しと吸込みを連続的に繰り返す脈動流が考えられる。
このような脈動流を発生させる具体的な手法として、副ノズルのガス流路(ガス供給口、ノズル内、出口等)に、往復運動するピストン機構、振動体、あるいはスピーカーなどの脈動流付与手段を取りつけ、これらの装置に信号発生器から正弦波信号を入力することで、任意の周波数の脈動流を付与する方法を例示できるが、本発明の実施は特にこの形態でなくともよい。振動体やスピーカー等の振動発生源がノズル内、出口等に設置された場合、ガス供給口を設けなくてもよい。
図10は、副ノズル7のガス出口近傍のノズル内に振動体31を取り付けた例である。振動体31としては圧電素子を例示できる。振動体31がガス流れ方向に往復動することで、副ノズルガス出口で正方向と逆方向の交互のガス流れが発生する。
図11は、副ノズル7のノズル内にスピーカー32を取り付けた例である。スピーカー32の出力を図6に示した範囲の一定周波数に設定することで、副ノズルガス出口で正方向と逆方向の交互のガス流れが発生する。
副ノズルから噴射する脈動流の実施の形態の別の例として、図12に示すように、副ノズル出口の流れ方向が常に正方向の流れで、副ノズル内の加振装置あるいは渦発生部によって振動を与えられた脈動流が考えられる。副ノズルの平均速度Vavgは、0<Vavg≦Uの範囲とする。このような脈動流を供給する具体的な手法には、ガス供給口より一定圧力でガスを供給し、流速Uで副ノズルのガス流路(ガス供給口、ノズル内、出口等)に、加振装置(圧電素子やスピーカー)を設けたり、ノズル内に片持ちの薄い弾性体(例えば金属薄板)に対し、突起のついた回転軸を回転させ、突起と弾性体の周期的な衝突によってガスを振動させたり、あるいはそれ自身は動作しない単なる突起物や細線を設けることで渦を発生し、圧力変動を発生させる方法があるが、特にこの形態でなくともよい。図13は、副ノズルのノズル内に細線33を取り付けた例である。
例えば、副ノズル出口近傍に針金(円柱型)を設置する場合、針金の後方(副ノズルの出口側)に発生する渦周波数は次式(2)より求められる。ここで、St:ストローハル数、f:渦周波数[Hz]、d:針金(円柱)直径[m]、U:出口流速[m/s]である。
Figure 0004062284
非特許文献2によると、ストローハル数Stは広い流速範囲にわたってほぼSt=0.21であることから、d=3mm、U=50m/sとすると、渦周波数はf=3500Hzという具合に簡単に計算できる。
上記主ノズル5の上下に位置する副ノズル7からの脈動流の制御方法としては、周波数および速度変動の振幅の2つのパラメータを組み合わせることにより種々の制御を想定できる。また、主ノズル5からの主噴流8の幅方向速度プロフィルが不均一分布になる主ノズルの場合、上記副ノズル7を、幅方向に分割して制御することで、幅方向均一性を増進させることも可能である。後述する本実施例では、副ノズル7から噴射する脈動流の周波数、速度変動の振幅は上下一体で制御し、主ノズルの幅方向速度プロフィルが許容範囲内であったことより、副ノズルの幅方向分割は無しとして実施した。
図2に示した本発明のガスワイピングノズルを、溶融亜鉛めっき鋼板の製造ラインに設置し、溶融亜鉛めっきの製造実験を行い、付着量制御性及びスプラッシュ発生程度について従来ノズルとの比較を行った。製造条件は、通板速度90mpm、主ノズルギャップ0.8mm、副ノズルギャップ0.8mm、溶融亜鉛浴からのノズル高さ420mm、溶融亜鉛浴温度460℃、主ノズルのワイピングガス圧0.3kgf/cm2等を同一とした。その他の製造条件および付着量、スプラッシュ発生程度の評価結果を表1に示す。スプラッシュ発生程度は、ノズル側面に設置したビデオカメラでモニタリングし、画面内に占めるスプラッシュの面積にて定量化し、現操業の管理基準(比較例1)を1.0として比較した。尚、前述したように、本実施例では、片側の主ノズルの上下に1個ずつ、計4個の副ノズルからの脈動流は同周波数、同速度変動振幅として実験した。
上記製造条件で本実施例のガスワイピング主ノズルを噴射した場合、せん断渦周波数F0は約400Hzであった。表1の発明例1〜4および比較例3,4では、副ノズルのガス供給口をノズル幅方向一定間隔に10ヶ所設け、それぞれのガス供給口に電磁石を利用したピストン装置を設置した。ピストン装置に信号発生器の信号を入力することにより、全てのピストン装置を、任意の周波数且つ速度変動振幅で制御可能である。この仕組みにより、副ノズル出口では、ガスの吐き出し・吸い込みが交互に連続的に行われる。また、発明例5〜8は、副ノズル内部にφ5mmの針金(円柱型)を1本張ることで、針金の後流に渦を発生させ、副ノズル出口より脈動流を噴射した。発明例5、6では、ノズル出口平均流速を38m/sに設定して周波数1600Hz、発明例7、8では、ノズル出口平均流速を76m/sに設定して周波数3200の脈動流を実現した。発明例9、10は、発明例5と同様の脈動周波数で、主ノズルの上下に設けた副ノズルのいずれか一方のみから脈動流を噴射した。比較例1、2は副ノズルなしの、最も基本的なワイピングノズルである。
Figure 0004062284
発明例1と比較例1の結果から、本発明例によりノズルワイピング力が増加しており、付着量の減少が確認でき、さらに付着量ムラも無かった。発明例2と比較例2より、この傾向はノズル−鋼帯距離を広げても効果があり、スプラッシュ低減も顕著であった。同様の結果が発明例5、6からも得られ、吐き出し・吸い込み方式(発明例1、2)と吐き出し方式(発明例5、6)の差はほぼなかった。脈動周波数を8倍に増加させた発明例3、4では、発明例1、2よりも付着量は若干増加するものの、従来技術からのワイピング力の増加は確認できた。発明例7、8では、発明例3、4よりも若干付着量が増加することから、鋼板−ノズル距離が離れたときには、吐き出し・吸い込み方式が有効である。主ノズルの上下に設けた副ノズルのうちのいずれか一方のみから副噴流を噴射させた場合(発明例9、10)、いずれも比較例1よりも付着量、スプラッシュの両方が減少していた。発明例9、10の比較より、ポテンシャルコア長としては差がなかったが、ワイピングの観点からは主ノズルの下側の副ノズルから副噴流を噴射する方が有利である。
一方、脈動周波数を最適範囲内に制御しなかった比較例3および4は、付着量制御性、スプラッシュ発生の両面において悪化しており、脈動周波数の制御が重要であることを示す結果となった。
本発明の方法は、溶融めっきプロセスにおいて、めっき付着量を制御する方法として利用することができる。
本発明のガスワイピングノズルは、溶融めっきプロセスにおいて、めっき付着量を制御するためのガスワイピングノズルとして利用することができる。
一般的な連続溶融金属めっき鋼板の製造装置を示す縦断面図である。 本発明の実施の形態に係るガスワイピング装置のガスワイピングノズルの構成例を示す概略図である。 2次元噴流のポテンシャルコアを説明する図である。 熱線流速計により測定されたガスワイピングノズルの速度データを示す図である。 主ノズル及びその上下に脈動流を噴射する副ノズルを有するワイピングノズルのポテンシャルコア長の測定方法を説明する図である。 副ノズルから噴射する脈動流の脈動周波数の好ましい範囲を説明する図である。 主噴流せん断渦周波数F0を説明する図である。 副噴流から噴射する脈動流の振幅Vrの好ましい範囲を説明する図である。 副ノズルからの脈動流の例を説明する図である。 副ノズルのノズル内に振動体を取り付けた図である。 副ノズルのノズル内にスピーカーを取り付けた図である。 副ノズルからの脈動流の別の例を説明する図である。 副ノズルのノズル内に細線を取り付けた図である。
符号の説明
1 ガスワイピングノズル
2 ガス供給口
3 圧力ヘッダー
4 整流板
5 主ノズル
6 副ノズルガス供給口
7 副ノズル
8 主噴流
9 副ノズルより噴射された渦流
10 鋼帯(鋼板)
11 溶融金属
21 ロール
22 ガスワイピングノズル
23 サポートロール
24 シンクロール
25 溶融金属(めっき浴)
31 振動体
32 スピーカー
33 針金

Claims (5)

  1. 溶融めっき金属浴から連続的に引き上げられる鋼帯の表面に、ワイピングノズルからガスを吹き付けて溶融めっき金属の付着量を制御するガスワイピング方法において、鋼帯幅方向に噴出口が設けられた、主に溶融めっき金属の付着量を調節する主噴流を噴射する主ノズルと、主ノズルの上下のうちの少なくとも一方に、主ノズルの噴出口と平行な噴出口から脈動流を噴射する副ノズルとを設けて、溶融めっき金属浴から引き上げられる鋼帯の表裏両面に前記主ノズルからの主噴流及び前記副ノズルからの脈動流を吹き付け、前記副ノズルから噴射する脈動流の脈動周波数は、前記主ノズルから噴射される主噴流のせん断渦周波数以上の周波数とすることを特徴とする溶融めっき付着量の制御方法。
  2. 前記副噴流の脈動流は、前記副ノズルの噴出口でのガスの吸い込み・吐き出しに基づく脈動流であることを特徴とする請求項1に記載の溶融めっき付着量の制御方法。
  3. 前記副ノズルの噴出口におけるガス流れ方向がガス吐き出し方向を正方向とすると、前記副ノズルの噴出口における脈動流のガス流れ方向は常に正方向であることを特徴とする請求項1に記載の溶融めっき付着量の制御方法。
  4. 請求項2又は3において、前記副ノズルから噴射する脈動流の脈動周波数を、前記主ノズルより噴射される主噴流のせん断渦周波数の1〜10倍の周波数範囲とすることを特徴とする溶融めっき付着量の制御方法。
  5. 溶融金属めっき浴から連続的に引き上げられる鋼帯の表面に、ワイピングノズルからガスを吹き付けて付着金属の厚さを制御するガスワイピングノズルにおいて、ワイピングノズルとして、鋼帯幅方向に噴出口が設けられた、主に溶融めっき金属の付着量を調節する主噴流を噴射する主ノズルと、主ノズルの上下に主ノズルの噴出口と平行な噴出口から脈動流を噴射する副ノズルを有することを特徴とするガスワイピングノズル。
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