JP4061120B2 - フードプロセッサ用機械式安全装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、フードプロセッサまたは食物を加工する家電に関するもので、より詳細にはサイズの大きい食物の加工が可能であると同時に手とフードプロセッサの回転部材の接触を回避することが可能なフードプロセッサ用機械式安全装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術とその課題】
前記のようなフードプロセッサは、米国特許第３８９２３６５号公報に開示されている。
このフードプロセッサは電気モータを含むベースと、前記ベース上に脱着可能に搭載したボウルの内部に回転部材を収納するために前記ベース上部より突出したシャフトとより構成する。
前記フードプロセッサにおいて、ボウルが上蓋で閉じられ、前記上蓋よりシュートが突出し、前記シュートを通じて加工される食物が案内される。
前記ベースはスイッチを有し、その対向方向にはセイフティー・ロッドの下端部がボウル支軸の母線に沿って伸長する。
【０００３】
上蓋はボウルに脱着可能に取付けられ、加工される食物がシュートから案内され、そして前記シュート中を滑動するプッシャーで押し出される。
【０００４】
フードプロセッサの使用者の手と電気モータで駆動する回転部材との一切の接触を回避するために、シュートまたはホッパーは一般的に縦長で、横断面は小さい設計であるため使用者が手をシュート内に差し込むのを防ぐ役目を果たす。
セイフティー・ロックは、上蓋が作動位置のボウル上にロックされるまでフードプロセッサの作動を禁止する目的で設置される。
【０００５】
このロック効果は上蓋の下部に形成されたカムによって実現され、上蓋が適切にボウル上にロックされた時のみに、フードプロセッサのベース中に固定されたスイッチを止められる。
様々な実施例によって、直接、機械的または磁気的にスイッチに与えられるコマンドが提供される。
【０００６】
の形状寸法は、使用者の手が入り込むのを防ぐものとなってはいるが、残念ながら、加工可能な食物の量をまた制限するものとなる。
大きめの寸法の食物を加工する目的で幅の広いシュートを利用するといった提案は既に存在するが、その場合にもまた安全性の考慮が必要とされている。
【０００７】
シュート保護部材は、米国特許第４２２６３７３号に開示されている。
そこに開示されたシュート保護部材は、シュート周囲を滑動するスリーブを有し、そのスリーブは、それがシュートの適切な位置に設置された時以外には始動しないモータの安全制御部材を含むものである。
プッシャーは、スリーブの上部に可動的に保持された状態で搭載され、プッシャーがシュート内を上下移動できて、そしてスリーブから脱落しないように構成されている。
シュート中に案内された食物を押し出すプッシャーは、スリーブがシュート上の適切な位置に配置された時に、開放されたシュートへのアクセスを閉ざし、フードプロセッサを作動可能とする。
【０００８】
その他の解決策は、米国特許第４５２３７２０号公報に開示されている。
そこでは、上蓋で閉じたボウルの直径とほぼ同じ直径の筒状ホッパーが、ボウル上に固定される。
筒状ホッパーは、ホッパー蓋で閉じられ、フードプロセッサのモータのスイッチがオンになる前に適切な位置に設置される必要がある。
【０００９】
上記した両方のケースにおいて、保護装置は、加工される食物が開放されたシュート内に入れられる前に、完全に取り除く必要がある。
その結果、一貫した作動手順の流れが途切れることとなり、不都合なこととなる。
【００１０】
上記の問題を解決するために、米国特許第４６１４３０６号公報と米国特許第４６７４６９０号公報には、シュートの開放部分から遠ざかったりすることによるボウルの上蓋の構成に言及した、シュート保護手段を開示している。
上述した技術においては、スイッチを利用してモータのスイッチをつけるために、ボウルの母線に沿って配置されたコントロール・ロッド上に、シュート保護手段を閉じた状態とした際に手で押し込まれた第二コントロール・ロッドが開示されている。
【００１１】
上述の特許に記載された設定は、米国特許第４２２６３７３号公報と比較すると単純な構成であるが、シュート内に食物を入れた後、回転作動を行う前にシュート保護部材を取り除くといった追加的な作業が必要となる。
【００１２】
この問題を解決するために、モータのオン・オフ作動を制御する部材をシュート保護部材にではなく、プッシャー自体に追加するといった試みがある。
このような技術を開示する実施例は米国特許第４７４１４８２号の図５から図７に開示がある。
この特許において、制御部がプッシャーに磁着され、プッシャーがシュート内に案内された時に磁気ロッドと対面する、プッシャーの磁石の磁界をベース中に位置する磁気スイッチに移動する。磁気ロッドは、２つのパーツから構成可能で、一方はボウルで支えられ、他方は上蓋で支えられる。
それら２つのロッドを調整して、ベース上のボウルのロックやボウルの上蓋のロックに対応している。従って、プッシャーを抜き出すだけでシュートに食物を詰め込むことが可能であり、作業が容易となる。
【００１３】
しかしながら、このような磁力の移動は、プッシャーに強い磁界を与え、プッシャーおよび磁力が通過するロッド付近に更に磁力の妨害作用を引き起こす可能性がある。
【００１４】
【問題を解決するための手段】
本発明の目的は、上述のような問題を解決することにあり、横幅が広く、縦が短い、幅広シュートのための安全装置に関する機械的な問題解決策を提供することにある。
【００１５】
本発明によれば、フードプロセッサ用機械式安全装置は、電気モータを含むベースと、ここに着脱自在に取り付ける、上蓋で閉じるボウルと、該ボウルに備えるボウルロッドと、該ボウルロッドに装填するリターンスプリングと、ベースに設けるスイッチと、食品を案内するために上蓋に設けられた少なくとも一つのシュートと、前記上蓋はボウルロッドと整列する上蓋ロッドを備える特徴を有し、プッシャーには、その垂直方向運動を上蓋ロッドの垂直方向運動に転換するための装置を押す突条部を有し、これにより上蓋側の上蓋ロッドの下端がボウル側のボウルロッドの上端を押し、更にボウル側のボウルロッドの下端がスイッチを押すよう構成する。
転換するための装置は、水平或いは斜方向に中継して動くことができ、このことは例えばスライダーや、ロッカー、ボール等により垂直運動を他の垂直運動に転換可能であることとして既に知られている。
【００１６】
本発明の他の特徴によれば、独立した運動装置は、上蓋が備えるチャンバーの上部壁より反対方向に動き、且つプッシャーがシュートを案内している最初の位置から反対の位置に保持する。
【００１７】
本発明の他の特徴によれば、プッシャーの縦突条部は、その下端に、平行な複数の表裏傾斜面を有するスライダーの傾斜した１面に寄りかかる傾斜面を有し、スライダーの裏傾斜面は、上蓋ロッドの上端で支持される。
【００１８】
上蓋ロッド或いはボウルロッドは、リターンスプリングにより常に上方に付勢されている。即ち、プッシャーがシュートより取り外されると直ぐに、リターンスプリングが、上蓋ロッドを介して、スライダーをその開始位置まで戻し、ボウルロッドとの接触が中断され、且つボウルロッドは、そのスプリング作用に従って、ボウルの頂部へ向けて再び上昇してスイッチとの接触を断つことでスイッチを再び開放する。
【００１９】
上蓋ロッドとスライダーの側部のクリアランスを埋めるために、スライダーは上蓋ロッドの上部に水平方向或いは斜めに移動可能に配置され、スライダーの側部が上蓋ロッドの上部に当接されている。
【００２０】
本発明のその他の特徴及び効果は、以下に図面を参照して説明する実施の形態の詳細な説明により明らかとなる。
【００２１】
【発明の実施の形態】
図１に示すように、プロセッサはベース１０を有し、このベース１０には上蓋８により閉塞されたボウル７が脱着自在に取付けられている。
ベース１０は、図示した野菜切断ディスク１６を稼動する電気モータ１５を含む。
上蓋８の上部から突出した部分には、処理される製品を案内するためのホッパー或いはシュート６を有する。
プッシャー５は、シュート６内に摺動自在に設けられる。
ボウル７がベース１０に固定されていることは勿論であり、また処理中は上蓋８がボウル７に図示しない公知手段により固定されている。
米国特許第３８９２３６５号公報に開示されている通り、ボウル７は、母線に沿ってチャンバー３６を有し、このチャンバー３６の内部に、リターンスプリング３１を介してボウルロッド３が摺動自在に収納されていて、ボウルロッド３の下端がモータ１５を駆動する電気回路と繋がっているスイッチ４のコントロール部材を押すことができる。
【００２２】
前述した特許では、上蓋８にボウルロッド３の上端に当たるカムベアリングが備えてあり、上蓋８が所定位置にあるとき、ボウルロッド３の下端がスイッチ４のコントロール部材を押し、それによって、例えばコントロールボタン１２によりモータの駆動が許容される。
【００２３】
この様なカムは、本発明の安全装置には存在しない。
本発明の安全装置は前述した特許と対比すると、モータのスイッチオンの確認には、ボウルロッド３の上端を押圧することが必要である。
【００２４】
本発明によれば、この押圧は、シュート６のチャンバー９内に摺動可能に収容されて、シュート６に沿って延びる上蓋ロッド２を用いて行なう。上蓋ロッド２には、強い衝動を伴わないように上蓋ロッド２を上方に付勢するためのリターンスプリング２１が装着されている。
【００２５】
プッシャー５はシュート６に入り込むことによって、上蓋ロッド２が押し下げられ、次いで上蓋ロッド２がロッド３の上部を押し下げ、これによりロッド３の下端がスイッチ４のコントロール部材を押し下げる。
【００２６】
図２，３を参照して、プロセッサの上部の働きについて説明する。
図２において、プッシャー５は、シュート６内へ案内され始める。
プッシャー５は、その全長に亘って突出した突条部１を備える。突条部１の下部には面取り或いは切断して傾斜面１１を有する。
プッシャー５がシュート６内へ案内され始めると、突条部１は、傾斜面１１を介して、チャンバー９の上部面に対して可動自在なスライダー１３の表傾斜面３１を、プッシャー５の差込方向に対して右方へ押動する。
好ましくはプッシャー５は、例えばＰＴＦＥ等の非粘着性のコーティングで被覆したポリアミドやデルリン（登録商標）製とし、またプッシャー５はローラと組み合わせてもよい。
こうして、プッシャー５の進入により、スライダー１３を図中の右方に動かす。
スライダー１３はその断面が平行四辺形を呈し、突条部１の傾斜面１１と反対に位置する裏傾斜面３２が表傾斜面３１と平行に位置する。
上蓋ロッド２の上端２２は、スライダー１３の裏傾斜面３２に押し当っている。
上蓋ロッド２の上端２２は、裏傾斜面３２に対してスライドできるように形成されている。
前述したように、リターンスプリング２１は、上蓋ロッド２を図２に示した位置まで押し戻す。
突条部１の傾斜面１１がスライダー１３から離れると直ぐに、スライダー１３は、図３に示した突条部１の縦の面によりチャンバー９の右方側で移動不能となって残る。
プッシャー５の押し下げに伴うスライダー１３の右方への横移動する力は、図３に示したように上蓋ロッド２の上端２２に作用する縦方向の力に変わる。
このとき、下方に移動した上蓋ロッド２は下方へ移動してその下端２３がチャンバー９より真下に突出する。
例えば、ボウル７と上蓋８がプロセッサの稼動位置にあるとき、すなわちボウル７がベース１０に固定され、且つ上蓋８がボウル７に固定されていれば、上蓋ロッド２とボウルロッド３が一直線に並び、上蓋ロッド２の下端２３がボウルロッド３の上部に当たり、これにより上蓋ロッド２が下がってボウルロッド３が押し下げられるとともにその下部がスイッチ４のコントロールする部材に接触することとなる。
そして、プッシャー５がシュート６に案内されていようとなかろうと、コントロールボタン１２により電気モータ１５が回転を開始する。
【００２７】
プロセッサの操作上の安全は、プッシャー５がシュート６内に案内されて存在することによって確保できる。
このことにより、シュート６は使用者の手に一切の危険を及ぼすことがなくなる。シュート６は交差部を有したり、比較的短い高さであってもよい。
【００２８】
以上説明した実施例には不便な点も存在する。
即ち、プッシャー５をシュート６から移動させるまで上蓋８をボウル７から外すことができない。これは、使用者にとって不便となる恐れがある。
これは、プッシャー５の事前引き抜きを必要としないので、上蓋８及びプッシャー５を同時に外せるようにしておくことが好ましい。
【００２９】
図４には、前述した構成について示してある。
ボウルロッド３の下部の分岐している下部３３は、突出して、スイッチ４（本図には図示せず）の制御を行なう。
この制御は、シュート６内に案内するプッシャー５が、スライダー１３を側方に動かし、これにより押力を受ける上蓋ロッド２がラグ２４を押し下げ、さらにラグ２４がボウルロッド３を押し下げてボウルロッド３の下部の分岐したロッドの下部３３を下方へ突出させることの結果として起こる。
この目的を達成するため、パーツ３４は、ラグ２４により押される傾斜面３５を有する。
【００３０】
ボウル７にはハンドル７１が接合する。ボウル７とハンドル７１とが接合した接合部分の上部には、３つの切り欠きを有する。
１つ目の切り欠きは、ほぞ８２（図５）が通過するためのものである。
１つ目の切り欠きの下方には、下方切り欠き７２と上方切り欠き７３の２つの切り欠きを有する。これにより、プッシャー５がシュート６内に位置するときにはラグ２４をハンドル７１の切り欠き７２に差し込みでき、及びプッシャー５がシュート６内に位置していないときには、ラグ２４をハンドル７１の切り欠き７２，７２に差し込みできる。
どちらの場合においても、ラグ２４は、パーツ３４を下方へ押したり、或いは開放してパーツ３４を上に引き上げることができる。
上蓋８に設けられたストッパ８１は、上蓋８がボウル７上で固定される位置に到達したときに上蓋８を移動不能とする。
【００３１】
これらの切り欠きを用いて、ラグ２４をボウルロッド３のチャンバー３６内に差し込みできる。
しかしながら、ラグ２４はボウルロッド３のチャンバー３６内より外すこともできるため、シュート６からプッシャー５を取り除くことなく上蓋８の取り外しを許容する。
【００３２】
図５に示された同様の構造により、シュート６からプッシャー５を取り除いた後に、上蓋８を時計方向に回転させることができる。
リターンスプリング３１の作動により、ボウルロッド３は元の位置に上げ戻され、その下部３３の突き出しが戻される。
プッシャー５がシュート６内に位置するときには、ラグ２４は図示した実線位置に位置する。プッシャー５が抜き取られたときには、ラグ２４は図示した破線位置に位置する。
【００３３】
同様の技術部材との置換によって紹介することができる個々の変形例は、それによって本発明の請求範囲を越えるものではないことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の安全装置備えるプロセッサの縦断面図
【図２】シュート中にプッシャーを案内中における上蓋上部の縦断面図
【図３】図２に示した状態において、プッシャーをシュート中に完全に案内した際の説明図
【図４】安全装置の作動状態の斜視図
【図５】図４に示した状態において、上蓋を外した際の安全装置の状態を示す斜視図

Claims (7)

1. フードプロセッサ用機械式安全装置であって、
   電気モータを含むベース（１０）と、
   種々の道具を取り付けできるシャフトと、
   着脱自在の上蓋（８）を具備したボウル（７）と、
   該ボウル（７）が備えるボウルロッド（３）と、
   ボウルロッド（３）に装填するリターンスプリング（３１）と、
   ベース（１０）に設けたスイッチ（４）と、
   食品を案内するために上蓋（８）が備える少なくとも１つのシュート（６）と、
   前記上蓋（８）はボウルロッド（３）と整列する上蓋ロッド（２）とを備え、
   プッシャー（５）には、プッシャー（５）の垂直運動を上蓋ロッド（２）の垂直運動に変換するために、水平方向或いは斜めに移動するスライダー（１３）を押す縦突条部（１）を有し、これにより上蓋ロッド（２）の下端がボウル（７）のボウルロッド（３）の上端を反対方向に押し、更にボウルロッド（３）の下端がスイッチ（４）を押すように構成する、
   フードプロセッサ用機械式安全装置。
2. 請求項１に記載のフードプロセッサ用機械式安全装置において、スライダー（１３）は、上蓋ロッド（２）を備えるチャンバー（９）の上部壁に対して移動し、且つプッシャー（５）がシュート（６）を案内している最初の位置から反対の位置に保持されることを特徴とする、フードプロセッサ用機械式安全装置。
3. 請求項１又は２に記載のフードプロセッサ用機械式安全装置において、プッシャー（５）の一方の側には、下端に傾斜面（１１）を有し、プッシャー（５）がシュート（６）の頂部から案内される際にボウルロッド（３）を押し下げることでベースのスイッチ（４）の制御部を押す、上蓋ロッド（２）の上端（２２）を直接的或いは間接的に押す縦突条部（１）を有することを特徴とする、フードプロセッサ用機械式安全装置。
4. 請求項３に記載のフードプロセッサ用機械式安全装置において、縦突条部（１）の傾斜面（１１）が、スライダー（１３）の表傾斜面（３１）を押し、ボウルロッド（３）と直列に配置するとともにリターンスプリング（２１）を装填した上蓋ロッド（２）の上端（２２）と接する表傾斜面（３２）が押されることを特徴とする、フードプロセッサ用機械式安全装置。
5. 請求項１又は２に記載のフードプロセッサ用機械式安全装置において、スライダー（１３）が、非粘着性素材、或いは非粘着コーティングで被覆した硬質プラスチックより作製されることを特徴とする、フードプロセッサ用機械式安全装置。
6. 請求項１又は２に記載のフードプロセッサ用機械式安全装置において、上蓋ロッド（２）の上部にスライダー（１３）が水平方向或いは斜めに移動可能に配置され、前記スライダー（１３）が上蓋ロッド（２）の上部に当接されていることを特徴とする、フードプロセッサ用機械式安全装置。
7. 請求項６に記載のフードプロセッサ用機械式安全装置において、上蓋ロッド（２）の下部に、ボウルの外方に放射状に突出するラグ（２４）を有し、プッシャー（５）がシュート（６）内に位置するか否かにより、前記ラグ（２４）が、チャンバー（３６）に形成された２つの切り欠き（７２，７３）の一方に差し込めることを特徴とする、フードプロセッサ用機械式安全装置。

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