JP4061036B6 - 注射器 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、注射器の構造に関し、特に、使用時に薬物の投与量計算を行う必要がない注射器に関する。
【0002】
【従来の技術】
薬物は、その投与量の設定に当たり患者の体重をその基準におくことが多い。また、一部の薬物では年齢と体重によりその使用量が制限されているものもある。従って、臨床現場においては、その薬物を注射として使用する際に総投与量を予め計算し、その必要量を注射用シリンジにて計測し、投薬が行われている。
【0003】
具体的な事例で示せば、以下のようになる。投与する薬物を例えばA薬物とし、このA薬物1gは生理食塩水20mlに溶解希釈し体重kg当たり5mg投与する、とする。例えば、患者の体重が60kgとすると、この患者に必要な投与薬物量は、60kg×5mg=300mgとなる。生理食塩水で溶解した20mlがA薬物1000mgとなることより20mlの(300/1000)すなわち6mlを投与することになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来では、患者等注入対象者に対する薬物の投与に当たって、上記のように、予め、臨床現場において、総投与量を計算し、その後生理食塩水で溶解した注射用シリンジ20mlの内6mlを投与していた。このように、従来は臨床現場で医療看護に当たるものがいちいち面倒な薬物投与量の計算を行っていたので、医療作業が複雑になりかつ長時間を要するほか、計算間違いによる医療ミスを引き起こす機会が多かった。そこで、本発明はこのような従来の欠点を改善しようとするものであって、その目的は、患者等の注入対象者の体重等が確認できればすぐに投薬量を決定し投与が行える注射器及びこれに貼着するラベルのプリンタを提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
現在臨床現場で使用されている注射器は、すべて用量を示すml(ミリリットル)表示となっている。前記のように、実際に使用される状況においては、患者等の注入対象者の体重あたり薬物量何mg(ミリグラム)もしくは何mlを使用するとの表示の薬物が多い。そこで、上記A薬物に例を取れば、A薬の規格が1gであり、20ml生理食塩水で溶解することが確実であれば、シリンジ1ml当たり体重10kgの比率で作成したラベルを注射器に貼付し、体重60kgの患者等の注入対象者にA薬物を投与する場合、注射器目盛りで60kgの位置まで薬物を吸入し、患者等の注入対象者に投与する。上記から分かるように、本発明の注射器には、用量目盛りの代わりに体重目盛りをふり、患者等の体重に会わせた投与量を示すようにする。そのために薬物は一定の濃度にし、シリンジ目盛りに併せる設計か、若しくは特定の薬物には専用のシリンジ設定が必要である。上記注射器へのラベルの貼着は簡便方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に本発明の一実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。これを 図1を用いて詳しく説明する。図1は本発明に係る注射器の正面図である。 図1において、1は注射器で、シリンジ2を有する。シリンジ1は透明又は半透明のガラス又は合成樹脂から作られ、断面の形状が同一な筒状で長手方向に連続して形成された液体溜3を有し外面から該液体溜3が観察できる。該シリンジ1の一方の開口端部には注射針取付自在にして液体溜3内に液体を出入自在にする液体出入口4が形成されている。シリンジ1の他方端から液体溜3に挿入されて液体溜3内面と摺動自在なプランジャ5が該液体溜3内に挿入されている。シリンジ1の表面には、対応薬品名6と体重目盛り7が表示されている表示部8が設けられている。この体重目盛り7の各位置は、投薬を受ける患者独自の薬液投与量表示位置となるマークである。
【0008】
次に表示部の表示方法について、上記段落0003に示す具体的な事例で説明する。投与するA薬物1gは生理食塩水20mlに溶解希釈し体重kg当たり5mg投与する、とする。例えば、患者の体重が60kgとすると、この患者に必要な投与薬物量は、60kg×5mg=300mgとなる。生理食塩水で溶解した20mlがA薬物1000mgとなることより20mlの(300/1000)すなわち6mlを投与することになる。よって、表示部8の体重目盛り7は、液体溜3の1mlの用量毎に体重10kgの目盛りをふればよい。上記の算出された投与薬品溶解液には、患者の年齢が加味されていない。必要によっては、年齢による補正値たとえば、小児0.5、成人1.0,老人0.7のような計数値を用い、この計数値を算出された投与薬品溶解液量に掛けて投薬量を決定してもよい。本発明は、簡便性と適正な投薬量を確実に投薬できるところにメリットがある。緊急性が高い薬物や投薬量計算が複雑である薬物はあらかじめ上記体重に対する投与量の計算を行っておき、更に注射器のラベル設計も行っておけば、計量しにくい用量であっても体重当たりの目盛りを参照して適切な投与が可能になる。また、薬物製造時に内容量規格に則った添付の溶解液までを体重当たりの投与量が記入された注射器につけてキット化して販売すれば、これまた計量しにくい用量であっても体重当たりの目盛りを参照して適切な投与が可能になる。
【0009】
次に、突発性事故の発生等で、患者に対し緊急的に薬物を投与しなければならないところ、上記のような本発明に係る注射器が用意されていない場合の緊急対策について説明する。まず、次のようなラベルのプリンタを用意する。すなわち、このプリンタ10は、図2に示すように、中央処理装置11を中心として、薬品名を記入したキーを有する入力装置12、各薬品名に対応する、患者等注入対象者の体重1kg当たりの投与薬品溶解液量を示すデータが記憶されているマップデータを記憶しているとともに、使用される注射器の構造データを記憶しているメモリ13、中央処理装置11の処理途中経過や計算結果等を一時記憶しておくRAM14、ラベルを印刷する印字部15を有する。
【0010】
入力装置12は、図3に示すように、薬品名が記入された複数個のキー16を有する。これらキー16に表示する薬品名の配列については、医療ミスを避けるために紛らわしい薬品名や作用の異なる薬品名を近接して配置しない等の注意が必要である。前記のごとく、メモリ13は図4(1)に示すような状態で、入力装置12に表示された複数個の薬品名に対応した、薬液希釈量、患者等注入対象者の体重1kg当たりの投与薬品量を示すデータが記憶されている。
【0011】
メモリ13から読み出されたデータは中央処理装置11に送られる。ここでは、図4(2)に示すデータの中から使用される注射器の例えばシリンジ1mm当たり 0.1mlのような構造データが読み出されていて、送られてきた当該薬品の患者等注入対象者の体重1kg当たりの薬品溶解液量データを基に、シリンジ内に吸入する溶解液薬品量に対応する患者等注入対象者の体重を示すプリントデータを作成し、このデータは印字部15に送られる。印字部15では中央処理装置11から送られてきたプリントデータを用いて、ラベルを印刷する。
【0012】
印刷されたラベルは医療担当者により取り出され、所定の方法で正確にシリンジ表面に貼着された後、投与薬品溶解液がラベル上に表示された患者等注入対象者の体重位置まで吸入され、患者等注入対象者に投与される。なお、印刷されたラベルをシリンジ表面に正確に貼着する事は、かなりの熟練を要する。そこでプリンタにシリンジを正確に位置決めしてセットし、これに印字されたラベルの貼着面に対して例えばシリンジを回転させて自動的に貼着するように構成すれば、ラベルを正確に且つ迅速に添付することができる。
【0013】
通院している患者や入院中の患者には診療経過や病症が記載されたカルテが発行されていて、このカルテの中に患者自身の体重や年齢が記録されている。このカルテ内に記録されている個人情報を使用して、定期的に行われる診療の前に、予めラベルを貼着した注射器を用意しておき、診察時に注射器に薬液を吸入し、患者に投与すると便利である。このような場合、プリンタ10の入力装置12にパソコン用キーボードを接続して文字データの入力も可能にしておき、入力装置12から患者の氏名、体重を入力できるように構成する。これら入力されたデータに基づきメモリ13から中央処理装置11に読み出された患者の体重1kg当たりの投与薬品溶解液量を示すデータに患者の体重を掛け、シリンジ内に吸入する必要溶解液薬品量の位置を示すプリントデータが作成され、このデータは印字部15に送られる。印字部15では中央処理装置11から送られてきたプリントデータを用いて、特定患者に対するラベルを印刷する。また必要あれば特定患者の氏名や投与薬品名をラベルに印字してもよい。もちろん、この装置は、扱う薬品を単品に限ることはなく、上記のようにメモリ13内に複数種類の薬品データを記憶させて、複数種類の薬品に対応するラベルを作成することもできる。
【0014】
本発明を上述の実施の形態により説明したが、上記実施の形態のように、患者に対する薬物の投与に限らず、栄養剤の投与や、輸血に対しても本発明を適用することができる。
【0015】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本願の請求項1に記載の発明は、薬物を受ける注入対象者独自の投与量表示位置が示されるマークを含む表示部が前記シリンジ表面に設けらているので、従来のように、その投薬量設定計算をなくし、より迅速にしかも投与量計算の間違いを無くすることができる。特に投薬の緊急性を要する薬物にはこの簡便性は大きなメリットである。本願の請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明に加えて、前記表示部のマークは注入対象者体重表示マークであり、当該表示マークの体重表示位置は該注入対象者体重に対応する薬液投与量表示位置であるので、薬物投与に当たって、注入対象者の体重を調べて、プランジャの先端を注入対象者の体重位置に来るまで薬物を吸入し、注入対象者に投与すればよいので、投与が正確且つより簡単になる。
【0016】
本願の請求項3に係る発明は、請求項1に記載の発明に加えて、前記表示部のマークとなる注入対象者名位置は該注入対象者体重に対応する薬液投与量表示位置であるので、薬物投与に当たって、注入対象者の名前だけ確認し、その名前と表示部に表示してある注入対象者名とを会わせ、且つプランジャの先端がその注入対象者名位置に来るまで薬物を吸入し、注入対象者に投与すればよいので、投与が正確且つより簡単になる。本願の請求項4に係る発明は、請求項1に記載の発明に加えて、前記表示部のマークとなる注入対象者の体重と年齢を表す注入対象者体重年齢表示位置は該注入対象者自身の薬液投与量表示位置であるので、薬物投与に当たって、プランジャの先端がその注入対象者体重年齢表示位置に来るまで薬物を吸入し、注入対象者に投与すればよいので、投与が正確且つより簡単になる。本願の請求項5〜請求項10に係る発明は、請求項1に記載の発明における注射器に貼着するラベルのプリンタであって、薬物の投与量とに対応する位置をシリンジ上に表示するラベルを印字する印字手段を具備しているので、シリンジに貼着するラベルを簡単に作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る注射器の正面図である。
【図2】図2は、本発明に係るプリンタのブロック図である。
【図3】図3は、本発明に係るプリンタのメモリ内部を示すテーブル図である。
【図4】図4は、本発明に係るプリンタの入力装置を示す正面図である。
【符号の説明】
1・・・・・注射器
2・・・・・シリンジ
3・・・・・液体溜
4・・・・・液体出入口
5・・・・・プランジャ
6・・・・・対応薬品名
7・・・・・体重目盛り
8・・・・・表示部
10・・・・・プリンタ
11・・・・・中央処理装置
12・・・・・入力装置
13・・・・・メモリ
14・・・・・RAM
15・・・・・印字部
16・・・・・キー
【発明が属する技術分野】
本発明は、注射器の構造に関し、特に、使用時に薬物の投与量計算を行う必要がない注射器に関する。
【0002】
【従来の技術】
薬物は、その投与量の設定に当たり患者の体重をその基準におくことが多い。また、一部の薬物では年齢と体重によりその使用量が制限されているものもある。従って、臨床現場においては、その薬物を注射として使用する際に総投与量を予め計算し、その必要量を注射用シリンジにて計測し、投薬が行われている。
【0003】
具体的な事例で示せば、以下のようになる。投与する薬物を例えばA薬物とし、このA薬物1gは生理食塩水20mlに溶解希釈し体重kg当たり5mg投与する、とする。例えば、患者の体重が60kgとすると、この患者に必要な投与薬物量は、60kg×5mg=300mgとなる。生理食塩水で溶解した20mlがA薬物1000mgとなることより20mlの(300/1000)すなわち6mlを投与することになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来では、患者等注入対象者に対する薬物の投与に当たって、上記のように、予め、臨床現場において、総投与量を計算し、その後生理食塩水で溶解した注射用シリンジ20mlの内6mlを投与していた。このように、従来は臨床現場で医療看護に当たるものがいちいち面倒な薬物投与量の計算を行っていたので、医療作業が複雑になりかつ長時間を要するほか、計算間違いによる医療ミスを引き起こす機会が多かった。そこで、本発明はこのような従来の欠点を改善しようとするものであって、その目的は、患者等の注入対象者の体重等が確認できればすぐに投薬量を決定し投与が行える注射器及びこれに貼着するラベルのプリンタを提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
現在臨床現場で使用されている注射器は、すべて用量を示すml(ミリリットル)表示となっている。前記のように、実際に使用される状況においては、患者等の注入対象者の体重あたり薬物量何mg(ミリグラム)もしくは何mlを使用するとの表示の薬物が多い。そこで、上記A薬物に例を取れば、A薬の規格が1gであり、20ml生理食塩水で溶解することが確実であれば、シリンジ1ml当たり体重10kgの比率で作成したラベルを注射器に貼付し、体重60kgの患者等の注入対象者にA薬物を投与する場合、注射器目盛りで60kgの位置まで薬物を吸入し、患者等の注入対象者に投与する。上記から分かるように、本発明の注射器には、用量目盛りの代わりに体重目盛りをふり、患者等の体重に会わせた投与量を示すようにする。そのために薬物は一定の濃度にし、シリンジ目盛りに併せる設計か、若しくは特定の薬物には専用のシリンジ設定が必要である。上記注射器へのラベルの貼着は簡便方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に本発明の一実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。これを 図1を用いて詳しく説明する。図1は本発明に係る注射器の正面図である。 図1において、1は注射器で、シリンジ2を有する。シリンジ1は透明又は半透明のガラス又は合成樹脂から作られ、断面の形状が同一な筒状で長手方向に連続して形成された液体溜3を有し外面から該液体溜3が観察できる。該シリンジ1の一方の開口端部には注射針取付自在にして液体溜3内に液体を出入自在にする液体出入口4が形成されている。シリンジ1の他方端から液体溜3に挿入されて液体溜3内面と摺動自在なプランジャ5が該液体溜3内に挿入されている。シリンジ1の表面には、対応薬品名6と体重目盛り7が表示されている表示部8が設けられている。この体重目盛り7の各位置は、投薬を受ける患者独自の薬液投与量表示位置となるマークである。
【0008】
次に表示部の表示方法について、上記段落0003に示す具体的な事例で説明する。投与するA薬物1gは生理食塩水20mlに溶解希釈し体重kg当たり5mg投与する、とする。例えば、患者の体重が60kgとすると、この患者に必要な投与薬物量は、60kg×5mg=300mgとなる。生理食塩水で溶解した20mlがA薬物1000mgとなることより20mlの(300/1000)すなわち6mlを投与することになる。よって、表示部8の体重目盛り7は、液体溜3の1mlの用量毎に体重10kgの目盛りをふればよい。上記の算出された投与薬品溶解液には、患者の年齢が加味されていない。必要によっては、年齢による補正値たとえば、小児0.5、成人1.0,老人0.7のような計数値を用い、この計数値を算出された投与薬品溶解液量に掛けて投薬量を決定してもよい。本発明は、簡便性と適正な投薬量を確実に投薬できるところにメリットがある。緊急性が高い薬物や投薬量計算が複雑である薬物はあらかじめ上記体重に対する投与量の計算を行っておき、更に注射器のラベル設計も行っておけば、計量しにくい用量であっても体重当たりの目盛りを参照して適切な投与が可能になる。また、薬物製造時に内容量規格に則った添付の溶解液までを体重当たりの投与量が記入された注射器につけてキット化して販売すれば、これまた計量しにくい用量であっても体重当たりの目盛りを参照して適切な投与が可能になる。
【0009】
次に、突発性事故の発生等で、患者に対し緊急的に薬物を投与しなければならないところ、上記のような本発明に係る注射器が用意されていない場合の緊急対策について説明する。まず、次のようなラベルのプリンタを用意する。すなわち、このプリンタ10は、図2に示すように、中央処理装置11を中心として、薬品名を記入したキーを有する入力装置12、各薬品名に対応する、患者等注入対象者の体重1kg当たりの投与薬品溶解液量を示すデータが記憶されているマップデータを記憶しているとともに、使用される注射器の構造データを記憶しているメモリ13、中央処理装置11の処理途中経過や計算結果等を一時記憶しておくRAM14、ラベルを印刷する印字部15を有する。
【0010】
入力装置12は、図3に示すように、薬品名が記入された複数個のキー16を有する。これらキー16に表示する薬品名の配列については、医療ミスを避けるために紛らわしい薬品名や作用の異なる薬品名を近接して配置しない等の注意が必要である。前記のごとく、メモリ13は図4(1)に示すような状態で、入力装置12に表示された複数個の薬品名に対応した、薬液希釈量、患者等注入対象者の体重1kg当たりの投与薬品量を示すデータが記憶されている。
【0011】
メモリ13から読み出されたデータは中央処理装置11に送られる。ここでは、図4(2)に示すデータの中から使用される注射器の例えばシリンジ1mm当たり 0.1mlのような構造データが読み出されていて、送られてきた当該薬品の患者等注入対象者の体重1kg当たりの薬品溶解液量データを基に、シリンジ内に吸入する溶解液薬品量に対応する患者等注入対象者の体重を示すプリントデータを作成し、このデータは印字部15に送られる。印字部15では中央処理装置11から送られてきたプリントデータを用いて、ラベルを印刷する。
【0012】
印刷されたラベルは医療担当者により取り出され、所定の方法で正確にシリンジ表面に貼着された後、投与薬品溶解液がラベル上に表示された患者等注入対象者の体重位置まで吸入され、患者等注入対象者に投与される。なお、印刷されたラベルをシリンジ表面に正確に貼着する事は、かなりの熟練を要する。そこでプリンタにシリンジを正確に位置決めしてセットし、これに印字されたラベルの貼着面に対して例えばシリンジを回転させて自動的に貼着するように構成すれば、ラベルを正確に且つ迅速に添付することができる。
【0013】
通院している患者や入院中の患者には診療経過や病症が記載されたカルテが発行されていて、このカルテの中に患者自身の体重や年齢が記録されている。このカルテ内に記録されている個人情報を使用して、定期的に行われる診療の前に、予めラベルを貼着した注射器を用意しておき、診察時に注射器に薬液を吸入し、患者に投与すると便利である。このような場合、プリンタ10の入力装置12にパソコン用キーボードを接続して文字データの入力も可能にしておき、入力装置12から患者の氏名、体重を入力できるように構成する。これら入力されたデータに基づきメモリ13から中央処理装置11に読み出された患者の体重1kg当たりの投与薬品溶解液量を示すデータに患者の体重を掛け、シリンジ内に吸入する必要溶解液薬品量の位置を示すプリントデータが作成され、このデータは印字部15に送られる。印字部15では中央処理装置11から送られてきたプリントデータを用いて、特定患者に対するラベルを印刷する。また必要あれば特定患者の氏名や投与薬品名をラベルに印字してもよい。もちろん、この装置は、扱う薬品を単品に限ることはなく、上記のようにメモリ13内に複数種類の薬品データを記憶させて、複数種類の薬品に対応するラベルを作成することもできる。
【0014】
本発明を上述の実施の形態により説明したが、上記実施の形態のように、患者に対する薬物の投与に限らず、栄養剤の投与や、輸血に対しても本発明を適用することができる。
【0015】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本願の請求項1に記載の発明は、薬物を受ける注入対象者独自の投与量表示位置が示されるマークを含む表示部が前記シリンジ表面に設けらているので、従来のように、その投薬量設定計算をなくし、より迅速にしかも投与量計算の間違いを無くすることができる。特に投薬の緊急性を要する薬物にはこの簡便性は大きなメリットである。本願の請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明に加えて、前記表示部のマークは注入対象者体重表示マークであり、当該表示マークの体重表示位置は該注入対象者体重に対応する薬液投与量表示位置であるので、薬物投与に当たって、注入対象者の体重を調べて、プランジャの先端を注入対象者の体重位置に来るまで薬物を吸入し、注入対象者に投与すればよいので、投与が正確且つより簡単になる。
【0016】
本願の請求項3に係る発明は、請求項1に記載の発明に加えて、前記表示部のマークとなる注入対象者名位置は該注入対象者体重に対応する薬液投与量表示位置であるので、薬物投与に当たって、注入対象者の名前だけ確認し、その名前と表示部に表示してある注入対象者名とを会わせ、且つプランジャの先端がその注入対象者名位置に来るまで薬物を吸入し、注入対象者に投与すればよいので、投与が正確且つより簡単になる。本願の請求項4に係る発明は、請求項1に記載の発明に加えて、前記表示部のマークとなる注入対象者の体重と年齢を表す注入対象者体重年齢表示位置は該注入対象者自身の薬液投与量表示位置であるので、薬物投与に当たって、プランジャの先端がその注入対象者体重年齢表示位置に来るまで薬物を吸入し、注入対象者に投与すればよいので、投与が正確且つより簡単になる。本願の請求項5〜請求項10に係る発明は、請求項1に記載の発明における注射器に貼着するラベルのプリンタであって、薬物の投与量とに対応する位置をシリンジ上に表示するラベルを印字する印字手段を具備しているので、シリンジに貼着するラベルを簡単に作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る注射器の正面図である。
【図2】図2は、本発明に係るプリンタのブロック図である。
【図3】図3は、本発明に係るプリンタのメモリ内部を示すテーブル図である。
【図4】図4は、本発明に係るプリンタの入力装置を示す正面図である。
【符号の説明】
1・・・・・注射器
2・・・・・シリンジ
3・・・・・液体溜
4・・・・・液体出入口
5・・・・・プランジャ
6・・・・・対応薬品名
7・・・・・体重目盛り
8・・・・・表示部
10・・・・・プリンタ
11・・・・・中央処理装置
12・・・・・入力装置
13・・・・・メモリ
14・・・・・RAM
15・・・・・印字部
16・・・・・キー
Claims (10)
- 断面の形状が同一な筒状で長手方向に連続して形成された液体溜を有し外面から該液体溜が観察できるシリンジと、該シリンジの一方の開口端部に設けられ注射針取付自在にして液体溜内に液体を出入自在にする液体出入口と、該シリンジの他方端から液体溜に挿入されて液体溜内面と摺動自在なプランジャとを有する注射器において、
注入対象者の属性に対応する注入量表示位置が示されるマークを含む表示部が以下のプリンタを用いて印字されたラベルが前記シリンジ表面に貼着されていることを特徴とする注射器:
各薬物に対応する注入対象者の属性と注入量の関係、及び、各注射器の構造を記憶している記憶手段と、
使用する薬物名を入力する入力手段と、
注入対象者の属性に対応する注入量表示位置を示すマークをラベルに印字する印字手段と、
を具備するプリンタ。 - 前記表示部のマークは注入対象者体重表示マークであり、当該表示マークの体重表示位置は該注入対象者体重に対応する注入量表示位置であることを特徴とする請求項1に記載の注射器。
- 前記表示部のマークは注入対象者の氏名を表す注入対象者名表示マークであり、当該表示マークの注入対象者名位置は該注入対象者に対応する注入量表示位置であることを特徴とする請求項1に記載の注射器。
- 前記表示部のマークは注入対象者の体重と年齢を表す注入対象者体重年齢表示マークであり、当該表示マークの体重年齢表示位置は該注入対象者の体重と年齢に対応する注入量表示位置であることを特徴とする請求項1に記載の注射器。
- 各薬物に対応する注入対象者の属性と注入量の関係、及び、各注射器の構造を記憶している記憶手段と、
使用する薬物名を入力する入力手段と、
注入対象者の属性に対応する注入量表示位置をシリンジ上に表示するラベルを印字する印字手段と、
を具備することを特徴とする請求項1に記載の注射器に貼着するラベルを印字するプリンタ。 - 各薬物に対応する注入対象者の属性と注入量の関係、及び、各注射器の構造を記憶している記憶手段と、
使用する薬物名を入力する入力手段と、
注入対象者の体重を入力する手段と、
入力された注入対象者の体重に対応する薬物の投与量を演算する演算手段と、
演算された薬物の投与量と該投与量に対応する位置をシリンジ上に表示するラベルを印字する印字手段と、
を具備することを特徴とする請求項1に記載の注射器に貼着するラベルを印字するプリンタ。 - 各薬物に対応する注入対象者の属性と注入量の関係、及び、各注射器の構造を記憶している記憶手段と、
使用する薬物名を入力する入力手段と、
注入対象者の体重と氏名を入力する手段と、
入力された注入対象者の体重に対応する薬物の投与量を演算する演算手段と、
演算された薬物の投与量と該投与量に対応する位置と注入対象者氏名をシリンジ上に表示するラベルを印字する印字手段と、
を具備することを特徴とする請求項1に記載の注射器に貼着するラベルを印字するプリンタ。 - 各薬物に対応する注入対象者の属性と注入量の関係、及び、各注射器の構造を記憶している記憶手段と、
使用する薬物名を入力する入力手段と、
注入対象者の体重と年齢を入力する手段と、
入力された注入対象者の体重と年齢に対応する薬物の投与量を演算する演算手段と、
演算された薬物の投与量と該投与量に対応する位置をシリンジ上に表示するラベルを印字する印字手段と、
を具備することを特徴とする請求項1に記載の注射器に貼着するラベルを印字するプリンタ。 - 注射器のシリンジ表面にラベルを貼着する貼着手段をさらに具備する請求項5から8のいずれか1項に記載のプリンタ。
- 前記貼着手段が、ラベルの貼着面に対して注射器のシリンジを回転させてシリンジ表面にラベルを貼着するように構成されている請求項9に記載のプリンタ。
Priority Applications (1)
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JP2001200969A JP4061036B6 (ja) | 2001-07-02 | 注射器 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2001200969A JP4061036B6 (ja) | 2001-07-02 | 注射器 |
Related Child Applications (1)
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