JP4060568B2 - 吸収体ガラス及びファイバオプティックプレート - Google Patents

吸収体ガラス及びファイバオプティックプレート Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファイバオプティックプレートなどに用いることができる吸収体ガラス、並びにその吸収体ガラスを用いたファイバオプティックプレートに関する。
【0002】
【従来の技術】
ファイバオプティックプレート(FOP)は、複数のオプティカルファイバで構成された板状のイメージ素子であり、イメージインテンシフィアやCRTのフェースプレート、CCDカップリングなど、光学機器の光導波路として利用されている。
【0003】
FOPは、例えば以下のようにして製造される。すなわち、コアガラスをクラッドガラスで被覆した細いシングルファイバと、吸収体ファイバとの集合体を、ファイバ方向に整列させ、この集合体を所定の寸法に線引した後、その複数本を束ねてさらに線引する。この操作を複数回繰り返した後、得られる集合体を高温真空下で圧力を加えながら融着させる。この融着体をファイバ方向に対して垂直に切断してFOPが得られる。
【0004】
このFOPに光が入射すると、ファイバ内で光の全反射が繰り返されるため、入射面から出射面に高い解像度で効率よく光を伝達することができる。このとき、全反射せずにコアガラスから漏れる光(迷光)が一部生じるが、この迷光を吸収体ガラスに吸収させることによって他のコアガラスへの入射が防止される。
【0005】
この吸収体ガラスの迷光吸収特性は、所定の吸収波長帯を有する酸化物着色剤の配合により得ることができる。例えば特開平2−38343号公報には、SiO2、B23、La23、BaO、TiO2の5成分を基本成分し、CoO、Fe23、Nb25、Cr23などを配合した吸収体ガラスが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年では可視光域のみならず近赤外域によるイメージ伝達も多様されるようになっている。しかしながら、従来の吸収体ガラスは、可視光域(例えば550nm付近)での吸収性は有するものの、近赤外域での迷光吸収特性が不足している。従って、このような吸収体ガラスを用いたFOPにおいては、近赤外域でのイメージ伝達を行う際に解像度が劣化してしまう。
【0007】
また、酸化物着色剤の種類及び含有率によってはガラス化状態が不安定となり、FOP製造の際の高温高圧下での融着やファイバ化の線引などの工程において、退色を生じたり、拡散等によりコアの失透を生じたりする。さらに、製造時又は使用時に割れが生じるなど、強度が不十分となる場合がある。
【0008】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、可視光域から近赤外域にわたる光に対して十分な吸収特性を有すると共に、安定且つ強固な吸収体ガラス、並びにその吸収体ガラスを用いたファイバオプティックプレートを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、吸収体ガラスにおけるSiO2の含有率と、FeOとFe23との含有率の和とがそれぞれ所定の条件を満たす場合に、近赤外域(例えば790nm)において良好な吸収特性を示すことを見出し、上記の組成を有する吸収体ガラスを特開平9−71436号公報に開示している。そして、本発明者は、かかる知見に基づいてさらに研究を重ねた結果、SiO2と、PbOと、Fe23及び/又はFeOとを含む吸収体ガラスにおいて、所定量のK2O及び/又はNa2Oを配合することによって上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明のファイバオプティックプレート用吸収体ガラス(以下、場合により単に「吸収体ガラス」という。)は、重量百分率で、20〜44%のSiO と、26〜50%のPbOと、16〜20%のFe 及び/又はFeOと、0〜12%のK Oと、0〜10%のNa Oと、0〜3%のTiO と、0〜4%のMnO と、を含み、K O及びNa Oの含有率の合計が重量百分率で9〜12%であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明のファイバオプティックプレートは、複数の光ファイバを束ねた状態で一体化することによって形成され、コアガラスからなり、入射した光を伝搬する複数のコアと、コアガラスよりも屈折率が低いクラッドガラスからなり、コアのそれぞれの外周部を覆うクラッドと、複数のコアの間に配置され、コアから漏れクラッドに入射した迷光を吸収する吸収体と、を備え、該吸収体は、上記本発明のファイバオプティックプレート用吸収体ガラスを用いて構成されていることを特徴とする。
【0012】
本発明の吸収体ガラスでは、SiO2と、PbOと、Fe23及び/又はFeOとを配合することによって、吸収体ガラスの吸収特性が可視光域から近赤外域にわたって十分に高められる。また、これらの成分は非常に高い融点を有するものであるが、重量百分率で9〜12%のK2O及び/又はNa2Oを配合することによって、吸収体ガラスの製造時においてこれらの高融点物質を十分に低い温度で溶融させることができ、その結果、吸収体ガラスの安定性と強度とを十分に高めることができる。従って、本発明により可視光域から近赤外域にわたる光に対して十分な吸収特性を有すると共に、安定且つ強固な吸収体ガラスが実現され、当該吸収体ガラスを用いた本発明のファイバオプティックプレートによって、可視光域から近赤外域までの広い範囲で良好な解像度を維持しつつイメージを伝送することが可能となる。
【0013】
また、本発明の吸収体ガラスは、TiO2及び/又はMnO2をさらに含有し、SiO2と、PbOと、Fe23及び/又はFeOとの含有率の和が重量百分率で84〜91%であり、TiO2とMnO2との含有率の和が重量百分率で7%以下であることを特徴としてもよい。TiO2及び/又はMnO2を上記の含有率で含有させることによって、可視光域から近赤外域にわたる吸収特性をさらに高めることができる。
【0015】
また、本発明の吸収体ガラスは、熱膨張係数が98.5×10-7-1以下であり、ガラス転移点が515℃以下であり、屈伏点が570℃以下であることを特徴としてもよい。これらの条件を満たすことによって、熱的歪の発生が十分に防止されるので、加熱延伸加工や加熱融着などの工程において望ましい芯形状を維持することができ、また、変質によるFOPの解像度の低下を防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、以下の実施形態において、「%」は重量百分率で示したものである。
【0017】
本発明の吸収体ガラスにおいて、SiO2及びPbOはガラスを形成するための酸化物である。これらの含有率は、吸収体ガラスの吸収特性、安定性及び強度を損なわない限り特に制限されないが、SiO2の含有率は20〜44%であることが好ましく、PbOの含有率は26〜50%であることが好ましい。SiO2及びPbOの含有率がそれぞれ前記下限値未満であると、後述するFe23及びFeOを多量に含有させることが困難となる傾向にあり、他方、前記上限値を越えると、吸収体ガラスにおける着色剤の含有率が不十分となるため、十分な吸収特性が得られにくくなる傾向にある。
【0018】
Fe23及びFeOは、幅広い吸収波長帯を有する酸化物着色剤であり、これらの添加により可視光域から近赤外域にわたる吸収特性が達成される。本発明においては、Fe23又はFeOのうちのいずれか一方を配合してもよく、両者を併用してもよいが、可視光域において特に良好な吸収特性を示すFe23と、近赤外域において特に良好な吸収特性を示すFeOとを併用すると、広い範囲でより優れた吸収特性が得られるので好ましい。
【0019】
また、Fe23とFeOとの含有率の和は、16〜20%であることが好ましい。これらの含有率の和が16%未満であると、可視光域から近赤外域にわたって十分な吸収特性が得られにくくなる傾向にあり、20%を越えると、結晶化を起こしやすくガラス化が困難となる傾向にある。
【0020】
さらに、SiO2と、PbOと、Fe23及び/又はFeOとの含有率の和は84〜91%であることが好ましい。これらの含有率の和が84%未満であると、可視光域から近赤外域までの吸収特性、安定性及び強度の全てをバランスよく達成することが困難となる傾向にある。他方、91%を越えると、後述するK2O及びNa2Oの含有率が不十分となり、これらのガラス成分を溶融するために非常に高温に加熱しなければならなくなる。
【0021】
2O及びNa2Oは、吸収体ガラスの熱膨張係数を高めると共に、ガラス転移点及び屈伏点を低める作用を有するもので、本発明の吸収体ガラスにおいては9〜12%配合される。これにより、吸収体ガラスの製造時において、非常に高い融点を有する上記の成分を十分に低い温度で溶融させることができ、その結果、吸収体ガラスの安定性と強度とを十分に高めることができる。なお、これらの含有率の和が9%未満であると、吸収体ガラスの熱膨張係数が低下したり、ガラス転移点及び軟化点が上昇して、安定性及び強度が不十分となる。また、K2O及びNa2Oの含有率の和が12%を越えると、可視光域から近赤外域までの吸収特性が不十分となる。
【0022】
また、本発明においては、K2O又はNa2Oのいずれか一方を単独で用いてもよく、双方を組み合わせて用いてもよいが、K2Oの含有率は0〜12%、Na2Oの含有率は0〜10%であることが好ましい。なお、Na2Oの含有率が10%を超えると、可視光域から近赤外域までの吸収特性が低下する傾向にある。
【0023】
このように、本発明の吸収体ガラスは、SiO2と、PbOと、Fe23及び/又はFeOと、9〜12%のK2O及び/又はNa2Oとを必須成分として含有するものであるが、これらの成分に加えてTiO2及び/又はMnO2をさらに含有してもよい。TiO2及びMnO2をFe23及び/又はFeOと共存させることによって、可視光域から近赤外域にわたる吸収特性をさらに高めることができる。本発明においては、TiO2及びMnO2のうちのいずれか一方を単独で用いてもよく、双方を組み合わせて用いてもよいが、これらの含有率の和は7%以下であることが好ましい。また、TiO2の含有率は0〜3%、MnO2の含有率は0〜4%であることが好ましい。TiO2又はMnO2の含有率が前記上限値を超えると、吸収体ガラスのガラス化が困難となる傾向にある。さらに、前記上限値を越える含有率でこれらを配合するためにFe23及び/又はFeOの含有率を低減すると、可視光域から近赤外域にわたる吸収特性が低下する傾向にある。
【0024】
また、本発明の吸収体ガラスは、熱膨張係数が98.5×10-7-1以下であり、ガラス転移点が515℃以下であり、屈伏点が570℃以下であることが好ましい。これらの条件を満たすことによって、熱的歪の発生が十分に防止されるので、加熱延伸加工や加熱融着などの工程において望ましい芯形状を維持することができ、また、変質によるFOPの解像度の低下を防止することができる。
【0025】
次に、本発明に係る吸収体ガラスファイバの製造方法の一例について説明する。先ず、SiO2と、PbOと、Fe23及び/又はFeOと、9〜12%のK2O及び/又はNa2Oと、を均一に混合した後、石英坩堝に投入し、1200〜1250℃に加熱してラフメルトを行う。このとき、必要に応じてTiO2及び/又はMnO2を配合してもよい。ほぼ全ての成分が溶融したところで、石英坩堝から溶融物を取り出し、急冷してカレットとする。この操作を繰り返し、最終的に得られたカレットを白金坩堝に投入し、1350〜1450℃に加熱して2〜6時間溶融する。このとき、白金棒で溶融物を攪拌し、溶融物の均質化を行う。その後、徐冷し、溶融物が適当な粘度に至ったところで、棒状のキャビティーを有する方に溶融物を流し込む。この溶融物を、炉内温度が予め500〜550℃に設定された電気炉内に型ごと入れてアニール処理を行う。そして、電気炉内で溶融物が所定の温度となったところで加熱を停止し、溶融物を自然冷却する。このようにして得られる棒状の吸収体ガラスを、所定の寸法に研削、研磨した後、線引などの加工により吸収体ガラスファイバが得られる。
【0026】
上記の構成を有する本発明の吸収体ガラスは、幅広い波長領域で良好な吸収特性を示すと共に、安定性及び強度に優れるものであり、ファイバオプティックプレートの吸収体として用いた場合に優れた効果を発揮する。
【0027】
図1は本発明のファイバオプティックプレートの好適な一実施形態を示す断面図である。図1はファイバオプティックプレートの光路方向に垂直な断面図を示すもので、ファイバオプティックプレート1は、高屈折率のコアガラスからなる複数のコア2と、コアガラスよりも低屈折率のクラッドガラスからなり、コア2のそれぞれの外周部を被覆するクラッド3と、上記した本発明の吸収体ガラスからなり、コア2の間に配置された吸収体4とで構成されている。
【0028】
ファイバオプティックプレート1に入射した光は、コア2内で全反射を繰り返し、入射面から出射面に伝達される。このとき、全反射しないでコア2から漏れる光(迷光)が生じる場合があるが、吸収体3は可視光域から近赤外域にわたって良好な吸収特性を有しているため、迷光が他のコア2に入射する現象を十分に防止することができ、可視光域のみならず近赤外域においても高解像度を維持しつつイメージを伝達することができる。
【0029】
このように優れた特性を有する本発明のファイバオプティックプレートは、イメージインテンシフィアやCRTのフェースプレート、CCDカップリング等、光学機器の光導波路として非常に有用である。また、指紋検出器に用いた場合には、従来の静電容量検出方式の指紋検出器では達成が困難であった、静電気耐圧に強い、乾燥指の検出が可能である等の利点がある。
【0030】
【実施例】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
【0031】
実施例1
SiO2、PbO、Fexy(Fe23とFeOとの混合物)及びK2Oを表1に示す組成で均一に混合した後、石英坩堝に投入し、1250℃に加熱してラフメルトを行った。ほぼ全ての成分が溶融したところで、石英坩堝から溶融物を取り出し、急冷してカレットとした。この操作を繰り返し、最終的に得られたカレットを白金坩堝に投入し、白金棒で撹拌しながら1450℃に加熱して6時間溶融した。その後、徐冷し、溶融物が適当な粘度に至ったところで、棒状のキャビティーを有する方に溶融物を流し込み、この溶融物を、炉内温度が予め550℃に設定された電気炉内に型ごと入れてアニール処理を行った。そして、電気炉内で溶融物が550℃となったところで加熱を停止し、溶融物を自然冷却して棒状の吸収体ガラスを得た。得られた吸収体ガラスの熱膨張係数、ガラス転移点、屈伏点及びガラス化状態を表1に示す。
【0032】
この吸収体ガラスの吸効能を以下の手順で評価した。すなわち、吸収体ガラスを所定の寸法に研削し、0.1mmの厚さに両面研磨して、波長670nm及び890nmでの透過率を測定した。得られた測定値より吸光度を求め、これを試料の厚さで除して規格化し、後述する比較例1の吸収体ガラスの波長670nmでの吸光度を100としたときの相対値を吸光能とした。得られた結果を表1に示す。
【0033】
実施例2〜17、比較例1
ガラス組成をそれぞれ表1〜4に示す通りにしたこと以外は実施例1と同様にして、吸収体ガラスを作製し、その吸光能を評価した。各吸収体ガラスの熱膨張係数、ガラス転移点、屈伏点、ガラス化状態及び吸光能を表1〜4に示す。
【0034】
【表1】
Figure 0004060568
【0035】
【表2】
Figure 0004060568
【0036】
【表3】
Figure 0004060568
【0037】
【表4】
Figure 0004060568
【0038】
表1〜4に示す通り、実施例1〜17の吸収体ガラスは、670nm、890nmの両波長に対して十分に高い吸光能を有していることが確認された。
【0039】
実施例18
実施例1で得られた吸収体ガラスを用いて、図1に示したファイバオプティックプレートを作製した(厚さ:3.0mm)。本実施例で用いたコアガラス、クラッドガラス及び吸収体ガラスのガラス組成、屈折率、熱膨張係数、ガラス転移点、屈伏点及び密度を表5に示す。また、得られたファイバオプティックプレートについて平行光及び拡散光を用いて分光透過率を測定した。得られた透過率と波長との相関を図2に示す。
【0040】
比較例2
比較例1で得られた吸収体ガラスを用いたこと以外は実施例1と同様にして、ファイバオプティックプレートを作製し、その分光透過率を測定した。得られた透過率と波長との相関を図3に示す。
【0041】
【表5】
Figure 0004060568
【0042】
図3に示すように、比較例2のファイバオプティックプレートでは、近赤外域での吸収体ガラスの迷光吸収能力の不足に起因する分光透過率の増加が見られた。これに対して、図2に示すように、実施例18のファイバオプティックプレートではこのような分光透過率の増加は見られず、可視光域だけでなく近赤外域のイメージをも高解像度で伝送できることが確認された。
【0043】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明の吸収体ガラスでは、SiO2と、PbOと、Fe23及び/又はFeOとを配合することによって、吸収体ガラスの吸収特性が可視光域から近赤外域にわたって十分に高められる。また、これらの成分は非常に高い融点を有するものであるが、重量百分率で9〜12%のK2O及び/又はNa2Oを配合することによって、吸収体ガラスの製造時においてこれらの高融点物質を十分に低い温度で溶融させることができ、その結果、吸収体ガラスの安定性と強度とを十分に高めることができる。従って、本発明により可視光域から近赤外域にわたる光に対して十分な吸収特性を有すると共に、安定且つ強固な吸収体ガラスが実現され、当該吸収体ガラスを用いた本発明のファイバオプティックプレートによって、可視光域から近赤外域までの広い範囲で良好な解像度を維持しつつイメージを伝送することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のファイバオプティックプレートの好適な一実施形態を示す断面図である。
【図2】実施例18で得られたファイバオプティックプレートの透過率と波長との相関を示すグラフである。
【図3】比較例2で得られたファイバオプティックプレートの透過率と波長との相関を示すグラフである。
【符号の説明】
1…ファイバオプティックプレート、2…コア、3…クラッド、4…吸収体。

Claims (4)

  1. 重量百分率で、
    20〜44%のSiO と、
    26〜50%のPbOと、
    16〜20%のFe 及び/又はFeOと、
    0〜12%のK Oと、
    0〜10%のNa Oと、
    0〜3%のTiO と、
    0〜4%のMnO と、
    を含み、K O及びNa Oの含有率の合計が重量百分率で9〜12%であることを特徴とするファイバオプティックプレート用吸収体ガラス。
  2. TiO及び/又はMnOをさらに含有し、SiOと、PbOと、Fe及び/又はFeOとの含有率の和が重量百分率で84〜91%であり、TiOとMnOとの含有率の和が重量百分率で7%以下であることを特徴とする、請求項1に記載のファイバオプティックプレート用吸収体ガラス。
  3. 熱膨張係数が98.5×10−7−1以下であり、ガラス転移点が515℃以下であり、屈伏点が570℃以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のファイバオプティックプレート用吸収体ガラス。
  4. 複数の光ファイバを束ねた状態で一体化することによって形成され、
    コアガラスからなり、入射した光を伝搬する複数のコアと、
    前記コアガラスよりも屈折率が低いクラッドガラスからなり、前記コアのそれぞれの外周部を覆うクラッドと、
    前記複数のコアの間に配置され、前記コアから漏れ前記クラッドに入射した迷光を吸収する吸収体と、
    を備え
    前記吸収体は、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載のファイバオプティックプレート用吸収体ガラスを用いて構成されていることを特徴とするファイバオプティックプレート。
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