JP4060518B2 - 電流検出装置及び電流検出方法 - Google Patents

電流検出装置及び電流検出方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等といった機器に搭載される電気回路に流れる電流を検出する電流検出装置及び電流検出方法に関し、特に分岐導体に流れる電流の検出精度を高める技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば電気自動車やハイブリッドカー等の普及により、例えば充放電管理のための電流検出装置が必要になってきている。このような電流検出装置として、例えば電源からの電流を分配するための電気接続箱内に設置され、該電気接続箱内に収納された導体に流れる電流を磁電変換素子を使用して検出する電流検出装置が知られている。しかし、磁電変換素子を使用した電流検出装置では、電気接続箱内に複数の導体が収納されているため、被検出電流が流れる導体以外の導体に流れる電流により発生する磁束の干渉により正確な電流を検出できないという問題があった。
【0003】
このような問題を解消するものとして、例えば特開昭63−63974号公報に電線の電流検出装置が開示されている。この電流検出装置は、図18に示すように、被検出電流Iが流れる導体Bが他の導体Aに対して略直角に配置され、更に導体Bが貫通された磁気コア1aが該導体Bに対して略直角に配置されている。
【0004】
このような構成により、他の導体Aに流れる電流Iにより発生された磁界H及びHは磁気コア1a内で打ち消され、導体Bに流れる電流Iにより発生された磁界Hのみが磁気コア1a内を通る。従って、磁気コア1aの空隙(ギャップ)に置かれた磁電変換素子1bは、他の導体Bによる干渉を受けることがないので、導体Bに流れる電流Iを正確に検出することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来の電線の電流検出装置では、磁気コアが用いられるため、重量や占有体積を一定以上小さくできないことに加え、コストが増大するという問題があった。特に、被検出電流が流れる導体が複数並設されている場合には、その導体の数だけ磁気コアが必要とされるので、重量及び占有体積が該導体数に応じて増大し、更にコストも増大する。
【0006】
一方、例えば自動車の電気接続箱では、複数の導体が単に並設されるだけでなく、1つの導体が電気接続箱の中で複数に分岐することにより複数の導体が並設されることになる場合が多い。
【0007】
本発明は、電気接続箱の中に分岐導体が含まれるような場合を積極的に利用しつつ、複数の導体が並設されている場合であっても各導体に流れる電流を高感度で検出でき、しかも安価で小型化及び低重量化が可能な電流検出装置を提供することを課題とする。また、本発明は、複数の導体が並設されている場合であっても各導体に流れる電流を高感度で検出できる電流検出方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、請求項1に記載の発明は、分岐点から放射状に分岐するように配置されたn個(nは3以上の整数)の導体と、該n個の導体のうちの隣り合う2個の導体の間に配置されたm個(mはm≧3を満たす整数)の磁電変換素子と、前記m個の磁電変換素子のそれぞれからの電気信号に基づいて所定の演算を行い、得られた演算出力に基づいて前記n個の導体のそれぞれに流れる電流を検出する演算処理回路とを備え、前記n個の導体は前記分岐点を含む平面上に配置され、前記m個の磁電変換素子は、それぞれの感磁面が前記平面上に存在するように配置され、前記nは「3」であり、3個の導体は前記平面上の分岐点から120度おきに3方向に配置され、前記mは「3」であり、3個の磁電変換素子のぞれぞれは、隣り合う2個の導体から等距離であって且つ前記分岐点から等距離の位置に配置され、前記演算処理回路は、各導体を挟む2つの磁電変換素子からの電気信号の差をとることにより該導体に流れる電流を検出することを特徴とする。
【0009】
この請求項1に記載の発明によれば、n個の導体のそれぞれの両側に磁電変換素子が配置されることになり、各導体に流れる電流はこの2つの磁電変換素子からの電気信号に所定の演算を施すことにより検出される。この場合、2つの磁電変換素子のそれぞれは、分岐前の電流と分岐後の電流とによる磁束を受けるので、検出対象となる電流は一定であっても、磁束を磁電変換することになる。その結果、各導体に流れる電流が小さくても高感度で検出できる。
【0010】
また、請求項1に記載の発明では、集磁コアは用いられない(原理的に集磁コアを用いる必要がない)ので、電流検出装置の小型化、低重量化及び低価格化が可能である。この効果は、特に分岐路のそれぞれについて電流を検出するような場合に顕著である。
【0012】
また、n個の導体及びm個の磁電変換素子の感磁面は同一平面上に配置されるので、各導体に電流が流れることによりで発生される磁束は、各磁電変換素子の感磁面に垂直に入ることになる。その結果、演算処理回路においては、各磁電変換素子からの電気信号に補正を加える必要がないので、演算処理回路における演算が簡単になる。
【0014】
また、各導体に流れる電流は、該導体を挟む2つの磁電変換素子からの電気信号の差をとることにより検出される。この場合、一方の磁電変換素子は分岐前の電流と分岐後の電流とによる所定方向の磁束を受け、他方の磁電変換素子は分岐前の電流と分岐後の電流とによる逆方向の磁束を受けるので、検出対象となる電流は一定であっても、分岐がない場合の電流によって発生される磁束の3倍の磁束を磁電変換することになる。その結果、各導体に流れる電流が小さくても高感度で検出できる。
【0015】
また、この電流検出装置の近傍に外乱磁束が存在しても、2つの磁電変換素子からの電気信号の差をとることによりキャンセルされる。その結果、他の導体が併設されていても影響を受けることがないので、各導体に流れる電流を高感度で検出できる。更に、3つの導体に流れる電流を、たかだか3個の磁電変換素子を用いて高感度で検出できるので、1つの導体に流れる電流を2つの磁電変換素子を用いて検出する電流検出器に比べて、電流検出装置を安価に構成できる。
【0016】
また、請求項に記載の発明は、分岐点から放射状に分岐するように配置されたn個(nは3以上の整数)の導体と、該n個の導体のうちの隣り合う2個の導体の間に配置されたm個(mはm≧3を満たす整数)の磁電変換素子と、前記m個の磁電変換素子のそれぞれからの電気信号に基づいて所定の演算を行い、得られた演算出力に基づいて前記n個の導体のそれぞれに流れる電流を検出する演算処理回路とを備え、前記n個の導体は前記分岐点を含む平面上に配置され、前記m個の磁電変換素子は、それぞれの感磁面が前記平面上に存在するように配置され、前記nは「3」であり、3個の導体は第1導体と第2導体とがなす角度が90度、第2導体と第3導体とがなす角度が90度、第3導体と第1導体とがなす角度が180度になるように前記平面上の分岐点から3方向に配置され、前記mは「4」であり、第1磁電変換素子は第1導体と第2導体とから等距離であって且つ前記分岐点から等距離の位置に、第2磁電変換素子は第2導体と第3導体とから等距離であって且つ前記分岐点から等距離の位置に、第3磁電変換素子は第3導体を対称線として第2磁電変換素子と線対称となる位置であって且つ前記分岐点から等距離の位置に、第4磁電変換素子は第1導体を対称線としてと第1磁電変換素子と線対称となる位置であって且つ前記分岐点から等距離の位置に、それぞれ配置され、前記演算処理回路は、各導体を挟む4つの磁電変換素子からの電気信号の差をとることにより該導体に流れる電流を検出することを特徴とする。
【0017】
この請求項に記載の発明によれば、各導体に流れる電流は、各導体を挟む4つの磁電変換素子からの電気信号の差をとることにより検出される。この場合、第1導体、第2導体及び第3導体のそれぞれに流れる電流を高感度で検出できる。
【0018】
また、この電流検出装置の近傍に存在する外乱磁束のキャンセルも行われるので、各導体に流れる電流を高精度で検出できる。更に、3つの導体に流れる電流を、たかだか4個の磁電変換素子を用いて高感度で検出できるので、1つの導体に流れる電流を2つの磁電変換素子を用いて検出する電流検出器に比べて、電流検出装置を安価に構成できる。
【0019】
また、請求項に記載の発明は、分岐点から放射状に分岐するように配置されたn個(nは3以上の整数)の導体と、該n個の導体のうちの隣り合う2個の導体の間に配置されたm個(mはm≧3を満たす整数)の磁電変換素子と、前記m個の磁電変換素子のそれぞれからの電気信号に基づいて所定の演算を行い、得られた演算出力に基づいて前記n個の導体のそれぞれに流れる電流を検出する演算処理回路とを備え、前記n個の導体は前記分岐点を含む平面上に配置され、前記m個の磁電変換素子は、それぞれの感磁面が前記平面上に存在するように配置され、前記nは「4」であり、4個の導体は前記平面上の分岐点から90度おきに4方向に配置され、前記mは「4」であり、4個の磁電変換素子のぞれぞれは、隣り合う2個の導体から等距離であって且つ前記分岐点から等距離の位置に配置され、前記演算処理回路は、各導体を挟む4つの磁電変換素子からの電気信号の差をとることにより該導体に流れる電流を検出することを特徴とする。
【0020】
この請求項に記載の発明によれば、各導体に流れる電流は、各導体を挟む4つの磁電変換素子からの電気信号の差をとることにより検出される。この場合、各導体に流れる電流を高感度で検出できる。
【0021】
また、この電流検出装置の近傍に存在する外乱磁束のキャンセルも行われるので、各導体に流れる電流を高精度で検出できる。更に、4つの導体に流れる電流を、たかだか4個の磁電変換素子を用いて高感度で検出できるので、1つの導体に流れる電流を2つの磁電変換素子を用いて検出する電流検出器に比べて、電流検出装置を安価に構成できる。
【0022】
分岐点から放射状に分岐するように配置されたn個(nは3以上の整数)の導体と、該n個の導体のうちの隣り合う2個の導体の間に配置されたm個(mはm≧3を満たす整数)の磁電変換素子と、前記m個の磁電変換素子のそれぞれからの電気信号に基づいて所定の演算を行い、得られた演算出力に基づいて前記n個の導体のそれぞれに流れる電流を検出する演算処理回路とを備え、前記n個の導体は、前記分岐点を原点とし三軸の各軸が互いに垂直な関係をなす三次元軸上に配置され、前記m個の磁電変換素子は、それぞれの感磁面が前記三軸の内の二軸を含む平面上に存在するように配置され、前記nは「3」であり、3個の導体は前記三軸の3方向に配置され、前記mは「3」であり、第1磁電変換素子は前記平面上に存在する第1導体と第2導体とから等距離であって且つ前記分岐点から等距離の位置に、第2磁電変換素子は第2導体を対称線として第1磁電変換素子と線対称となる位置であって且つ前記分岐点から等距離の位置に、第3磁電変換素子は第1導体を対称線として第1磁電変換素子と線対称となる位置であって且つ前記分岐点から等距離の位置に、それぞれ配置され、前記演算処理回路は、前記平面上に存在する第1導体及び第2導体の各導体を挟む3つの磁電変換素子からの電気信号の差をとることにより第1導体乃至第3導体の各導体に流れる電流を検出することを特徴とする。
【0023】
この請求項に記載の発明によれば、n個の導体は、分岐点を原点とし三軸の各軸が互いに垂直な関係をなす三次元軸上に配置され、m個の磁電変換素子の感磁面が三軸の内の二軸を含む同一平面上に存在するように配置されるので、同一平面上に存在する各導体に電流が流れることにより発生される磁束は、各磁電変換素子の感磁面に垂直に入ることになる。その結果、演算処理回路においては、各磁電変換素子からの電気信号が正確になるので、演算処理回路における演算が簡単になる。
【0025】
また、第1導体乃至第3導体の各導体に流れる電流は、平面上に存在する第1導体及び第2導体の各導体を挟む3つの磁電変換素子からの電気信号の差をとることにより検出される。
【0026】
また、この電流検出装置の近傍に外乱磁束が存在しても、3つの磁電変換素子からの電気信号の差をとることによりキャンセルされる。その結果、他の導体が併設されていても影響を受けることがないので、各導体に流れる電流を高精度で検出できる。更に、3つの導体に流れる電流を、たかだか3個の磁電変換素子を用いて高感度で検出できるので、1つの導体に流れる電流を2つの磁電変換素子を用いて検出する電流検出器に比べて、電流検出装置を安価に構成できる。
【0027】
また、請求項に記載の発明は、分岐点から放射状に分岐するように配置されたn個(nは3以上の整数)の導体と、該n個の導体のうちの隣り合う2個の導体の間に配置されたm個(mはm≧3を満たす整数)の磁電変換素子と、前記m個の磁電変換素子のそれぞれからの電気信号に基づいて所定の演算を行い、得られた演算出力に基づいて前記n個の導体のそれぞれに流れる電流を検出する演算処理回路とを備え、前記n個の導体は、前記分岐点を原点とし三軸の各軸が互いに垂直な関係をなす三次元軸上に配置され、前記m個の磁電変換素子は、それぞれの感磁面が前記三軸の内の二軸を含む平面上に存在するように配置され、前記nは「4」であり、4個の導体は前記三軸及び該三軸の内の一軸における負方向軸の4方向に配置され、前記mは「4」であり、第1磁電変換素子乃至第4磁電変換素子のそれぞれは前記三軸の内の二軸及び前記負方向軸を含む平面上に存在するように配置され、前記第1磁電変換素子及び第2磁電変換素子は前記平面上に存在する第1導体乃至第3導体の内の第1導体から互いに等距離であって且つ前記分岐点から等距離の位置に、第3磁電変換素子は第2導体を対称線として第2磁電変換素子と線対称となる位置であって且つ前記分岐点から等距離の位置に、第4磁電変換素子は第3導体を対称線として第3磁電変換素子と線対称となる位置であって且つ前記分岐点から等距離の位置に、それぞれ配置され、前記演算処理回路は、前記平面上に存在する第1導体乃至第3導体の各導体を挟む4つの磁電変換素子からの電気信号の差をとることにより第1導体乃至第4導体の各導体に流れる電流を検出することを特徴とする。
【0028】
この請求項に記載の発明によれば、第1導体乃至第4導体の各導体に流れる電流は、平面上に存在する第1導体乃至第3導体の各導体を挟む4つの磁電変換素子からの電気信号の差をとることにより検出される。
【0029】
また、この電流検出装置の近傍に存在する外乱磁束のキャンセルも請求項7に記載の発明と同様に行われるので、各導体に流れる電流を高精度で検出できる。更に、4つの導体に流れる電流を、たかだか4個の磁電変換素子を用いて高感度で検出できるので、1つの導体に流れる電流を2つの磁電変換素子を用いて検出する電流検出器に比べて、電流検出装置を安価に構成できる。
【0030】
また、請求項に記載の発明は、請求項乃至請求項のいずれか1項に記載の発明において、前記m個の磁電変換素子は、それぞれの感磁面が同一方向になるように配置されることを特徴とする。
【0031】
この請求項に記載の発明によれば、m個の磁電変換素子の各感磁面が同一方向になるように配置されているので、演算処理回路においては、各磁電変換素子からの電気信号を容易に扱うことができ、演算処理回路における演算が簡単になる。
【0032】
また、請求項に記載の発明は、分岐点から放射状に分岐するようにn個(nは3以上の整数)の導体を配置し、該n個の導体のうちの隣り合う2個の導体の間にm個(mはm≧3を満たす整数)の磁電変換素子を配置し、前記m個の磁電変換素子のそれぞれからの電気信号に基づいて所定の演算を行い、得られた演算出力に基づいて前記n個の導体のそれぞれに流れる電流を検出し、前記n個の導体を前記分岐点を含む平面上に配置し、前記m個の磁電変換素子を、それぞれの感磁面が前記平面上に存在するように配置し、前記nは「3」であり、3個の導体は前記平面上の分岐点から120度おきに3方向に配置し、前記mは「3」であり、3個の磁電変換素子のぞれぞれを、隣り合う2個の導体から等距離であって且つ前記分岐点から等距離の位置に配置し、各導体を挟む2つの磁電変換素子からの電気信号の差をとることにより該導体に流れる電流を検出することを特徴とする。この請求項に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の作用・効果を奏する。
【0035】
また、請求項に記載の発明は、分岐点から放射状に分岐するようにn個(nは3以上の整数)の導体を配置し、該n個の導体のうちの隣り合う2個の導体の間にm個(mはm≧3を満たす整数)の磁電変換素子を配置し、前記m個の磁電変換素子のそれぞれからの電気信号に基づいて所定の演算を行い、得られた演算出力に基づいて前記n個の導体のそれぞれに流れる電流を検出し、前記n個の導体を前記分岐点を含む平面上に配置し、前記m個の磁電変換素子を、それぞれの感磁面が前記平面上に存在するように配置し、前記nは「3」であり、3個の導体を第1導体と第2導体とがなす角度が90度、第2導体と第3導体とがなす角度が90度、第3導体と第1導体とがなす角度が180度になるように前記平面上の分岐点から3方向に配置し、前記mは「4」であり、第1磁電変換素子を第1導体と第2導体とから等距離であって且つ前記分岐点から等距離の位置に、第2磁電変換素子を第2導体と第3導体とから等距離であって且つ前記分岐点から等距離の位置に、第3磁電変換素子を第3導体を対称線として第2磁電変換素子と線対称となる位置であって且つ前記分岐点から等距離の位置に、第4磁電変換素子を第1導体を対称線として第1磁電変換素子と線対称となる位置であって且つ前記分岐点から等距離の位置に、それぞれ配置し、各導体を挟む4つの磁電変換素子からの電気信号の差をとることにより該導体に流れる電流を検出することを特徴とする。この請求項に記載の発明によれば、請求項に記載の発明と同様の作用・効果を奏する。
【0036】
また、請求項に記載の発明は、分岐点から放射状に分岐するようにn個(nは3以上の整数)の導体を配置し、該n個の導体のうちの隣り合う2個の導体の間にm個(mはm≧3を満たす整数)の磁電変換素子を配置し、前記m個の磁電変換素子のそれぞれからの電気信号に基づいて所定の演算を行い、得られた演算出力に基づいて前記n個の導体のそれぞれに流れる電流を検出し、前記n個の導体を前記分岐点を含む平面上に配置し、前記m個の磁電変換素子を、それぞれの感磁面が前記平面上に存在するように配置し、前記nは「4」であり、4個の導体を前記平面上の分岐点から90度おきに4方向に配置し、前記mは「4」であり、4個の磁電変換素子のぞれぞれを、隣り合う2個の導体から等距離であって且つ前記分岐点から等距離の位置に配置し、各導体を挟む4つの磁電変換素子からの電気信号の差をとることにより該導体に流れる電流を検出することを特徴とする。この請求項に記載の発明によれば、請求項に記載の発明と同様の作用・効果を奏する。
【0037】
また、請求項10に記載の発明は、分岐点から放射状に分岐するようにn個(nは3以上の整数)の導体を配置し、該n個の導体のうちの隣り合う2個の導体の間にm個(mはm≧3を満たす整数)の磁電変換素子を配置し、前記m個の磁電変換素子のそれぞれからの電気信号に基づいて所定の演算を行い、得られた演算出力に基づいて前記n個の導体のそれぞれに流れる電流を検出し、前記n個の導体を、前記分岐点を原点とし三軸の各軸が互いに垂直な関係をなす三次元軸上に配置し、前記m個の磁電変換素子を、それぞれの感磁面が前記三軸の内の二軸を含む平面上に存在するように配置し、前記nは「3」であり、3個の導体を前記三軸の3方向に配置し、前記mは「3」であり、第1磁電変換素子を前記平面上に存在する第1導体と第2導体とから等距離であって且つ前記分岐点から等距離の位置に、第2磁電変換素子を第2導体を対称線として第1磁電変換素子と線対称となる位置であって且つ前記分岐点から等距離の位置に、第3磁電変換素子を第1導体を対称線として第1磁電変換素子と線対称となる位置であって且つ前記分岐点から等距離の位置に、それぞれ配置し、前記平面上に存在する第1導体及び第2導体の各導体を挟む3つの磁電変換素子からの電気信号の差をとることにより第1導体乃至第3導体の各導体に流れる電流を検出することを特徴とする。この請求項10に記載の発明によれば、請求項に記載の発明と同様の作用・効果を奏する。
【0039】
請求項11に記載の発明は、分岐点から放射状に分岐するようにn個(nは3以上の整数)の導体を配置し、該n個の導体のうちの隣り合う2個の導体の間にm個(mはm≧3を満たす整数)の磁電変換素子を配置し、前記m個の磁電変換素子のそれぞれからの電気信号に基づいて所定の演算を行い、得られた演算出力に基づいて前記n個の導体のそれぞれに流れる電流を検出し、前記n個の導体を、前記分岐点を原点とし三軸の各軸が互いに垂直な関係をなす三次元軸上に配置し、前記m個の磁電変換素子を、それぞれの感磁面が前記三軸の内の二軸を含む平面上に存在するように配置し、前記nは「4」であり、4個の導体を前記三軸及び該三軸の内の一軸における負方向軸の4方向に配置し、前記mは「4」であり、第1磁電変換素子乃至第4磁電変換素子のそれぞれを前記三軸の内の二軸及び前記負方向軸を含む平面上に存在するように配置し、前記第1磁電変換素子及び第2磁電変換素子を前記平面上に存在する第1導体乃至第3導体の内の第1導体から互いに等距離であって且つ前記分岐点から等距離の位置に、第3磁電変換素子を第2導体を対称線として第2磁電変換素子と線対称となる位置であって且つ前記分岐点から等距離の位置に、第4磁電変換素子を第3導体を対称線として第3磁電変換素子と線対称となる位置であって且つ前記分岐点から等距離の位置に、それぞれ配置し、前記平面上に存在する第1導体乃至第3導体の各導体を挟む4つの磁電変換素子からの電気信号の差をとることにより第1導体乃至第4導体の各導体に流れる電流を検出することを特徴とする。この請求項11に記載の発明によれば、請求項に記載の発明と同様の作用・効果を奏する。
【0040】
また、請求項12に記載の発明は、m個の磁電変換素子を、それぞれの感磁面が同一方向になるように配置することを特徴とする。この請求項12に記載の発明によれば、請求項に記載の発明と同様の作用・効果を奏する。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る電流検出装置及び電流検出方法を図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各実施の形態において同一または相当部には同一符号を付して説明する。
【0042】
(第1の実施の形態)
この第1の実施の形態は、本発明のnを「3」、mを「3」とした場合の例である。図1は本発明の第1の実施の形態に係る電流検出装置のセンサ部の構成を示す平面図である。このセンサ部は、導体10、第1ホール素子21、第2ホール素子22及び第3ホール素子23から構成されている。これらは、通常、図示しない電気接続箱に収容される。この第1の実施の形態では、集磁コアは使用されない。
【0043】
導体10は、図1に示すように、分岐点Oを含む平面上で、該分岐点Oから120度おきに3方向に配設された第1導体11、第2導体12及び第3導体13から構成されている。第1導体11、第2導体12及び第3導体13は本発明のn個の導体に対応する。各導体の一端は分岐点Oで接続されている。
【0044】
なお、導体10は、第1導体11、第2導体12及び第3導体13といった3つの別個の導体の各一端部を分岐点Oで接続することにより構成してもよく、第1導体11、第2導体12及び第3導体13を一体成形することにより構成してもよい。更には、第1導体11、第2導体12及び第3導体13といった3つの分岐路を有する配線パターンを基板上に形成することにより構成してもよい。
【0045】
第1ホール素子21、第2ホール素子22及び第3ホール素子23は本発明のm個の磁電変換素子に対応する。各ホール素子は、その感磁面(磁束検出面)に入る磁束密度に対応する電圧(ホール電圧)信号を発生する。各ホール素子には、図示しないリードを介して所定の電流が供給され、また、各ホール素子で発生された電圧信号は、図示しないリードを介して外部に取り出されるようになっている。
【0046】
各ホール素子が配置される位置は以下のように決定されている。すなわち、第1ホール素子21は、第1導体11及び第2導体12の間であって且つこれらの導体から等距離の位置に配置される。第2ホール素子22は、第2導体12及び第3導体13の間であって且つこれらの導体から等距離の位置に配置される。第3ホール素子23は、第3導体13及び第1導体11の間であって且つこれらの導体から等距離の位置に配置される。また、各ホール素子は、分岐点Oから等距離であって且つ分岐点Oの近傍に配置される。更に、各ホール素子の感磁面は分岐点Oを含む平面に略一致し、且つ同一方向を向くように配置される。
【0047】
次に、このように構成された本発明の第1の実施の形態に係る電流検出装置のセンサ部の動作を説明する。
【0048】
今、各ホール素子の感磁面は、紙面から手前側に向いているものと仮定する。また、第1導体11には電流Iが分岐点Oからその先端部に向かって流れ、第2導体12には電流Iがその先端部から分岐点Oに向かって流れ、第3導体13には電流Iが分岐点Oからその先端部に向かって流れるものと仮定する。なお、この電流の流れる方向は一例であり、上記に限定されずに任意の方向とすることができる。更に、各ホール素子は互いに近くに配置され且つ各ホール素子の感磁面は同一方向を向いていることから、各感磁面は外乱磁束nを等しく受けるものと仮定する。
【0049】
ここで、第i導体(i=1、2、3)に電流Iが流れたときに該第i導体の両側に配置されたホール素子の感磁面に入る磁束をf(I)、感磁面から出ていく磁束を−f(I)で表すと、第1ホール素子21の感磁面が受ける全磁束Bは、「B=−f(I)−f(I)+n」となり、第2ホール素子22の感磁面が受ける全磁束Bは、「B=f(I)+f(I)+n」となり、第3ホール素子23の感磁面が受ける全磁束Bは、「B=−f(I)+f(I)+n」となる。
【0050】
今、「B−B」を計算すると、「B−B=f(I)+f(I)+n−{−f(I)−f(I)+n}=f(I)+2*f(I)+f(I)」となる。ここで、キルヒホッフの電流則により「I+I=I」であるから、「B−B=3*f(I)」が得られる。
【0051】
この「B−B=3*f(I)」は次のように理解される。すなわち、第2導体12に電流Iが流れると、第1ホール素子21の感磁面と第2ホール素子22の感磁面とは、それぞれ大きさが等しく逆向きの磁束を受ける。また、第1導体11及び第3導体13にそれぞれ分岐電流I及び電流Iが流れると、第1ホール素子21の感磁面と第2ホール素子22の感磁面とは、それぞれ分岐電流の大きさに応じた磁束であって互いに逆向きの磁束を受ける。
【0052】
従って、第1ホール素子21の感磁面と第2ホール素子22の感磁面とで感受された磁束を引き算すれば、第2導体12に電流Iが流れた場合に発生される磁束の3倍の磁束が得られたことに等しくなる。また、引き算が行われることにより、第1ホール素子21の感磁面で受けた外乱磁束nと第2ホール素子22の感磁面で受けた外乱磁束nとは相殺される。
【0053】
次に、「B−B」を計算すると、「B−B=−f(I)+f(I)+n−{−f(I)−f(I)+n}=2*f(I)+f(I)−f(I)」となる。ここで、キルヒホッフの電流則により「f(I)=f(I)−f(I)」が成り立つから、「B−B=3*f(I)」が得られる。
【0054】
更に、「B−B」を計算すると、「B−B=f(I)+f(I)+n−{−f(I)+f(I)+n}=2*f(I)+f(I)−f(I)」となる。ここで、キルヒホッフの電流則により「f(I)=f(I)−f(I)」が成り立つから、「B−B=3*f(I)」が得られる。
【0055】
このように、第2導体12に流れる電流I、第1導体11に流れる電流I及び第3導体13に流れる電流Iを検出する際は、それぞれ「B−B」、「B−B」及び「B−B」を計算すれば、各導体に電流が流れることにより発生される磁束の3倍の磁束が発生されることに等しくなり、しかも外乱磁束をキャンセルできるので高精度で電流を検出できる。また、全てのホール素子は分岐点Oの近傍に配置されているため、温度ドリフト等の誤差要因についても同様にしてキャンセルされる。
【0056】
図2は、前記センサ部を含む電流検出装置の構成を示すブロック図である。この電流検出装置は、前記導体10、第1ホール素子21、第2ホール素子22及び第3ホール素子23からなるセンサ部に演算処理回路30が追加されて構成されている。演算処理回路30は、第1演算増幅器31、第2演算増幅器32、第3演算増幅器33から構成されている。演算処理回路30からの出力は、例えば中央処理装置(以下、「CPU」という)40に供給される。
【0057】
第1演算増幅器31は、「−(B−B)」に相当する演算を行う。この第1演算増幅器31の非反転入力端子(+)は第1ホール素子21に接続され、反転入力端子(−)は第3ホール素子23に接続され、出力端子はCPU40に接続されている。従って、第1演算増幅器31は、磁束Bに対応する電圧信号VB1から磁束Bに対応する電圧信号VB3を減算し、その減算結果を、電流Iの大きさを表す第1検出信号DT1としてCPU40に供給する。この第1検出信号DT1は、電流Iのみによって生じる磁束f(I)の3倍の磁束3*f(I)を磁電変換して得られた信号に相当するから、第1導体11を流れる電流Iを高感度で検出することができる。なお、図2に示した例では、第1検出信号DT1は負の値として得られる。
【0058】
第2演算増幅器32は、「B−B」に相当する演算を行う。この第2演算増幅器32の非反転入力端子(+)は第2ホール素子22に接続され、反転入力端子(−)は第1ホール素子21に接続され、出力端子はCPU40に接続されている。従って、第2演算増幅器32は、磁束Bに対応する電圧信号VB2から磁束Bに対応する電圧信号VB1を減算し、その減算結果を、電流Iの大きさを表す第2検出信号DT2としてCPU40に供給する。この第2検出信号DT2は、電流Iのみによって生じる磁束f(I)の3倍の磁束3*f(I)を磁電変換して得られた信号に相当するから、第2導体12を流れる電流Iを高感度で検出することができる。なお、図2に示した例では、第2検出信号DT2は正の値として得られる。
【0059】
第3演算増幅器33は、「B−B」に相当する演算を行う。この第3演算増幅器33の非反転入力端子(+)は第3ホール素子23に接続され、反転入力端子(−)は第2ホール素子22に接続され、出力端子はCPU40に接続されている。従って、第3演算増幅器33は、磁束Bに対応する電圧信号VB2から磁束Bに対応する電圧信号VB3を減算し、その減算結果を、電流Iの大きさを表す第3検出信号DT3としてCPU40に供給する。この第3検出信号DT3は、電流Iのみによって生じる磁束f(I)の3倍の磁束3*f(I)を磁電変換して得られた信号に相当するから、第3導体13を流れる電流Iを高感度で検出することができる。なお、図2に示した例では、第3検出信号DT3は正の値として得られる。
【0060】
CPU40は、第1演算増幅器31からの第1検出信号DT1、第2演算増幅器32からの第2検出信号DT2及び第3演算増幅器33からの第3検出信号DT3を入力し、第1導体11、第2導体12及び第3導体13のそれぞれに流れる電流の大きさを判断し、例えば必要に応じて電流遮断器等を駆動する。
【0061】
次に、上述した電流検出装置を自動車に適用した場合の電気回路の構成例を図3を参照しながら説明する。この電気回路は、上述した電流検出装置(センサ部及び演算処理回路30)、制御回路40、発電機41、バッテリ42、スタータ43及び負荷44から構成されている。そして、電流検出回路の第1導体11はバッテリ42に、第2導体12は発電機41に、第3導体13は負荷44にそれぞれ接続されている。スタータ43は、バッテリ42と第1導体11との間の導通/遮断を制御する。
【0062】
制御回路40は、例えば図2に示したように、CPU40から構成されている。この制御回路40は、演算処理回路30からの第1検出信号DT1、第2検出信号DT2及び第3検出信号DT3に基づいて当該電気回路の現在の状態を判断し、必要に応じて発電機41を駆動する。
【0063】
発電機41は制御回路40からの制御信号に応じて発電を行う。この発電機41で発生された電流は第2導体12を介してバッテリ42及び負荷44に供給される。バッテリ42は放電電流を負荷44に供給して該負荷44を駆動すると共に発電機41から充電電流が供給されることにより充電される。負荷44は、例えば、ヘッドランプ、ワイパーから構成されている。
【0064】
このように構成された自動車の電気回路によれば、制御回路40は、演算処理回路30からの第1検出信号DT1、第2検出信号DT2及び第3検出信号DT3を総合的に評価することにより、負荷44の動作状態及びバッテリ42の充電状態に応じて、最適発電量を発電機41に指示することができる。
【0065】
次に、このように構成される電流検出装置の動作原理が妥当であることを確認すると共にその検出特性を調べるために本出願人は、以下の実験を行ったので、その結果を示す。
【0066】
図4はこの実験に用いられた回路である。この実験回路では、電源Eからの電流は抵抗Rを介してセンサ部の第3導体13に入力される。そして、この第3導体13に入力された電流I3は、第1導体11に流れる電流I1と第2導体12に流れる電流I2とに分岐する。第1導体11に流れる電流I1は負荷LOAD1を経由して電源Eに戻り、第2導体12に流れる電流I2は負荷LOAD2を経由して電源Eに戻る。
【0067】
負荷LOAD1及びLOAD2としては、それぞれ流れる電流を設定できるものを用いた。そして、負荷LOAD1及びLOAD2に流れる電流を変えながら、第3導体13に流れる電流と電圧、第1ホール素子S1、第2ホール素子S2及び第3ホール素子S3の各出力電圧を測定し、第2ホール素子S2の出力と第3ホール素子S3の出力との差「S2−S3」、第1ホール素子S1の出力と第2ホール素子S2の出力との差「S1−S2」及び第1ホール素子S1の出力と第3ホール素子S3の出力との差「S1−S3」をそれぞれ計算により求めた。また、外乱磁界nはマグネットをセンサ部に近づけることにより発生させた。なお、実験時の各ホール素子の感磁面は、図1及び図2に示したホール素子の感磁面と逆にした。
【0068】
図5は、外乱磁束がない状態で測定した結果及び計算結果を示し、図6は外乱磁束を印加した状態で測定した結果及び計算結果を示す図である。
【0069】
また、図7は第1導体11に流れる電流I1と演算により求められた「S2−S3」との関係を示し、同図(A)は外乱磁束nがない場合、同図(B)は外乱磁束nがある場合をそれぞれ示す。図8は第2導体12に流れる電流I2と演算により求められた「S1−S2」との関係を示し、同図(A)は外乱磁束nがない場合、同図(B)は外乱磁束nがある場合をそれぞれ示す。図9は第3導体13に流れる電流I3と演算により求められた「S1−S3」との関係を示し、同図(A)は外乱磁束nがない場合、同図(B)は外乱磁束nがある場合をそれぞれ示す。
【0070】
各ホール素子の出力は、図5を参照すると、例えばNO.5では電流I1(LOAD1)=30A、電流I2(LOAD2)=0Aで第1ホール素子21からの出力信号S1=16mVであり、NO.8では電流I2(LOAD2)=30A、電流I1(LOAD1)=0Aで第3ホール素子23からの出力信号S3=19mVである。これにより、外乱磁界nが存在しない状態では、分岐通電がなされていない状態でのホール素子単品での電流検出能力は30Aあたり16〜19mVであることがわかる。
【0071】
また、電流I1として30A流れたときの演算結果を見ると、NO.4では電流I1(LOAD1)=30A、電流I2(LOAD2)=30Aで演算信号S2−S3=−56mVであり、NO.5では電流I1(LOAD1)=30A、電流I2(LOAD2)=0Aで演算信号S2−S3=−54mVであり、NO.11では電流I1(LOAD1)=30A、電流I2(LOAD2)=15Aで演算信号S2−S3=−55mVである。これにより、演算結果は、単品のホール素子の約3倍の信号となっていることが確認できた。
【0072】
また、外乱磁界nが存在するときも、図6に示すように、外乱磁界nがない場合と略同様の結果が得られた。これにより、演算信号には外乱磁界nによる影響が含まれず、外乱磁界nがキャンセルされることがわかる。
【0073】
また、例えば、NO.5では電流I1(LOAD1)=30A、電流I1(LOAD2)=0Aで第1ホール素子21からの出力信号S1=−19mV、NO.8では電流I2(LOAD2)=30A、電流I1(LOAD1)=0Aで第3ホール素子23の出力信号S3=21mVである。また、NO.4では電流I1(LOAD1)=30A、電流I2(LOAD2)=30Aで演算信号S2−S3=−59mVであり、NO.5では電流I1(LOAD1)=30A、I2(LOAD2)=0Aで演算信号S2−S3=−59mVであり、NO.11では電流I1(LOAD1)=30A、電流I2(LOAD2)=15Aで演算信号S2−S3=−56mVである。これにより、外乱磁界nが存在するときも演算結果は、単品のホール素子の約3倍の信号となっていることが確認できた。
【0074】
以上説明したように、この第1の実施の形態に係る電流検出装置によれば、Y字状に配置された3個の導体と3個のホール素子を使用し、各導体に流れる電流を、該導体を挟む2つのホール素子からの電圧信号の差をとることにより検出するようにしたので、外乱磁界による影響を受けず、しかも各導体を流れる電流としてそれぞれ3倍の出力が得られるので、高精度での電流測定が可能になる。
【0075】
この第1の実施の形態に係る電流検出装置を、図3に示すように、自動車内のバッテリ、発電機及び負荷への分岐路という分岐点に適用すれば、充放電管理などに利用することができる。
【0076】
また、この第1の実施の形態に係る電流検出装置では磁気コアを使用しないため、それぞれの導体に磁気コアを計3個取り付けた場合に比し、重量及び占有体積を小さくできると共に、コストを大幅に低減できる。更に周波数特性が良く、磁気飽和はない。
【0077】
(第2の実施の形態)
この第2の実施の形態は、本発明のnを「3」、mを「4」とした場合の例である。図10は本発明の第2の実施の形態に係る電流検出装置のセンサ部の構成を示す平面図である。このセンサ部は、導体10、第1ホール素子21、第2ホール素子22、第3ホール素子23及び第4ホール素子24から構成されている。これらは、通常、図示しない電気接続箱に収容される。この第2の実施の形態では、集磁コアは使用されない。
【0078】
導体10は、図10に示すように、分岐点Oを含む平面上で、該分岐点Oに一端を有する第1導体11、該分岐点Oに一端を有し、第1導体11から反時計回り方向に90度の位置に配置された第2導体12及び該分岐点Oに一端を有し、第2導体12から反時計回り方向に90度の位置に配置された第3導体13から構成されている。すなわち、これら第1導体11、第2導体12及び第3導体13は分岐点Oを含む平面上にT字状に配置されている。第1導体11、第2導体12及び第3導体13は本発明のn個の導体に対応する。各導体の一端は分岐点Oで接続されている。
【0079】
なお、導体10は、第1導体11、第2導体12及び第3導体13といった3つの別個の導体の各一端部を分岐点Oで接続することにより構成してもよく、第1導体11、第2導体12及び第3導体13を一体成形することにより構成してもよい。更には、第1導体11、第2導体12及び第3導体13といった3つの分岐路を有する配線パターンを基板上に形成することにより構成してもよい。
【0080】
第1ホール素子21、第2ホール素子22、第3ホール素子23及び第4ホール素子24は本発明のm個の磁電変換素子に対応する。各ホール素子は、その感磁面に入る磁束密度に対応する電圧(ホール電圧)信号を発生する。各ホール素子には、図示しないリードを介して所定の電流が供給され、また、各ホール素子で発生された電圧信号は、図示しないリードを介して外部に取り出されるようになっている。
【0081】
各ホール素子が配置される位置は以下のように決定されている。すなわち、第1ホール素子21は、第1導体11及び第2導体12の間であって且つこれらの導体から等距離の位置に配置される。第2ホール素子22は、第2導体12及び第3導体13の間であって且つこれらの導体から等距離の位置に配置される。第3ホール素子23は、第3導体13を対称線として第2ホール素子12と線対称となる位置に配置される。第4ホール素子24は、第1導体11を対称線として第1ホール素子11と線対称となる位置に配置される。また、各ホール素子は、分岐点Oから等距離であって且つ分岐点Oの近傍に配置される。更に、各ホール素子の感磁面は上記分岐点Oを含む平面に略一致し、且つ同一方向を向くように配置される。
【0082】
次に、このように構成された本発明の第2の実施の形態に係る電流検出装置の動作を説明する。
【0083】
今、各ホール素子の感磁面は、紙面から手前側に向いているものと仮定する。また、第1導体11には電流Iがその先端部から分岐点Oに向かって流れ、第2導体12には電流Iがその先端部から分岐点Oに向かって流れ、第3導体には電流Iがその先端部から分岐点Oに向かって流れるものと仮定する。なお、この電流の流れる方向は一例であり、上記に限定されずに任意の方向とすることができる。更に、各ホール素子は互いに近くに配置され且つ各ホール素子の感磁面は同一方向を向いていることから、各感磁面は外乱磁束nを等しく受けるものと仮定する。
【0084】
ここで、第i導体(i=1、2、3)に電流Iが流れたときに該第i導体の両側に配置されたホール素子の感磁面に入る磁束をf(I)、感磁面から出ていく磁束を−f(I)で表すと、第1ホール素子21の感磁面が受ける全磁束Bは、「B=f(I)−f(I)+n」となり、第2ホール素子22の感磁面が受ける全磁束Bは、「B=f(I)−f(I)+n」となり、第3ホール素子23の感磁面が受ける全磁束Bは、「B=f(I)+n」となり、第4ホール素子24の感磁面が受ける全磁束Bは、「B=−f(I)+n」となる。
【0085】
今、「B−B」を計算すると、「B−B=f(I)−f(I)+n−{f(I)−f(I)+n}=2*f(I)−f(I)−f(I)」となる。ここで、キルヒホッフの電流則により「I+I=−I」であるから「f(I)+f(I)=−f(I)」が成り立ち、「B−B=3*f(I)」が得られる。
【0086】
次に、「B−B」を計算すると、「B−B=f(I)+n−{f(I)−f(I)+n}=2*f(I)−f(I)」となる。ここで、キルヒホッフの電流則により「f(I)+f(I)=−f(I)」が成り立つから、「B−B=3*f(I)+f(I)」が得られる。
【0087】
更に、「B−B」を計算すると、「B−B=f(I)−f(I)+n−{−f(I)+n}=2*f(I)−f(I)」となる。ここで、キルヒホッフの電流則により「f(I)+f(I)=−f(I)」が成り立つから、「B−B=3*f(I)+f(I)」が得られる。
【0088】
次に、上記計算結果を用いて、「3*(B−B)−(B−B)」を計算すると、「3*(B−B)−(B−B)=3*{3*f(I)+f(I)}−{3*f(I)+f(I)}=8*f(I)」が得られる。
【0089】
また、「3*(B−B)−(B−B)」を計算すると、「3*(B−B)−(B−B)=3*{3*f(I)+f(I)}−{3*f(I)+f(I)}=8*f(I)」が得られる。
【0090】
このように、第2導体12に流れる電流I、第1導体11に流れる電流I及び第3導体に流れる電流Iを検出する際は、それぞれ「B−B」、「3*(B−B)−(B−B)及び「3*(B−B)−(B−B)」を計算すれば、各導体に電流が流れることにより発生される磁束のそれぞれ3倍、8倍及び8倍の磁束が発生されることに等しくなり、しかも外乱磁束をキャンセルできるので、高精度で電流を検出できる。また、全ホール素子は分岐点Oの近傍に配置されているため、温度ドリフト等の誤差要因についても同様にしてキャンセルされる。
【0091】
図11は、この電流検出装置の演算処理回路30の構成を示すブロック図である。この演算処理回路30からの出力は、例えばCPU40に供給される。
【0092】
演算処理回路30には、第1ホール素子21から磁束Bに対応する電圧信号VB1が、第2ホール素子22から磁束Bに対応する電圧信号VB2が、第3ホール素子23から磁束Bに対応する電圧信号VB3が、及び第4ホール素子24から磁束Bに対応する電圧信号VB4がそれぞれ入力される。
【0093】
この演算処理回路30は例えば複数の演算増幅器で構成することができる。そして、これらの演算増幅器は「3*(B−B)−(B−B)」に相当する演算を行い、その演算結果を、電流Iの大きさを表す第1検出信号DT1としてCPU40に供給する。この第1検出信号DT1は、電流Iのみによって生じる磁束f(I)の8倍の磁束8*f(I)を磁電変換して得られた信号に相当するから、第1導体11を流れる電流Iを高感度で検出できる。
【0094】
また、演算処理回路30に含まれる演算増幅器は、「B−B」に相当する演算を行い、その演算結果を、電流Iの大きさを表す第2検出信号DT2としてCPU40に供給する。この第2検出信号DT2は、電流Iのみによって生じる磁束f(I)の3倍の磁束3*f(I)を磁電変換して得られた信号に相当するから、第2導体12を流れる電流Iを高感度で検出できる。
【0095】
更に、演算処理回路30に含まれる演算増幅器は、「3*(B−B)−(B−B)」に相当する演算を行い、その演算結果を、電流Iの大きさを表す第3検出信号DT3としてCPU40に供給する。この第3検出信号DT3は、電流Iのみによって生じる磁束f(I)の8倍の磁束8*f(I)を磁電変換して得られた信号に相当するから、第3導体13を流れる電流Iを高感度で検出できる。
【0096】
CPU40は、演算処理回路30からの第1検出信号DT1、第2検出信号DT2及び第3検出信号DT3を入力し、第1導体11、第2導体12及び第3導体13のそれぞれに流れる電流の大きさを判断し、例えば必要に応じて電流遮断器等を駆動する。
【0097】
このように、第2の実施の形態に係る電流検出装置によれば、T字状に配置された3個の導体と4個のホール素子を使用し、各導体に流れる電流を、該導体を挟む2つのホール素子からの電圧信号の差をとることにより検出するようにしたので、外乱磁界による影響を受けず、しかも第1導体、第2導体及び第3導体を流れる電流としてそれぞれ8倍、3倍及び8倍の出力が得られるので、高感度及び高精度での電流測定が可能になる。
【0098】
また、この第2の実施の形態に係る電流検出装置では磁気コアを使用しないため、それぞれの導体に磁気コアを計3個取り付けた場合に比し、重量及び占有体積を小さくできると共に、コスト大幅に低減できる。更に周波数特性が良く、磁気飽和はない。
【0099】
(第3の実施の形態)
この第3の実施の形態は、本発明のnを「4」、mを「4」とした場合の例である。図12は本発明の第3の実施の形態に係る電流検出装置のセンサ部の構成を示す平面図である。このセンサ部は、導体10、第1ホール素子21、第2ホール素子22、第3ホール素子23及び第4ホール素子24から構成されている。これらは、通常、図示しない電気接続箱に収容される。この第3の実施の形態では、集磁コアは使用されない。
【0100】
導体10は、図12に示すように、分岐点Oを含む平面上で、該分岐点Oから90度おきに4方向に配設された第1導体11、第2導体12、第3導体13及び第4導体14から構成されている。すなわち、これら第1導体11、第2導体12、第3導体13及び第4は分岐点Oを含む平面上に十字状に配置されている。これら第1導体11、第2導体12、第3導体13及び第4導体14は本発明のn個の導体に対応する。各導体の一端は分岐点Oで接続されている。
【0101】
なお、導体10は、第1導体11、第2導体12、第3導体13及び第4導体14といった4つの別個の導体の一端部を分岐点Oで接続することにより構成してもよく、第1導体11、第2導体12、第3導体13及び第4導体14を一体成形することにより構成してもよい。更には、第1導体11、第2導体12、第3導体13及び第4導体14といった4つの分岐路を有する配線パターンを基板上に形成することにより構成してもよい。
【0102】
第1ホール素子21、第2ホール素子22、第3ホール素子23及び第4ホール素子24は本発明のm個の磁電変換素子に対応する。各ホール素子は、その感磁面に入る磁束密度に対応する電圧(ホール電圧)信号を発生する。各ホール素子には、図示しないリードを介して所定の電流が供給され、また、各ホール素子で発生された電圧信号は、図示しないリードを介して外部に取り出されるようになっている。
【0103】
各ホール素子が配置される位置は以下のように決定されている。すなわち、第1ホール素子21は、第1導体11及び第2導体12の間であって且つこれらの導体から等距離の位置に配置される。第2ホール素子22は、第2導体12及び第3導体13の間であって且つこれらの導体から等距離の位置に配置される。第3ホール素子23は、第3導体13及び第4導体14の間であって且つこれらの導体から等距離の位置に配置される。第4ホール素子24は、第4導体14及び第1導体11の間であって且つこれらの導体から等距離の位置に配置される。また、各ホール素子は、分岐点Oから等距離であって且つ分岐点Oの近傍に配置される。更に、各ホール素子の感磁面は上記分岐点Oを含む平面に略一致し、且つ同一方向を向くように配置される。
【0104】
次に、このように構成された本発明の第3の実施の形態に係る電流検出装置の動作を説明する。
【0105】
今、各ホール素子の感磁面は、紙面から手前側に向いているものと仮定する。また、第1導体11には電流Iがその先端部から分岐点Oに向かって流れ、第2導体12には電流Iがその先端部から分岐点Oに向かって流れ、第3導体には電流Iがその先端部から分岐点Oに向かって流れ、第3導体には電流Iがその先端部から分岐点Oに向かって流れるものと仮定する。なお、この電流の流れる方向は一例であり、上記に限定されずに任意の方向とすることができる。更に、各ホール素子は互いに近くに配置され且つ各ホール素子の感磁面は同一方向を向いていることから、各感磁面は外乱磁束nを等しく受けるものと仮定する。
【0106】
ここで、第i導体(i=1、2、3、4)に電流Iが流れたときに該第i導体の両側に配置されたホール素子の感磁面に入る磁束をf(I)、感磁面から出ていく磁束を−f(I)で表すと、第1ホール素子21の感磁面が受ける全磁束Bは、「B=f(I)−f(I)+n」となり、第2ホール素子22の感磁面が受ける全磁束Bは、「B=f(I)−f(I)+n」となり、第3ホール素子23の感磁面が受ける全磁束Bは、「B=f(I)−f(I)+n」となり、第4ホール素子24の感磁面が受ける全磁束Bは、「B=f(I)−f(I)+n」となる。
【0107】
今、「B−B」を計算すると、「B−B=f(I)−f(I)+n−{f(I)−f(I)+n}=2*f(I)−f(I)−f(I)」となる。ここで、キルヒホッフの電流則により「I+I=−(I+I)」であるから、「f(I)+f(I)=−{f(I)+f(I)}」が成り立ち、「B−B=3*f(I)+f(I)」が得られる。
【0108】
次に、「B−B」を計算すると、「B−B=f(I)−f(I)+n−{f(I)−f(I)+n}=2*f(I)−f(I)−f(I)」となる。ここで、キルヒホッフの電流則により「f(I)+f(I)=−{f(I)+f(I)}」が成り立つから、「B−B=3*f(I)+f(I)」が得られる。
【0109】
次に、「B−B」を計算すると、「B−B=f(I)−f(I)+n−{f(I)−f(I)+n}=2*f(I)−f(I)−f(I)」となる。ここで、キルヒホッフの電流則により「f(I)+f(I)=−{f(I)+f(I)}」が成り立つから、「B−B=3*f(I)+f(I)」が得られる。
【0110】
更に、「B−B」を計算すると、「B−B=f(I)−f(I)+n−{f(I)−f(I)+n}=2*f(I)−f(I)−f(I)」となる。ここで、キルヒホッフの電流則により「f(I)+f(I)=−{f(I)+f(I)}」が成り立つから、「B−B=3*f(I)+f(I)」が得られる。
【0111】
次に、上記計算結果を用いて、「3*(B−B)−(B−B)」を計算すると、「3*(B−B)−(B−B)=3*{3*f(I)+f(I)}−{3*f(I)+f(I)}=8*f(I)」が得られる。
【0112】
また、「3*(B−B)−(B−B)」を計算すると、「3*(B−B)−(B−B)=3*{3*f(I)+f(I)}−{3*f(I)+f(I)}=8*f(I)」が得られる。
【0113】
また、「3*(B−B)−(B−B)」を計算すると、「3*(B−B)−(B−B)=3*{3*f(I)+f(I)}−{3*f(I)+f(I)}=8*f(I)」が得られる。
【0114】
更に、「3*(B−B)−(B−B)」を計算すると、「3*(B−B)−(B−B)=3*{3*f(I)+f(I)}−{3*f(I)+f(I)}=8*f(I)」が得られる。
【0115】
このように、第1導体11に流れる電流I、第2導体12に流れる電流I、第3導体13に流れる電流I及び第4導体14に流れる電流Iを検出する際は、それぞれ「3*(B−B)−(B−B)」、「3*(B−B)−(B−B)」、「3*(B−B)−(B−B)」及び「3*(B−B)−(B−B)」を計算すれば、各導体に電流が流れることにより発生される磁束の8倍の磁束が発生されることに等しくなり、しかも外乱磁束をキャンセルできるので高精度で電流を検出できる。また、全ホール素子は分岐点Oの近傍に配置されているため、温度ドリフト等の誤差要因についても、同様にしてキャンセルされる。
【0116】
図13は、この電流検出装置の演算処理回路30の構成を示すブロック図である。この演算処理回路30からの出力は、例えばCPU40に供給される。演算処理回路30には、第1ホール素子21から磁束Bに対応する電圧信号VB1、第2ホール素子22から磁束Bに対応する電圧信号VB2、第3ホール素子23から磁束Bに対応する電圧信号VB3及び第4ホール素子24から磁束Bに対応する電圧信号VB4がそれぞれ入力される。
【0117】
この演算処理回路30は例えば複数の演算増幅器で構成することができる。そして、これらの演算増幅器は「3*(B−B)−(B−B)」に相当する演算を行い、その演算結果を、電流Iの大きさを表す第1検出信号DT1としてCPU40に供給する。この第1検出信号DT1は、電流Iのみによって生じる磁束f(I)の8倍の磁束8*f(I)を磁電変換して得られた信号に相当するから、第1導体11を流れる電流Iを高精度で検出することができる。
【0118】
また、この演算処理回路30に含まれる演算増幅器は「3*(B−B)−(B−B)」に相当する演算を行い、その演算結果を、電流Iの大きさを表す第2検出信号DT2としてCPU40に供給する。この第2検出信号DT2は、電流Iのみによって生じる磁束f(I)の8倍の磁束8*f(I)を磁電変換して得られた信号に相当するから、第2導体12を流れる電流Iを高精度で検出することができる。
【0119】
また、この演算処理回路30に含まれる演算増幅器は「3*(B−B)−(B−B)」に相当する演算を行い、その演算結果を、電流Iの大きさを表す第3検出信号DT3としてCPU40に供給する。この第3検出信号DT3号は、電流Iのみによって生じる磁束f(I)の8倍の磁束8*f(I)を磁電変換して得られた信号に相当するから、第3導体13を流れる電流Iを高精度で検出することができる。
【0120】
更に、この演算処理回路30に含まれる演算増幅器は「3*(B−B)−(B−B)」に相当する演算を行い、その演算結果を、電流Iの大きさを表す第4検出信号DT4としてCPU40に供給する。この第4検出信号DT4は、電流Iのみによって生じる磁束f(I)の8倍の磁束8*f(I)を磁電変換して得られた信号に相当するから、第4導体14を流れる電流Iを高精度で検出することができる。
【0121】
CPU40は、演算処理回路30からの第1検出信号DT1、第2検出信号DT2、第3検出信号DT3及び第4検出信号DT4を入力し、第1導体11、第2導体12、第3導体13及び第4導体14のそれぞれに流れる電流の大きさを判断し、例えば必要に応じて電流遮断器等を駆動する。
【0122】
このように第3の実施の形態に係る電流検出装置によれば、十字状に配置された4個の導体と4個のホール素子を使用し、各導体に流れる電流を、該導体を挟む2つのホール素子からの電圧信号の差をとることにより検出するようにしたので、外乱磁界による影響を受けず、しかも各導体を流れる電流としてそれぞれ8倍の出力が得られるので、高精度での電流測定が可能になる。
【0123】
また、この第3の実施の形態に係る電流検出装置では磁気コアを使用しないため、それぞれの導体に磁気コアを計4個取り付けた場合に比し、重量及び占有体積を小さくできると共に、コスト大幅に低減できる。更に周波数特性が良く、磁気飽和はない。
【0124】
(第4の実施の形態)
この第4の実施の形態は、本発明のnを「3」、mを「3」とした場合の例である。図14は本発明の第4の実施の形態に係る電流検出装置のセンサ部の構成を示す斜視図である。このセンサ部は、導体10、第1ホール素子21、第2ホール素子22、及び第3ホール素子23から構成されている。これらは、通常、図示しない電気接続箱に収容される。この第4の実施の形態では、集磁コアは使用されない。
【0125】
導体10は、図14に示すように、放射状に配置され且つ分岐点Oを原点とし三軸の各軸が互いに垂直な関係をなす3次元軸上に配置された第1導体11、第2導体12及び第3導体13から構成されている。すなわち、第1導体11がx軸方向に配設され、第2導体12がy軸方向に配設され、第3導体13がz軸方向に配設されてなる。第1導体11、第2導体12及び第3導体13は本発明のn個の導体に対応する。各導体の一端は分岐点Oで接続されている。各導体の他端は電源又は負荷45が接続されている。
【0126】
なお、導体10は、第1導体11、第2導体12及び第3導体13といった3つの別個の導体の各一端部を分岐点Oで接続することにより構成してもよく、第1導体11、第2導体12及び第3導体13を一体成形することにより構成してもよい。更には、第1導体11、第2導体12及び第3導体13といった3つの分岐路を有する配線パターンを基板上に形成することにより構成してもよい。
【0127】
第1ホール素子21、第2ホール素子22及び第3ホール素子23は本発明のm個の磁電変換素子に対応する。各ホール素子は、第1導体11及び第2導体12とのなす面、すなわち、xy平面上に配置されている。各ホール素子は、その感磁面(磁束検出面)に入る磁束密度に対応する電圧(ホール電圧)信号を発生する。各ホール素子には、図示しないリードを介して所定の電流が供給され、また、各ホール素子で発生された電圧信号は、図示しないリードを介して外部に取り出されるようになっている。
【0128】
各ホール素子が配置される位置は以下のように決定されている。すなわち、第1ホール素子21は、第1導体11及び第2導体12の間であって且つこれらの導体から等距離の位置に配置される。第2ホール素子22は第2導体12を対称線として第1ホール素子21と線対称となる位置に配置される。第3ホール素子23は第1導体11を対称線として第1ホール素子21と線対称となる位置に配置される。また、各ホール素子は、分岐点Oから等距離であって且つ分岐点Oの近傍に配置される。更に、各ホール素子の感磁面はxy平面に略一致し、且つ同一方向を向くように配置される。
【0129】
次に、このように構成された本発明の第4の実施の形態に係る電流検出装置のセンサ部の動作を説明する。
【0130】
今、各ホール素子の感磁面は、z軸方向に向いているものと仮定する。また、第1導体11には電流Iがその先端部から分岐点Oに向かって流れ、第2導体12には電流Iがその先端部から分岐点Oに向かって流れ、第3導体13には電流Iがその先端部から分岐点Oに向かって流れるものと仮定する。なお、この電流の流れる方向は一例であり、上記に限定されずに任意の方向とすることができる。更に、各ホール素子は互いに近くに配置され且つ各ホール素子の感磁面は同一方向を向いていることから、各感磁面は外乱磁束nのz方向成分−nを等しく受けるものと仮定する。
【0131】
ここで、第i導体(i=1、2、3)に電流Iが流れたときに該第i導体の両側に配置されたホール素子の感磁面に入る磁束をf(I)、感磁面から出ていく磁束を−f(I)で表すと、第1ホール素子21の感磁面が受ける全磁束Bは、「B=f(I)−f(I)−n」となり、第2ホール素子22の感磁面が受ける全磁束Bは、「B=f(I)−n」となり、第3ホール素子23の感磁面が受ける全磁束Bは、「B=−f(I)−n」となる。
【0132】
今、「B−B」を計算すると、「B−B=f(I)−n−{−f(I)−n}=f(I)+f(I)」となる。ここで、キルヒホッフの電流則により「f(I)+f(I)=−f(I)」が成り立つから、「B−B=−f(I)」が得られる。
【0133】
また、「B+B」を計算すると、「B+B=f(I)−f(I)−n+{f(I)−n}=f(I)−2*n」となる。さらに、「B+B−2*B」を計算すると、「B+B−2*B=f(I)−2*n−2*{−f(I)−n}=3*f(I)」となる。
【0134】
また、「B+B」を計算すると、「B+B=f(I)−f(I)−n+{−f(I)−n}=−f(I)−2*n」となる。さらに、「B+B−2*B」を計算すると、「B+B−2*B=−f(I)−2*n−2*{f(I)−n}=−3*f(I)」となる。
【0135】
すなわち、「B+B−2*B」、「B+B−2*B」を計算することにより、第1導体11に電流Iが流れた場合に発生される磁束の3倍の磁束が得られ、また、第2導体12に電流Iが流れた場合に発生される磁束の3倍の磁束が得られたことに等しくなる。その結果、ホール素子と同一平面上に存在する第1導体11及び第2導体12については、第1導体11及び第2導体12のそれぞれを流れる電流の3倍の出力が得られる。
【0136】
さらに、上述した演算が行われることにより、外乱磁束nをキャンセルできるので、高精度で電流を検出できる。また、全てのホール素子は分岐点Oの近傍に配置されているため、温度ドリフト等の誤差要因についても同様にしてキャンセルされる。
【0137】
また、磁気コアを使用しないため、それぞれの導体に磁気コアを計3個取り付けた場合に比し、重量及び占有体積を小さくできると共に、コスト大幅に低減できる。更に周波数特性が良く、磁気飽和はない。
【0138】
図15は、前記センサ部を含む電流検出装置の構成を示すブロック図である。この電流検出装置は、前記導体10、第1ホール素子21、第2ホール素子22及び第3ホール素子23からなるセンサ部に演算処理回路30が追加されて構成されている。この演算処理回路30からの出力は、例えばCPU40に供給される。
【0139】
演算処理回路30には、第1ホール素子21から磁束Bに対応する電圧信号VB1が、第2ホール素子22から磁束Bに対応する電圧信号VB2が、第3ホール素子23から磁束Bに対応する電圧信号VB3が、それぞれ入力される。
【0140】
この演算処理回路30は例えば複数の演算増幅器で構成することができる。そして、これらの演算増幅器は「B+B−2*B」に相当する演算を行い、その演算結果を、電流Iの大きさを表す第1検出信号DT1としてCPU40に供給する。この第1検出信号DT1は、電流Iのみによって生じる磁束f(I)の3倍の磁束3*f(I)を磁電変換して得られた信号に相当するから、第1導体11を流れる電流Iを高感度で検出できる。
【0141】
また、演算処理回路30に含まれる演算増幅器は、「B+B−2*B」に相当する演算を行い、その演算結果を、電流Iの大きさを表す第2検出信号DT2としてCPU40に供給する。この第2検出信号DT2は、電流Iのみによって生じる磁束f(I)の3倍の磁束3*f(I)を磁電変換して得られた信号に相当するから、第2導体12を流れる電流Iを高感度で検出できる。
【0142】
更に、演算処理回路30に含まれる演算増幅器は、「B−B」に相当する演算を行い、その演算結果を、電流Iの大きさを表す第3検出信号DT3としてCPU40に供給する。この第3検出信号DT3は、電流Iのみによって生じる磁束f(I)を磁電変換して得られた信号に相当し、第3導体13を流れる電流Iを検出できる。
【0143】
CPU40は、演算処理回路30からの第1検出信号DT1、第2検出信号DT2及び第3検出信号DT3を入力し、第1導体11、第2導体12及び第3導体13のそれぞれに流れる電流の大きさを判断し、例えば必要に応じて電流遮断器等を駆動する。
【0144】
このように、第4の実施の形態に係る電流検出装置によれば、三次元軸上の各軸に配置された3個の導体と3個のホール素子を使用し、各導体に流れる電流を、xy平面上の第1導体及び第2導体の各導体を挟む2つのホール素子からの電圧信号の差をとることにより検出するようにしたので、外乱磁界による影響を受けず、しかも第1導体、第2導体及び第3導体を流れる電流としてそれぞれ3倍、3倍及び1倍の出力が得られるので、高精度での電流測定が可能になる。
【0145】
また、この第4の実施の形態に係る電流検出装置では磁気コアを使用しないため、それぞれの導体に磁気コアを計3個取り付けた場合に比し、重量及び占有体積を小さくできると共に、コスト大幅に低減できる。更に周波数特性が良く、磁気飽和はない。
【0146】
(第5の実施の形態)
この第5の実施の形態は、本発明のnを「4」、mを「4」とした場合の例である。図16は本発明の第5の実施の形態に係る電流検出装置のセンサ部の構成を示す斜視図である。このセンサ部は、導体10、第1ホール素子21、第2ホール素子22、第3ホール素子23、及び第4ホール素子24から構成されている。これらは、通常、図示しない電気接続箱に収容される。この第5の実施の形態では、集磁コアは使用されない。
【0147】
導体10は、図16に示すように、放射状に配置され且つ分岐点Oを原点とし三軸の各軸が互いに垂直な関係をなす3次元軸上に配置された第1導体11、第2導体13、第3導体13及び第4導体14から構成されている。すなわち、第1導体11がx軸方向に配設され、第2導体12がy軸方向に配設され、第3導体13が−x軸方向に配設され、第4導体14がz軸方向に配設されてなる。第1導体11、第2導体12、第3導体13及び第4導体14は本発明のn個の導体に対応する。各導体の一端は分岐点Oで接続されている。各導体の他端は電源又は負荷45が接続されている。
【0148】
なお、導体10は、第1導体11、第2導体12、第3導体13及び第4導体14といった4つの別個の導体の各一端部を分岐点Oで接続することにより構成してもよく、第1導体11、第2導体12、第3導体13及び第4導体14を一体成形することにより構成してもよい。更には、第1導体11、第2導体12、第3導体13及び第4導体14といった4つの分岐路を有する配線パターンを基板上に形成することにより構成してもよい。
【0149】
第1ホール素子21、第2ホール素子22、第3ホール素子23及び第4ホール素子24は本発明のm個の磁電変換素子に対応する。各ホール素子は、第1導体11、第2導体12及び第3導体13とのなす面、すなわち、xy平面上に配置されている。各ホール素子は、その感磁面(磁束検出面)に入る磁束密度に対応する電圧(ホール電圧)信号を発生する。各ホール素子には、図示しないリードを介して所定の電流が供給され、また、各ホール素子で発生された電圧信号は、図示しないリードを介して外部に取り出されるようになっている。
【0150】
各ホール素子が配置される位置は以下のように決定されている。すなわち、第1ホール素子21及び第2ホール素子22はxy平面上に存在する第1導体11乃至第3導体13の内の第1導体11から互いに等距離の位置に配置される。第3ホール素子23は第2導体12を対称線として第2ホール素子22と線対称となる位置に配置される。第4ホール素子24は第3導体13を対称線として第3ホール素子23と線対称となる位置に配置される。また、各ホール素子は、分岐点Oから等距離であって且つ分岐点Oの近傍に配置される。更に、各ホール素子の感磁面はxy平面に略一致し、且つ同一方向を向くように配置される。
【0151】
次に、このように構成された本発明の第5の実施の形態に係る電流検出装置のセンサ部の動作を説明する。
【0152】
今、各ホール素子の感磁面は、z軸方向に向いているものと仮定する。また、第1導体11には電流Iがその先端部から分岐点Oに向かって流れ、第2導体12には電流Iがその先端部から分岐点Oに向かって流れ、第3導体13には電流Iがその先端部から分岐点Oに向かって流れ、第4導体14には電流Iがその先端部から分岐点Oに向かって流れるものと仮定する。なお、この電流の流れる方向は一例であり、上記に限定されずに任意の方向とすることができる。更に、各ホール素子は互いに近くに配置され且つ各ホール素子の感磁面は同一方向を向いていることから、各感磁面は外乱磁束nのz方向成分−nを等しく受けるものと仮定する。
【0153】
ここで、第i導体(i=1、2、3)に電流Iが流れたときに該第i導体の両側に配置されたホール素子の感磁面に入る磁束をf(I)、感磁面から出ていく磁束を−f(I)で表すと、第1ホール素子21の感磁面が受ける全磁束Bは、「B=−f(I)−n」となり、第2ホール素子22の感磁面が受ける全磁束Bは、「B=f(I)−f(I)−n」となり、第3ホール素子23の感磁面が受ける全磁束Bは、「B=f(I)−f(I)−n」となり、第4ホール素子24の感磁面が受ける全磁束Bは、「B=f(I)−n」となる。
【0154】
今、「B+B」を計算すると、「B+B=−f(I)−n+{f(I)−f(I)−n}=−f(I)−2*n」となり、「B+B」を計算すると、「B+B=f(I)−f(I)−n+{f(I)−n}=f(I)−2*n」となる。さらに、「B+B−B−B」を計算すると、「B+B−B−B=−f(I)−2*n−f(I)+2*n=−2*f(I)」となる。
【0155】
次に、「B+B+B」を計算すると、「B+B+B=f(I)−f(I)−n+f(I)−f(I)−n+f(I)−n=f(I)−3*n」となり、さらに、「B+B+B−3*B」を計算すると、「B+B+B−3*B=f(I)−3*n−3*{−f(I)−n}=4*f(I)」となる。
【0156】
次に、「−B−B−B」を計算すると、「−B−B−B=f(I)+n−f(I)+f(I)+n−f(I)+f(I)+n=f(I)+3*n」となり、「−B−B−B+3*B」を計算すると、「−B−B−B+3*B=f(I)+3*n+3*{f(I)−n}=4*f(I)」となる。
【0157】
次に、「2*B−2*B」を計算すると、「2*B−2*B=2*{f(I1)−f(I2)−n}−2*{f(I)−f(I)−n}=2*f(I)−2*f(I)+2*f(I)」となり、「2*B−2*B+6*B−6*B」を計算すると、「2*B−2*B+6*B−6*B」=2*f(I)−4*f(I)+2*f(I)+6*{−f(I)−n}−6*{f(I)−n}=−4*{f(I)+f(I)+f(I)}」となる。ここで、キルヒホッフの電流則により「f(I)+f(I)+f(I)=−f(I)」が成り立つから、「2*B−2*B+6*B−6*B=4*f(I)」が得られる。
【0158】
すなわち、「B+B+B−3*B」を計算することにより、第1導体11に電流Iが流れた場合に発生される磁束の4倍の磁束が得られ、また、「−B−B−B+3*B」を計算することにより、第3導体13に電流Iが流れた場合に発生される磁束の4倍の磁束が得られ、また、「2*B−2*B+6*B−6*B」を計算することにより、第4導体14に電流Iが流れた場合に発生される磁束の4倍の磁束が得られ、「B+B−B−B」を計算することにより、第2導体12に電流Iが流れた場合に発生される磁束の2倍の磁束が得られたことに等しくなる。
【0159】
さらに、上述した演算が行われることにより、外乱磁束nをキャンセルできるので、高精度で電流を検出できる。また、全てのホール素子は分岐点Oの近傍に配置されているため、温度ドリフト等の誤差要因についても同様にしてキャンセルされる。
【0160】
また、磁気コアを使用しないため、それぞれの導体に磁気コアを計4個取り付けた場合に比し、重量及び占有体積を小さくできると共に、コスト大幅に低減できる。更に周波数特性が良く、磁気飽和はない。
【0161】
図17は、前記センサ部を含む電流検出装置の構成を示すブロック図である。この電流検出装置は、前記導体10、第1ホール素子21、第2ホール素子22、第3ホール素子23及び第4ホール素子24からなるセンサ部に演算処理回路30が追加されて構成されている。この演算処理回路30からの出力は、例えばCPU40に供給される。
【0162】
演算処理回路30には、第1ホール素子21から磁束Bに対応する電圧信号VB1が、第2ホール素子22から磁束Bに対応する電圧信号VB2が、第3ホール素子23から磁束Bに対応する電圧信号VB3が、第4ホール素子24から磁束Bに対応する電圧信号VB4が、それぞれ入力される。
【0163】
この演算処理回路30は例えば複数の演算増幅器で構成することができる。そして、これらの演算増幅器は「B+B+B−3*B」に相当する演算を行い、その演算結果を、電流Iの大きさを表す第1検出信号DT1としてCPU40に供給する。この第1検出信号DT1は、電流Iのみによって生じる磁束f(I)の4倍の磁束4*f(I)を磁電変換して得られた信号に相当するから、第1導体11を流れる電流Iを高感度で検出できる。
【0164】
また、演算処理回路30に含まれる演算増幅器は、「B+B−B−B」に相当する演算を行い、その演算結果を、電流Iの大きさを表す第2検出信号DT2としてCPU40に供給する。この第2検出信号DT2は、電流Iのみによって生じる磁束f(I)の2倍の磁束2*f(I)を磁電変換して得られた信号に相当するから、第2導体12を流れる電流Iを高感度で検出できる。
【0165】
更に、演算処理回路30に含まれる演算増幅器は、「−B−B−B+3*B」に相当する演算を行い、その演算結果を、電流Iの大きさを表す第3検出信号DT3としてCPU40に供給する。この第3検出信号DT3は、電流Iのみによって生じる磁束f(I)の4倍の磁束4*f(I)を磁電変換して得られた信号に相当し、第3導体13を流れる電流Iを検出できる。
【0166】
更に、演算処理回路30に含まれる演算増幅器は、「2*B−2*B+6*B−6*B」に相当する演算を行い、その演算結果を、電流Iの大きさを表す第4検出信号DT4としてCPU40に供給する。この第4検出信号DT4は、電流Iのみによって生じる磁束f(I)の4倍の磁束4*f(I)を磁電変換して得られた信号に相当し、第4導体14を流れる電流Iを検出できる。
【0167】
CPU40は、演算処理回路30からの第1検出信号DT1、第2検出信号DT2、第3検出信号DT3及び第4検出信号DT4を入力し、第1導体11、第2導体12、第3導体13及び第4導体14のそれぞれに流れる電流の大きさを判断し、例えば必要に応じて電流遮断器等を駆動する。
【0168】
このように、第5の実施の形態に係る電流検出装置によれば、三次元軸上の各軸及び−x軸に配置された4個の導体と4個のホール素子を使用し、各導体に流れる電流を、xy平面上の第1導体乃至第3導体の各導体を挟む2つのホール素子からの電圧信号の差をとることにより検出するようにしたので、外乱磁界による影響を受けず、しかも第1導体乃至第4導体を流れる電流としてそれぞれ4倍、2倍、4倍、4倍の出力が得られるので、高精度での電流測定が可能になり、電流検出装置の近傍に存在する外乱磁束もキャンセルされる。
【0169】
また、この第5の実施の形態に係る電流検出装置では磁気コアを使用しないため、それぞれの導体に磁気コアを計4個取り付けた場合に比し、重量及び占有体積を小さくできると共に、コスト大幅に低減できる。更に周波数特性が良く、磁気飽和はない。
【0170】
(第6の実施の形態)
この第6の実施の形態は、第2の実施の形態の電流検出装置の電流検出よりもより精度良く電流を求めることを特徴とする。ここでは、第6の実施の形態の電流検出装置の構成は、図10及び図11に示す第2の実施の形態の電流検出装置と同一構成であるので、ここでは、その動作を説明する。
【0171】
まず、ビオサバールの法則から、変数である電流I〜Iと磁界B〜Bとについて、数1の方程式が成立する。
【0172】
【数1】
Figure 0004060518
数1の式(2)から式(1)を減算すると、数2が得られる。
【0173】
【数2】
Figure 0004060518
さらに、数1の式(5)より数3が得られ、この数3により電流Iが求められる。
【0174】
【数3】
Figure 0004060518
数1の式(4)から式(1)を減算すると、数4が得られる。
【0175】
【数4】
Figure 0004060518
数1の式(3)から式(2)を減算すると、数5が得られる。
【0176】
【数5】
Figure 0004060518
式(8)を式(9)に加算すると、数6が得られる。
【0177】
【数6】
Figure 0004060518
式(10)に式(5)を代入すると、数7が得られる。
【0178】
【数7】
Figure 0004060518
さらに、式(7)より数8が得られる。
【0179】
【数8】
Figure 0004060518
(13)式より電流Iが求められる。また、Iについても同様に式(10)に式(5)を代入すると、数9が得られる。
【0180】
【数9】
Figure 0004060518
さらに式(7)より数10が得られる。
【0181】
【数10】
Figure 0004060518
(16)式より電流Iが求められる。このように、電流I、I、Iのそれぞれは、2つのホール素子21,22が受ける磁界の差に係数が掛けられた形で計算できる。このため、各ホール素子が一様に磁束外乱を含んでいてもこの外乱をキャンセルできるので、高精度な出力を検出できる。なお、上述の電流I、I、Iの演算は、演算処理回路30によって行われる。
【0182】
次に電流増幅率を求める。I近傍の単独の第1ホール素子21が単独導体電流Iから受ける磁界Bは、数11で表される。
【0183】
【数11】
Figure 0004060518
電流Iは、式(13)から数12で表される。
【0184】
【数12】
Figure 0004060518
従って、電流Iについては、数13が成立する。
【0185】
【数13】
Figure 0004060518
また、電流Iと同様に電流Iを求めると、電流Iについては、数14が成立する。
【0186】
【数14】
Figure 0004060518
さらに、電流Iは、式(7)から数15で表される。
【0187】
【数15】
Figure 0004060518
従って、電流Iについては、数16が成立する。
【0188】
【数16】
Figure 0004060518
以上のことから、単独の被測定導体からその最近傍にある単独のホール素子が受ける感度の1.2倍または1.4倍の感度を得ることができ、高感度で電流測定が可能になる。
【0189】
(第7の実施の形態)
この第7の実施の形態は、第3の実施の形態の電流検出装置の電流検出よりもより精度良く電流を求めることを特徴とする。ここでは、第7の実施の形態の電流検出装置の構成は、図12及び図13に示す電流検出装置と同一構成であるので、ここでは、その動作を説明する。
【0190】
ここで、感磁面は、紙面を向こう側に垂直に貫く磁界を正となるように配置されている。4つのホール素子21〜24の全ては、それぞれに挟まれた導体に対する距離が等しく、その距離をrとする。
【0191】
4つの導体11〜14に流れる4つの変数である電流I〜Iを、4つのホール素子21〜24とキルヒホッフの電流則から得られる方程式から求める。
【0192】
まず、第1ホール素子21が受ける磁界Bは数17で表される。
【0193】
【数17】
Figure 0004060518
数17において、第1項は電流Iから受ける磁界を表し、第2項は電流Iから受ける磁界を表し、第3項は電流Iから受ける磁界を表し、第4項は電流Iから受ける磁界を表している。
【0194】
また、第2ホール素子22が受ける磁界Bを第1ホール素子21が受ける磁界と同様に求めると、磁界Bは数18で表される。
【0195】
【数18】
Figure 0004060518
また、第3ホール素子23が受ける磁界Bは数19で表される。
【0196】
【数19】
Figure 0004060518
また、第4ホール素子24が受ける磁界Bは数20で表される。
【0197】
【数20】
Figure 0004060518
以上の演算式から数21が成立する。
【0198】
【数21】
Figure 0004060518
また、A〜Aを数22により定義する。
【0199】
【数22】
Figure 0004060518
数21をクラメルの公式を用いて解いて各電流を求める。電流Iは、数23により求められる。
【0200】
【数23】
Figure 0004060518
同様に、電流Iは、数24により求められる。
【0201】
【数24】
Figure 0004060518
同様に、電流I及び電流Iは、数25により求められる。
【0202】
【数25】
Figure 0004060518
このように、電流I〜Iのそれぞれは、2つのホール素子が受ける磁界の差に係数が掛けられた形で計算できる。このため、各ホール素子が一様に磁束外乱を含んでいてもこの外乱をキャンセルできるので、高精度な出力を検出できる。なお、上述の電流I〜Iの演算は、演算処理回路30によって行われる。
【0203】
次に電流増幅率を求める。電流Iは数26で表される。
【0204】
【数26】
Figure 0004060518
また、磁界Bを数27を用いて定義する。
【0205】
【数27】
Figure 0004060518
数27を用いて数26を変形すると、数28が得られる。
【0206】
【数28】
Figure 0004060518
数28の演算の結果、単独の被測定導体からその最近傍にある単独のホール素子が受ける感度の約11.3倍の感度が得られる。従って、高感度で電流測定が可能となる。
【0207】
(第8の実施の形態)
この第8の実施の形態は、第4の実施の形態の電流検出装置の電流検出よりもより精度良く電流を求めることを特徴とする。ここでは、第8の実施の形態の電流検出装置の構成は、図14及び図15に示す電流検出装置と同一構成であるので、ここでは、その動作を説明する。
【0208】
まず、ビオサバールの法則から、変数である電流I〜Iと磁界B〜Bについて、数29の方程式が成立する。
【0209】
【数29】
Figure 0004060518
数29の式(3)から式(1)を減算すると、数30が得られる。
【0210】
【数30】
Figure 0004060518
さらに、数29の式(2)から式(1)を減算すると、数31が得られる。
【0211】
【数31】
Figure 0004060518
数31の式(6)の両辺を(21/2+1)倍すると、数32が得られる。
【0212】
【数32】
Figure 0004060518
数32の式(7)から式(5)を減算すると、数33が得られる。
【0213】
【数33】
Figure 0004060518
これにより、電流Iが数34で表される。
【0214】
【数34】
Figure 0004060518
さらに、式(8)を式(6)に代入すると、数35が得られ、電流Iが求められる。
【0215】
【数35】
Figure 0004060518
さらに、式(1)を式(2)に加算すると、数36が得られる。
【0216】
【数36】
Figure 0004060518
さらに、(4)式に式(10),(11)を代入すると、数37が得られ、電流Iが求められる。
【0217】
【数37】
Figure 0004060518
このように、電流I、I、Iのそれぞれは、2つのホール素子が受ける磁界の差に係数が掛けられた形で計算できる。このため、各ホール素子が一様に磁束外乱を含んでいてもこの外乱をキャンセルできるので、高精度な出力を検出できる。なお、上述の電流I、I、Iの演算は、演算処理回路30によって行われる。
【0218】
(第9の実施の形態)
この第9の実施の形態は、第5の実施の形態の電流検出装置の電流検出よりもより精度良く電流を求めることを特徴とする。ここでは、第9の実施の形態の電流検出装置の構成は、図16及び図17に示す電流検出装置と同一構成であるので、ここでは、その動作を説明する。
【0219】
まず、ビオサバールの法則から、変数である電流I〜Iと磁界B〜Bについて、数38の方程式が成立する。
【0220】
【数38】
Figure 0004060518
数38には、4つの変数に対して、5つの方程式があるため、解は1つではない。外乱ノイズをキャンセルできるような解を求める必要がある。まず、数38の式(1)〜式(4)の方程式から電流I〜Iを求め、求められた電流I〜Iを式(5)に代入して電流Iを求める。
【0221】
まず、式(1)−式(2)−式(3)+式(4)を演算して、数39が得られ、電流Iが求められる。
【0222】
【数39】
Figure 0004060518
次に、式(1)から式(4)を減算して、数40が得られる。
【0223】
【数40】
Figure 0004060518
従って、電流Iは数41で表される。
【0224】
【数41】
Figure 0004060518
同様にして、電流I、電流Iは数42により表される。
【0225】
【数42】
Figure 0004060518
このように、電流I〜Iのそれぞれは、2つのホール素子が受ける磁界の差に係数が掛けられた形で計算できる。このため、各ホール素子が一様に磁束外乱を含んでいてもこの外乱をキャンセルできるので、高精度な出力を検出できる。なお、上述の電流I〜Iの演算は、演算処理回路30によって行われる。
【0323】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、n個の導体のそれぞれの両側に磁電変換素子が配置され、各導体に流れる電流はこの2つの磁電変換素子からの電気信号に所定の演算を施すことにより検出される。この場合、2つの磁電変換素子のそれぞれは、分岐前の電流と分岐後の電流とによる磁束を受けるので、検出対象となる電流は一定であっても、磁束を磁電変換することになり、各導体に流れる電流が小さくても高感度で検出できる。また、集磁コアは用いられないので、電流検出装置の小型化、低重量化及び低価格化が可能であり、特に分岐路のそれぞれについて電流を検出するような場合に顕著な効果を奏する。
【0324】
また、n個の導体及びm個の磁電変換素子の感磁面は同一平面上に配置されるので、各導体に電流が流れることによりで発生される磁束は、各磁電変換素子の感磁面に垂直に入ることになり、演算処理回路においては、各磁電変換素子からの電気信号に補正を加える必要がないので、演算処理回路における演算が簡単になる。
【0325】
また、各導体に流れる電流は、該導体を挟む2つの磁電変換素子からの電気信号の差をとることにより検出される。この場合、一方の磁電変換素子は分岐前の電流と分岐後の電流とによる所定方向の磁束を受け、他方の磁電変換素子は分岐前の電流と分岐後の電流とによる逆方向の磁束を受けるので、検出対象となる電流は一定であっても、分岐がない場合の電流によって発生される磁束の3倍の磁束を磁電変換することになり、各導体に流れる電流が小さくても高感度で検出できる。また、この電流検出装置の近傍に外乱磁束が存在しても、上記2つの磁電変換素子からの電気信号の差をとることによりキャンセルされるので、他の導体が併設されていても影響を受けることがなく、各導体に流れる電流を高精度で検出できる。更に、3つの導体に流れる電流を、たかだか3個の磁電変換素子を用いて高感度で検出できるので、1つの導体に流れる電流を2つの磁電変換素子を用いて検出する電流検出器に比べて、電流検出装置を安価に構成できる。
【0326】
また、請求項に記載の発明によれば、各導体に流れる電流は、該導体を挟む2つの磁電変換素子からの電気信号の差をとることにより検出される。この場合、第1導体、第2導体及び第3導体のそれぞれに流れる電流を高感度で検出できる。また、この電流検出装置の近傍に存在する外乱磁束がキャンセルされるので、各導体に流れる電流を高精度で検出できる。更に、3つの導体に流れる電流を、たかだか4個の磁電変換素子を用いて高感度で検出できるので、1つの導体に流れる電流を2つの磁電変換素子を用いて検出する電流検出器に比べて、電流検出装置を安価に構成できる。
【0327】
また、請求項に記載の発明によれば、各導体に流れる電流は、該導体を挟む2つの磁電変換素子からの電気信号の差をとることにより検出される。この場合、各導体に流れる電流を高感度で検出できる。また、この電流検出装置の近傍に存在する外乱磁束のキャンセルも上記請求項に記載の発明と同様に行われるので、各導体に流れる電流を高感度で検出できる。更に、4つの導体に流れる電流を、たかだか4個の磁電変換素子を用いて高感度で検出できるので、1つの導体に流れる電流を2つの磁電変換素子を用いて検出する電流検出器に比べて、電流検出装置を安価に構成できる。
【0328】
また、請求項に記載の発明によれば、n個の導体を、分岐点を原点とし三軸の各軸が互いに垂直な関係をなす三次元軸上に配置し、m個の磁電変換素子の感磁面が三軸の内の二軸を含む同一平面上に存在するように配置したので、同一平面上に存在する各導体に電流が流れることにより発生される磁束は、各磁電変換素子の感磁面に垂直に入ることになる。その結果、演算処理回路においては、各磁電変換素子からの電気信号が正確になるので、演算処理回路における演算が簡単になる。
【0329】
また、第1導体乃至第3導体の各導体に流れる電流は、平面上に存在する第1導体及び第2導体の各導体を挟む2つの磁電変換素子からの電気信号の差をとることにより検出される。また、電流検出装置の近傍に存在する外乱磁束もキャンセルされるので、各導体に流れる電流を高精度で検出できる。更に、3つの導体に流れる電流を、たかだか3個の磁電変換素子を用いて高感度で検出できるので、1つの導体に流れる電流を2つの磁電変換素子を用いて検出する電流検出器に比べて、電流検出装置を安価に構成できる。
【0330】
また、請求項に記載の発明によれば、第1導体乃至第4導体の各導体に流れる電流は、平面上に存在する第1導体乃至第3導体の各導体を挟む2つの磁電変換素子からの電気信号の差をとることにより検出される。また、電流検出装置の近傍に存在する外乱磁束のキャンセルも請求項7に記載の発明と同様に行われるので、各導体に流れる電流を高精度で検出できる。更に、4つの導体に流れる電流を、たかだか4個の磁電変換素子を用いて高感度で検出できるので、1つの導体に流れる電流を2つの磁電変換素子を用いて検出する電流検出器に比べて、電流検出装置を安価に構成できる。
【0331】
また、請求項に記載の発明によれば、m個の磁電変換素子の各感磁面が同一方向になるように配置されているので、演算処理回路においては、各磁電変換素子からの電気信号を容易に扱うことができ、演算処理回路における演算が簡単になる。
【0332】
また、請求項12に記載の発明によれば、それぞれ請求項1〜に記載の発明と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る電流検出装置のセンサ部の構成を示す平面図である。
【図2】 図1に示したセンサ部を含む電流検出装置の構成を示すブロック図である。
【図3】 本発明の第1の実施の形態に係る電流検出装置を自動車に適用した場合の電気回路の構成図である。
【図4】 本発明の第1の実施の形態に係る電流検出装置の動作原理及び検出特性を確認するための実験で用いられた実験回路の構成を示す図である。
【図5】 図4に示した実験回路における外乱磁束がない状態での測定結果及び計算結果を示す図である。
【図6】 図4に示した実験回路における外乱磁束がある状態での測定結果及び計算結果を示す図である。
【図7】 図4に示した実験回路により得られた第1導体に流れる電流I1と演算により求められた「S2−S3」との関係を示す図である。
【図8】 図4に示した実験回路により得られた第2導体に流れる電流I2と演算により求められた「S1−S2」との関係を示す図である。
【図9】 図4に示した実験回路により得られた第3導体に流れる電流I3と演算により求められた「S1−S3」との関係を示す図である。
【図10】 本発明の第2の実施の形態に係る電流検出装置のセンサ部の構成を示す平面図である。
【図11】 図10に示した電流検出装置の演算制御回路の構成を示すブロック図である。
【図12】 本発明の第3の実施の形態に係る電流検出装置のセンサ部の構成を示す平面図である。
【図13】 図12に示した電流検出装置の演算制御回路の構成を示すブロック図である。
【図14】 本発明の第4の実施の形態に係る電流検出装置のセンサ部の構成を示す斜視図である。
【図15】 図14に示した電流検出装置の演算制御回路の構成を示すブロック図である。
【図16】 本発明の第5の実施の形態に係る電流検出装置のセンサ部の構成を示す斜視図である。
【図17】 図16に示した電流検出装置の演算制御回路の構成を示すブロック図である。
【図18】 従来の電流検出装置の例を説明するための図である。
【符号の説明】
10 導体
11〜14 第1〜第4導体
21〜24 第1〜第4ホール素子
30 演算処理回路
31〜33 第1〜第3演算増幅器
40 CPU(制御回路)
41 発電機
42 バッテリ
43 スタータ
44 負荷

Claims (12)

  1. 分岐点から放射状に分岐するように配置されたn個(nは3以上の整数)の導体と、
    該n個の導体のうちの隣り合う2個の導体の間に配置されたm個(mはm≧3を満たす整数)の磁電変換素子と、
    前記m個の磁電変換素子のそれぞれからの電気信号に基づいて所定の演算を行い、得られた演算出力に基づいて前記n個の導体のそれぞれに流れる電流を検出する演算処理回路と、
    を備え
    前記n個の導体は前記分岐点を含む平面上に配置され、前記m個の磁電変換素子は、それぞれの感磁面が前記平面上に存在するように配置され、
    前記nは「3」であり、3個の導体は前記平面上の分岐点から120度おきに3方向に配置され、
    前記mは「3」であり、3個の磁電変換素子のぞれぞれは、隣り合う2個の導体から等距離であって且つ前記分岐点から等距離の位置に配置され、
    前記演算処理回路は、各導体を挟む2つの磁電変換素子からの電気信号の差をとることにより該導体に流れる電流を検出することを特徴とする電流検出装置。
  2. 分岐点から放射状に分岐するように配置されたn個(nは3以上の整数)の導体と、
    該n個の導体のうちの隣り合う2個の導体の間に配置されたm個(mはm≧3を満たす整数)の磁電変換素子と、
    前記m個の磁電変換素子のそれぞれからの電気信号に基づいて所定の演算を行い、得られた演算出力に基づいて前記n個の導体のそれぞれに流れる電流を検出する演算処理回路と、
    を備え、
    前記n個の導体は前記分岐点を含む平面上に配置され、前記m個の磁電変換素子は、それぞれの感磁面が前記平面上に存在するように配置され、
    前記nは「3」であり、3個の導体は第1導体と第2導体とがなす角度が90度、第2導体と第3導体とがなす角度が90度、第3導体と第1導体とがなす角度が180度になるように前記平面上の分岐点から3方向に配置され、
    前記mは「4」であり、第1磁電変換素子は第1導体と第2導体とから等距離であって且つ前記分岐点から等距離の位置に、第2磁電変換素子は第2導体と第3導体とから等距離であって且つ前記分岐点から等距離の位置に、第3磁電変換素子は第3導体を対称線として第2磁電変換素子と線対称となる位置であって且つ前記分岐点から等距離の位置に、第4磁電変換素子は第1導体を対称線としてと第1磁電変換素子と線対称となる位置であって且つ前記分岐点から等距離の位置に、それぞれ配置され、
    前記演算処理回路は、各導体を挟む4つの磁電変換素子からの電気信号の差をとることにより該導体に流れる電流を検出することを特徴とする電流検出装置。
  3. 分岐点から放射状に分岐するように配置されたn個(nは3以上の整数)の導体と、
    該n個の導体のうちの隣り合う2個の導体の間に配置されたm個(mはm≧3を満たす整数)の磁電変換素子と、
    前記m個の磁電変換素子のそれぞれからの電気信号に基づいて所定の演算を行い、得られた演算出力に基づいて前記n個の導体のそれぞれに流れる電流を検出する演算処理回路と、
    を備え、
    前記n個の導体は前記分岐点を含む平面上に配置され、前記m個の磁電変換素子は、それぞれの感磁面が前記平面上に存在するように配置され、
    前記nは「4」であり、4個の導体は前記平面上の分岐点から90度おきに4方向に配置され、
    前記mは「4」であり、4個の磁電変換素子のぞれぞれは、隣り合う2個の導体から等距離であって且つ前記分岐点から等距離の位置に配置され、
    前記演算処理回路は、各導体を挟む4つの磁電変換素子からの電気信号の差をとることにより該導体に流れる電流を検出することを特徴とする電流検出装置。
  4. 分岐点から放射状に分岐するように配置されたn個(nは3以上の整数)の導体と、
    該n個の導体のうちの隣り合う2個の導体の間に配置されたm個(mはm≧3を満たす整数)の磁電変換素子と、
    前記m個の磁電変換素子のそれぞれからの電気信号に基づいて所定の演算を行い、得られた演算出力に基づいて前記n個の導体のそれぞれに流れる電流を検出する演算処理回路と、
    を備え、
    前記n個の導体は、前記分岐点を原点とし三軸の各軸が互いに垂直な関係をなす三次元軸上に配置され、前記m個の磁電変換素子は、それぞれの感磁面が前記三軸の内の二軸を含む平面上に存在するように配置され、
    前記nは「3」であり、3個の導体は前記三軸の3方向に配置され、
    前記mは「3」であり、第1磁電変換素子は前記平面上に存在する第1導体と第2導体とから等距離であって且つ前記分岐点から等距離の位置に、第2磁電変換素子は第2導体を対称線として第1磁電変換素子と線対称となる位置であって且つ前記分岐点から等距離の位置に、第3磁電変換素子は第1導体を対称線として第1磁電変換素子と線対称となる位置であって且つ前記分岐点から等距離の位置に、それぞれ配置され、
    前記演算処理回路は、前記平面上に存在する第1導体及び第2導体の各導体を挟む3つの磁電変換素子からの電気信号の差をとることにより第1導体乃至第3導体の各導体に流れる電流を検出することを特徴とする電流検出装置。
  5. 分岐点から放射状に分岐するように配置されたn個(nは3以上の整数)の導体と、
    該n個の導体のうちの隣り合う2個の導体の間に配置されたm個(mはm≧3を満たす整数)の磁電変換素子と、
    前記m個の磁電変換素子のそれぞれからの電気信号に基づいて所定の演算を行い、得られた演算出力に基づいて前記n個の導体のそれぞれに流れる電流を検出する演算処理回路と、
    を備え、
    前記n個の導体は、前記分岐点を原点とし三軸の各軸が互いに垂直な関係をなす三次元軸上に配置され、前記m個の磁電変換素子は、それぞれの感磁面が前記三軸の内の二軸を含む平面上に存在するように配置され、
    前記nは「4」であり、4個の導体は前記三軸及び該三軸の内の一軸における負方向軸の4方向に配置され、
    前記mは「4」であり、第1磁電変換素子乃至第4磁電変換素子のそれぞれは前記三軸の内の二軸及び前記負方向軸を含む平面上に存在するように配置され、
    前記第1磁電変換素子及び第2磁電変換素子は前記平面上に存在する第1導体乃至第3導体の内の第1導体から互いに等距離であって且つ前記分岐点から等距離の位置に、第3磁電変換素子は第2導体を対称線として第2磁電変換素子と線対称となる位置であって且つ前記分岐点から等距離の位置に、第4磁電変換素子は第3導体を対称線として第3磁電変換素子と線対称となる位置であって且つ前記分岐点から等距離の位置に、それぞれ配置され、
    前記演算処理回路は、前記平面上に存在する第1導体乃至第3導体の各導体を挟む4つの磁電変換素子からの電気信号の差をとることにより第1導体乃至第4導体の各導体に流れる電流を検出することを特徴とする電流検出装置。
  6. 前記m個の磁電変換素子は、それぞれの感磁面が同一方向になるように配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の電流検出装 置。
  7. 分岐点から放射状に分岐するようにn個(nは3以上の整数)の導体を配置し、
    該n個の導体のうちの隣り合う2個の導体の間にm個(mはm≧3を満たす整数)の磁電変換素子を配置し、
    前記m個の磁電変換素子のそれぞれからの電気信号に基づいて所定の演算を行い、得られた演算出力に基づいて前記n個の導体のそれぞれに流れる電流を検出し、
    前記n個の導体を前記分岐点を含む平面上に配置し、前記m個の磁電変換素子を、それぞれの感磁面が前記平面上に存在するように配置し、
    前記nは「3」であり、3個の導体は前記平面上の分岐点から120度おきに3方向に配置し、
    前記mは「3」であり、3個の磁電変換素子のぞれぞれを、隣り合う2個の導体から等距離であって且つ前記分岐点から等距離の位置に配置し、
    各導体を挟む2つの磁電変換素子からの電気信号の差をとることにより該導体に流れる電流を検出することを特徴とする電流検出方法。
  8. 分岐点から放射状に分岐するようにn個(nは3以上の整数)の導体を配置し、
    該n個の導体のうちの隣り合う2個の導体の間にm個(mはm≧3を満たす整数)の磁電変換素子を配置し、
    前記m個の磁電変換素子のそれぞれからの電気信号に基づいて所定の演算を行い、得られた演算出力に基づいて前記n個の導体のそれぞれに流れる電流を検出し、
    前記n個の導体を前記分岐点を含む平面上に配置し、前記m個の磁電変換素子を、それぞれの感磁面が前記平面上に存在するように配置し、
    前記nは「3」であり、3個の導体を第1導体と第2導体とがなす角度が90度、第2導体と第3導体とがなす角度が90度、第3導体と第1導体とがなす角度が180度になるように前記平面上の分岐点から3方向に配置し、
    前記mは「4」であり、第1磁電変換素子を第1導体と第2導体とから等距離であって且つ前記分岐点から等距離の位置に、第2磁電変換素子を第2導体と第3導体とから等距離であって且つ前記分岐点から等距離の位置に、第3磁電変換素子を第3導体を対称線として第2磁電変換素子と線対称となる位置であって且つ前記分岐点から等距離の位置に、第4磁電変換素子を第1導体を対称線として第1磁電変換素子と線対称となる位置であって且つ前記分岐点から等距離の位置に、それぞれ配置し、
    各導体を挟む4つの磁電変換素子からの電気信号の差をとることにより該導体に流れる電流を検出することを特徴とする電流検出方法。
  9. 分岐点から放射状に分岐するようにn個(nは3以上の整数)の導体を配置し、
    該n個の導体のうちの隣り合う2個の導体の間にm個(mはm≧3を満たす整数)の磁電変換素子を配置し、
    前記m個の磁電変換素子のそれぞれからの電気信号に基づいて所定の演算を行い、得られた演算出力に基づいて前記n個の導体のそれぞれに流れる電流を検出し、
    前記n個の導体を前記分岐点を含む平面上に配置し、前記m個の磁電変換素子を、それぞれの感磁面が前記平面上に存在するように配置し、
    前記nは「4」であり、4個の導体を前記平面上の分岐点から90度おきに4方向に配置し、
    前記mは「4」であり、4個の磁電変換素子のぞれぞれを、隣り合う2個の導体から等距離であって且つ前記分岐点から等距離の位置に配置し、
    各導体を挟む4つの磁電変換素子からの電気信号の差をとることにより該導体に流れる電流を検出することを特徴とする電流検出方法。
  10. 分岐点から放射状に分岐するようにn個(nは3以上の整数)の導体を配置し、
    該n個の導体のうちの隣り合う2個の導体の間にm個(mはm≧3を満たす整数)の磁電変換素子を配置し、
    前記m個の磁電変換素子のそれぞれからの電気信号に基づいて所定の演算を行い、得られた演算出力に基づいて前記n個の導体のそれぞれに流れる電流を検出し、
    前記n個の導体を、前記分岐点を原点とし三軸の各軸が互いに垂直な関係をなす三次元軸上に配置し、前記m個の磁電変換素子を、それぞれの感磁面が前記三軸の内の二軸を含む平面上に存在するように配置し、
    前記nは「3」であり、3個の導体を前記三軸の3方向に配置し、
    前記mは「3」であり、第1磁電変換素子を前記平面上に存在する第1導体と第2導体とから等距離であって且つ前記分岐点から等距離の位置に、第2磁電変換素子を第2導体を対称線として第1磁電変換素子と線対称となる位置であって且つ前記分岐点から等距離の位置に、第3磁電変換素子を第1導体を対称線として第1磁電変換素子と線対称となる位置であって且つ前記分岐点から等距離の位置に、それぞれ配置し、
    前記平面上に存在する第1導体及び第2導体の各導体を挟む3つの磁電変換素子からの電気信号の差をとることにより第1導体乃至第3導体の各導体に流れる電流を検出することを特徴とする電流検出方法。
  11. 分岐点から放射状に分岐するようにn個(nは3以上の整数)の導体を配置し、
    該n個の導体のうちの隣り合う2個の導体の間にm個(mはm≧3を満たす整数)の磁電変換素子を配置し、
    前記m個の磁電変換素子のそれぞれからの電気信号に基づいて所定の演算を行い、得られた演算出力に基づいて前記n個の導体のそれぞれに流れる電流を検出し、
    前記n個の導体を、前記分岐点を原点とし三軸の各軸が互いに垂直な関係をなす三次元軸上に配置し、前記m個の磁電変換素子を、それぞれの感磁面が前記三軸の内の二軸を含む平面上に存在するように配置し、
    前記nは「4」であり、4個の導体を前記三軸及び該三軸の内の一軸における負方向軸の4方向に配置し、
    前記mは「4」であり、第1磁電変換素子乃至第4磁電変換素子のそれぞれを前記三軸の内の二軸及び前記負方向軸を含む平面上に存在するように配置し、
    前記第1磁電変換素子及び第2磁電変換素子を前記平面上に存在する第1導体乃至第3導体の内の第1導体から互いに等距離であって且つ前記分岐点から等距離の位置に、第3磁電変換素子を第2導体を対称線として第2磁電変換素子と線対称となる位置であって且つ前記分岐点から等距離の位置に、第4磁電変換素子を第3導体を対称線として第3磁電変換素子と線対称となる位置であって且つ前記分岐点から等距離の位置に、それぞれ配置し、
    前記平面上に存在する第1導体乃至第3導体の各導体を挟む4つの磁電変換素子からの電気信号の差をとることにより第1導体乃至第4導体の各導体に流れる電流を検出することを特徴とする電流検出方法。
  12. 前記m個の磁電変換素子を、それぞれの感磁面が同一方向になるように配置することを特徴とする請求項7乃至請求項11のいずれか1項に記載の電流検出方法。
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