JP4060478B2 - 電子写真感光体及び電子写真感光体の製造方法 - Google Patents
電子写真感光体及び電子写真感光体の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電支持体上に電荷輸送層と電荷発生層とを積層した機能分離型電子写真感光体に関し、さらに詳細には優れた光感度と耐久性を有し、かつ、公害および衛生問題のない電子写真感光体とその製造方法に関するものである
【0002】
【従来の技術】
酸化亜鉛は樹脂結着剤との分散系の塗工法により普通紙電子写真感光体やエレクトロファックス紙等の安価、かつ、無毒な電子写真感光体として、かっては広く用いられた。しかしながら、本質的に2元系物質であるためプロセス中の劣化が激しく、また環境雰囲気に影響されるという欠点があった。酸化亜鉛は優れた光導電体であり、酸化亜鉛を単独で薄膜化させることにより上記の欠点を補った薄膜型感光体として応用できる可能性がある。
【0003】
酸化亜鉛は導電性支持体に対して結晶のC軸が平行な配向性を増すことにより光感度を増加させ帯電性を減少させることができる。また、C軸が垂直な配向性を増すことにより光感度を減少させ帯電性を増加させることができる。このことを利用して電子写真感光体に求められる機能を分離し、積層した構造の電子写真感光体とすることができる。特開昭59−194479号公報、特開昭60−111253号公報に記載されているように、スパッタリング法により酸化亜鉛薄膜を作製し電子写真特性を得ている。
【0004】
しかしながら、これらはアルゴンと酸素による成膜では十分な光感度を得ることができないとして、酸素ガスと水素または水酸化物ガスによって結晶配向性をコントロールしている。しかし、製造上、可燃性ガスと不燃性ガスを導入することは、これらのガスを爆発限界にコントロールする必要があり、取り扱いに注意しなければならない問題がある。また、これらにはどの程度結晶の配向性を制御すれば良いか規定されていなかった。
【0005】
一方、酸化亜鉛薄膜は波長380nmを中心とした短波長側に光感度を有している。従来、長波長側に感度を持たせる場合、物理増感、化学増感、色素増感などを施して長波長側に分光感度を持たせることが行われてきた。中でも特開昭59−136741号公報に示すように電荷発生層に優れた光導電材料であるアモルファスシリコンを用いたアモルファスシリコン/酸化亜鉛積層構造の電子写真感光体が得られている。
【0006】
しかし、この電子写真感光体に使われている酸化亜鉛は帯電性を得るため基板に対してC軸が垂直に配向している。そのため十分な感度は得られていない。
【0007】
酸化亜鉛薄膜の作製方法としてはスパッタリング法以外にAppl.Phys.Lett.,68,2439に記載されているような水溶液電解法よる作製方法がある。この方法は、溶液の硝酸亜鉛の濃度と印加する電位によって析出速度、結晶配向性が制御できる注目すべき方法である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は酸化亜鉛薄膜からなる電子写真感光体において、上記特開昭59−194479号公報や特開昭60−111253号公報により得られる感光体が形成されるときのような爆発限界で処理する必要がなく、また、結晶の配向性を明瞭にして十分な感度と帯電特性を得ること、さらにまた、アモルファスシリコン/酸化亜鉛積層型の電子写真感光体において、特開昭59−136741号公報に記載されている感光体のように帯電性のみに偏らず感度にも十分に配慮された酸化亜鉛薄膜を有する電子写真感光体を得ること、そしてこれらにより、耐久性で、かつ公害および衛生問題のない電子写真感光体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、第一に、導電性支持体上に電荷発生層および電荷輸送層を有する電子写真感光体において、上記電荷発生層および電荷輸送層が酸化亜鉛薄膜からなり、該酸化亜鉛薄膜は結晶のC軸が前記導電性支持体に対して垂直または平行な配向性を有し、また上記電荷発生層を形成する酸化亜鉛薄膜の結晶面に対応するX線回折強度のピークが(100)面/(002)面の比で1から400までの範囲で配向していることを特徴とする電子写真感光体が提供される。
【0010】
第二に、導電性支持体上に電荷発生層および電荷輸送層を有する電子写真感光体において、上記電荷発生層および電荷輸送層が酸化亜鉛薄膜からなり、該酸化亜鉛薄膜は結晶のC軸が上記導電性支持体に対して垂直または平行な配向性を有し、また上記電荷輸送層を形成する酸化亜鉛薄膜の結晶面に対応するX線回折強度のピークが(100)面/(002)面の比で100以上配向していることを特徴とする電子写真感光体が提供される。
【0011】
第三に、上記第一に記載した電子写真感光体において、上記電荷輸送層を形成する酸化亜鉛薄膜の結晶面に対応するX線回折強度のピークが(100)面/(002)面の比で100以上配向していることを特徴とする電子写真感光体が提供される。
【0012】
第四に、導電性支持体上にブロッキング層、電荷発生層および電荷輸送層を有する電子写真感光体において、上記ブロッキング層、電荷発生層および電荷輸送層が酸化亜鉛薄膜からなり、該酸化亜鉛薄膜は結晶のC軸が上記導電性支持体に対して垂直または平行な配向性を有し、また上記ブロッキング層を形成する酸化亜鉛薄膜の結晶面に対応するX線回折強度のピークが(100)面/(002)面の比で1未満配向し、かつ、上記電荷発生層を形成する酸化亜鉛薄膜の結晶面に対応するX線回折強度のピークが(100)面/(002)面の比で1から400までの範囲で、または1未満配向していることを特徴とする電子写真感光体が提供される。
【0013】
第五に、導電性支持体上にブロッキング層、電荷発生層および電荷輸送層を有する電子写真感光体において、前記ブロッキング層、電荷発生層および電荷輸送層が酸化亜鉛薄膜からなり、該酸化亜鉛薄膜は結晶のC軸が上記導電性支持体に対して垂直または平行な配向性を有し、また上記ブロッキング層を形成する酸化亜鉛薄膜の結晶面に対応するX線回折強度のピークが(100)面/(002)面の比で1から400までの範囲で配向し、かつ、上記電荷発生層を形成する酸化亜鉛薄膜の結晶面に対応するX線回折強度のピークが(100)面/(002)面の比で1から400までの範囲で配向していることを特徴とする電子写真感光体が提供される。
【0014】
第六に、上記第四または第五に記載した電子写真感光体において、上記電荷輸送層を形成する酸化亜鉛薄膜の結晶面に対応するX線回折強度のピークが(100)面/(002)面の比で100以上配向していることを特徴とする電子写真感光体が提供される。
【0015】
第七に、導電性支持体上にアモルファスシリコンの薄膜からなる電荷発生層および酸化亜鉛薄膜からなる電荷輸送層を有する電子写真感光体において、上記酸化亜鉛薄膜は結晶のC軸が前記導電性支持体に対して垂直または平行な配向性を有し、結晶面に対応するX線回折強度のピークが(100)面/(002)面の比で10以上に配向していることを特徴とする電子写真感光体が提供される。
【0016】
第八に、上記第一〜第七のいずれかに記載した電子写真感光体を構成する酸化亜鉛薄膜をスパッタリング法において酸素とアルゴンの流量比により結晶配向性を制御して形成することを特徴とする電子写真感光体の製造方法が提供される。
【0017】
第九に、上記第一〜第七のいずれかに記載した電子写真感光体を構成する酸化亜鉛薄膜を硝酸亜鉛を水溶液電解することにより形成することを特徴とする電子写真感光体の製造方法が提供される。
【0018】
第十に、上記第一〜第七のいずれかに記載した電子写真感光体を構成する酸化亜鉛薄膜を硝酸亜鉛のスプレー熱分解法により形成することを特徴とする電子写真感光体の製造方法が提供される。
【0019】
第十一に、上記第八〜第十のいずれかに記載した電子写真感光体の製造方法において、Cu、Li、Mnのいずれかを添加して製造することを特徴とする電子写真感光体の製造方法が提供される。
【0020】
以下に本発明を詳細に説明する。
上述のように本発明は導電性支持体上の電荷発生層および電荷輸送層がそれぞれ酸化亜鉛薄膜からなる機能分離型電子写真感光体において、あるいはまた導電性支持体上のブロッキング層、電荷発生層および電荷輸送層がそれぞれ酸化亜鉛薄膜からなる機能分離型電子写真感光体において、各酸化亜鉛薄膜の結晶配向性をX線回折法により規定することにより、電荷発生層および電荷輸送層にそれぞれ求められる機能を十分に充たす感光体を得たものである。
【0021】
また本発明は、電荷発生層にアモルファスシリコンを用い、電荷輸送層に酸化亜鉛を用いた機能分離型電子写真感光体において、電荷輸送層を構成する酸化亜鉛薄膜の結晶配向性をX線回折法により規定することにより、特に電荷輸送特性と帯電特性に優れた感光体を得たものである。
【0022】
さらにまた、これらの酸化亜鉛薄膜を従来困難とされて来たスパッタリング法による酸素とアルゴンの流量比により結晶配向性を制御することにより、高抵抗、かつ、光照射に伴う光感度の高い感光層を再現性よく作製できること、また、ブロッキング特性の良い電子写真感光体が得られることを見出した。また、これらの酸化亜鉛薄膜を硝酸亜鉛の水溶液電解法によって、あるいは硝酸亜鉛のスプレー熱分解法により製造することにより酸化亜鉛薄膜を安価に得られることが分かった。
【0023】
【実施例】
以下実施例により本発明を詳細に説明する。
【0024】
〔実施例1〕
温度および湿度が一定に制御され、十分に清浄化された部屋に設置された、図3に示す一般的なスパッタリング装置を用いて本発明の電子写真感光体を作製することができる。まず、表面が清浄化された導電性支持体を基板10として、スパッタリング蒸着槽11内に加熱ヒータ12と熱電対を内蔵した基板ホルダー13上に固定する。基板10と対向した電極上には酸化亜鉛ターゲット14が基板と平行に設置される。基板l0と酸化亜鉛ターゲット14の間には高周波電源15によって高周波が印加されるようになっている。また、蒸着槽11はボンベ16、17が各々流量調整バルブ18、19、フローメータ20、21、ニードルバルブ22、23、24を介して接続され、ボンベ16、17より必要に応じて蒸着槽11内にガスが導入される。
【0025】
なお、本発明において使用される導電性支持体は少なくとも表面が導伝処理されていればよい。例えば、ステンレス、Al、Cr、Ni、Cu、Zn、Mo、Ag、In、Sn、Pb、Pd、Pt等の金属またはこれらの合金であってもよい。また、ガラスやセラミックス等の絶縁物の表面上にIn2O3、SnO2、ITO、Al、Ag、Au等の合金あるいは金属をコートした透明もしくは不透明な導電性支持体を用いてもよい。さらに、場合によっては耐熱性を有するポリイミドフィルム等の合成樹脂フィルム表面上に上記導電処理を行い、これを基板とすることもできる。
【0026】
図3の装置を用いて基板10上に感光層を作製するには、まず、蒸着槽11内を適当な排気装置を用いてメインバルブ25を開いて10-5Pa程度まで真空にし、併せてガス導入系も十分に真空する。次に基板ホルダーの加熱ヒータに通電する。基板の加熱温度は通常50〜400℃であるが、100℃〜300℃の間が好ましい。この基板温度は酸化亜鉛感光層の物性を決定する要素であるので十分な制御が必要である。
【0027】
次に基板10が所定の温度に加熱されたことを検知した後、メインバルブ25、ニードルバルブ24、22、23を全開にする。次いでメインバルブ25を調整しながらボンベ16より、酸素ガスを蒸着槽11内に所定の真空度まで導入し、その真空度を保つ。続いて、ボンベ17よりアルゴンガスを蒸着槽11内に所定の真空度まで導入し、その真空度を保つ。この場合の酸素およびアルゴンガスの蒸着槽11内への流量は,所望する物性の酸化亜鉛感光体が形成されるように適宜決定される。例えば、蒸着槽11内のアルゴンと酸素の混合ガスの圧力は真空度で通常は、10-1〜102Paであった。
【0028】
アルゴンガスはヘリウムガスなどに変えることもできる。蒸着槽11内にボンベ16、17より、所定の真空度になるまでアルゴンガスおよび酸素ガスが導入された後,高周波電源15より所定の周波数および電圧で基板10と酸化亜鉛ターゲット14間に高周波を印加して放電させ、生じた酸素/アルゴンイオンで酸化亜鉛ターゲット14をスパッタリングし基板10に酸化亜鉛膜を形成する。
【0029】
以下に示す条件下で酸化亜鉛薄膜からなる電子写真感光体を作製した。
ターゲット :加圧成型された焼結酸化亜鉛ターゲット
導入ガス :高純度酸素ガス、高純度アルゴンガス
反応室の圧力 :5.0×10-1Pa
全流量 :10SCCM
高周波電力密度 :1.5W/cm2
基板温度 :200℃
膜厚 :8μm
【0030】
酸化亜鉛の配向性を制御するには、酸素とアルゴンの流量比を変化させて行った。また、結晶配向性はX線回折法を用い、場合により電子顕微鏡を用いて評価した。酸化亜鉛の結晶構造は図5に示すような六方格子の結晶構造であり、上記の評価によると本発明で作製した酸化亜鉛膜は図5に示すような結晶の集合体である多結晶膜であった。さらに、X線回折ピークは鋭く、この多結晶膜は緻密で配向性の良い膜であった。図5に示すように六方格子の面指数は(hkil)で示してあるが、簡易的に(hkl)と表わすことができ、本文では(hkl)で示してある。例を挙げると(0001)は(001)、(1010)は(100)となり、さらに(100)、(200)、(400)面の関係は結晶学的に等価である。図6に模式的に示した酸化亜鉛の結晶の向きとそのX線回折の実験データ例を示す。図6に示すようにX線回折法において、酸化亜鉛の(002)面または(004)面に対するピーク強度の大きさは、支持体に対してC軸が垂直に配向している程度を表わしている。また、(400)、(110)、(101)面等に対応するピークの大きさは、支持体に対しC軸が平行に配向している程度を表わしている。
【0031】
このX線回折法で得られた実験結果をもとに結晶配向性を示す指標として、(100)面/(002)面比(結晶配向度)を以後用いる。この値が0であれば支持体に対してC軸が垂直の配向を示し、無限大に近づけば近づくほど支持体に対してC軸が平行の配向を示す。本発明で得られたアルゴン/酸素流量比による結晶配向性の測定結果を図1に示す。スパッタガスは酸素のみの場合、アルゴン/酸素流量比を変化させた場合、アルゴンのみの場合と流量比を変化させ成膜した。結晶配向性は、酸素のみのとき、基板に対してC軸が垂直の配向性を示した。アルゴン流量比の増加に従いC軸が垂直に優性配向した状態から、C軸が平行に優性配向している極大値をもち、アルゴンのみになるとC軸が垂直の配向が優性となる。このようにアルゴン/酸素流量比で酸化亜鉛の結晶配向性を制御することができた。また、成膜時の電力を2W/cm2と条件を変えて、酸化亜鉛を作製すると結晶配向性度の極大値の位置は、アルゴン/酸素流量比の小さい方に移動した。
【0032】
図1に示したアルゴン/酸素流量比を制御することによって作製した酸化亜鉛膜の1μm当たりの帯電電位と光感度を測定した結果を図7に示す。帯電は−6KVのコロナチャージャーによって行ない、電位は表面電位計にて測定し、酸化亜鉛膜の1μm当たりの電位を示したものである。また、光感度は波長400nm、10μW/cm2の光を照射し、電位の減衰dV/dtを測定し酸化亜鉛膜の厚さ1μm当たりの電位減衰に換算したものである。1μm当たりの帯電電位と光感度が変化していることが分かる。次に電力1.5W/cm2で作製した酸化亜鉛膜の1μm当たりの帯電電位、光感度と結晶配向性の関係を図2に示す。また、図には示してないが分光感度は波長380nmをピークとする一般的な酸化亜鉛の分光感度を示した。アルゴン/酸素流量比によって結晶配向性を制御し、作製した酸化亜鉛膜の結晶配向度が1未満のときについて説明する。酸素のみで作製した膜は、基板に対してC軸が垂直の優性配向を示し、lμm当たり60V程度の帯電電位と数V/secの光感度が測定された。この特性はキャリアの移動が余り速くないため、発生したキャリアの移動が遅く、そのため光感度が小さくなったと考えられる。結晶配向度が1未満の範囲内で、アルゴン/酸素流量比を変化させ、酸素リッチの成膜条件では、若干、帯電電位の減少が確認され、光感度が増加した。酸素のみの場合と比較して特性的には同等であった。この結晶配向度が1未満の条件で電子写真感光体として使用するにはブロッキング層が好ましく、また、光感度を有することから、あるいは電荷発生層としても使用することができる。ただし、結晶配向度が1未満の範囲内であっても、アルゴン/酸素流量比のアルゴンリッチまたはアルゴンのみで作製した酸化亜鉛膜は、基板に対してC軸が垂直な優性配向を示したが、電位を載せることはできなかった。この膜は帯電性は無く、光感度を有していないので感光層として使用するには適していない。詳細は明らかでないが、特開昭59−194479号公報に記載されているようにスパッタリング法においてアルゴンのみの成膜では、酸化亜鉛の元素構成比が亜鉛過剰となり、感光体として使用できないことが報告されている。感光体として使用するためにスパッタリング法においてアルゴン/酸素流量比によって作製する酸化亜鉛膜では、作製した酸化亜鉛膜の結晶配向度が1未満のとき、成膜ガスとして少なくとも酸素が存在することが必要である。
【0033】
アルゴン/酸素流量比によって結晶配向度が1を越え400までの範囲で使用すると、帯電電位はlμmあたり5V〜60V程度、光感度は5V/sec〜30V/sec程度と良好な特性を示した。電荷の発生と発生したキャリアの移動バランスが良好であり、電荷発生層に適した膜を作製することができた。また、好ましくは結晶配向度が10を越え100までの範囲で使用すると、帯電電位はlμmあたり、およそ30V〜55V程度、光感度はおよそ15V/sec〜30V/sec程度と帯電性、かつ、光感度のある電荷発生層として最適な膜を作製することができた。帯電性が高いのは発生したキャリアの移動が遅いためであり、このことから電荷阻止性も高いため、求められている特性によってはブロッキング層にも使用することができる。結晶配向度が100を越えると帯電電位、光感度ともに減少し始めた。これは基板に対して酸化亜鉛の結晶面がC軸が平行な配向が優性になりキャリアのモビリティが増加したためである。さらに400を越えると帯電電位が減少し、さらにキャリアのモビリティは増加した。このときのモビリティを測定した結果によると10-3cm2/Vsec程度の高いモビリティとなった。
【0034】
帯電電位を高く感光層を設計したい場合など、電荷輸送層にも帯電電位保持特性が必要になる場合、ある程度の帯電性を有し、モビリティの高い電荷輸送層を得るためには、結晶配向度が100以上の膜が適している。また、帯電性よりも電荷輸送特性を優先させたい場合には、結晶配向度400以上の膜が適している。成膜時の電力条件を変えて、酸化亜鉛膜を作製すると結晶配向性度の極大値の位置は変化するが、前述の結晶配向度と電子写真特性の間には変化はなかった。さらにCu、Li、Mnを添加したものは良好な光感度を得ることができた。
【0035】
以上のことから、図8に実験から得られた結晶配向度と帯電性および光感度の関係を示す。感光体として使用するためにスパッタリング法においてアルゴン/酸素流量比によって作製する酸化亜鉛膜では、作製した酸化亜鉛膜の結晶配向度が1未満のとき、成膜ガスとして少なくとも酸素が存在し、酸素がリッチな条件のとき、ブロッキング層として使用でき、求められている特性によっては電荷発生層として優れた特性を示した。帯電電位と光感度が必要な電荷発生層には結晶配向度1から400迄の範囲、好ましくは10から100の範囲で使用することで電子写真感光体として優れた特性を示した。また、電荷輸送層においては,結晶配向度100以上で使用すると優れた特性を示した。例えば、これらの酸化亜鉛膜は、感光体として以下のような組み合わせで使用することができる。導電性支持体に対して、ブロッキング層、電荷発生層、電荷輸送層を順次積層して3層構成で使用する。この場合、酸化亜鉛膜の積層はアルゴン/酸素流量比を変化させることにより行った。ブロッキング層には、結晶配向度1未満の酸化亜鉛膜、求められている特性によっては、1から400の範囲内、電荷発生層には1から400、求められている特性によっては1未満、電荷輸送層には100以上で使用する。本発明の電荷発生層に適した条件は、電荷保持特性が良いため、電荷阻止層としても使用することが可能なため、電荷発生層がブロッキング層の機能も果たすことができる。従って電荷発生層がブロッキング層を兼ねた2層構成で使用することも可能である。また、導電性支持体に対してブロッキング層、電荷輸送層、電荷発生層を順次積層して3層構成で使用することもできる。この場合も同様に、酸化亜鉛膜の積層はアルゴン/酸素流量比を変化させることにより行った。ブロッキング層には結晶配向度1未満の酸化亜鉛膜、求められている特性によっては1から400の範囲内、電荷輸送層には100以上、電荷発生層には1から400、求められている特性によっては1未満で使用する。帯電電位、光感度は、ブロッキング層、電荷発生層と電荷輸送層の、上述のような積層の選択と、それぞれの層の膜厚で任意の値に設計することが可能である。また、上記いずれの積層方法においても、酸化亜鉛感光体を作製して動作させたところ、解像度の極めて高い鮮明な画像が得られた。成膜時の電力条件を変えて、酸化亜鉛膜を作製すると結晶配向度の極大値は変化するが、前述の結晶配向度と電子写真特性の間には変化はなかった。さらにCu、Li、Mnを添加したものは良好な光感度を得ることができた。
【0036】
〔実施例2〕
実施例1で使用した装置を用い、実施例1と同様な方法で結晶配向性が結晶配向度10以上で酸化亜鉛感光層を導電性支持体上に作製した。その後、a−Si膜を特開昭59−136741号公報に示すようなスパッタリング法を用いて2μm程度成膜した。作製方法はスパッタリングの他にグロー放電法、蒸着法、イオンプレーティング法などを用いても良い。
帯電電位は、酸化亜鉛の膜厚でコントロールした。しかし、成膜ガスが酸素ガスのみで結晶配向度が1未満のC軸が垂直な配向のみの場合、帯電電位は高いが感度が小さい。また、電荷輸送層としては感度が高い方がよいが帯電電位も高く取りたい場合、膜厚だけで設計するのではなく、電荷輸送層自体も帯電性を有していた方がよい。そこで結晶配向度が10以上であれば帯電能と感度の両方を持った特性となるので、その条件で膜を作製し、さらに好ましくは結晶配向度が100以上の条件であれば電荷輸送のためのモビリティが高いので感光体の感度をさらに向上させることができる。また、電荷発生層にアモルファスシリコンを使用しているので、分光感度は波長700nm程度まで長波長側まで対応できるようになった。上記の感光体を作製して動作させたところ、解像度が極めて高い鮮明な画像が得られた。
【0037】
〔実施例3〕
図4に酸化亜鉛膜を水溶液電解により作製する装置を示す。電解液の容器31はその外側に任意の温度制御用液体32(例えば水)を流すことで温度計33により50℃前後に制御した。電解液には硝酸亜鉛を用い、0.5mol/L以下の濃度で撹伴器34によって一様に撹伴され、濃度制御器35によって液組成とpHを常に一定に制御した。電圧計38、電流計39でモニターしながら直流電源40により電圧を印加し可変抵抗41で任意の電圧、電流を制御した。酸化亜鉛膜は導電支持体36上に陰極析出によって成膜され、陽極37には亜鉛板を用いた。
このようにして硝酸亜鉛溶液中で陰極に流れる電流、電位によって結晶配向性を制御して作製した酸化亜鉛薄膜は、実施例1の装置を用いて作製した膜と同等の帯電/光感度特性を示した。さらにCu、Li、Mnを含んだ溶液を添加することによって実施例1のように良好な光感度を得ることができた。スパッタリング法で作製した酸化亜鉛膜と比較して,成膜装置が簡単で安価な水溶液電解法により電子写真感光体を製造することができた。
【0038】
〔実施例4〕
実施例3に記載の溶液を使用し、スプレー熱分解法により酸化亜鉛膜を作製した。溶液の硝酸亜鉛の濃度とスプレーの流速、基板温度によって析出速度、結晶配向性が制御できることから、上記請求項1〜4で規定した結晶配向性を得ることができた。作製方法は、まず、洗浄した導電性支持体、例えばアルミニウム基板をスプレー熱分解法の成膜装置の基板ホルダーに支持した。使用した溶液は硝酸亜鉛水溶液(亜鉛濃度=0.5mol%)を2流体式スプレーガンにより、吐出量を15ml/min程度に設定した。酸素ガス流量を500SCCMとし、酸素雰囲気中で基板加熱を行ない、基板温度の設定を400℃とし、基板温度が安定した状態で、前述の溶液を用いてスプレー熱分解法により酸化亜鉛膜を形成した。ただし、スプレーによる基板温度の低下を防止するためにスプレーは間欠的に行った。このようにして溶液の硝酸亜鉛の濃度とスプレーの速度、基板温度によって結晶配向性を制御して作製した酸化亜鉛膜は実施例1の装置を用いて作製した膜と同等の帯電/光感度特性を示した。さらにCu、Li、Mnを含んだ溶液を添加することによって実施例1のように良好な光感度を得ることができた。スパッタリング法で作製した酸化亜鉛膜と比較して成膜装置が簡単で安価なスプレー熱分解法により電子写真感光体を製造することができた。
【0039】
【発明の効果】
以上のように、第一の電子写真感光体は、導電性支持体上に電荷発生層および電荷輸送層を有する電子写真感光体において、上記電荷発生層および電荷輸送層が酸化亜鉛薄膜からなり、該酸化亜鉛薄膜は結晶のC軸が上記導電性支持体に対して垂直または平行な配向性を有し、また上記電荷発生層を形成する酸化亜鉛薄膜の結晶面に対応するX線回折強度のピークが(100)面/(002)面の比で1から400までの範囲で配向させたもので、これによれば帯電性および電荷注入阻止性の高い膜が得られ、この膜を電荷発生層兼ブロッキング層とする積層型電子写真感光体を形成することができる。
【0040】
第二の電子写真感光体は、導電性支持体上に電荷発生層および電荷輸送層を有する電子写真感光体において、上記電荷発生層および電荷輸送層が酸化亜鉛薄膜からなり、該酸化亜鉛薄膜は結晶のC軸が上記導電性支持体に対して垂直または平行な配向性を有し、また上記電荷輸送層を形成する酸化亜鉛薄膜の結晶面に対応するX線回折強度のピークが(100)面/(002)面の比で100以上配向させたもので、これによれば電荷輸送効果の高い膜が得られ、この膜を電荷輸送層とする積層型電子写真感光体を形成することができる。
【0041】
第三の電子写真感光体は、上記第一の感光体において、電荷輸送層を形成する酸化亜鉛薄膜の結晶面に対応するX線回折強度のピークが(100)面/(002)面の比で100以上配向させたもので、これによれば上記第一の電子写真感光体に記載の帯電性および電荷注入阻止性の高い電荷発生層に加え、この電荷輸送効果の高い膜を電荷輸送層とする積層型電子写真感光体を形成することができる。
【0042】
第四〜第六の電子写真感光体は、上記第一〜第三の電子写真感光体が電荷発生層兼ブロッキング層および電荷輸送層が各々酸化亜鉛膜からなる2層構成の機能分離型電子写真感光体であるのに対して、ブロッキング層、電荷発生層および電荷輸送層が各々酸化亜鉛膜からなる3層構成の機能分離型電子写真感光体であって、該ブロッキング層の結晶配向度を1未満とし、該電荷発生層および電荷輸送層の結晶配向度を上記第一〜第三の電子写真感光体と同様に規定したもので、これによれば電荷阻止性が高く、解像度の極めて高い鮮明な画像を有する電子写真感光体を得ることができる。
【0043】
第七の電子写真感光体は、導電性支持体上にアモルファスシリコンの薄膜からなる電荷発生層および酸化亜鉛薄膜からなる電荷輸送層を有する電子写真感光体において、前記酸化亜鉛薄膜は結晶のC軸が前記導電性支持体に対して垂直または平行な配向性を有し、結晶面に対応するX線回折強度のピークが(100)面/(002)面の比で10以上に配向させたもので、これによれば電荷輸送効果と帯電特性の高い感光体が得られる。
【0044】
第八の電子写真感光体の製造方法は、上記電子写真感光体を構成する酸化亜鉛薄膜をスパッタリング法において酸素とアルゴンの流量比により結晶配向性を制御して形成するもので、これによれば高抵抗で、かつ、光照射に伴う光感度の高い感光層を再現性よく作製することができる。
【0045】
第九の電子写真感光体の製造方法は、上記電子写真感光体を構成する酸化亜鉛薄膜を硝酸亜鉛を水溶液電解することにより形成するもので、これによればスパッタで作製した膜同様、結晶配向性を制御して製造することにより帯電性および光感度の良好な電子写真用感光体を低コストで作製することができる。
【0046】
第十の電子写真感光体の製造方法は、上記電子写真感光体を構成する酸化亜鉛薄膜を硝酸亜鉛のスプレー熱分解法により形成するもので、これによれば上記硝酸亜鉛を水溶液電解と同様、帯電性および光感度の良好な電子写真用感光体を低コストで作製することができる。
【0047】
第十一の電子写真感光体の製造方法は、酸化亜鉛膜を上記スパッタリング法、硝酸亜鉛の水溶液電解法、硝酸亜鉛のスプレー熱分解法のいずれかの製造法において、Cu、Li、Mnのいずれかを添加して行なうものであり、これによればさらに光感度の良好な電子写真感光体を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スパッタリングにおける酸素/アルゴン流量比と形成される酸化亜鉛薄膜の結晶配向性との関係を測定した結果を示す図。
【図2】スパッタリングにおける酸素/アルゴン流量比と形成される酸化亜鉛薄膜の帯電電位および光感度を測定した結果を示す図。
【図3】スパッタリング装置の一例を示す説明図。
【図4】水溶液電解装置の一例を示す説明図。
【図5】酸化亜鉛の結晶構造を示す図。
【図6】(a)、(b)はそれぞれ酸化亜鉛の結晶の向きを示し、(a’)、(b’)はそのX線回折の実験データ例を示す図。
【図7】酸化亜鉛膜の1μm当たりの帯電電位と光感度を測定した結果を示す図。
【図8】結晶配向度と帯電性および光感度の関係を示す図。
【符号の説明】
10 基板
11 蒸着槽
12 加熱ヒータ
13 基板ホルダー
14 ターゲット
15 高周波電源
16、17 ボンベ
18、19流量調整バルブ
21 フローメータ
23、24 ニードルバルブ
25 メインバルブ
31 電解液の容器
32 温度制御用液体
33 温度計
34 撹伴器
35 濃度制御器
Claims (8)
- 導電性支持体上に電荷発生層(ブロッキング層を兼ねる。以下同じ。)および電荷輸送層を有する電子写真感光体において、前記電荷発生層および電荷輸送層が酸化亜鉛薄膜からなり、該酸化亜鉛薄膜は結晶のC軸が前記導電性支持体に対して垂直または平行な配向性を有し、また前記電荷発生層を形成する酸化亜鉛薄膜の結晶面に対応するX線回折強度のピークが(100)面/(002)面の比で1から400までの範囲で配向し、電荷輸送層を形成する酸化亜鉛薄膜の結晶面に対応するX線回折強度のピークが(100)面/(002)面の比で100以上配向していることを特徴とする電子写真感光体。
- 導電性支持体上にブロッキング層、電荷発生層および電荷輸送層を有する電子写真感光体において、前記ブロッキング層、電荷発生層および電荷輸送層が酸化亜鉛薄膜からなり、該酸化亜鉛薄膜は結晶のC軸が前記導電性支持体に対して垂直または平行な配向性を有し、また前記ブロッキング層を形成する酸化亜鉛薄膜の結晶面に対応するX線回折強度のピークが(100)面/(002)面の比で1から400までの範囲で配向し、かつ、前記電荷発生層を形成する酸化亜鉛薄膜の結晶面に対応するX線回折強度のピークが(100)面/(002)面の比で1から400までの範囲で配向していることを特徴とする電子写真感光体。
- 請求項2に記載の電子写真感光体において、前記電荷輸送層を形成する酸化亜鉛薄膜の結晶面に対応するX線回折強度のピークが(100)面/(002)面の比で100以上配向していることを特徴とする電子写真感光体。
- 導電性支持体上にブロッキング層、電荷発生層および電荷輸送層を有する電子写真感光体において、前記ブロッキング層、電荷発生層および電荷輸送層が酸化亜鉛薄膜からなり、該酸化亜鉛薄膜は結晶のC軸が前記導電性支持体に対して垂直または平行な配向性を有し、また前記ブロッキング層を形成する酸化亜鉛薄膜の結晶面に対応するX線回折強度のピークが(100)面/(002)面の比で1未満配向し、かつ、前記電荷発生層を形成する酸化亜鉛薄膜の結晶面に対応するX線回折強度のピークが(100)面/(002)面の比で1から400までの範囲で、または1未満配向し、前記電荷輸送層を形成する酸化亜鉛薄膜の結晶面に対応するX線回折強度のピークが(100)面/(002)面の比で100以上配向していることを特徴とする電子写真感光体。
- 請求項1〜4のいずれかに記載する電子写真感光体を構成する酸化亜鉛薄膜をスパッタリング法において酸素とアルゴンの流量比により結晶配向性を制御して形成することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載する電子写真感光体を構成する酸化亜鉛薄膜を硝酸亜鉛を水溶液電解することにより形成することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載する電子写真感光体を構成する酸化亜鉛薄膜を硝酸亜鉛のスプレー熱分解法により形成することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
- 請求項5〜7のいずれかに記載する電子写真感光体の製造方法において、Cu、Li、Mnのいずれかを添加して製造することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
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