JP4059661B2 - 医療器具ガイド装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内視鏡によって病変部の観察や処置を行うための内視鏡下処置装置で使用される医療器具ガイド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内視鏡の観察下で、体腔内の病変部を処置具によって処置する内視鏡下処置装置が従来から知られている。この内視鏡下処置装置では、術者は内視鏡の視野まで処置具を誘導する必要がある。特に、脳神経外科の場合では、内視鏡や処置具は体表面に開口した深い穴状の術部に挿入して使用する。このとき、術者は処置具先端部を直視によって確認しながら慎重に処置具の挿入操作を行う必要がある。
【0003】
また、この種の内視鏡下処置装置に関する従来技術には、例えば、内視鏡または処置具をクランク形状にし、術者が挿入中の処置具先端部を直視しやすくするものがある。
【0004】
さらに、公知のシースや、公知である内視鏡に設けられた処置具挿入用のチャンネルなどのように処置具挿入管路を設け、この処置具挿入管路内に処置具を挿入することにより、処置具の挿入作業を容易にするものも知られている。
【0005】
また、例えば特開2000−166936号公報には、処置具とシースを組み合せて使用する装置が示されている。ここでは、シースの処置具挿入管路によって処置具を誘導することにより、処置具による処置範囲の自由度を拡大するとともに、処置範囲も広くする技術が示されている。
【0006】
また、特開平10−295626号公報には、2つのブレードを備えた開創器の一方のブレードの中に内視鏡を設け、2つのブレード間に処置具の挿入スペースを設ける構成が示されている。さらに、特開平5−307143号公報には、ガイドチューブを用いた処置具ガイドが示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、内視鏡または処置具をクランク形状にする例では、術者によって挿入中の処置具を確認することは容易になるが、処置具の挿入操作自体は、術者の技量に頼る点では改善がみられない。そのため、依然術者は処置具を慎重に挿入操作しなければならないので、特に長時間に及ぶ手術においては、術者の疲労の原因となり、如いては手術自体の効率を下げるおそれがある。
【0008】
また、シースのように処置具挿入管路がある場合では、処置具を体腔外から体腔内の内視鏡視野内まで容易に誘導可能である。しかしながら、この場合には処置具をシースの処置具挿入管路の軸方向に沿って真っ直ぐ前方にしか操作することができないため、処置能力に限界がある。
【0009】
また、特開2000−166936号公報のように処置具とシースを組み合せて使用する場合には、処置具をシースの処置具挿入管路によって容易に誘導でき、処置範囲も広くなる。しかしながら、この場合には装置が大型化、複雑化し、処置の操作も複雑なものとなるので、装置が高価になり、処置具の操作も煩雑になるという問題がある。
【0010】
さらに、特開平10−295626号公報では、開創器自体が、処置具の操作空間を狭くするという問題があり、また、体腔内に圧排できないような神経組織や血管組織などの体組織が存在する場合には使用できない。
【0011】
また、特開平5−307143号公報のようにガイドチューブを用いた場合、医療行為を行いたい被検体の部位において、処置具の動作がチューブの先端開口部により制限される。さらに、処置具の手元操作部がチューブの基端開口部により移動が制限されてしまい、術者が所望とする使用状態で処置具を使用することが困難な状態が生じる。つまり、従来においては、医療行為を行いたい部位において、処置具を操作する際の自由度が大幅に制限された状態となっている。
【0012】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、処置具の使用状態を改善し、処置具の機能部(例えば、把持鉗子、生検鉗子、生検ブラシ、超音波プローブ等)の操作を安定、且つ、容易に行うことができる医療器具ガイド装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、所定の長さを有し、一端側に体内に挿入される挿入端部、他端側に体外で保持される非挿入端部がそれぞれ設けられ、被検体に対して医療行為を行う対象部位の近傍に前記挿入端部が配置可能な医療器具ガイドと、前記医療器具ガイドの外周面に前記医療器具ガイドの長さ方向に沿って延設され、医療行為を行うための医療機能部を有する医療器具を前記被検体における前記医療行為の対象部位の近傍に誘導する誘導手段とを具備し、前記誘導手段は、前記医療器具ガイドの前記非挿入端部側にガイド始端部、前記医療器具ガイドの前記挿入端部側にガイド終端部がそれぞれ配置され、かつ前記ガイド始端部と前記ガイド終端部との間では前記医療器具を係合させた状態で保持し、前記ガイド終端部で前記医療器具と前記医療器具ガイドとの係合を解除して前記医療器具ガイドに対して前記医療器具を離脱させることを特徴とする医療器具ガイド装置である。
【0014】
請求項2の発明は、前記医療器具は、前記医療機能部の近傍に前記誘導手段と係脱可能に係合する係合手段を有することを特徴とする請求項1に記載の医療器具ガイド装置である。
【0015】
請求項3の発明は、前記医療器具ガイドは、前記医療器具と異なる他の医療器具を挿入可能な外套管を有し、この外套管の外周面に前記外套管の軸線方向に沿って前記誘導手段が延出されていることを特徴とする請求項1に記載の医療器具ガイド装置である。
請求項4の発明は、前記誘導手段は、着磁可能な材料からなり、前記係合手段は磁性体からなることを特徴とする請求項1に記載の医療器具ガイド装置である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を図1乃至図3(A),(B)を参照して説明する。図1は本実施の形態の医療器具ガイド装置が組み込まれた内視鏡下処置装置1を使用して手術台2上の患者Hの頭部H1を外科手術している状態を示すものである。
【0017】
この内視鏡下処置装置1には図2に示すように術部を確認するための内視鏡3が設けられている。この内視鏡3は基端部が手術台2に固定された多関節構造の保持アーム4の先端部に取付けられている。
【0018】
また、内視鏡3には細長い直管状の硬質な挿入部3aの基端部に接眼部3bが配設されている。この接眼部3bには、例えばCCDカメラなどのテレビカメラヘッド5が装着されている。さらに、テレビカメラヘッド5は映像処理装置であるコントローラ6を介してモニタ7に接続されている。
【0019】
また、患者Hの頭部H1には予め穴H2が開けられている。そして、保持アーム4によって保持されている内視鏡3は、患者Hの頭部H1の穴H2を介して頭部H1の中に挿入されている。さらに、内視鏡3によって観察される頭部H1の中の病変部H3の光学像は接眼部3bのテレビカメラヘッド5によって撮像され、このときテレビカメラヘッド5によって撮像される内視鏡像はモニタ7に伝送されてモニタ7に表示可能になっている。そして、術者はモニタ7に映し出される内視鏡3の観察像によって病変部H3を観察することができるようになっている。
【0020】
また、内視鏡3の挿入部3aの外周面には接眼部3b側の端部に例えば雄ねじ状のシース取付部3cが形成されている。このシース取付部3cには管形状のシース(医療器具ガイド)8が装着されている。このシース8の外周面には図3(A)に示すように断面形状が略円形状のレール部(誘導手段)9がシース8の長さ方向に沿って延設されている。
【0021】
さらに、このシース8の基端部には内視鏡3のシース取付部3cの雄ねじ部と螺合するねじ穴部8aが形成されている。そして、このシース8の内部に内視鏡3の挿入部3aが挿入された状態で、内視鏡3のシース取付部3cの雄ねじ部がシース8のねじ穴部8aに螺着されることにより、内視鏡3にシース8が取付けられている。
【0022】
また、シース8のレール部9にはねじ穴部8a側の端部に傾斜面状の挿入端部9aが形成されている。さらに、このレール部9の他端部のレール終端部9bは、内視鏡3の先端部が突出する内視鏡突出端部の近傍に配置されている。そして、このレール終端部9bによって本実施形態の係合開放部が形成されている。
【0023】
また、内視鏡下処置装置1では体腔内の病変部H3を処置する処置具(医療器具)10が内視鏡3とともに使用される。この処置具10には細長い軸部11の一端部に術者が把持する把持部12、他端部に病変部H3を処置する処置部(医療機能部)13がそれぞれ配設されている。
【0024】
さらに、処置具10の軸部11には処置部13側の端部の外周面に略C字状のC型突起部(係合手段)14が突設されている。このC型突起部14はシース8のレール部9に係脱可能に係合されるようになっている。ここで、図3(A)に示すレール部9の幅L1と、図3(B)に示すC型突起部14の開口部14aの幅L2との関係はL2<L1となるように夫々の寸法が設定されている。
【0025】
次に、本実施の形態の医療器具ガイド装置の作用について説明する。ここでは、上記構成の内視鏡下処置装置1を使用して手術台2上の患者Hの頭部H1の外科手術を行う際の作用について説明する。まず、内視鏡3は、患者Hの頭部H1に開けた穴H2を介して頭の中に挿入される。そして、所望の位置で保持アーム4によって固定される。この作業中、術者はモニタ7に映し出される内視鏡3の観察像によって病変部H3を観察することができる。このとき、レール部9の挿入端部9aは患者の体腔外にあり、レール終端部9bは体腔内にある。
【0026】
その後、処置具10を病変部H3に挿入する。この場合、図2に示すように、術者が処置具10のC型突起部14をシース8のレール部9の挿入端部9aに挿入して係合させる。このとき、C型突起部14の開口部14aの幅L2とレール部9の幅L1の関係がL2<L1に設定されていることにより、処置具10のC型突起部14がシース8のレール部9に一度係合されると、C型突起部14はレール部9に沿ってのみ移動可能になる。すなわち、術者は処置具10をシース8の軸方向に沿わせて病変部H3の方向へと誘導可能となり、かつ誘導途中において処置具10がシース8から離脱することもない。
【0027】
また、処置具10のC型突起部14が、レール部9のレール終端部9bまで誘導されると、C型突起部14とレール部9の係合は自然に離脱される。ここで、レール終端部9bを内視鏡3の先端部の近傍に配設したことによって、処置具10の処置部13は内視鏡3の視野の近傍で離脱される。
【0028】
そこで、上記構成の本実施の形態の医療器具ガイド装置にあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の医療器具ガイド装置ではシース8のレール部9に処置具10のC型突起部14を係脱可能に係合させることにより、このレール部9によって処置具10の処置部13をシース8の長さ方向に沿って患者の体腔外から体腔内の病変部H3の近傍位置まで簡単に誘導できる。そのため、内視鏡3によって観察される体腔内の病変部H3に処置具10を挿入し、かつ処置操作を行う際の、処置具10の挿入操作を従来に比べて簡単に行うことができるので、処置具10の使用状態を改善し、処置具10の処置部13の操作を安定、且つ、容易に行うことができる。その結果、内視鏡下処置装置1による手術の作業時間と術者の疲労軽減を図ることができ、如いては手術の効率を上げることができる。
【0029】
また、本実施の形態の医療器具ガイド装置ではシース8にレール部9を設け、既存の内視鏡3に本実施の形態のシース8を取り付けるだけで、小型で安価な処置具ガイド装置を簡単に提供できるので、安価に実施可能であるという効果もある。
【0030】
さらに、本実施の形態の医療器具ガイド装置ではC型突起部14を処置具10の略先端部に、局所的に設けたので、C型突起部14がレール終端部9bで離脱された際に、以後、処置具10は内視鏡3またはシース8からの制限を一切、受けることがない。そのため、患者の体腔内の病変部H3の近傍で処置具10を操作する際の自由度を大幅に高めることができる。
【0031】
また、図4乃至図7は本発明の第2の実施の形態を示すものである。本実施の形態は前述した第1の実施の形態(図1乃至図3(A),(B)参照)の医療器具ガイド装置の構成を次の通り変更したものである。なお、本実施の形態において、第1の実施の形態と共通する構成部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0032】
すなわち、本実施の形態の医療器具ガイド装置では内視鏡3の挿入部3aの外側に略円筒状の回転筒体21が設けられている。ここで、挿入部3aの先端部には図5に示すようにフランジ状の突起部22が形成されている。そして、この突起部22と接眼部3bとの間で回転筒体21が挿入部3aの軸回り方向に回転可能な状態で支持されている。
【0033】
また、回転筒体21には図6に示すように大径な内視鏡挿入穴23がこの回転筒体21の軸方向に延設されている。この内視鏡挿入穴23は回転筒体21の軸心位置から偏心させた位置に配置されている。そして、この内視鏡挿入穴23に内視鏡3の挿入部3aが挿入されている。
【0034】
また、回転筒体21の外周部には内視鏡挿入穴23よりも小径のガイド溝部24が、この回転筒体21の軸方向に延設されている。このガイド溝部24は内視鏡挿入穴23の周囲壁における厚肉部に配置されている。このガイド溝部24の両端面は回転筒体21の両端部にそれぞれ配置されている。すなわち、このガイド溝部24の一端部には内視鏡3の接眼部3bの近傍に配置され、斜めに切断された傾斜面状の挿入端部24aが形成されている。さらに、ガイド溝部24の他端部には内視鏡3の先端部の突起部22の近傍に配置され、本実施形態における離脱手段としての離脱端部24bが形成されている。
【0035】
なお、このガイド溝部24の断面形状は、図6に示すように直径D1の略円形状に形成されている。そして、このガイド溝部24には直径D1よりも小さい溝幅L3の開口部24cが形成されている。
【0036】
また、本実施の形態の処置具10には細長い軸部11の先端部外周面に長穴状のボールエンド収容凹部25が形成されている。このボールエンド収容凹部25の基端部側には支軸26の基端部がピン27を中心に回動自在に軸支されている。図7に示すようにこの支軸26の先端部には直径D2の略球形状のボールエンド28が一体成形されている。そして、支軸26は図7中に実線で示すようにボールエンド28をボールエンド収容凹部25の外に引き出した引き出し位置と、同図中に点線で示すようにボールエンド28をボールエンド収容凹部25の内部に収容させた収容位置との間で回動操作可能に支持されている。
【0037】
さらに、ボールエンド収容凹部25の基端部側の内底部と支軸26との間にはコイルばね29が予圧をもって配設されている。そして、通常、支軸26はコイルばね29の付勢力によってボールエンド28をボールエンド収容凹部25に収納する方向に付勢されている。
【0038】
また、ボールエンド28の直径D2とガイド溝部24の断面の略円形状の直径D1はD2<D1の関係となるように設定されている。さらに、ボールエンド28の直径D2と、ガイド溝部24の開口部24cの幅L2はL3<D2の関係となるように設定されている。
【0039】
そして、図4に示すように処置具10のボールエンド28をボールエンド収容凹部25の外に引き出した引き出し位置に移動させた状態で、このボールエンド28を内視鏡3の接眼部3bの近傍位置で回転筒体21のガイド溝部24の傾斜面状の挿入端部24aに挿入可能になっている。つまり、一つの観点から説明すれば、本実施の形態において、回転筒体21は医療器具ガイドとして機能し、また、ガイド溝部24は誘導手段として機能し、更に、ボールエンド28及びこのボールエンド28を回動操作可能に支持する構成は係合手段として機能する。
【0040】
次に、上記構成の本実施の形態の医療器具ガイド装置の作用について説明する。本実施の形態では予め患者Hの体外から頭部H1の穴H2に内視鏡3の挿入部3aが挿入され、体腔内の病変部H3の近傍位置に接近させた位置にセットされている状態で、処置具10を患者Hの体内に挿入させる。このとき、処置具10を患者Hの体内に挿入する前に予め図4に示すように、この処置具10のボールエンド28をコイルばね29のばね力に抗してボールエンド収容凹部25の外に引き出した引き出し位置に移動させる。
【0041】
その後、患者Hの体外で術者が処置具10のボールエンド28を回転筒体21のガイド溝部24の挿入端部24aに挿入して係合させる。ここで、回転筒体21は内視鏡3の挿入部3aに対し軸回り方向に回動自在であるため、術者はガイド溝部24を内視鏡3のどの方向にも配置可能となる。
【0042】
また、ガイド溝部24の開口部24cの幅L3とボールエンド28の直径D2との関係がL3<D2に設定されているので、ボールエンド28がガイド溝部24に係合した状態となると、ボールエンド28はガイド溝部24に沿ってのみ移動が可能となる。すなわち、術者は処置具10を内視鏡3に沿わせて病変部H3の方向に誘導可能となり、かつ誘導途中において処置具10のボールエンド28が回転筒体21のガイド溝部24から離脱することもないので、誘導中の処置具10が内視鏡3と離脱することもない。
【0043】
さらに、処置具10のボールエンド28が、ガイド溝部24の離脱端部24bまで誘導されると、この離脱端部24bからボールエンド28が自然に離脱され、ガイド溝部24とボールエンド28との係合が解除される。このとき、離脱された処置具10は、内視鏡3からの制限は一切ないため、体腔内の病変部H3の近傍位置で術者は処置具10を自由に操作することができる。
【0044】
また、回転筒体21のガイド溝部24から離脱されたボールエンド28はコイルばね29のばね力によって処置具10のボールエンド収容凹部25に自動的に収容される。
【0045】
そこで、上記の構成の本実施の形態によれば、回転筒体21のガイド溝部24に処置具10のボールエンド28を係脱可能に係合させることにより、この回転筒体21のガイド溝部24によって処置具10の処置部13を内視鏡3の挿入部3aの軸方向に沿って患者の体腔外から体腔内の病変部H3の近傍位置まで簡単に誘導できる。そのため、内視鏡3によって観察される体腔内の病変部H3に処置具10を挿入し、かつ処置操作を行う際の、処置具10の挿入操作を従来に比べて簡単に行うことができるので、本実施の形態でも第1の実施の形態と同様に処置具10の使用状態を改善し、処置具10の処置部13の操作を安定、且つ、容易に行うことができる。その結果、内視鏡下処置装置1による手術の作業時間と術者の疲労軽減を図ることができ、如いては手術の効率を上げることができる。
【0046】
さらに、本実施の形態では第1の実施の形態の効果に加え、次のような効果もある。すなわち、回転筒体21のガイド溝部24から離脱されたボールエンド28はコイルばね29のばね力によって処置具10のボールエンド収容凹部25に自動的に収容されるため、処置具10の軸部11の外周面には突出部がなく、より小型化が実現できるという効果をもつ。
【0047】
また、本実施の形態では内視鏡3の挿入部3aの外側の回転筒体21は内視鏡3の挿入部3aに対し軸回り方向に回動自在であるため、術者はガイド溝部24を内視鏡3のどの方向にも配置可能となる。そのため、処置具10の挿入動作を内視鏡3の挿入部3aの周方向のどの方向に沿わせても行うことが可能となり、より良い操作性を提供できる。
【0048】
また、内視鏡3の挿入部3aの外側の回転筒体21にはガイド溝部24が形成されているので、処置具10の挿入動作をガイドするレール状の突起部などが不要なため、より小型化が実現できるという効果をもつ。
【0049】
また、図8乃至図10は本発明の第3の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図3(A),(B)参照)の医療器具ガイド装置の構成を次の通り変更したものである。なお、本実施の形態において、第1の実施の形態と共通する構成部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0050】
すなわち、本実施の形態の医療器具ガイド装置では内視鏡3の挿入部3aに磁性体によって構成された直管部31が設けられている。さらに、図9に示すようにこの直管部31の基端部には内視鏡3の接眼部3bの近傍部位に公知の電磁石32を配設した電磁石収納部33が設けられている。ここで、電磁石32は図10に示すようにケーブル34を介して後述する制御回路35と電気的に接続されている。
【0051】
また、処置具10の軸部11には処置部13側の端部に磁性体となる先端部材36が配設されている。なお、この処置具10の軸部11は先端部材36以外の部分は非磁性体で構成されている。
【0052】
さらに、処置具10の把持部12には、公知の電気的な接点スイッチ37が配設されている。この接点スイッチ37はケーブル38を介して制御回路35と電気的に接続されている。そして、この接点スイッチ37の操作によって電磁石32への通電状態がオンオフ操作されるようになっている。
【0053】
つまり、一つの観点から説明すれば、本実施の形態において、内視鏡3の挿入部3aは医療器具ガイドとして機能し、また、直管部31、電磁石32、制御部及び接点スイッチ37は誘導手段として機能し、更に、磁性体である先端部材36は係合手段として機能する。
【0054】
次に、上記構成の本実施の形態の医療器具ガイド装置の作用について説明する。本実施の形態では予め患者Hの体外から頭部H1の穴H2に内視鏡3の挿入部3aが挿入され、体腔内の病変部H3の近傍位置に接近させた位置にセットされている状態で、処置具10を患者Hの体内に挿入させる。このとき、処置具10を患者Hの体内に挿入する前に予め術者がスイッチ37を押すと、制御回路35によって電磁石32が通電状態に制御されて電磁石32には磁力が発生する。ここで、内視鏡3の挿入部3aの直管部31は磁性体であるため、電磁石32によって発生した磁力によって、内視鏡3の挿入部3aの直管部31は磁力をもつ状態となる。
【0055】
そのため、この状態で、処置具10の先端部材36を内視鏡3の挿入部3aの直管部31に近づけると、磁性体である処置具10の先端部材36は内視鏡3の挿入部3aの直管部31に磁力によって吸着されて係合される。
【0056】
術者はこの状態で、処置具10に内視鏡3の挿入方向の押圧力を加えることで、処置具10の先端部材36は内視鏡3の挿入部3aの直管部31に沿って摺動し、処置具10と内視鏡3の挿入部3aとの接続状態を維持したまま処置部13を内視鏡3の挿入部3aの先端部に誘導できる。
【0057】
また、処置具10の処置部13を内視鏡3の挿入部3aの先端部に誘導した状態で、術者がスイッチ37を再び押すと、制御回路35によって電磁石32の磁力が解除される。これにより、内視鏡3の挿入部3aと処置具10の先端部材36の磁力による接続が解除される。このとき、離脱された処置具10は、内視鏡3からの制限は一切ないため、体腔内の病変部H3の近傍位置で術者は処置具10を自由に操作することができる。
【0058】
そこで、上記の構成の本実施の形態の医療器具ガイド装置によれば、処置具10の把持部12のスイッチ37を押して電磁石32によって発生した磁力によって、内視鏡3の挿入部3aの直管部31に磁力を発生させ、磁性体である処置具10の先端部材36を内視鏡3の挿入部3aの直管部31に磁力によって吸着させて係合させるようにしたので、この状態で、処置具10に内視鏡3の挿入方向の押圧力を加えることで、処置具10の先端部材36を内視鏡3の挿入部3aの直管部31に沿って摺動させ、処置具10と内視鏡3の挿入部3aとの接続状態を維持したまま処置部13を内視鏡3の挿入部3aの先端部に誘導できる。そのため、処置具10の処置部13を内視鏡3の挿入部3aの軸方向に沿って患者の体腔外から体腔内の病変部H3の近傍位置まで簡単に誘導できるので、内視鏡3によって観察される体腔内の病変部H3に処置具10を挿入し、かつ処置操作を行う際の、処置具10の挿入操作を従来に比べて簡単に行うことができる。その結果、本実施の形態でも第1の実施の形態と同様に処置具10の使用状態を改善し、処置具10の処置部13の操作を安定、且つ、容易に行うことができ、内視鏡下処置装置1による手術の作業時間と術者の疲労軽減を図り、如いては手術の効率を上げることができる。
【0059】
さらに、本実施の形態では第1の実施の形態の効果に加え、内視鏡3の挿入部3aと、処置具10の軸部11が一層、小型化できるという効果がある。また、接点スイッチ37の操作によって術者の意思で内視鏡3の挿入部3aと、処置具10との離脱操作を行えるため、より良い操作性が提供できる。
【0060】
また、図11および図12は本発明の第4の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図3(A),(B)参照)の医療器具ガイド装置の構成を次の通り変更したものである。なお、本実施の形態において、第1の実施の形態と共通する構成部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0061】
すなわち、本実施の形態の医療器具ガイド装置では内視鏡3の挿入部3aの基端側には薄板状で硬質の処置具ガイド板41が装着されている。この処置具ガイド板41には処置具ガイド孔42が形成されている。この処置具ガイド孔42は処置具10の軸部11の外径寸法より大きい外径の長穴部によって形成されている。
【0062】
さらに、内視鏡3の挿入部3aの外周面には処置具ガイド溝43が内視鏡3の挿入部3aの軸方向に沿って延設されている。この処置具ガイド溝43には処置具10の先端部が挿入された状態で、係脱可能に係合されるようになっている。
【0063】
つまり、一つの観点から説明すれば、本実施の形態において、内視鏡3の挿入部3aは医療器具ガイドとして機能し、また、処置具ガイト溝43は誘導手段として機能し、更に、処置具10の先端部は係合手段として機能する。
【0064】
次に、本実施の形態の医療器具ガイド装置の作用について説明する。本実施の形態では予め患者Hの体外から頭部H1の穴H2に内視鏡3の挿入部3aが挿入され、体腔内の病変部H3の近傍位置に接近させた位置にセットさせたのち、処置具10を患者Hの体内に挿入させる。このとき、図11に示すように患者Hの体外に配置されている内視鏡3の処置具ガイド板41の処置具ガイド孔42内に処置具10の先端部が挿入される。
【0065】
続いて、処置具10の先端部は内視鏡3の挿入部3aの処置具ガイド溝43に挿入させた状態で、係脱可能に係合させる。術者はこの状態で、処置具10に内視鏡3の挿入方向の押圧力を加えることで、処置具10の先端部を内視鏡3の処置具ガイド溝43に沿って摺動し、処置具10と内視鏡3の挿入部3aとの接続状態を維持したまま処置具10の先端部を内視鏡3の挿入部3aの先端部に誘導できる。これにより、処置具10の先端部を体腔内の病変部H3の近傍位置まで容易に挿入することができる。
【0066】
そこで、上記の構成の本実施の形態の医療器具ガイド装置によれば、処置具10の挿入時に、内視鏡3の処置具ガイド板41の処置具ガイド孔42が体表外に位置するため、術者は処置具10の挿入操作が容易である。
【0067】
さらに、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。
記
(付記項1) 挿入部を有する内視鏡と、前記内視鏡の観察下で処置を行う処置具とからなる内視鏡下処置装置において、前記内視鏡挿入部の外側部に、前記処置具を、前記内視鏡挿入部の挿入方向に沿って誘導するガイド手段を設けたことを特徴とする内視鏡下処置装置。
【0068】
(付記項2) 前記ガイド手段は前記処置具の略先端部を前記内視鏡の挿入方向に沿って移動可能に制限することを特徴とする付記項1記載の内視鏡下処置装置。
【0069】
(付記項3) 前記ガイド手段による制限を解除可能な離脱手段を備えたことを特徴とする付記項1または2記載の内視鏡下処置装置。
【0070】
(付記項4) 前記ガイド手段は前記内視鏡挿入部の挿入軸中心に回動可能であることを特徴とする付記項1または2または3記載の内視鏡下処置装置。
【0071】
(付記項5) 前記ガイド手段は、前記内視鏡挿入部の外側部に、前記内視鏡挿入部の挿入軸方向に設けられた凹部または凸部であることを特徴とする付記項1または2または3記載の内視鏡下処置装置。
【0072】
(付記項6) 前記ガイド手段は、前記内視鏡挿入部の外側部材が着磁されることを特徴とする付記項1または2または3記載の内視鏡下処置装置。
【0073】
(付記項7) 体腔内に挿入される挿入部を有する内視鏡において、前記内視鏡の挿入部基端側に設けた、処置具の先端部を前記挿入部側に誘導できるガイド部材と、前記挿入部外周に、前記処置具が前記ガイド部材でガイドされ処置具を内視鏡挿入方向にガイドするガイド溝とからなることを特徴とする内視鏡装置。
【0074】
(付記項8) 被検体の所望とする部位に対して医療行為を行うための機能部を有する医療器具と、
所定の長さを有し、前記所望とする部位の近傍に一端部が配置可能であり、その長さ方向に沿って前記機能部を誘導可能な誘導手段と、
前記機能部の近傍に設けられた、前記誘導手段と動作的に係合する係合手段とを備える医療器具ガイド。
【0075】
(付記項9) 更に、その側面の延出方向に沿って前記誘導手段が設けられている、前記医療器具と異なる他の医療器具を挿入可能な外套管を有する付記項8記載の医療器具ガイド。
【0076】
(付記項10) 前記誘導手段は前記外套管の側面に対して突出する凸部材であり、前記係合手段は前記凸部に係合する凹部である付記項9記載の医療器具ガイド。
【0077】
(付記項11) 前記誘導手段は、所定の長さを有する内視鏡の側面の長さ方面に形成され、また、前記係合部は前記医療器具の先端部である付記項8記載の医療器具ガイド。
【0078】
(付記項12) 前記誘導手段は、前記内視鏡の側面に形成された、前記医療器具先端部が係合する溝である付記項11記載の医療器具カイド。
【0079】
(付記項13) 前記誘導手段は、前記係合手段との係合が開放される係合開放部を有する付記項8記載の医療器具ガイド。
【0080】
(付記項14) 前記誘導手段は前記外套管の側面に設けられた溝であり、前記係合手段は前記溝に係合する凸部である付記項9記載の医療器具ガイド。
【0081】
(付記項15) 前記誘導手段は着磁可能な材料からなり、前記係合手段は磁性体からなる付記項8記載の医療器具ガイド。
【0082】
(付記項16) 前記医療器具は、前記所望とする部位に処置を加える処置具である付記項8記載の医療器具誘導ガイド。
【0083】
(付記項17) 前記他の医療器具は内視鏡であり、前記誘導手段の前記一端部は、前記外套管の前記内視鏡の先端部が突出する端部の近傍に位置する付記項8記載の医療器具誘導ガイド。
【0084】
(付記項18) 前記誘導手段は、他の医療器具(シース、内視鏡)の外表面に設けられている付記項8に記載の医療器具ガイド。
【0085】
(付記項19) 前記係合手段は、前記誘導手段に対して前記医療器具を着脱できると共に、前記誘導手段の長さ方向に動作可能に係合する付記項8に記載の医療器具ガイド。
【0086】
(付記項1〜6の従来技術) 従来、内視鏡の観察下で、体腔内の病変部を処置具によって処置する場合、術者は内視鏡の視野まで処置具を誘導しなければならない。とくに、脳神経外科の場合では、内視鏡や処置具は体表面に開口した深い穴状の術部に挿入して使用する。
このとき、体腔内の内壁部にある血管や神経などの体組織を挿入中の処置具先端部で損傷させないために、術者は処置具先端部を直視によって確認しながら慎重に挿入操作をしなければならなかった。
【0087】
従来技術には、例えば、内視鏡または処置具をクランク形状にし、術者が挿入中の処置具先端部を直視しやすくするものは公知である。また、処置具挿入管路を設け、挿入作業を容易にするものは、公知のシースや公知である内視鏡に設けられた処置具挿入用のチャンネルなどで知られている。また、処置具による処置範囲の自由度を拡大するものとしては、公知のマニピュレータなど例えば特開2000−166936で知られている。また、開創器のブレードの中に内視鏡を設け、2つのブレード間に処置具挿入スペースを設けるものは、特開平10−295626で知られている。
【0088】
(付記項1〜6が解決しようとする課題) しかしながら、内視鏡または処置具をクランク形状にする例では、術者によって挿入中の処置具を確認することは容易になるが、挿入操作自体は、術者の技量に頼る点では改善がみられなく、依然術者は処置具先端部が体組織を損傷しないように慎重に挿入操作しなければならない。そのため、特に長時間に及ぶ手術においては、術者の疲労の原因となり、如いては手術自体の効率を下げるという問題があった。
また、シースの例などに知られる、処置具挿入管路がある場合では、処置具を体腔外から体腔内の内視鏡視野内まで容易に誘導可能であるが、挿入部の長手軸に沿って真っ直ぐ前方にしか処置具を操作することしかできないため処置能力に限界がある。
また、特開2000−166936にみられるような処置具とシースを組み合せることで、処置具を処置具挿入管路によって容易に誘導でき、処置範囲も広くなるが、装置が大型化、複雑化し、処置の操作も複雑なものとなる。そのため、装置が高価になり、処置具の操作も煩雑になるという問題がある。
また、特開平10−295626では、開創器自体が、処置具の操作空間を狭くするという問題があり、また、体腔内に圧排できないような神経組織や血管組織などの体組織が存在する場合には使用できない。また、特開平10−295626ではガイド手段を内視鏡先端部に設けたものが示されているが、この場合、内視鏡先端部までは処置具を慎重に挿入操作しなければならなく、術者の疲労の原因となり、如いては手術自体の効率を下げるという問題があった。
【0089】
(付記項1〜6の目的) 前述の問題点を解決し、処置具を体腔外から体腔内の内視鏡視野近傍まで容易に誘導でき、かつ誘導された後の処置具の可動性がよく、安価な内視鏡下処置装置を提供することである。
【0090】
(付記項1、2、4〜6の作用) 前記ガイド手段によって前記処置具が前記内視鏡挿入部に沿って前記内視鏡挿入部の略先端部まで誘導できることである。
【0091】
(付記項3の作用) 付記項3に係る作用は、付記項1の作用に加え、前記離脱手段によって所定の位置において前記処置具の前記ガイド手段による制限を解除できることである。
【0092】
(付記項1、2の効果) 従来技術の有する、内視鏡によって観察される体腔内の病変部に処置具を挿入し、かつ処置操作を行う際の、処置具の挿入操作が煩雑であった問題が解決され、作業時間と術者の疲労軽減が図られ、如いては手術の効率を上げることができる。
【0093】
(付記項3の効果) 付記項1の効果に加え、処置具の離脱手段を備えたことによって、体腔内に挿入された処置具の操作が煩雑であった問題が解決され、操作性の良い内視鏡下処置装置を提供できる。
【0094】
(付記項4の効果) 付記項1の効果に加え、拘束ガイド手段が内視鏡挿入軸を中心に回転可能に構成したことから、処置具は内視鏡挿入軸を中心にどの位置にも配置でき、かつ内視鏡挿入軸に沿わせて挿入できるため、処置具挿入のより良い操作性を実現できる。
【0095】
(付記項5の効果) 付記項1の効果に加え、拘束ガイド手段は単純な凹部や凸部であるため、より簡便に装置を構成できる。
【0096】
(付記項6の効果) 付記項1の効果に加え、電磁石を利用したことにより、装置をより小型化できる。
【0097】
(付記項7の従来技術) 内視鏡挿入部の先端部にガイド手段を設けたものは特開平10−295626で知られている。
【0098】
(付記項7が解決しようとする課題) しかしながら、特開平10−295626では、体腔外に内視鏡を挿入した状態で、処置具を体腔内に挿入しようとする場合、ガイド手段が体腔内に位置するため、処置具の挿入作業が難しいという問題があった。
【0099】
(付記項7の目的) 体腔内に挿入された状態の内視鏡と、前記内視鏡で観察される体腔内の病変部への処置具の挿入操作性の良い内視鏡下処置具誘導装置の提供である。
【0100】
(付記項7の作用) 内視鏡の挿入部基端側に設けたガイド部材、に処置具を挿入する。すなわち体腔外に前記ガイド部材は配置されるかたちとなり、容易に挿入が可能となる。次に、内視鏡の挿入部外周に設けたガイド溝によって、病変部まで処置具を誘導することが可能。
【0101】
(付記項7の効果) 処置具挿入時に、ガイド孔が体表外に位置するため、術者は処置具の挿入操作が容易である。
【0102】
(付記項8〜19の従来技術) 特開平5−307143のガイドチューブを用いた処置具ガイド。
【0103】
(付記項8〜19が解決しようとする課題) ガイドチューブを用いた場合、医療行為を行いたい被検体の部位において、処置具の動作がチューブの先端開口部により制限される。また、処置具の手元操作部がチューブの基端開口部により移動が制限されてしまい、術者が所望とする使用状態で処置具を使用することが困難な状態が生じる。つまり、従来においては、医療行為を行いたい部位において、処置具の操作自由度が非常に制限された状態となっている。
【0104】
(付記項8〜17の目的) 本願発明は、処置具の使用状態を改善し、結果として、処置具の機能部(例えば、把持鉗子、生検鉗子、生検ブラシ、超音波プローブ等)の操作を安定、且つ、容易に行うことのできる医療器具ガイドを提供することを目的とする。
【0105】
(付記項10の作用) そして、付記項10の発明では、外套管の外周面の凸部材に医療器具の凹部を係合させることにより、この凸部材によって医療器具の医療機能部を外套管の長さ方向に沿って被検体における医療行為の対象部位の近傍位置まで誘導できるようにしたものである。
【0106】
(付記項11の作用) そして、付記項11の発明では、内視鏡の誘導手段に医療器具の係合手段を係脱可能に係合させることにより、この誘導手段によって医療器具の医療機能部を内視鏡の軸線方向に沿って被検体における医療行為の対象部位の近傍位置まで誘導できるようにしたものである。
【0107】
(付記項12の作用) そして、付記項12の発明では、内視鏡の外周面の溝に医療器具の先端部の係合凸部を係脱可能に係合させることにより、内視鏡の外周面の溝によって医療器具の医療機能部を医療器具ガイドの長さ方向に沿って被検体における医療行為の対象部位の近傍位置まで誘導できるようにしたものである。
【0108】
(付記項13の作用) そして、付記項13の発明では、医療器具ガイドの誘導手段の係合開放部によって係合手段との係合を開放させることにより、医療器具の医療機能部を操作する際の自由度を高めるようにしたものである。
【0109】
(付記項14の作用) そして、付記項14の発明では、外套管の外周面の溝に係合手段の凸部を係合させることにより、医療器具の医療機能部を外套管の軸線方向に沿って被検体における医療行為の対象部位の近傍位置まで誘導できるようにしたものである。
【0110】
(付記項15の作用) そして、付記項15の発明では、着磁可能な材料の誘導手段に、磁性体の係合手段を吸着させて係合させるようにしたものである。
【0111】
(付記項16の作用) そして、付記項16の発明では、被検体における医療行為の対象部位に処置具によって処置を加えるようにしたものである。
【0112】
(付記項17の作用) そして、付記項17の発明では、外套管内に他の医療器具である内視鏡が挿入された状態で、外套管の外周面の誘導手段によって医療器具の医療機能部を外套管の軸線方向に沿って被検体における医療行為の対象部位の近傍位置まで誘導させることにより、医療器具の医療機能部を内視鏡の視野内に挿入させて確認しやすくするようにしたものである。
【0113】
【発明の効果】
本発明によれば、処置具の使用状態を改善し、処置具の機能部(例えば、把持鉗子、生検鉗子、生検ブラシ、超音波プローブ等)の操作を安定、且つ、容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態の内視鏡下処置装置の使用状態を示す斜視図。
【図2】 第1の実施の形態の内視鏡下処置装置の要部構成を示す縦断面図。
【図3】 (A)は図2のIIIA−IIIA線断面図、(B)は処置具のC型突起部を示す横断面図。
【図4】 本発明の第2の実施の形態の内視鏡下処置装置の概略構成を示す斜視図。
【図5】 第2の実施の形態の内視鏡下処置装置における外套管のガイド溝を示す要部の縦断面図。
【図6】 第2の実施の形態の内視鏡下処置装置における外套管の横断面図。
【図7】 第2の実施の形態の内視鏡下処置装置における処置具の要部構成を示す縦断面図。
【図8】 本発明の第3の実施の形態の内視鏡下処置装置の概略構成を示す斜視図。
【図9】 第3の実施の形態の内視鏡下処置装置の要部構成を示す縦断面図。
【図10】 第3の実施の形態の内視鏡下処置装置の要部のブロック図。
【図11】 本発明の第4の実施の形態の内視鏡下処置装置の概略構成を示す斜視図。
【図12】 第4の実施の形態の内視鏡下処置装置における内視鏡の要部構成を示す横断面図。
【符号の説明】
8 シース(医療器具ガイド)
9 レール部(誘導手段)
10 処置具(医療器具)
13 処置部(医療機能部)
14 C型突起部(係合手段)
H3 病変部
Claims (4)
- 所定の長さを有し、一端側に体内に挿入される挿入端部、他端側に体外で保持される非挿入端部がそれぞれ設けられ、被検体に対して医療行為を行う対象部位の近傍に前記挿入端部が配置可能な医療器具ガイドと、
前記医療器具ガイドの外周面に前記医療器具ガイドの長さ方向に沿って延設され、医療行為を行うための医療機能部を有する医療器具を前記被検体における前記医療行為の対象部位の近傍に誘導する誘導手段とを具備し、
前記誘導手段は、前記医療器具ガイドの前記非挿入端部側にガイド始端部、前記医療器具ガイドの前記挿入端部側にガイド終端部がそれぞれ配置され、
かつ前記ガイド始端部と前記ガイド終端部との間では前記医療器具を係合させた状態で保持し、前記ガイド終端部で前記医療器具と前記医療器具ガイドとの係合を解除して前記医療器具ガイドに対して前記医療器具を離脱させることを特徴とする医療器具ガイド装置。 - 前記医療器具は、前記医療機能部の近傍に前記誘導手段と係脱可能に係合する係合手段を有することを特徴とする請求項1に記載の医療器具ガイド装置。
- 前記医療器具ガイドは、前記医療器具と異なる他の医療器具を挿入可能な外套管を有し、
この外套管の外周面に前記外套管の軸線方向に沿って前記誘導手段が延出されていることを特徴とする請求項1に記載の医療器具ガイド装置。 - 前記誘導手段は、着磁可能な材料からなり、
前記係合手段は磁性体からなることを特徴とする請求項1に記載の医療器具ガイド装置。
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