JP4059613B2 - 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素吸蔵合金の水素の吸蔵と放出とを繰り返して行わせて、水素の放出時に生じる吸熱作用を利用して冷熱を得る、あるいは水素の吸蔵時に生じる放熱作用を利用して温熱を得る水素吸蔵合金を利用した熱利用システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
水素吸蔵合金を利用した熱利用システム(例えば、冷却装置)は、水素吸蔵合金を加熱するための加熱用熱媒体(以下、加熱水とする)、水素吸蔵合金を冷却するための冷却用熱媒体(以下、放熱水とする)、水素吸蔵合金によって冷却される冷熱出力用熱媒体(以下、冷熱出力水とする)など、複数の熱媒体を切り替えて、水素吸蔵合金と熱交換している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
温度の異なる複数種類の熱媒体を切り替えて水素吸蔵合金に供給する熱媒体切替手段として、電磁ソレノイドによって往復動切替弁を直接駆動する電磁弁を多数用いる技術がある。
しかし、電磁ソレノイドによって往復動切替弁を直接駆動しようとすると、熱媒体の流路面積が大きいため、電磁ソレノイドには大きなストロークが要求される。この結果、大型の電磁弁を使用せざるをえなくなる。そして多数の電磁弁を使用するため、大型の電磁弁が多数使用されることになり、コストが大変高くなってしまうとともに、重量も重く、さらに駆動電力量も大変多くなってしまうため、実用的ではない。
【0004】
そこで、本願出願人は、熱媒体切替手段として、回転式分配システムを提案している。この回転式分配システムは、複数の熱媒体の給排を行う複数のポートを備えた固定体と、この固定体に対して回転し、回転位置に応じたポートの断続によって熱媒体の切り替えが行われる回転体とから構成されるものである。
しかし、このような回転式分配システムでは、熱媒体の切り替えを行う際、ポートの重なり変化による流路面積の変化が大きく、切り替え変化期における流量に制限が生じ、効率低下の要因になってしまう。
【0005】
また、回転式分配システムでは、熱媒体の切り替えを行う際、一旦、ポートの重なりを閉じたのちに、他のポートと重なる必要があるため、固定体側のポートと回転体側のポートとが重ならない部分(ポート閉塞間)を設ける必要がある。このポート閉塞間は、ポートの径より大きく取る必要がある。このため、熱媒体の切り替えを行う際、熱媒体の流れない区間が長くなる。つまり、熱媒体の切り替えが実行されてから、達成されるまでの無効時間が長くなってしまい、効率低下の要因になってしまう。
【0006】
【発明の目的】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的は、ストロークの長い往復動切替弁を電磁ソレノイドによって直接駆動する大型電磁弁を多数用いることによる欠点(コストの増大、重量の増大、駆動電力の増大)と、回転式分配システムの欠点(切り替え変化期における流量の制限、切り替え期間における無効期間の長時間化)とを両方克服できる水素吸蔵合金を利用した熱利用システムの提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の水素吸蔵合金を利用した熱利用システムは、上記の目的を達成するために、次の技術的手段を採用した。
(請求項1の手段)
水素吸蔵合金を利用した熱利用システムは、水素吸蔵合金と熱媒体の熱交換を行う複数の熱交換器と、
温度の異なる熱媒体を前記複数の熱交換器に切り替えて供給する熱媒体切替手段と、を備え、
熱媒体と熱交換して水素吸蔵合金の水素の吸蔵と放出とを行わせ、水素の放出時に生じる吸熱作用や水素の吸蔵時に生じる放熱作用を利用して冷熱や温熱を得るものであって、
前記熱媒体切替手段は、熱媒体の切替を行う往復動切替弁を備え、
この往復動切替弁は、流体圧の切り替えによって駆動されることを特徴とする。
【0008】
また、請求項1の水素吸蔵合金を利用した熱利用システムの前記往復動切替弁を駆動する流体圧は、電磁弁や電動弁等の電気信号により起動する弁によって切り替えられることを特徴とする。
【0009】
さらに、請求項1の水素吸蔵合金を利用した熱利用システムの前記往復動切替弁を駆動する流体圧は、水素吸蔵合金と熱交換される熱媒体の流体圧であることを特徴とする。
【0010】
(請求項2の手段)
請求項1の水素吸蔵合金を利用した熱利用システムにおいて、
前記往復動切替弁を駆動する熱媒体は、水素吸蔵合金を冷却するための放熱用熱媒体であり、その放熱用熱媒体循環経路内に発生している放熱用熱媒体の流体圧によって前記往復動切替弁を駆動することを特徴とする。
【0011】
【発明の作用および効果】
(請求項1の作用および効果)
熱媒体切替手段は、熱媒体の切り替えを行う往復動切替弁を流体圧によって駆動するものであるため、大きなストロークが要求される往復動切替弁であっても容易に駆動することができ、従来技術(多数の大型電磁弁で直接往復動切替弁を駆動する技術)に比較して、コストを抑えることができるとともに、軽量化が可能で、さらに駆動電力量も少なくできる。
また、往復動切替弁によって熱媒体を切り替えるものであるため、従来技術(回転式分配システム)のような熱媒体の切り替えを行う際のポートの重なり変化による流路面積の変化がほとんどなく、結果的に切り替え変化期における流量に制限がなく、効率低下を招かない。
さらに、往復動切替弁によって熱媒体を切り替えるものであるため、従来技術(回転式分配システム)に比較して、熱媒体の切り替えを行う際の無効時間が短く、効率低下を招かない。
【0012】
また、往復動切替弁の切り替えを行う流体圧を、電磁弁や電動弁等の電気信号により起動する弁の制御で切り替えることができるため、熱媒体の切り替え制御を容易に行うことができ、例えば、サイクルの運転状態に応じて効率の向上を図ることが可能になる。
【0013】
さらに、往復動切替弁を駆動する流体圧は、水素吸蔵合金と熱交換するために用いられている熱媒体の流体圧であるため、往復動切替弁を駆動する専用の流体圧の発生手段が不要であり、コストを抑えることができる。
【0014】
(請求項2の作用および効果)
往復動切替弁を駆動する熱媒体は、水素吸蔵合金を冷却するための放熱用熱媒体(例えば放熱水)である。この放熱用熱媒体の温度は、水素吸蔵合金を加熱する加熱用の熱媒体(例えば加熱水)の温度と、水素吸蔵合金から冷熱出力を取り出す冷熱出力用の熱媒体(例えば冷熱出力水)の温度との中間温度である。このため、往復動切替弁を駆動する熱媒体の温度が、往復動切替弁によって切り替えられる熱媒体に温度が伝わることによって生じるヒートロスを小さく抑えることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を、実施例および変形例に基づき説明する。
〔実施例の構成〕
この実施例を図1〜図15を用いて説明する。水素平衡温度が異なる複数種(この実施例では3種)の水素吸蔵合金が封入されたセルSは、図13に示すように薄型に設けられて、図14に示すように積層されて使用されるものであり、例えば冷房装置として使用する場合は、セルSの内部に封入した水素吸蔵合金の水素放出作用によって生じた吸熱によって、セルSに沿って流れる冷熱出力用熱媒体(例えば、水)を冷却し、その冷却された冷熱出力用熱媒体で室内に吹き出される空気を冷却して室内を冷房するものである。
【0016】
この実施例では、2段サイクルを示すものであり、薄型に設けられたセルSの積層体グループGが、連続した出力を出すために3つが用いられる。つまり、水素駆動を行う積層体グループGと、第1冷熱出力を行う積層体グループGと、第2冷熱出力を行う積層体グループGとが用いられるものであり、水素駆動部α→第1冷熱出力部β→第2冷熱出力部γが順次繰り返して実行されることで、連続した出力が得られる。そして、3つの積層体グループGは、図15に示す第1〜第3熱交換ユニット1a〜1c内にそれぞれ組み込まれるものである。
【0017】
2段サイクルを構成するセルSは、1つのセルSの内部に水素平衡温度が異なる3種の水素吸蔵合金が封入される。この3種の水素吸蔵合金は、高温合金HM(同一平衡水素圧で水素平衡温度が最も高い高温度水素吸蔵合金の粉末)と、中温合金MM(中温度水素吸蔵合金の粉末)と、低温合金LM(同一平衡水素圧で水素平衡温度が最も低い低温度水素吸蔵合金の粉末)とに分類されるものであり、図13に示すように、1つの薄型のセルS内に3つの層に別れて封入される。つまり、セルSの内部には、高温合金HMによる第1の層S1 と、中温合金MMによる第2の層S2 と、低温合金LMによる第3の層S3 とが設けられる。
なお、各合金種の関係を図12のPT冷凍サイクル線図を用いて説明すると、水素吸蔵合金の特性が、相対的に高温側(図示左側)にあるのが高温合金HM、低温側(図示右側)にあるのが低温合金LM、両者の中間にあるのが中温合金MMである。
【0018】
1つのセルSの内部の3つの層S1 、S2 、S3 は、仕切手段2によって仕切られている。この仕切手段2は、各層S1 、S2 、S3 間の水素移動を可能とし、且つ各層S1 、S2 、S3 間の水素吸蔵合金の移動を阻止するものである。この実施例の仕切手段2は、各層S1 、S2 、S3 に亘って配置されたパイプフィルタ3が複数貫通配置されるものであり、このパイプフィルタ3によって各層S1 、S2 、S3 間の水素移動を可能にしている。このパイプフィルタ3は、セルSの内部の全域にほぼムラなく配置されている。パイプフィルタ3は、水素が素通りできるパイプ状のフィルタであり、パイプに形成された多数の微小穴によって水素が素通りでき、且つ水素吸蔵合金がパイプ内に進入するのを阻止するように設けられている。この微小穴は、金属パイプにエッチング処理して形成されたものである。
【0019】
セルSは、プレス成形された一対のプレートをろう付けや溶接等により接合して構成されるものであり、セルSの内部には上述のように3つの層S1 、S2 、S3 に分けられた水素吸蔵合金(高温合金HM、中温合金MM、低温合金LM)を収容する3つの合金収容室が形成され、各合金収容室の表面には、図13に示すように、熱媒体が流れる熱媒体通路が形成される。この熱媒体通路は、各層S1 、S2 、S3 の水素吸蔵合金毎に対応して独立して熱媒体を流すように設けられるものである。言い換えると、それぞれの熱交換ユニット1a〜1cの内部は、各層S1 、S2 、S3 ごとに区切られて熱媒体が流れるように設けられている。
【0020】
つまり、各熱交換ユニット1a〜1cは、高温合金HMと熱媒体とを熱交換する高温合金熱交換器Saと、中温合金MMと熱媒体とを熱交換する中温合金熱交換器Sbと、低温合金LMと熱媒体とを熱交換する低温合金熱交換器Scとから構成されるものである。そして、この実施例では3つの熱交換ユニット1a〜1cが用いられるため、高温合金熱交換器Sa、中温合金熱交換器Sb、低温合金熱交換器Scがそれぞれ3つづつ、合計9つの熱交換器が用いられるものである。
【0021】
なお、合金収容室を形成する部分のプレートは、波状に形成されており、熱媒体と水素吸蔵合金との熱交換率を向上するように設けられている。また、各層S1 、S2 、S3 を仕切る仕切手段2は、パイプフィルタ3が貫通配置される帯状に形成されており、その帯状部分には、各層の熱の伝達を抑制するための断熱穴2aが形成されている。
【0022】
2段サイクルは、高温合金HMから低温合金LMへ水素を移動させる水素駆動部αと、低温合金LMから中温合金MMへ水素を移動させる第1冷熱出力部βと、中温合金MMから高温合金HMへ水素を移動させる第2冷熱出力部γとから構成される。
【0023】
水素駆動部αは、高温合金熱交換器Saへ加熱水(水素吸蔵合金を加熱して水素を放出させるための加熱用熱媒体の一例)を流して加熱水と高温合金HMとを熱交換して高温合金HMを加熱するとともに、低温合金熱交換器Scへ放熱水(水素吸蔵合金を冷却して水素を吸蔵させるための放熱用熱媒体の一例)を流して放熱水と低温合金LMとを熱交換して低温合金LMを冷却することで、高温合金HMから低温合金LMへ水素を移動させるものである。この時、中温合金熱交換器Sbへ抑制用熱媒体を流して中温合金MMと抑制水(水素吸蔵合金の水素の吸蔵および放出を抑制するための抑制用熱媒体の一例)とを熱交換させて、その中温合金MMを収容する合金収容室の内圧を上昇させ、中温合金MMが水素を放出するように設定されている。
【0024】
第1冷熱出力部βは、中温合金熱交換器Sbへ放熱水を流して放熱水と中温合金MMとを熱交換して中温合金MMを冷却することで、低温合金LMから中温合金MMへ水素を移動させるものである。この時、高温合金熱交換器Saへ抑制水を流して高温合金HMと抑制水とを熱交換させて、高温合金HMの水素の吸蔵と放出とを抑制するものである。また、この時、低温合金熱交換器Scへ冷熱出力水(水素吸蔵合金が水素を放出する際に生じる吸熱作用を利用して冷熱を得るための冷熱出力用熱媒体の一例)を流すことで低温合金LMは室内空気を冷房して冷熱が奪われた冷熱出力水と熱交換されるが、その冷熱出力水の温度(例えば10℃〜13℃くらい)では、低温合金LMは水素を放出するように設けられている。
【0025】
第2冷熱出力部γは、高温合金熱交換器Saへ放熱水を流して放熱水と高温合金HMとを熱交換して高温合金HMを冷却することで、中温合金MMと低温合金LMから高温合金HMへ水素を移動させるものである。この時、低温合金熱交換器Scおよび中温合金熱交換器Sbへ冷熱出力水を流すことで中温合金MMおよび低温合金LMは室内空気を冷房して冷熱が奪われた冷熱出力水と熱交換されるが、その冷熱出力水の温度(例えば13℃〜7℃くらい)では、中温合金MMおよび低温合金LMは水素を放出するように設けられている。
【0026】
ここで、第1、第2冷熱出力部β、γで低温合金LMおよび中温合金MMに熱交換される冷熱出力水は、低温合金LMおよび中温合金MMが水素を放出する際に熱が奪われて冷房に適した低温になる。
上記で示した加熱水は、図示しない加熱手段(例えば、燃焼装置)によって加熱されるものである。
抑制水は、加熱水の一部を用いたものである(図4の熱媒体回路図参照)。
放熱水は、外気と熱交換されて冷却されるものであり、例えばクーリングタワー等の放熱器を使用して放熱水を冷却するように設けられている。
【0027】
上記で示した水素駆動部α、第1冷熱出力部β、第2冷熱出力部γは、各層S1 、S2 、S3 の水素吸蔵合金(高温合金HM、中温合金MM、低温合金LM)と熱交換される熱媒体を切り替えることによって実行されるものであり、熱媒体の切り替えは、図15に示す熱媒体切替手段5によって成される。つまり、この熱媒体切替手段5による熱媒体の切り替えによって、3つの積層体グループGが水素駆動部α→第1冷熱出力部β→第2冷熱出力部γをそれぞれ1サイクルづつずらして実行するように設けられている。
【0028】
この熱媒体切替手段5の構造を図1〜図11、図15を用いて説明する。
この実施例に示す熱媒体切替手段5は、各熱媒体(加熱水、放熱水、抑制水、冷熱出力水)と、各熱交換器(高温合金熱交換器Sa、中温合金熱交換器Sb、低温合金熱交換器Sc)とを個別に対応させた冷媒個別対応択一弁タイプのものである。
【0029】
この冷媒個別対応択一弁タイプは、第1〜第3熱交換ユニット1a〜1cにおけるそれぞれの高温合金熱交換器Saに対して熱媒体の切り替えを行う高温合金用切替ユニット5aと、第1〜第3熱交換ユニット1a〜1cにおけるそれぞれの中温合金熱交換器Sbに対して熱媒体の切り替えを行う中温合金用切替ユニット5bと、第1〜第3熱交換ユニット1a〜1cにおけるそれぞれの低温合金熱交換器Scに対して熱媒体の切り替えを行う低温合金用切替ユニット5cとから構成される。
【0030】
高温合金用切替ユニット5aは、第1熱交換ユニット1aの高温合金熱交換器Sa、第2熱交換ユニット1bの高温合金熱交換器Sa、第3熱交換ユニット1cの高温合金熱交換器Saに対して熱媒体の切替を行うものであり、各熱交換器の両側に、加熱水切替用のaタイプ弁11、抑制水切替用のbタイプ弁12、放熱水切替用のcタイプ弁13がそれぞれ配置される。
なお、aタイプ弁11は、図1(a)に示すものであり、bタイプ弁12は、図1(b)に示すものであり、cタイプ弁13は、図1(c)に示すものであり、以下にその構造を説明する。
【0031】
aタイプ弁11は、図1(a)に示すように、aタイプバルブボディ14と、aタイプ中空弁15とから構成される。なお、このaタイプ中空弁15と、後述するbタイプ中空弁20およびcタイプ中空弁25は、往復動切替弁に相当するものである。
aタイプバルブボディ14は、加熱水循環経路16(図4参照)に接続される図2(a−1)に示す外部加熱水分配・収集用ポート17と、高温合金熱交換器Sa側に接続される図2(a−3)に示すセル側加熱水供給・排出用ポート18とを備える。
aタイプ中空弁15は、図2(a−2)に示すものであり、aタイプバルブボディ14内で3つの停止位置のいずれかに停止して、外部加熱水分配・収集用ポート17と、セル側加熱水供給・排出用ポート18の連通の切替を行うものである。
【0032】
具体的には、1st停止位置では図3(a−1)に示すように第1熱交換ユニット1aの高温合金熱交換器Saへ加熱水の供給(あるいは排出)を行い、2nd停止位置では図3(a−2)に示すように第3熱交換ユニット1cの高温合金熱交換器Saへ加熱水の供給(あるいは排出)を行い、3rd停止位置では図3(a−3)に示すように第2熱交換ユニット1bの高温合金熱交換器Saへ加熱水の供給(あるいは排出)を行うものである。
【0033】
bタイプ弁12は、図1(b)に示すように、bタイプバルブボディ19と、bタイプ中空弁20とから構成される。
bタイプバルブボディ19は、抑制水循環経路16a(図4参照)に接続される図2(b−1)に示す外部抑制水分配・収集用ポート22と、高温合金熱交換器Sa側に接続される図2(b−3)に示すセル側抑制水供給・排出用ポート23とを備える。
bタイプ中空弁20は、図2(b−2)に示すものであり、bタイプバルブボディ19内で3つの停止位置のいずれかに停止して、外部抑制水分配・収集用ポート22と、セル側抑制水供給・排出用ポート23の連通の切替を行うものである。
【0034】
具体的には、1st停止位置では図3(b−1)に示すように第2熱交換ユニット1bの高温合金熱交換器Saへ抑制水の供給(あるいは排出)を行い、2nd停止位置では図3(b−2)に示すように第1熱交換ユニット1aの高温合金熱交換器Saへ抑制水の供給(あるいは排出)を行い、3rd停止位置では図3(b−3)に示すように第3熱交換ユニット1cの高温合金熱交換器Saへ抑制水の供給(あるいは排出)を行うものである。
【0035】
cタイプ弁13は、図1(c)に示すように、cタイプバルブボディ24と、cタイプ中空弁25とから構成される。
cタイプバルブボディ24は、放熱水循環経路21(図4参照)に接続される図2(c−1)に示す外部放熱水分配・収集用ポート26と、高温合金熱交換器Sa側に接続される図2(c−3)に示すセル側放熱水供給・排出用ポート27とを備える。
bタイプ中空弁20は、図2(c−2)に示すものであり、cタイプバルブボディ24内で3つの停止位置のいずれかに停止して、外部放熱水分配・収集用ポート26と、セル側放熱水供給・排出用ポート27の連通の切替を行うものである。
【0036】
具体的には、1st停止位置では図3(c−1)に示すように第3熱交換ユニット1cの高温合金熱交換器Saへ放熱水の供給(あるいは排出)を行い、2nd停止位置では図3(c−2)に示すように第2熱交換ユニット1bの高温合金熱交換器Saへ放熱水の供給(あるいは排出)を行い、3rd停止位置では図3(c−3)に示すように第1熱交換ユニット1aの高温合金熱交換器Saへ放熱水の供給(あるいは排出)を行うものである。
【0037】
中温合金用切替ユニット5bは、上述した高温合金用切替ユニット5aと同じ構造のものであり、高温合金用切替ユニット5aで切り替えた熱媒体が加熱水・抑制水・放熱水であったものを、抑制水・放熱水・冷熱出力水に置き換えたものである。
【0038】
低温合金用切替ユニット5cも、上述した高温合金用切替ユニット5aと構造のものであり、高温合金用切替ユニット5aで切り替えた熱媒体が加熱水・抑制水・放熱水であったものを、放熱水・冷熱出力水・戻り冷熱出力水に置き換えたものである。
なお、この戻り冷熱出力水とは、図4に示すように、第2冷熱出力部γの低温合金LMと熱交換される冷熱出力水であり、第1冷熱出力部βの低温合金LMおよび第2冷熱出力部γの中温合金MMと熱交換される冷熱出力水に対して区別したものである。
【0039】
上記に示した高温合金用切替ユニット5a、中温合金用切替ユニット5b、低温合金用切替ユニット5cにおける各aタイプ弁11、bタイプ弁12、cタイプ弁13が、1st停止位置→2nd停止位置→3rd停止位置を繰り返す。
この時、1st停止位置では、第1熱交換ユニット1aが水素駆動部α、第2熱交換ユニット1bが第1冷熱出力部β、第3熱交換ユニット1cが第2冷熱出力部γを行う。
2nd停止位置では、第1熱交換ユニット1aが第1冷熱出力部β、第2熱交換ユニット1bが第2冷熱出力部γ、第3熱交換ユニット1cが水素駆動部αを行う。
3rd停止位置では、第1熱交換ユニット1aが第2冷熱出力部γ、第2熱交換ユニット1bが水素駆動部α、第3熱交換ユニット1cが第1冷熱出力部βを行う。
【0040】
この1st停止位置→2nd停止位置→3rd停止位置における各熱交換ユニット1a〜1cの状態および使用される熱媒体の種類の関係を、図5(a)、(b)および図6に示す。
なお、この実施例に使用される熱媒体切替弁の数は、図6に示すように、高温合金熱交換器Saに対して加熱水を切り替えるaタイプ弁11が供給用と排出用とで2組、抑制水を切り替えるbタイプ弁12が供給用と排出用とで2組、放熱水を切り替えるcタイプ弁13が供給用と排出用とで2組が用いられており、中温合金熱交換器Sbに対して抑制水を切り替えるaタイプ弁11が供給用と排出用とで2組、放熱水を切り替えるbタイプ弁12が供給用と排出用とで2組、冷熱出力水を切り替えるcタイプ弁13が供給用と排出用とで2組が用いられており、低温合金熱交換器Scに対して放熱水を切り替えるaタイプ弁11が供給用と排出用とで2組、冷熱出力水を切り替えるbタイプ弁12が供給用と排出用とで2組、戻り冷熱出力水を切り替えるcタイプ弁13が供給用と排出用とで2組が用いられている。つまり、各熱交換器に対して熱媒体を切り替える切替弁は、合計18組用いられている。
【0041】
上述したように、aタイプ中空弁15、bタイプ中空弁20、cタイプ中空弁25は、それぞれ1st、2nd、3rd停止位置の3つの位置に停止するように設けられている。
aタイプ中空弁15、bタイプ中空弁20、cタイプ中空弁25は、それぞれ放熱水の流体圧によって駆動されるものであり、それぞれを中間位置(2nd停止位置)に停止させるため、それぞれに親弁30が配置されている(図7、図8参照)。なお、放熱水は、各熱交換ユニット1a〜1cと、図示しない放熱器とを循環するものであり、図8に示す放熱水循環経路21に配置された放熱水循環ポンプPにより駆動されるものである。
【0042】
aタイプ中空弁15、bタイプ中空弁20、cタイプ中空弁25を1st、2nd、3rd停止位置の3つの位置に停止させる手段を図8を用いて説明する。なお、ここでは、aタイプ中空弁15、bタイプ中空弁20、cタイプ中空弁25を1つのモデル弁(以下、中空切替弁31)として説明する。
中空切替弁31を1st、2nd、3rd停止位置の3つの位置に停止させるために、中空切替弁31の一端側(図示上側)には、中空切替弁31より大径の親弁30が配置されている。
【0043】
親弁30および中空切替弁31を収容するバルブボディ32には、親弁30の上端に連通する上端ポート32a、親弁30の下端(中空切替弁31の上端でもある)に連通する中間ポート32b、中空切替弁31の下端に連通する下端ポート32cが設けられており、上端ポート32a、中間ポート32b、下端ポート32cに対する放熱水の供給および排出状態によって、図9に示すように、親弁30の停止位置および中空切替弁31の停止位置が決定される。
【0044】
具体的な中空切替弁31の駆動を図9を参照して説明する。
上端ポート32aに循環ポンプPの負圧を接続し、中間ポート32bに循環ポンプPの正圧を接続し、下端ポート32cに循環ポンプPの負圧を接続することで中空切替弁31が1st停止位置に駆動される{図9(a)参照}。
上端ポート32aに循環ポンプPの正圧を接続し、中間ポート32bに循環ポンプPの負圧を接続し、下端ポート32cに循環ポンプPの正圧を接続することで中空切替弁31が2nd停止位置に駆動される{図9(b)参照}。
上端ポート32aに循環ポンプPの負圧を接続し、中間ポート32bにも循環ポンプPの負圧を接続し、下端ポート32cに循環ポンプPの正圧を接続することで中空切替弁31が3rd停止位置に駆動される{図9(c)参照}。
続いて、上端ポート32aに循環ポンプPの正圧を接続し、中間ポート32bに循環ポンプPの負圧を接続し、下端ポート32cにも循環ポンプPの負圧を接続することで中空切替弁31を1st停止位置に戻すための戻り停止位置が得られる{図9(d)参照}。
その後、上記の接続を繰り返すことで、中空切替弁31が1st停止位置→2nd停止位置→3rd停止位置を順次繰り返して駆動設定される。
【0045】
中空切替弁31(往復動切替弁)を駆動するための上記の正圧および負圧の切り替えは、図8に示すように、バネ33aによって復帰する電磁ソレノイド33bと、スライドによる正負切替弁33cとを用いた電磁弁33(電気信号により起動する弁に相当する)によって成されるものであり、その電磁弁33は上端ポート32a、中間ポート32b、下端ポート32cのそれぞれに独立して配置されており、各電磁ソレノイド33bが図示しない制御装置によって上記の接続が得られるように通電制御される。
なお、電磁弁33に代わり、電動モータを利用して開閉する電動弁など、他の電気的なアクチュエータによって開閉する弁を用いても良い。
【0046】
一方、図10に示すように、加熱水循環経路16、放熱水循環経路21、冷熱出力水循環経路35のそれぞれには、熱媒体の流れを停止させるための停止弁34が配置されている。
各停止弁34は、上述した中空切替弁31が、停止位置(1st、2nd、3rd停止位置のいずれか)から次の停止位置(1st、2nd、3rd停止位置のいずれか)に移動する際に、熱媒体の流れを停止して、中空切替弁31の移動中に熱媒体が他の熱媒体と混濁するのを阻止するものであり、中空切替弁31の移動後に熱媒体の流れを復帰させるものである。
【0047】
また、各停止弁34は、熱媒体の切り替えを行う際、合金間の水素移動を効果的に行わせるために、複数種類の熱媒体の供給タイミングを変える、いわゆる位相制御に用いられるものである。
具体的には、水素吸蔵用の放熱水を他の熱媒体よりも先に供給を開始して吸蔵状態にしておき、少し遅れて水素放出用の熱媒体(加熱水や冷熱出力水)を供給して水素の移動速度を速める吸蔵優先位相制御を行うものである。
この実施例に示すように、位相制御を各中空切替弁31の切り替えによって行うのではなく、加熱水循環経路16、放熱水循環経路21、冷熱出力水循環経路35のそれぞれに設けられた停止弁34によってまとめて行えるため、位相制御を容易に実施することができる。
【0048】
停止弁34は、図10に示すように、一端に復帰用のバネ34aが配置されたものであり、他端に停止弁用電磁弁36によって放熱水の正圧が供給されることにより、停止弁34が熱媒体停止側に駆動されるものである。なお、図11に示すように、停止弁34そのものを、復帰用のバネ34aと電磁ソレノイド34bとを用いた電磁弁で構成しても良い。
【0049】
次に、熱媒体切替手段5の切り替え作動を説明する。
18個の中空切替弁31(6本のaタイプ中空弁15、6本のbタイプ中空弁20、6本のcタイプ中空弁25)が1st停止位置に設定された状態では、上述したように、第1熱交換ユニット1aが水素駆動部αに設定され、第2熱交換ユニット1bが第1冷熱出力部βに設定され、第3熱交換ユニット1cが第2冷熱出力部γに設定される。
次に、18個の中空切替弁31が2nd停止位置に設定された状態では、第1熱交換ユニット1aが第1冷熱出力部βに設定され、第2熱交換ユニット1bが第2冷熱出力部γに設定され、第3熱交換ユニット1cが水素駆動部αに設定される。
次に、18個の中空切替弁31が3rd停止位置に設定された状態では、第1熱交換ユニット1aが第2冷熱出力部γに設定され、第2熱交換ユニット1bが水素駆動部αに設定され、第3熱交換ユニット1cが第1冷熱出力部βに設定される。
【0050】
つまり、第1熱交換ユニット1aは1st→2nd→3rd停止位置に順次切り替わることにより、水素駆動部α→第1冷熱出力部β→第2冷熱出力部γに切り替わり、第2熱交換ユニット1bは1st→2nd→3rd停止位置に順次切り替わることにより、第1冷熱出力部β→第2冷熱出力部γ→水素駆動部αに切り替わり、第3熱交換ユニット1cは1st→2nd→3rd停止位置に順次切り替わることにより、第2冷熱出力部γ→水素駆動部α→第1冷熱出力部βに切り替わるものである。
【0051】
次に、水素駆動部α、第1冷熱出力部β、第2冷熱出力部γの各作動を数値(図4参照)を用いた一例と、図12に示すPT冷凍サイクル線図を用いて説明する。
水素駆動部αに切り替えられた積層体グループGは、高温合金HMが加熱水と熱交換され、中温合金MMが抑制水と熱交換され、低温合金LMが放熱水と熱交換される。
高温合金HMが加熱水(95℃)と熱交換されることにより、高温合金HMを収容する合金収容室の内圧が上昇し、高温合金HMが水素を放出する。
中温合金MMが抑制水(65℃)と熱交換されることにより、中温合金MMを収容する合金収容室の内圧が上昇し、中温合金MMが水素を放出する。
低温合金LMが放熱水(32℃)と熱交換されることにより、低温合金LMを収容する合金収容室の内圧が下がり、低温合金LMが水素を吸蔵する。
【0052】
このように、高温合金HMが加熱水と熱交換され、中温合金MMが抑制水と熱交換され、低温合金LMが放熱水と熱交換されることにより、高温合金HMの合金収容室内が95℃:1.0MPa、中温合金MMの合金収容室内が65℃:1.0MPa、低温合金LMの合金収容室内が32℃:0.9MPaとなり、高温合金HMが水素を放出(図12の▲1▼)するとともに、中温合金MMも少量の水素を放出(図12の▲1▼’)し、低温合金LMは高温、中温合金HM、MMから放出された水素を吸蔵する(図12の▲2▼)。
そして、水素駆動部αが実行された積層体グループGは、熱媒体切替手段5によって第1冷熱出力部βへ切り替えられる。
【0053】
第1冷熱出力部βに切り替えられた積層体グループGは、高温合金HMが抑制水と熱交換され、中温合金MMが放熱水と熱交換され、低温合金LMが冷熱出力水と熱交換される。
高温合金HMが抑制水(65℃)と熱交換されることにより、高温合金HMを収容する合金収容室の内圧が高温合金HMが水素の吸蔵および放出を行わない圧力に設定される。
中温合金MMが放熱水(33℃)と熱交換されることにより、中温合金MMを収容する合金収容室の内圧が下がり、中温合金MMが水素を吸蔵し、低温合金LMが水素を放出する。
低温合金LMが水素を放出するため、低温合金LMの合金収容室内で吸熱が生じ、低温合金LMと熱交換された冷熱出力水が例えば7℃に冷やされる。なお、低温合金LMは、第2冷熱出力部γで冷却された冷熱出力水の温度(例えば10℃くらい)では、低温合金LMを収容する合金収容室の内圧が中温合金MMを収容する合金収容室の内圧より高くなるように設けられている。
【0054】
このように、高温合金HMが抑制水と熱交換され、中温合金MMが放熱水と熱交換され、低温合金LMが冷熱出力水と熱交換されることにより、高温合金HMの合金収容室内が65℃:0.5MPa、中温合金MMの合金収容室内が33℃:0.4MPa、低温合金LMの合金収容室内が10℃:0.5MPaとなり、低温合金LMが水素を放出(図12の▲3▼)し、中温合金MMが水素を吸蔵(図12の▲4▼)する。低温合金LMが水素を放出する際、吸熱作用により低温合金LMと熱交換される冷熱出力水から熱を奪い冷熱出力水の温度を低下させる。なお、高温合金HMは、抑制水と熱交換されて高温合金HMは水素の吸蔵および放出は行わない。
そして、第1冷熱出力部βが実行された積層体グループGは、熱媒体切替手段5によって第2冷熱出力部γへ切り替えられる。
【0055】
第2冷熱出力部γに切り替えられた積層体グループGは、高温合金HMが放熱水と熱交換され、中温合金MMおよび低温合金LMが冷熱出力水と熱交換される。
高温合金HMが放熱水(35℃)と熱交換されることにより、高温合金HMを収容する合金収容室の内圧が下がり、高温合金HMが水素を吸蔵する。
中温合金MMおよび低温合金LMが水素を放出するため、中温合金MMおよび低温合金LMの合金収容室内で吸熱が生じ、中温合金MMおよび低温合金LMと熱交換された冷熱出力水が例えば10℃に冷やされる。なお、中温合金MMは、室内空気と熱交換して温度上昇した冷熱出力水の温度が13℃くらいでは、中温合金MMを収容する合金収容室の内圧が高温合金HMを収容する合金収容室の内圧より高くなるように設けられている。
【0056】
このように、高温合金HMが放熱水と熱交換されることにより、高温合金HMの合金収容室内が35℃:0.1MPa、中温合金MMの合金収容室内が13℃:0.2MPa、低温合金LMの合金収容室内が13℃:0.5MPaとなり、中温合金MMが水素を放出(図12の▲5▼)するとともに、低温合金LMも水素を放出(図12の▲3▼’)し、高温合金HMが水素を吸蔵する(図12の▲6▼)。中温合金MMおよび低温合金LMが水素を放出する際、吸熱作用により中温合金MMおよび低温合金LMと熱交換される冷熱出力水から熱を奪い冷熱出力水の温度を低下させる。
そして、第2冷熱出力部γが実行された積層体グループGは、熱媒体切替手段5によって水素駆動部αへ切り替えられる。
【0057】
なお、第1、第2冷熱出力部β、γで低温合金LMおよび中温合金MMが水素を放出する際に熱が奪われて低温(7℃)になった冷熱出力水は、図示しない室内空調機の室内熱交換器に供給されて、室内に吹き出される空気と熱交換されて室内を冷房する。
【0058】
〔実施例の効果〕
熱媒体を切り替える中空切替弁31を放熱水の流体圧によって駆動するものであるため、大きなストロークが要求される中空切替弁31であっても容易に駆動することができ、従来技術(多数の大型電磁弁で往復動切替弁を直接駆動する技術)に比較して、コストを抑えることができるとともに、軽量化が可能で、さらに駆動電力量も少なくできる。
中空切替弁31によって熱媒体を切り替えるものであるため、従来技術(回転式分配システム)のような熱媒体の切り替えを行う際のポートの重なり変化による流路面積の変化がほとんどない。この結果、切り替え変化期における流量に制限の発生がなく、効率低下を招かない。
中空切替弁31によって熱媒体を切り替えるものであるため、従来技術(回転式分配システム)に比較して、熱媒体の切り替えを行う際の無効時間が短くでき、効率低下を招かない。
【0059】
中空切替弁31の切り替えを行う流体圧を電磁弁33で制御できるため、熱媒体の切り替え制御を容易に行うことができ、サイクルの運転状態に応じて効率の向上を図ることができる。
また、各中空切替弁31を駆動する流体圧は、水素吸蔵合金と熱交換するために用いられている放熱水の流体圧であるため、中空切替弁31を駆動する専用の流体圧の発生手段が不要であり、コストを抑えることができる。
さらに、各中空切替弁31を駆動する放熱水の温度は、加熱水の温度と、冷熱出力水の温度との中間温度であるため、各中空切替弁31を駆動する放熱水の温度が、バルブボディ32を介して、加熱水や冷熱出力水に伝わることによって生じるヒートロスを抑えることができる。
【0060】
〔変形例〕
上記の実施例では、抑制用熱媒体(抑制水)、放熱用熱媒体(放熱水)、冷熱出力用熱媒体(冷熱出力水)を各熱交換器に対して直列供給する例を示したが、図16に示すように並列供給するように設けても良いし、直列供給を行う部分と並列供給を行う部分とを混在して用いても良い。
なお、直列供給と並列供給の変更は、バルブボディ32側における熱媒体の接続回路の変更によって行うことができる。全て直列供給の場合におけるバルブボディ32側の熱媒体接続回路の一例を図17に示し、全て並列供給の場合におけるバルブボディ32側の熱媒体接続回路の一例を図18に示す。
【0061】
上記の実施例では、往復動切替弁(中空切替弁31)を駆動する熱媒体の一例として、放熱用熱媒体(放熱水)を用いた例を示したが、加熱用熱媒体(加熱水)や冷熱出力用熱媒体(冷熱出力水)を用いても良い。
【0062】
上記の実施例では、熱媒体切替手段5の一例として、各熱媒体(加熱水、放熱水、抑制水、冷熱出力水)と、各熱交換器(高温合金熱交換器Sa、中温合金熱交換器Sb、低温合金熱交換器Sc)とを個別に対応させた冷媒個別対応択一弁タイプの例を示したが、各熱交換器(高温合金熱交換器Sa、中温合金熱交換器Sb、低温合金熱交換器Sc)に対応して熱媒体を切り替える部分セル対応切替弁タイプや、各熱交換ユニット毎(第1〜第3熱交換ユニット1a〜1c毎)に対応して熱媒体を切り替える出力セル対応切替弁タイプとしても良い。
【0063】
上記の実施例では、室内を冷房する例を示したが、冷熱出力用熱媒体で冷蔵運転や冷凍運転に用いるなど、他の冷却装置として用いても良い。
上記の実施例では、室内を冷房する例を示したが、冷暖房装置に適用しても良い。具体的な一例を示すと、燃焼装置で加熱された加熱水を室内空調機の室内熱交換器に導いて室内暖房を行うように設けても良い。また、燃焼装置で加熱された加熱水を床暖房マット、浴室乾燥機などに接続し、加熱水の供給によって床暖房、浴室暖房などを行うように設けても良い。
【0064】
上記の実施例では、各熱媒体の一例として水を用いたが、不凍液やオイルなど他の液体の熱媒体を用いても良いし、空気など気体の熱媒体を用いても良い。
上記の実施例では、2段サイクルを例に示したが、1段あるいは3段以上のサイクルに本発明を適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】a〜cタイプ弁の説明図である(実施例)。
【図2】ポートと中空切替弁の説明図である(実施例)。
【図3】ポートと中空切替弁を組み合わせた説明図である(実施例)。
【図4】熱媒体の流れを示す説明図である(実施例)。
【図5】停止位置に対する熱媒体の供給状態を表で示した図である(実施例)。
【図6】停止位置に対する熱媒体の供給状態を示した図である(実施例)。
【図7】親弁と中空切替弁の説明図である(実施例)。
【図8】中空切替弁の駆動回路を示す図である(実施例)。
【図9】親弁と中空切替弁の駆動説明図である(実施例)。
【図10】熱媒体の循環経路に配置された停止弁を示す図である(実施例)。
【図11】停止弁の概略図である(変形例)。
【図12】PT冷凍サイクル線図である(実施例)。
【図13】セルの要部断面斜視図である(実施例)。
【図14】積層されたセルを示す斜視図である(実施例)。
【図15】熱交換ユニットおよび熱媒体切替手段を示す斜視図である(実施例)。
【図16】並列接続された熱媒体の流れを示す説明図である(変形例)。
【図17】バルブボディ側における熱媒体の接続状態を示す図である(変形例)。
【図18】バルブボディ側における熱媒体の接続状態を示す図である(変形例)。
【符号の説明】
HM 高温合金(高温水素吸蔵合金)
MM 中温合金(中温水素吸蔵合金)
LM 低温合金(低温水素吸蔵合金)
S セル
Sa 高温合金熱交換器
Sb 中温合金熱交換器
Sc 低温合金熱交換器
5 熱媒体切替手段
15 aタイプ中空弁(往復動切替弁)
20 bタイプ中空弁(往復動切替弁)
21 放熱水循環経路(放熱用熱媒体循環経路)
25 cタイプ中空弁(往復動切替弁)
31 中空切替弁(往復動切替弁)
33 電磁弁(電気信号により起動する弁)
Claims (2)
- 水素吸蔵合金と熱媒体の熱交換を行う複数の熱交換器と、
温度の異なる熱媒体を前記複数の熱交換器に切り替えて供給する熱媒体切替手段と、を備え、
熱媒体と熱交換して水素吸蔵合金の水素の吸蔵と放出とを行わせ、水素の放出時に生じる吸熱作用や水素の吸蔵時に生じる放熱作用を利用して冷熱や温熱を得る水素吸蔵合金を利用した熱利用システムにおいて、
前記熱媒体切替手段は、熱媒体の切替を行う往復動切替弁を備え、
この往復動切替弁は、流体圧の切り替えによって駆動され、
前記往復動切替弁を駆動する流体圧は、電磁弁や電動弁等の電気信号により起動する弁によって切り替えられ、
前記往復動切替弁を駆動する流体圧は、水素吸蔵合金と熱交換される熱媒体の流体圧であることを特徴とする水素吸蔵合金を利用した熱利用システム。 - 請求項1の水素吸蔵合金を利用した熱利用システムにおいて、
前記往復動切替弁を駆動する熱媒体は、水素吸蔵合金を冷却するための放熱用熱媒体であり、その放熱用熱媒体循環経路内に発生している放熱用熱媒体の流体圧によって前記往復動切替弁を駆動することを特徴とする水素吸蔵合金を利用した熱利用システム。
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