JP4059226B2 - 超伝導cic導体の接続構造 - Google Patents
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図1はこの発明の実施の形態1における超伝導CIC導体の接続部を示すものであり、(a)は接続部をCIC導体の軸に沿って切断した場合の断面図、(b)は軸に垂直な面で切断した場合の断面図である。図において、1は、例えば、多数のニオブチタン線から成る超伝導撚り線、2はこの超伝導撚り線1の外周を被覆するステンレス鋼やインコロイ(Incoloy)などからなる円筒形の外部被覆であり、超伝導撚り線1と外部被覆2により超伝導CIC導体の導体(Conductor)部が構成される。また、3はこの外部被覆2と軸方向に接合され超伝導撚り線1の端部の外周を被覆する円筒形の銅管、4は2つの略平行に配置された超伝導CIC導体の銅管3の間に挿入された高電気伝導材ブロックである銅ブロックであり、この実施の形態1では、銅ブロック4の軸方向の長さを銅管3の長さとほぼ等しくするよう構成している。
上記実施の形態1では、切り欠き部7として、銅ブロック4の両側にスリットを設けた例を示したが、超伝導導体の中心軸に沿った断面形状が、図2に示すようなZ型(あるいはS型)となるよう銅ブロック4に切り欠き部7を構成してもよい。この場合、上記実施の形態1と全く同様の効果が得られるとともに、銅ブロック4の製作が容易になるといった効果もある。
また、図3に示すように、銅ブロック4の断面形状がI型になるように切り欠いても、実施の形態2と同様な効果が得られるとともに、銅ブロック4の製作がさらに容易になるといった効果がある。
図4には、この発明の実施の形態4における超伝導CIC導体の接続部の斜視図を示す。図において、8は超伝導CIC導体の導体(Conductor)部を格納する箱形の導管(Conduit)である。また、図4(a)は、従来の接続部の構成を表している。なお、図1と同一または相当する部品は同じ符号を付して、説明を省略する。
この実施の形態4においては、渦電流を発生させる源となる鎖交磁束の領域を小さくするため、図4(b)、(c)に示すように、接続部での超伝導CIC導体の銅管3の軸方向(長手方向の)断面形状を、積層方向の高さが幅より小さい長方形または楕円に扁平に変形している。これにより、超伝導CIC導体の積層方向と垂直方向の変動磁場が作用する場合に、接続部での鎖交断面積が小さくなり、渦電流による発熱を抑えることができる。
なお、この図4(b)、(c)では、接続部の上下の銅管3の両方を長方形あるいは楕円形に変形して構成した例を示したが、どちらか一方の銅管3だけを変形しても鎖交磁束を減らすことができ、また、上下の断面形状を異なるものとしても同様の効果が得られる。
図5には、この発明に係る実施の形態5の超伝導CIC導体の接続部の斜視図を示す。この実施の形態5では、図5に示すように、導管8から外部に露出された超伝導導体を屈曲して、接続部に導くことにより、接続部での導体部間の距離(W=銅ブロック4の厚み)が、超伝導CIC導体のターン間の距離で決定される標準的な銅ブロックの厚さ(W0=導管8の厚さ(a)−超伝導CIC導体(導体部)の厚さ(b):図6参照)より小さくなるよう構成している。また、この実施の形態5では、前記実施の形態4と同様に、接続部での超伝導導体の断面形状を扁平にしており、銅ブロック4を薄くしたこととあいまって、磁場の鎖交断面積がより小さくなり、渦電流による発熱がより軽減されている。
図7には、この発明に係る実施の形態6の超伝導CIC導体の接続部を、変動外部磁場の方向(紙面と垂直方向)から見た場合の正面図で示す。この実施の形態6では、接続部の超伝導撚線1を超伝導導体の軸方向(長手方向)端部に向かって次第に細くなるように変化させており、この結果、磁場方向に垂直な面での接続部の断面形状は、図7に示すように、銅管3の高さ(径)が端部に向かって次第に小さくなっている。このように、接続部の磁場中の鎖交断面積を小さくすることにより、超伝導導体を含む接続部での渦電流発熱を抑えることができる。
また、この実施の形態6に上記実施の形態4を組み合わせ、導体の軸方向の断面形状を長方形や楕円に変形させれば、更に磁場の鎖交断面積を小さくできることは言うまでもない。
図8(a)〜(d)には、この発明に係る実施の形態7の超伝導CIC導体の接続部の斜視図を示す。この実施の形態7では、接続部の超伝導撚線1の素線を接続部分で超伝導導体の軸方向(長手方向)端部に向かって次第に間引いて減らすことにより、接続部での導管3の磁場に垂直な方向での鎖交断面積を減らすとともに、接続部の体積も小さくし、渦電流発熱を抑えている。また、図8(a)、(c)、(d)では、超伝導撚線1の素線数を間引いて減らすとともに、実施の形態4と同様に、超伝導導体の軸方向の断面形状を半円形、長方形あるいは楕円形とし、一層の鎖交断面積の減少を図っている。
以上のように、この実施の形態7によれば、磁場の鎖交断面積を減らすとともに、体積も小さくしたため、実施の形態4〜6と同様に、渦電流発熱を低減できる効果がある。
また、上記の接続構造が、超伝導CIC導体以外の超伝導導体の接続部においても適用可能なことは明らかである。
2:外部被覆
3:銅管
4:銅ブロック(高電気伝導材ブロック)
5:磁場変化
6:渦電流
7:切り欠き部
8:導管
Claims (11)
- それぞれ、超伝導導体と該超伝導導体の外周を被覆する銅管を有する第1および第2の超伝導CIC導体と、
前記第1および第2の超伝導CIC導体間に挟持された高電気伝導材ブロックとを備え、前記高電気伝導材ブロックと前記銅管を接合して前記第1および第2の超伝導CIC導体を電気的に接続する超伝導CIC導体の接続構造であって、
前記高電気伝導材ブロックに、前記第1および第2の超伝導CIC導体の積層方向と略垂直な方向の切り欠き部を設けたことを特徴とする超伝導CIC導体の接続構造。 - 前記第1および第2の超伝導CIC導体の積層方向での前記高電気伝導材ブロックの断面形状が、工の字形状であることを特徴とする請求項1に記載の超伝導CIC導体の接続構造。
- 前記第1および第2の超伝導CIC導体の積層方向での前記高電気伝導材ブロックの断面形状が、Z字形状またはS字形状であることを特徴とする請求項1に記載の超伝導CIC導体の接続構造。
- 前記第1および第2の超伝導CIC導体の積層方向での前記高電気伝導材ブロックの断面形状が、I字形状であることを特徴とする請求項1に記載の超伝導CIC導体の接続構造。
- 前記高電気伝導材ブロックの前記切り欠き部が、前記高電気伝導材ブロックよりも高抵抗の材料で充填されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の超伝導CIC導体の接続構造。
- 前記高電気伝導材ブロックの前記切り欠き部が、ステンレス鋼によって充填されていることを特徴とする請求項5に記載の超伝導CIC導体の接続構造。
- 前記切り欠き部に充填されたステンレス鋼が溶接、ロウ付けまたはHIPのいずれかにより前記項伝導材ブロックに接合されていることを特徴とする請求項6に記載の超伝導CIC導体の接続構造。
- それぞれ、超伝導導体と該超伝導導体の外周を被覆する銅管を有する第1および第2の超伝導CIC導体と、
前記第1および第2の超伝導CIC導体間に挟持された高電気伝導材ブロックとを備え、前記高電気伝導材ブロックと前記銅管を接合して前記第1および第2の超伝導CIC導体を電気的に接続する超伝導CIC導体の接続構造であって、
前記高電気伝導材ブロックに接合する部分での前記第1および第2の超伝導CIC導体の積層方向高さが、それぞれ、前記第1および第2の超伝導CIC導体の幅より小さいことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の超伝導CIC導体の接続構造。 - それぞれ、超伝導導体と該超伝導導体の外周を被覆する銅管を有する第1および第2の超伝導CIC導体と、
前記第1および第2の超伝導CIC導体間に挟持された高電気伝導材ブロックとを備え、前記高電気伝導材ブロックと前記銅管を接合して前記第1および第2の超伝導CIC導体を電気的に接続する超伝導CIC導体の接続構造であって、
前記第1および第2の超伝導CIC導体の積層方向での前記高電気伝導材ブロックの高さが、前記第1および第2の超伝導CIC導体を格納する導管の厚さと前記第1または第2の超伝導CIC導体の導体部の厚さの差より小さくなるよう構成したことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の超伝導CIC導体の接続構造。 - それぞれ、超伝導導体と該超伝導導体の外周を被覆する銅管を有する第1および第2の超伝導CIC導体と、
前記第1および第2の超伝導CIC導体間に挟持された高電気伝導材ブロックとを備え、前記高電気伝導材ブロックと前記銅管を接合して前記第1および第2の超伝導CIC導体を電気的に接続する超伝導CIC導体の接続構造であって、
前記高電気伝導材ブロックに接合する部分での前記第1および第2の超伝導CIC導体の積層方向高さが、端部に向かって小さくなるよう構成したことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の超伝導CIC導体の接続構造。 - それぞれ、超伝導撚線から成る超伝導導体と該超伝導導体の外周を被覆する銅管を有する第1および第2の超伝導CIC導体と、
前記第1および第2の超伝導CIC導体間に挟持された高電気伝導材ブロックとを備え、前記高電気伝導材ブロックと前記銅管を接合して前記第1および第2の超伝導CIC導体を電気的に接続する超伝導CIC導体の接続構造であって、
前記高電気伝導材ブロックに接合する部分での前記第1および第2の超伝導CIC導体の超伝導撚線の素線の本数が、接続部以外の素線本数より少ないことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の超伝導CIC導体の接続構造。
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