JP4057530B2 - 検眼装置、検眼方法および検眼サーバ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はメガネやコンタクトレンズの度数を決定する検眼装置、検眼方法および検眼サーバに関し、特にたとえばコンピュータ画面を用いて自覚的に検眼することのできる検眼装置、検眼方法および検眼サーバに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、視力を測定するには、眼科医や眼鏡販売店などに直接出向き、検査者の指示のもと、他覚的検査方法または自覚的検査方法に検眼が行われてきた。他覚的検査方法としては、オートレフラクトメータを用いて、他覚的に眼球の屈折率を測定して、実際に備え付けの矯正レンズを装着して視力を確認するという方法が一般にとられている。また、自覚的検査方法としては、第19図に示すようなランドルト環などの記号が表示されている視力検査表を使用して、検査者が指示する視力検査表の記号や文字などを、被検査者がどのような記号、文字であるか回答し、その回答結果から検査者が視力の判定を行う方法が一般的である。
【0003】
近年、一般家庭におけるインターネット環境の拡充が飛躍的に行われてきた結果、消費者が眼科医や眼鏡販売店などに直接出向くことなく、自宅において視力の測定を行い、眼鏡やコンタクトレンズを購入できることが期待されている。
【0004】
自宅において視力を測定するには、当然のことながら、消費者家庭にオートレフラクトメータなどの検査機器が存在しないため、他覚的な視力検査は行うことはできない。そのため、インターネットなどのネットワークを介して視力測定を行うには、被検査者のコンピュータの画面に、第19図に示すような、視力検査表が表示されるようにイメージデータを送信し、被検査者が視標の特徴を視認することができる最小の視標を判断することが必要となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般的に使用される視力検査表は、大きさの差異が小さい視標が一画面に多数表示されるように配置されているため、被検査者は、何れの大きさの視標までが明瞭に視認できているのか正しく判断することが容易でなかった。その結果、被検査者が実際に視認可能な最小の視標とは異なる視標を選択してしまい、誤った視力測定結果を生ずる場合があった。また、乱視を有する被検者は単に視力検査を行うだけでは対応できない。このため、コンピュータ画面に第20図のような乱視表を表示し、被検者に見やすい方向を入力させることが考えられるが、乱視軸は被検者とコンピュータ画面の距離によって変化する場合があり、また単に見やすいという判定では正しく乱視軸を判断できないという問題がある。
【0006】
検査者と対面しながら視力測定を行う場合には、被検査者が誤った視標を選択したときでも、被検査者の回答の過程から判断して誤った回答をしたのか判断できたが、検査者が存在しない場合には、その選択結果が正しい結果であるのか誤った結果であるのかを、第三者が判断することが不可能である。
【0007】
それゆえに、この発明の主たる目的は、特別な設備を必要とすることなくコンピュータ画面を用いて簡便に検眼が行え、乱視を有する被検者にも対応できる検眼装置および検眼方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、コンピュータ画面を用いて検眼する検眼装置であって、被検者の属性を取得する被検者属性取得手段と、乱視軸判定チャートを画面表示する乱視軸判定チャート表示手段と、表示された乱視軸判定チャートについて被検者が選択した方位を取得する方位取得手段と、取得された方位の視力測定チャートを画面表示する第1の視力測定チャート表示手段と、表示された第1の視力測定チャートについて被検者が選択した視認限界を取得する第1の視認限界取得手段と、取得された方位と直交する方位の視力測定チャートを画面表示する第2の視力測定チャート表示手段と、表示された第2の視力測定チャートについて被検者が選択した視認限界を取得する第2の視認限界取得手段と、取得された第1の視認限界と取得された第2の視認限界と取得された被検者属性とを入力パラメータとして第1の遠点距離と第2の遠点距離を演算する遠点距離演算手段と、取得された方位および演算された第1の遠点距離と第2の遠点距離とから、乱視を有する場合は乱視軸を判定した上で度数を演算する度数演算手段とを備えたことを特徴とする、検眼装置である。
このように、被検者属性取得手段によって被検者の属性を取得するとともに、乱視軸判定チャート表示手段によってコンピュータ画面に乱視軸判定チャートを表示し、方位取得手段によって被検者の選択した方位を取得し、第1の視力測定チャート表示手段によって取得された方位の視力測定チャートを表示し、第1の視認限界取得手段によって被検者の選択した第1の視認限界を取得し、第2の視力測定チャート表示手段によって取得された方位と直交する方位の視力測定チャートを表示させ、第2の視認限界取得手段によって被検者の選択した第2の視認限界を取得し、遠点距離演算手段によって取得された第1の視認限界と取得された第2の視認限界と取得された被検者の属性とを入力パラメータとして第1の遠点距離と第2の遠点距離を演算し、度数演算手段によって取得された方位と演算された第1の遠点距離と第2の遠点距離とから、乱視を有する場合は乱視軸を判定した上で度数を演算するようにしたので、乱視を有する被検者にも対応でき、特別な設備を必要とすることなくコンピュータ画面を用いて簡便に検眼が行える。
また、被検者は遠点距離を直接測定する必要がないので、コンピュータ画面から離れることなく度数を求めることができ、操作性に優れる。
尚、被検者属性取得手段において被検者の希望する装着条件を取得し、度数演算手段で取得された装着条件に合致するレンズ度数を演算するようにしてもよい。これにより、被検者は検眼結果に基づいてメガネやコンタクトレンズを直接注文することができるようになる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、第1の視力測定チャート表示手段と第2の視力測定チャート表示手段とは、視標の大きさの段階差が2以上となる視標の組合せからなる複数の視力検査チャートを順次画面表示手段に表示する表示手段を有し、第1の視認限界取得手段と第2の視認限界取得手段とは、画面表示手段に表示された各視力検査チャートについて視認可能な最小の視標を選択させる選択手段と、各視力検査チャートについて選択された視認可能な最小の視標から被検査者が視認可能な最小の視標を決定する決定手段とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の検眼装置である。
視標の大きさの段階差が2以上となる視標の組合せからなる複数の視力検査チャートを順次画面表示手段に表示し、被検査者は視標の大きさの段階差が2以上となる視標の組合せからなる各視力測定表について視認可能な最小の視標を選択すればよいので、容易に視標を選択できる。また、各視力検査チャートについて選択された視認可能な最小の視標から、被検査者が視認可能な最小の視標を決定するので、被検査者の視力を精度良く測定することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、表示手段は、各視力検査チャートに含まれる視標の段階差を3とした3つの視力検査チャートを画面表示手段に表示する、請求項2に記載の検眼装置である。
各視力検査チャートに含まれる視標の段階差を3としたので、被検査者は視認可能な最小の視標をより容易に選択できる。また、3つの視力検査チャートを用いて検査するので、被検査者は視認可能な最小の視標の選択操作を3回行うだけで被検査者が視認可能な最小の視標を求めることができる。また、3つの視力検査チャートを用いて検査するので、被検査者の選択結果が互いに矛盾する場合でも、多数決論理等を用いることで被検査者が視認できる最小の視標を精度良く求めることができ、被検査者の視力を精度良く測定することができる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、決定手段は、選択手段により選択された視標の段階差の最小値が1となるとき、大きさの段階差が1である組合せの視標のうち最も小さい視標を被検査者が視認可能な最小の視標として決定する機能を有する、請求項2または請求項3に記載の検眼装置である。
画面表示手段に表示された各視力検査チャートについて視認可能な最小の視標を選択させる選択手段により選択された視標の段階差の最小値が1となるときは、被検査者が選択した当該視認可能な最小の視標の信頼性は高いと考えられるので、当該視標のうち最も小さい視標を被検査者が視認可能な最小の視標として決定することにより、被検査者の視力を精度良く測定することができる。
【0012】
請求項5に記載の発明は、決定手段は、選択手段により選択された視標の段階差の最小値が2となるとき、段階差の最小値が2となる視標の組合せのうち最も小さい組合せの視標の間の視標を被検査者が視認可能な最小の視標として決定する機能を有する、請求項2または請求項3に記載の検眼装置である。
画面表示手段に表示された各視力検査チャートについて視認可能な最小の視標を選択させる選択手段により選択された視標の段階差の最小値が2となるとき、被検査者が選択した視標の段階差が2の視標はある程度の信頼性を有すると考えられ、全体の視標における視認可能な最小の視標は当該視標の間にある可能性が高いので、選択された段階差が2の視標の間の視標を被検査者が視認可能な最小の視標として決定することにより、被検査者の視力を運用上差し支えない精度で測定することができる。
【0013】
請求項6に記載の発明は、決定手段は、選択手段により選択された視標の段階差の最小値が3以上となるとき、複数の視力検査チャートを画面表示手段に再度表示して視認可能な最小の視標を選択させる機能を有する、請求項2または請求項3に記載の検眼装置である。
画面表示手段に表示された各視力検査チャートについて視認可能な最小の視標を選択させる選択手段により選択された視標の段階差の最小値が3以上となるときは、各分割画面において被検査者が選択した視標の信頼性は低いと考えられるので、複数の視力検査チャートを画面表示手段に再度表示して視認可能な最小の視標を選択させることにより、被検査者の誤入力を防ぎ、高い視力測定精度を確保することができる。
【0014】
請求項7に記載の発明は、遠点距離演算手段は、被検者の属性および視認限界と遠点距離の関係を多数の被検者で学習させた学習モデルを用いて遠点距離を演算する機能を有することを特徴とする、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の検眼装置である。
このように、視認限界と遠点距離の関係を年齢・性別・身長等の被検者の属性をパラメータとして多数の被検者によって学習させた学習モデルを用いて遠点距離を演算するようにしたので、多様な被検者に対して精度良く遠点距離を求めることができる。
尚、学習モデルとしてはニューラルネットワークを用いることができ、ファイジー推論等の他の人工知能的手法を用いてもよい。
【0015】
請求項8に記載の発明は、取得された方位の近点距離測定チャートを画面表示する第1の近点距離測定チャート表示手段と、表示された第1の近点距離測定チャートについて被検者が入力した近点距離を取得する第1の近点距離取得手段と、取得された方位と直交する方位の近点距離測定チャートを画面表示する第2の近点距離測定チャート表示手段と、表示された第2の近点距離測定チャートについて被検者が入力した近点距離を取得する第2の近点距離取得手段とを備えたことを特徴とする、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の検眼装置である。
このように、コンピュータ画面に近点距離測定チャートを表示し、被検者が測定した近点距離を取得するようにしたので、遠視や老眼を有する被検者にも対応できる。
また、取得した近点距離を遠点距離演算手段の入力パラメータとして用いるようにしてもよい。これにより、被検者の眼球の調節力を考慮した遠点距離が求まるので、より精度良く度数を求めることができる。
【0016】
請求項9に記載の発明は、乱視軸判定チャート表示手段は、複数の平行線からなる4方向の線状群を表示する機能を有することを特徴とする、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の検眼装置である。
このように、複数の平行線をコンピュータ画面に表示することで被検者が乱視を有する場合は濃淡模様の差異として認識でき、方位を4方向に限定することで被検者に微妙な判断を要求することがないので、被検者の判断ミスによって誤った検眼結果が提示されることを抑制できる。
【0017】
請求項10に記載の発明は、第1の視力測定チャート表示手段と第2の視力測定チャート表示手段の少なくとも一方は、線幅を変更した複数の線状濃淡画像を表示する機能を有することを特徴とする、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の検眼装置である。
このように、線幅を変更した複数の線状濃淡画像をコンピュータ画面に表示し、被検者に線状濃淡画像が所定の本数に見える限界の間隔を入力させることで、ランドルト環を表示して視力を測定する場合に比較して、被検者が容易に視認限界を判断できる。特に、視力のよい被検者の場合は画面表示が極めて小さくなるので、かかる線状濃淡画像を用いることで、より正確に視認限界を判断できる。
【0018】
請求項11に記載の発明は、乱視軸判定チャート表示手段と第1の視力測定チャート表示手段と第2の視力測定チャート表示手段の少なくともいずれかは、コンピュータ画面の画面表示情報を取得する画面表示情報取得手段と、取得された画面表示情報によってコンピュータ画面の表示サイズを変更する表示サイズ変更手段とを有することを特徴とする、請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の検眼装置である。
これにより、コンピュータ画面の画面サイズや解像度設定等の画面表示情報を取得し、これに基づいてコンピュータ画面に表示する乱視軸判定チャートや視力測定チャートの表示サイズを調節できるので、コンピュータ画面に表示されるチャートを自動的に所定の大きさに設定でき、より精度良く検眼が行える。
また、コンピュータ画面の画面表示設定によっては、適切な設定が行えるように設定変更を被検者に要請したり、被検者とコンピュータ画面の距離を変更するように指示するようにしてもよい。これにより、被検者の使用するコンピュータの仕様に応じて適切な指示を与えることができる。
また、コンピュータ画面がCRTか液晶かによって見え方が異なるので、このような情報が得られる場合は、それによって画面表示設定の変更を指示したり、被検者とコンピュータ画面の距離を変更するように指示するようにしてもよい。
尚、コンピュータの画面表示情報は、被検者の属性情報として入力されたものを取得するようにしてもよく、コンピュータの設定情報を自動取得するようにしてもよい。
【0019】
請求項12に記載の発明は、乱視軸判定チャート表示手段と第1の視力測定チャート表示手段と第2の視力判定チャート表示手段の少なくともいずれかは、コンピュータ画面に表示する色を選択する表示色選択手段を有することを特徴とする、請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の検眼装置である。
これにより、コンピュータ画面に表示されるチャートの色を自由に選択することができるので、例えば最初に推奨される色のサンプルを複数表示して、その中から被検者に見やすい色を選択させ、その色で検眼するようにしてもよい。
また、コンピュータ画面がCRTか液晶かによって見え方が異なるので、推奨される色を切替えて表示するようにしてもよい。
【0020】
請求項13に記載の発明は、乱視軸判定チャート表示手段と第1の視力測定チャート表示手段と第2の視力判定チャート表示手段の少なくともいずれかは、コンピュータ画面に表示する輝度を選択する表示輝度選択手段を有することを特徴とする、請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の検眼装置である。
これにより、コンピュータ画面に表示されるチャートの輝度を自由に選択することができるので、例えば最初に推奨される輝度のサンプルを複数表示して、その中から被検者に見やすい輝度を選択させ、その輝度で検眼するようにしてもよい。
また、コンピュータ画面がCRTか液晶かによって見え方が異なるので、推奨される輝度を切替えて表示するようにしてもよい。
【0021】
請求項14に記載の発明は、コンピュータ画面を用いて検眼する検眼方法であって、被検者の属性を取得する被検者属性取得ステップと、乱視軸判定チャートを画面表示する乱視軸判定チャート表示ステップと、表示された乱視軸判定チャートについて被検者が選択した方位を取得する方位取得ステップと、取得された方位の視力測定チャートを画面表示する第1の視力測定チャート表示ステップと、表示された第1の視力測定チャートについて被検者が選択した視認限界を取得する第1の視認限界取得ステップと、取得された方位と直交する方位の視力測定チャートを画面表示する第2の視力測定チャート表示ステップと、表示された第2の視力測定チャートについて被検者が選択した視認限界を取得する第2の視認限界取得ステップと、取得された第1の視認限界と取得された第2の視認限界と取得された被検者属性とを入力パラメータとして第1の遠点距離と第2の遠点距離を演算する遠点距離演算ステップと、取得された方位および演算された第1の遠点距離と第2の遠点距離とから、乱視を有する場合は乱視軸を判定した上で度数を演算する度数演算ステップとを備えたことを特徴とする、検眼方法である。
このように、被検者の属性を取得するとともに、コンピュータ画面に乱視軸判定チャートを表示して被検者の選択した方位を取得し、取得された方位の視力測定チャートを表示して被検者の選択した第1の視認限界を取得し、取得された方位と直交する方位の視力測定チャートを表示して被検者の選択した第2の視認限界を取得し、取得された第1の視認限界と取得された第2の視認限界と取得された被検者の属性とを入力パラメータとして第1の遠点距離と第2の遠点距離を演算し、取得された方位と演算された第1の遠点距離と第2の遠点距離とから、乱視を有する場合は乱視軸を判定した上で度数を演算するようにしたので、乱視を有する被検者にも対応でき、特別な設備を必要とすることなくコンピュータ画面を用いて簡便に検眼が行える。
また、被検者は遠点距離を直接測定する必要がないので、コンピュータ画面から離れることなく度数を求めることができ、操作性に優れる。
【0022】
請求項15に記載の発明は、第1の視力測定チャート表示ステップと第2の視力測定チャート表示ステップとは、視標の大きさの段階差が2以上となる視標の組合せからなる複数の視力検査チャートを順次画面表示手段に表示する表示ステップを有し、第1の視認限界取得ステップと第2の視認限界取得ステップとは、画面表示手段に表示された各視力検査チャートについて視認可能な最小の視標を選択させる選択ステップと、各視力検査チャートについて選択された視認可能な最小の視標から被検査者が視認可能な最小の視標を決定する決定ステップとを含むことを特徴とする、請求項14に記載の検眼方法である。
視標の大きさの段階差が2以上となる視標の組合せからなる複数の視力検査チャートを順次画面表示手段に表示し、被検査者は視標の大きさの段階差が2以上となる視標の組合せからなる各視力測定表について視認可能な最小の視標を選択すればよいので、容易に視標を選択できる。また、各視力検査チャートについて選択された視認可能な最小の視標から、被検査者が視認可能な最小の視標を決定するので、被検査者の視力を精度良く測定することができる。
【0023】
請求項16に記載の発明は、ネットワークに接続されたクライアントコンピュータに対して、コンピュータ画面を用いて検眼する機能を提供する検眼サーバであって、被検者の属性を取得する被検者属性取得手段と、乱視軸判定チャートを画面表示する乱視軸判定チャート表示手段と、表示された乱視軸判定チャートについて被検者が選択した方位を取得する方位取得手段と、取得された方位の視力測定チャートを画面表示する第1の視力測定チャート表示手段と、表示された第1の視力測定チャートについて被検者が選択した視認限界を取得する第1の視認限界取得手段と、取得された方位と直交する方位の視力測定チャートを画面表示する第2の視力測定チャート表示手段と、表示された第2の視力測定チャートについて被検者が選択した視認限界を取得する第2の視認限界取得手段と、取得された第1の視認限界と取得された第2の視認限界と取得された被検者属性とを入力パラメータとして第1の遠点距離と第2の遠点距離を演算する遠点距離演算手段と、取得された方位および演算された第1の遠点距離と第2の遠点距離とから、乱視を有する場合には乱視軸を判定した上で度数を演算する度数演算手段とを備えたことを特徴とする、検眼サーバである。
【0024】
請求項17に記載の発明は、ネットワークに接続されたクライアント端末に対して、視力に対応させて大きさを段階的に変化させた複数の視標を含む視力検査チャートを提供し、クライアント端末の画面表示手段に表示された視力検査チャートから被検査者に視認可能な最小の視標を選択させることによって自覚的に視力を測定する検眼サーバであって、視標の大きさの段階差が2以上となる視標の組合せからなる複数の視力検査チャートが順次クライアント端末画面表示手段に表示されるように視力検査チャートイメージデータを提供する視力検査チャートイメージデータ提供手段と、クライアント端末画面表示手段に表示された各視力検査チャートについて被検査者が選択した視認可能な最小の視標を取得する個別視認可能視標取得手段と、個別視認可能視標取得手段により取得された各個別視認可能視標から被検査者が視認可能な最小の視標を決定する視認可能視標決定手段とを備えたことを特徴とする、検眼サーバである。
視標の大きさの段階差が2以上となる視標の組合せからなる複数の視力検査チャートを順次画面表示手段に表示し、被検査者は視標の大きさの段階差が2以上となる視標の組合せからなる各視力測定表について視認可能な最小の視標を選択すればよいので、容易に視標を選択できる。また、各視力検査チャートについて選択された視認可能な最小の視標から、被検査者が視認可能な最小の視標を決定するので、被検査者の視力を精度良く測定することができる。
【0025】
請求項18に記載の発明は、視力に対応させて大きさを段階的に変化させた複数の視標を含む視力検査チャートを画面表示手段に表示し、画面表示手段に表示された視力検査チャートから被検査者に視認可能な最小の視標を選択させることによって自覚的に視力を測定する検眼方法であって、視標の大きさの段階差が2以上となる視標の組合せからなる複数の視力検査チャートを順次画面表示手段に表示するステップと、画面表示手段に表示された各視力検査チャートについて視認可能な最小の視標を選択させるステップと、各視力検査チャートについて選択された視認可能な最小の視標から被検査者が視認可能な最小の視標を決定するステップとを含むことを特徴とする、検眼方法である。
視標の大きさの段階差が2以上となる視標の組合せからなる複数の視力検査チャートを順次画面表示手段に表示し、被検査者は視標の大きさの段階差が2以上となる視標の組合せからなる各視力測定表について視認可能な最小の視標を選択すればよいので、容易に視標を選択できる。また、各視力検査チャートについて選択された視認可能な最小の視標から、被検査者が視認可能な最小の視標を決定するので、被検査者の視力を精度良く測定することができる。
【0026】
【発明の効果】
この発明によれば、被検者の属性を取得するとともに、乱視軸判定チャートをコンピュータ画面に表示して被検者が選択した方位を取得し、取得された方向とそれに直交する方向について視力測定チャートを表示し、被検者の選択した視認限界を取得し、取得された視認限界と取得された被検者の属性から遠点距離を演算し、取得された方位と演算された2つの遠点距離から度数を演算するようにしたので、乱視を有する被検者にも対応でき、特別な設備を必要とすることなくコンピュータ画面を用いて簡便に検眼が行えるという効果がある。
【0027】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0028】
【発明の実施の形態】
第1図は本願発明の検眼装置の一実施形態にかかるシステム構成を示す。
図のように、本システムでは被検者が使用するコンピュータ1と、本願発明の検眼方法を提供する検眼サーバ10とがインターネット2を介して接続されている。
検眼サーバ10は、インターネット2を介して被検者コンピュータ1に検眼サービスを提供するためのサーバであって、WWWサーバ20と、表示画面データベース30と、ユーザインターフェイス手段40と、検眼情報データベース50と、遠点距離演算手段60と、度数演算手段70とを備える。
【0029】
WWWサーバ20は、被検者コンピュータ1のアクセスを受付け、本願発明の検眼手順に従って検眼機能を提供するためのサーバであり、ここでは被検者コンピュータ1が汎用のWebブラウザによってサービスを受けることができるようにHTTPサーバを使用している。
表示画面データベース30は、本願発明の検眼手順に従ってWWWサーバ20がアクセスしている被検者コンピュータに提示する画面データを保存する。ここでは、最初のガイダンス画面、被検者の属性入力画面、乱視軸判定画面、遠点視力測定画面、近点視力測定画面等がHTML形式で保存されている。
ユーザインターフェース手段40は、WWWサーバ20によって被検者コンピュータ1に表示した画面において被検者が入力した情報に基づいて、被検者の属性を検眼情報データベース50に記憶させたり、遠点距離演算手段60を起動して遠点距離を演算したり、度数演算手段70を起動して度数を演算したりする。
ユーザインタフェース手段40は、WWWサーバ20からCGI(Common Gateway Interface)によって起動されるプロセスであり、また遠点距離演算手段60と度数演算手段70はユーザインターフェース手段40から起動されるプロセスである。また、検眼情報データベース50には被検者が入力した被検者属性データ、乱視軸判定チャートの選択方位データ(右目と左目)、視力測定チャートによる視認限界データ(右目と左目×2方向)、近点距離測定チャートによる近点距離データ(右目と左目×2方向)、演算された遠点距離(右目と左目×2方向)、演算された度数(右目と左目)等が保存される。
【0030】
次に、かかる検眼システムによって、検眼を行う手順の一例を第2図によって説明する。
まず、被検者の属性を取得するための被検者属性入力画面を表示し(S10)、被検者の入力した属性を取得して被検者データとして保存する(S12)。被検者の属性には、年齢・性別・身長等の個人情報と、メガネやコンタクトレンズを主に使用する場所に関する装着条件情報とがある。第3図は個人情報取得の際の表示画面例であり、第4図は装着条件取得の際の表示画面例である。ここで、装着条件の「読書」「デスクワーク」は近距離用を、「パソコン」は中距離用を、「車の運転」は遠距離用をそれぞれ想定している。
次に、乱視軸の判定をするための乱視軸判定チャートを表示し(S14)、被検者の選択した方位を取得して選択方位データに保存する(S16)。第5図は乱視軸判定の説明画面例であり、第6図は乱視軸判定画面例である。
【0031】
図のように、乱視軸判定チャートは複数の平行線からなる、45度・90度・135度・180度の4方向の線状群から構成される。被検者が乱視を有する場合は明瞭に見える方位とつぶれて薄く見える方位が生じるので、見え方の異なる方位のゾーンをクリックするよう促す。このように、見え方の異なる方位を選択させるようにしたのは、乱視は物体との距離によってよく見える方向が変化する可能性があるため、最初からよく見える方位とすると乱視軸の判断を誤る恐れがあるからである。従って、本願発明では、この段階では乱視軸の主軸は決定せず、後の遠点距離を求めることで明らかにするようにしている。
乱視を有しない被検者は、原則として全方位が同じに見えるはずであるので、全部が同じに見える又はわからないをクリックした被検者は乱視を有しないものとして、以下の測定は水平についてのみ行う。
【0032】
乱視軸判定チャートは、背景色は緑色、線の色は黒色とし、線幅は2画素、線間幅は3画素とした。背景色は、白色では輝度が明るすぎて目が縮瞳し、被写界深度が深くなって4つのゾーンの見え方の差が小さくなるという問題があるため、目にやさしいグリーン系統を用いて輝度を抑えたものである。線の色は、多数の被検者に対して行った検眼実験の結果から、見やすいとされた黒色とした。線幅は、特にディスプレイがCRTの場合は電子銃のフォーカスボケが発生することから、1画素では水平・垂直と斜めで見え方に差異が生じてしまうため、最低2画素とした。線間幅は、乱視判定においてチャートまでの距離が極端に短いと乱視軸が変化し、誤判定の可能性があるため、1mの距離から線間の隙間を認識できるように設定した。視力1.0(視角1分)は、1mの距離で切れ目0.29mmを識別する能力であり、14インチ液晶ディスプレイまたは17インチCRTを使用してほぼ1画素に相当する。従って、2画素で視力0.5程度に相当するが、検眼対象者はメガネを必要とする人であることから、更に間隔を広げ、3画素とした。
また、乱視軸の方位を4方向としたのは、4方向でも十分に実用的なメガネやコンタクトレンズの選定ができることと、被検者が独自で判断するものであるから、できる限り容易かつ誤りなく判定できる必要があるためである。
【0033】
次に、被検者が選択した選択方位についての遠点視力を測定するため、選択方位の視力測定チャートを表示し(S18)、被検者が選択した視認限界を取得して、第1視認限界データに保存する(S20)。第7図は遠点視力測定の説明画面例であり、第8図は遠点視力測定画面例である。
【0034】
図のように、視力測定チャート(視標)は一定線幅の3本の黒線と2本の白線からなる線状濃淡画像であり、視力に対応して線幅をI段階(10段階から20段階程度)に変えた複数のチャート(視標)を表示する。これに対し、被検者に3本に見える一番小さいマークをクリックするよう促す。このように、3本に見えるマークを選択させるようにしたので、ランドルト環のように単一の間隙を視認するのに対して被検者の判断が容易になっている。
尚、被検者にはコンピュータ画面から腕を伸ばした距離で遠点視力を測定するように促しているが、これは腕の長さは身長にほぼ比例するので、事前に入力された身長のデータによって被検者とチャートの距離が予測できるからである。
【0035】
このように、被検者はコンピュータ画面との距離を測定したり、画面表示サイズを調整したりする必要がないので、簡便に測定できる。
同様に、被検者が選択した選択方位と直交する方位についての遠点視力を測定するため、選択方位と直交する方位の視力測定チャートを表示し(S22)、被検者が選択した視認限界を取得して、第2視認限界データに保存する(S24)。
【0036】
次に、被検者が選択した方位の近点距離を測定するため、選択方位の近点距離測定チャートを表示し(S26)、被検者の入力した近点距離を第1近点距離データに保存する(S28)。第9図は近点距離測定の説明画面例であり、第10図は近点距離測定画面例である。
【0037】
図のように、近点距離測定チャート(視標)は緑色の背景に設けられた3本の黒線からなる。画面のメッセージにより、被検者に対して、最初にできる限り画面に近づき、それから3本線がはっきり見える位置まで遠ざかり、画面から目までの距離を測定してcm単位で入力するように促す。
尚、近点距離測定チャート(視標)は、コンピュータ画面に接近して視認するため、前述の視力測定チャートに比べて細い線を使用する。但し、年齢によって解像力の差があるため、若年層は細い線を、中高年層は若干太い線を使用する。
同様に、被検者が選択した選択方位と直交する方位についての近点距離を測定するため、選択方位の近点距離測定チャートを表示し(S30)、被検者の入力した近点距離を第2近点距離データに保存する(S32)。
【0038】
次に、第1視認限界データと第1近点距離データと被検者限界データとから遠点距離を求め、第1遠点距離データに保存する(S34)。同様に、第2視認限界データと第2近点距離データと被検者限界データとから遠点距離を求め、第2遠点距離データに保存する(S36)。
遠点距離の演算は、あらかじめ多数の被検者で学習させたニューラルネットワークを用いて行う。第11図に遠点距離演算用ニューラルネットワークの構成例を示す。図のように、入力層はI段階の遠点視力(視力測定チャートから被検者が選択した視認限界)とJ段階の近点距離(近点距離測定チャートから被検者が測定した近点距離)とK段階の被検者属性(年齢・性別・身長)とを、出力層はN段階の遠点距離を有する。年齢・性別をパラメータとするのは、これによって被検者の目の調節力が変わるからである。また、身長は前述のように被検者と画面の距離を腕の長さで合わせるようにしており、腕の長さに比例する身長を代用パラメータとして用いたものである。学習方法としては、いわゆるバック・プロパゲーション法を用いた。
【0039】
ここで、入力パラメータの近点距離と演算結果の遠点距離は、レンズ度数への換算を容易にするため、いずれもメートル単位で表した距離の逆数であるD(ディオプター)値に変換して取り扱う。
尚、ニューラルネットワークは、乱視軸の選択方位と選択方位に直交する方位の2つの独立する学習モデルを生成し、それぞれ個別に計算するようにした。
また、画面の見え方はディスプレイの種類によって変わるので、ディスプレイが液晶かCRTかによって独立に学習させたニューラルネットワークを用いて演算するようにした。
【0040】
以上の乱視軸判定(S14)から遠点距離演算(S36)までを、右目と左目の両方について行い、得られた選択方位データと第1遠点距離データと第2遠点距離データとから度数(S:球面度数、C:乱視度数、AX:乱視軸)を演算する(S38)。
S34で求めた第1遠点距離をD1、その方位をAX1とし、S36で求めた第2遠点距離をD2、その方位をAX2とすると、
|D1|<|D2|のとき、S=D1、C=D2−D1、AX=AX1
|D2|<|D1|のとき、S=D2、C=D1−D2、AX=AX2
である。
【0041】
上記実施形態では、単に目の度数を演算する場合について説明したが、求められた目の度数と被検者属性データの装着条件からレンズ度数を決定して、メガネまたはコンタクトレンズの注文を受付けるようにしてもよい。
この場合、被検者属性データの装着条件から、通常使用距離として近距離用(30cm)、中距離用(50〜60cm)、遠距離用(5m)のいずれかを判断し、それによって推奨されるレンズの度数を決定する。
例えば、遠距離用では遠点距離D1を5m(−0.2D)になるように矯正するとして、推奨レンズの度数はD1+0.2Dとなる。
【0042】
また、度数演算手段によって演算された度数と被検者の属性から眼球光学モデルを生成する眼球光学モデル生成手段と、生成された眼球光学モデルを使用して裸眼の集光性能を確認する裸眼集光性能確認手段を設け、演算された度数の妥当性をチェックするようにしてもよい。これにより、更に精度良く度数を決定できる。
また、生成された眼球モデルを使用して推奨レンズによって矯正したときの集光性能を演算する矯正後集光性能演算手段を設け、推奨レンズを決定するようにしてもよい。これにより、更に被検者に適したレンズ度数を提示できるようになる。
更に、推奨レンズを装着したときの集光状態から所定の距離における鮮鋭度を演算する鮮鋭度演算手段と、演算された鮮鋭度における画像サンプルを生成する画像サンプル生成手段と、生成された画像サンプルをコンピュータ画面に表示する画像サンプル表示手段とを設け、被検者に推奨レンズを装着したときの画像サンプルを確認させるようにしてもよい。これにより、被検者はレンズを装着したときの見え方をチェックできるので、より適切なレンズ度数を決定できるようになる。
【0043】
上記実施形態では、遠点距離演算手段は多数の被検者で学習させたニューラルネットワークを用いて遠点視力と近点距離と被検者の属性から遠点距離を求めるとして説明したが、本願発明はこれに限定されるものではなく、ファジー推論を用いて遠点距離を演算するものとし、多数の被検者のデータでメンバーシップ関数や推論ルールを求めるようにしてもよい。また、多数の被検者のデータから遠点視力と遠点距離の関係を近点距離や被検者の属性をパラメータとした近似式を求め、それを用いて遠点距離を演算するようにしてもよく、本願発明の効果を奏する。
また、上記実施形態では、遠点距離の演算において近点距離を入力パラメータとしているが、本願発明はこれに限定されるものではなく、近点距離を省略してもよい。この場合でも、近点距離は年齢に比例する特性を持っていることから、本願発明の効果を奏する。
【0044】
上記実施形態では、乱視軸判定チャートは複数の平行線からなる4方向の線状群を一画面に表示して被検者に見え方の異なるゾーンを選択させるとして説明したが、本願発明はこれに限定されるものではなく、4方向の線状群を順次個別に表示して見え方の異なる方位を選ばせるようにしてもよい。
上記実施形態では、視力測定チャートは大きさの異なる複数のチャート(視標)を一画面に並べて表示して被検者に視認限界を選択させるようにしたが、本願発明はこれに限定されるものではなく、各大きさのチャート(視標)を大きい方から順に表示して、視認できなくなったところを被検者に選択してもらうようにしてもよい。
【0045】
また、視力測定チャートは大きさの異なる複数のチャート(視標)を一画面に並べて表示して被検者に視認限界を選択させるようにした場合において、チャート(視標)の大きさの段階差が2以上となるチャート(視標)の組合せからなる複数の視力検査チャートを順次画面に表示して、視認可能なチャート(視標)を、被検者に選択させるように構成されてもよい。以下、このような検眼の方法を行う場合の検眼システムの構成および処理の流れについて説明を行う。
【0046】
第12図は、この発明の別の実施形態における検眼システムの一部を示す図解図である。検眼システムは、上記実施形態と同様に、第12図に示すように、検眼サーバ10と被検者コンピュータ1とインターネット2とから構成される。
検眼サーバ10は、視力検査チャートイメージデータ提供手段たる、WWWサーバ20を有する。WWWサーバ20は、HTTPプロトコルに従って、被検者コンピュータ1とデータの送受信を行うためのサーバアプリケーションである。
【0047】
WWWサーバ20には、CGI22が接続されている。CGI22は、被検査者から送信されたHTMLデータの内容に対応して、後述するHTMLデータを選択し、また動的に送信するHTMLデータの内容を変更する。さらに、CGI22は、個別視認可能視標取得手段として機能し、被検者コンピュータ1において入力されたデータが含まれているHTMLデータから任意のデータを抽出して、後述する検眼機能部80に抽出・取得した視標に関するデータを引き渡す機能を有する。
【0048】
WWWサーバ20が各種データを読み出す記憶領域32には、視力検査チャートイメージデータ34が記憶されている。視力検査チャートイメージデータ34は、複数の視力検査チャートイメージデータ34から構成されている。視力検査チャートイメージデータ34は、HTMLデータ24内のイメージデータとして、適宜、被検者コンピュータ1に送信され、被検者コンピュータ1の表示装置において表示される。
【0049】
本発明で使用する視力検査チャートイメージデータ34は、第13図乃至第15図に示す、3つの視力検査チャートイメージデータ34a、34b、34cを併せて使用することにより、精度よく視力測定を行うことができる。なお、視力検査チャートイメージデータ34は、遠点視力を測定するための視標が描かれているイメージデータであり、視標は一定線幅の3本の黒線と2本の白線からなる線状濃淡画像からなる。視標の大きさは、視力に対応して21段階に大きさ(線幅)が変えてある。また、視標の背景色には緑色が使用してある。背景色を緑色としたのは、白色では輝度が明るすぎて瞳孔が縮瞳し、その結果、焦点深度が深くなり、実際より視力が良くなったように見えるという問題があるため、目にやさしいグリーン系統を用いて輝度を抑えるためである。さらに、本実施形態では、3本に見える視標を選択させるようにしたので、ランドルト環のように単一の間隙を視認するのに対して被検者の判断が容易になっている。
視力検査チャートイメージデータ34a、34b、34cは、第13図乃至第15図に示すように、1つのイメージデータ内に大きさが異なる視標を複数配置した視力測定表が描かれたイメージデータである。視力検査チャートイメージデータ34a、34b、34cには、大きさの段階が隣り合う視標が、1つイメージデータ内に存在しないように、視力検査チャートイメージデータ34a、34b、34cに振り分けられて配置されている。
【0050】
以下、具体的な例を用いて説明をおこなう。本実施形態で使用する視標は、視標の下方に付記されている番号が、1から21へと大きくなるにつれて、視標の大きさが大きくなるように構成されている。この場合、番号Nの視標と番号N+1の視標とは、段階差が1の大きさの段階が隣り合う視標同士であるが、これらを同一の視力検査チャートイメージデータ内には配置しない。これは、大きさの段階が隣り合う視標同士では、その大きさの差異をわずかであるため、被検査者が何れの視標を選択したらよいか判断に迷うからである。
【0051】
本実施形態の視力検査チャートでは、大きさの段階が3つ離れた視標を組合せた3つの視力測定表を用いて視力測定を行う。視力検査チャートイメージデータ34aには、番号1、4、7、10、13、16、19の視標を配置し、視力検査チャートイメージデータ34bには、番号2、5、8、11、14、17、20の視標を配置し、視力検査チャートイメージデータ34cには、番号3、6、9、12、15、18、21の視標を配置した。このように、大きさが比較的大きく段階で異なる視標を同一のイメージの中に配置し、その中から明瞭に視認できる視標を選択させるようにすることで被検者の判断が容易となる。
なお、視力検査チャートイメージデータ34は、被検者コンピュータ1の表示装置の種類(CRT,液晶)、サイズ(14インチ、17インチなど)、画面解像度(横800×縦600,横1026×縦768など)により、実際に表示されるイメージの大きさが異なることから、すべての表示装置において等しい大きさに表示されるように、イメージデータの大きさと解像度が異なる複数のデータが記憶されている。
【0052】
CGI22には、視認可能視標決定手段たる、検眼機能部80が接続されている。検眼機能部80は、CGI22により抽出・取得された被検査者が選択した視標の選択結果のデータに基づいて、被検査者が視認可能な最小の視標を決定し、被検査者の視力を測定する機能を有する。なお、検眼機能部80の動作等については、本実施形態の動作説明時に詳述する。
【0053】
被検者コンピュータ1は、検眼サーバ10と種々のデータを送受信することにより視力測定を行うための端末である。被検者コンピュータ1としては、被検査者の自宅等に設置されている、パソコン、ワークステーション等のコンピュータが使用される。被検者コンピュータ1には、検眼サーバ10と同様に、図示しないモデムやネットワークインターフェイスカードが装着されており、インターネット2を介して、検眼サーバ10とデータの送受信が行えるように構成されている。なお、被検者コンピュータ1の表示装置には、視力検査チャートイメージデータ等の画像が表示されるので、一画面上に視力検査チャートイメージデータが表示することができる表示解像度を持つ表示装置を有することが好ましい。
被検者コンピュータ1には、WWWブラウザが搭載されている。被検査者は、WWWブラウザのURL入力欄に検眼サーバ10に割当てられているIPアドレスやURLを入力することで、WWWサーバ20にアクセスが可能である。WWWブラウザ内には、WWWサーバ20から送信された視力検査チャートイメージデータ34が適宜表示され、視力測定が行われる。
【0054】
以下、本実施形態における動作について第16図を用いて説明する。
まず、被検者コンピュータ1のWWWブラウザにURLが入力されることにより、被検者コンピュータ1と検眼サーバ10との接続が行われる(S41)。
被検者コンピュータ1から接続された検眼サーバ10は、WWWサーバ20を介して、被検者コンピュータ1の表示装置のサイズ、画面解像度などのデータを入力するフォームが表示されるHTMLデータを被検者コンピュータ1に送信する(S42)。
【0055】
表示装置のスペックを入力するフォームが表示されるHTMLデータを受信した被検者コンピュータ1の表示装置には、表示装置のスペックを問合せるフォームが表示される。被検査者は、自分の使用する被検者コンピュータ1の表示装置のスペックを適宜、マウスやキーボードを使用して、フォーム内に入力する。入力を終えた後、被検査者はフォーム内の設けられている「送信」ボタンをクリックすることにより、入力されたデータはHTMLデータとして検眼サーバ10に送信する(S43)。
送信されたHTMLデータを受信したWWWサーバ20は、CGI22にデータを引き渡す。CGI22は、被検査者により入力されたデータを抽出し、データの内容に基づいて、被検者コンピュータ1の表示装置に対応した第1の視力検査チャートイメージデータである、視力検査チャートイメージデータ34aをHTMLデータ24に組み入れて被検者コンピュータ1に送信する(S44)。
視力検査チャートイメージデータ34aを受信した被検者コンピュータ1の画面には、視力検査チャートイメージデータ34aが視力検査チャートの映像として表示される(S45)。
【0056】
被検査者は、表示装置から一定の距離を置いた状態で、視力検査チャートを視認する。そして、表示された視力検査チャートの中で明瞭に視認できるものの中から、最も小さい視標の番号をマウスやキーボードを使って入力する(S46)。
被検査者により番号が入力されたとき、第1の選択結果データである、そのデータは検眼サーバ10に送信され、WWWサーバ20およびCGI22を介して、検眼機能部80に入力され記憶される(S47)。
【0057】
検眼サーバ10は、視力検査チャートイメージデータ34b、視力検査チャートイメージデータ34cについても、同様な処理が行われるように、ステップS44からステップS47の処理を繰り返し実行する(S48からS55)。
第1、第2、第3の視力検査チャートの選択結果を受信・記録した検眼サーバ10は、検眼機能部80において選択された結果の妥当性を評価し、妥当性を有する場合には、被検査者が視認可能な最小の視標を決定する(S56)。
【0058】
以下、検眼機能部80がステップS56において、選択結果の妥当性の評価・視標の決定を行うフローについて第17図を参照しながら、視標選択結果を数例挙げて説明を行う。
検眼機能部80は、最初に、入力された第1、第2、第3の視力検査チャートにより選択された視標をサイズ順に並べ、隣り合う視標の段階差の最小値が1となる組合せがあるかを判断する(S561)。例えば、第1の視力検査チャートに対して4番、第2の視力検査チャートに対して5番、第3の視力検査チャートに対して6番が選択された場合は、第1、第2、第3の視力検査チャートにより選択された視標をサイズ順に並べたとき、隣り合う視標の段階差の最小値が1となる。この場合には、全ての視力検査チャートに対して被検査者が明瞭に視認できている視標を誤りなく判断して選択したものとして判断する。そして、被検査者により明瞭に視認できた視標を最も小さい4番として視力を算出する(S562)。なお、最初に入力された第1、第2、第3の視力検査チャートにより選択された視標同士の段階差の最小値が1となる組合せでない場合には、ステップS563に進む。
【0059】
次に、検眼機能部80は、入力された第1、第2、第3の視力検査チャートにより選択された視標をサイズ順に並べ、隣り合う視標の段階差の最小値が2となる組合せがあるかを判断する(S563)。例えば、第1の視力検査チャートに対して4番、第2の視力検査チャートに対して8番、第3の視力検査チャートに対して6番が選択された場合は、第1、第2、第3の視力検査チャートにより選択された視標をサイズ順に並べたとき、隣り合う視標の段階差の最小値が2となる。このような選択結果であるときは、第1、第2、第3の視力検査チャートにより選択された視標のいずれかが、判断を誤って入力された可能性があると判断される。この場合には、選択された視標のうち、サイズの小さい2つの視標の平均をとった値(この場合には5番)を、被検査者により明瞭に視認できた最小の視標として決定し、視力を算出する。
なお、上述の例では、サイズの小さい2つの視標の平均をとった値をもって、被検査者が視認できる最小に視標を決定したが、これに限らず、再度、視標の選択作業を実行するように構成されてもよい。
【0060】
なお、検眼機能部80は、入力された第1、第2、第3の視力検査チャートにより選択された視標をサイズ順に並べ、隣り合う視標の段階差の最小値が3以上となる場合については、被検査者が視認できる最小の視標の決定は行わない。例えば、第1の視力検査チャートに対して4番、第2の視力検査チャートに対して8番、第3の視力検査チャートに対して12番が選択された場合は、第1、第2、第3の視力検査チャートにより選択された視標をサイズ順に並べたとき、隣り合う視標の段階差の最小値が3となり、選択された視標の組合せからは、段階差が2以下となることはない。このような選択結果であるときは、視標の選択結果に全く連続性が認められず、ばらついていることより、被検査者の選択判断に誤りがあったものと判断される。この場合には、被検査者が視認できる最小の視標の決定は行わずに、ステップS44に戻り再度選択作業を行わせる。なお、この実施形態においては、再度選択作業を行わせるように処理したが、再度選択作業を行わずに、エラー処理として扱い、視力を決定しないように処理してもよい。
【0061】
また、この実施形態においては、入力された第1、第2、第3の視力検査チャートにより選択された視標をサイズ順に並べ、隣り合う視標の段階差の最小値が2以下となる組合せが1つでも存在する場合には、被検査者が視認できる最小の視標の決定を行ったが、これに限らず、求める視力測定の精度に応じて、許容する段階差を2から増減してもよい。この場合、許容する段階差を小さくとれば、視力測定の精度は向上し、反対に許容する段階差を大きくとれば、視力測定の精度は低下する。
【0062】
また、この実施形態においては、入力された第1、第2、第3の視力検査チャートにより選択された視標をサイズ順に並べ、隣り合う視標の段階差の最小値が2以下となる組合せが1つでも存在する場合には、被検査者が視認できる最小の視標の決定を行ったが、これに限らず、隣り合う視標の段階差の一定基準値以上、例えば段階差が2以上となる組合せが含まれる場合には、被検査者が視認できる最小の視標の決定を行わず、再度選択作業を行わせるか、エラー処理として扱い、視力を決定しないように処理してもよい。
【0063】
上述してきたように、本実施形態の検眼システムによれば、被検査者が、特徴を明瞭に視認できた視標を、容易に判断することが可能であり、たとえ被検査者が誤った視標を選択した場合でも、選択した視標(チャート)が、正しい選択であるのか否かを客観的に判断することができる。
【0064】
なお、この実施形態においては、3本の黒線と2本の白線からなる視標を用いて、視力を測定するように構成したが、これに限らず、第18図(a)から第18図(p)に例示したような、ランドルト環、記号、文字などの従来から視力測定に使用されてきた視標や、視標として機能する図形・文字からなる視標であれば、どのような視標が使用されてもよい。
また、この実施形態においては、遠点視力を測定するように構成したが、これに限らず、近点視力を測定する視標を表示する視力検査チャートイメージデータを用いて、近点視力を測定するように構成されてもよい。
【0065】
さらに、この実施形態においては、被検査者の乱視軸の測定を行わずに視力の測定をおこなったが、乱視の度合いがきつい被検査者の場合には、精密な視力測定を行うことができない問題が発生するので、被検査者の乱視軸の測定を行った後、たとえば、表示する線状濃淡画像の線方向を乱視軸の方向と一致させる等、被検査者の乱視軸を考慮した視力検査チャート(視力検査チャートイメージデータ)を表示して測定することが望ましい。
この実施形態においては、3つの視力検査チャートイメージデータ34a,34b,34cにより視力を測定するように構成したが、これに限らず、2つ以上の視力検査チャートイメージデータにより視力を測定するように構成されればよい。なお、幾つの視力検査チャート(視力検査チャートイメージデータ)により視力を測定するようにするのかは、視標の数の多少に応じて、増減させることが望ましい。
【0066】
また、この実施形態においては、複数の視力検査チャートを画面表示手段に再度表示して視認可能な最小の視標を選択させるときに、以前提示した視力測定表をそのまま使用したが、これに限らず、視標の段階差を増減して、以前に提示した複数の視力検査チャートに含まれる視標の段階差とは異なる複数の視力検査チャートを使用して視認可能な最小の視標を選択させるようにしてもよい。この場合には、以前提示した視力測定表より段階度が大きい視力検査チャートが使用されるのが好ましい。
さらに、この実施形態においては、視力検査チャートイメージデータをあらかじめ複数種用意して記録していたが、これに限らず、視標が描かれている視標イメージデータを複数用意しておき、それら視標イメージデータを組み合わせて、適宜視力検査チャートイメージを生成するように構成してもよい。また、1つの視標イメージデータを拡大・縮小して、適宜視力検査チャートイメージを生成するように構成してもよい。
【0067】
この実施形態においては、3つ以上の視標が含まれる視力検査チャートを用いて被検査者が視認できる最小の視標を求めるように測定を行ったが、これに限られることはなく、例えば、視標の段階差が2以上となる大小2つの視標を表示して、これらいずれかを被検査者に選択させて、さらに、選択した視標と段階差が2以上となる選択された視標より大きい視標と小さい視標を表示し、被検査者に選択させる。このステップを繰り返し行い、被検査者が視認できる最小の視標を決定するようにしてもよい。
この実施形態においては、WWWサーバを用いて視力検査チャートイメージデータや選択結果データなどのデータを送受信するように構成したが、これに限らず、本発明の検眼用のサーバアプリケーションを検眼サーバにインストールして実行するように構成されてもよい。
【0068】
また、上述してきた実施形態では、視力測定チャートや近点距離測定チャートの表示は乱視軸判定の選択方位とそれに直交する方位の画像をコンピュータ画面に表示するが、これはあらかじめ4方向の画像を表示画面データベース30に記録しておき、そのなかから選択して表示するようにしてもよく、特定の方位についての画像データを記憶させておき、他の方位については方位データに基づいてグラフィックツールによって画像を回転して生成するようにしてもよい。また、表示する画像の描画データを記憶させておき、方位データに基づいて描画ツールによって画像を描画して生成するようにしてもよい。このように、グラフィックツールによって画像を生成する方法を用いることで、画像表示の負荷は大きくなるが、任意の方位についての画像が生成できるので、乱視軸の方位を容易に拡張できる。
同様に、遠点視力測定における線幅を変えた複数のチャートの表示についても、特定の線幅の画像データを用いてグラフィックツールによって拡大・縮小したり、描画ツールによって描画して生成するようにしてもよい。
【0069】
尚、上記実施形態では、乱視軸判定チャートや視力測定チャートや近点測定チャートの画面表示サイズは、コンピュータの設定によって特に変えないとものして説明したが、本願発明はこれに限定されるものではなく、より精度良く度数を求めるために、コンピュータの画面設定を取得し、これに基づいて画面の表示サイズを変更するようにしてもよい。取得するコンピュータの画面設定としては、ディスプレイの種類とサイズ、コンピュータの解像度設定等である。これらは、コンピュータのプロパティ情報から自動取得するようにしてもよく、被検者属性データとして入力させるようにしてもよい。
この場合も、上記と同様に、グラフィックツールによって、画像を拡大・縮小するようにしてもよく、描画ツールによって描画するようにしてもよい。
【0070】
また、上述してきた実施形態では、乱視軸判定チャートや視力測定チャートや近点距離測定チャートの表示色は実験的に定めた最適な色を使用するとして説明したが、本願発明はこれに限定されるものではなく、表示色の選択機能を設けてもよい。
例えば、被検者に対してあらかじめ色サンプルを表示して被検者の好みの色を選択させるようにしてもよく、コンピュータの画面設定によって自動的にあらかじめ定めた色を選択して表示するようにしてもよい。
【0071】
各チャートの表示色についても、あらかじめ複数の表示色パターンを記憶させておいて、その中から選択させるようにしてもよく、特定の表示色パターンの画像をグラフィックツールで色変換したり、描画ツールで描画するようにしてもよいことは言うまでもない。
同様に、上述してきた実施形態では、乱視軸判定チャートや視力測定チャートや近点距離測定チャートの背景や線分の輝度は実験的に定めた最適な輝度を使用するとして説明したが、本願発明はこれに限定されるものではなく、表示輝度の選択機能を設けてもよい。
各チャートの表示輝度についても、あらかじめ複数の表示輝度パターンを記憶させておいて、その中から選択させるようにしてもよく、特定の表示輝度パターンの画像をグラフィックツールで輝度変換したり、描画ツールで描画するようにしてもよいことは言うまでもない。
【0072】
上記実施形態では、被検者の属性データは被検者が検眼サービスを受けるときに毎回取得するとして説明したが、本願発明はこれに限定されるものではなく、顧客データベースとしてあらかじめ記憶させておき、そのデータベースから必要なデータを抽出するようにしてもよいことは言うまでもない。このように、顧客データベースを備え、上記被検者属性データの他にこれまでに実施した検眼サービスの履歴や販売したメガネやコンタクトレンズのデータを蓄積しておくことで、被検者の特性に合わせたより正確な検眼が行え、より適切な推奨レンズを提示することが可能となる。
上記実施形態では、主として乱視を含む近視者を対象として検眼を行うものとして説明したが、本実施形態では遠点距離の他に近点距離を取得するようにしているので、これを基に遠視又は老眼を有する被検者の検眼を行うことも可能である。
【0073】
すなわち、遠点距離が極めて長く近点距離も長い場合は、遠視または老眼の可能性があるが、ここで被検者の眼の調節力が判ればこれをもとに遠視と老眼を区別することができる。
そこで、例えば被検者の年齢や性別を眼の調節力の代用パラメータとして用い、遠点距離と近点距離と被検者の属性(年齢・性別)を入力とし、乱視度数、遠視度数を出力とするニューラルネットワークを、遠視や老眼を有する多数の被検者によって学習させ、これを用いて遠視や老眼の度数を演算するようにしてもよい。
【0074】
また、更にコンピュータ画面を用いて被検者の眼の調節力を積極的に測定し、これを基に遠視や老眼の度数を判定するようにしてもよい。これには、例えばコンピュータ画面上で移動する画像の追跡能力を測定したり、被検者にコンピュータ画面との距離を早い周期で変化させるような運動をしてもらってそのときの視認力を測定する等の方法が考えられる。
このようにすれば、乱視を含む近視者ばかりでなく、遠視や老眼を有する被検者にも対応でき、あらゆる人を対象とした検眼システムを構築できる。
【0075】
上記実施形態では、インターネットに接続された検眼サーバによって、検眼サービスを行う場合について説明したが、本願発明はこれに限定されるものではなく、特定の組織内のLANやWANを介して検眼サービスを提供するようにしてもよい。
また、必ずしもネットワークを介して被検者に検眼サービスを提供する場合に限らず、店舗等において本願発明の検眼装置を設置し、スタンドアローンで検眼サービスを提供するようにしてもよい。
【0076】
また、本願発明の方法は、汎用のパーソナルコンピュータによっても実現できるので、本願発明の方法をパーソナルコンピュータで実行可能なように記述したコンピュータプログラムを被検者に提供して検眼サービスを行えるようにしてもよい。尚、コンピュータプログラムは、CD−ROM等の記録媒体によってユーザに提供するようにしてもよく、インターネット等を介したダウンロードによってユーザに提供するようにしてもよいことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の検眼装置の一実施形態にかかるシステム構成図である。
【図2】 本願発明の検眼装置の一実施形態にかかる処理フロー図である。
【図3】 個人情報入力画面の表示例を示す図である。
【図4】 装着条件入力画面の表示例を示す図である。
【図5】 乱視軸判定の説明画面の表示例を示す図である。
【図6】 乱視軸判定画面の表示例を示す図である。
【図7】 遠点視力測定の説明画面の表示例を示す図である。
【図8】 遠点視力測定画面の表示例を示す図である。
【図9】 近点距離測定の説明画面の表示例を示す図である。
【図10】 近点距離測定画面の表示例を示す図である。
【図11】 遠点距離演算用ニューラルネットワークの構成例を示す図である。
【図12】 この発明の別の一実施形態における検眼システムの一部を示す図解図である。
【図13】 複数の視標が配置された視力検査チャートイメージデータを示す図解図である。
【図14】 複数の視標が配置された別の視力検査チャートイメージデータを示す図解図である。
【図15】 複数の視標が配置されたさらに別の視力検査チャートイメージデータを示す図解図である。
【図16】 本実施形態の動作フローを示すフローチャート図である。
【図17】 視認可能視標決定手段の判断・動作フローを示すフローチャート図である。
【図18】 本発明に適用可能な視標を例示した図である。
【図19】 ランドルト環の例を示す図である。
【図20】 乱視表の例を示す図である。
【符号の説明】
1 被検者コンピュータ
2 インターネット
10 検眼サーバ
20 WWWサーバ
22 CGI
24 HTMLデータ
30 表示画面データベース
32 記憶領域
34 視力検査チャートイメージデータ
34a,34b,34c 視力検査チャートイメージデータ
40 ユーザインターフェース手段
50 検眼情報データベース
60 遠点演算手段
70 度数演算手段
80 検眼機能部
【発明の属する技術分野】
この発明はメガネやコンタクトレンズの度数を決定する検眼装置、検眼方法および検眼サーバに関し、特にたとえばコンピュータ画面を用いて自覚的に検眼することのできる検眼装置、検眼方法および検眼サーバに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、視力を測定するには、眼科医や眼鏡販売店などに直接出向き、検査者の指示のもと、他覚的検査方法または自覚的検査方法に検眼が行われてきた。他覚的検査方法としては、オートレフラクトメータを用いて、他覚的に眼球の屈折率を測定して、実際に備え付けの矯正レンズを装着して視力を確認するという方法が一般にとられている。また、自覚的検査方法としては、第19図に示すようなランドルト環などの記号が表示されている視力検査表を使用して、検査者が指示する視力検査表の記号や文字などを、被検査者がどのような記号、文字であるか回答し、その回答結果から検査者が視力の判定を行う方法が一般的である。
【0003】
近年、一般家庭におけるインターネット環境の拡充が飛躍的に行われてきた結果、消費者が眼科医や眼鏡販売店などに直接出向くことなく、自宅において視力の測定を行い、眼鏡やコンタクトレンズを購入できることが期待されている。
【0004】
自宅において視力を測定するには、当然のことながら、消費者家庭にオートレフラクトメータなどの検査機器が存在しないため、他覚的な視力検査は行うことはできない。そのため、インターネットなどのネットワークを介して視力測定を行うには、被検査者のコンピュータの画面に、第19図に示すような、視力検査表が表示されるようにイメージデータを送信し、被検査者が視標の特徴を視認することができる最小の視標を判断することが必要となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般的に使用される視力検査表は、大きさの差異が小さい視標が一画面に多数表示されるように配置されているため、被検査者は、何れの大きさの視標までが明瞭に視認できているのか正しく判断することが容易でなかった。その結果、被検査者が実際に視認可能な最小の視標とは異なる視標を選択してしまい、誤った視力測定結果を生ずる場合があった。また、乱視を有する被検者は単に視力検査を行うだけでは対応できない。このため、コンピュータ画面に第20図のような乱視表を表示し、被検者に見やすい方向を入力させることが考えられるが、乱視軸は被検者とコンピュータ画面の距離によって変化する場合があり、また単に見やすいという判定では正しく乱視軸を判断できないという問題がある。
【0006】
検査者と対面しながら視力測定を行う場合には、被検査者が誤った視標を選択したときでも、被検査者の回答の過程から判断して誤った回答をしたのか判断できたが、検査者が存在しない場合には、その選択結果が正しい結果であるのか誤った結果であるのかを、第三者が判断することが不可能である。
【0007】
それゆえに、この発明の主たる目的は、特別な設備を必要とすることなくコンピュータ画面を用いて簡便に検眼が行え、乱視を有する被検者にも対応できる検眼装置および検眼方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、コンピュータ画面を用いて検眼する検眼装置であって、被検者の属性を取得する被検者属性取得手段と、乱視軸判定チャートを画面表示する乱視軸判定チャート表示手段と、表示された乱視軸判定チャートについて被検者が選択した方位を取得する方位取得手段と、取得された方位の視力測定チャートを画面表示する第1の視力測定チャート表示手段と、表示された第1の視力測定チャートについて被検者が選択した視認限界を取得する第1の視認限界取得手段と、取得された方位と直交する方位の視力測定チャートを画面表示する第2の視力測定チャート表示手段と、表示された第2の視力測定チャートについて被検者が選択した視認限界を取得する第2の視認限界取得手段と、取得された第1の視認限界と取得された第2の視認限界と取得された被検者属性とを入力パラメータとして第1の遠点距離と第2の遠点距離を演算する遠点距離演算手段と、取得された方位および演算された第1の遠点距離と第2の遠点距離とから、乱視を有する場合は乱視軸を判定した上で度数を演算する度数演算手段とを備えたことを特徴とする、検眼装置である。
このように、被検者属性取得手段によって被検者の属性を取得するとともに、乱視軸判定チャート表示手段によってコンピュータ画面に乱視軸判定チャートを表示し、方位取得手段によって被検者の選択した方位を取得し、第1の視力測定チャート表示手段によって取得された方位の視力測定チャートを表示し、第1の視認限界取得手段によって被検者の選択した第1の視認限界を取得し、第2の視力測定チャート表示手段によって取得された方位と直交する方位の視力測定チャートを表示させ、第2の視認限界取得手段によって被検者の選択した第2の視認限界を取得し、遠点距離演算手段によって取得された第1の視認限界と取得された第2の視認限界と取得された被検者の属性とを入力パラメータとして第1の遠点距離と第2の遠点距離を演算し、度数演算手段によって取得された方位と演算された第1の遠点距離と第2の遠点距離とから、乱視を有する場合は乱視軸を判定した上で度数を演算するようにしたので、乱視を有する被検者にも対応でき、特別な設備を必要とすることなくコンピュータ画面を用いて簡便に検眼が行える。
また、被検者は遠点距離を直接測定する必要がないので、コンピュータ画面から離れることなく度数を求めることができ、操作性に優れる。
尚、被検者属性取得手段において被検者の希望する装着条件を取得し、度数演算手段で取得された装着条件に合致するレンズ度数を演算するようにしてもよい。これにより、被検者は検眼結果に基づいてメガネやコンタクトレンズを直接注文することができるようになる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、第1の視力測定チャート表示手段と第2の視力測定チャート表示手段とは、視標の大きさの段階差が2以上となる視標の組合せからなる複数の視力検査チャートを順次画面表示手段に表示する表示手段を有し、第1の視認限界取得手段と第2の視認限界取得手段とは、画面表示手段に表示された各視力検査チャートについて視認可能な最小の視標を選択させる選択手段と、各視力検査チャートについて選択された視認可能な最小の視標から被検査者が視認可能な最小の視標を決定する決定手段とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の検眼装置である。
視標の大きさの段階差が2以上となる視標の組合せからなる複数の視力検査チャートを順次画面表示手段に表示し、被検査者は視標の大きさの段階差が2以上となる視標の組合せからなる各視力測定表について視認可能な最小の視標を選択すればよいので、容易に視標を選択できる。また、各視力検査チャートについて選択された視認可能な最小の視標から、被検査者が視認可能な最小の視標を決定するので、被検査者の視力を精度良く測定することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、表示手段は、各視力検査チャートに含まれる視標の段階差を3とした3つの視力検査チャートを画面表示手段に表示する、請求項2に記載の検眼装置である。
各視力検査チャートに含まれる視標の段階差を3としたので、被検査者は視認可能な最小の視標をより容易に選択できる。また、3つの視力検査チャートを用いて検査するので、被検査者は視認可能な最小の視標の選択操作を3回行うだけで被検査者が視認可能な最小の視標を求めることができる。また、3つの視力検査チャートを用いて検査するので、被検査者の選択結果が互いに矛盾する場合でも、多数決論理等を用いることで被検査者が視認できる最小の視標を精度良く求めることができ、被検査者の視力を精度良く測定することができる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、決定手段は、選択手段により選択された視標の段階差の最小値が1となるとき、大きさの段階差が1である組合せの視標のうち最も小さい視標を被検査者が視認可能な最小の視標として決定する機能を有する、請求項2または請求項3に記載の検眼装置である。
画面表示手段に表示された各視力検査チャートについて視認可能な最小の視標を選択させる選択手段により選択された視標の段階差の最小値が1となるときは、被検査者が選択した当該視認可能な最小の視標の信頼性は高いと考えられるので、当該視標のうち最も小さい視標を被検査者が視認可能な最小の視標として決定することにより、被検査者の視力を精度良く測定することができる。
【0012】
請求項5に記載の発明は、決定手段は、選択手段により選択された視標の段階差の最小値が2となるとき、段階差の最小値が2となる視標の組合せのうち最も小さい組合せの視標の間の視標を被検査者が視認可能な最小の視標として決定する機能を有する、請求項2または請求項3に記載の検眼装置である。
画面表示手段に表示された各視力検査チャートについて視認可能な最小の視標を選択させる選択手段により選択された視標の段階差の最小値が2となるとき、被検査者が選択した視標の段階差が2の視標はある程度の信頼性を有すると考えられ、全体の視標における視認可能な最小の視標は当該視標の間にある可能性が高いので、選択された段階差が2の視標の間の視標を被検査者が視認可能な最小の視標として決定することにより、被検査者の視力を運用上差し支えない精度で測定することができる。
【0013】
請求項6に記載の発明は、決定手段は、選択手段により選択された視標の段階差の最小値が3以上となるとき、複数の視力検査チャートを画面表示手段に再度表示して視認可能な最小の視標を選択させる機能を有する、請求項2または請求項3に記載の検眼装置である。
画面表示手段に表示された各視力検査チャートについて視認可能な最小の視標を選択させる選択手段により選択された視標の段階差の最小値が3以上となるときは、各分割画面において被検査者が選択した視標の信頼性は低いと考えられるので、複数の視力検査チャートを画面表示手段に再度表示して視認可能な最小の視標を選択させることにより、被検査者の誤入力を防ぎ、高い視力測定精度を確保することができる。
【0014】
請求項7に記載の発明は、遠点距離演算手段は、被検者の属性および視認限界と遠点距離の関係を多数の被検者で学習させた学習モデルを用いて遠点距離を演算する機能を有することを特徴とする、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の検眼装置である。
このように、視認限界と遠点距離の関係を年齢・性別・身長等の被検者の属性をパラメータとして多数の被検者によって学習させた学習モデルを用いて遠点距離を演算するようにしたので、多様な被検者に対して精度良く遠点距離を求めることができる。
尚、学習モデルとしてはニューラルネットワークを用いることができ、ファイジー推論等の他の人工知能的手法を用いてもよい。
【0015】
請求項8に記載の発明は、取得された方位の近点距離測定チャートを画面表示する第1の近点距離測定チャート表示手段と、表示された第1の近点距離測定チャートについて被検者が入力した近点距離を取得する第1の近点距離取得手段と、取得された方位と直交する方位の近点距離測定チャートを画面表示する第2の近点距離測定チャート表示手段と、表示された第2の近点距離測定チャートについて被検者が入力した近点距離を取得する第2の近点距離取得手段とを備えたことを特徴とする、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の検眼装置である。
このように、コンピュータ画面に近点距離測定チャートを表示し、被検者が測定した近点距離を取得するようにしたので、遠視や老眼を有する被検者にも対応できる。
また、取得した近点距離を遠点距離演算手段の入力パラメータとして用いるようにしてもよい。これにより、被検者の眼球の調節力を考慮した遠点距離が求まるので、より精度良く度数を求めることができる。
【0016】
請求項9に記載の発明は、乱視軸判定チャート表示手段は、複数の平行線からなる4方向の線状群を表示する機能を有することを特徴とする、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の検眼装置である。
このように、複数の平行線をコンピュータ画面に表示することで被検者が乱視を有する場合は濃淡模様の差異として認識でき、方位を4方向に限定することで被検者に微妙な判断を要求することがないので、被検者の判断ミスによって誤った検眼結果が提示されることを抑制できる。
【0017】
請求項10に記載の発明は、第1の視力測定チャート表示手段と第2の視力測定チャート表示手段の少なくとも一方は、線幅を変更した複数の線状濃淡画像を表示する機能を有することを特徴とする、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の検眼装置である。
このように、線幅を変更した複数の線状濃淡画像をコンピュータ画面に表示し、被検者に線状濃淡画像が所定の本数に見える限界の間隔を入力させることで、ランドルト環を表示して視力を測定する場合に比較して、被検者が容易に視認限界を判断できる。特に、視力のよい被検者の場合は画面表示が極めて小さくなるので、かかる線状濃淡画像を用いることで、より正確に視認限界を判断できる。
【0018】
請求項11に記載の発明は、乱視軸判定チャート表示手段と第1の視力測定チャート表示手段と第2の視力測定チャート表示手段の少なくともいずれかは、コンピュータ画面の画面表示情報を取得する画面表示情報取得手段と、取得された画面表示情報によってコンピュータ画面の表示サイズを変更する表示サイズ変更手段とを有することを特徴とする、請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の検眼装置である。
これにより、コンピュータ画面の画面サイズや解像度設定等の画面表示情報を取得し、これに基づいてコンピュータ画面に表示する乱視軸判定チャートや視力測定チャートの表示サイズを調節できるので、コンピュータ画面に表示されるチャートを自動的に所定の大きさに設定でき、より精度良く検眼が行える。
また、コンピュータ画面の画面表示設定によっては、適切な設定が行えるように設定変更を被検者に要請したり、被検者とコンピュータ画面の距離を変更するように指示するようにしてもよい。これにより、被検者の使用するコンピュータの仕様に応じて適切な指示を与えることができる。
また、コンピュータ画面がCRTか液晶かによって見え方が異なるので、このような情報が得られる場合は、それによって画面表示設定の変更を指示したり、被検者とコンピュータ画面の距離を変更するように指示するようにしてもよい。
尚、コンピュータの画面表示情報は、被検者の属性情報として入力されたものを取得するようにしてもよく、コンピュータの設定情報を自動取得するようにしてもよい。
【0019】
請求項12に記載の発明は、乱視軸判定チャート表示手段と第1の視力測定チャート表示手段と第2の視力判定チャート表示手段の少なくともいずれかは、コンピュータ画面に表示する色を選択する表示色選択手段を有することを特徴とする、請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の検眼装置である。
これにより、コンピュータ画面に表示されるチャートの色を自由に選択することができるので、例えば最初に推奨される色のサンプルを複数表示して、その中から被検者に見やすい色を選択させ、その色で検眼するようにしてもよい。
また、コンピュータ画面がCRTか液晶かによって見え方が異なるので、推奨される色を切替えて表示するようにしてもよい。
【0020】
請求項13に記載の発明は、乱視軸判定チャート表示手段と第1の視力測定チャート表示手段と第2の視力判定チャート表示手段の少なくともいずれかは、コンピュータ画面に表示する輝度を選択する表示輝度選択手段を有することを特徴とする、請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の検眼装置である。
これにより、コンピュータ画面に表示されるチャートの輝度を自由に選択することができるので、例えば最初に推奨される輝度のサンプルを複数表示して、その中から被検者に見やすい輝度を選択させ、その輝度で検眼するようにしてもよい。
また、コンピュータ画面がCRTか液晶かによって見え方が異なるので、推奨される輝度を切替えて表示するようにしてもよい。
【0021】
請求項14に記載の発明は、コンピュータ画面を用いて検眼する検眼方法であって、被検者の属性を取得する被検者属性取得ステップと、乱視軸判定チャートを画面表示する乱視軸判定チャート表示ステップと、表示された乱視軸判定チャートについて被検者が選択した方位を取得する方位取得ステップと、取得された方位の視力測定チャートを画面表示する第1の視力測定チャート表示ステップと、表示された第1の視力測定チャートについて被検者が選択した視認限界を取得する第1の視認限界取得ステップと、取得された方位と直交する方位の視力測定チャートを画面表示する第2の視力測定チャート表示ステップと、表示された第2の視力測定チャートについて被検者が選択した視認限界を取得する第2の視認限界取得ステップと、取得された第1の視認限界と取得された第2の視認限界と取得された被検者属性とを入力パラメータとして第1の遠点距離と第2の遠点距離を演算する遠点距離演算ステップと、取得された方位および演算された第1の遠点距離と第2の遠点距離とから、乱視を有する場合は乱視軸を判定した上で度数を演算する度数演算ステップとを備えたことを特徴とする、検眼方法である。
このように、被検者の属性を取得するとともに、コンピュータ画面に乱視軸判定チャートを表示して被検者の選択した方位を取得し、取得された方位の視力測定チャートを表示して被検者の選択した第1の視認限界を取得し、取得された方位と直交する方位の視力測定チャートを表示して被検者の選択した第2の視認限界を取得し、取得された第1の視認限界と取得された第2の視認限界と取得された被検者の属性とを入力パラメータとして第1の遠点距離と第2の遠点距離を演算し、取得された方位と演算された第1の遠点距離と第2の遠点距離とから、乱視を有する場合は乱視軸を判定した上で度数を演算するようにしたので、乱視を有する被検者にも対応でき、特別な設備を必要とすることなくコンピュータ画面を用いて簡便に検眼が行える。
また、被検者は遠点距離を直接測定する必要がないので、コンピュータ画面から離れることなく度数を求めることができ、操作性に優れる。
【0022】
請求項15に記載の発明は、第1の視力測定チャート表示ステップと第2の視力測定チャート表示ステップとは、視標の大きさの段階差が2以上となる視標の組合せからなる複数の視力検査チャートを順次画面表示手段に表示する表示ステップを有し、第1の視認限界取得ステップと第2の視認限界取得ステップとは、画面表示手段に表示された各視力検査チャートについて視認可能な最小の視標を選択させる選択ステップと、各視力検査チャートについて選択された視認可能な最小の視標から被検査者が視認可能な最小の視標を決定する決定ステップとを含むことを特徴とする、請求項14に記載の検眼方法である。
視標の大きさの段階差が2以上となる視標の組合せからなる複数の視力検査チャートを順次画面表示手段に表示し、被検査者は視標の大きさの段階差が2以上となる視標の組合せからなる各視力測定表について視認可能な最小の視標を選択すればよいので、容易に視標を選択できる。また、各視力検査チャートについて選択された視認可能な最小の視標から、被検査者が視認可能な最小の視標を決定するので、被検査者の視力を精度良く測定することができる。
【0023】
請求項16に記載の発明は、ネットワークに接続されたクライアントコンピュータに対して、コンピュータ画面を用いて検眼する機能を提供する検眼サーバであって、被検者の属性を取得する被検者属性取得手段と、乱視軸判定チャートを画面表示する乱視軸判定チャート表示手段と、表示された乱視軸判定チャートについて被検者が選択した方位を取得する方位取得手段と、取得された方位の視力測定チャートを画面表示する第1の視力測定チャート表示手段と、表示された第1の視力測定チャートについて被検者が選択した視認限界を取得する第1の視認限界取得手段と、取得された方位と直交する方位の視力測定チャートを画面表示する第2の視力測定チャート表示手段と、表示された第2の視力測定チャートについて被検者が選択した視認限界を取得する第2の視認限界取得手段と、取得された第1の視認限界と取得された第2の視認限界と取得された被検者属性とを入力パラメータとして第1の遠点距離と第2の遠点距離を演算する遠点距離演算手段と、取得された方位および演算された第1の遠点距離と第2の遠点距離とから、乱視を有する場合には乱視軸を判定した上で度数を演算する度数演算手段とを備えたことを特徴とする、検眼サーバである。
【0024】
請求項17に記載の発明は、ネットワークに接続されたクライアント端末に対して、視力に対応させて大きさを段階的に変化させた複数の視標を含む視力検査チャートを提供し、クライアント端末の画面表示手段に表示された視力検査チャートから被検査者に視認可能な最小の視標を選択させることによって自覚的に視力を測定する検眼サーバであって、視標の大きさの段階差が2以上となる視標の組合せからなる複数の視力検査チャートが順次クライアント端末画面表示手段に表示されるように視力検査チャートイメージデータを提供する視力検査チャートイメージデータ提供手段と、クライアント端末画面表示手段に表示された各視力検査チャートについて被検査者が選択した視認可能な最小の視標を取得する個別視認可能視標取得手段と、個別視認可能視標取得手段により取得された各個別視認可能視標から被検査者が視認可能な最小の視標を決定する視認可能視標決定手段とを備えたことを特徴とする、検眼サーバである。
視標の大きさの段階差が2以上となる視標の組合せからなる複数の視力検査チャートを順次画面表示手段に表示し、被検査者は視標の大きさの段階差が2以上となる視標の組合せからなる各視力測定表について視認可能な最小の視標を選択すればよいので、容易に視標を選択できる。また、各視力検査チャートについて選択された視認可能な最小の視標から、被検査者が視認可能な最小の視標を決定するので、被検査者の視力を精度良く測定することができる。
【0025】
請求項18に記載の発明は、視力に対応させて大きさを段階的に変化させた複数の視標を含む視力検査チャートを画面表示手段に表示し、画面表示手段に表示された視力検査チャートから被検査者に視認可能な最小の視標を選択させることによって自覚的に視力を測定する検眼方法であって、視標の大きさの段階差が2以上となる視標の組合せからなる複数の視力検査チャートを順次画面表示手段に表示するステップと、画面表示手段に表示された各視力検査チャートについて視認可能な最小の視標を選択させるステップと、各視力検査チャートについて選択された視認可能な最小の視標から被検査者が視認可能な最小の視標を決定するステップとを含むことを特徴とする、検眼方法である。
視標の大きさの段階差が2以上となる視標の組合せからなる複数の視力検査チャートを順次画面表示手段に表示し、被検査者は視標の大きさの段階差が2以上となる視標の組合せからなる各視力測定表について視認可能な最小の視標を選択すればよいので、容易に視標を選択できる。また、各視力検査チャートについて選択された視認可能な最小の視標から、被検査者が視認可能な最小の視標を決定するので、被検査者の視力を精度良く測定することができる。
【0026】
【発明の効果】
この発明によれば、被検者の属性を取得するとともに、乱視軸判定チャートをコンピュータ画面に表示して被検者が選択した方位を取得し、取得された方向とそれに直交する方向について視力測定チャートを表示し、被検者の選択した視認限界を取得し、取得された視認限界と取得された被検者の属性から遠点距離を演算し、取得された方位と演算された2つの遠点距離から度数を演算するようにしたので、乱視を有する被検者にも対応でき、特別な設備を必要とすることなくコンピュータ画面を用いて簡便に検眼が行えるという効果がある。
【0027】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0028】
【発明の実施の形態】
第1図は本願発明の検眼装置の一実施形態にかかるシステム構成を示す。
図のように、本システムでは被検者が使用するコンピュータ1と、本願発明の検眼方法を提供する検眼サーバ10とがインターネット2を介して接続されている。
検眼サーバ10は、インターネット2を介して被検者コンピュータ1に検眼サービスを提供するためのサーバであって、WWWサーバ20と、表示画面データベース30と、ユーザインターフェイス手段40と、検眼情報データベース50と、遠点距離演算手段60と、度数演算手段70とを備える。
【0029】
WWWサーバ20は、被検者コンピュータ1のアクセスを受付け、本願発明の検眼手順に従って検眼機能を提供するためのサーバであり、ここでは被検者コンピュータ1が汎用のWebブラウザによってサービスを受けることができるようにHTTPサーバを使用している。
表示画面データベース30は、本願発明の検眼手順に従ってWWWサーバ20がアクセスしている被検者コンピュータに提示する画面データを保存する。ここでは、最初のガイダンス画面、被検者の属性入力画面、乱視軸判定画面、遠点視力測定画面、近点視力測定画面等がHTML形式で保存されている。
ユーザインターフェース手段40は、WWWサーバ20によって被検者コンピュータ1に表示した画面において被検者が入力した情報に基づいて、被検者の属性を検眼情報データベース50に記憶させたり、遠点距離演算手段60を起動して遠点距離を演算したり、度数演算手段70を起動して度数を演算したりする。
ユーザインタフェース手段40は、WWWサーバ20からCGI(Common Gateway Interface)によって起動されるプロセスであり、また遠点距離演算手段60と度数演算手段70はユーザインターフェース手段40から起動されるプロセスである。また、検眼情報データベース50には被検者が入力した被検者属性データ、乱視軸判定チャートの選択方位データ(右目と左目)、視力測定チャートによる視認限界データ(右目と左目×2方向)、近点距離測定チャートによる近点距離データ(右目と左目×2方向)、演算された遠点距離(右目と左目×2方向)、演算された度数(右目と左目)等が保存される。
【0030】
次に、かかる検眼システムによって、検眼を行う手順の一例を第2図によって説明する。
まず、被検者の属性を取得するための被検者属性入力画面を表示し(S10)、被検者の入力した属性を取得して被検者データとして保存する(S12)。被検者の属性には、年齢・性別・身長等の個人情報と、メガネやコンタクトレンズを主に使用する場所に関する装着条件情報とがある。第3図は個人情報取得の際の表示画面例であり、第4図は装着条件取得の際の表示画面例である。ここで、装着条件の「読書」「デスクワーク」は近距離用を、「パソコン」は中距離用を、「車の運転」は遠距離用をそれぞれ想定している。
次に、乱視軸の判定をするための乱視軸判定チャートを表示し(S14)、被検者の選択した方位を取得して選択方位データに保存する(S16)。第5図は乱視軸判定の説明画面例であり、第6図は乱視軸判定画面例である。
【0031】
図のように、乱視軸判定チャートは複数の平行線からなる、45度・90度・135度・180度の4方向の線状群から構成される。被検者が乱視を有する場合は明瞭に見える方位とつぶれて薄く見える方位が生じるので、見え方の異なる方位のゾーンをクリックするよう促す。このように、見え方の異なる方位を選択させるようにしたのは、乱視は物体との距離によってよく見える方向が変化する可能性があるため、最初からよく見える方位とすると乱視軸の判断を誤る恐れがあるからである。従って、本願発明では、この段階では乱視軸の主軸は決定せず、後の遠点距離を求めることで明らかにするようにしている。
乱視を有しない被検者は、原則として全方位が同じに見えるはずであるので、全部が同じに見える又はわからないをクリックした被検者は乱視を有しないものとして、以下の測定は水平についてのみ行う。
【0032】
乱視軸判定チャートは、背景色は緑色、線の色は黒色とし、線幅は2画素、線間幅は3画素とした。背景色は、白色では輝度が明るすぎて目が縮瞳し、被写界深度が深くなって4つのゾーンの見え方の差が小さくなるという問題があるため、目にやさしいグリーン系統を用いて輝度を抑えたものである。線の色は、多数の被検者に対して行った検眼実験の結果から、見やすいとされた黒色とした。線幅は、特にディスプレイがCRTの場合は電子銃のフォーカスボケが発生することから、1画素では水平・垂直と斜めで見え方に差異が生じてしまうため、最低2画素とした。線間幅は、乱視判定においてチャートまでの距離が極端に短いと乱視軸が変化し、誤判定の可能性があるため、1mの距離から線間の隙間を認識できるように設定した。視力1.0(視角1分)は、1mの距離で切れ目0.29mmを識別する能力であり、14インチ液晶ディスプレイまたは17インチCRTを使用してほぼ1画素に相当する。従って、2画素で視力0.5程度に相当するが、検眼対象者はメガネを必要とする人であることから、更に間隔を広げ、3画素とした。
また、乱視軸の方位を4方向としたのは、4方向でも十分に実用的なメガネやコンタクトレンズの選定ができることと、被検者が独自で判断するものであるから、できる限り容易かつ誤りなく判定できる必要があるためである。
【0033】
次に、被検者が選択した選択方位についての遠点視力を測定するため、選択方位の視力測定チャートを表示し(S18)、被検者が選択した視認限界を取得して、第1視認限界データに保存する(S20)。第7図は遠点視力測定の説明画面例であり、第8図は遠点視力測定画面例である。
【0034】
図のように、視力測定チャート(視標)は一定線幅の3本の黒線と2本の白線からなる線状濃淡画像であり、視力に対応して線幅をI段階(10段階から20段階程度)に変えた複数のチャート(視標)を表示する。これに対し、被検者に3本に見える一番小さいマークをクリックするよう促す。このように、3本に見えるマークを選択させるようにしたので、ランドルト環のように単一の間隙を視認するのに対して被検者の判断が容易になっている。
尚、被検者にはコンピュータ画面から腕を伸ばした距離で遠点視力を測定するように促しているが、これは腕の長さは身長にほぼ比例するので、事前に入力された身長のデータによって被検者とチャートの距離が予測できるからである。
【0035】
このように、被検者はコンピュータ画面との距離を測定したり、画面表示サイズを調整したりする必要がないので、簡便に測定できる。
同様に、被検者が選択した選択方位と直交する方位についての遠点視力を測定するため、選択方位と直交する方位の視力測定チャートを表示し(S22)、被検者が選択した視認限界を取得して、第2視認限界データに保存する(S24)。
【0036】
次に、被検者が選択した方位の近点距離を測定するため、選択方位の近点距離測定チャートを表示し(S26)、被検者の入力した近点距離を第1近点距離データに保存する(S28)。第9図は近点距離測定の説明画面例であり、第10図は近点距離測定画面例である。
【0037】
図のように、近点距離測定チャート(視標)は緑色の背景に設けられた3本の黒線からなる。画面のメッセージにより、被検者に対して、最初にできる限り画面に近づき、それから3本線がはっきり見える位置まで遠ざかり、画面から目までの距離を測定してcm単位で入力するように促す。
尚、近点距離測定チャート(視標)は、コンピュータ画面に接近して視認するため、前述の視力測定チャートに比べて細い線を使用する。但し、年齢によって解像力の差があるため、若年層は細い線を、中高年層は若干太い線を使用する。
同様に、被検者が選択した選択方位と直交する方位についての近点距離を測定するため、選択方位の近点距離測定チャートを表示し(S30)、被検者の入力した近点距離を第2近点距離データに保存する(S32)。
【0038】
次に、第1視認限界データと第1近点距離データと被検者限界データとから遠点距離を求め、第1遠点距離データに保存する(S34)。同様に、第2視認限界データと第2近点距離データと被検者限界データとから遠点距離を求め、第2遠点距離データに保存する(S36)。
遠点距離の演算は、あらかじめ多数の被検者で学習させたニューラルネットワークを用いて行う。第11図に遠点距離演算用ニューラルネットワークの構成例を示す。図のように、入力層はI段階の遠点視力(視力測定チャートから被検者が選択した視認限界)とJ段階の近点距離(近点距離測定チャートから被検者が測定した近点距離)とK段階の被検者属性(年齢・性別・身長)とを、出力層はN段階の遠点距離を有する。年齢・性別をパラメータとするのは、これによって被検者の目の調節力が変わるからである。また、身長は前述のように被検者と画面の距離を腕の長さで合わせるようにしており、腕の長さに比例する身長を代用パラメータとして用いたものである。学習方法としては、いわゆるバック・プロパゲーション法を用いた。
【0039】
ここで、入力パラメータの近点距離と演算結果の遠点距離は、レンズ度数への換算を容易にするため、いずれもメートル単位で表した距離の逆数であるD(ディオプター)値に変換して取り扱う。
尚、ニューラルネットワークは、乱視軸の選択方位と選択方位に直交する方位の2つの独立する学習モデルを生成し、それぞれ個別に計算するようにした。
また、画面の見え方はディスプレイの種類によって変わるので、ディスプレイが液晶かCRTかによって独立に学習させたニューラルネットワークを用いて演算するようにした。
【0040】
以上の乱視軸判定(S14)から遠点距離演算(S36)までを、右目と左目の両方について行い、得られた選択方位データと第1遠点距離データと第2遠点距離データとから度数(S:球面度数、C:乱視度数、AX:乱視軸)を演算する(S38)。
S34で求めた第1遠点距離をD1、その方位をAX1とし、S36で求めた第2遠点距離をD2、その方位をAX2とすると、
|D1|<|D2|のとき、S=D1、C=D2−D1、AX=AX1
|D2|<|D1|のとき、S=D2、C=D1−D2、AX=AX2
である。
【0041】
上記実施形態では、単に目の度数を演算する場合について説明したが、求められた目の度数と被検者属性データの装着条件からレンズ度数を決定して、メガネまたはコンタクトレンズの注文を受付けるようにしてもよい。
この場合、被検者属性データの装着条件から、通常使用距離として近距離用(30cm)、中距離用(50〜60cm)、遠距離用(5m)のいずれかを判断し、それによって推奨されるレンズの度数を決定する。
例えば、遠距離用では遠点距離D1を5m(−0.2D)になるように矯正するとして、推奨レンズの度数はD1+0.2Dとなる。
【0042】
また、度数演算手段によって演算された度数と被検者の属性から眼球光学モデルを生成する眼球光学モデル生成手段と、生成された眼球光学モデルを使用して裸眼の集光性能を確認する裸眼集光性能確認手段を設け、演算された度数の妥当性をチェックするようにしてもよい。これにより、更に精度良く度数を決定できる。
また、生成された眼球モデルを使用して推奨レンズによって矯正したときの集光性能を演算する矯正後集光性能演算手段を設け、推奨レンズを決定するようにしてもよい。これにより、更に被検者に適したレンズ度数を提示できるようになる。
更に、推奨レンズを装着したときの集光状態から所定の距離における鮮鋭度を演算する鮮鋭度演算手段と、演算された鮮鋭度における画像サンプルを生成する画像サンプル生成手段と、生成された画像サンプルをコンピュータ画面に表示する画像サンプル表示手段とを設け、被検者に推奨レンズを装着したときの画像サンプルを確認させるようにしてもよい。これにより、被検者はレンズを装着したときの見え方をチェックできるので、より適切なレンズ度数を決定できるようになる。
【0043】
上記実施形態では、遠点距離演算手段は多数の被検者で学習させたニューラルネットワークを用いて遠点視力と近点距離と被検者の属性から遠点距離を求めるとして説明したが、本願発明はこれに限定されるものではなく、ファジー推論を用いて遠点距離を演算するものとし、多数の被検者のデータでメンバーシップ関数や推論ルールを求めるようにしてもよい。また、多数の被検者のデータから遠点視力と遠点距離の関係を近点距離や被検者の属性をパラメータとした近似式を求め、それを用いて遠点距離を演算するようにしてもよく、本願発明の効果を奏する。
また、上記実施形態では、遠点距離の演算において近点距離を入力パラメータとしているが、本願発明はこれに限定されるものではなく、近点距離を省略してもよい。この場合でも、近点距離は年齢に比例する特性を持っていることから、本願発明の効果を奏する。
【0044】
上記実施形態では、乱視軸判定チャートは複数の平行線からなる4方向の線状群を一画面に表示して被検者に見え方の異なるゾーンを選択させるとして説明したが、本願発明はこれに限定されるものではなく、4方向の線状群を順次個別に表示して見え方の異なる方位を選ばせるようにしてもよい。
上記実施形態では、視力測定チャートは大きさの異なる複数のチャート(視標)を一画面に並べて表示して被検者に視認限界を選択させるようにしたが、本願発明はこれに限定されるものではなく、各大きさのチャート(視標)を大きい方から順に表示して、視認できなくなったところを被検者に選択してもらうようにしてもよい。
【0045】
また、視力測定チャートは大きさの異なる複数のチャート(視標)を一画面に並べて表示して被検者に視認限界を選択させるようにした場合において、チャート(視標)の大きさの段階差が2以上となるチャート(視標)の組合せからなる複数の視力検査チャートを順次画面に表示して、視認可能なチャート(視標)を、被検者に選択させるように構成されてもよい。以下、このような検眼の方法を行う場合の検眼システムの構成および処理の流れについて説明を行う。
【0046】
第12図は、この発明の別の実施形態における検眼システムの一部を示す図解図である。検眼システムは、上記実施形態と同様に、第12図に示すように、検眼サーバ10と被検者コンピュータ1とインターネット2とから構成される。
検眼サーバ10は、視力検査チャートイメージデータ提供手段たる、WWWサーバ20を有する。WWWサーバ20は、HTTPプロトコルに従って、被検者コンピュータ1とデータの送受信を行うためのサーバアプリケーションである。
【0047】
WWWサーバ20には、CGI22が接続されている。CGI22は、被検査者から送信されたHTMLデータの内容に対応して、後述するHTMLデータを選択し、また動的に送信するHTMLデータの内容を変更する。さらに、CGI22は、個別視認可能視標取得手段として機能し、被検者コンピュータ1において入力されたデータが含まれているHTMLデータから任意のデータを抽出して、後述する検眼機能部80に抽出・取得した視標に関するデータを引き渡す機能を有する。
【0048】
WWWサーバ20が各種データを読み出す記憶領域32には、視力検査チャートイメージデータ34が記憶されている。視力検査チャートイメージデータ34は、複数の視力検査チャートイメージデータ34から構成されている。視力検査チャートイメージデータ34は、HTMLデータ24内のイメージデータとして、適宜、被検者コンピュータ1に送信され、被検者コンピュータ1の表示装置において表示される。
【0049】
本発明で使用する視力検査チャートイメージデータ34は、第13図乃至第15図に示す、3つの視力検査チャートイメージデータ34a、34b、34cを併せて使用することにより、精度よく視力測定を行うことができる。なお、視力検査チャートイメージデータ34は、遠点視力を測定するための視標が描かれているイメージデータであり、視標は一定線幅の3本の黒線と2本の白線からなる線状濃淡画像からなる。視標の大きさは、視力に対応して21段階に大きさ(線幅)が変えてある。また、視標の背景色には緑色が使用してある。背景色を緑色としたのは、白色では輝度が明るすぎて瞳孔が縮瞳し、その結果、焦点深度が深くなり、実際より視力が良くなったように見えるという問題があるため、目にやさしいグリーン系統を用いて輝度を抑えるためである。さらに、本実施形態では、3本に見える視標を選択させるようにしたので、ランドルト環のように単一の間隙を視認するのに対して被検者の判断が容易になっている。
視力検査チャートイメージデータ34a、34b、34cは、第13図乃至第15図に示すように、1つのイメージデータ内に大きさが異なる視標を複数配置した視力測定表が描かれたイメージデータである。視力検査チャートイメージデータ34a、34b、34cには、大きさの段階が隣り合う視標が、1つイメージデータ内に存在しないように、視力検査チャートイメージデータ34a、34b、34cに振り分けられて配置されている。
【0050】
以下、具体的な例を用いて説明をおこなう。本実施形態で使用する視標は、視標の下方に付記されている番号が、1から21へと大きくなるにつれて、視標の大きさが大きくなるように構成されている。この場合、番号Nの視標と番号N+1の視標とは、段階差が1の大きさの段階が隣り合う視標同士であるが、これらを同一の視力検査チャートイメージデータ内には配置しない。これは、大きさの段階が隣り合う視標同士では、その大きさの差異をわずかであるため、被検査者が何れの視標を選択したらよいか判断に迷うからである。
【0051】
本実施形態の視力検査チャートでは、大きさの段階が3つ離れた視標を組合せた3つの視力測定表を用いて視力測定を行う。視力検査チャートイメージデータ34aには、番号1、4、7、10、13、16、19の視標を配置し、視力検査チャートイメージデータ34bには、番号2、5、8、11、14、17、20の視標を配置し、視力検査チャートイメージデータ34cには、番号3、6、9、12、15、18、21の視標を配置した。このように、大きさが比較的大きく段階で異なる視標を同一のイメージの中に配置し、その中から明瞭に視認できる視標を選択させるようにすることで被検者の判断が容易となる。
なお、視力検査チャートイメージデータ34は、被検者コンピュータ1の表示装置の種類(CRT,液晶)、サイズ(14インチ、17インチなど)、画面解像度(横800×縦600,横1026×縦768など)により、実際に表示されるイメージの大きさが異なることから、すべての表示装置において等しい大きさに表示されるように、イメージデータの大きさと解像度が異なる複数のデータが記憶されている。
【0052】
CGI22には、視認可能視標決定手段たる、検眼機能部80が接続されている。検眼機能部80は、CGI22により抽出・取得された被検査者が選択した視標の選択結果のデータに基づいて、被検査者が視認可能な最小の視標を決定し、被検査者の視力を測定する機能を有する。なお、検眼機能部80の動作等については、本実施形態の動作説明時に詳述する。
【0053】
被検者コンピュータ1は、検眼サーバ10と種々のデータを送受信することにより視力測定を行うための端末である。被検者コンピュータ1としては、被検査者の自宅等に設置されている、パソコン、ワークステーション等のコンピュータが使用される。被検者コンピュータ1には、検眼サーバ10と同様に、図示しないモデムやネットワークインターフェイスカードが装着されており、インターネット2を介して、検眼サーバ10とデータの送受信が行えるように構成されている。なお、被検者コンピュータ1の表示装置には、視力検査チャートイメージデータ等の画像が表示されるので、一画面上に視力検査チャートイメージデータが表示することができる表示解像度を持つ表示装置を有することが好ましい。
被検者コンピュータ1には、WWWブラウザが搭載されている。被検査者は、WWWブラウザのURL入力欄に検眼サーバ10に割当てられているIPアドレスやURLを入力することで、WWWサーバ20にアクセスが可能である。WWWブラウザ内には、WWWサーバ20から送信された視力検査チャートイメージデータ34が適宜表示され、視力測定が行われる。
【0054】
以下、本実施形態における動作について第16図を用いて説明する。
まず、被検者コンピュータ1のWWWブラウザにURLが入力されることにより、被検者コンピュータ1と検眼サーバ10との接続が行われる(S41)。
被検者コンピュータ1から接続された検眼サーバ10は、WWWサーバ20を介して、被検者コンピュータ1の表示装置のサイズ、画面解像度などのデータを入力するフォームが表示されるHTMLデータを被検者コンピュータ1に送信する(S42)。
【0055】
表示装置のスペックを入力するフォームが表示されるHTMLデータを受信した被検者コンピュータ1の表示装置には、表示装置のスペックを問合せるフォームが表示される。被検査者は、自分の使用する被検者コンピュータ1の表示装置のスペックを適宜、マウスやキーボードを使用して、フォーム内に入力する。入力を終えた後、被検査者はフォーム内の設けられている「送信」ボタンをクリックすることにより、入力されたデータはHTMLデータとして検眼サーバ10に送信する(S43)。
送信されたHTMLデータを受信したWWWサーバ20は、CGI22にデータを引き渡す。CGI22は、被検査者により入力されたデータを抽出し、データの内容に基づいて、被検者コンピュータ1の表示装置に対応した第1の視力検査チャートイメージデータである、視力検査チャートイメージデータ34aをHTMLデータ24に組み入れて被検者コンピュータ1に送信する(S44)。
視力検査チャートイメージデータ34aを受信した被検者コンピュータ1の画面には、視力検査チャートイメージデータ34aが視力検査チャートの映像として表示される(S45)。
【0056】
被検査者は、表示装置から一定の距離を置いた状態で、視力検査チャートを視認する。そして、表示された視力検査チャートの中で明瞭に視認できるものの中から、最も小さい視標の番号をマウスやキーボードを使って入力する(S46)。
被検査者により番号が入力されたとき、第1の選択結果データである、そのデータは検眼サーバ10に送信され、WWWサーバ20およびCGI22を介して、検眼機能部80に入力され記憶される(S47)。
【0057】
検眼サーバ10は、視力検査チャートイメージデータ34b、視力検査チャートイメージデータ34cについても、同様な処理が行われるように、ステップS44からステップS47の処理を繰り返し実行する(S48からS55)。
第1、第2、第3の視力検査チャートの選択結果を受信・記録した検眼サーバ10は、検眼機能部80において選択された結果の妥当性を評価し、妥当性を有する場合には、被検査者が視認可能な最小の視標を決定する(S56)。
【0058】
以下、検眼機能部80がステップS56において、選択結果の妥当性の評価・視標の決定を行うフローについて第17図を参照しながら、視標選択結果を数例挙げて説明を行う。
検眼機能部80は、最初に、入力された第1、第2、第3の視力検査チャートにより選択された視標をサイズ順に並べ、隣り合う視標の段階差の最小値が1となる組合せがあるかを判断する(S561)。例えば、第1の視力検査チャートに対して4番、第2の視力検査チャートに対して5番、第3の視力検査チャートに対して6番が選択された場合は、第1、第2、第3の視力検査チャートにより選択された視標をサイズ順に並べたとき、隣り合う視標の段階差の最小値が1となる。この場合には、全ての視力検査チャートに対して被検査者が明瞭に視認できている視標を誤りなく判断して選択したものとして判断する。そして、被検査者により明瞭に視認できた視標を最も小さい4番として視力を算出する(S562)。なお、最初に入力された第1、第2、第3の視力検査チャートにより選択された視標同士の段階差の最小値が1となる組合せでない場合には、ステップS563に進む。
【0059】
次に、検眼機能部80は、入力された第1、第2、第3の視力検査チャートにより選択された視標をサイズ順に並べ、隣り合う視標の段階差の最小値が2となる組合せがあるかを判断する(S563)。例えば、第1の視力検査チャートに対して4番、第2の視力検査チャートに対して8番、第3の視力検査チャートに対して6番が選択された場合は、第1、第2、第3の視力検査チャートにより選択された視標をサイズ順に並べたとき、隣り合う視標の段階差の最小値が2となる。このような選択結果であるときは、第1、第2、第3の視力検査チャートにより選択された視標のいずれかが、判断を誤って入力された可能性があると判断される。この場合には、選択された視標のうち、サイズの小さい2つの視標の平均をとった値(この場合には5番)を、被検査者により明瞭に視認できた最小の視標として決定し、視力を算出する。
なお、上述の例では、サイズの小さい2つの視標の平均をとった値をもって、被検査者が視認できる最小に視標を決定したが、これに限らず、再度、視標の選択作業を実行するように構成されてもよい。
【0060】
なお、検眼機能部80は、入力された第1、第2、第3の視力検査チャートにより選択された視標をサイズ順に並べ、隣り合う視標の段階差の最小値が3以上となる場合については、被検査者が視認できる最小の視標の決定は行わない。例えば、第1の視力検査チャートに対して4番、第2の視力検査チャートに対して8番、第3の視力検査チャートに対して12番が選択された場合は、第1、第2、第3の視力検査チャートにより選択された視標をサイズ順に並べたとき、隣り合う視標の段階差の最小値が3となり、選択された視標の組合せからは、段階差が2以下となることはない。このような選択結果であるときは、視標の選択結果に全く連続性が認められず、ばらついていることより、被検査者の選択判断に誤りがあったものと判断される。この場合には、被検査者が視認できる最小の視標の決定は行わずに、ステップS44に戻り再度選択作業を行わせる。なお、この実施形態においては、再度選択作業を行わせるように処理したが、再度選択作業を行わずに、エラー処理として扱い、視力を決定しないように処理してもよい。
【0061】
また、この実施形態においては、入力された第1、第2、第3の視力検査チャートにより選択された視標をサイズ順に並べ、隣り合う視標の段階差の最小値が2以下となる組合せが1つでも存在する場合には、被検査者が視認できる最小の視標の決定を行ったが、これに限らず、求める視力測定の精度に応じて、許容する段階差を2から増減してもよい。この場合、許容する段階差を小さくとれば、視力測定の精度は向上し、反対に許容する段階差を大きくとれば、視力測定の精度は低下する。
【0062】
また、この実施形態においては、入力された第1、第2、第3の視力検査チャートにより選択された視標をサイズ順に並べ、隣り合う視標の段階差の最小値が2以下となる組合せが1つでも存在する場合には、被検査者が視認できる最小の視標の決定を行ったが、これに限らず、隣り合う視標の段階差の一定基準値以上、例えば段階差が2以上となる組合せが含まれる場合には、被検査者が視認できる最小の視標の決定を行わず、再度選択作業を行わせるか、エラー処理として扱い、視力を決定しないように処理してもよい。
【0063】
上述してきたように、本実施形態の検眼システムによれば、被検査者が、特徴を明瞭に視認できた視標を、容易に判断することが可能であり、たとえ被検査者が誤った視標を選択した場合でも、選択した視標(チャート)が、正しい選択であるのか否かを客観的に判断することができる。
【0064】
なお、この実施形態においては、3本の黒線と2本の白線からなる視標を用いて、視力を測定するように構成したが、これに限らず、第18図(a)から第18図(p)に例示したような、ランドルト環、記号、文字などの従来から視力測定に使用されてきた視標や、視標として機能する図形・文字からなる視標であれば、どのような視標が使用されてもよい。
また、この実施形態においては、遠点視力を測定するように構成したが、これに限らず、近点視力を測定する視標を表示する視力検査チャートイメージデータを用いて、近点視力を測定するように構成されてもよい。
【0065】
さらに、この実施形態においては、被検査者の乱視軸の測定を行わずに視力の測定をおこなったが、乱視の度合いがきつい被検査者の場合には、精密な視力測定を行うことができない問題が発生するので、被検査者の乱視軸の測定を行った後、たとえば、表示する線状濃淡画像の線方向を乱視軸の方向と一致させる等、被検査者の乱視軸を考慮した視力検査チャート(視力検査チャートイメージデータ)を表示して測定することが望ましい。
この実施形態においては、3つの視力検査チャートイメージデータ34a,34b,34cにより視力を測定するように構成したが、これに限らず、2つ以上の視力検査チャートイメージデータにより視力を測定するように構成されればよい。なお、幾つの視力検査チャート(視力検査チャートイメージデータ)により視力を測定するようにするのかは、視標の数の多少に応じて、増減させることが望ましい。
【0066】
また、この実施形態においては、複数の視力検査チャートを画面表示手段に再度表示して視認可能な最小の視標を選択させるときに、以前提示した視力測定表をそのまま使用したが、これに限らず、視標の段階差を増減して、以前に提示した複数の視力検査チャートに含まれる視標の段階差とは異なる複数の視力検査チャートを使用して視認可能な最小の視標を選択させるようにしてもよい。この場合には、以前提示した視力測定表より段階度が大きい視力検査チャートが使用されるのが好ましい。
さらに、この実施形態においては、視力検査チャートイメージデータをあらかじめ複数種用意して記録していたが、これに限らず、視標が描かれている視標イメージデータを複数用意しておき、それら視標イメージデータを組み合わせて、適宜視力検査チャートイメージを生成するように構成してもよい。また、1つの視標イメージデータを拡大・縮小して、適宜視力検査チャートイメージを生成するように構成してもよい。
【0067】
この実施形態においては、3つ以上の視標が含まれる視力検査チャートを用いて被検査者が視認できる最小の視標を求めるように測定を行ったが、これに限られることはなく、例えば、視標の段階差が2以上となる大小2つの視標を表示して、これらいずれかを被検査者に選択させて、さらに、選択した視標と段階差が2以上となる選択された視標より大きい視標と小さい視標を表示し、被検査者に選択させる。このステップを繰り返し行い、被検査者が視認できる最小の視標を決定するようにしてもよい。
この実施形態においては、WWWサーバを用いて視力検査チャートイメージデータや選択結果データなどのデータを送受信するように構成したが、これに限らず、本発明の検眼用のサーバアプリケーションを検眼サーバにインストールして実行するように構成されてもよい。
【0068】
また、上述してきた実施形態では、視力測定チャートや近点距離測定チャートの表示は乱視軸判定の選択方位とそれに直交する方位の画像をコンピュータ画面に表示するが、これはあらかじめ4方向の画像を表示画面データベース30に記録しておき、そのなかから選択して表示するようにしてもよく、特定の方位についての画像データを記憶させておき、他の方位については方位データに基づいてグラフィックツールによって画像を回転して生成するようにしてもよい。また、表示する画像の描画データを記憶させておき、方位データに基づいて描画ツールによって画像を描画して生成するようにしてもよい。このように、グラフィックツールによって画像を生成する方法を用いることで、画像表示の負荷は大きくなるが、任意の方位についての画像が生成できるので、乱視軸の方位を容易に拡張できる。
同様に、遠点視力測定における線幅を変えた複数のチャートの表示についても、特定の線幅の画像データを用いてグラフィックツールによって拡大・縮小したり、描画ツールによって描画して生成するようにしてもよい。
【0069】
尚、上記実施形態では、乱視軸判定チャートや視力測定チャートや近点測定チャートの画面表示サイズは、コンピュータの設定によって特に変えないとものして説明したが、本願発明はこれに限定されるものではなく、より精度良く度数を求めるために、コンピュータの画面設定を取得し、これに基づいて画面の表示サイズを変更するようにしてもよい。取得するコンピュータの画面設定としては、ディスプレイの種類とサイズ、コンピュータの解像度設定等である。これらは、コンピュータのプロパティ情報から自動取得するようにしてもよく、被検者属性データとして入力させるようにしてもよい。
この場合も、上記と同様に、グラフィックツールによって、画像を拡大・縮小するようにしてもよく、描画ツールによって描画するようにしてもよい。
【0070】
また、上述してきた実施形態では、乱視軸判定チャートや視力測定チャートや近点距離測定チャートの表示色は実験的に定めた最適な色を使用するとして説明したが、本願発明はこれに限定されるものではなく、表示色の選択機能を設けてもよい。
例えば、被検者に対してあらかじめ色サンプルを表示して被検者の好みの色を選択させるようにしてもよく、コンピュータの画面設定によって自動的にあらかじめ定めた色を選択して表示するようにしてもよい。
【0071】
各チャートの表示色についても、あらかじめ複数の表示色パターンを記憶させておいて、その中から選択させるようにしてもよく、特定の表示色パターンの画像をグラフィックツールで色変換したり、描画ツールで描画するようにしてもよいことは言うまでもない。
同様に、上述してきた実施形態では、乱視軸判定チャートや視力測定チャートや近点距離測定チャートの背景や線分の輝度は実験的に定めた最適な輝度を使用するとして説明したが、本願発明はこれに限定されるものではなく、表示輝度の選択機能を設けてもよい。
各チャートの表示輝度についても、あらかじめ複数の表示輝度パターンを記憶させておいて、その中から選択させるようにしてもよく、特定の表示輝度パターンの画像をグラフィックツールで輝度変換したり、描画ツールで描画するようにしてもよいことは言うまでもない。
【0072】
上記実施形態では、被検者の属性データは被検者が検眼サービスを受けるときに毎回取得するとして説明したが、本願発明はこれに限定されるものではなく、顧客データベースとしてあらかじめ記憶させておき、そのデータベースから必要なデータを抽出するようにしてもよいことは言うまでもない。このように、顧客データベースを備え、上記被検者属性データの他にこれまでに実施した検眼サービスの履歴や販売したメガネやコンタクトレンズのデータを蓄積しておくことで、被検者の特性に合わせたより正確な検眼が行え、より適切な推奨レンズを提示することが可能となる。
上記実施形態では、主として乱視を含む近視者を対象として検眼を行うものとして説明したが、本実施形態では遠点距離の他に近点距離を取得するようにしているので、これを基に遠視又は老眼を有する被検者の検眼を行うことも可能である。
【0073】
すなわち、遠点距離が極めて長く近点距離も長い場合は、遠視または老眼の可能性があるが、ここで被検者の眼の調節力が判ればこれをもとに遠視と老眼を区別することができる。
そこで、例えば被検者の年齢や性別を眼の調節力の代用パラメータとして用い、遠点距離と近点距離と被検者の属性(年齢・性別)を入力とし、乱視度数、遠視度数を出力とするニューラルネットワークを、遠視や老眼を有する多数の被検者によって学習させ、これを用いて遠視や老眼の度数を演算するようにしてもよい。
【0074】
また、更にコンピュータ画面を用いて被検者の眼の調節力を積極的に測定し、これを基に遠視や老眼の度数を判定するようにしてもよい。これには、例えばコンピュータ画面上で移動する画像の追跡能力を測定したり、被検者にコンピュータ画面との距離を早い周期で変化させるような運動をしてもらってそのときの視認力を測定する等の方法が考えられる。
このようにすれば、乱視を含む近視者ばかりでなく、遠視や老眼を有する被検者にも対応でき、あらゆる人を対象とした検眼システムを構築できる。
【0075】
上記実施形態では、インターネットに接続された検眼サーバによって、検眼サービスを行う場合について説明したが、本願発明はこれに限定されるものではなく、特定の組織内のLANやWANを介して検眼サービスを提供するようにしてもよい。
また、必ずしもネットワークを介して被検者に検眼サービスを提供する場合に限らず、店舗等において本願発明の検眼装置を設置し、スタンドアローンで検眼サービスを提供するようにしてもよい。
【0076】
また、本願発明の方法は、汎用のパーソナルコンピュータによっても実現できるので、本願発明の方法をパーソナルコンピュータで実行可能なように記述したコンピュータプログラムを被検者に提供して検眼サービスを行えるようにしてもよい。尚、コンピュータプログラムは、CD−ROM等の記録媒体によってユーザに提供するようにしてもよく、インターネット等を介したダウンロードによってユーザに提供するようにしてもよいことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の検眼装置の一実施形態にかかるシステム構成図である。
【図2】 本願発明の検眼装置の一実施形態にかかる処理フロー図である。
【図3】 個人情報入力画面の表示例を示す図である。
【図4】 装着条件入力画面の表示例を示す図である。
【図5】 乱視軸判定の説明画面の表示例を示す図である。
【図6】 乱視軸判定画面の表示例を示す図である。
【図7】 遠点視力測定の説明画面の表示例を示す図である。
【図8】 遠点視力測定画面の表示例を示す図である。
【図9】 近点距離測定の説明画面の表示例を示す図である。
【図10】 近点距離測定画面の表示例を示す図である。
【図11】 遠点距離演算用ニューラルネットワークの構成例を示す図である。
【図12】 この発明の別の一実施形態における検眼システムの一部を示す図解図である。
【図13】 複数の視標が配置された視力検査チャートイメージデータを示す図解図である。
【図14】 複数の視標が配置された別の視力検査チャートイメージデータを示す図解図である。
【図15】 複数の視標が配置されたさらに別の視力検査チャートイメージデータを示す図解図である。
【図16】 本実施形態の動作フローを示すフローチャート図である。
【図17】 視認可能視標決定手段の判断・動作フローを示すフローチャート図である。
【図18】 本発明に適用可能な視標を例示した図である。
【図19】 ランドルト環の例を示す図である。
【図20】 乱視表の例を示す図である。
【符号の説明】
1 被検者コンピュータ
2 インターネット
10 検眼サーバ
20 WWWサーバ
22 CGI
24 HTMLデータ
30 表示画面データベース
32 記憶領域
34 視力検査チャートイメージデータ
34a,34b,34c 視力検査チャートイメージデータ
40 ユーザインターフェース手段
50 検眼情報データベース
60 遠点演算手段
70 度数演算手段
80 検眼機能部
Claims (18)
- コンピュータ画面を用いて検眼する検眼装置であって、
被検者の属性を取得する被検者属性取得手段と、
乱視軸判定チャートを画面表示する乱視軸判定チャート表示手段と、
前記表示された乱視軸判定チャートについて被検者が選択した方位を取得する方位取得手段と、
前記取得された方位の視力測定チャートを画面表示する第1の視力測定チャート表示手段と、
前記表示された第1の視力測定チャートについて被検者が選択した視認限界を取得する第1の視認限界取得手段と、
前記取得された方位と直交する方位の視力測定チャートを画面表示する第2の視力測定チャート表示手段と、
前記表示された第2の視力測定チャートについて被検者が選択した視認限界を取得する第2の視認限界取得手段と、
前記取得された第1の視認限界と前記取得された第2の視認限界と前記取得された被検者属性とを入力パラメータとして第1の遠点距離と第2の遠点距離を演算する遠点距離演算手段と、
前記取得された方位および前記演算された第1の遠点距離と第2の遠点距離とから、乱視を有する場合は乱視軸を判定した上で度数を演算する度数演算手段とを備えたことを特徴とする、検眼装置。 - 前記第1の視力測定チャート表示手段と第2の視力測定チャート表示手段とは、視標の大きさの段階差が2以上となる視標の組合せからなる複数の視力検査チャートを順次画面表示手段に表示する表示手段を有し、
前記第1の視認限界取得手段と第2の視認限界取得手段とは、前記画面表示手段に表示された各視力検査チャートについて視認可能な最小の視標を選択させる選択手段と、前記各視力検査チャートについて選択された視認可能な最小の視標から被検査者が視認可能な最小の視標を決定する決定手段とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の検眼装置。 - 前記表示手段は、各視力検査チャートに含まれる視標の段階差を3とした3つの視力検査チャートを画面表示手段に表示する、請求項2に記載の検眼装置。
- 前記決定手段は、前記選択手段により選択された視標の段階差の最小値が1となるとき、前記大きさの段階差が1である組合せの視標のうち最も小さい視標を被検査者が視認可能な最小の視標として決定する機能を有する、請求項2または請求項3に記載の検眼装置。
- 前記決定手段は、前記選択手段により選択された視標の段階差の最小値が2となるとき、段階差の最小値が2となる視標の組合せのうち最も小さい組合せの視標の間の視標を被検査者が視認可能な最小の視標として決定する機能を有する、請求項2または請求項3に記載の検眼装置。
- 前記決定手段は、前記選択手段により選択された視標の段階差の最小値が3以上となるとき、前記複数の視力検査チャートを画面表示手段に再度表示して視認可能な最小の視標を選択させる機能を有する、請求項2または請求項3に記載の検眼装置。
- 前記遠点距離演算手段は、前記被検者の属性および前記視認限界と前記遠点距離の関係を多数の被検者で学習させた学習モデルを用いて遠点距離を演算する機能を有することを特徴とする、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の検眼装置。
- 前記取得された方位の近点距離測定チャートを画面表示する第1の近点距離測定チャート表示手段と、
前記表示された第1の近点距離測定チャートについて被検者が入力した近点距離を取得する第1の近点距離取得手段と、
前記取得された方位と直交する方位の近点距離測定チャートを画面表示する第2の近点距離測定チャート表示手段と、
前記表示された第2の近点距離測定チャートについて被検者が入力した近点距離を取得する第2の近点距離取得手段とを備えたことを特徴とする、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の検眼装置。 - 前記乱視軸判定チャート表示手段は、複数の平行線からなる4方向の線状群を表示する機能を有することを特徴とする、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の検眼装置。
- 前記第1の視力測定チャート表示手段と前記第2の視力測定チャート表示手段の少なくとも一方は、線幅を変更した複数の線状濃淡画像を表示する機能を有することを特徴とする、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の検眼装置。
- 前記乱視軸判定チャート表示手段と前記第1の視力測定チャート表示手段と前記第2の視力測定チャート表示手段の少なくともいずれかは、コンピュータ画面の画面表示情報を取得する画面表示情報取得手段と、
前記取得された画面表示情報によってコンピュータ画面の表示サイズを変更する表示サイズ変更手段とを有することを特徴とする、請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の検眼装置。 - 前記乱視軸判定チャート表示手段と前記第1の視力測定チャート表示手段と前記第2の視力判定チャート表示手段の少なくともいずれかは、コンピュータ画面に表示する色を選択する表示色選択手段を有することを特徴とする、請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の検眼装置。
- 前記乱視軸判定チャート表示手段と前記第1の視力測定チャート表示手段と前記第2の視力判定チャート表示手段の少なくともいずれかは、コンピュータ画面に表示する輝度を選択する表示輝度選択手段を有することを特徴とする、請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の検眼装置。
- コンピュータ画面を用いて検眼する検眼方法であって、
被検者の属性を取得する被検者属性取得ステップと、
乱視軸判定チャートを画面表示する乱視軸判定チャート表示ステップと、
前記表示された乱視軸判定チャートについて被検者が選択した方位を取得する方位取得ステップと、
前記取得された方位の視力測定チャートを画面表示する第1の視力測定チャート表示ステップと、
前記表示された第1の視力測定チャートについて被検者が選択した視認限界を取得する第1の視認限界取得ステップと、
前記取得された方位と直交する方位の視力測定チャートを画面表示する第2の視力測定チャート表示ステップと、
前記表示された第2の視力測定チャートについて被検者が選択した視認限界を取得する第2の視認限界取得ステップと、
前記取得された第1の視認限界と前記取得された第2の視認限界と前記取得された被検者属性とを入力パラメータとして第1の遠点距離と第2の遠点距離を演算する遠点距離演算ステップと、
前記取得された方位および前記演算された第1の遠点距離と第2の遠点距離とから、乱視を有する場合には乱視軸を判定した上で度数を演算する度数演算ステップとを備えたことを特徴とする、検眼方法。 - 前記第1の視力測定チャート表示ステップと第2の視力測定チャート表示ステップとは、視標の大きさの段階差が2以上となる視標の組合せからなる複数の視力検査チャートを順次画面表示手段に表示する表示ステップを有し、
前記第1の視認限界取得ステップと第2の視認限界取得ステップとは、前記画面表示手段に表示された各視力検査チャートについて視認可能な最小の視標を選択させる選択ステップと、前記各視力検査チャートについて選択された視認可能な最小の視標から被検査者が視認可能な最小の視標を決定する決定ステップとを含むことを特徴とする、請求項14に記載の検眼方法。 - ネットワークに接続されたクライアントコンピュータに対して、コンピュータ画面を用いて検眼する機能を提供する検眼サーバであって、
被検者の属性を取得する被検者属性取得手段と、
乱視軸判定チャートを画面表示する乱視軸判定チャート表示手段と、
前記表示された乱視軸判定チャートについて被検者が選択した方位を取得する方位取得手段と、
前記取得された方位の視力測定チャートを画面表示する第1の視力測定チャート表示手段と、
前記表示された第1の視力測定チャートについて被検者が選択した視認限界を取得する第1の視認限界取得手段と、
前記取得された方位と直交する方位の視力測定チャートを画面表示する第2の視力測定チャート表示手段と、
前記表示された第2の視力測定チャートについて被検者が選択した視認限界を取得する第2の視認限界取得手段と、
前記取得された第1の視認限界と前記取得された第2の視認限界と前記取得された被検者属性とを入力パラメータとして第1の遠点距離と第2の遠点距離を演算する遠点距離演算手段と、
前記取得された方位および前記演算された第1の遠点距離と第2の遠点距離とから、乱視を有する場合には乱視軸を判定した上で度数を演算する度数演算手段とを備えたことを特徴とする、検眼サーバ。 - ネットワークに接続されたクライアント端末に対して、視力に対応させて大きさを段階的に変化させた複数の視標を含む視力検査チャートを提供し、前記クライアント端末の画面表示手段に表示された視力検査チャートから被検査者に視認可能な最小の視標を選択させることによって自覚的に視力を測定する検眼サーバであって、
視標の大きさの段階差が2以上となる視標の組合せからなる複数の視力検査チャートが順次クライアント端末画面表示手段に表示されるように視力検査チャートイメージデータを提供する視力検査チャートイメージデータ提供手段と、
前記クライアント端末画面表示手段に表示された各視力検査チャートについて前記被検査者が選択した視認可能な最小の視標を取得する個別視認可能視標取得手段と、
前記個別視認可能視標取得手段により取得された各個別視認可能視標から被検査者が視認可能な最小の視標を決定する視認可能視標決定手段とを備えたことを特徴とする、検眼サーバ。 - 視力に対応させて大きさを段階的に変化させた複数の視標を含む視力検査チャートを画面表示手段に表示し、前記画面表示手段に表示された視力検査チャートから被検査者に視認可能な最小の視標を選択させることによって自覚的に視力を測定する検眼方法であって、
視標の大きさの段階差が2以上となる視標の組合せからなる複数の視力検査チャートを順次画面表示手段に表示するステップと、
前記画面表示手段に表示された各視力検査チャートについて視認可能な最小の視標を選択させるステップと、
前記各視力検査チャートについて選択された視認可能な最小の視標から被検査者が視認可能な最小の視標を決定するステップとを含むことを特徴とする、検眼方法。
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