JP4056798B2 - 弾性表面波フィルタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は弾性表面波フィルタに関する。特に、通過帯域周波数の両側の減衰極周波数の任意倍周波数における減衰特性を改善する弾性表面波に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、弾性表面波フィルタに関する技術としては、例えば、電子情報通信学会誌 vol.J76−A No.2 PP.245−252、PP.236−244、PP.87−95に記載されるものがあった。
【0003】
これによれば、従来の弾性表面波フィルタは、一般的に、1端子対弾性表面波共振子(以下「1端子対SAW共振子」と云う)を梯子型に接続したフィルタであり、この構造の1端子対SAW共振子を用いて直列腕及び並列腕を構成し、直列腕によって高域の減衰極を形成し、並列腕によって低域の減衰極を形成して帯域フィルタを構成するものである。
【0004】
以上の説明から1段の1端子対SAW共振子を多段積した弾性表面波フィルタは以下のようになる。
【0005】
図8は従来の1段の弾性表面波フィルタを梯子型に4段従属に接続したフィルタであり、4段の場合における本発明の前提となる定K型弾性表面波フィルタの構成図である。
【0006】
図8の定K型弾性表面波フィルタは、直列腕共振子401と並列腕共振子501からなる1段目、直列腕共振子402と並列腕共振子502からなる2段目、直列腕共振子403と並列腕共振子503からなる3段目、直列腕共振子404と並列腕共振子504からなる4段目を従属接続した構成になっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
低損失、高減衰量フィルタを得ようとすると従来の梯子型弾性表面波フィルタの場合、以下の問題点があった。
(a)従来の梯子型弾性表面波フィルタの場合、低損失、高減衰量フィルタを得ようとすると、1端子対SAW共振子の共振のQと反共振のQを上げる必要がある。即ち、通過帯域の減衰量を減少させ、減衰極の減衰量を大きくする必要がある。
【0008】
しかしながら、1端子対SAW共振子の共振のQを上げようと櫛歯状電極(IDT)の交差長または対数を増やすと、共振子の制動容量が増えると共に共振子の反共振のQが下がり、減衰量が減ってしまう。
【0009】
ここで、「制動容量」とは、限りなく直流に近い周波数でも持っている容量、即ち、振動しないとき持っている容量をいう。
【0010】
一方、減衰量を得るためにはIDTの交差長若しくは対数を減らす必要があり、そのように構成すると、共振子の共振のQが下がり挿入損失が悪くなってしまう。
(b)また、近年その需要が高い携帯電話向け送受信機(DUPLEXER)用フィルタにおいては、送信部のパワーアンプの二次歪、三次歪を減衰させたいという要求があることから、共振周波数(または反共振周波数)の2倍、3倍の高調波部分の減衰量を増大することが必要とされている。
【0011】
しかし、1端子対SAW共振子は、共振周波数から離れると単なる容量としてしか動作せず、図9に示すように、2倍、3倍の高調波部分にまで広帯域に減衰量を得ることは難しくなる。
【0012】
図9は、従来の弾性表面波フィルタの広帯域における周波数−減衰特性図である。
【0013】
また、減衰量を得ようと外付けでL、C回路部品等を追加すると、L、Cの共振のQが低いため、本来の通過域、減衰域の特性も劣化してしまうという問題点があった。
【0014】
このため、2倍、3倍の高調波部分にまで大きい減衰量を保ちながら、低い通過域の挿入損失を得ることは困難であった。そこで、
本発明の目的は、低損失、高減衰量を達成すると共に、通過帯域の両側における減衰極周波数の2倍、3倍等の任意倍率の高調波部分にまで広帯域に大きな減衰量を得ることができるようにした弾性表面波フィルタを提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するために以下の解決手段を採用する。
(1)直列腕共振子および並列腕共振子を複数段梯子型に接続した定K型弾性表面波フィルタにおいて、
任意段の並列腕に、前記定K型弾性表面波フィルタを構成する前記任意段の並列腕に並列配置される並列腕の共振子の減衰極周波数より高域側に減衰極周波数を有し、前記共振子の減衰極周波数においては減衰せずに容量として機能する共振素子を設け、
前記並列腕共振子に並列に組み合わせる前記共振素子の共振周波数を前記並列腕共振子の共振周波数の1.8倍以上で2.2倍以下の周波数もしくは2.7倍以上で3.3倍以下の周波数にしたことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図に基づいて詳細に説明する。
【0017】
本発明は、従来の梯子型弾性表面波フィルタの直列腕共振子、または並列腕共振子に、特徴をなす追加の共振素子を設ける構成を採用する。
(I)まず、前記直列腕共振子に追加の共振素子を設ける第1および第2実施例を説明する。
【0018】
(本発明の第1実施例)
第1実施例では、梯子型弾性表面波フィルタにおける直列腕共振子の反共振周波数、すなわち、高域側の減衰極周波数の2倍、3倍等の任意倍率の周波数に減衰極を持つ共振素子を任意段の直列腕共振子に直列に挿入する。
【0019】
図1は本発明の第1実施例の説明図である。図1(a)は、本発明の第1実施例の構成図を示す。
【0020】
図1(a)のフィルタ回路における、直列腕共振子401と並列腕共振子501からなる1段目、直列腕共振子402と並列腕共振子502からなる2段目、直列腕共振子403と並列腕共振子503からなる3段目、直列腕共振子404と並列腕共振子504からなる4段目は、前記図8の従来の梯子型弾性表面波フィルタ回路と同じ構成になっている。
【0021】
図1のフィルタ回路は、前記図8の従来のフィルタ回路に新規に共振子601〜604を挿入する。この共振子601〜604は、本発明における共振素子を構成する。
【0022】
「共振素子」とは、図8に示すような定K型弾性表面波フィルタにおいて、該フィルタの減衰極周波数の2倍、3倍等の任意倍率(例えば、略整数倍)の減衰極周波数を形成するために任意の腕に挿入される共振子であり、弾性表面波素子の他に、別の圧電基板、もしくは強誘電体単結晶基板、強誘電体セラミックス基板のいずれか1つで形成したバルク波共振の圧電振動子で構成するものをいう。
【0023】
挿入する共振素子601〜604は同一チップに形成され、直列腕共振子401〜404によって形成される高域の減衰極よりも高い周波数域に減衰極を持つ。
【0024】
直列腕の共振素子601、603は直列腕共振子の高域側減衰極周波数の2倍の周波数に減衰極を持ち、直列腕の共振素子602、604は同じく高域側の減衰極の3倍の周波数に減衰極を持つ。
【0025】
この結果、直列腕共振子401〜404には2倍もしくは3倍の反共振周波数を持つ直列腕の共振素子601〜604が直列に挿入される。
【0026】
このように、本発明の弾性表面波フィルタは、複数の直列腕共振子の内、任意の直列腕の共振素子の反共振周波数を、他の直列腕共振子の反共振周波数より高くする。例えば、前記任意数の直列腕の共振素子の反共振周波数を、最も低い反共振周波数の原理上は2倍もしくは3倍とすればよいが、実用上、経験則によれば1.8倍以上で2.2倍以下の周波数もしくは2.7倍以上で3.3倍以下の周波数とすることが好ましい。
【0027】
図1(b)は、本発明の第1実施例における直列腕と共振素子の等価回路図である。具体的には、直列椀共振子402と直列椀共振素子602の等価回路図である。
【0028】
通過域付近の直列腕共振子402の等価回路は、リアクタンスLと容量C1の直列回路に制動容量C2を並列接続した回路構成をとる。通過域付近の本実施例で挿入した共振素子602の等価回路は、容量C3となり、前記直列腕共振子402の等価回路に直列に接続される。この等価回路は通過域付近の周波数での等価回路であるが、定K型弾性表面波フィルタの直列腕共振子の反共振周波数の2倍または3倍等の周波数における等価回路は後で述べるように異なる等価回路となる。
【0029】
図2は本発明の弾性表面波フィルタの通過帯域近傍の周波数−減衰率特性図である。
【0030】
図3は本発明の弾性表面波フィルタの広帯域の周波数−減衰率特性図である。
【0031】
以上のように構成することにより、本発明の弾性表面波フィルタは、以下の(i)(ii) の点に特徴を有することになる。
(i)本発明の弾性表面波フィルタの通過帯域近傍の周波数−減衰率特性は、従来の特性に比べ、図3に示すように通過帯域の両側の減衰極の減衰量が大きく改善される。
(ii) 本発明の弾性表面波フィルタの広帯域の周波数−減衰率特性は、図9に示す従来の特性に比べ、図3に示すように、共振周波数付近の減衰量、2倍高調波の減衰量、3倍高調波の減衰量が大きく改善される。
【0032】
この理由は以下のようになる。
【0033】
図4は本発明の定K型弾性表面波フィルタの減衰極周波数の2倍および3倍高調波に減衰極を発生する原理を説明する図である。図4は概略図である。
【0034】
前記反共振周波数を有する共振子の周波数−減衰率特性は、波形Aとなり、前記反共振周波数以上の領域、例えば、最小の反共振周波数の2倍または3倍、実用的には前記反共振周波数の1.8倍以上で2.2倍以下の周波数、または2.7倍以上で3.3倍以下の周波数の領域は、共振子の等価回路が容量となることから、図示のようにほぼ平行線となる。
【0035】
前記以外の直列腕共振子、即ち、通過帯域の高域側の反共振周波数の2倍または3倍の直列腕共振子の周波数−減衰率特性は、波形B、Cとなり、前記波形Aと同様に、それぞれの直列椀共振子の反共振周波数以上の領域の特性は、共振子の等価回路が容量となることから、図示のようにほぼ平行線となる。
【0036】
本発明の弾性表面波フィルタは、梯子型接続共振子による前記波形Aと、最小の反共振周波数の2倍または3倍の直列腕共振子の前記波形B、Cを合成した特性となる。即ち、図4に示す反共振周波数の2倍または3倍の特性領域(d)、(f)、(g)は、前記合成時、相手の特性に何らの影響も与えない特徴を有する。
【0037】
これらすべての直列腕共振子を同一基板に形成する。また、最も低い反共振周波数の直列腕共振子以外の直列腕の共振素子を、別の圧電基板、もしくは強誘電体単結晶基板、強誘電体セラミックス基板のいずれか1つで形成した厚み振動またはたわみ振動等のバルク波共振の圧電振動子で構成する。
【0038】
最も低い反共振周波数の直列腕共振子以外の直列腕の共振素子を、同一基板上に形成される圧電薄膜共振子とする。
【0039】
弾性表面波フィルタにおいて用いる同一基板上に形成される圧電薄膜共振子は、LiTaO3 (タンタル酸リチウム)薄膜、LiNbO3 (ニオブ酸リチウム)薄膜、ZnO(酸化亜鉛)薄膜、AlN(窒化アルミニウム)薄膜のいずれか1つで形成する。
【0040】
また、弾性表面波フィルタにおいて用いる共振素子は、結晶成長面36°Y−XのLiTaO3 基板、結晶成長面X−112°YのLiTaO3 基板、結晶成長面Y−ZのLiTaO3 基板、結晶成長面64°Y−XのLiNbO3 基板、結晶成長面41°Y−XのLiNbO3 基板、結晶成長面128°Y−XのLiNbO3 基板、結晶成長面Y−ZのLiNbO3 基板、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)系圧電セラミックス基板、PbTiO3 (チタン酸鉛)系圧電セラミックス基板のいずれか1つで構成する。
【0041】
本発明の定K型弾性表面波フィルタは、圧電基板、もしくは強誘電体単結晶基板、強誘電体セラミックス基板上に複数のIDTを所定の電極ピッチで形成した1端子対SAW共振子によってそれぞれ構成される直列腕共振子および並列腕共振子を複数段梯子型に接続して構成し、共振(直列共振)および反共振(並列共振)特性を持ち、直列接続されたリアクタンスLおよび容量C1と容量C2が並列接続された集中定数等価回路で近似でき、各直列腕が定K型を構成する1端子対SAW共振子と異なる周波数に共振、反共振を持つ共振素子を少なくとも1つ以上直列に組み合わせて構成する。
【0042】
一般的に、1端子対SAW共振子の共振、反共振のQは少なくとも100以上はあるため、各段の直列腕の共振周波数、反共振周波数付近では、接続した2倍高調波、3倍高調波に共振、反共振する共振子は単なる直列容量として機能する。
【0043】
例えば2段目の直列腕を考えると、通過域付近では図1において、点線内は図8と同じ共振子402に相当し、点線外の直列に挿入される容量は新規の共振素子602に相当する。
【0044】
一方、共振素子602の反共振周波数では、共振素子602は反共振を生じ、減衰極が生じ、直列腕共振子402の直列腕共振子は単なる容量として動作する。これを簡略に図4に図示する。
【0045】
この図において、信号波形Aは従来の定K型弾性表面波フィルタの周波数−減衰量特性波形、信号波形Bは前記共振素子601および603による2倍高調波に減衰極を有する周波数−減衰量特性波形、信号波形Cは前記共振素子602および604による3倍高調波に減衰極を有する周波数−減衰量特性波形を表し、本発明の弾性表面波フィルタはこれら信号波形を合成する。
【0046】
この時、信号波形Aの領域d、信号波形Bの領域eおよび領域f、信号波形Cの領域gは、自分の減衰極周波数の2倍または3倍の領域になるので、特性上略平行線に近い直線となる。
【0047】
この領域d、e、fおよびgの信号は、減衰極特性に影響を与えることがない。即ち、信号Aの減衰極aの特性は信号Bの領域eおよび信号Cの領域gの影響を受けずに合成波形Dにそのまま現出する。
【0048】
このことから、定K型弾性表面波フィルタの減衰極周波数の任意倍の高調波に減衰極を発生する必要が生じた場合には、その高調波に減衰極を有する共振子を定K型弾性表面波フィルタに追加挿入することになる。
【0049】
つまり、図1において、3倍高調波付近では、今度は前記図1における点線内が共振素子602に相当し、直列に挿入される容量は直列腕共振子402に相当する。
【0050】
すなわち、直列容量を挿入することによって直列腕共振子が制動容量を減らされたことと等価になり、直列腕の合成された結果は周波数上昇型エネルギー閉じ込め1端子対SAW共振子となり、挿入損失が減り減衰量が向上すると共に、2倍高調波、3倍高調波の部分に減衰極が生じる。
【0051】
各段に最も低い反共振周波数の直列腕共振子以外の直列腕の共振素子を接続すれば各段の直列腕共振子が制動容量を減らされたことになり、各段それぞれの共振子の共振および反共振のQが上がり、フィルタ全体の挿入損失が減り通過帯域の高域側の減衰極の減衰量が増加すると共に、2倍高調波、3倍高調波の部分の減衰量も増えることとなる。
【0052】
弾性表面波フィルタにおいて、原理上は最も低い反共振周波数の2倍もしくは3倍となる直列腕の共振素子の制動容量を最も低い反共振周波数の直列腕共振子の制動容量と同じかまたはそれ以上にする。
【0053】
前記共振素子601および603は2倍、前記共振素子602および604は3倍の高調波の周波数に減衰極が来るように反共振周波数を合わせておけば、2倍、3倍のいずれの高調波の減衰量も得られる。
【0054】
挿入する共振子の制動容量を挿入される共振子の2倍以上にすると挿入損失の劣化が小さい。
【0055】
第1実施例の共振素子は、直列腕共振子の間に配置することが特性上好ましい。
【0056】
(第1実施例の効果)
以上のように本実施例では、通過帯域の高域側の減衰極の反共振周波数の2倍、3倍の反共振周波数をもつ直列腕共振子を前記通過帯域の高域側の減衰極を形成する直列腕共振子に直列に接続したため、
1.挿入損失を増やすことなく、2倍、3倍の高調波の減衰量を増やすことができる。
2.接続された直列腕共振子に加わる電圧が下がり直列腕共振子の耐電圧(耐電力)が向上する。
3.2倍、3倍の高調波をトラップする外付け部品が必要なくなるので、搭載するプリント基板サイズが小さくなる。
4.異なる倍率の反共振周波数の直列腕共振子を搭載することで基本的に本発明の弾性表面波フィルタを構成できるので、特別な工程を設ける必要がなく、コスト上昇を阻止できる。
【0057】
第1実施例では同一基板上に共振子を形成する場合について説明したが、別の基板(別のカット角度あるいは、LiNbO3 等の別の材料)上に形成しその間をボンディングワイヤー等で配線しても同様の効果を得ることができる。
【0058】
また、4段構成の低K型フィルタについて説明したが、4段構成に限定されず、さらに多段のフィルタについても各段に異なる倍率の反共振周波数の直列腕共振子を挿入することで構成でき、さらに効果を向上することができる。
【0059】
(本発明の第2実施例)
第2実施例では、共振および反共振特性を持つ圧電振動子(バルク波の振動子)を各段の直列腕共振子に直列に接続する。該圧電振動子および後述する圧電薄膜共振子は本発明の前記共振素子を構成する。
【0060】
第2実施例では、直列腕共振子によって形成される通過帯域の高域側の減衰極周波数の2倍、3倍の周波数に減衰極を持つ圧電振動子を各段の直列腕共振子に直列に挿入する。
【0061】
第2実施例の構成図は図1と同じになる。
【0062】
各段に直列挿入する共振素子(圧電振動子)601〜604は共振子基板の外部に形成され、直列腕共振子401〜404によって形成される通過帯域の高域側の減衰極周波数よりも高い周波数に減衰極を持つ。
【0063】
直列腕共振子401〜404には2倍もしくは3倍の反共振周波数を持つ共振素子(圧電振動子)601〜604が直列に接続される。
【0064】
一般的に、バルク波の圧電振動子の共振、反共振のQは少なくとも10以上はあるため、各段の直列腕の共振周波数、反共振周波数付近では、挿入した2倍高調波、3倍高調波に共振、反共振する共振子は単なる直列容量として機能する。
【0065】
例えば2段目の直列腕を考えると通過域付近では図1において、点線内は直列腕共振子402に相当し、直列に挿入される容量C3は共振素子(圧電振動子)602に相当する。
【0066】
一方、共振素子(圧電振動子)601〜604の反共振周波数では、共振素子(圧電振動子)601〜604は反共振を生じ、減衰極が生じ、直列腕共振子401〜404は単なる容量として機能する。
【0067】
同様に図1において3倍高調波付近では、今度は点線内は共振素子(圧電振動子)602に相当し、直列に挿入される容量C3は直列腕共振子402に相当する。
【0068】
すなわち、直列容量を挿入することによって直列腕共振子が制動容量を減らされたことと等価になり、直列腕の合成された結果は周波数上昇型エネルギー閉じ込め1端子対SAW共振子となり、挿入損失が減り減衰量が向上すると共に、2倍高調波、3倍高調波の部分に減衰極が生じる。
【0069】
第2実施例の各圧電振動子は、第1実施例の各共振素子と同じく、前記図4に示した信号合成を行う。
【0070】
各段に挿入すれば各段の直列腕共振子が制動容量を減らされたことになり、各段それぞれの共振子の共振および反共振のQが上がり、フィルタ全体の挿入損失が減り減衰量が向上すると共に、定K型弾性表面波振動子の減衰極周波数の2倍高調波、3倍高調波の部分の減衰量も増える。
【0071】
定K型弾性表面波振動子の減衰極周波数に対し、共振素子(圧電振動子)601、603は2倍、共振素子(圧電振動子)602、604は3倍の高調波の周波数に合わせておけば、2倍、3倍のいずれの高調波の減衰量も得られる。さらに、圧電振動子の減衰極周波数を任意倍率の高調波とすることも可能である。
【0072】
挿入する圧電振動子の制動容量を接続される共振子の2倍以上にすると挿入損失の劣化が小さい。
【0073】
これは同一基板上に形成された1端子対SAW共振子の場合と同じ原理である。
【0074】
別の基板上に形成し、電気的な配線さえ行えば、お互いに振動の波が悪影響することはない。
【0075】
挿入する圧電振動子の制動容量を挿入される共振子の2倍以上にすると以上述べた効果が更に大きくなる。すなわち、直列容量を挿入することによって直列腕共振子が制動容量を減らされたことと等価になり、直列腕の合成された結果は周波数上昇型エネルギー閉じ込め1端子対SAW共振子となり、挿入損失が減り減衰量が向上すると共に、2倍高調波、3倍高調波の部分に減衰極が生じる。
【0076】
また、実用上、各直列腕共振子に直列に組み合わせる共振素子の反共振周波数を各段の直列腕共振子の反共振周波数の1.8倍以上で2.2倍以下の周波数もしくは2.7倍以上で3.3倍以下の周波数に設定することが好ましい。
【0077】
各直列腕共振子に直列に組み合わせる共振素子を同一基板に形成した1端子対SAW共振子で構成することが可能である。
【0078】
また、バルク波共振の圧電振動子は、各直列腕共振子に直列に組み合わせる共振素子を別の圧電基板、もしくは強誘電体単結晶基板、強誘電体セラミックス基板のいずれか1つで形成する。
【0079】
各直列腕共振子に直列に組み合わせる共振素子を同一基板上に形成することも可能である。
【0080】
また、同一基板上に形成される圧電薄膜共振子を、LiTaO3 薄膜、LiNbO3 薄膜、ZnO薄膜、AlN薄膜のいずれか1つで形成することも可能である。
【0081】
圧電基板または強誘電体単結晶基板または強誘電体セラミックス基板を、結晶成長面36°Y−XのLiTaO3 基板、結晶成長面X−112°YのLiTaO3 基板、結晶成長面Y−ZのLiTaO3 基板、結晶成長面64°Y−XのLiNbO3 基板、結晶成長面41°Y−XのLiNbO3 基板、結晶成長面128°Y−XのLiNbO3 基板、結晶成長面Y−ZのLiNbO3 基板、PZT系圧電セラミックス基板、PbTiO3 系圧電セラミックス基板のいずれか1つとする。
【0082】
第2実施例の1端子対SAW共振子も前記第1実施例と同じく図2〜図4について説明した特性および作用・効果を備える。
【0083】
(第2実施例の効果)
以上のように、第2実施例では、共振および反共振特性を持つ圧電振動子(バルク波の振動子)を各段の直列腕共振子に直列に接続したため、
1.挿入損失を増やすことなく、2倍、3倍の高調波の減衰量を増やすことができる。
2.各段の直列腕共振子に圧電振動子を直列に接続したため、直列腕共振子に加わる電圧が下がり直列腕共振子の耐電力が向上する。
3.異なる倍率の反共振周波数の直列腕の共振素子を搭載することで基本的に本発明の弾性表面波フィルタを構成できるので、特別な工程を設ける必要がなく、コスト上昇を阻止できる。
【0084】
本実施例では別の基板上に圧電振動子を形成しその間をボンディングワイヤー等で配線する場合について説明したが、バンプ等で直接配線しても同様の効果を得ることができる。
【0085】
また、4段構成の定K型フィルタについて説明したが、4段構成に限定されず、さらに多段のフィルタについても各段に異なる倍率の反共振周波数の直列腕共振子を挿入することで構成でき、さらに効果を向上することができる。
【0086】
また、挿入する共振子は直列腕共振子間であれば他の共振子間でも同様の効果を得られる。
【0087】
また、第2実施例では別の基板上に圧電振動子を形成した場合を説明したが、同一基板上に形成した圧電薄膜共振子でも同様の効果が得られる。
(II)次に並列腕共振子に並列に追加の共振素子を設ける第1および第2参考例について説明する。
【0088】
(第1参考例)
第1参考例では、梯子型弾性表面波フィルタにおける並列腕共振子によって形成される通過帯域の低域側の減衰極周波数の2倍、3倍の周波数に共振する共振素子を各段の並列腕共振子に並列に挿入してある。
【0089】
図5は本発明の第1参考例の説明図である。図5(a)は、本発明の第1参考例の構成図を示す。
【0090】
図5(a)のフィルタ回路における、直列腕共振子401、402、403および404と並列腕共振子501および504は前記図8の従来の梯子型弾性表面波フィルタ回路と同じ構成になっている。図5(a)において、従来の図8の並列腕共振子502および503の代わりに挿入する並列腕共振子701と702は同一チップに形成され、従来の並列腕共振子501と504によって形成される通過帯域の低域側の減衰極周波数よりも高い周波数に減衰極を持つ追加の並列腕共振子701と702を、従来の並列腕共振子501と504の並列腕共振子に並列に挿入してある。
【0091】
この共振子701〜702は、本発明の第1参考例における前記「共振素子」を構成する。
【0092】
この「共振素子」とは、定K型弾性表面波フィルタにおいて、該フィルタの通過帯域の低域側の減衰極周波数の2倍、3倍等の任意倍率(例えば、整数倍)の減衰極を形成するために挿入される共振子であり、弾性表面波素子の他に、別の圧電基板、もしくは強誘電体単結晶基板、強誘電体セラミックス基板のいずれか1つで形成したバルク波共振の圧電振動子で構成する。
【0093】
1段目および4段目の並列腕共振子501と504の2倍および3倍の共振周波数を持つ共振素子701と702が2段目および3段目に並列に挿入される。
【0094】
一般的に、1端子対SAW共振子の共振、反共振のQは少なくとも100以上はあるため、各段の並列腕の共振周波数、反共振周波数付近では、挿入した2倍高調波、3倍高調波に共振、反共振する共振素子は単なる容量として動作する。
【0095】
一方、追加の共振素子701と702の共振周波数では、共振素子701と702は共振を生じ、減衰極が生じ、並列腕共振子501と504は単なる容量として機能する。
【0096】
すなわち、並列容量を挿入することによって並列腕共振子が制動容量を増やされたことと等価になり、通過帯域の低域側の共振周波数の2倍、3倍の高調波部分に減衰極が生じる。
【0097】
各段に追加の共振子を挿入すれば各段の並列腕共振子が制動容量を増やされたことになり、フィルタ全体の通過帯域の低域側の減衰極周波数の2倍、3倍の高調波部分の減衰量が増加する。
【0098】
挿入損失が大きく劣化せずに代わりの共振素子701と702を挿入するには、並列腕共振子501と504の制動容量を1/2になるように変更し、挿入する追加の共振素子701と702の制動容量を並列腕共振子501および504と同じ値にすると良い。
【0099】
すなわち、図5(a)のフィルタ回路は、図8の従来例において、並列腕共振子502と503を同じ制動容量を持ち、減衰極周波数の2倍、3倍の高調波部分に共振周波数を持つ共振素子に置き換えるのと等価となる。
【0100】
図5(b)は、本発明の第1参考例における並列腕の等価回路である。具体的には、並列腕共振子501と701の等価回路図である。
【0101】
通過域付近の並列腕共振子501の等価回路は、リアクタンスLと容量C1の直列接続と、制動容量C2とを並列接続した回路構成をとる。通過域付近の周波数における本実施例で挿入した共振素子701の等価回路は、容量C3となり、前記並列腕共振子の501の等価回路に並列に接続される。この等価回路は通過域付近の周波数での等価回路であるが、定K型弾性表面波フィルタの並列腕共振子の通過帯域の低域側の減衰極周波数の2倍、3倍等の周波数における等価回路は後で述べるように異なる等価回路となる。
【0102】
図6は本発明の第1参考例の並列腕に共振素子を追加した弾性表面波フィルタの広帯域の周波数−減衰率特性図である。
【0103】
以上のように構成することにより、本発明の第1参考例の弾性表面波フィルタは、以下の(i)(ii) の点に特徴を有することになる。
(i)本発明の第1参考例の弾性表面波フィルタの通過帯域近傍の周波数−減衰率特性は、従来の特性に比べ、図2に示すように通過帯域の両側の減衰極の減衰量が大きく改善される。
(ii) 本発明の第1参考例の弾性表面波フィルタの広帯域の周波数−減衰率特性は、図9に示す従来の特性に比べ、図6に示すように、共振周波数付近の減衰量、2倍高調波の減衰量、3倍高調波の減衰量が大きく改善される。
【0104】
この理由は以下のようになる。
【0105】
図7は本発明の第1参考例の定K型弾性表面波フィルタの減衰極周波数の2倍および3倍高調波に減衰極を発生する原理を説明する図である。図7は概略図である。
【0106】
最小の共振周波数を有する共振子の周波数−減衰率特性は、波形Aとなり、最小の共振周波数以上の領域、例えば、最小の共振周波数の2倍または3倍、実用的には最小の共振周波数の1.8以上で2.2倍以下の周波数または2.7以上で3.3倍以下の周波数領域は、共振子の等価回路が容量となることから、図示のようにほぼ平行線となる。
【0107】
前記以外の並列腕共振素子、即ち、最小の共振周波数の2倍または3倍の並列腕共振子の周波数−減衰率特性は、波形B、Cとなり、前記波形Aと同様に、それぞれの並列腕共振子の共振周波数以上の領域の特性は、共振子の等価回路が容量となることから、図示のようにほぼ平行線となる。
【0108】
本発明の第1参考例の弾性表面波フィルタは、梯子型接続共振子による前記波形Aと、最小の共振周波数の2倍または3倍の並列共振素子の前記波形B、Cを合成した特性となる。即ち、図7に示す共振周波数の2倍または3倍の特性領域(d)、(f)、(g)は、前記合成時、相手の特性に何らの影響も与えない特徴を有する。
【0109】
これらすべての並列腕共振子および並列腕共振素子を構成する1端子対弾性表面波共振子と組み合わせる共振素子を同一基板もしくは別の基板に形成した1端子対弾性表面波共振子とする。
【0110】
また、弾性表面波フィルタにおいて、各並列腕を構成する1端子対弾性表面波共振子と組み合わせる共振素子を別の圧電基板、もしくは強誘電体単結晶基板、強誘電体セラミックス基板のいずれか1つに形成した厚み振動又はたわみ振動等のバルク波共振の圧電振動子とする。
【0111】
また、弾性表面波フィルタにおいて用いる共振素子は、結晶成長面39±6°Y−XのLiTaO3 基板、結晶成長面X−112°YのLiTaO3 基板、結晶成長面Y−ZのLiTaO3 基板、結晶成長面64°Y−XのLiNbO3 基板、結晶成長面41°Y−XのLiNbO3 基板、結晶成長面128°Y−XのLiNbO3 基板、結晶成長面Y−ZのLiNbO3 基板、PZT系圧電セラミック基板、PbTiO3 系圧電セラミック基板のいずれか1つから構成する。
【0112】
本発明の第1参考例の定K型弾性表面波フィルタは、圧電基板、もしくは強誘電体単結晶基板、強誘電体セラミックス基板上に複数のIDTを所定の電極ピッチで形成した1端子対SAW共振子によってそれぞれ構成される直列腕共振子および並列腕共振子を複数段梯子型に接続して構成し、共振(直列共振)および反共振(並列共振)特性を持ち、直列接続されたリアクタンスLおよびキャパシタンスC1とキャパシタンスC2が並列接続された集中定数等価回路で近似でき、各並列腕が定K型を構成する1端子対SAW共振子と異なる周波数に共振点、反共振点を持つ共振素子を少なくとも1つ以上並列に組み合わせて構成する。
【0113】
一般的に、1端子対SAW共振子の共振、反共振のQは少なくとも100以上はあるため、各段の並列腕の共振周波数、反共振周波数付近では、接続した2倍高調波、3倍高調波に共振する共振素子は単なる容量として動作する。
【0114】
例えば並列腕を考えると、共振周波数付近では図5において、等価回路の点線内は図5と同じ共振子505に相当し、点線外の並列に挿入される容量は新規の共振素子701または702に相当する。
【0115】
一方、共振素子701または702の共振周波数では、共振素子702は共振を生じ、減衰極が生じ、共振子505の直列腕共振子は単なる容量として機能する。これを簡略に図7に図示する。
【0116】
図7は概略図であり、この図において、信号波形Aは従来の定K型弾性表面波フィルタの周波数−減衰量特性波形、信号波形Bは前記共振素子701および702による2倍高調波に減衰極を有する周波数−減衰量特性波形、信号波形Cは前記共振素子701、702による3倍高調波に減衰極を有する周波数−減衰量特性波形を表し、本発明の第1参考例の弾性表面波フィルタはこれら信号波形を合成する。
【0117】
この時、信号波形Aの領域d、信号波形Bの領域eおよび領域f、信号波形Cの領域gは、自分の減衰極周波数の2倍または3倍の領域になるので、容量として機能し、特性上略平行線に近い直線となる。
【0118】
この領域d、e、fおよびgの信号は、減衰極特性に影響を与えることがない。即ち、信号Aの減衰極aの特性は信号Bの領域eおよび信号Cの領域gの影響を受けずに合成波形Dにそのまま現出する。
【0119】
このことから、定K型弾性表面波フィルタの減衰極周波数の任意倍の高調波に減衰極を発生する必要が生じた場合には、その高調波に減衰極を有する共振素子を定K型弾性表面波フィルタに追加挿入することになる。
【0120】
つまり、図7において、3倍高調波付近では、今度は前記図5における点線内が共振素子701に相当し、並列に挿入される容量C3は共振子505に相当する。
【0121】
すなわち、並列容量を挿入することによって並列腕共振子が制動容量を減らされたことと等価になり、並列腕の合成された結果は周波数上昇型エネルギー閉じ込め1端子対SAW共振子となり、挿入損失が減り減衰量が向上すると共に、2倍高調波、3倍高調波の部分に減衰極が生じる。
【0122】
各段に最も低い共振周波数の並列腕共振子以外の並列腕共振素子を接続すれば各段の並列腕共振子が制動容量を減らされたことになり、各段それぞれの共振子の共振および反共振のQが上がり、フィルタ全体の挿入損失が減り通過帯域の低域側の減衰極の減衰量が増加すると共に、2倍高調波、3倍高調波の部分の減衰量も増えることとなる。
【0123】
弾性表面波フィルタにおいて、共振周波数が通過帯域の低域の共振周波数の原理上は2倍もしくは3倍となる並列腕の共振素子の制動容量を通過帯域の低域側の共振周波数における並列腕共振子の制動容量と同じかまたはそれ以上にする。
【0124】
前記共振素子701は2倍、前記共振素子702は3倍の高調波の周波数に減衰極が来るように共振周波数を合わせておけば、2倍、3倍のいずれの高調波の減衰量も得られる。
【0125】
挿入する共振素子の制動容量を挿入される共振子の2倍以上にすると挿入損失の劣化が小さい。
【0126】
第1参考例の共振素子は、並列腕共振子の間に配置することが特性上好ましい。
【0127】
(第1参考例の効果)
以上のように、第1参考例では、並列腕共振子の2倍、3倍の共振周波数をもつ共振素子を並列腕共振子に並列に追加挿入したため、以下の効果を奏する。
1.挿入損失を大きく増やすことなく、並列腕共振子の共振周波数の2倍、3倍の高調波の減衰量を増やすことができる。
2.並列腕共振子に追加の共振素子を並列に挿入したため、挿入された並列腕共振子に流れる電流が下がり並列腕共振子の耐電流(耐電力)特性が向上する。
3.並列腕共振子の共振周波数の2倍、3倍の高調波をトラップする外付け部品が必要なくなるので、搭載するプリント基板サイズが小さくなる。
4.特別な外付け等の工程の必要がなくなり、コスト上昇を抑えることが可能となる。
【0128】
本参考例では同一基板上に共振子を形成する場合について説明したが、別の基板(別のカット角度あるいは、LiNbO3 等の別の材料)上に形成しその間をボンディングワイヤー等で配線しても同様の効果を得ることができる。
【0129】
また、4段構成の定K型フィルタについて説明したが、4段構成に限定されず、さらに多段のフィルタについても各段に本発明の追加の共振子を挿入すればさらに効果が大きくなる。
【0130】
(第2参考例)
第2参考例は、共振および反共振特性を持つ圧電振動子(バルク波の振動子)を各段の並列腕共振子に並列に挿入する構成を採る。前記圧電振動子は共振素子を構成する。
【0131】
本参考例では、並列腕共振子によって形成される通過帯域の低域側における減衰極周波数の2倍、3倍の周波数に減衰極を持つ圧電振動子を各段の並列腕共振子に並列に挿入してある。
【0132】
第2参考例の構成は図5と同じである。
【0133】
従来の並列腕共振子505と506には、通過帯域の低域側の減衰極を構成する共振周波数の2倍および3倍の共振周波数を持つ追加の並列腕となる共振素子701と702が並列に挿入される。
【0134】
一般的に、1端子対SAW共振子の共振、反共振のQは少なくとも100以上はあるため、各段の並列腕の共振周波数付近では、挿入した2倍高調波、3倍高調波に共振する共振素子は単なる直列容量として機能する。
【0135】
一方、圧電振動子からなる共振素子701と702の共振周波数では、共振素子701と702は共振による減衰極が生じ、並列腕共振子505と506は単なる容量として動作する。
【0136】
すなわち、並列容量を挿入することによって並列腕共振子が制動容量を増やされたことと等価になり、2倍、3倍の高調波部分に減衰極が生じる。
【0137】
各段に挿入すれば各段の並列腕共振子が制動容量を増やされたことになり、フィルタ全体の並列腕共振子の共振周波数の2倍、3倍の高調波部分の減衰量が増大する。
【0138】
挿入損失が大きく劣化せず共振素子701と702を挿入するには、並列腕共振子505と506を制動容量が1/2になるように変更し、挿入する共振素子701と702の制動容量を並列腕共振子505および506と同じ値にすると良い。
【0139】
すなわち、従来の並列腕共振子502と503を、同じ制動容量を持ち、共振周波数の2倍、3倍の高調波部分に共振周波数を持つ圧電振動子に置き換えるのと等価である。
【0140】
(第2参考例の効果)
以上のように、第2参考例では、共振および反共振特性を持つ圧電振動子(バルク波の振動子)を各段の直列腕共振子に直列に挿入したため、
1.挿入損失を増やすことなく、2倍、3倍の高調波の減衰量を増やすことが
出来る。
2.各段の並列腕共振子に圧電振動子を並列に挿入したため、並列腕共振子
に流れる電流が減り並列腕共振子の耐電流(耐電力)特性が向上する。
3.特別な工程の必要がなく、コストが上昇したりしない。
本参考例では別の基板上に圧電振動子を形成しその間をボンディングワイヤー等で配線する場合について説明したが、バンプ等で直接配線しても同様の効果を得ることができる。
【0141】
また、4段構成の定K型フィルタについて説明したが、4段構成に限定されず、さらに多段のフィルタについても各段に共振子を挿入すればさらに効果が大きい。
【0142】
また、挿入する共振子は直列腕共振子間であれば他の共振子間でも同様の効果を得られる。
(III)次に、直列腕共振子と並列腕共振子の両者に追加の共振素子を設ける参考例について説明する。
【0143】
(他の参考例)
この参考例では、追加の共振素子を直列腕共振子と並列腕共振子との両者に設ける場合を示す。以上述べた、直列腕共振子に追加の共振素子を設ける例と、並列腕共振子に追加の共振素子を設ける例とを組み合わせて、弾性表面波フィルタを構成する。
【0144】
直列腕共振子の反共振周波数および減衰極と、並列腕共振子の共振周波数および減衰極とは、通過帯域を介在して離れて存在するものであることから、前記反共振周波数および共振周波数の高域側における、それらの2倍または3倍の周波数の領域においても、理論上、同様に通過帯域を挟んで両側に減衰極が形成されることになる。実用上、通過帯域の幅が多少変動しても、少なくとも減衰極は形成される。
【0145】
(他の参考例の効果)
以上のことから、直列腕共振子と並列腕共振子の両者に追加の共振素子を設ける他の参考例の場合においても、弾性表面波フィルタとして、低損失、高減衰量を達成すると共に、共振周波数の2倍、3倍の高調波における減衰量を増やすことができる。
【0146】
【発明の効果】
本発明は、以下の構成により、弾性表面波フィルタとして、低損失、高減衰量を達成すると共に、共振周波数の2倍、3倍の高調波における減衰量を増やすことができる。
(1)直列腕共振子および並列腕共振子を複数段梯子型に接続した定K型弾性表面波フィルタにおいて、
任意段の並列腕に、前記定K型弾性表面波フィルタを構成する前記任意段の並列腕に並列配置される並列腕の共振子の減衰極周波数より高域側に減衰極周波数を有し、前記共振子の減衰極周波数においては減衰せずに容量として機能する共振素子を設け、
前記並列腕共振子に並列に組み合わせる前記共振素子の共振周波数を前記並列腕共振子の共振周波数の1.8倍以上で2.2倍以下の周波数もしくは2.7倍以上で3.3倍以下の周波数にしたことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例の説明図である。
【図2】 本発明の弾性表面波フィルタの通過帯域近傍の周波数−減衰率特性図である。
【図3】 本発明の弾性表面波フィルタの広帯域の周波数−減衰率特性図である。
【図4】 本発明の定K型弾性表面波フィルタの減衰極周波数の2倍および3倍高調波に減衰極を発生する原理を説明する図である。
【図5】 本発明の第1参考例の説明図である
【図6】 本発明の第1参考例の並列腕に共振素子を追加した弾性表面波フィルタの広帯域の周波数−減衰率特性図である。
【図7】 本発明の第1参考例の定K型弾性表面波フィルタの減衰極周波数の2倍および3倍高調波に減衰極を発生する原理を説明する図である。
【図8】 従来の1段の弾性表面波フィルタを梯子型に4段従属に接続したフィルタであり、4段の場合における本発明の前提となる定K型弾性表面波フィルタの構成図である。
【図9】 従来の弾性表面波フィルタの広帯域における周波数−減衰特性図である。
【符号の説明】
401、402、403、404 直列腕共振子
501、502、503、504 並列腕共振子
601、602、603、604、701、702 共振素子
L 直列腕または並列腕共振子のリアクタンス
C1 直列腕または並列腕共振子の容量
C2 直列腕または並列腕共振子の制動容量
C3 共振素子の容量
Claims (1)
- 直列腕共振子および並列腕共振子を複数段梯子型に接続した定K型弾性表面波フィルタにおいて、
任意段の並列腕に、前記定K型弾性表面波フィルタを構成する前記任意段の並列腕に並列配置される並列腕の共振子の減衰極周波数より高域側に減衰極周波数を有し、前記共振子の減衰極周波数においては減衰せずに容量として機能する共振素子を設け、
前記並列腕共振子に並列に組み合わせる前記共振素子の共振周波数を前記並列腕共振子の共振周波数の1.8倍以上で2.2倍以下の周波数もしくは2.7倍以上で3.3倍以下の周波数にしたことを特徴とする弾性表面波フィルタ。
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