JP4056671B2 - 回路基板の製造方法及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

回路基板の製造方法及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回路基板及びその製造方法並びに半導体装置及びその製造方法に係り、特に微細化・高密度化を実現しうる回路基板及びその製造方法並びに半導体装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、ベアチップタイプの半導体装置やCSP(Chip Size Package)タイプの半導体装置等、端子間隔の狭い半導体装置に対応しうる回路基板として、ビルドアップ基板が提案されている。ビルドアップ基板は、コア部を挟んで高密度配線パターンを積み上げることにより構成されるものであり、配線のピッチの微細化、配線の高密度化に寄与するものとして注目されている。
【0003】
一方、CSPタイプの半導体装置を短い工程で製造することができる技術として、いわゆるウェハレベルCSP技術が注目されている。かかる技術では、半導体ウェハをダイシングする前に表面を樹脂封止するので、工数削減に寄与することができるものとして注目されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したビルドアップ基板は、高密度パターンを積み上げた後にビアを形成するため、ビアのレイアウト上、微細化に限界がある。これを解決する技術として、ビアを形成した後に液状樹脂を塗布する技術が提案されているが(特開平10−75063号公報、特開平10−321990号公報参照)、液状樹脂は膜厚の制御が困難であり、熱硬化時間が長いこと等の欠点がある。そこで、製造工数を増加することなく、微細な回路基板を製造する技術が待望されていた。
【0005】
更には、半導体装置の動作速度の高速化に伴い、電源ノイズを低減すべく、回路基板内にデカップリングコンデンサを内蔵する技術が待望されている。しかし、デカップリングコンデンサの誘電体膜として液状樹脂を塗布した場合には、誘電体膜にピンホールが多くなってしまうため、実用化は困難である。そこで、歩留りを確保しつつ、回路基板内にデカップリングコンデンサを内蔵する技術が待望されていた。
【0006】
また、上述したウェハレベルCSP技術では、電極突起を形成したウェハを治具に入れ、加熱しながら熱硬化性樹脂を押しつぶすことによりウェハ表面を樹脂封止していたため(特開平10−79362号公報、特開平10−125705号公報参照)、大型の半導体ウェハを用いた場合には、熱硬化性樹脂が全面に広がりきらない場合が生じうる。一方、半導体ウェハを大型化した場合には、半導体ウェハの熱膨張率と熱硬化性樹脂の熱膨張率との整合性を確保すべく、熱硬化性樹脂に無機フィラーを導入することが必要であるが、無機フィラーを導入すると熱硬化性樹脂の流動性が更に低くなるため、更に熱硬化性樹脂がウェハ全面に広がりにくくなってしまう。ここで、電極突起を形成した半導体ウェハに、液状の熱硬化性樹脂を印刷したり塗布したりすることも考えられるが、この場合には熱硬化性樹脂を所望の膜厚に制御することが必ずしも容易ではなく、また、熱硬化時間が長い等の欠点がある。そこで、半導体ウェハの大型化に対応しうるウェハレベルCSP技術が求められていた。
【0007】
本発明の目的は、製造工数を増加することなく、微細な回路基板を提供しうる回路基板及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
また、本発明の他の目的は、回路基板に高い歩留りでデカップリングコンデンサを内蔵しうる回路基板及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
また、本発明の更に他の目的は、大型の半導体ウェハを用いた場合であってもウェハレベルCSP技術を適用しうる半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、基板上に、第1の導電膜と、前記第1の導電膜から絶縁され、前記第1の導電膜の厚さより高い柱状の導電体とを形成する工程と、前記第1の導電膜及び前記柱状の導電体が形成された前記基板上に、高誘電率フィラーが混合された熱硬化性又は熱可塑性の樹脂から成る層を含む樹脂シートを加熱圧着し、前記第1の導電膜上を覆い且つ前記柱状の導電体の側を覆うように形成された前記樹脂から成る絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜上に、前記柱状の導電体に接続された第2の導電膜を形成する工程とを有し、前記第1の導電膜、前記絶縁膜、前記第2の導電膜により構成されるキャパシタを形成することを特徴とする回路基板の製造方法により達成される。これにより、ピンホールの少ないデカップリングコンデンサを回路基板に一体形成することができるので、半導体装置に供給される電源ラインのノイズを低減することができ、半導体装置の動作速度の高速化に対応することができる。
また、上記の回路基板の製造方法において、前記高誘電率フィラーは、チタン酸バリウムストロンチウムであることが望ましい。
【0016】
また、上記目的は、半導体基板上に、第1の導電膜と、前記第1の導電膜から絶縁され、前記第1の導電膜の厚さより高い柱状の導電体とを形成する工程と、前記第1の導電膜及び前記柱状の導電体が形成された前記半導体基板上に、高誘電率フィラーが混合された熱硬化性又は熱可塑性の樹脂から成る層を含む樹脂シートを加熱圧着し、前記第1の導電膜上を覆い且つ前記柱状の導電体の側を覆うように形成された前記樹脂から成る絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜上に、前記柱状の導電体に接続された第2の導電膜を形成する工程とを有し、前記第1の導電膜、前記絶縁膜、前記第2の導電膜により構成されるキャパシタを形成することを特徴とする半導体装置の製造方法により達成される。これにより、ピンホールの少ないデカップリングコンデンサを半導体装置に一体形成することができるので、半導体装置に供給される電源ラインのノイズを低減することができ、半導体装置の動作速度の高速化に対応することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による回路基板及びその製造方法を図1乃至図8を用いて説明する。図1は、本実施形態による回路基板を示す断面図である。図2乃至図7は、本実施形態による回路基板の製造方法を示す工程断面図である。図8は、樹脂シートを示す断面斜視図である。
【0019】
(回路基板)
図1に示すように、BTレジンより成る樹脂基板10の上面及び下面には、膜厚18μmのCu膜12、14が形成されている。なお、樹脂基板10の材料として、BTレジンのみならず、FR4等を適宜用いることができる。ここでFR4とは、難燃性のグレードが4の材料である。
【0020】
Cu膜12には、樹脂基板10に達する直径30μmの開口部16が形成されている。開口部16の内側には、直径10μm以下、高さ10μmのスタッドビア18aが、Cu膜12から離間して形成されている。ここでスタッドビア18aとは、柱状に形成された導電体のことである。
【0021】
Cu膜12とスタッドビア18aとが形成された樹脂基板10上には、膜厚10μmの熱硬化性の樹脂層20が形成されている。この樹脂層20には、高誘電率フィラーが混合されており、これにより高誘電率フィラーを混合しない場合に比べて、約2倍の誘電率の膜が得られるようになっている。樹脂層20上及びスタッドビア18a上には、全面に、膜厚18μmのCu膜22が形成されている。こうして、Cu膜12、樹脂層20及びCu膜22より成るキャパシタ23が構成されている。
【0022】
スタッドビア18aの上方には、高さ200μmのスタッドビア18bが延在している。こうして形成されたスタッドビア18a及びスタッドビア18bにより、全体の高さが約300μmのスタッドビア18が構成されている。
【0023】
Cu膜22上及びスタッドビア18bの側面には、膜厚100μmの熱硬化性の樹脂層24aが形成されており、樹脂層24a上には、高さ18μmの配線26が形成されている。
【0024】
更に、樹脂層24a上及び配線26上には、膜厚100μmの熱硬化性の樹脂層24bが形成されている。こうして、樹脂層24a及び樹脂層24bにより、全体として厚さ約200μmの樹脂層24が構成されている。
【0025】
なお、樹脂層24上に、更に配線やスタッドビアを適宜形成してもよいし、更に熱硬化性の樹脂層を適宜形成してもよい。
【0026】
本実施形態による回路基板は、Cu膜12、樹脂層20及びCu膜22により、デカップリングコンデンサ23が構成されていることに一つの特徴がある。
【0027】
従来は、回路基板上にデカップリングコンデンサを別途実装して、電源線とカップリングコンデンサとを配線により接続していたため、半導体素子の直近にデカップリングコンデンサを実装することができず、このため更なる電源ラインのノイズを更に低減することができなかった。
【0028】
これに対し、本実施形態では、デカップリングコンデンサが回路基板に一体形成されているので、電源ノイズの低減を図ることができ、半導体装置の動作速度を更に高速化することが可能となる。具体的には、GHzレベルの高周波を用いることが可能となる。
【0029】
しかも、本実施形態では、回路基板に別個にデカップリングコンデンサを実装する必要がないので、部品点数を少なくすることができ、ひいてはコストダウンに寄与することができる。
【0030】
(回路基板の製造方法)
次に、本実施形態による回路基板の製造方法を図2乃至図8を用いて説明する。
【0031】
本実施形態による回路基板の製造方法に先立って、本実施形態で用いられる熱硬化性の樹脂シートの作製方法について説明する。
【0032】
まず、図8()に示す熱硬化性の樹脂シートの作製方法について説明する。
【0033】
はじめに、脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学製)100重量部、フェノールノボラック樹脂(群栄化学製)60重量部、2−メチル−4−エチル−イミダゾール(四国化成製)5重量部、シリカ30重量部、及び6−(4−ビニルベンジル−n−プロピル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール5重量部を、ジオキサンより成る溶剤に溶解し、塗液を調製する。なお、シリカの添加量は、適用する基板の熱膨張率に応じて適宜調整する。
【0034】
次に、調製した塗液を、ポリプロピレンフィルムより成るベースフィルム48上に、約100μmの厚さになるように塗布する。なお、熱硬化性樹脂49の厚さを薄くする場合には、塗液の塗布厚や溶剤の量を適宜調製すればよい。
【0035】
次に、100℃、20分間の加熱・乾燥を行う。
【0036】
次に、熱硬化性樹脂49上に、ポリエチレンフィルムより成る保護膜50を貼り付ける。こうして、図8()に示す熱硬化性の樹脂シート46を作製しうる。
【0037】
次に、図8()に示す高誘電率フィラーを混合した樹脂シートの作製方法について説明する。
【0038】
まず、脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学製)100重量部、フェノールノボラック樹脂(群栄化学製)60重量部、2−メチル−4−エチル−イミダゾール(四国化成製)5重量部、粒径1μmのチタン酸バリウムストロンチウム200重量部、及び6−(4−ビニルベンジル−n−プロピル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジオチール5重量部を、ジオキサンより成る溶剤に溶解し、塗液を調製する。
【0039】
次に、調製した塗液を、ポリプロピレンフィルムより成るベースフィルム38上に、約10μmの厚さに成るように塗布する。
【0040】
次に、100℃、20分間の加熱・乾燥を行う。
【0041】
次に、熱硬化性樹脂39上に、ポリエチレンフィルムより成る保護膜40を貼り付ける。
【0042】
こうして、高誘電率フィラーが混合された熱硬化性の樹脂シート36を作製する。こうして、図8()に示す高誘電率フィラーを混合した樹脂シート36を作製しうる。
【0043】
次に、本実施形態による回路基板の製造方法について図2乃至図8を用いて説明する。
【0044】
まず、図2(a)に示すように、上面及び下面に膜厚18μmのCu膜12、14が形成された樹脂基板10を用意する。Cu膜12、14は、例えば銅箔を樹脂基板10の表面に張ることにより形成される。また、樹脂基板10としては、例えばBTレジンより成る樹脂基板(三菱ガス化学株式会社製)を用いることができる。
【0045】
次に、全面に、フォトレジスト膜を形成する。フォトレジスト膜は、一般のフォトレジストを塗布することにより形成してもよいし、ドライフィルムレジストをラミネートすることにより形成してもよい。ドライフィルムレジストとしては、例えば旭化成株式会社製のドライフィルムレジストを用いることができる。
【0046】
次に、フォトリソグラフィ技術により、フォトレジスト膜に、Cu膜12に達する開口部28を形成する。開口部28の形状は、例えば直径10μmとする。なお、開口部の直径は必要に応じて更に微細化することも可能である。こうして、開口部28が形成されたフォトレジストマスク30が形成される(図2(b)参照)。
【0047】
次に、フォトレジストマスク30をマスクとして、Cu膜12を硫酸銅浴に浸漬し、電解めっきを行う。これにより、開口部28内に、直径10μm、高さ10μmのスタッドビア18aが形成される(図2(c)参照)。
【0048】
次に、アッシングにより、フォトレジストマスク30を除去する(図2(d)参照)。
【0049】
次に、全面に、フォトレジスト膜を形成する。この後、フォトリソグラフィ技術により、フォトレジスト膜に、スタッドビア18aの周囲を囲うようにリング状の開口部32を形成する。これにより、リング状の開口部32を有するフォトレジストマスク34が形成される(図3(a)参照)。
【0050】
次に、フォトレジストマスク34をマスクとして、Cu膜12をエッチングする。これにより、スタッドビア18aの周囲のCu膜12がエッチングされ、スタッドビア18aとCu膜12とが互いに絶縁される(図3(b)参照)。この後、アッシングにより、フォトレジストマスク34を除去する。
【0051】
次に、図8(a)に示すような熱硬化性の樹脂シート36を用意する。この樹脂シート36は、厚さ38μmのポリプロピレンフィルムより成るベースフィルム38上に、厚さ10μmの熱硬化性樹脂39を塗布し、更に、厚さ30μmのポリエチレンフィルムより成る保護フィルム40を貼り付けることにより構成されている。熱硬化性樹脂39には高誘電率フィラーが混合されており、これにより高誘電率フィラーを混合しない場合に比べて、約2倍の誘電率の熱硬化性樹脂39が得られる。
【0052】
次に、樹脂シート36から、保護フィルム40を剥離する。この後、保護フィルム40が剥離された樹脂シート36を樹脂基板10上に載置する。その際、樹脂シート36の熱硬化性樹脂39側を、樹脂基板10に対向させる(図3(c)参照)。
【0053】
次に、樹脂シート36が上面に載置された樹脂基板10を、ラミネート装置内に導入する。この後、ラミネート装置内を減圧し、70℃で加熱しながら、ラミネート装置の加圧壁により、樹脂シート36と樹脂基板10とを圧着する。これにより、半硬化状態の熱硬化性樹脂39が、スタッドビア18aやCu膜12等の隙間に充填される。また、スタッドビア18の上面が、熱硬化性樹脂39より成る樹脂層20の表面に露出する。
【0054】
なお、熱硬化性樹脂39に用いられている溶剤より成る希薄蒸気雰囲気内において、樹脂シート36と樹脂基板10とを圧着してもよい。
【0055】
次に、樹脂基板10を大気中に開放する。樹脂基板10を大気中に開放すると、樹脂層20に大気圧が加わるため、スタッドビア18、Cu膜12及び樹脂層20間の微小な間隙に熱硬化性樹脂がほぼ完全に充填され、全面が平坦化される。冷却後、ベースフィルム38を剥離する。次に、150℃、60分の熱処理を行うことにより、熱硬化性の樹脂層20を硬化する(図3(d)参照)。
【0056】
次に、65℃の膨潤剤に樹脂層20を10分間浸漬することにより、樹脂層20に前処理を施す。この後、75℃の酸化剤に樹脂層20を10分間浸漬することにより、樹脂層20の表面を粗化する。この後、60℃の中和剤に樹脂層20を10分間浸漬することにより、樹脂層20の表面を中和する。こうして、樹脂層20の表面が粗化されることとなる。
【0057】
次に、全面に、無電解めっき法により、Cuより成るシード層(図示せず)を形成する。この後、電解めっき法により、膜厚18μmのCu膜22を形成する(図4(a)参照)。
【0058】
次に、全面に、フォトレジスト膜を形成する。この後、フォトリソグラフィ技術により、Cu膜22に達する開口部42を形成する。開口部42の平面形状は、スタッドビア18aの平面形状と同様とする。こうして、開口部42が形成されたフォトレジストマスク44が形成される(図4(b)参照)。
【0059】
次に、フォトレジストマスク44をマスクとして、電解めっき法により、開口部42内にスタッドビアを形成する。これにより、高さ約100μmのスタッドビア18bが形成される(図4(c)参照)。
【0060】
次に、図8(b)に示すような熱硬化性の樹脂シート46を用意する。この樹脂シート46は、厚さ38μmのポリプロピレンフィルムより成るベースフィルム48上に、厚さ100μmの熱硬化性樹脂49を塗布し、更に、厚さ30μmのポリエチレンフィルムより成る保護フィルム50を貼り付けることにより構成されている。
【0061】
次に、樹脂シート46から保護フィルム50を剥離する。この後、保護フィルム50が剥離された樹脂シート46を樹脂基板10上に載置する。その際、樹脂シート46の熱硬化性樹脂49側を、樹脂基板10に対向させる(図4(d)参照)。
【0062】
次に、図3(d)に示す回路基板の製造方法と同様にして、Cu膜22上に、熱硬化性樹脂49より成る樹脂層24aを形成する(図5(a)参照)。
【0063】
次に、上記と同様にして、樹脂層24aの表面を粗化する。この後、上記と同様にして、Cuより成るシード層52を形成する(図5(b)参照)。
【0064】
次に、全面に、フォトレジスト膜を形成する。この後、フォトリソグラフィ技術により、フォトレジスト膜に、スタッドビア18bと同様の平面形状の開口部54と、配線26(図1参照)の形状の開口部56とを形成する。こうして、フォトレジスト膜より成るフォトレジストマスク58が形成される(図5(c)参照)。
【0065】
次に、フォトレジストマスク58をマスクとして、電解めっき法により、高さ18μmの配線26を形成する。この際、スタッドビア18bも、配線26と同様の成膜速度で成長する。この後、アッシングにより、フォトレジストマスク58を除去する(図5(d)参照)。
【0066】
次に、全面に、フォトレジスト膜を形成する。この後、フォトリソグラフィ技術により、フォトレジスト膜に、スタッドビア18bと同様の平面形状の開口部60を形成する。こうして、フォトレジスト膜より成るフォトレジストマスク62が形成される。
【0067】
次に、フォトレジストマスク62をマスクとして、電解めっき法により、開口部60内にスタッドビア18bを更に成長する。この後、溶剤により、フォトレジストマスク62を除去する。この後、塩化第二鉄溶液により、露出しているシード層52をエッチングする(図6(b)参照)。
【0068】
次に、図8(b)に示す熱硬化性の樹脂シート46を用意する。この後、樹脂シート46から保護フィルム50を剥離し、保護フィルム50が剥離された樹脂シート49を樹脂基板10上に載置する(図6(c)参照)。
【0069】
次に、図4(d)に示す回路基板の製造方法と同様にして、樹脂層24bを形成する。こうして、樹脂層24a及び樹脂層24bより成る樹脂層24が形成される。
【0070】
この後、上記と同様にして配線等を適宜多層化してもよい。こうして本実施形態による半導体装置が製造される。
【0071】
本実施形態による回路基板の製造方法は、スタッドビアを形成した回路基板に、熱硬化性樹脂が塗布された樹脂シートを圧着することにより、簡便な工程で多層配線基板を形成することに主な特徴の一つがある。本実施形態によれば、樹脂シートを圧着することにより、簡便な工程で多層配線基板を形成するので、製造工数を削減することができ、ひいては低コストで回路基板を製造することができる。
【0072】
また、本実施形態による回路基板の製造方法は、高誘電率フィラーが混合された熱硬化性樹脂が塗布された樹脂シートを圧着することにより、デカップリングコンデンサの誘電体膜を形成することにも主な特徴の一つがある。本実施形態によれば、熱硬化性の樹脂を加熱・圧着することにより、デカップリングコンデンサの誘電体膜を形成するので、ピンホールが少なく信頼性の高いデカップリングコンデンサを回路基板に一体形成することができる。これにより、半導体素子の電源ラインの直近に信頼性の高いデカップリングコンデンサを接続することができ、また、動作周波数の更なる高周波化を実現することができる。
【0073】
しかも、本実施形態によれば、回路基板に別個にデカップリングコンデンサを実装する必要がないので、部品点数を少なくすることができ、ひいてはコストダウンに寄与することができる。
【0074】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による半導体装置及びその製造方法を図9乃至図11を用いて説明する。図9は、本実施形態による半導体装置を示す断面図である。図10及び図11は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。図1乃至図8に示す第1実施形態による回路基板及びその製造方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0075】
(半導体装置)
まず、本実施形態による半導体装置を図9を用いて説明する。
【0076】
シリコン基板100上には、半導体素子(図示せず)が形成されており、また、シリコン基板100上に形成された層間絶縁膜102には、配線104や導体プラグ(図示せず)等が埋め込まれている。
【0077】
層間絶縁膜102上には、膜厚0.5μmのシリコン窒化膜106が形成されており、シリコン窒化膜106上には、膜厚10μmのポリイミド膜108が形成されている。ポリイミド膜108は、フリップチップボンディングの接合応力を緩和するものである。
【0078】
こうして構成された下地基板上には、Cuより成る高さ3μm、幅10μmの配線110が形成されている。配線110は、配線104に達するコンタクトホール112を介して、配線104に接続されている。配線110上には、Cuより成る高さ20μm、直径10μmのスタッドビア114が形成されている。なお、配線104の幅やスタッドビア114の直径は、更に微細化することが可能である。
【0079】
配線110及びスタッドビア114が形成された下地基板上には、熱硬化性の樹脂層116が形成されている。
【0080】
スタッドビア114上には、膜厚3μmのNi/Auより成る導電膜118が形成されており、導電膜118上には、半田バンプ120が形成されている。こうして、本実施形態による半導体装置が構成されている。
【0081】
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法を図10乃至図11を用いて説明する。なお、本実施形態による半導体装置の製造方法の基本的な原理は、第1実施形態に示す回路基板の製造方法と同様であるので、適宜説明を省略し、説明を簡略化する。
【0082】
まず、8インチのシリコンウェハ100に、半導体素子(図示せず)、導体プラグ(図示せず)、配線104等を形成する。これにより、導体プラグや配線104が層間絶縁膜102に埋め込まれる。
【0083】
次に、全面に、CVD法により、膜厚0.5μmのシリコン窒化膜106を形成する。次に、全面に、スピンコート法により、膜厚10μmのポリイミド膜108を形成する。こうして、下地基板が構成される。
【0084】
次に、フォトリソグラフィ技術により、配線104に達するコンタクトホール112を形成する(図10(a)参照)。
【0085】
次に、下地基板上に、第1実施形態と同様にして、Cuより成る高さ3μmの配線110を形成する。配線110は、コンタクトホール112を介して、層間絶縁膜102に埋め込まれた配線104に接続される(図10(b)参照)。
【0086】
次に、配線110上に、第1実施形態と同様にして、Cuより成る高さ20μmのスタッドビア114を形成する(図10(c)参照)。
【0087】
次に、全面に、第1実施形態と同様にして、熱硬化性の樹脂層116を形成する。これにより、下地基板の表面が樹脂層116により封止される(図11(a)参照)。
【0088】
次に、樹脂層116表面に露出するスタッドビア114上に、膜厚3μmのNi/Auより成る導電膜118を形成する。
【0089】
次に、導電膜118上に、半田バンプ120を形成する(図11(b)参照)。
【0090】
この後、シリコンウェハ100をダイシングすることにより、CSPが製造される。
【0091】
本実施形態は、熱硬化性の樹脂シートを用いて半導体ウェハの表面を封止することに主な特徴がある。本実施形態によれば、熱硬化性の樹脂シートを用いて半導体ウェハの表面を封止するので、大型の半導体ウェハを用いた場合であっても、半導体ウェハの全面を熱硬化性の樹脂で封止することができる。従って、本実施形態によれば、ウェハレベルCSP技術を用いて微細な半導体装置を簡便な工程で製造することができ、低いコストで半導体装置を提供することができる。
【0092】
(変形例)
次に、本実施形態による変形例による半導体装置を図12乃至図14を用いて説明する。図12は、本変形例による半導体装置の実装状態を示す断面図である。図13は、本変形例による半導体装置で用いられる回路基板を示す断面図である。図14は、本変形例による半導体装置で用いられるMCM(Multi Chip Module、マルチチップモジュール)基板を示す断面図である。
【0093】
本変形例による半導体装置は、図9に示す半導体装置が、デカップリングコンデンサが形成された回路基板を介して、MCM基板に実装されていることに主な特徴がある。
【0094】
まず、本変形例で用いられる回路基板について、図13を用いて説明する。
【0095】
図13に示すように、シリコン基板200上には、膜厚1μmのCu膜202が形成されており、Cu膜202上には、高誘電率フィラーが混合された膜厚1μmの熱硬化性樹脂より成る誘電体膜204が形成されている。誘電体膜204上には、膜厚1μmのCu膜206が形成されている。これらCu膜202、誘電体膜204及びCu膜206により、デカップリングコンデンサ208が構成されている。
【0096】
Cu膜202はCuより成るビア210aに接続されており、Cu膜206はCuより成るビア210cに接続されている。なお、後述するように、ビア210aはグランド線に接続され、ビア210bは信号線に接続され、ビア210cは電源線に接続される。
【0097】
Cu膜206上には、膜厚10μmのポリイミドより成る絶縁膜212が形成されている。
【0098】
ビア210a〜210cの上面及び下面には、膜厚3μmのNi/Auより成る導電膜214、216が形成されている。更に、導電膜214上には、半田バンプ218が形成されている。
【0099】
次に、本変形例で用いられるMCM基板について図14を用いて説明する。
【0100】
図14に示すように、シリコン基板300上に形成された層間絶縁膜302には、グランド線304a、信号線304b、電源線304cが埋め込まれている。
【0101】
層間絶縁膜302上には、導電膜306が形成されている。
【0102】
次に、本実施形態による半導体装置の実装状態を図12を用いて説明する。図12は、本実施形態による半導体装置の実装状態を示す断面図である。
【0103】
図12に示すように、図14に示すMCM基板上には、図13に示す回路基板が実装されており、図13に示す回路基板上には、図9に示す半導体装置が実装されている。こうして、本変形例による半導体装置が構成されている。
【0104】
このように、本変形例によれば、内部にデカップリングコンデンサが形成された回路基板を介して、MCM基板とCSPとを接続するので、配線を延在することなく電源線に直接デカップリングコンデンサを接続することができる。
【0105】
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0106】
例えば、第1及び第2実施形態では、樹脂フィルムに熱硬化性樹脂を用いたが、熱硬化性樹脂のみならず熱可塑性樹脂を用いてもよい。熱可塑性樹脂としては、例えばテクノアルファ株式会社製のポリイミドフィルムを用いることができる。熱可塑性樹脂を用いる場合には、ラミネート装置で加圧する際に、加熱温度を例えば260℃、加熱時間を例えば30分とすればよい。熱可塑性樹脂を用いる場合には、長時間の熱硬化を行う必要がないので、迅速に回路基板を製造することができる。なお、熱可塑性樹脂を用いる場合には、シード層はスパッタ法により形成することが望ましい。
【0107】
また、第2実施形態では、半導体基板上にキャパシタを形成しなかったが、第1実施形態の技術を適用することにより、半導体基板上にキャパシタを形成してもよい。半導体基板上にキャパシタを形成すれば、別途キャパシタを設ける必要がなくなるので、更なるコストダウンに寄与することができる。また、キャパシタに接続する配線を設ける必要がないので、配線のレイアウトを簡略化することができる。また、半導体素子の直近の電源線にキャパシタを設けるので、動作速度の更なる高速化を実現することができる。
【0108】
また、第1及び第2実施形態では、ポリプロピレンフィルムより成るベースフィルムを用いたが、ベースフィルムとして導電膜、例えば銅箔を用いてもよい。この導電膜を剥がさなければ、配線等として用いることが可能である。
【0109】
また、第1及び第2実施形態では、樹脂層を形成した後に表面を研磨しなかったが、樹脂層を形成した後に表面を研磨してもよい。これにより、スタッドビアの電気抵抗を低減することができる。
【0110】
また、第2実施形態では、樹脂層を形成した後に半田バンプを形成したが、半田バンプを形成した後に樹脂層を形成してもよい。
【0111】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、樹脂シートを圧着することにより、簡便な工程で多層配線基板を形成するので、製造工数を削減することができ、ひいては低コストで回路基板を製造することができる。
【0112】
また、本発明によれば、熱硬化性の樹脂を加熱・圧着することにより、デカップリングコンデンサの誘電体膜を形成するので、ピンホールが少なく信頼性の高いデカップリングコンデンサを回路基板に一体形成することができる。これにより、半導体素子の電源ラインの直近に信頼性の高いデカップリングコンデンサを接続することができ、また、動作周波数の更なる高周波化を実現することができる。
【0113】
また、本発明によれば、回路基板に別個にデカップリングコンデンサを実装する必要がないので、部品点数を少なくすることができ、ひいてはコストダウンに寄与することができる。
【0114】
また、本発明によれば、熱硬化性の樹脂シートを用いて半導体ウェハの表面を封止するので、大型の半導体ウェハを用いた場合であっても、半導体ウェハの全面を熱硬化性の樹脂で封止することができる。従って、本発明によれば、ウェハレベルCSP技術を用いて微細な半導体装置を簡便な工程で製造することができ、低いコストで半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による回路基板を示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態による回路基板の製造方法を示す工程断面図(その1)である。
【図3】本発明の第1実施形態による回路基板の製造方法を示す工程断面図(その2)である。
【図4】本発明の第1実施形態による回路基板の製造方法を示す工程断面図(その3)である。
【図5】本発明の第1実施形態による回路基板の製造方法を示す工程断面図(その4)である。
【図6】本発明の第1実施形態による回路基板の製造方法を示す工程断面図(その5)である。
【図7】本発明の第1実施形態による回路基板の製造方法を示す工程断面図(その6)である。
【図8】樹脂シートを示す断面斜視図である。
【図9】本発明の第2実施形態による半導体装置を示す断面図である。
【図10】本発明の第2実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。
【図11】本発明の第2実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。
【図12】本発明の第2実施形態の変形例による半導体装置を示す断面図である。
【図13】本発明の第2実施形態の変形例で用いられる回路基板を示す断面図である。
【図14】本発明の第2実施形態の変形例で用いられるMCM基板を示す断面図である。
【符号の説明】
10…樹脂基板
12…Cu膜
14…Cu膜
16…開口部
18、18a、18b…スタッドビア
20…樹脂層
22…Cu膜
23…デカップリングコンデンサ
24、24a、24b…樹脂層
26…配線
28…開口部
30…フォトレジストマスク
32…開口部
34…フォトレジストマスク
36…樹脂シート
38…ベースフィルム
39…熱硬化性樹脂
40…保護フィルム
42…開口部
44…フォトレジストマスク
46…樹脂シート
48…ベースフィルム
49…熱硬化性樹脂
50…保護フィルム
52…シード層
54…開口部
56…開口部
58…フォトレジストマスク
60…開口部
62…フォトレジストマスク
100…シリコン基板
102…層間絶縁膜
104…配線
106…シリコン窒化膜
108…ポリイミド膜
110…配線
112…コンタクトホール
114…スタッドビア
116…樹脂層
118…導電膜
120…半田バンプ
200…シリコン基板
202…Cu膜
204…誘電体膜
206…Cu膜
208…デカップリングコンデンサ
210a〜210c…ビア
212…絶縁膜
214…導電膜
216…導電膜
218…半田バンプ
300…シリコン基板
302…層間絶縁膜
304a…グランド線
304b…信号線
304c…電源線
306…導電膜

Claims (3)

  1. 基板上に、第1の導電膜と、前記第1の導電膜から絶縁され、前記第1の導電膜の厚さより高い柱状の導電体とを形成する工程と、
    前記第1の導電膜及び前記柱状の導電体が形成された前記基板上に、高誘電率フィラーが混合された熱硬化性又は熱可塑性の樹脂から成る層を含む樹脂シートを加熱圧着し、前記第1の導電膜上を覆い且つ前記柱状の導電体の側を覆うように形成された前記樹脂から成る絶縁膜を形成する工程と、
    前記絶縁膜上に、前記柱状の導電体に接続された第2の導電膜を形成する工程とを有し、
    前記第1の導電膜、前記絶縁膜、前記第2の導電膜により構成されるキャパシタを形成する
    ことを特徴とする回路基板の製造方法。
  2. 請求項1記載の回路基板の製造方法において、
    前記高誘電率フィラーは、チタン酸バリウムストロンチウムである
    ことを特徴とする回路基板の製造方法。
  3. 半導体基板上に、第1の導電膜と、前記第1の導電膜から絶縁され、前記第1の導電膜の厚さより高い柱状の導電体とを形成する工程と、
    前記第1の導電膜及び前記柱状の導電体が形成された前記半導体基板上に、高誘電率フィラーが混合された熱硬化性又は熱可塑性の樹脂から成る層を含む樹脂シートを加熱圧着し、前記第1の導電膜上を覆い且つ前記柱状の導電体の側を覆うように形成された前記樹脂から成る絶縁膜を形成する工程と、
    前記絶縁膜上に、前記柱状の導電体に接続された第2の導電膜を形成する工程とを有し、
    前記第1の導電膜、前記絶縁膜、前記第2の導電膜により構成されるキャパシタを形成する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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