JP4056613B2 - 集積回路設計方法及び集積回路設計支援装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術の分野】
本発明は、マスクパターン設計に必要な回路素子を設計する方法およびマスクパターン設計に必要な回路素子を設計する際に用いられる装置に係り、特に、回路設計段階における作業の効率化を図り、もって多様な設計ルールに対応したマスクパターンを生成するのに好適な集積回路設計方法および集積回路設計支援装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、集積回路の設計においては、所望のシステム仕様に基づき、機能設計、論理設計、回路設計、レイアウト設計を経て、実際のLSI製造に用いるマスクパターンを設計する。素子数で数十万以上にも及ぶ大規模集積回路は、その複雑さからマニュアル設計は実質上不可能で、これらの設計には通常、CAD(設計支援装置)が用いられる。
【0003】
ところで、近年では、コストダウンと回路動作の高速化とを図るために、より微細化した設計ルールに対応したマスクパターンによりLSIを製造するという動向がある。この場合、既存の設計ルールを変更せずに、より微細化した新たな設計ルールに対応したマスクパターンを生成する方法には、例えば、光学的手段等によって、既存の設計ルールに対応したマスクパターンを、新たな設計ルールに対応したマスクパターンとなるようにシュリンク(縮小化)するというものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、回路設計段階において、既存の設計ルールに対応したマスクパターンデータに必要な回路素子データには、回路素子の寸法やパラメータ等の回路変数がシュリンク前の値で登録されているため、シュリンク後の回路変数が必要なときは、回路設計者がシュリンク前の回路変数から一々計算して求めなければならなかった。
【0005】
例えば、回路設計段階においては、シュリンク後の回路の正当性を評価するために、シュリンク後の回路変数に基づいて回路シミュレーションを行いながら回路素子を設計する。そのため、回路設計者は、回路シミュレーションを行うごとに、また、設計後に回路変数を変更する場合にも、シュリンク後の回路変数を一々計算しなければならず、手間や労力がかかった。
【0006】
そこで、本発明は、このような従来の問題を解決することを課題としており、回路設計段階における作業の効率化を図り、もって多様な設計ルールに対応したマスクパターンを生成するのに好適な集積回路設計方法および集積回路設計支援装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、発明1の集積回路設計方法は、集積回路製造用のマスクパターンを設計するのに必要な回路素子を設計する方法であって、前記回路素子を設計するための処理を実行する処理手段と、前記処理手段の処理結果を表示する表示手段と、前記処理手段の処理に必要な情報を入力する入力手段と、を備えた情報処理装置を用いて、所定の設計ルールにおける前記回路素子の回路変数を前記入力手段から入力する入力ステップと、前記入力した回路変数に基づいて前記回路素子のマスクパターンをシュリンクして得られる前記回路素子のシュリンク後回路変数を算出する算出ステップと、前記算出したシュリンク後回路変数を前記表示手段に表示する表示ステップと、を含む処理を、前記処理手段に実行させる。
【0008】
このような方法であれば、回路設計段階で回路素子を設計する場合において、回路設計者が所定の設計ルールにおける回路素子の所望の回路変数(シュリンク前の回路変数)を入力手段に入力したときは、処理手段により、入力ステップで、入力手段から回路変数が入力され、算出ステップで、入力された回路変数に基づいて、所定の設計ルールにおける回路素子のマスクパターンをシュリンクして得られる回路素子のシュリンク後回路変数が算出され、表示ステップで、算出されたシュリンク後回路変数が表示手段に表示される。
【0009】
なお、算出ステップにおいて、シュリンク後回路変数は、例えば、回路設計者が入力したシュリンク率に基づいて、またはあらかじめ設定されたシュリンク率に基づいて算出される。
【0010】
また、シュリンク前の回路変数と、シュリンク後回路変数と、を単に表示手段に表示するだけでなく、入力したシュリンク前の回路変数に基づいて、設計中の回路素子を変更してもよい。
【0011】
具体的には、例えば、回路設計者が、ディスプレイに表示された回路素子の一つをマウス等で選択して、その回路素子について所望する寸法(シュリンク前の寸法)をキーボード等から入力すると、その回路素子のマスクパターンを所定のシュリンク率でシュリンクして得られるシュリンク後の寸法が算出され、そのシュリンク後の寸法がシュリンク前の寸法とともにディスプレイに表示される。また、算出されたシュリンク後の寸法に基づいて、シュリンク後のパラメータ等も算出され、そのシュリンク後のパラメータがシュリンク前のパラメータとともにディスプレイに表示される。
【0012】
したがって、回路設計者は、シュリンク前の回路変数を変更しつつシュリンク後の回路変数を調整しながら、回路素子の設計を行うことができ、場合によっては、シュリンク後の回路変数を用いて回路シミュレーションを行うことができる。また、レイアウト段階に移行したときは、レイアウタは、回路設計者が設計したシュリンク前の回路変数に基づいて、そのままレイアウト設計を行えばよく、シュリンク後の回路変数をまったく意識する必要がない。
【0013】
発明1において、「回路変数」とは、回路素子の特性に関する値をいい、これには、例えば、回路素子の寸法、回路素子のパラメータが挙げられる。ここで、「回路素子の寸法」とは、回路素子が抵抗であれば、例えば抵抗を形成するポリシリコンの幅および長さをいい、回路素子がコンデンサであれば、例えば電極の寸法をいい、回路素子がMOSトランジスタであれば、例えばゲート長およびゲート幅をいう。また、「回路素子のパラメータ」とは、回路素子が抵抗であれば抵抗値をいい、回路素子がコンデンサであればキャパシタンスをいう。
【0014】
また、発明2の集積回路設計方法は、集積回路製造用のマスクパターンを設計するのに必要な回路素子を設計する方法であって、前記回路素子を設計するための処理を実行する処理手段と、前記処理手段の処理結果を表示する表示手段と、前記処理手段の処理に必要な情報を入力する入力手段と、を備えた情報処理装置を用いて、所定の設計ルールにおける前記回路素子のマスクパターンをシュリンクして得られる前記回路素子のシュリンク後回路変数を前記入力手段から入力する入力ステップと、前記入力したシュリンク後回路変数に基づいて前記所定の設計ルールにおける前記回路素子の回路変数を算出する算出ステップと、前記算出した回路変数を前記表示手段に表示する表示ステップと、を含む処理を、前記処理手段に実行させる。
【0015】
このような方法であれば、回路設計段階で回路素子を設計する場合において、回路設計者が所望のシュリンク後回路変数を入力手段に入力したときは、処理手段により、入力ステップで、入力手段からシュリンク後回路変数が入力され、算出ステップで、入力されたシュリンク後回路変数に基づいて、所定の設計ルールにおける回路素子の回路変数(シュリンク前の回路変数)が算出され、表示ステップで、算出された回路変数が表示手段に表示される。
【0016】
なお、算出ステップにおいて、シュリンク前の回路変数は、例えば、回路設計者が入力したシュリンク率に基づいて、またはあらかじめ設定されたシュリンク率に基づいて算出される。
【0017】
また、シュリンク前の回路変数と、シュリンク後回路変数と、を単に表示手段に表示するだけでなく、算出したシュリンク前の回路変数に基づいて、設計中の回路素子を変更してもよい。
【0018】
具体的には、例えば、回路設計者が、ディスプレイに表示された回路素子の一つをマウス等で選択して、その回路素子ついて所望するシュリンク後の寸法をキーボード等から入力すると、その回路素子のシュリンク前の寸法が算出され、そのシュリンク前の寸法がシュリンク後の寸法とともにディスプレイに表示される。また、算出されたシュリンク前の寸法に基づいて、シュリンク前のパラメータ等も算出され、そのシュリンク前のパラメータがシュリンク後のパラメータとともにディスプレイに表示される。
【0019】
したがって、回路設計者は、シュリンク後の回路変数を変更しつつシュリンク前の回路変数を調整しながら、回路素子の設計を行うことができ、場合によっては、シュリンク後の回路変数を用いて回路シミュレーションを行うことができる。また、レイアウト段階に移行したときは、レイアウタは、回路設計者が設計したシュリンク前の回路変数に基づいて、そのままレイアウト設計を行えばよく、シュリンク後の回路変数をまったく意識する必要がない。
【0020】
発明2において、「回路変数」とは、発明1のものと同義である。
さらに、発明3の集積回路設計方法は、発明1の集積回路設計方法において、前記回路変数は、前記回路素子の寸法と、前記回路素子のパラメータと、を含み、前記算出ステップは、前記回路変数として入力した前記回路素子の寸法に基づいて、前記シュリンク後回路変数としてのシュリンク後寸法を算出するとともに、前記シュリンク後回路変数としてのシュリンク後パラメータを算出する。
【0021】
このような方法であれば、回路設計者が所定の設計ルールにおける回路素子の所望の回路変数を入力手段に入力したときは、処理手段により、算出ステップで、回路変数として入力された回路素子の寸法に基づいて、シュリンク後回路変数としてのシュリンク後寸法が算出されるとともに、シュリンク後回路変数としてのシュリンク後パラメータが算出される。
【0022】
一方、発明4の集積回路設計支援装置は、集積回路製造用のマスクパターンを設計するのに必要な回路素子を設計する際に用いられる集積回路設計支援装置であって、前記回路素子を設計するための処理を実行する処理手段と、前記処理手段の処理結果を表示する表示手段と、を備え、前記処理手段は、所定の設計ルールにおける前記回路素子の回路変数と、前記回路素子のマスクパターンをシュリンクして得られる前記回路素子のシュリンク後回路変数と、をともに前記表示手段に表示するようになっている。
【0023】
このような構成であれば、回路設計段階で回路素子を設計する場合においては、処理手段により、所定の設計ルールにおける回路素子のマスクパターンをシュリンクして得られる回路素子のシュリンク後回路変数が算出され、所定の設計ルールにおける回路素子の回路変数(シュリンク前の回路変数)と、シュリンク後回路変数と、がともに表示手段に表示される。
【0024】
なお、ここで、シュリンク後回路変数は、例えば、回路設計者が入力したシュリンク率に基づいて、またはあらかじめ設定されたシュリンク率に基づいて算出される。
【0025】
具体的には、例えば、回路設計者が、ディスプレイに表示された回路素子の一つをマウス等で選択すると、その回路素子のシュリンク後の寸法が算出され、そのシュリンク後の寸法がシュリンク前の寸法とともにディスプレイに表示される。また、算出されたシュリンク後の寸法に基づいて、シュリンク後のパラメータ等も算出され、そのシュリンク後のパラメータがシュリンク前のパラメータとともにディスプレイに表示される。
【0026】
したがって、回路設計者は、シュリンク前の回路変数と、シュリンク後の回路変数と、の両方を見ながら、回路素子の設計を行うことができ、場合によっては、シュリンク後の回路変数を用いて回路シミュレーションを行うことができる。また、レイアウト段階に移行したときは、レイアウタは、回路設計者が設計したシュリンク前の回路変数に基づいて、そのままレイアウト設計を行えばよく、シュリンク後の回路変数をまったく意識する必要がない。
【0027】
発明4において、「回路変数」とは、発明1のものと同義である。
また、発明5の集積回路設計支援装置は、発明4の集積回路設計支援装置において、前記処理手段の処理に必要な情報を入力する入力手段を備え、前記処理手段は、前記回路変数を前記入力手段から入力する第1の入力手段と、前記第1の入力手段からの前記回路変数に基づいて前記シュリンク後回路変数を算出する第1の算出手段と、を有する。
【0028】
このような構成であれば、回路設計者が所定の設計ルールにおける回路素子の所望の回路変数を入力手段に入力したときは、処理手段では、第1の入力手段により、入力手段から回路変数が入力され、第1の算出手段により、入力された回路変数に基づいて、シュリンク後回路変数が算出される。
【0029】
なお、シュリンク前の回路変数と、シュリンク後回路変数と、を単に表示手段に表示するだけでなく、入力したシュリンク前の回路変数に基づいて、設計中の回路素子を変更するようにしてもよい。
【0030】
具体的には、例えば、回路設計者が、ディスプレイに表示された回路素子の一つをマウス等で選択して、その回路素子について所望する寸法(シュリンク前の寸法)をキーボード等から入力すると、その回路素子のシュリンク後の寸法が算出され、そのシュリンク後の寸法がシュリンク前の寸法とともにディスプレイに表示される。
【0031】
したがって、回路設計者は、シュリンク前の回路変数を変更しつつシュリンク後の回路変数を調整しながら、回路素子の設計を行うことができる。
さらに、発明6の集積回路設計支援装置は、発明4の集積回路設計支援装置において、前記処理手段の処理に必要な情報を入力する入力手段を備え、前記処理手段は、前記シュリンク後回路変数を前記入力手段から入力する第2の入力手段と、前記第2の入力手段からの前記シュリンク後回路変数に基づいて前記回路変数を算出する第2の算出手段と、を有する。
【0032】
このような構成であれば、回路設計者が所望のシュリンク後回路変数を入力手段に入力したときは、処理手段では、第2の入力手段により、入力手段からシュリンク後回路変数が入力され、第2の算出手段により、入力されたシュリンク後回路変数に基づいて、所定の設計ルールにおける回路素子の回路変数が算出される。
【0033】
なお、シュリンク前の回路変数と、シュリンク後の回路変数と、を単に表示手段に表示するだけでなく、算出したシュリンク前の回路変数に基づいて、設計中の回路素子を変更するようにしてもよい。
【0034】
具体的には、例えば、回路設計者が、ディスプレイに表示された回路素子の一つをマウス等で選択して、その回路素子ついて所望するシュリンク後の寸法をキーボード等から入力すると、その回路素子のシュリンク前の寸法が算出され、そのシュリンク前の寸法がシュリンク後の寸法とともにディスプレイに表示される。
【0035】
したがって、回路設計者は、シュリンク後の回路変数を変更しつつシュリンク前の回路変数を調整しながら、回路素子の設計を行うことができる。
さらに、発明7の集積回路設計支援装置は、発明5の集積回路設計支援装置において、前記回路変数は、前記回路素子の寸法と、前記回路素子のパラメータと、を含み、前記第1の算出手段は、前記回路変数として入力した前記回路素子の寸法に基づいて、前記シュリンク後回路変数としてのシュリンク後寸法を算出するとともに、前記シュリンク後回路変数としてのシュリンク後パラメータを算出するようになっている。
【0036】
このような構成であれば、回路設計者が所定の設計ルールにおける回路素子の所望の回路変数を入力手段に入力したときは、処理手段では、第1の算出手段により、回路変数として入力された回路素子の寸法に基づいて、シュリンク後回路変数としてのシュリンク後寸法が算出されるとともに、シュリンク後回路変数としてのシュリンク後パラメータが算出される。
【0037】
さらに、発明8の集積回路設計支援装置は、発明4、5、6、または7の集積回路設計支援装置において、前記処理手段の処理結果を記憶する記憶手段を備え、前記処理手段は、前記回路変数と、前記シュリンク後回路変数と、を関連付けて前記記憶手段に記憶するようになっている。
【0038】
このような構成であれば、処理手段により、所定の設計ルールにおける回路素子の回路変数と、シュリンク後回路変数と、が関連付けられて記憶手段に記憶される。
【0039】
したがって、レイアウト段階に移行したときでも、設計者は、シュリンク後回路変数を参照して、回路素子を変更することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る集積回路設計方法および集積回路設計支援装置の実施の形態を示すブロック図である。
【0041】
図1において、コンピュータ100は、制御プログラムに基づいて演算およびシステム全体を制御するCPU210と、所定領域にあらかじめCPU210の制御プログラム等を格納しているROM220と、ROM220等から読み出したデータやCPU210の演算過程で必要な演算結果を格納するためのRAM230と、RAM230の特定領域に格納されているデータを画像信号に変換して出力するCRTC240と、外部装置とのデータの入出力を媒介するI/F250と、を有しており、これらは、データを転送するための信号線であるバス255で相互にかつデータ授受可能に接続されている。
【0042】
I/F250には、外部装置として、ファイル等を格納する記憶装置260と、ヒューマンインターフェースとしてデータの入力が可能なキーボード270と、ポインティングデバイスであるマウス280と、が接続されている。
【0043】
RAM230は、特定領域として、表示装置290に表示するための表示用データを格納するVRAM235を有しており、VRAM235は、CPU210とCRTC240とで独立にアクセスが可能となっている。
【0044】
CRTC240には、出力した画像信号を画面に表示する表示装置290が接続されており、CRTC240は、VRAM235に格納されている表示用データを先頭アドレスから所定周期で順次読み出し、読み出した表示用データを画像信号に変換して表示装置290に出力するようになっている。
【0045】
CPU210は、マイクロプロセッシングユニットMPU等からなり、回路素子を設計しているときは、ROM220の所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、図2のフローチャートに示す処理を実行するようになっている。なお、回路素子は、所定の設計ルールに基づいた所定間隔のグリッド上で設計される。
【0046】
ここで、CPU210において、回路素子を設計しているときに実行される処理は、次のように構成されている。
まず、ステップS100では、マウス280からの入力により回路素子が選択されたか否かを判定するようになっている。ここで、選択するタイミングは、すでにグリッド上に配置されている回路素子をマウス280でクリックしたときであってもよいし、グリッド上に新たに回路素子を配置しようとして命令したときであってもよい。なお、この選択により、回路素子の種類、例えば、MOSトランジスタであるとか、抵抗であるとか、コンデンサであるとか、を特定するようになっている。
【0047】
ステップS100の判定の結果、回路素子が選択されていると判定されたとき(Yes) は、ステップS102に移行して、キーボード270からの入力により、選択された回路素子の回路変数(以下、イベントパラメータという。)が変更されたか否かを判定するようになっている。ここで、イベントパラメータを変更するには、すでにグリッド上に配置されている回路素子のイベントパラメータを変更する場合でもよいし、新たにグリッド上に配置しようとする回路素子のイベントパラメータを入力する場合でもよい。なお、イベントパラメータは、回路素子の種類ごとに決定されており、これには、上記所定の設計ルールにおける回路素子のシュリンク前のイベントパラメータと、上記所定の設計ルールにおける回路素子のマスクパターンを所定のシュリンク率でシュリンクして得られる回路素子のシュリンク後のイベントパラメータと、が含まれる。
【0048】
ステップS102の判定の結果、イベントパラメータが変更されたと判定されたとき(Yes) は、ステップS104に移行して、回路素子の種類別に、変更されたイベントパラメータに基づいて、他のパラメータを算出するパラメータ算出処理を実行するようになっている。例えば、シュリンク前のイベントパラメータが変更されたときは、そのイベントパラメータに基づいて、シュリンク後のパラメータを算出するようになっている。
【0049】
次いで、ステップS106に移行して、シュリンク前に係るパラメータとシュリンク後に係るパラメータとを関連付けて記憶装置260に格納し、ステップS108に移行して、シュリンク前に係るパラメータとシュリンク後に係るパラメータとをともに表示装置290に表示し、一連の処理を終了するようになっている。
【0050】
一方、ステップS100の判定の結果、回路素子が選択されていないと判定されたとき(No) 、またはステップS102の判定の結果、イベントパラメータが変更されていないと判定されたとき(No) は、いずれも一連の処理を終了するようになっている。
【0051】
次に、回路素子としてMOSFETが選択されたときに実行されるステップS104のパラメータ算出処理について説明する。図3は、MOSFETのパラメータ算出処理を示すフローチャートである。なお、MOSFETのイベントパラメータは、シュリンク前のゲート幅W(l)と、シュリンク前のゲート長L(l)と、シュリンク後のゲート幅W(d)と、シュリンク後のゲート長L(d)と、を含んでいる。
【0052】
まず、ステップS100で回路素子としてMOSFETが選択され、ステップS104に移行したときは、ステップS200に移行して、ステップS102でいずれのイベントパラメータが変更されたかを判定するようになっている。ステップS200の判定の結果、イベントパラメータとしてシュリンク後のゲート幅W(d)が変更されたと判定されたとき(W(d))は、ステップS202に移行して、シュリンク後のゲート幅W(d)をシュリンク率Sc で除した値をシュリンク前のゲート幅W(l)として算出し、ステップS204に移行するようになっている。
【0053】
ステップS204では、回路素子がグリッド上に適切に配置されるように、シュリンク前のゲート幅W(l)を調整するようになっている。つまり、グリッド間隔は、例えば、0.1[μm]単位に設定されているため、ここでは、シュリンク前のゲート幅W(l)を変更または算出した結果、回路素子が0.1[μm]間隔のグリッド上に配置されない場合は、0.1[μm]の整数倍となるように、シュリンク前のゲート幅W(l)を四捨五入等して調整するようになっている。
【0054】
次いで、ステップS206に移行して、シュリンク前のゲート幅W(l)が調整により変更されるので、シュリンク前のゲート幅W(l)にシュリンク率Sc を乗じた値をシュリンク後のゲート幅W(d)として算出し、ステップS208に移行して、変更されたイベントパラメータに基づいて、MOSFETのパラメータのうち上記以外のものを再算出し、一連の処理を終了するようになっている。
【0055】
一方、ステップS200の判定の結果、イベントパラメータとしてシュリンク前のゲート幅W(l)が変更されたと判定されたとき(W(l))は、ステップS204に移行するようになっている。
【0056】
また一方、ステップS200の判定の結果、イベントパラメータとしてシュリンク後のゲート長L(d)が変更されたと判定されたとき(L(d))は、ステップS210に移行して、シュリンク後のゲート長L(d)をシュリンク率Sc で除し、これにマスクバイアスMb を加えた値をシュリンク前のゲート長L(l)として算出し、ステップS212に移行するようになっている。なお、マスクバイアスMb とは、あらかじめ設定した定数値である。
【0057】
ステップS212では、回路素子がグリッド上に適切に配置されるように、シュリンク前のゲート長L(l)を調整するようになっている。つまり、回路素子が、例えば0.1[μm]間隔のグリッド上に配置されない場合は、0.1[μm]の整数倍となるように、シュリンク前のゲート長L(l)を四捨五入等して調整するようになっている。
【0058】
次いで、ステップS214に移行して、シュリンク前のゲート長L(l)が調整により変更されるので、シュリンク前のゲート長L(l)からマスクバイアスMb を減じ、これにシュリンク率Sc を乗じた値をシュリンク後のゲート長L(d)として算出し、ステップS208に移行するようになっている。
【0059】
一方、ステップS200の判定の結果、イベントパラメータとしてシュリンク前のゲート長L(l)が変更されたと判定されたとき(L(l))は、ステップS212に移行するようになっている。
【0060】
次に、回路素子としてコンデンサが選択されたときに実行されるステップS104のパラメータ算出処理について説明する。図4は、コンデンサのパラメータ算出処理を示すフローチャートである。なお、コンデンサのイベントパラメータは、シュリンク前のキャパシタンスVAL(l)と、シュリンク後のキャパシタンスVAL(d)と、を含んでいる。
【0061】
まず、ステップS100で回路素子としてコンデンサが選択され、ステップS104に移行したときは、ステップS300に移行して、ステップS102でいずれのイベントパラメータが変更されたかを判定するようになっている。ステップS300の判定の結果、イベントパラメータとしてシュリンク後のキャパシタンスVAL(d)が変更されたと判定されたとき(VAL(d))は、ステップS302に移行して、シュリンク後のキャパシタンスVAL(d)をシュリンク率Sc の2乗で除した値をシュリンク前のキャパシタンスVAL(l)として算出し、ステップS304に移行するようになっている。ここで、シュリンク率の2乗で除すのは、キャパシタンスが面積に比例するからである。
【0062】
ステップS304では、回路素子がグリッド上に適切に配置されるように、シュリンク前のキャパシタンスVAL(l)を調整するようになっている。つまり、回路素子が、例えば0.1[μm]間隔のグリッド上に配置されない場合は、コンデンサの形状を決定する各寸法が0.1[μm]の整数倍となるように、シュリンク前のキャパシタンスVAL(l)を四捨五入等して調整するようになっている。
【0063】
次いで、ステップS306に移行して、シュリンク前のキャパシタンスVAL(l)が調整により変更されるので、シュリンク前のキャパシタンスVAL(l)にシュリンク率Sc の2乗を乗じた値をシュリンク後のゲート幅W(d)として算出し、ステップS308に移行して、変更されたイベントパラメータに基づいて、コンデンサのパラメータのうち上記以外のものを再算出し、一連の処理を終了するようになっている。
【0064】
次に、回路素子として抵抗が選択されたときに実行されるステップS104のパラメータ算出処理について説明する。図5は、抵抗のパラメータ算出処理を示すフローチャートである。なお、抵抗のイベントパラメータは、シュリンク前の抵抗幅W(l)と、シュリンク前の抵抗長L(l)と、シュリンク後の抵抗幅W(d)と、シュリンク後の抵抗長L(d)と、抵抗値VALと、を含んでいる。
【0065】
まず、ステップS100で回路素子として抵抗が選択され、ステップS104に移行したときは、ステップS400に移行して、ステップS102でいずれのイベントパラメータが変更されたかを判定するようになっている。ステップS400の判定の結果、イベントパラメータとしてシュリンク後の抵抗幅W(d)が変更されたと判定されたとき(W(d))は、ステップS402に移行して、シュリンク後の抵抗幅W(d)をシュリンク率Sc で除し、これにマスクバイアスMb を加えた値をシュリンク前の抵抗幅W(l)として算出し、ステップS404に移行するようになっている。
【0066】
ステップS404では、回路素子がグリッド上に適切に配置されるように、シュリンク前の抵抗幅W(l)を調整するようになっている。つまり、回路素子が、例えば0.1[μm]間隔のグリッド上に配置されない場合は、0.1[μm]の整数倍となるように、シュリンク前の抵抗幅W(l)を四捨五入等して調整するようになっている。
【0067】
次いで、ステップS406に移行して、シュリンク前の抵抗幅W(l)が調整により変更されるので、シュリンク前の抵抗幅W(l)からマスクバイアスMb を減じ、これにシュリンク率Sc を乗じた値をシュリンク後の抵抗幅W(d)として算出し、ステップS408に移行するようになっている。
【0068】
ステップS408では、シュリンク後の抵抗幅W(d)からプロセス上の誤差分Dを減じてこれに抵抗値VALを乗じ、さらにこれをシート抵抗Sr で除した値をシュリンク後の抵抗長L(d)として算出し、ステップS410に移行して、シュリンク後の抵抗長L(d)をシュリンク率Sc で除した値をシュリンク前の抵抗長L(l)として算出し、ステップS412に移行するようになっている。
【0069】
ステップS412では、回路素子がグリッド上に適切に配置されるように、シュリンク前の抵抗長L(l)を調整するようになっている。つまり、回路素子が、例えば0.1[μm]間隔のグリッド上に配置されない場合は、0.1[μm]の整数倍となるように、シュリンク前の抵抗長L(l)を四捨五入等して調整するようになっている。
【0070】
次いで、ステップS414に移行して、シュリンク前の抵抗長L(l)が調整により変更されるので、シュリンク前の抵抗長L(l)にシュリンク率Sc を乗じた値をシュリンク後の抵抗長L(d)として算出し、ステップS416に移行して、抵抗幅W、抵抗長L、およびシート抵抗Sr に基づいて、シュリンク前の実際の抵抗値AVTVAL(l)と、シュリンク後の実際の抵抗値AVTVAL(d)と、を算出し、一連の処理を終了するようになっている。
【0071】
一方、ステップS400の判定の結果、イベントパラメータとしてシュリンク前の抵抗幅W(l)が変更されたと判定されたとき(W(l))は、ステップS404に移行するようになっている。
【0072】
また一方、ステップS400の判定の結果、イベントパラメータとして抵抗値VALが変更されたと判定されたとき(VAL) は、ステップS408に移行するようになっている。
【0073】
次に、上記実施の形態の動作を図面を参照しながら説明する。図6は、回路素子の設計状態を示す概念図であり、図7は、回路素子がグリッド上に適切に配置されない場合を説明するための概念図である。なお、図中、回路素子は、実際には回路記号で表示され、グリッド線も表示されないが、説明上、回路素子のレイアウトおよびパラメータと、グリッド線と、が表示されているように図示している。
【0074】
例えば、0.1[μm]間隔のグリッド上で回路素子の設計を開始する場合において、回路設計者は、シュリンクすることにより、例えば0.075[μm]設計ルールのマスクパターンを生成することを想定して、シュリンク率Sc として“0.75”をキーボード270から入力すると、回路素子が設計可能な状態とされる。
【0075】
この状態において、例えば、回路設計者は、図6(a)に示すように、マウス280をクリックすることにより回路素子Aを選択すると、回路素子Aのシュリンク前寸法(例えば、50.4[μm])にシュリンク率Sc “0.75”が乗じられてシュリンク後寸法37.8[μm]が算出され、シュリンク前寸法50.4[μm]と、算出されたシュリンク後寸法37.8[μm]と、が表示装置290上のマウスポインタの位置に対応して表示される。
【0076】
一方、回路素子Aの実際の設計寸法が40.0[μm]であるとき、シュリンク後寸法が設計寸法40.0[μm]となるようなシュリンク前寸法を得るには、回路設計者は、図6(b)に示すように、マウス280をクリックすることにより回路素子Aを選択するとともに、キーボード270によりシュリンク後寸法を40[μm]に変更する。すると、入力されたシュリンク後寸法40.0[μm]がシュリンク率Sc “0.75”で除されることにより新たなシュリンク前寸法53.33[μm]が算出される。
【0077】
ところが、このとき、図7(a)に示すように、算出されたシュリンク前寸法53.33[μm]は、グリッド間隔0.1[μm]の整数倍ではないので、このシュリンク前寸法53.33[μm]の回路素子Aは、グリッド上に適切に配置されない。そこで、回路素子Aがグリッド上に適切に配置されるように、図7(b)に示すように、算出されたシュリンク前寸法53.33[μm]が、グリッド間隔0.1[μm]の整数倍となるように、四捨五入され、53.3[μm]に調整される。
【0078】
次いで、調整されたシュリンク前寸法53.3[μm]にシュリンク率Sc “0.75”が乗じられて新たなシュリンク後寸法39.975[μm]が算出され、図6(c)に示すように、調整されたシュリンク前寸法53.3[μm]と、算出された新たなシュリンク後寸法39.975[μm]と、が表示装置290上のマウスポインタの位置に対応して表示される。
【0079】
そして、回路設計者は、表示されたシュリンク後寸法39.975[μm]を参照し、回路素子Aのシュリンク前寸法を、シュリンク前寸法53.3[μm]に変更する。
【0080】
なお、回路素子Aの実際の設計寸法が40.2[μm]であるときは、入力されたシュリンク後寸法40.2[μm]からシュリンク前寸法53.6[μm]が算出される。このとき、シュリンク前寸法53.6[μm]は、グリッド間隔0.1[μm]の整数倍であるので、調整されることなく、算出されたシュリンク前寸法53.6[μm]と、入力されたシュリンク後寸法40.2[μm]と、が表示装置290上のマウスポインタの位置に対応して表示される。
【0081】
また一方、回路素子Aのシュリンク前寸法が、例えば60.0[μm]となるようなシュリンク後寸法を得るには、回路設計者は、図6(d)に示すように、マウス280をクリックすることにより回路素子Aを選択するとともに、キーボード270によりシュリンク前寸法を60.0[μm]に変更する。
【0082】
すると、入力されたシュリンク前寸法60.0[μm]にシュリンク率Sc “0.75”が乗じられてシュリンク後寸法45.0[μm]が算出され、図6(e)に示すように、入力されたシュリンク前寸法60.0[μm]と、算出されたシュリンク後寸法45.0[μm]と、が表示装置290上のマウスポインタの位置に対応して表示される。
【0083】
なお、このように回路素子が設計された後は、レイアウト段階に移行し、シュリンク前のパラメータに基づいて、マスクパターンが生成される。そして、そのマスクパターンをシュリンクすることにより、さらに微細な設計ルールに対応したマスクパターンが生成される。
【0084】
このようにして、シュリンク前のパラメータと、シュリンク後のパラメータと、をともに表示装置290に表示するようにしたから、従来に比して、回路設計段階における作業の効率を向上することができ、もって多様な設計ルールに対応したマスクパターンを容易に生成することができる。
【0085】
また、シュリンク後のイベントパラメータを入力したときは、入力したシュリンク後のイベントパラメータに基づいて、シュリンク前のパラメータを算出するようにしたから、シュリンク後のパラメータが所望する設計値となるようなシュリンク前のパラメータを容易に得ることができ、回路設計段階における作業の効率をさらに向上することができる。
【0086】
さらに、シュリンク前のイベントパラメータを入力したときは、入力したシュリンク前のイベントパラメータに基づいて、シュリンク後のパラメータを算出するようにしたから、回路設計段階における作業の効率をさらに向上することができる。
【0087】
さらに、シュリンク前の寸法を入力したときは、入力したシュリンク前の寸法に基づいて、シュリンク後の寸法を算出するとともに、シュリンク後の抵抗値等のパラメータを算出するようにしたから、回路素子の寸法だけでなく、回路素子のパラメータについても、そのシュリンク前の値とシュリンク後の値とを容易に把握することができ、回路設計段階における作業の効率をさらに向上することができる。
【0088】
さらに、シュリンク前のパラメータと、シュリンク後のパラメータと、を関連付けて記憶装置260に格納するようにしたから、回路設計段階では、格納されたシュリンク後のパラメータを用いて、回路シミュレーションを容易に行うことができる一方、レイアウト段階では、格納されたシュリンク前のパラメータを用いてレイアウトすることができるので、回路設計段階およびレイアウト設計段階における作業の効率をさらに向上することができる。
【0089】
なお、上記実施の形態においては、あらかじめ設定したシュリンク率Sc を用いて、回路素子のパラメータを算出するように構成したが、これに限らず、任意に変更可能なシュリンク率Sc を用いて、回路素子のパラメータを算出するように構成してもよい。このような構成であれば、例えば、プロセス技術が進歩してさらにシュリンク率Sc を小さくできるようになったときには、これに好適に対応することができる。
【0090】
また、上記実施の形態においては、入力したシュリンク前のイベントパラメータまたは算出したシュリンク前のパラメータを、単に表示装置290に表示するように構成したが、これに限らず、入力したシュリンク前のイベントパラメータまたは算出したシュリンク前のパラメータに基づいて、回路素子を変更するように構成してもよい。このような構成であれば、シュリンク前のイベントパラメータの変更に基づいて、回路素子もそのように変更されるので、回路素子を変更する手間が省け、回路設計段階における作業の効率をさらに向上することができる。
【0091】
さらに、上記実施の形態においては、入力手段として、キーボード270およびマウス280を用いて構成したが、これに限らず、例えば、ライトペン、デジタイザを用いて構成してもよい。
【0092】
さらに、上記実施の形態においては、パラメータを表示装置290に表示するように構成したが、これに限らず、例えば、プリンタ、プロッタ等の印刷装置に出力するように構成してもよい。
【0093】
さらに、上記実施の形態において、図2から図5までのフローチャートに示す処理を実行するにあたってはいずれも、ROM220にあらかじめ格納されているプログラムを実行する場合について説明したが、これに限らず、これらの手順を示したプログラムが記録された記録媒体から、そのプログラムをRAM230に読み込んで実行するようにしてもよい。
【0094】
ここで、記録媒体とは、RAM、ROM等の半導体記憶媒体、FD、HD等の磁気記憶型記憶媒体、CD、CDV、LD、DVD等の光学的読取方式記憶媒体、MO等の磁気記憶型/光学的読取方式記憶媒体であって、電子的、磁気的、光学的等の読み取り方法のいかんにかかわらず、コンピュータで読み取り可能な記録媒体であれば、あらゆる記録媒体を含むものである。
【0095】
上記実施の形態において、CPU210は、発明1、2、4、5、6、または8の処理手段に対応し、表示装置290は、発明1、2、または4の表示手段に対応し、キーボード270およびマウス280は、発明1、2、5、または6の入力手段に対応し、記憶装置260は、発明8の記憶手段に対応している。
【0096】
また、上記実施の形態において、ステップS102は、発明1若しくは2の入力ステップ、発明5の第1の入力手段、または発明6の第2の入力手段に対応し、ステップS104は、発明1、2、若しくは3の算出ステップ、発明5若しくは7の第1の算出手段、または発明6の第2の算出手段に対応し、ステップS108は、発明1または2の表示ステップに対応している。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように、発明1〜3の集積回路設計方法または発明4〜8の集積回路設計支援装置によれば、従来に比して、回路設計段階における作業の効率を向上することができ、もって多様な設計ルールに対応したマスクパターンを容易に生成することができるという効果が得られる。
【0098】
また、発明1の集積回路設計方法または発明5の集積回路設計支援装置によれば、回路設計段階における作業の効率をさらに向上することができるという効果も得られる。
【0099】
さらに、発明2の集積回路設計方法または発明6の集積回路設計支援装置によれば、シュリンク後の回路変数が所望する設計値となるようなシュリンク前の回路変数を容易に得ることができ、回路設計段階における作業の効率をさらに向上することができるという効果も得られる。
【0100】
さらに、発明3の集積回路設計方法または発明7の集積回路設計支援装置によれば、回路素子の寸法だけでなく、回路素子のパラメータについても、そのシュリンク前の値とシュリンク後の値とを容易に把握することができ、回路設計段階における作業の効率をさらに向上することができるという効果も得られる。
【0101】
さらに、発明8の集積回路設計支援装置によれば、回路設計段階では、シュリンク後の回路変数を用いて、回路シミュレーションを容易に行うことができる一方、レイアウト段階では、シュリンク前の回路変数を用いてレイアウトすることができるので、回路設計段階およびレイアウト設計段階における作業の効率をさらに向上することができるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の構成を示す図である。
【図2】回路素子を設計しているときに実行される処理を示すフローチャートである。
【図3】MOSFETのパラメータ算出処理を示すフローチャートである。
【図4】コンデンサのパラメータ算出処理を示すフローチャートである。
【図5】抵抗のパラメータ算出処理を示すフローチャートである。
【図6】回路素子の設計状態を示す概念図である。
【図7】回路素子がグリッド上に適切に配置されない場合を説明するための概念図である。
【符号の説明】
100 コンピュータ
210 CPU
220 ROM
230 RAM
235 VRAM
240 CRTC
250 I/F
260 記憶装置
270 キーボード
280 マウス
290 表示装置
Claims (8)
- 集積回路製造用のマスクパターンを設計するのに必要な回路素子を設計する方法であって、
前記回路素子を設計するための処理を実行する処理手段と、前記処理手段の処理結果を表示する表示手段と、前記処理手段の処理に必要な情報を入力する入力手段と、を備えた情報処理装置を用いて、
所定の設計ルールにおける前記回路素子の回路変数を前記入力手段から入力する入力ステップと、前記入力した回路変数に基づいて前記回路素子のマスクパターンをシュリンクして得られる前記回路素子のシュリンク後回路変数を算出する算出ステップと、前記所定の設計ルールにおける前記回路素子の回路変数及び前記算出したシュリンク後回路変数を共に前記表示手段に表示する表示ステップと、を含む処理を、前記処理手段に実行させることを特徴とする集積回路設計方法。 - 集積回路製造用のマスクパターンを設計するのに必要な回路素子を設計する方法であって、
前記回路素子を設計するための処理を実行する処理手段と、前記処理手段の処理結果を表示する表示手段と、前記処理手段の処理に必要な情報を入力する入力手段と、を備えた情報処理装置を用いて、
所定の設計ルールにおける前記回路素子のマスクパターンをシュリンクして得られる前記回路素子のシュリンク後回路変数を前記入力手段から入力する入力ステップと、前記入力したシュリンク後回路変数に基づいて前記所定の設計ルールにおける前記回路素子の回路変数を算出する算出ステップと、前記算出した回路変数を前記表示手段に表示する表示ステップと、を含む処理を、前記処理手段に実行させることを特徴とする集積回路設計方法。 - 前記回路変数は、前記回路素子の寸法と、前記回路素子のパラメータと、を含み、
前記算出ステップは、前記回路変数として入力した前記回路素子の寸法に基づいて、前記シュリンク後回路変数としてのシュリンク後寸法を算出するとともに、前記シュリンク後回路変数としてのシュリンク後パラメータを算出することを特徴とする請求項1記載の集積回路設計方法。 - 集積回路製造用のマスクパターンを設計するのに必要な回路素子を設計する際に用いられる集積回路設計支援装置であって、
前記回路素子を設計するための処理を実行する処理手段と、前記処理手段の処理結果を表示する表示手段と、を備え、
前記処理手段は、所定の設計ルールにおける前記回路素子の回路変数と、前記回路素子のマスクパターンをシュリンクして得られる前記回路素子のシュリンク後回路変数と、を共に前記表示手段に表示するようになっていることを特徴とする集積回路設計支援装置。 - 前記処理手段の処理に必要な情報を入力する入力手段を備え、
前記処理手段は、前記回路変数を前記入力手段から入力する第1の入力手段と、前記第1の入力手段からの前記回路変数に基づいて前記シュリンク後回路変数を算出する第1の算出手段と、を有することを特徴とする請求項4記載の集積回路設計支援装置。 - 前記処理手段の処理に必要な情報を入力する入力手段を備え、
前記処理手段は、前記シュリンク後回路変数を前記入力手段から入力する第2の入力手段と、前記第2の入力手段からの前記シュリンク後回路変数に基づいて前記回路変数を算出する第2の算出手段と、を有することを特徴とする請求項4記載の集積回路設計支援装置。 - 前記回路変数は、前記回路素子の寸法と、前記回路素子のパラメータと、を含み、
前記第1の算出手段は、前記回路変数として入力した前記回路素子の寸法に基づいて、前記シュリンク後回路変数としてのシュリンク後寸法を算出するとともに、前記シュリンク後回路変数としてのシュリンク後パラメータを算出するようになっていることを特徴とする請求項5記載の集積回路設計支援装置。 - 前記処理手段の処理結果を記憶する記憶手段を備え、
前記処理手段は、前記回路変数と、前記シュリンク後回路変数と、を関連付けて前記記憶手段に記憶するようになっていることを特徴とする請求項4、5、6、又は7記載の集積回路設計支援装置。
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