JP4056362B2 - 排気弁油圧駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として大型2サイクルディーゼル機関に適用され、加圧駆動油を駆動ピストンの一端側に作用させ該駆動ピストンの他端側にて作動油を加圧する油圧駆動装置と、前記油圧駆動装置から圧送された作動油圧を排気弁に連結される作動ピストンに作用させて排気弁を開閉駆動する排気弁アクチュエータとを備えた排気弁油圧駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
大型2サイクルディーゼル機関においては、蓄圧器に蓄圧された加圧駆動油を、油圧駆動装置の駆動シリンダ内に往復動可能に嵌合された駆動ピストンの一端側に作用させ、該駆動ピストンの他端側にて排気弁アクチュエータ用の作動油を加圧し、油圧駆動装置から作動油室内に圧送された作動油の油圧を排気弁アクチュエータ作動油シリンダ内に往復動可能に嵌合された作動ピストンに作用させ該作動ピストンに連結される排気弁を開閉駆動する排気弁油圧駆動装置が、近年多く採用されている。
【0003】
特許文献1(特開2001−254611号公報)における排気弁油圧駆動装置は、アキュムレータにて蓄圧された加圧駆動油を油圧駆動装置の駆動油チャンバ内に導入して、駆動シリンダ内に往復動可能に嵌合され、下部に小径部が上部に大径部が該大径部のさらに上部に最小径部が夫々形成された3段径ピストンの小径部に作用させ、該2段径ピストンの大径部側が臨む作動油用の油室内の作動油を加圧し、該作動油を作動油管を介して排気弁アクチュエータに圧送し、該排気弁アクチュエータの作動油シリンダ内に往復動可能に嵌合された作動ピストンに前記作動油を作用させて該作動ピストンに連結される排気弁を開閉駆動するように構成されている。
【0004】
また、かかる排気弁油圧駆動装置においては、前記3段径ピストンの移動量が大きくなると、前記最小径部が上部シリンダ内に進入し、前記大径部上面と駆動シリンダとの間の容積が密閉状態となって、該容積のクッション作用によって前記3段径ピストンの上昇速度を制限し、排気弁の開弁速度を抑制している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1にて提供されているような排気弁油圧駆動装置においては、加圧駆動油を油圧駆動装置の駆動ピストンの一端側に作用させ、該駆動ピストンの他端側にて排気弁アクチュエータ用の作動油を加圧し、該油圧駆動装置からの作動油圧を排気弁アクチュエータの作動ピストンに作用させ該作動ピストンに連結される排気弁を開閉駆動するように構成されているため、油圧駆動装置の駆動ピストンの上昇速度を排気弁最大リフトに近づくに従い減速し、排気弁開口面積増加速度を緩やかにして排気弁の急加速によるジャンピングの発生を回避することを要する。
【0006】
然るに、前記特許文献1にあっては、排気弁最大リフト近傍における前記最小径部の1次クッション作用のみによって排気弁の着座を制御しているため、前記排気弁の最大リフト近傍でジャンピングを起こしやすい。
【0007】
また前記排気弁油圧駆動装置においては、装置全体が大形であり油圧駆動のための駆動油量が多くなることから、油圧駆動装置における駆動ピストンを作動させるための駆動動力が大きくなるが、前記特許文献1に開示されている排気弁油圧駆動装置あっては、かかる駆動動力を低減する手段はなされていない。
等の問題点を有している。
【0008】
本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、排気弁最大リフト到達前における排気弁の開弁速度を高精度で制御可能とするとともに、油圧駆動装置における駆動動力を低減可能な排気弁油圧駆動装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するため、請求項1記載の発明として、加圧された駆動油を駆動シリンダ内に往復動可能に嵌合された駆動ピストンの一端側に作用させ該駆動ピストンの他端側にて作動油を加圧する油圧駆動装置と、前記油圧駆動装置から作動油室内に圧送された作動油の油圧を作動油シリンダ内に往復動可能に嵌合された作動ピストンに作用させ該作動ピストンに連結される排気弁を開閉駆動する排気弁アクチュエータとを有してなる排気弁油圧駆動装置において、前記油圧駆動装置は前記駆動ピストンを大径部とこれよりも小径の小径部との2段径ピストンにて構成するとともに、該駆動ピストンの大径部と小径部との段差部及び前記駆動シリンダの内面により区画形成されたクッション室と、該クッション室内のクッション油を供給あるいは返還するクッション油供給路及びクッション油返還路とを備えてなることを特徴とする排気弁油圧駆動装置を提案する。
【0010】
請求項1において、好ましくは請求項3ないし5のように構成する。
即ち請求項3においては、前記駆動油の供給路とクッション室の上部とを接続する第2のクッション油供給路を設け、該第2のクッション油供給路に前記駆動油の供給路からクッション室に向かう油の流れを許容する逆止弁を介装してなる。
請求項4においては、前記第2のクッション油供給路から分岐して外部に連通される絞り付きのエア抜き及び循環通路を備えてなる。
請求項5においては、加圧された駆動油を駆動シリンダ内に往復動可能に嵌合された駆動ピストン駆動ピストンの内部に駆動油の供給路と前記連通路とをリフトの初期のみ連通するエア抜き用の絞り通路を設けてなる。
【0011】
また、請求項2記載の発明は、請求項1に加えて、前記駆動シリンダに、前記クッション室と前記クッション油供給路とを連通する第1のポートと、前記クッション室と駆動油の供給路とを該クッション室側から該駆動油の供給路側へ向かう駆動油の流れを許容する逆止弁を備えたクッション油排出路を介して連通する第2のポートとを穿設し、前記駆動ピストンの往復動により該駆動ピストンの大径部にて前記第1のポート及び第2のポートを開閉するように構成してなることを特徴とする。
【0012】
かかる発明によれば、加圧された駆動油により大径部及び小径部の2段径ピストンからなる油圧駆動装置の駆動ピストンが押し上げられて、これの大径部が小径部外周側のクッション室とクッション油供給路とを連通する第1のポートを閉じると、該クッション室の圧力が上昇して前記駆動ピストンの上昇速度が抑制され、これに伴い排気弁アクチュエータにより排気弁リフトの上昇速度つまり排気弁開口面積が緩やかに増加せしめられる。
そして、前記駆動ピストンが前記第1のポートを閉じてからは、クッション室内の高圧クッション油は該クッション室から逆止弁を押し開いて駆動油の供給側へと返還される。
さらに前記駆動ピストンが押し上げられてこれの大径部によりクッション室と駆動油の供給側とを接続する第2のポートが閉じられると前記クッション室の圧力がさらに上昇して、前記駆動ピストンの上昇速度がさらに抑制されこれに伴い排気弁開口面積の増加速度がさらに抑制される。
そして、前記駆動ピストンが排気弁の最大リフト位置から下降して前記第2のポートを開くと、該クッション室から逆止弁を押し開いてクッション室内へ駆動油が供給される。
【0013】
従って、かかる発明によれば、駆動ピストンによりクッション室とクッション油供給路とを連通する第1のポート及びクッション室と駆動油の供給側とを連通する第2のポートを順次閉じることにより該クッション室における緩衝作用が2段に行われて、排気弁の排気弁開口面積増加速度を2段に亘って減速することができ、排気弁開き始め直後における該排気弁の急加速によるジャンピングとフルリフト付近でのジャンピングの発生を防止し、かつ排気弁の開弁速度(開口面積増加速度)を高精度で制御することができる。
【0014】
また、前記駆動ピストンが排気弁の開弁作動時に駆動ピストンにより第1のポートが閉じられると、クッション室内の高圧クッション油が駆動油の供給側へと返還されるので、クッション室内の高圧油のエネルギーを、前記駆動ピストンを作動させる駆動油の供給側に還元せしめることができ、排気弁の油圧駆動エネルギーを低減することができる。
【0015】
また、請求項2、3のように構成すれば、駆動油の供給路から逆止弁付きの第2のクッション油供給路を経てクッション室に至り、該クッション室から逆止弁付きのクッション油返還路を経て駆動油の供給路に接続されるクッション油の循環路を構成できるので、クッション油の温度上昇を抑制することができて、排気弁油圧駆動装置の作動が安定する。
さらに、請求項4、5のようにクッション室の上部および駆動油の供給路の2箇所でエア抜きを可能としたので、駆動油及びクッション油のエア抜きを完全に行うことができて、安定した排気弁油圧駆動装置の作動を実現できる。
【0016】
請求項6記載の発明は請求項1において、前記駆動ピストンは、前記駆動シリンダ内に往復動可能に嵌合されるとともに前記2段径ピストンに連結されて前記駆動油側と前記排気弁を作動させる作動油側とを仕切る第2のピストンを備えてなることを特徴とする。
このように構成すれば、第2のピストンにより高い清浄性を必要とする油圧駆動装置の駆動油系と排気弁アクチュエータの作動油系とを確実に分離して油圧駆動装置の駆動油系への排気弁アクチュエータの作動油の混入を防止でき、排気弁油圧駆動装置の作動が安定する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0018】
図1は本発明の実施例に係る2サイクルディーゼル機関の排気弁油圧駆動装置における油圧駆動装置側の構造を示し、(A)は主断面図、(B)は(A)のA―A線断面図である。図2は排気弁油圧駆動装置の全体構成図である。図3は油圧駆動装置の作動説明図、図4は排気弁油圧駆動装置の作用説明用線図である。
【0019】
排気弁油圧駆動装置の全体構成を示す図2において、36は高圧の駆動油が蓄圧された蓄圧器、100は本発明の対象である油圧駆動装置、200は排気弁アクチュエータである。37は前記蓄圧器36と油圧駆動装置100の供給チャンバ14とを接続する駆動油供給管、35は対をなして設けられた電磁弁であり、図示しない制御装置によって機関の運転状態に対応して前記電磁弁35を開閉することにより、前記油圧駆動装置100への駆動油の供給、遮断、排出を制御するようになっている。
【0020】
33は前記油圧駆動装置100の作動油チャンバ17と前記排気弁アクチュエータ200の作動油入口とを接続する作動油管である。32はシリンダヘッド、31は排気ポート、30は該排気ポート31を開閉する排気弁である。
前記排気弁アクチュエータ200において、205はシリンダ、201は該シリンダ内に往復動可能に嵌合され前記排気弁30の弁棒に固定されたピストン、203は作動油室、204は空気ばねである。
【0021】
油圧駆動装置100の詳細を示す図1において、1は上部側の本体ブロックA、2は本体ブロックAに固着された下部側の本体ブロックBで、両者により本体ブロックを構成する。3は前記本体ブロックB2内に嵌着されたシリンダ、4は該シリンダ3の下部に固着されたカバーである。
6は前記シリンダ3内に往復摺動可能に嵌合されたピストンである。該ピストン6は、外径Dなる大径部6bとこれよりも小径の外径dなる小径部6cとの2段径ピストンにて構成され、該大径部6bが前記シリンダ3の大径穴3aに嵌合され小径部6cがシリンダ3の小径穴3bに嵌合されている。6aは前記ピストン6の大径部6bと小径部6cとの段差部である。
【0022】
前記2段径のピストン6の上部には、前記本体ブロックA1の嵌合穴1aに往復摺動可能に嵌合された仕切ピストン5が固着されている。
17は該仕切ピストン5の上面が臨む作動油チャンバで、該仕切ピストン5により前記供給側チャンバ14から後述するクッション室15に供給されている駆動油と、前記作動油チャンバ17から排気弁アクチュエータ200の作動油室203に供給される作動油とを切り離している。
22は前記作動油チャンバ17と作動油管33とを接続する作動油通路、21は前記仕切ピストン5の下部空間である。
【0023】
15は前記ピストン6の大径部6bと小径部6cとの段差部6a及び前記シリンダ3の大径穴3a内面により区画形成されたクッション室である。
16は低圧のクッション油が供給されるクッション油供給路、20は前記シリンダ3の外周に形成されて前記クッション油供給路16に連通されるクッション油溜めである。11はシリンダ3に複数個(1個でもよい)穿孔されて前記クッション室15と前記クッション油溜め20とを連通するポートA(第1のポート)である。
【0024】
41は前記シリンダ3の前記クッション油溜め20よりも上部外周に形成された環状に形成されたクッション油溜りである。
12は前記シリンダ3の前記クッション室15上部側部位に複数個(1個でもよい)穿孔されて前記クッション室15の上部と前記クッション油溜り41とを連通するポートB(第2のポート)である。
前記クッション油溜り41は返還通路18、19、24を通して前記カバー4内に形成された供給側チャンバ14に連通されている。7は前記返還通路18に設けられた逆止弁Aで、前記クッション油溜り41側から供給側チャンバ14に向かう油の流れを許容するように構成されている。
【0025】
13は前記シリンダ3に複数個(1個でもよい)穿孔されて前記クッション室15の上部に開口するポートCである。23は該ポートC13と前記クッション油供給路16とを接続する第2のクッション油供給路である。8は該第2のクッション油供給路23に設けられた逆止弁Bで、前記クッション油供給路16からクッション室15側に向かう油の流れを許容するように構成されている。
25は前記第2のクッション油供給路23の途中から分岐されて外部に開放されるエア抜き兼循環通路で、該エア抜き兼循環通路25には固定式の絞りB10が介装されている。
25aは前記ピストン6の中心部に長手方向に穿孔されたエア抜き用の絞り通路で、下端部が前記供給側チャンバ14に開口され、上端部が水平な絞りA9を介して前記クッション室15にリフトのごく初期のみ開口されている。
【0026】
かかる構成からなる油圧駆動装置を備えた排気弁油圧駆動装置において、前記蓄圧器36からの加圧駆動油は、電磁弁35及び駆動油供給管37を介して油圧駆動装置100の供給チャンバ14に導入される。
そして、図3(A)に示すピストン6下部位置の状態から、駆動油により該ピストン6がZ矢のように押し上げられると、該ピストン6上部に固着された仕切ピストン5により作動油チャンバ17内の作動油が作動油管33を通って排気弁アクチュエータ200の作動油室203に供給されてピストン201を押し下げ、該ピストン201に固着された排気弁30を開弁する。
尚、前記排気弁アクチュエータ200の構成及び作用は従来技術と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0027】
前記大径部6b及び小径部6cの2段径ピストンからなるピストン6の上昇時において、図3(B)のZ矢に示すように、ピストン6の上昇により、該大径部6b上縁の段差部6aが前記クッション室15とクッション油供給路16とを連通する前記ポートA11を閉じると、該クッション室15の圧力が上昇して前記ピストン6の上昇速度が抑制される。
これに伴い、前記仕切ピストン5により前記駆動油側と仕切られている作動油チャンバ17から排気弁アクチュエータ200の作動油室203に至る作動油系の圧力上昇が抑制され、排気弁30のリフト上昇速度つまり排気弁開口面積が緩やかに増加せしめられる。
【0028】
このように、前記ピストン6が、排気弁30の閉弁作動時に該ピストン6によりポートB12を閉じると、クッション室15内の高圧クッション油が駆動油の供給側へと戻されるので、該クッション室15内の高圧油のエネルギーを、ピストン6を作動させる駆動油の供給側に還元せしめることができ、図4(B)におけるAのように従来技術におけるBに比べて油圧力が低減され、排気弁30の油圧駆動エネルギーを低減することができる。
【0029】
さらに前記ピストン6が押し上げられて、図3(C)のように、該ピストン6の段差部6aが前記クッション室15とクッション油溜り41とを連通するポートB12を閉じると、前記クッション室15の圧力がさらに上昇して、前記ピストンの上昇速度がさらに抑制されこれに伴い排気弁30開口面積の増加速度がさらに抑制される。
一方、該クッション室15上部のエアは、図3(C)の矢印のように、小径のポートC13から絞りB10を通って外部に排出される。
【0030】
前記のように、かかる実施例によれば、ピストン6によりクッション室15とクッション油供給路16とを連通するポートA11及び該クッション室15と駆動油の供給チャンバ14とを連通するポートBを順次閉じることにより該クッション室15におけるピストン6上昇の緩衝作用が2段に行われて、排気弁30の排気弁開口面積増加速度を2段に亘って減速することができる。
【0031】
即ち、図4において、従来技術においては、図4(C)のように排気弁30の開弁とともにシリンダ内のガス圧Δpが開放され排気弁30に掛かる力が急減すると、図4(A)のBのように排気弁30のリフトが急上昇して、該排気弁30の急加速によるジャンピングが発生し易くなるが、かかる実施例においては、前記のようにピストン6上昇の緩衝作用が2段に行われることにより、図4(A)のAのように排気弁30の最大リフト近くで排気弁30リフトの上昇がなだらかとなり、かかるジャンピングの発生が確実に回避される。
【0032】
そして、図3(D)におけるY矢のように、前記ピストン6が排気弁30の最大リフト位置から下降してクッション室15内の圧力が低下すると、逆止弁B8が開いて、クッション供給路16から第2のクッション供給路23を通して前記クッション室15内にクッション油が供給される。
【0033】
また、クッション油供給路16から逆止弁B8付きの第2のクッション油供給路23を経てクッション室15に至り、該クッション室15からポートB12及び逆止弁A7付きの返還通路18、19、24を経て駆動油の供給側チャンバ14に接続されるクッション油の循環路を構成できるので、クッション油の温度上昇を抑制することができて、排気弁油圧駆動装置の作動が安定する。
【0034】
また、前記供給側チャンバ14内のエアは、前記ピストン6内の絞り通路25a及び絞り9を経てクッション室15の上部に達し、該クッション室15上部のエアとピストン6が初期状態のときに合流して、前記ポートC13から絞りB10を通って外部に排出される。
従って、クッション室15の上部および駆動油の供給路である供給側チャンバ14の2箇所でエア抜きを可能としたので、駆動油及びクッション油のエア抜きを完全に行うことができる。
【0035】
【発明の効果】
以上記載の如く本発明によれば、駆動ピストンによりクッション室とクッション油供給路とを連通する第1のポート及びクッション室と駆動油の供給側とを連通する第2のポートを順次閉じることにより該クッション室における緩衝作用が2段に行われて、排気弁の排気弁開口面積増加速度を2段に亘って減速することができ、排気弁開き始め直後における該排気弁の急加速によるジャンピングの発生を防止し、かつ排気弁の開弁速度(開口面積増加速度)を高精度で制御することができる。
【0036】
また、前記駆動ピストンが排気弁の開弁作動時に駆動ピストンにより第1のポートが閉じられると、クッション室内の高圧クッション油が駆動油の供給側へと戻されるので、クッション室内の高圧油のエネルギーを、前記駆動ピストンを作動させる駆動油の供給側に還元せしめることができ、排気弁の油圧駆動エネルギーを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る2サイクルディーゼル機関の排気弁油圧駆動装置における油圧駆動装置側の構造を示し、(A)は主断面図、(B)は(A)のA―A線断面図である。
【図2】 排気弁油圧駆動装置の全体構成図である。
【図3】 油圧駆動装置の作動説明図である。
【図4】 排気弁油圧駆動装置の作用説明用線図である。
【符号の説明】
100 油圧駆動装置
200 排気弁アクチュエータ
1、2 本体ブロック
3 シリンダ
5 仕切ピストン
6 ピストン
6a 段差部
6b 大径部
6c 小径部
7 逆止弁A
8 逆止弁B
9 絞りA
10 絞りB
11 ポートA(第1のポート)
12 ポートB(第2のポート)
13 ポートC
14 供給側チャンバ
15 クッション室
16 クッション油供給路
18、19、24 返還通路
20 クッション油供給路
23 第2のクッション油供給路
25 エア抜き兼循環通路
25a 絞り通路
30 排気弁
33 作動油管
35 電磁弁
36 蓄圧器
41 クッション油溜り
201 ピストン
203 作動油室

Claims (6)

  1. 加圧された駆動油を駆動シリンダ内に往復動可能に嵌合された駆動ピストンの一端側に作用させ該駆動ピストンの他端側にて作動油を加圧する油圧駆動装置と、前記油圧駆動装置から作動油室内に圧送された作動油の油圧を作動油シリンダ内に往復動可能に嵌合された作動ピストンに作用させ該作動ピストンに連結される排気弁を開閉駆動する排気弁アクチュエータとを有してなる排気弁油圧駆動装置において、前記油圧駆動装置は前記駆動ピストンを大径部とこれよりも小径の小径部との2段径ピストンにて構成するとともに、該駆動ピストンの大径部と小径部との段差部及び前記駆動シリンダの内面により区画形成されたクッション室と、該クッション室内のクッション油を供給あるいは駆動油側へ返還するクッション油供給路及びクッション油返還路とを備えてなることを特徴とする排気弁油圧駆動装置。
  2. 前記駆動シリンダに、前記クッション室と前記クッション油供給路とを連通する第1のポートと、前記クッション室と駆動油の供給路とを該クッション室側から該駆動油の供給路側へ向かう駆動油の流れを許容する逆止弁を備えたクッション油返還路を介して連通する第2のポートとを穿設し、前記駆動ピストンの往復動により該駆動ピストンの大径部にて前記第1のポート及び第2のポートを開閉するように構成してなることを特徴とする請求項1記載の排気弁油圧駆動装置。
  3. 前記駆動油の供給路とクッション室の上部とを接続する第2のクッション油供給路を設け、該第2のクッション油供給路に前記駆動油の供給路からクッション室に向かう油の流れを許容する逆止弁を介装してなることを特徴とする請求項1記載の排気弁油圧駆動装置。
  4. 前記該第2のクッション油供給路から分岐して外部に連通される絞り付きのエア抜き及び循環通路を備えてなることを特徴とする請求項3記載の排気弁油圧駆動装置。
  5. 加圧された駆動油を駆動シリンダ内に往復動可能に嵌合された駆動ピストンの内部に駆動油の供給路と前記連通路とをピストンリフトの初期のみ連通するエア抜き用の絞り通路を設けてなることを特徴とする請求項3記載の排気弁油圧駆動装置。
  6. 前記駆動ピストンは、前記駆動シリンダ内に往復動可能に嵌合されるとともに前記2段径ピストンに連結されて前記駆動油側と前記排気弁を作動させる作動油側とを仕切る第2のピストンを備えてなることを特徴とする請求項1記載の排気弁油圧駆動装置。
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