JP4056287B2 - コークス炉ガスの冷却方法及び冷却装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、石炭ガス化学分野で用いられる、コークス炉ガス(以下、単にCOGともいう。)の冷却方法および冷却装置に関するものである。さらに詳しくはCOG発生量の変化および冷却水として海水を用いた場合の季節変化による海水温度の変化に応じて適切に冷却運転できる、コークス炉ガスを多数の冷却管に海水を通水して間接冷却するCOG冷却方法および冷却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
COGの冷却装置には、多数の垂直管(冷却管)からなるたて型の多管式熱交換器を用いた間接冷却方式の冷却装置が一般的で、大量に消費される冷却水としては経済性の面から海水が利用されている場合が多い。
【0003】
一方、コークス炉のドライ・メーンを出たCOG中(80〜85℃)にはナフタリンが約10g/Nm3含有されている。そのため、間接冷却方式の冷却装置単独では、30〜35℃程度まで冷却するCOG冷却過程で析出したナフタリンなどにより伝熱面積(伝熱効率)が低下し定期的な洗浄が必要となる。また、COGの温度とナフタリンの飽和濃度は、図8(「芳香族便覧」より抜粋)の通りであり、50〜60℃近傍までは、ナフタリンの析出が極めて少ない。そこで、直接冷却方式の冷却装置とのコンビネーション化(図7参照)により間接冷却方式の冷却装置の冷却温度を高めることにより、冷却装置の洗浄周期を延長する方式が用いられている。
【0004】
図7は、直接冷却方式の冷却装置とのコンビネーション化(図7参照)により間接冷却方式の冷却装置の冷却温度を高めてなる、一般的なCOGの冷却装置の概略図を示す。図7に示すCOGの冷却装置のように、コークス炉のドライ・メーンから80〜85℃で出てくるCOGは、間接冷却方式の冷却装置701に入り、冷却水として用いた海水により、COG中のナフタリンの析出が極めて少ない温度でなおかつ直接冷却方式の冷却装置703での負荷が大きくならないように、50〜60℃の温度まで冷却される。その後、間接冷却方式の冷却装置から出たCOGは、配管を通じて直接冷却方式の冷却塔703に入り、塔の上部からの循環冷却水のスプレーにより、30〜35℃の温度まで冷却される。直接冷却方式の冷却塔703から出たCOGは、ブロワー705を介してCOGの精製工程に送られる。一方、間接冷却方式の冷却装置701の冷却水として用いる海水は、有効利用の観点から、直接冷却方式の冷却塔703の循環冷却水と熱交換器(HE)707により熱交換した後、間接冷却方式の冷却装置701に送られている。
【0005】
こうした直接冷却方式の冷却装置とのコンビネーション化により、洗浄期間延長を実現してなるCOGの間接冷却方式の冷却装置については、コークス炉の定期修繕やコークス生産量によってCOGの発生量が変化するため、これに適合した当該冷却装置の操業が必要となる。また、海水を冷却水として利用しているため海水温度が季節によって約10〜28℃変動し、熱交換作用が季節によって変化する。
【0006】
そこで、COGの間接冷却方式の冷却装置では、コークス生産の最大量に対応して複数基設備されているため、コークス炉の定期修繕時やコークス生産量の少ない低負荷操業時にはCOGの発生量に見合った基数の冷却装置のみ運転し、他は休止する対策がとられる場合が多かった。
【0007】
また、冷却管に通水する熱交換用の冷却水の水量を調節することが行われていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来技術のCOGの発生量に見合った基数の冷却装置のみ運転する方法は、限られた基数の冷却装置においてCOG発生量に見合った基数を運転するため、COG発生量に対して冷却装置の能力に過不足が生じやすく、しかも運転/休止の冷却装置のCOGの流路切り替えや冷却水の切り替え等の作業が煩雑であった。
【0009】
また、冷却水の水温変化に対しては、冷却作用を考慮して水量調整する場合もあるがあまり厳密な管理は行われていなかった。
【0010】
一方、COGの発生量に応じて冷却水の水量のみを調整する方法では、コークス炉の低負荷操業時において、間接冷却方式の冷却装置(以下、単に間接冷却装置ともいう)の容量が相対的に過剰となるため必要な冷却水量に調整しても、冷却水の熱交換後の温度(すなわち、間接冷却装置の冷却水出口温度)が高くなり過ぎたり、COGの冷却温度(すなわち、間接冷却装置のCOG出口温度)が低くなり過ぎる問題があった。
【0011】
このようにコークス炉の低負荷操業時に冷却水の水量のみを調整する手段で適切に冷却運転できない要因は、間接冷却装置の冷却能力(冷却管の数と長さ)が過剰でしかも固定されているためである。
【0012】
そして、間接冷却装置でのCOGの冷却温度が低くなり過ぎ50℃未満になると、ナフタリンが析出して冷却管の外部表面に付着して流路を狭めてしまい圧力損失が増大してくる。また、冷却水に用いる海水の出口温度が高くなり過ぎ、70℃を超えると腐食性の高いCaCO3の生成により冷却管が海水の高温腐食で損傷を生じやすくなる。
【0013】
このため、冷却管に付着したナフタリンが多くなるとこれを除去する洗浄作業が必要になったり、高温腐食による冷却管の寿命が短くなる課題があった。
【0014】
そこで、本発明の目的は、上記の課題を解決して、冷却装置の基数を調整することなく(すなわち、一部を休止することなく)、COG発生量の変化および冷却水温度の変化に対応して、ナフタリンを略析出しないCOGの冷却温度とし、且つ冷却管に高温腐食を生じにくい冷却水の熱交換後の温度に調節する、COGを多数の冷却管に冷却水として海水を通水して間接冷却するCOGの冷却方法および間接冷却装置を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者は、上記目的を達成すべく、COGを多数の冷却管に海水を通水して間接冷却するCOGの冷却方法および間接冷却装置に関し、鋭意検討した結果、冷却装置の固定化された冷却能力(冷却管の数と長さ)を変えることなく、冷却水を冷却管に通水する経路の一部を遮蔽ないしバイパスさせることで、冷却管の有効熱交換面積を自在に調節させることで、ナフタリンを析出しにくい(好ましくは、析出しない)COGの冷却温度で、且つ高温腐食を生じにくい冷却水の熱交換後の温度とすることができることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0016】
すなわち、本発明の手段(1)は、COGを多数の冷却管を用いて間接冷却するCOGの冷却方法において、
COG量および冷却水温度に応じて冷却管に流す冷却水流量を調節し、さらに冷却管の一部を遮蔽して熱交換面積を調節し、
COGの冷却温度をナフタリンが略析出しない所定温度以上とし、且つ冷却水出口温度を高温腐食が生じにくい所定温度以下にすることを特徴とするCOGの冷却方法である。
【0017】
本発明の手段(2)は、冷却管の熱交換面積を調節する手段として、
冷却管の一部に外部から自動開閉可能なゴム製の遮蔽板を設けておき、
COG冷却温度と冷却水の熱交換後の温度により、一部の冷却管の流路を自動開閉して冷却管の熱交換面積を調節することを特徴とする上記(1)に記載の冷却方法である。
【0018】
本発明の手段(3)は、COGを多数の冷却管を用いて間接冷却するCOGの冷却方法において、
外部から流量調節可能な冷却水のバイパス流路を設けておき、
COG量および冷却水温度に応じて、冷却水の一部を冷却水出口側にバイパスさせ、好ましくはさらに、そのバイパス流量を調節し、
COGの冷却温度をナフタリンが略析出しない所定温度以上とし、且つ冷却水の熱交換後の温度を高温腐食が生じにくい所定温度以下にすることを特徴とするCOGの冷却方法である。
【0019】
本発明の手段(4)は、前記バイパスさせる手段として、
外部からバイパス流路の開度を自動操作可能な流量調節弁を設けておき、
COGの冷却温度と冷却水の熱交換後の温度により、バイパス流量を自動的に調節することを特徴とする上記(3)に記載の冷却方法によっても達成されるものである。
【0020】
本発明の手段(5)は、コークス炉ガスを多数の冷却管に冷却水として海水を通水して間接冷却するためのコークス炉ガスの冷却装置において、
コークス炉ガス出口温度をナフタリンが略析出しない所定温度以上とし、且つ冷却水出口温度を高温腐食が生じにくい所定温度以下にするための調節手段が設けられていることを特徴とするコークス炉ガスの冷却装置である。
【0021】
本発明の手段(6)は、前記調節手段として、
コークス炉ガス量および冷却水入口温度に応じて、冷却管に流す冷却水流量を調節する手段と、さらに冷却管の一部を遮蔽して熱交換面積を調節する手段とを備えてなることを特徴とする上記(5)に記載のコークス炉ガスの冷却装置である。
【0022】
本発明の手段(7)は、冷却管の熱交換面積を調節する手段として、
冷却管の一部に外部から自動開閉可能なゴム製の遮蔽板を設け、
コークス炉ガス出口温度と冷却水出口温度により、該遮蔽板を用いた一部の冷却管流路の自動開閉機構が設けられていることを特徴とする上記(6)に記載のコークス炉ガスの冷却装置である。
【0023】
本発明の手段(8)は、前記調節手段として、
コークス炉ガスの出口と冷却水出口温度により、冷却水の一部を冷却水出口側にバイパスさせる手段が設けられていることを特徴とする上記(5)に記載のコークス炉ガスの冷却装置である。
【0024】
本発明手段(9)は、前記バイパスさせる手段として、
冷却水の一部を冷却水出口側にバイパスさせるバイパス流路と、
外部から該バイパス流路の開度を自動操作可能な流量調節弁と、が設けられていることを特徴とする上記(8)に記載のコークス炉ガスの冷却装置である。
【0025】
なお、本発明の「熱交換面積」とは、多数の冷却管を用いて間接冷却する際に(用いられる多管式熱交換器たる間接冷却方式の冷却装置の)熱交換作用に有効に利用される冷却管の外部表面積をいうものとする。これは、本発明の請求項1、2、6、7では、遮蔽された冷却管内の冷却水は内部にとどまるため、次第に管外流体であるCOG温度と同じになり熱交換作用がなくなる。しかしながら、同じ温度でも伝熱作用は存在すると思われるため、一般に用いられてなる「伝熱面積」を用いると、熱交換作用がなくなる遮蔽された冷却管の外部表面積も含まれると解されるおそれがある。そのため、こうした誤解が生じないように「熱交換面積」とし、遮蔽された冷却管の外部表面積については、「熱交換面積」に含まれないことを明確にし、「伝熱面積」と区別するために用いたものである。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につき、図面を用いて説明する。
【0027】
図1は、本発明の冷却方法を好適に適用することのできる既知の一般的な冷却装置の平面図である。図2は、図1のA−A矢視線に沿った冷却装置の立面図である。本発明の冷却方法に用いることのできる冷却装置は、COGを多数の冷却管(垂直管)を用いて間接冷却する多管式熱交換器であって、既知の一般的な間接冷却方式の冷却装置と同様の装置構成を有するものに幅広く適用し得るものである。
【0028】
図1及び図2に示すように、ガスブロワー(図示せず)の吸引により、冷却管111の管外流体としてCOGを冷却装置本体109に導入するためのCOG入口101が冷却装置本体109の一側面(図中の左側面)上部に設けられており、続く直接冷却方式の冷却装置(図示せず、図7参照のこと)に供給するためのCOG出口103が該装置本体109の対向する一側面(図中の右側面)下部に設けられている。
【0029】
また、間接冷却方式の冷却装置本体109には、該装置本体109内に入ったCOGと冷却水として用いる海水との熱交換効率が高められるように、上下にジグザグのCOG流路(図中、U字状の矢印で示す)を形成すべく、該装置本体109内部に多数の上・下ガス側仕切板115a、bが配置されている。上記ガス流路には、多数の冷却管111が配設されており、これら各冷却管111の両端が、上部管板117と下部管板113により固定されている。この際、各冷却管111の両端開口部は、上・下部管板117、113と、上・下部水室仕切板121、119で形成した上・下部水室106a〜d、108a〜cに連通されている。また、COG出口103側の下部水室106aには、COGの出入りに対して向流となるように海水入口105が設けられている。該海水入口105には、海水(冷却水)供給管135が接続されている。また、COG入口101側の上部水室3室108cには、海水出口107が設けられている。該海水出口107には、装置本体109の冷却管111内に冷却水を流通しCOGを直接冷却方式の冷却装置で冷却した後、間接冷却装置に供給すべく、冷却水排出用配管137が接続されている。なお、図1では、装置本体109の下部に位置する下部水室は、説明の都合上、3枚の下部水室仕切板119で仕切られた下部水室1室から4室に分けられており、冷却水である海水入口105が最右側の下部水室1室106aに、海水出口107が最左側の下部水室4室106dに設けられているものとした。同様に、装置本体109の上部に位置する上部水室は、説明の都合上、2枚の上部水室仕切板121で仕切られた上部水室1室から3室に分けられているものとした。これにより、海水入口105から入った海水は、下部水室1室106aから冷却管111を通じて上部水室1室108aに入り、以後も、上部水室1室108a→冷却管111→下部水室2室106b→冷却管111→上部水室2室108b→冷却管111→下部水室3室106c→冷却管111→上部水室3室108c→冷却管111→下部水室4室106d→海水出口107に至り、排出される。以上が、一般的な多数の垂直管(冷却管)を備えてなる多管式熱交換タイプの冷却装置の概要である。なお、図1および図2では、冷却管や水室の数は、説明の都合上、極めて簡素化して表示しており、実際には、COGの排出量に応じて、冷却管が数千本からなるものが用いられており、また、水室もより多く設けられているものが用いられている。
【0030】
図1および2に示す上記構成を有する冷却装置を用いた冷却方法では、ガスブロワー(図示せず)の吸引により負圧状態におかれた冷却装置本体101にコークス炉のドライ・メーン(図示せず)を出た高温のCOGを導入し、低温の海水が通水する冷却管111との間で熱交換作用を行うことにより所望の温度にまで冷却し、続く直接冷却方式の冷却装置に供給するものである。
【0031】
本発明の冷却方法では、以上の構成を有する一般的な冷却装置を用いて、COG量、冷却水温度、冷却管の熱交換面積ないしバイパス流量をパラメータとして、COGの冷却温度および冷却水の出口温度を一定範囲内にすることの具体的手段を提供するものである。
【0032】
本発明のCOGの冷却方法の第1の実施形態としては、COGを多数の冷却管に冷却水として海水を通水して間接冷却するCOGの冷却方法において、COG量および冷却水温度に応じて冷却管に流す冷却水流量を調節し、さらに冷却管の一部を遮蔽して熱交換面積を調節し、COGの冷却温度をナフタリンが略析出しない所定温度以上とし、且つ冷却水の熱交換後の温度を高温腐食が生じにくい所定温度以下にすることを特徴とするものである。
【0033】
また、上記COGの冷却方法に用いることのできる冷却装置としては、COGを多数の冷却管に冷却水として海水を通水して間接冷却するためのCOGの冷却装置において、COG出口温度をナフタリンが略析出しない所定温度以上とし、且つ冷却水出口温度を高温腐食が生じにくい所定温度以下にするための調節手段が設けられており、さらに当該調節手段として、COG量および冷却水入口温度に応じて、冷却管に流す冷却水流量を調節する手段と、さらに冷却管の一部を遮蔽して熱交換面積を調節する手段とを備えてなることを特徴とするものである。
【0034】
本発明のCOGの冷却方法の第1の実施形態においては、COG量と冷却水温度に応じて、冷却管に流す冷却水流量と熱交換面積の両方を調節する。
【0035】
まず、本発明に用いられる間接冷却装置におけるCOG量・温度(COG入口温度および出口温度)、圧力、飽和蒸気圧等からCOGの飽和エンタルピーを算出し、冷却水温度(冷却水の熱交換前の温度と熱交換後の温度との温度差)から必要な冷却水流量を求める。具体的な計算例の1例を下記に示すが、これらに制限されるものではない。これらは通常、COG量・温度、圧力、飽和蒸気圧、冷却水温度等の数値を、伝熱計算式がプログラムされている計算機に入力することで、必要な冷却水流量を求めることができる。これらは、冷却装置に具備した流量計や温度計等の検出部からのデータにより自動的に算出するようにしてもよい。さらにこれら検出部からのデータにより制御装置にて必要な冷却水流量を演算処理し、演算結果に基づき冷却水の流量調整バルブ(操作部)の開度を調節するようにしてもよい。すなわち、伝熱計算式による冷却水流量の算出は、パラメータであるCOG量と冷却水温度(入口温度)に応じて、適用するCOG精製システムや冷却装置の能力等により決定されるCOG入口温度および出口温度、圧力、飽和蒸気圧等から、COGの飽和エンタルピー、さらには必要な冷却水流量を求めることができる。
【0036】
例えば、下記に示すCOG、冷却水(海水)の条件において、冷却水流量、伝熱面積、冷却水出口温度の関係を求める。
【0037】
Figure 0004056287
(1)冷却装置入口側COG熱量計算
▲1▼COG1kg当りの飽和水分(Dry)
(18/10.9)×51.3/(101.29+(-1.35)-51.3)=1.7415kg/kg
上記において、18:水の分子量(−)
10.9:COGの分子量(−)
101.29:大気圧(Kpa)
51.3:COG蒸気圧(Kpa)
▲2▼飽和COGエンタルピ
0.68×82+0.000215×822+1.7415×(597.1+0.45×82)=1,161kcal/kg
上記において、0.45:水の比熱(kcal/kg)
597.1:水の潜熱
(0.45×82):COG中の水の顕熱
(0.68×82+0.000215×822):COG(Dry)1kg当り熱量
▲3▼COG入口側熱量Q1
1=30,000×(10.9/22.4)×1.161=16,953,595kcal/h
上記において、22.4:COG10.9kg(1kgモル)が占める容積(m3
(2)冷却装置出口側COG熱量計算
▲1▼COG1kg当りの飽和水分(Dry)
(18/10.9)×15.7/(101.29+(-1.85)-15.7)=0.30913kg/kg
▲2▼飽和COGエンタルピ
0.68×55+0.000215×552+0.30913×(597.1+0.45×55)=230.28kcal/kg
▲3▼COG出口側熱量Q2
2=30,000×(10.9/22.4)×230.28=3,361,733kcal/h
(3)冷却装置での冷却水(海水)の除去熱量Q3は、
3=30,000×(10.9/22.4)×(1161.35-230.284)=13,591,862kcal/h
(4)ここで、冷却水の出口温度を65.9℃(<70℃)と仮定すると、
▲1▼冷却水流量=Q3/(65.9-10)×(1/1000)=243m3/h
▲2▼必要伝熱面積Aは、
U=13,591,862//(28.12×A)=200kcal/m2・h・℃
ここで、28.12:対数平均温度差Δt
Δt1:COG入口側温度(82℃)-冷却水出口側温度65.9℃=16.1℃
Δt2:COG出口側温度(55℃)-冷却水入口側温度10℃=45℃
Δt=(16.4-45)/(ln(16.1/45))=28.12℃
より、A=2,420m2となる。
【0038】
冷却水流量を調節するための手段としては、例えば、図1に示すように、COG量および冷却水温度が計測できるように、ガスブロワーの吐出側に設置されているガス流量計(検出部;図示せず)を、海水入口105または該海水入口105に連結されてなる海水供給配管の海水入口105近傍に海水入口温度計(検出部、図示せず)を、それぞれ設置する(さらに、必要があれば、装置の適所に必要な温度計、圧力計、ガス流量計等の検出部を設置してもよい)。また、上記流量計および温度計等の検出部により計測したCOG量および冷却水温度等の測定データに基づき演算処理を行い、該演算結果に基づいて流量調整バルブ(動作部)にその開度調製の指示を行うための制御装置(計算機)を設ける。さらに制御装置による演算結果に基づいて冷却水流量を調節するための流量調整バルブ(動作部)133が、海水入口105近傍に連結された海水供給用配管135の海水入口105近傍の経路上に設置されている。そして、これら検出部、動作部と制御装置とが電気的に接続されている。これにより、各検出部の測定データに基づき制御装置にてCOGの飽和エンタルピーを算出し、冷却水の冷却温度(出口/入口温度差)から必要な冷却水流量を求め、かかる演算結果に基づき、必要な冷却水流量が供給できるように操作部である流量調整バルブ133の開度調製の指示を行うことで、COG量および冷却水温度に応じて冷却管に流す冷却水流量を自動的に調節するようにしてもよい。ただし、本発明では、COG量および冷却水温度に応じて冷却管に流す冷却水流量を手動により調節する方法を排除するものではない。
【0039】
次に、求めた冷却水流量で間接冷却装置を運転し、COGの冷却温度がナフタリンが略析出しない所定温度以上で、且つ冷却水の出口温度が高温腐食しにくい所定温度以下になるように、冷却管の熱交換面積を調節すればよい。具体的には、冷却管の一部を遮蔽することで、冷却管の熱交換面積を減少させればよい。これにより、コークス炉の低負荷操業時であっても、正常な負荷操業時と同様に、ナフタリンの析出もなく、また高温腐食の問題もなく、冷却装置を全基運転することが可能である。
【0040】
冷却管の熱交換面積を調節する手段としては、特に制限されるべきものではないが、好ましくは冷却管の流路を一部遮蔽することにより熱交換作用を無効にするものである。具体的な冷却管の熱交換面積を調節する手段につき、先に説明した図1および図2を用いて説明する。
【0041】
図1および図2には、さらに冷却管の一部を遮蔽して熱交換面積を調節する手段(冷却管の遮蔽手段)の好適な一実施形態として、冷却管の一部に外部から自動開閉可能なゴム製の遮蔽板を設け、コークス炉ガス出口温度と冷却水出口温度により該遮蔽板を用いた一部の冷却管流路の自動開閉機構が設けられてなる、いわばゴムシート遮蔽板の開閉機構を設けてなる様子を模式的に示す。また、図5および図6には、図1および図2のゴムシート遮蔽板の開閉機構における遮蔽部詳細図であって、ゴムシート遮蔽板の端部引揚げ高さで、湾曲したゴムシートが流入口を閉塞して冷却管の数を調節する様子を示す。
【0042】
図1および図2に示すように、ゴムシート遮蔽板の開閉機構として、まず上部水室108の一部の冷却管口に一端をゴムシート固定金具127により上部管板に固定したゴムシート(遮蔽板)123が配設されている。さらにサーボモーター(図示せず)駆動のプーリ124に巻いたロープ126を備えてなるゴムシート昇降装置125が冷却装置に設置されており、ロープ126の端がゴムシート123の他端に接続されている。詳しくは、冷却装置本体109の外部(例えば、図1に示すように、冷却装置本体109の天井壁上部)にセットしたゴムシート昇降装置125(具体的には、サーボモーター駆動のプーリ124に巻いたロープ126)を冷却装置本体109の壁(天井壁)を貫通して、ゴムシート123の他端を引張り可能となるように接続されている。そして該ロープ126を緩めれば冷却管111閉、引張れば開とする。図3および図4を用いて説明すると、ゴムシート123の端部引揚げ高さで、湾曲したゴムシート123が流入口を閉塞する冷却管111の数を調節することができる構成となっている。
【0043】
図5(a)(b)では、ロープ126を緩めて冷却管111を閉とした状態を表すものであり、ゴムシート123の端部が下まで降ろされ、ゴムシート123が閉塞可能な全ての冷却管111流入口を塞いだ状態(ゴムシート全体を上部管板に密着された状態)を示すものである。一方、図6(a)(b)では、ロープ126を引張って、ゴムシート123の端部を引揚げ、湾曲したゴムシート123が閉塞可能な冷却管111流入口の50%を塞いだ状態を示すものである。なお、該ゴムシート123の他端を最も上まで引き上げた状態では、ゴムシート123により冷却管111流入口は塞がれることなく、全ての冷却管111が有効に熱交換作用を奏することができるようになっている(コークス炉の通常負荷時や海水が暖かいときの運転状態といえる)。
【0044】
なお、ゴムシート昇降装置125のサーボモーターは、COG出口温度と冷却水出口温度を検出するための温度測定器から信号を受け取り、冷却管必要面積を自動調節するように動作される。例えば、冷却水出口温度が70℃を超えたらゴムシート昇降装置はサーボモーターを動作させてゴムシートを降下し、冷却水温度が70℃以下で、COGの冷却温度が50℃以上となるまで冷却管ヘ入る海水を遮断するようにすればよい。あるいはCOG出口温度と冷却水出口温度を検出するための温度測定器からの温度データに基づき、計算機(制御装置)によりゴムシートによる冷却管111の閉塞数(無効にする熱交換面積)を算出し、そのために必要なプーリ124に巻いたロープ126の上下変動量、かかる上下変動量に必要なサーボモーターの回転量を算出し、かかる演算結果から、該サーボモーターを動作させて、冷却水温度が70℃以下で、COGの冷却温度が50℃以上となるように調節してもよい。
【0045】
COG出口温度と冷却水出口温度を検出するための温度測定器は、例えば、COG出口に連結されてなるCOG排出用配管のCOG出口近傍に、COG出口温度(COG冷却温度)を計測するためのCOG出口温度計129を設け、海水出口に連結されてなる海水排出用配管の海水出口近傍に海水出口温度を計測するための海水出口温度計131を設ければよい。なお、温度測定器としては、従来公知の温度計や温度センサを用いることができる。
【0046】
また、上記遮蔽板を外部から自動開閉可能とする手段としては、図1に示すような、サーボモーター駆動のプーリ124に巻いたロープ126を備えてなるゴムシート昇降装置のほか、サーボシリンダー駆動のピストンに固定したロープを備えてなるゴムシート昇降装置などが利用できるなど、サーボ機構を備えてなる昇降装置が挙げられるが、特に制限されるべきものではない。
【0047】
なお、上部水室108の冷却管111流入口とは、上部水室1室108aから下部水室2室106bに海水を通水するための冷却管111の上部開口部、および上部水室2室108bから下部水室3室106cに海水を通水するための冷却管111のの上部開口部をいう。
【0048】
本発明において、上記ゴムシートに限らず、使用可能ないかなる遮蔽板であれ、その全体大きさは、適用するコークス炉およびそのCOG精製システムの能力から、コークス炉の最も低負荷操業時において、なおかつ冷却水(海水)温度が最も低い状態で遮蔽すべき熱交換面積に対応する冷却管の数を塞ぐことができるものであればよい。例えば、コークス炉の定期修繕時ないしコークス生産低下時の中で最も低負荷操業時において、なおかつ冷却水(海水)温度が最も低い状態のときに必要な遮蔽すべき熱交換面積を算出し、これに対応した大きさとしておいてもよいし、あるいは、該ゴムシートをゴムシート固定金具127およびゴムシート昇降装置125に着脱自在に接続しえるようにしておき、低負荷操業時や季節ごとに必要な遮蔽すべき熱交換面積に対応した大きさのゴムシートに取り替えてもよいなど、特に制限されるべきものではない。好ましくは、取り替え作業が不要で、なおかつゴムシート昇降装置125の機能を有効に利用できることから、前者の方が望ましい。
【0049】
また、図1および2に示すように、ゴムシート123に限らず、使用可能ないかなる遮蔽板であれ、各上部水室ごとに1つの遮蔽板とする必要はなく、複数設置して用いてもよい。例えば、遮蔽板(ゴムシート123)を装置の両側面部に2つ設け、これら遮蔽板(ゴムシート123)の他端同士を適用な連結バーで結び、該連結バーを遮蔽板(ゴムシート)昇降装置125のロープと連結してもよい。こうすることで、左右の遮蔽板が1つの遮蔽板昇降装置125のロープ126の上げ下げに連動して左右対称に上下動させることができるものである。なお、本発明では、特にこれらに制限されるべきものではなく、例えば、複数の遮蔽板を別々の遮蔽板昇降装置に連結することで、遮蔽板ごとに対応する遮蔽板昇降装置の上下動に呼応して調節することもできる。また、遮蔽板を両側面部に配置する代わりに、中央部に配置してもよいし、より多く(3箇所以上)に配置してもよい。なお、図1では、ゴムシートにより塞ぐ伝熱管の数を、説明の都合上、数本としたが、実際にはより多数(例えば、数百本程度)塞ぐ必要がある場合もある。
【0050】
上記実施形態では、冷却管を塞ぐ遮蔽板の材料としてゴムを用いたが、本発明では、特にこれらに制限されるべきものではなく、例えば、ゴム(エラストマーを含む)以外にも、金属(合金を含む)、セラミックス、樹脂(プラスチック)、木材、繊維強化ガラスなどの複合材料、さらにはこれらの複合材料や積層材など、冷却管への冷却水の流通を遮蔽し得る効果を奏するものであればいかなる材料であっても使用することができる。好ましくは、上部管板との密着性に優れ、遮蔽時のシール効果が大きく、また、可とう性、柔軟性、ゴム状弾性に優れ、図4に示すような湾曲(たわみ)効果が得られ、遮蔽面積を任意に調整可能な点からゴム(エラストマー、ゴム系複合材料を含む)がよい。エラストマーとしては、例えば、ポリエーテル、ポリエステルなどのブロック単位を含んだポリウレタン、ポリエステルなどが挙げられる。ゴム系複合材料は、弾性に富むゴムを強化材で強化して、強度や耐摩耗性、耐衝撃性を与えた材料であり、例えば、アラミド、ナイロン、カーボン、カーボンブラック、スチールなどの繊維や粒子で強化したものなどが挙げられ、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂や耐衝撃性スチレン(HIPS)樹脂も含まれる。
【0051】
遮蔽板の設置位置は、装置トラブルの発生時の対応が困難であるなどの点から、上部開放されており、緊急処置が図りや易く、また、定期点検や洗浄作業の容易性の点から、上部水室側に設置し、図1に示すように、上部水室側から下部水室側に冷却水を通水するのに用いられる冷却管流入口の一部を遮蔽するように設置する。
【0052】
また、ゴムシートなどの遮蔽板を外部から自動開閉可能とする手段の1つである、該遮蔽板の一端を固定する固定部材としては、特に制限されるべきものではなく、従来公知の各種固定部材が利用できる。好ましくは遮蔽板を着脱自在に固定することのできるものが望ましい。また、海水温度の長期的な変動に対応して、季節ごとに、異なる大きさの遮蔽板に取り替えることができるように、該固定部材を複数設けておき、遮蔽板の大きさに応じて適宜利用できるようにしてもよい。
【0053】
また、図1および図2に示すように、上部水室1室108aおよび上部水室2室108bにゴムシート遮蔽板の開閉機構を設けてなる実施形態を表すものであるが、COG入口側の上部水室3室にも同様に、ゴムシート、ゴムシート昇降装置およびゴムシート固定金具を用いて、上述した上部水室1室106aと同様にして、冷却管の熱交換面積を調節するためのゴムシート遮蔽板の開閉機構を設けてもよい。ただし、COG入口側の上部水室3室では、COG入口101に近く、ここで冷却管111の一部を塞ぐと、塞いだ冷却管111内の海水が入れ替わることなく高温(80℃程度)のCOGとの熱交換により高温腐食を生じやすい温度にまで加熱されるおそれがある。そのため、COG入口側の上部水室では、ゴムシート、ゴムシート昇降装置およびゴムシート固定金具を用いた冷却管の熱交換面積の調節を行わない方が望ましいと言える。これは、間接冷却方式の冷却装置では、通常、複数の上部水室が形成されるが、このうちの1部の水室にゴムシート遮蔽板の開閉機構を用いた冷却管の熱交換面積の調節を行わなくとも、本発明の作用効果を十分に奏することができるためである。
【0054】
本発明では、COG供給管に設けられたガス流量計および海水供給管に設けられた海水入口温度計で計測したCOG量および冷却水温度に応じて、例えば、上述したようにCOG量・温度、圧力、飽和蒸気圧、冷却水温度等の数値を、伝熱計算式がプログラムされている計算機に入力することで、必要な冷却水流量を求める。すなわち、伝熱計算式に従って、COGの冷却温度(図2では、COG出口近傍に設けたCOG出口温度計129で計測した温度)をナフタリンが略析出しない所定温度以上(具体的には50℃以上、後述する実施例1の伝熱計算式では55℃とした。)とし、かつ冷却水出口温度(図2では、海水出口近傍に設けた海水出口温度計131で計測した温度)を高温腐食が生じにくい所定温度以下(具体的には、70℃以下、後述する実施例1の伝熱計算式では65.9℃とした。)となるように、冷却管111に流す冷却水流量を算出して調節し、さらに冷却管111の一部を、上述したゴムシート遮蔽板の開閉機構を用いて過剰な熱交換面積を遮蔽して実際に必要となる熱交換面積となるように調節する。
【0055】
ここで、COGの冷却温度(間接冷却装置のCOG出口温度)は、ナフタリンが析出しない所定温度以上であればよく、具体的には50℃以上、好ましくは53℃以上、より好ましくは55℃以上である。なお、50℃近辺では、上述したようにコークス炉のドライ・メーンを出たCOG中にはナフタリンが約10g/Nm3含有されていることから、若干量のナフタリンが析出する場合がある(図8参照のこと)が、COG中のナフタリン量は、常に10g/Nm3含有されているものとは言えず、石炭種やコークス炉の運転条件によっては、COG中のナフタリン量が8〜9g/Nm3の場合もあり、こうした場合には50℃でもナフタリンが析出しない場合もあるほか、50℃にてナフタリンが析出したとしても、その量は極めて少ないため、冷却装置の洗浄周期を延長することができるため、実際上の運転には特に支障はないため、こうした場合も「ナフタリンが析出しない所定温度」に含まれるものとする。一方、50℃未満の場合には、図8に示すように、温度低下により冷却管の外表面に急激にナフタリンの析出量が増大し熱交換面積が低下するため、定期的な洗浄が必要となる。
【0056】
上記冷却水出口温度(間接冷却方式の冷却装置の冷却水出口温度)は、高温腐食が生じにくい所定温度以下であればよく、70℃以下である。
【0057】
上記冷却水出口温度の下限値は、冷却水に用いる海水温度や冷却水流量(流速)などにより異なるため、特に制限されるべきものではない。
【0058】
また、冷却管の熱交換面積を調節する方法としては、冷却管の一部に外部から自動開閉可能なゴム製の遮蔽板を設けておき、コークス炉ガスの冷却温度と冷却水の熱交換後の温度により、一部の冷却管の流路を自動開閉して冷却管の熱交換面積を調節する方法が挙げられる。具体的には、上記算出式によって求めた冷却水流量に従って装置を運転し、COGの冷却温度と冷却水の熱交換後の温度が上記に規定する範囲となるように、上述したゴムシート遮蔽板の開閉機構を用いて過剰な熱交換面積を遮蔽することにより調節すればよい。特に運転中のCOGの冷却温度と冷却水の熱交換後の温度により、熱交換面積量を調節することで、運転中、常に安定してナフタリンの析出および高温腐食を防止し得ることができる点で有利である。
【0059】
また、コークス炉ガスの冷却温度と冷却水の熱交換後の温度により、一部の冷却管の流路を自動開閉して冷却管の熱交換面積を調節する方法としては、特に制限されるべきものではなく、従来公知の開口部の自動開閉制御技術を適用することができるものである。具体的には、先述したように、遮蔽材であるゴム製のシートの一端を上部管板の所定位置に、適当な固定部材で固定し、他端をサーボ機構を備えてなる昇降装置のロープに接続する。また、制御装置にCOG出口温度および冷却水出口温度を計測する温度計測部と、動作部である昇降装置の駆動部を電気的に接続する。そして、制御装置139にて、計測部からのCOGの出口温度と冷却水出口温度等のデータに基づき演算処理して、遮蔽に必要な冷却管の本数を求め、さらに昇降装置のロープの変動量(上下動幅)を求め、駆動部の運転量を算出する。かかる演算結果に基づき、動作部である昇降装置の駆動部を動作して上下動幅を自動調節し、これに接続されている遮蔽板の他端を上下動させて目標数の冷却管を遮蔽することができる。冷却装置の運転中、常にCOG出口温度および冷却水出口温度が所定温度となるように、冷却管の流路を自動開閉して冷却管の熱交換面積を調節するのが望ましい。
【0060】
例えば、図5(a)、(b)に示すように、演算結果から、設置した遮蔽板の全面を使って冷却管の流路を遮蔽する必要がある場合(すなわち、遮蔽率100%とする場合)には、昇降装置のロープの変動量(上下動幅)が最大下動幅として求まる。演算結果から動作部である昇降装置の駆動部を動作して下動幅を自動調節することで、これに接続されている遮蔽板の他端を上部管板に達するまで下降し、遮蔽板全面が上部管板に密着された状態にすることができる。これにより、遮蔽板で遮蔽可能な冷却管の流路の全てを自動閉塞して冷却管の熱交換面積を調節することができるものである。
【0061】
また、図6(a)、(b)に示すように、演算結果から、設置した遮蔽板の略半分の面積を使って冷却管の流路を遮蔽する必要がある場合(すなわち、遮蔽率50%とする場合)には、昇降装置のロープの変動量(上下動幅)が最大下降量の略半分程度として求まる(実際には、遮蔽板に用いるゴムシートの湾曲率などを考慮して最適変動量(上下動幅)が演算される)。演算結果から動作部である昇降装置の駆動部を動作して上下動幅を自動調節することで、これに接続されている遮蔽板の他端を該遮蔽板の略半分が上部管板から離された状態になる。これにより、遮蔽板で遮蔽可能な冷却管の流路の50%を自動閉塞(言い換えれば、50%を自動開放)して冷却管の熱交換面積を調節することができるものである。
【0062】
なお、図1に示すような自動運転としないで手動操作としてもよい。
【0063】
次に、本発明のCOGの冷却方法の第2の実施形態としては、COGを多数の冷却管を用いて間接冷却するCOGの冷却方法において、COG量および冷却水温度に応じて、冷却水の一部を冷却水出口側にバイパスさせ、好ましくはさらに、そのバイパス流量を調節し、コークス炉ガスの冷却温度をナフタリンが析出しない所定温度以上とし、且つ冷却水の熱交換後の温度を高温腐食が生じにくい所定温度以下にすることを特徴とするものである。
【0064】
第2の実施形態では、一定の冷却水流量(すなわち、コークス炉での通常負荷時のCOG量の冷却に必要な冷却水流量)で冷却装置を運転し、COGの出口温度(冷却後)がナフタリンの析出限界温度50℃以上で、且つ冷却水の出口温度が高温腐食しにくい温度(70℃)以下になるように、冷却装置内の冷却水の一部を入口側から冷却水出口側にバイパスする。
【0065】
冷却水の一部を入口側から冷却水出口側にバイパスする手段としては、冷却装置内の冷却水流路にバイパス流路を設け、さらに外部からこのバイパス流路の開度を自動操作可能な流量調節弁を設けておき、求めた冷却水流量で冷却装置を運転し、COGの冷却温度と冷却水の熱交換後の温度を測定し、制御装置において、かかる実測データと目標設定データ(例えば、COGの冷却温度=50℃以上、冷却水熱交換後温度=70℃以下)との差異からバイパス流路に流す冷却水量を算出し、さらにバイパス流路の開度(=流量調節弁の開度)を求め、それに必要な上記流量調節弁の駆動用モーターの回転量を算出する。かかる演算結果に基づき、動作部である流量調節弁の駆動用モーターの動作の開始/停止および動作時の回転量を指示する。かかる指示に従って流量調節弁の駆動用モーターを動作して、流量調節弁の開度(=バイパス流路の開度)を調節して、バイパス流量を自動的に調節する。
【0066】
上記調節により、コークス炉の低負荷操業時等に冷却管に流す冷却水の流量を減少させて熱交換量を少なくすることができる。その結果、低負荷操業時に冷却装置の冷却能力(冷却管の数と長さ)が過剰でしかも固定されているにもかかわらず、冷却装置でのCOGの出口温度が低くなり過ぎナフタリンの析出限界温度50℃未満に低下するのを抑えることができ、ナフタリンが析出して冷却管の外部表面に付着して流路を狭めてしまい圧損が増大するのを防止できる。一方、コークス炉の低負荷操業時等にバイパス流路に流す冷却水の流量は増加され、入口側冷却水(熱交換が進んでいない冷たい水)を冷却水出口側(熱交換で暖められた水)に適量混合し冷却水出口温度を下げることができる。これにより、低負荷操業時に冷却装置の冷却能力(冷却管の数と長さ)が過剰でしかも固定されているにもかかわらず、冷却水の温度上昇を高温腐食しにくい温度(70℃)以下に抑えることができ、高温腐食による冷却管の寿命が短くなるのを防止することができる。
【0067】
例えば、図3および4に示すように、コークス炉ガス量および冷却水入口温度に応じて、冷却水の一部を冷却水出口側にバイパスさせる手段の具体的な一実施形態として、冷却水の一部を冷却水出口側にバイパスさせるバイパス流路と、コークス炉ガスの出口と冷却水出口温度により、外部から該バイパス流路の開度を自動操作可能な流量調節弁とが設けてなる様子を模式的に示す。
【0068】
図5および図6に示すように、上部水室仕切板121の一部に海水バイパス口145が形成されている。これにより、1つの上部水室の冷却水の一部を冷却水出口側に隣接する上部水室にバイパスするためのバイパス流路が形成される。また、サーボモーター(図示せず)駆動のプーリ142に巻いたロープ144を備えてなり、該ロープ126の端がプレート弁141の上端に接続されてなるプレート弁昇降装置143が冷却装置に設置されている。詳しくは、冷却装置本体の外部(例えば、図4に示すように、冷却装置本体109の各上部水室仕切板121上方の装置壁上部)にセットしたサーボモーター駆動のプーリ142に巻いたロープ144を冷却装置本体109の壁(天井壁)を貫通して、プレート弁141の上端を引張り可能となるように接続されている。またプレート弁141は、該ロープ144を緩めれば海水バイパス口145閉、引張れば開とするように、上部水室仕切板121に接する形で直立し、その上端にロープ144が接続されている。そして、ロープ144を緩め海水バイパス口145が閉じた状態では、プレート弁141の下端が上部管板117に接地し、海水バイパス口全体を塞ぐことができる大きさとなっている。そして、プレート弁141の引揚げ高さで、海水バイパス口145の開度を調節することができる。これにより、上述したように、低負荷操業時でも、バイパス流路に流す冷却水の流量を増加(調節)して冷却管に流す冷却水の流量を減少(調節)して熱交換量を少なく(調節)することができ、COGの冷却温度をナフタリンが略析出しない所定温度以上に調節すると同時に、入口側冷却水を冷却水出口側に混合し冷却水出口温度を下げることができ、冷却水出口温度を高温腐食が生じにくい所定温度以下に調節することができるものである。
【0069】
なお、プレート弁昇降装置143のサーボモーターは、COG出口温度と冷却水出口温度を検出するための温度測定器から信号を受け取り、例えば、冷却水出口温度が高くなるとプレート弁が開き、図3および図4に示すように、上部1水室後段部および上2水室前段・後段への冷却水流量を減じ(バイパス流量を高め)、冷却水出口温度を70℃以下に、COGの冷却温度を50℃以上に調節するように動作される。あるいはCOG出口温度と冷却水出口温度を検出するための温度測定器からの温度データに基づき、計算機(制御装置)によりプレート弁による海水バイパス口145の開度を算出し、そのために必要なプーリ124に巻いたロープ126の上下変動量、かかる上下変動量に必要なサーボモーターの回転量を算出し、かかる演算結果から、該サーボモーターを動作させて、冷却水温度が70℃以下で、COGの冷却温度が50℃以上となるように調節してもよい。
【0070】
COG出口温度と冷却水出口温度を検出するための温度測定器は、例えば、COG出口に連結されてなるCOG排出用配管のCOG出口近傍に、COG出口温度(COG冷却温度)を計測するためのCOG出口温度計129を設け、海水出口に連結されてなる海水排出用配管の海水出口近傍に海水出口温度を計測するための海水出口温度計131を設ければよい。なお、温度測定器としては、従来公知の温度計や温度センサを用いることができる。
【0071】
また、上記流量調節弁を用いて外部からバイパス流路の開度を自動操作可能な手段としては、前述の実施形態1におけるサーボモーター駆動のプーリ124に巻いたロープ126を備えてなるプレート弁昇降装置143のほか、サーボシリンダー駆動のピストンに固定したロープを備えてなるプレート弁昇降装置などが利用できるなど、サーボ機構を備えてなる昇降装置が挙げられるが、特に制限されるべきものではない。かかるサーボ機構を備えてなる昇降装置本体は、冷却装置本体の外部に設置するのが、冷却水の流れを妨げることが無いことから望ましいが、本発明では、冷却装置本体の内部に設置する実施形態を排除するものではない。
【0072】
本発明の第2の実施形態においても、図3および4で説明した具体的な一実施形態に制限されるべきものではなく、本発明の作用効果を奏することができるものであればよい。
【0073】
なお、かかる好適な海水バイパス口の上部水室仕切板への形成位置や大きさや数に関しては、特に制限されるべきものではなく、本発明を適用するコークス炉の能力(COG量)や海水温度の変化量などに応じて、冷却装置の能力も異なるため、本発明を適用する冷却装置の能力等に応じて最適な形成位置や大きさを適宜選択すればよい。
【0074】
また、海水バイパス口を複数の上部水室仕切板のいずれに形成するかは、COG冷却温度および冷却水出口温度を所定の温度範囲に調節し得るものであれば、特に制限されるべきものである。
【0075】
また、冷却水のバイパス流路の流量を調節する方法としては、上記したバイパス流路形成手段によっても異なるなど、特に制限されるべきものではなく、従来公知の流量調節手段を適宜利用することができる。具体的には、例えば、バイパス流路形成手段として上部水室仕切板の一部に海水バイパス口を形成する場合には、図5および6に示すような、プレート弁昇降装置を設けることができるほか、該プレート弁が縦方向に移動する上下スライド方式ではなく、横方向に移動する左右スライド方式にしてもよい。また、第1の実施形態と同様に、該プレート弁の上端を上部水室仕切板の上部に固定し、下端にロープを接続し、該ロープを引張ることで該プレート弁の上端を支点に回動する遥動方式にしてもよいなど何ら制限されるものではない。
【0076】
なお、本発明の第2の実施形態では、上述したように、コークス炉ガスの冷却温度と冷却水の熱交換後の温度により、バイパス流量を自動的に調節するようにして自動運転としてもよいし、自動運転としないで手動操作としてもよい。
【0077】
【実施例】
実験例1
図1および図2に示す本発明のCOGの冷却装置において、季節(冷却用海水温度)変化におけるCOG流量を下記表1〜3に示す。かかる季節(冷却用海水温度)変化におけるCOG流量に基づき、COG量・温度(COG入口温度および出口温度)、圧力、飽和蒸気圧等からCOGの飽和エンタルピーを算出し、冷却水温度(冷却水の熱交換前の温度と熱交換後の温度との温度差)から必要な冷却水流量を求めた。詳しくは、上述したように、COG量・温度、圧力、飽和蒸気圧、冷却水温度等の数値を、伝熱計算式がプログラムされている計算機に入力することで、必要な冷却水流量を算出した(上記伝熱計算式参照のこと)。
【0078】
本実施例1では、求めた冷却水流量で間接冷却装置を運転し、COGの冷却温度がナフタリンが略析出しない所定温度50℃以上で、且つ冷却水の出口温度が高温腐食しにくい所定温度70℃以下になるように、冷却管の熱交換面積の調節を行った。具体的には、冷却管の熱交換面積の調節する方法(熱交換面積を無効とする方法)として、図1および図2の上部1、2水室に、ゴムシート(遮蔽板)を人力で配置する方法をとった。
【0079】
詳しくは、ガスブロワーの吐出側に設置してあるガス流量計および海水供給管に設けられた海水入口温度計で計測したCOG流量(季節ごとに20000、25000および30000Nm3/hの3通りとした)および冷却水温度(季節により、それぞれ10、15、20および25℃の4通りとした)に応じて、上記に示す伝熱計算式に従って、冷却管111に流す冷却水流量を算出し、かかる冷却水流量に調節した(表1参照のこと)。
【0080】
次に、求めた冷却水流量で間接冷却装置を運転し、COGの冷却温度(図2では、COG出口近傍に設けたCOG出口温度計129で計測した温度)をナフタリンが略析出しない所定温度以上(本実施例では、55℃とした。)とし、かつ冷却水出口温度(図2では、海水出口近傍に設けた海水出口温度計131で計測した温度)を高温腐食が生じにくい所定温度以下(本実施例では、表1に示すように55.7〜69.8℃とした。)となるように、さらに冷却管111の一部を、ゴムシートにより塞ぐことで、冷却水が流通しないようにして、過剰な熱交換面積を遮蔽して実際に必要となる熱交換面積に調節した。具体的には、冷却水出口温度が70℃を超えたら、ゴムシートで冷却管流入口を塞いでいき、冷却水温度が70℃以下で、COGの冷却温度が55℃となるまで冷却管ヘ入る海水を遮断するようにし、冷却水温度が70℃以下で安定した状態の冷却水温度およびその際の必要伝熱面積(熱交換面積)および伝熱面積減少率は表1に示す通りである。
【0081】
同様に、比較例1として熱交換面積を変化させない場合であって、COGの出口温度をナフタリンが略析出しない所定温度以上(本比較例1では、55℃とした。)とすべく、海水流量を調節した場合の海水出口温度の変化の様子を測定した計算を表2に示す。表2からわかるように、季節変化により海水温度が低下したり、COG流量が低下するような場合には、海水流量を調整したとしても海水出口温度が70℃を超えることを防止することはできないことがわかる。
【0082】
さらに、比較例2として熱交換面積を変化させずに、COG流量が30000Nm3/hから5000Nm3/hずつ低下するのに対応してCOG出口温度を55℃から2.5℃ずつ低下するように調節する場合における、海水出口温度の変化の様子を測定した計算を表3に示す。表3からわかるように、季節変化により海水温度が低下したり、COG流量が低下するような場合には、海水流量を調節したとしても海水出口温度が70℃を超えることを防止することはできないことがわかる。
【0083】
【表1】
Figure 0004056287
【0084】
【表2】
Figure 0004056287
【0085】
【表3】
Figure 0004056287
【0086】
COG量、冷却水水温の各種条件に対し、熱交換面積を変えずに冷却水の流量のみ変えた(比較例)と熱交換面積を変化させた(本発明)場合のCOGで出口温度・冷却水出口温度の計算結果を示す。
【0087】
【発明の効果】
従来の冷却方法および冷却装置では、冷却能力(冷却管の数と長さ)は固定化されているため、これらに関しては何ら検討されておらず、複数基設けられた冷却装置の運転基数を調節したり、冷却水である海水の流量を調節することで、海水の季節による海水温度変化やコークス生産量の変動によるCOG発生量の変化に対応していた。これに対し、本発明の冷却方法および冷却装置では、冷却装置の運転基数を調節する必要もなく、従来固定化されているため検討の余地がないと放置されていた冷却能力を見つめ直し、低負荷操業時、過多となる伝熱管への海水の流れを遮蔽ないしバイパスさせることにより、その分だけ熱交換面積を無効にすることができることを見出したものである。これにより間接ガス冷却装置の運転範囲、特に低負荷域に対応できるフレキシブルな装置およびこれを用いた方法を提供することができる。
【0088】
そのため、従来の運転基数調整法での設備休止・再稼動の作業が不要となる。
【0089】
また、適切な操業温度の管理により出口側冷却管でのナフタリン付着による閉塞を回避することができる。並びに海水による冷却管と海水出口排水配管の腐食率の大幅な低減が可能となる。その結果、冷却管に付着したナフタリンを除去する洗浄作業回数が格段に低減できる。また高温腐食による冷却管の寿命を大幅に延ばすことができるとする効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のCOGの冷却方法の代表的な実施形態1として、熱交換面積の調整(冷却管の遮蔽手段)として、ゴムシート遮蔽板の開閉機構を設けてなる間接ガス冷却設備の上面構造図である。
【図2】 図1のA−A線に沿った間接ガス冷却設備の断面図である。
【図3】 本発明のCOGの冷却方法の代表的な実施形態2として、熱交換面積の調整として、冷却装置内に流量調節可能な冷却水のバイパス流路を設けてなる間接ガス冷却設備の上面構造図である。
【図4】 図3のB−B線に沿った間接ガス冷却設備の断面図である。
【図5】 図1および図2のゴムシート遮蔽板の開閉機構における遮蔽部詳細図であって、ゴムシート遮蔽板の端部引揚げ高さで、湾曲したゴムシートが流入口を閉塞して冷却管の数を調節する様子を示すものであって、図5(a)は、ロープを緩めて冷却管を閉とした状態を表すものであり、ゴムシートの端部が下まで降ろされ、ゴムシートが閉塞可能な全ての冷却管流入口を塞いだ状態(ゴムシート全体を上部管板に密着された状態)を示す上面図であり、図5(b)は、図5(a)の側面断面図である。
【図6】 図1および図2のゴムシート遮蔽板の開閉機構における遮蔽部詳細図であって、ゴムシート遮蔽板の端部引揚げ高さで、湾曲したゴムシートが流入口を閉塞して冷却管の数を調節する様子を示すものであって、図6(a)は、ロープを引張って、ゴムシートの端部を引揚げ、湾曲したゴムシートが閉塞可能な冷却管流入口の50%を塞いだ状態を示す上面図であり、図6(b)は、図6(a)の側面断面図である。
【図7】 従来のCOGの冷却装置であって、間接冷却方式の冷却装置と直接冷却方式の冷却装置とをコンビネーション化してなるCOGの冷却装置の代表的な実施形態を模式的に表わす図面である。
【図8】 COGの温度とナフタリンの飽和濃度の関係を示す図面である。
【符号の説明】
101…COG入口、 103…COG出口、
105…海水入口、 106…下部水室、
106a…下部水室1室、 106b…下部水室2室、
106c…下部水室3室、 106d…下部水室4室、
107…海水出口、 108…上部水室、
108a…上部水室1室、 108b…上部水室2室、
108c…上部水室3室、 109…冷却装置本体、
111…冷却管(伝熱管)、 113…下部管板、
115…ガス側仕切板、 115a…上ガス側仕切板、
115b…下ガス側仕切板、 117…上部管板、
119…下部水室仕切板、 121…上部水室仕切板、
123…ゴムシート、 124、142…プーリ、
125…ゴムシート昇降装置、 126、144…ロープ、
127…ゴムシート固定金具、 129…COG出口温度計、
131…海水出口温度計、 133…流量調整バルブ、
135…海水(冷却水)供給管、 136…COG供給管、
137…冷却水排出用配管、 138…COG排出用配管、
139…制御装置、 141…プレート弁、
143…プレート弁昇降装置、 145…海水バイパス口、
701…間接冷却方式の冷却装置、 703…直接冷却方式の冷却装置、
705…ブロワー、 707…熱交換器(HE)。

Claims (2)

  1. コークス炉ガスを多数の冷却管に海水を通水して間接冷却するコークス炉ガスの冷却方法において、
    コークス炉ガス量および冷却水温度に応じて冷却管に流す冷却水流量を調節し、さらに冷却管の一部を遮蔽して熱交換面積を調節し、
    コークス炉ガスの冷却温度をナフタリンが略析出しない所定温度以上とし、且つ冷却水の熱交換後の温度を高温腐食が生じにくい所定温度以下にするコークス炉ガスの冷却方法であって、
    冷却管の熱交換面積を調節する方法は、冷却管の一部に外部から自動開閉可能なゴム製の遮蔽板を設けておき、コークス炉ガスの冷却温度と冷却水の熱交換後の温度により、一部の冷却管の流路を自動開閉して冷却管の熱交換面積を調節することを特徴とするコークス炉ガスの冷却方法。
  2. コークス炉ガスを多数の冷却管に海水を通水して間接冷却するためのコークス炉ガスの冷却装置において、
    コークス炉ガス出口温度をナフタリンが略析出しない所定温度以上とし、且つ冷却水出口温度を高温腐食が生じにくい所定温度以下にするための調節手段として、コークス炉ガス量および冷却水入口温度に応じて、冷却管に流す冷却水流量を調節する手段と、さらに冷却管の一部を遮蔽して熱交換面積を調節する手段とを備えてなり、
    前記冷却管の熱交換面積を調節する手段として、冷却管の一部に外部から自動開閉可能なゴム製の遮蔽板を設け、コークス炉ガス出口温度と冷却水出口温度により、該遮蔽板を用いた一部の冷却管流路の自動開閉機構が設けられていることを特徴とするコークス炉ガスの冷却装置。
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