JP4056230B2 - 4輪駆動車両におけるアンチスキッド制御装置 - Google Patents

4輪駆動車両におけるアンチスキッド制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、車両における各車輪に備えられたホイールシリンダの制動時液圧を増・減圧制御することによって車輪のロックを防止する4輪駆動車両におけるアンチスキッド制御装置に関し、特に、路面摩擦係数を推定する加速度スイッチ(路面摩擦係数推定手段)の異常判断および異常判断時におけるフェールセーフ技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の4輪駆動車両におけるアンチスキッド制御装置にあっては、車輪速センサで検出された各車輪の車輪速度が所定の制御目標速度(減圧しきい値)以下になった時はホイールシリンダの液圧を減圧する減圧制御を実行することにより、制動力を弱めて車輪がロックするのを防止し、その後以上のような減圧制御の実行により車輪加速度が零以下になるかまたは一定値以上の車輪加速度となった場合には増圧制御状態に切り換えてホイールシリンダの液圧を増圧する増圧制御を実行することにより、制動力を強めて車体の減速度不足状態の発生を防止するようになっている。
【0003】
また、減圧制御開始目標である各車輪の制御目標速度は、擬似車体速度に基づき所定のスリップ率を考慮した値に設定され、前記擬似車体速度は、各車輪の車輪速度の最大値および車体減速度に基づいて算出される。そして、前記車体減速度は、車輪速センサで検出された車輪速度に基づいて算出されると共に、該車体減速度には、加速度スイッチで推定された路面摩擦係数に応じて所定の減速リミッタをかける処理が行われるようになっている。
この減速リミッタの値は、初期設定時においては高摩擦係数路面推定時の値(1.3g程度)に設定されるが、加速度スイッチにおいて低摩擦係数路面の推定がなされると、低摩擦係数路面推定時の値(0.6g程度)に設定変更され、これにより、特に、4輪が同期する4輪駆動車両において低摩擦係数路面走行時に車輪が早期ロック状態に陥いることを防止することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来例の4輪駆動車両におけるアンチスキッド制御装置にあっては、上述のように、加速度スイッチにおいて低摩擦係数路面の推定がなされると低摩擦係数路面推定時の値(0.6g程度)に減速リミッタをかける減速リミッタ手段を備えた構造であったため、加速度スイッチの故障により低摩擦係数判断状態に固定された状態になった場合、この状態で車両が高摩擦係数路面に移行すると、図12に示すように、実際の車体速度は減速しているのに、擬似車体速度の減速度に減速リミッタによる低摩擦係数路面推定時の制限がかかるため、擬似車体速度が上ずり、その結果、過減圧状態となって車両の減速度不足状態に陥る虞があるという問題点があった。
【0005】
本発明は、上述のような従来の問題点に着目してなされたもので、加速度スイッチ(路面摩擦係数推定手段)の故障により低摩擦係数判断状態に固定された状態になった場合においても、路面摩擦係数推定手段の推定内容に基づいて実行される各種処理について所定のフェールセーフ処理を行うことが可能になる4輪駆動車両におけるアンチスキッド制御装置を提供することを目的とし、かつ、少なくとも、フェールセーフ処理において過減圧状態の発生による車両減速度不足状態に陥ることを防止することができる4輪駆動車両におけるアンチスキッド制御装置を提供することを追加の目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述のような目的を達成するために、本発明請求項1記載のアンチスキッド制御装置では、制動液圧を発生するマスタシリンダと、車両における各車輪にそれぞれ配設されていて液圧供給により制動力を発生させる制動用シリンダと、該制動用シリンダの液圧を減圧する減圧制御状態と該液圧を保持する保持制御状態と該液圧を増圧する増圧制御状態のいずれかの状態に切り換え駆動制御可能な切換制御手段と、前記各車輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、該車輪速度検出手段で検出された車輪速度に基づいて車体減速度を算出する車体減速度算出手段と、前後方向加速度の変化状態から路面摩擦係数が少なくとも低摩擦係数状態か高摩擦係数状態かを推定する路面摩擦係数推定手段と、該路面摩擦係数推定手段で推定された路面摩擦係数に応じて前記車体減速度算出手段で算出された車体減速度に所定の減速リミッタをかける減速リミッタ手段と、前記車輪速度検出手段で検出された各車輪の車輪速度および前記車体減速度算出手段で算出された車体減速度に基づいて擬似車体速度を算出する擬似車体速度算出手段と、該擬似車体速度算出手段で算出された擬似車体速度に基づいて所定のスリップ率を考慮した車輪の制御目標速度を算出する制御目標速度算出手段と、前記各車輪速度検出手段で検出された車輪速度から各車輪の加速度を算出する車輪加速度算出手段と、前記車輪速度検出手段で検出された各車輪の車輪速度が前記制御目標速度算出手段で算出された制御目標速度となった時は前記切換制御手段を減圧制御状態に切り換えて前記制動用シリンダの液圧を減圧する減圧制御を実行し、その後、前記車輪加速度算出手段で算出された各車輪の車輪加速度が零以下になるかまたは一定値以上の車輪加速度となった場合に前記切換制御手段を増圧制御状態に切り換えて前記制動用シリンダの液圧を増圧する増圧制御を実行する制動液圧制御手段と、該制動液圧制御手段による減圧制御開始時点から車輪速度が擬似車体速度まで復帰する時間をカウントする異常判断タイマと、該異常判断タイマのカウントが所定の異常判断時間以上となった時は、前記路面摩擦係数推定手段が低摩擦係数判断状態で固定された異状状態と判断する異状判断手段と、該異状判断手段で前記路面摩擦係数推定手段が異状状態と判断された時は前記路面摩擦係数推定手段の推定内容に係らず前記減速リミッタ手段において高摩擦係数推定時に準じた路面摩擦係数内容に基づいて前記車体減速度算出手段で算出された車体減速度に所定の減速リミッタをかけるフェールセーフ手段と、を備えている手段とした。
【0008】
【作用】
本発明請求項1記載のアンチスキッド制御装置は、上述のように構成されるため、制動液圧制御手段では、車輪速検出手段で検出された各車輪の車輪速度が所定の制御目標速度となった時は切換制御手段を減圧制御状態に切り換えて制動用シリンダの液圧を減圧する減圧制御を実行し、これにより、制動力を弱めて車輪がロックするのを防止する。
その後以上のような減圧制御の実行により車輪減速度算出手段で算出された車輪減速度が零以下になるかまたは一定値以上の車輪加速度となった場合に切換制御手段を増圧制御状態に切り換えて制動用シリンダの液圧を増圧する増圧制御を実行することにより、制動力を強めて車体の減速度不足状態の発生を防止する。
【0009】
以上のように減圧制御開始目標である各車輪の制御目標速度は、擬似車体速度に基づき所定のスリップ率を考慮して算出され、前記擬似車体速度は、各車輪の車輪速度および車体減速度に基づいて算出される。
そして、前記車体減速度は、車体減速度算出手段において車輪速度検出手段で検出された車輪速度に基づいて算出されると共に、減速リミッタ手段において路面摩擦係数推定手段で推定された路面摩擦係数に応じて前記車体減速度に所定の減速リミッタをかける処理が行われる。
【0010】
また、異常判断タイマでは、制動液圧制御手段による減圧制御開始時点から車輪速度が擬似車体速度まで復帰する時間のカウントが行われる一方、異状判断手段では、前記異常判断タイマのカウントが所定の異常判断時間以上となったか否かの判定が行われ、カウントが所定の異常判断時間以上となった場合は、前記路面摩擦係数推定手段が低摩擦係数判断状態で固定された異状状態であるとの判断がなされる。従って、この路面摩擦係数推定手段の異常状態判断により、路面摩擦係数推定手段の推定内容に基づいて実行される各種処理について所定のフェールセーフ処理を行うことが可能となる。
【0011】
また、上述のように、前記異状判断手段で路面摩擦係数推定手段が異状状態と判断された時は、フェールセーフ手段において、減速リミッタ手段で車体減速度に所定の減速リミッタをかける場合に、路面摩擦係数推定手段の推定内容に係らず高摩擦係数推定時に準じた路面摩擦係数内容に基づいて減速リミッタをかける処理が行われるもので、これにより、路面摩擦係数推定手段が低摩擦係数判断状態で固定された異状状態となった場合でも、少なくとも、減圧過多による車両減速度不足状態に陥ることが防止される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により詳述する。
まず、本発明の実施の形態の4輪駆動車両におけるアンチスキッド制御装置の構成を、図1のシステム概要図に基づいて説明すると、この4輪駆動車両には、操舵輪(従動輪)である右前輪10および左前輪14の回転に応じてそれぞれ車輪速度パルスを発生する車輪速度センサ(車輪速度検出手段)12および16と、駆動輪である右後輪20および左後輪22の回転に応じてそれぞれ車輪速度パルスを発生する車輪速度センサ(車輪速度検出手段)24および26と、走行路面の摩擦係数を検出する加速度スイッチG_SW(路面摩擦係数推定手段)が設けられ、これ等各センサ類はマイクロコンピュータ(CPU)を含むコントロールユニット(以下、ECUと称す)40に接続されている。
【0013】
また、図2のブレーキ液圧回路構成図(1輪のみ)に示すように、各車輪にそれぞれ配設されたホイールシリンダ(制動用シリンダ)50と、運転者がブレーキペダルを踏むことによってブレーキ液圧を発生するマスタシリンダ52とは、主液通路54でもって連通されており、この主液通路54の途中に各ホイールシリンダ50の液圧を制御するアクチュエータユニット60が介装されている。なお、図2では図示を省略し、1系統のブレーキ液圧回路および1輪のみを例示したが、前記マスタシリンダ5には2系統のブレーキ液圧回路が接続され、一方の系統のブレーキ液圧回路には、右前輪10と左後輪22のホイールシリンダ50、50が接続され、もう一方のブレーキ液圧回路には、左前輪14と右後輪20のホイールシリンダ50、50が接続されている。
【0014】
このアクチュエータユニット60には、各ホイールシリンダ50の液圧の増減を切り換え制御するための切換制御弁(切換制御手段)62と、ホイールシリンダ50の減圧制御時にそのブレーキ液が貯留されるリザーバ64と、該リザーバ64に貯留されたブレーキ液を主液通路54に戻すための液圧ポンプ66とを備えている。なお、前記リザーバ64は、2系統の各ブレーキ液圧回路にそれぞれ備えられている。
【0015】
次に、前記ECU40におけるアンチスキッド制御の基本制御内容を、図3の制御フローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップS1では、各車輪速度センサ12、16、24、26からの出力に応じて右前輪10、左前輪14、右後輪20および左後輪22の各車輪速VWの計算、および、各車輪速VWを微分することにより車輪加速度VWDが計算される。
【0016】
続くステップS2では、前記ステップS1で算出された各車輪速度VWから擬似的な車両速度、即ち疑似車体速度VIを計算する。なお、この疑似車体速VIの計算内容は後に図4のフローチャートに基づいて詳述する。
【0017】
続くステップS3では、前記ステップS2で算出された疑似車体速VIから、制御目標速度(減圧判断閾値)VWSの計算が行なわれる。なお、この制御目標速度VWSの計算内容は後に図7のフローチャートに基づいて詳述する。
【0018】
続くステップS4では、PI制御演算処理が行われる。即ち、目標のブレーキ液の増圧・減圧制御時間を示す目標増・減圧パルス時間PBの演算が行われる。なお、このPI制御演算処理の内容は後に図8のフローチャートに基づいて詳述する。
【0019】
続くステップS5では、前記ステップS1で算出された各車輪の車輪速度VWが、同ステップS3で算出された制御目標速度VWS未満であり、かつ、増圧実施フラグZFLAG(増圧制御実施中であることを示すフラグ)が1にセットされているか否かが判定され、YES(VW<VWS、および、ZFLAG=1)である時は、減圧制御を実行する必要があるためステップS7に進む。
【0020】
このステップS7では、以下に列挙する処理を行った後、ブレーキ液圧減圧制御を実施するステップS8に進む。
・減圧制御実施時間ASを所定時間Aにセット。
・保持制御時間THOJIを0にリセット。
・減圧実施フラグGFLAGを1にセット。
【0021】
ステップS8では、ブレーキ液圧減圧制御が行なわれる。即ち、ECU40からアクチュエータユニット60の切換制御弁62へ切換信号が出力され、マスタシリンダ52とホイールシリンダ50とリザーバ64とが連通される。なお、この減圧制御の内容は、後に図9のフローチャートに基づいて詳述する。
【0022】
前記ステップS5の判定がNO(VW≧VWS、または、ZFLAG=0)である時は、ステップS6に進む。このステップS6は、ブレーキ液圧減圧制御の必要性を判定するステップであり、具体的には保持制御時間THOJIが所定時間Bmsを越え、かつ、目標増・減圧パルス時間PB−減圧時間タイマDECTが所定時間T1 ms(T1<)を越えているか、または、保持制御時間THOJIが所定時間Cms(B<C)を越え、かつ、目標増・減圧パルス時間PBから減圧時間タイマDECTを減算した時間が、所定時間T2ms(T2<T1)を越えているか否かが判定され、YES(いずれか一方の条件が成立)である時も、減圧制御を実施する必要があるため、前記ステップS7に進む。
【0023】
また、ステップS6の判定がNO(いずれの条件も不成立)である時は、ブレーキ液圧の増圧または保持制御の必要性を判定すべくステップS9に進み、ブレーキ液圧の増圧制御の必要性を判定する。具体的には、目標増・減圧パルス時間PB増圧時間タイマINCTを算した時間が所定時間−T ms未満であり、かつ、保持制御時間THOJIがCmsを越えているか否かが判定される。ステップS9の判定がYES(両条件が成立)である時は、車輪がいまだスリップしていないと判定できるので、ステップS10に進む。
【0024】
このステップS10では、さらに、減圧実施フラグGFLAG(減圧制御実施中であることを示すフラグ)が1にセットされており、かつ、車輪加速度VWDが0gを越えているか否かが判定され、NO(少なくともいずれか一方の条件が不成立)の時は、ホイールシリンダ50の液圧が不足ぎみであるから、ステップS11に進んで保持制御時間THOJIを0にリセットした後、ブレーキ液圧増圧制御を実施するテップS12に進む。
【0025】
このステップS12では、ブレーキ液圧増圧制御が行なわれる。即ち、この場合は、アクチュエータユニット60の切換制御弁62が、マスタシリンダ52とホイールシリンダ50とが連通状態となるように駆動される。なお、この増圧制御の内容は、後に図10のフローチャートに基づいて詳述する。
そして、続くステップS13では増圧実施フラグZFLAGを1にセットする。
【0026】
また、前記ステップS9の判定がNO(PB+INCT−T ms、または、THOJI≦Cms)、または、ステップS10の判定がYES(GFLAG=かつ、VWD>0)である時は、ステップS14に進んで保持制御時間THOJIをインクリメントした後、ブレーキ液圧保持制御を実施するステップS15に進む。
【0027】
このステップS15では、ブレーキ液圧保持制御が行われる。即ち、この場合には、ホイールシリンダ50がマスタシリンダ52およびリザーバ64との連通をそれぞれ断つ位置に、切換制御弁62が駆動される。
【0028】
前記各ステップS8、S13、S15のいづれかが行なわれた後は、ステップS16に進み、10ms経過したか否かが判定され、10ms未満(NO)であれば、このステップS16の判定を繰り返し、また、10ms経過(YES)であればステップS17に進む。換言すると、上記制御ルーチンが10ms毎に実行されることになる。
【0029】
続くステップS17では、減圧制御実施時間ASをデクリメントした後、
これで一回のフローを終了し、前記ステップS1に戻る。
【0030】
次に、前記図3におけるステップS2の擬似車体速計算処理制御の具体的内容を、図4のフローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップS21では、セレクトハイ車輪速度VFSとして4輪の車輪速VWの最大値を設定した後、ステップS22に進む。
【0031】
このステップS22では、非減圧制御中であるか否かを減圧制御実施時間ASが0となっているか否かで判定し、YES(AS=0で非減圧制御中)である時は、ステップS23に進んで、セレクトハイ車輪速度VFSとして従動輪の車輪速VWの最大値を設定した後、ステップS24に進み、また、NO(AS≠0で減圧制御中)である時は、そのままステップS24に進む。
【0032】
このステップS24では、擬似車体速VIがセレクトハイ車輪速度VFS以上であるか否かを判定し、YES(VI≧VFS)である時は、ステップS25に進んで、車減速時の擬似車体速VIを次式により求めた後、これで一回のフローを終了する。
VI=VI−VID×k
なお、VIDは擬似車体速度VIの減速リミッタ(車体減速度VIKに所定のオフセット値(0.3g)を加算した値の絶対値)である。また、車体減速度VIKの計算内容については後に図5のフローチャートに基づいて詳述する。
【0033】
前記ステップS24でNO(VI<VFS)である時は、車が加速中であると判断してステップS26に進んで、減速リミッタ定数xを2km/hに設定した後、ステップS27に進む。このステップS27では、再び非減圧制御中であるか否かを減圧制御実施時間ASが0となっているか否かで判定し、YES(AS=0で非減圧制御中)である時は、ステップS28に進んで、減速リミッタ定数xを0.1km/hに設定した後、ステップS29に進み、また、NO(AS≠0で減圧制御中)である時は、そのままステップS29に進む。
【0034】
そして、このステップS29では、擬似車体速VIを次式により求めた後、これで一回のフローを終了する。
VI=VI+x
【0035】
次に、前記図4のステップS25で用いられる車体減速度計算の具体的内容を、図5のフローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップS251では、非減圧制御中(AS=0)の状態から、減圧制御中(AS≠0)に切り換わったか否かを判定し、YESである時はステップS252に進んで、減圧制御が最初に行われた時の車速、即ち減圧制御開始車速VOを擬似車体速VIに設定すると共に、車両減速度作成用タイマTOを0にリセットした後、ステップS253に進み、また、NO(非減圧制御中(AS=0))である時は、そのままステップS253に進む。そして、このステップS253では、車両減速度作成用タイマTOをインクリメントした後、ステップS254に進む。
【0036】
このステップS254(スピンアップ判断)では、セレクトハイ車輪速度VFSが擬似車体速VIに復帰したか否かを判定し、YES(VI<VFS→VI≧VFS)である時は、ステップS255に進んで、車体減速度VIKを次式により求めた後ステップS256に進む。
VIK=(VO−VI)/TO
【0037】
また、前記ステップS254の判定がNO(VI<VFS)である時は、そのままステップS256に進む。
このステップS256では、路面摩擦係数(μ)が高μであるか低μであるかを判断する加速度スイッチG_SWの異常状態のうち、低μ路判断状態で固定された状態を検出するG_SW異常判断が行われる。なお、このG_SW異常判断の具体的内容は後に図6のフローチャートに基づいて詳述する。
【0038】
続くステップS257(低μ路判断)では、減圧時間タイマDECTがDms以上であるか否かを判定することにより、走行路面が低μ路であるか否かを判定し、YES(DECT≧Dms=低μ路)である時は、ステップS258に進んで、低μフラグLouFを1にセットした後、これで一回のフローを終了し、また、NO(DECT<Dms=高μ路)である時は、そのままこれで一回のフローを終了する。
【0039】
次に、前記図5におけるステップS256のG_SW異常判断・制御の具体的内容を、図6のフローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップS561では、異常判断フラグGSENFが1にセットされているか否かを判定し、NO(GSENF=0)である時は、加速度スイッチG_SWが正常に作動していると判断されているため、その判断に基づいた処理を行うべくステップS562に進む。
【0040】
このステップS562では、加速度スイッチG_SWの出力が高μ路判断状態Hiであるか否かを判定し、NO(低μ路判断状態Lo)である時は、ステップS563に進み、車体減速度VIKを、低μ路相当リミッタ値である0.6gと図5のステップS255で算出された車体減速度VIKとのいずれか小さい方の値に設定し、かつ、擬似車体速度VIの減速リミッタVIDを、低μ路相当リミッタ値である0.6gと図5のステップS255で算出された車体減速度VIKに所定のオフセット値(0.3g)を加算した値の絶対値とのいずれか小さい方の値に設定した後、ステップS564に進む。
【0041】
このステップS564では、車輪速度VWが擬似車体速度VI以上であるか否かを判定することにより、減圧制御の結果車輪速度VWが擬似車体速度VIまで復帰したか否か判定し、NO(VW<VI)である時は、加速度スイッチG_SWの異常、即ち実際は高μ路であるにも係らず低μ路判断状態に固定されている可能性があるため、異常判断を行うべくステップS565に進む。
【0042】
このステップS565では、まず、異常判定タイマのカウントTSWLOが1sec 以上であるか否かを判定することにより、加速度スイッチG_SWの異常判断を行い、YES(TSWLO≧1=異常)である時は、ステップS566に進み、減圧制御が最初に行われた時の車速、即ち減圧制御開始車速VOを擬似車体速VIに設定すると共に、車両減速度作成用タイマTOを0にリセットし、かつ、過減圧による車両減速度不足状態の発生を防止すべく車体減速度VIKを高μ用の初期設定値1.3gに設定し、続くステップS567で異常判断フラグGSENFを1にセットし、さらに続くステップS568で擬似車体速度VIの減速リミッタVIDを1.3gにセットした後、ステップS572に進む。
【0043】
前記ステップS565の判定がNO(TSWLO<1)である時は、ステップS569に進んで異常判定タイマのカウントTSWLOをインクリメントした後、ステップS572に進む。
【0044】
前記ステップS564の判定がYES(VW≧VI)である時は、加速度スイッチG_SWが正常に作動しているか、少なくとも、高μ路判断状態となっているため、ステップS570に進んで、異常判定タイマのカウントTSWLOを0にリセットした後、ステップS572に進む。
【0045】
前記ステップS562の判定がYES(高μ路判断状態Hi)である時は、ステップS571に進んで、車体減速度VIKを、高μ路相当リミッタ値である1.3gと図5のステップS255で算出された車体減速度VIKとのいずれか小さい方の値に設定し、かつ、擬似車体速度VIの減速リミッタVIDを、高μ路相当リミッタ値である1.3gと図5のステップS255で算出された車体減速度VIKに所定のオフセット値(0.3g)を加算した値の絶対値とのいずれか小さい方の値に設定した後、ステップS572に進む。
【0046】
前記ステップS561の判定がYES(GSENF=1)である時は、高μ路であるにも係らず加速度スイッチG_SWの出力が低μ路判断状態Loで固定されている異常状態であると判断されているため、この場合は過減圧による車両減速度不足状態が発生することを回避するために、ステップS571に進んで、車体減速度VIKを、高μ路相当リミッタ値である1.3gと図5のステップS255で算出された車体減速度VIKとのいずれか小さい方の値に設定し、かつ、擬似車体速度VIの減速リミッタVIDを、高μ路相当リミッタ値である1.3gと図5のステップS255で算出された車体減速度VIKに所定のオフセット値(0.3g)を加算した値の絶対値とのいずれか小さい方の値に設定した後、ステップS572に進む。
【0047】
このステップS572では、減圧制御実施時間ASが0にリセットされているか否かを判定することにより、アンチスキッド制御中であるか否かを判定し、YES(AS=0)である時は、ステップS573に進んで異常判断フラグGSENFを0にリセットした後、これで1回のフローを終了し、NO(AS≠0)である時は、そのままこれで1回のフローを終了する。
【0048】
次に、前記図3におけるステップS3の制御目標速度計算の具体的内容を、図7のフローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップS31では、制御目標速度VWSのオフセット値XXを、まず、8km/hに設定した後、ステップS32に進む。
【0049】
このステップS32では、車体減速度VIKが所定値E未満であるかまたは、低μフラグLouFが1にセットされているか否かを判定することにより、走行路面が低μ路であるか否かを判定し、YES(低μ路判定)である時は、ステップS33に進んで、オフセット値XXを4km/hに変更設定した後、ステップS34に進み、また、NO(高μ路判定)である時は、そのまま(XX=8km/hに設定したまま)ステップS34に進む。
【0050】
このステップS34では、前記図4のフローで計算された擬似車体速VI、および、オフセット値XXに基づき、次式に基づいて制御目標速度VWSを演算した後、ステップS35に進む。
VWS=0.95×VI−XX
【0051】
このステップS35では、減圧フラグGFLAGが1にセットされ、かつ、車輪加速度VWDが所定値Fを越え、さらに、車輪速度VWが制御目標速度VWSを越えているか否かを判定し、YESである時は、ステップS36に進んで、目標スリップ車速VWMを擬似車体速VIに設定し、また、NOである時は、ステップS37に進んで目標スリップ車速VWMを制御目標速度VWSに設定し、これで一回のフローを終了する。
【0052】
次に、前記図3におけるステップS4のPI制御演算処理の具体的内容を、図8のフローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップS41では、次式に基づいて偏差ΔVWを求める。
ΔVW=VWM−VW
【0053】
続くステップS42では、次式によりPI制御の比例分PPを求める。
PP=KP×ΔVW (KP:比例ゲイン)
続くステップS43では、次式によりPI制御の積分分IPを求める。
IP=10ms前IP+KI×ΔVW (KI:積分ゲイン)
【0054】
続くステップS44では、次式により目標増・減圧パルス時間PBを求め、これで一回のフローを終了する。
PB=PP+IP
【0055】
次に、前記図3におけるステップS8の減圧制御の具体的内容を図9のフローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップS81では、増圧時間カウンタINCTを0にリセットし、続く、ステップS82では、減圧パルス時間GAWを目標増・減圧パルス時間PBに設定した後、ステップS83に進む。
【0056】
このステップS83では、増圧実施フラグZFLAGが1にセットされているか否かを判定し、YES(ZFLAG=1)である時は、ステップS84に進んで、減圧パルス時間GAWを次式により求めると共に、
GAW=VWD×α/VIK (α:係数)
増圧実施フラグZFLAGを0にリセットした後、ステップS85に進み、また、NO(ZFLAG=0)である時は、そのままステップS85に進む。
【0057】
このステップS85では、ポート減圧出力処理を行うと共に、減圧時間タイマDECTをインクリメントた後、ステップS86に進む。
【0058】
このステップS86では、減圧時間タイマDECTが減圧パルス時間GAW以上であるか、または、車輪加速度VWDが所定値Fを越えているか否かを判定し、YES(DECT≧GAW、or、VWD>F)である時は、ステップS87に進んで、保持制御出力処理を行うと共に、減圧時間タイマDECTをデクリメントした後、これで一回のフローを終了し、また、NO(DECT<GAW、and、VWD≦F)である時は、そのままこれで一回のフローを終了する。
【0059】
次に、前記図3におけるステップS12の増圧制御の具体的内容を図10のフローチャートに基づいて説明する
まず、ステップS121では、減圧時間カウンタDECTを0にリセットし、続くステップS122では、増圧パルス時間ZAWを目標増・減圧パルス時間PBに設定した後、ステップS123に進む。
【0060】
続くステップS123では、減圧実施フラグGFLAGが1にセットされているか否かを判定し、YES(GFLAG=1)である時は、ステップS124に進んで、圧パルス時間AWを次式により求めると共に、AW=VWD×β×VIK (β:係数)
減圧実施フラグGFLAGを0にリセットした後、ステップS125に進み、また、NO(GFLAG=0)である時は、そのままステップS125に進む。
【0061】
このステップS125では、ポート増圧出力処理を行うと共に、増圧時間タイマINCTをインクリメントした後、ステップS126に進む。
このステップS126では、増圧時間タイマINCTが増圧パルス時間ZAW以上であるか否かが判定され、YES(INCT≧ZAW)である時は、ステップS127に進んで、ポート保持出力処理を行うと共に、増圧時間タイマINCTをデクリメントした後、これで一回のフローを終了し、また、NO(INCT<ZAW)である時は、そのままこれで一回のフローを終了する。
【0062】
次に、本発明の実施の形態の作用・効果を図11のタイムチャートに基づいて説明する。
(イ)アンチスキッド基本制御
本発明の実施の形態のアンチスキッド制御装置は、上述のように構成されるため、ECU40では、車輪速センサ12、16、24、26で検出された各車輪10、14、20、21の車輪速VWが擬似車体速度VIから得られる制御目標速度VWS未満となった時は車輪がロックする虞があるため、切換制御弁62を減圧制御状態に切り換えてホイールシリンダ50の液圧を減圧する減圧制御を実行して制動力を弱める。この減圧制御の実行により、車輪速度VWが減速方向から加速方向に変化し、車輪がロックするのが防止される。
【0063】
その後、以上のような減圧制御の実行により車輪加速度VWDが0g以下になると切換制御弁62を増圧制御状態に切り換えてホイールシリダ50の液圧を増圧する増圧制御を実行することにより、制動力を強めて車体の減速度不足状態の発生を防止する。
【0064】
(ロ)減速リミッタ値設定
以上のように減圧制御開始目標である各車輪の制御目標速度VWSは、擬似車体速度VIに基づき所定のスリップ率を考慮して算出され(図7)、前記擬似車体速度は、セレクトハイ車輪速度VFSおよび車体減速度VIKに所定のオフセット値(0.3g)を加算した擬似車体速度VIの減速リミッタVIDに基づいて算出される(図4のステップS25)。
【0065】
そして、前記車体減速度VIKは、車体減速度算出手段(図5)において車輪速度センサ12、16、24、26で検出された車輪速度VWに基づいて算出されると共に、加速度スイッチG_SWで推定された路面μに応じ前記車体減速度VIKおよび減速リミッタVIDに所定のリミッタをかける処理がなされる。
即ち、加速度スイッチG_SWの推定出力が高μ路判断状態Hiである時は、車体減速度VIKおよび擬似車体速度VIの減速リミッタVIDの減速リミッタ値が高μ路相当リミッタ値である1.3gに設定され、また、加速度スイッチG_SWの推定出力が低μ路判断状態Loである時は、低μ路相当リミッタ値である0.6gに設定される処理がなされる。
【0066】
(ハ)加速度スイッチ異常判断
異常判断タイマでは、コントロールユニット40による減圧制御開始時点から車輪速度VWが擬似車体速度VIまで復帰(VW≧VI)する時間のカウントが行われる一方、加速度スイッチG_SWの異状判断手段では、前記異常判断タイマのカウントTSWSOが所定の異常判断時間(1sec )以上となったか否かの判定が行われ、カウントTSWSOが1sec 未満であれば、加速度スイッチG_SWが正常に作動していると判断されるため、加速度スイッチG_SWの路面μ判断内容に基づいて、車体減速度VIKおよび擬似車体速度VIの減速リミッタVIDの減速リミッタ値の設定が行われる。
【0067】
ところが、図11に示すように、前記異常判断タイマのカウントTSWSOが1sec 以上となった場合は、実車体速度Vcar に対して擬似車体速度VIが上ずった状態となっていて車輪速度VWが擬似車体速度VIになかなか復帰せずに減圧過多状態となる異常状態である。そこで、このような場合は、実際の路面は高μ路であるにも係らず、前記加速度スイッチG_SWが低μ路判断状態Loで固定されている異常状態との判断がなされる。
【0068】
(ニ)加速度スイッチ異常判断時フェールセーフ処理
以上のように、異常判断がなされると、異常状態判断時処理として、車体減速度VIKおよび擬似車体速度VIの減速リミッタVIDの減速リミッタ値を高μ路相当リミッタ値である1.3gに設定するフェールセーフ処理がなされることにより、実車体速度Vcar に対する擬似車体速度VIの上ずり状態が修正される。
従って、実際の路面は高μ路であるにも係らず加速度スイッチG_SWが低μ路判断状態Loで固定された異状状態となった場合においても、少なくとも、減圧過多による車両減速度不足状態に陥ることを防止できるようになるという効果が得られる。
【0069】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの発明の実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、発明の実施の形態では、車輪加速度VWDが0g以下になった場合に再増圧を行うようにしたが、その他に、車輪加速度VWDが所定値(5g)以上となった場合に早めに再増圧を開始させるようにすることにより、擬似車体速度VIをきれいに作ることができるようになる。
【0070】
また、発明の実施の形態では、擬似車体速度VIの算出において各車輪速度の最大値であるセレクトハイ車輪速度VFSを用いたが、その他に、例えば、車両の走行状態に応じて2番目または3番目に高い車輪速度を選択使用するようにしてもよい。
また、発明の実施の形態では、路面摩擦係数推定手段として、加速度スイッチG_SWを用いた例を示したが、その他に、前後方向加速度センサを用いることができる。
【0071】
また、発明の実施の形態では、異常判断タイマカウントTSWLOを1sec に設定した例を示したが、これに限定されるものではなく、例えば、0.5sec 〜2.0の範囲内に設定することにより、低μ路面走行時における誤判断を防止し、かつ、制動不良状態が長くなるのを防止することができる。
【0072】
また、発明の実施の形態では、低μ路判断状態Lo時に車体減速度VIKにかけられる所定の減速リミッタ値を0.6gに設定した例を示したが、これに限定されるものではなく、例えば、0.3g〜0.7gの範囲内に設定することにより、制動距離が長くなるのを防止し、かつ、早期ロックの発生を防止することができる。
【0073】
また、発明の実施の形態では、高μ路判断状態Hi時に車体減速度VIKにかけられる所定の減速リミッタ値を1.3gに設定した例を示したが、これに限定されるものではなく、例えば、0.85g〜1.5gの範囲内に設定することにより、制動距離が長くなるのを防止し、かつ、早期ロックの発生を防止することができる。
【0074】
また、発明の実施の形態では、前記フェールセーフ処理において高μ路判断状態Hiに準じた路面摩擦係数内容に基づいて車体減速度VIKにかけられる所定の減速リミッタ値を1.3gに設定した例を示したが、これに限定されるものではなく、例えば、0.85g〜1.5gの範囲内に設定することにより、制動距離が長くなるのを防止し、かつ、早期ロックの発生を防止することができる。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明請求項1記載の4輪駆動車両におけるアンチスキッド制御装置にあっては、制動液圧制御手段による減圧制御開始時点から車輪速度が擬似車体速度まで復帰する時間をカウントする異常判断タイマと、該異常判断タイマのカウントが所定の異常判断時間以上となった時は、前記路面摩擦係数推定手段が低摩擦係数判断状態で固定された異状状態と判断する異状判断手段と、を備えている手段としたことで、路面摩擦係数推定手の故障により低摩擦係数判断状態に固定された状態になった場合においても、路面摩擦係数推定手段の推定内容に基づいて実行される各種処理について所定のフェールセーフ処理を行うことが可能になるという効果が得られる。
【0076】
また、前記異状判断手段で路面摩擦係数推定手段が異状状態と判断された時は前記路面摩擦係数推定手段の推定内容に係らず前記減速リミッタ手段において高摩擦係数推定時に準じた路面摩擦係数内容に基づいて前記車体減速度算出手段で算出された車体減速度に所定の減速リミッタをかけるフェールセーフ手段を備えている手段としたことで、加速度スイッチ(路面摩擦係数推定手段)の故障により低摩擦係数判断状態に固定された状態になった場合においても、少なくとも、過減圧状態の発生による車両減速度不足状態に陥ることを防止することができるようになるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明発明の実施の形態のアンチスキッド制御装置を示すシステム概要図である。
【図2】発明の実施の形態のアンチスキッド制御装置におけるブレーキ液圧回路構成図である。
【図3】発明の実施の形態のアンチスキッド制御装置のECUにおける基本制御内容を示す制御フローチャートである。
【図4】発明の実施の形態のアンチスキッド制御装置装置のECUにおける制御内容のうち、擬似車体速計算内容を示すフローチャートである。
【図5】発明の実施の形態のアンチスキッド制御装置装置のECUにおける制御内容のうち、車体減速度計算内容を示すフローチャートである。
【図6】発明の実施の形態のアンチスキッド制御装置装置のECUにおける制御内容のうち、加速度スイッチの異常判断・制御内容を示すフローチャートである。
【図7】発明の実施の形態のアンチスキッド制御装置装置のECUにおける制御内容のうち、制御目標速度計算内容を示すフローチャートである。
【図8】発明の実施の形態のアンチスキッド制御装置装置のECUにおける制御内容のうち、PI制御演算処理内容を示すフローチャートである。
【図9】発明の実施の形態のアンチスキッド制御装置装置のECUにおける制御内容のうち、減圧制御内容を示すフローチャートである。
【図10】発明の実施の形態のアンチスキッド制御装置装置のECUにおける制御内容のうち、増圧制御内容を示すフローチャートである。
【図11】発明の実施の形態のアンチスキッド制御装置のECUにおける制御内容のうち、加速度スイッチの異常判断・制御内容を示すタイムチャートである。
【図12】従来例のアンチスキッド制御装置における加速度スイッチの異常時の作動状態を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
10 右前輪
12 車輪速度センサ(車輪速度検出手段)
14 左前輪
16 車輪速度センサ(車輪速度検出手段)
20 右前輪
22 左前輪
24 車輪速度センサ(車輪速度検出手段)
26 車輪速度センサ(車輪速度検出手段)
40 ECU(制動液圧制御手段)
50 ホイールシリンダ(制動用シリンダ)
52 マスタシリンダ
54 主液通路
60 アクチュエータユニット
62 切換制御弁(切換制御手段)
64 リザーバ
66 液圧ポンプ
VI 擬似車体速
VW 車輪速
VWS 制御目標速度
ZFLAG 増圧実施フラグ
GFLAG 減圧実施フラグ
AS 減圧制御実施時間
THOJI 保持制御時間
PB 目標増・減圧パルス時間
VFS セレクトハイ車輪速度
LoμF 低μフラグ
VIK 車体減速度
VID 擬似車体速度の減速リミッタ値
G_SW 加速度スイッチ
TSWLO 異常判定タイマカウント
GSENF 異常判断フラグ
x 減速リミッタ定数
VO 減圧制御開始時車速
TO 車両減速度作成用タイマ
DECT 減圧時間タイマ
XX オフセット値
VWD 車輪加速度(車輪速VWの微分値)
VWM 目標スリップ車速
INCT 増圧時間タイマ
GAW 減圧パルス
α 係数
ZAW 増圧パルス
β 係数
ΔVW 偏差(目標スリップ車速と車輪速との偏差)
PP 偏差の比例分
KP 比例ゲイン
IP 偏差の積分分
KI 積分ゲイン

Claims (1)

  1. 制動液圧を発生するマスタシリンダと、
    車両における各車輪にそれぞれ配設されていて液圧供給により制動力を発生させる制動用シリンダと、
    該制動用シリンダの液圧を減圧する減圧制御状態と該液圧を保持する保持制御状態と該液圧を増圧する増圧制御状態のいずれかの状態に切り換え駆動制御可能な切換制御手段と、
    前記各車輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、
    該車輪速度検出手段で検出された車輪速度に基づいて車体減速度を算出する車体減速度算出手段と、
    前後方向加速度の変化状態から路面摩擦係数が少なくとも低摩擦係数状態か高摩擦係数状態かを推定する路面摩擦係数推定手段と、
    該路面摩擦係数推定手段で推定された路面摩擦係数に応じて前記車体減速度算出手段で算出された車体減速度に所定の減速リミッタをかける減速リミッタ手段と、
    前記車輪速度検出手段で検出された各車輪の車輪速度および前記車体減速度算出手段で算出された車体減速度に基づいて擬似車体速度を算出する擬似車体速度算出手段と、
    該擬似車体速度算出手段で算出された擬似車体速度に基づいて所定のスリップ率を考慮した車輪の制御目標速度を算出する制御目標速度算出手段と、
    前記各車輪速度検出手段で検出された車輪速度から各車輪の加速度を算出する車輪加速度算出手段と、
    前記車輪速度検出手段で検出された各車輪の車輪速度が前記制御目標速度算出手段で算出された制御目標速度となった時は前記切換制御手段を減圧制御状態に切り換えて前記制動用シリンダの液圧を減圧する減圧制御を実行し、その後、前記車輪加速度算出手段で算出された各車輪の車輪加速度が零以下になるかまたは一定値以上の車輪加速度となった場合に前記切換制御手段を増圧制御状態に切り換えて前記制動用シリンダの液圧を増圧する増圧制御を実行する制動液圧制御手段と、
    該制動液圧制御手段による減圧制御開始時点から車輪速度が擬似車体速度まで復帰する時間をカウントする異常判断タイマと、
    該異常判断タイマのカウントが所定の異常判断時間以上となった時は、前記路面摩擦係数推定手段が低摩擦係数判断状態で固定された異状状態と判断する異状判断手段と、
    該異状判断手段で前記路面摩擦係数推定手段が異状状態と判断された時は前記路面摩擦係数推定手段の推定内容に係らず前記減速リミッタ手段において高摩擦係数推定時に準じた路面摩擦係数内容に基づいて前記車体減速度算出手段で算出された車体減速度に所定の減速リミッタをかけるフェールセーフ手段と、
    を備えていることを特徴とする4輪駆動車両におけるアンチスキッド制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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