JP4055596B2 - 複合材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば発熱する半導体装置等に使用される複合材に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばパワーICやパワーモジュールパッケージなどのように発熱量が大きい半導体装置において、金属製の放熱板とセラミックス絶縁層とを、はんだ(融点が450℃未満の溶加材)によって接合することが行なわれている。
【0003】
はんだによって放熱板とセラミックス絶縁層とを接合した場合、接合後の冷却過程で放熱板とセラミックス絶縁層との間に生じる熱膨張率差による熱歪を、はんだの延性によって緩和することができる。このため、接合後の反りを小さくすることができるという利点がある。しかしながら、はんだは柔らかい故に、接合部の機械的強度が小さいという問題があった。
【0004】
この明細書で言う反りは、図8に示すように、セラミックス絶縁層1の長手方向の両端を結ぶ線分Lに対するセラミックス絶縁層1の高低変化を測定し、その最高値と最低値の差(高低差のうちの最大値)を反りとする。セラミックス絶縁層1の反りを直接測定することが難しい場合には、電気回路部2あるいは放熱板3の反りを測定することによって、セラミックス絶縁層1の反りの大きさを評価してもよい。
【0005】
はんだよりも融点が高いろう材(融点が450℃以上の溶加材)を用いることにより、接合部の機械的強度を高めることも可能である。(例えば下記特許文献1参照)
【0006】
【特許文献1】
特開2001−144234号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
溶加材の種類に関係なく、複合材は全般的に熱膨張差に起因する反りや強度低下の問題があった。ろう付けによって複合材の強度等を改善することが可能であるが、その場合でも、ろう材ははんだに比べて延性が小さいため、例えば放熱板とセラミックス絶縁層をろう付けした場合、ろう付け後の冷却過程で生じる放熱板とセラミックス絶縁層との熱膨張率差によって、許容値を超える反りが発生するという問題がある。
【0008】
許容値以上の反りが生じると、例えば半導体装置を実装する際などに位置精度を維持することができないばかりか、セラミックス絶縁層などが破壊することもある。このため反りは小さいことが望まれる。
【0009】
従って本発明の目的は、反りを抑制することのできる複合材を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1の観点に基く本発明の複合材は、金属または金属を含む複合材料からなる放熱板と、Al系セラミックスからなり前記放熱板に接合されたセラミックス絶縁層と、Al系金属からなり前記セラミックス絶縁層の前記放熱板とは反対側の面に接合された導電性の電気回路部と、を具備し、前記放熱板は、Al系金属からなり前記セラミックス絶縁層側に位置する第1の層と、前記セラミックス絶縁層とは反対側に位置しかつ前記第1の層に接合された第2の層とを有し、前記第1の層が前記第2の層よりも熱膨張率の大きな金属からなり、前記第1の層と前記セラミックス絶縁層とがAl−Si−Ge−Mg合金のろう材によって接合され、前記電気回路部と前記セラミックス絶縁層とが前記ろう材によって接合され、前記それぞれの接合部にAl−Ge−Mgの反応相が存在することを特徴とする複合材である。
【0011】
前記放熱板は3層以上であってもよい。また、1枚の放熱板上に複数のセラミックス絶縁層が配置されていてもよい。
【0012】
第2の観点に基く本発明の複合材は、金属または金属を含む複合材料からなる放熱板と、Al系セラミックスからなり前記放熱板にAl系金属からなるインサート層を介して接合されたセラミックス絶縁層と、Al系金属からなり前記セラミックス絶縁層の前記放熱板とは反対側の面に接合された導電性の電気回路部と、を具備し、前記放熱板は、Al系金属からなり前記セラミックス絶縁層側に位置する第1の層と、前記セラミックス絶縁層とは反対側に位置しかつ前記第1の層に接合された第2の層とを有し、前記第1の層が前記第2の層よりも熱膨張率の大きな金属からなり、前記電気回路部と前記セラミックス絶縁層との接合部および前記セラミックス絶縁層と前記インサート層との接合部がそれぞれAl−Si−Ge−Mg合金の第1のろう材によってろう付けされ、これら接合部にAl−Ge−Mgの反応相が存在し、前記インサート層と前記第1の層とが前記第1のろう材よりも低い温度でろう付けされる第2のろう材によってろう付けされたことを特徴とする複合材である。
【0013】
前記放熱板は3層以上であってもよい。また、1枚の放熱板上に複数のセラミックス絶縁層が配置されていてもよい。
【0014】
また、前記第1の層と第2の層との接合面において、これら第1および第2の層の少なくとも一方に、該接合面の面方向に沿う溝が形成されていてもよい。
【0015】
前記放熱板は、放熱性を高める上で熱伝導度が高いことが望ましい。このため放熱板は、金属あるいは金属を含有する複合材料からなる。例えば、アルミニウム、銅、もしくはそれらの合金からなる。また、Cu−Mo,Cu−W,Al−SiC等から構成されていてもよい。
【0016】
前記電気回路部は、導電性があり電気伝導度が高いことが望ましい。このため電気回路部は、金属あるいは金属層を含有する複合材料からなる。例えば、銀、銀合金、金、金合金、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、もしくはこれらの金属を含有する複合材料からなる。
【0017】
前記セラミックス絶縁層は、酸化物系、窒化物系などのセラミックス材料からなるものである。例えば、Mg−O系,Si−N系,Al系セラミックスの例としてAl−O系,Al−N系,あるいはこれらの系を含有する複合系である。一例として、MgO(マグネシア),Si(窒化珪素),Al(アルミナ),AlN(窒化アルミニウム)などである。
【0018】
前記放熱板とセラミックス層の接合部、およびセラミックス層と電気回路部の接合部に用いるろう材としては、例えばSi−Ge−Mgを含有するAlろうが適している。このようなろう材を用いることで接合界面にGeの濃化相を形成すれば、空隙が少なく、強固で良好な接合部を得ることができる。Mgの濃化相が形成されていると、さらに強固な接合部が得られる。
【0019】
インサート層は、熱伝導度の高い前記放熱板に例示した材料が好ましい。例えばアルミニウムあるいはアルミニウム合金からなる。この明細書で言うAl系金属とは、純粋なアルミニウムとアルミニウム合金とを含む概念である。
【0020】
複合材を構成する部材の成形方法は、金属、セラミックス材料等の一般的な成形方法を利用できる。例えば、溶融、凝固の後、圧延により板形状に成形する方法、粉末を焼結することにより、板形状に成形する方法等がある。また、めっき、蒸着、スパッタリング、溶射、スプレー法などの方法で成形し、同時に接合を行なう等の方法を用いてもよい。
【0021】
複合材を構成する部材間の接合方法は、いずれの方法でもよいが、熱伝導性の高い接合であることが望ましい。例えば、はんだ付け、ろう付けなどの溶加材を用いる方法、熱伝導性の高い接着剤や接着シートを用いる方法、めっきなどの方法によって部材を形成すると同時に接合を行なう方法、拡散接合等の加圧接着法などがよい。施工の容易さと高強度の点から特にろう付け法を用いるのがよい。放熱板の第1の層と第2の層の接合方法は、本発明の効果を高める上で、特に強度の高い接合が望まれることから、拡散接合等の加圧接着法が望ましい。
【0022】
前記放熱板の厚さは前記電気回路部の厚さの2倍以上が望ましい。放熱板の厚さが電気回路部の厚さの2倍以上(放熱板/電気回路部の厚みの比が2以上)であると、放熱性が高くなるが、反りが大きくなる。放熱板と電気回路部の厚さが同等であれば、反りを小さくすることが可能である。
【0023】
すなわち、前記セラミックス絶縁層の両面に同じ厚さの金属層(放熱板と電気回路部)が固着している場合、セラミックス絶縁層の板厚の中心軸に対して板厚方向の構成が対称形状となるので、反りが抑制される。言い換えると、セラミックス絶縁層の板厚の中心軸に対して板厚方向の対称性(厚みのバランス)が崩れると、ろう付け後の反りが大きくなる。放熱板の厚さが電気回路部の厚さの2倍以上の放熱性が良好な複合材において、反りの発生を抑制する上で本発明の効果が顕著に現れるようになる。
【0024】
また、前記電気回路部の厚さが50μm以上、さらには100μm以上で本発明の効果が顕著に現れる。使用電流が大きいと、前記電気回路部の厚さを大きくしなければならない。電流が大きくなれば、例えばパワーIC等のように発熱量が大きくなり、放熱性がさらに重要となる。
【0025】
従来のように電気回路部の厚さが50μm未満程度の場合には、発熱量が小さいため放熱性はそれほど重要でなかったが、使用電流が増加してくると、放熱のための格別な工夫が必要になり、本発明の構成とそれによる効果が有効に発揮される。電気回路部の厚さが100μm以上になると反りが顕著になるため、本発明による効果がさらに発揮される。
【0026】
放熱板の厚さは、軽量化と低コスト化の観点から10mm以下であることが望まれる。しかしながら放熱板を薄くすると反りが大きくなることから、従来は放熱板の厚さを10mm以下にすることが困難であった。しかし本発明によって反りが抑制されるため、放熱板の厚さを10mm以下にすることが可能となった。
【0027】
前記セラミックス絶縁層の面積が100mm以上(10mm×10mm角)で反り抑制効果が大きい。400mm以上でさらに効果が大きくなり、900mm以上でさらなる反り抑制効果が得られる。電気回路部の使用電流が大きくなると、半導体装置も大きなサイズが必要となる。サイズが大きくなると、反りも大きくなるため、本発明の効果がさらに発揮される。
【0028】
前記放熱板の面積は、セラミックス絶縁層と同等以上(放熱板面積/セラミックス絶縁層面積≧0.8)で反り抑制効果がある。特に、放熱板の面積がセラミックス絶縁層の面積の2倍以上(放熱板面積/セラミックス絶縁層面積≧2)にすることにより、大きな反り抑制効果が得られる。
【0029】
前記インサート層の厚さは、電気回路部の厚さと同等程度において本発明の効果が大きい。例えば、0.1<(インサート層の厚さ/電気回路部の厚さ)<2の範囲が望ましい。インサート層の厚さがこの範囲を外れると、反り抑制の効果が少ない。
【0030】
前記インサート層の面積は、セラミックス絶縁層と同等以上(インサート層の面積/セラミックス絶縁層の面積≧0.5)で反り抑制効果がある。インサート層の面積がこの範囲よりも小さいと放熱性が低下する。インサート層の面積がセラミックス絶縁層の2倍以下(インサート層の面積/セラミックス絶縁層の面積≦2)とするのがよい。インサート層の面積がセラミックス絶縁層の2倍を超えると、反りが大きくなる。
【0031】
本発明の製造方法は、放熱板と、前記放熱板に直接またはインサート層を介してろう付けされたセラミックス絶縁層と、前記セラミックス絶縁層の前記放熱板とは反対側の面にろう付けされた導電性の電気回路部と、を具備する複合材、の製造方法であって、前記放熱板と前記電気回路部を前記セラミックス絶縁層にろう付けしたのち、前記放熱板の厚みを減らす加工を行なうことによって該放熱板を所定厚さにする加工工程と、を具備している。
【0032】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
図1に示す複合材10Aは、放熱板11と、セラミックス絶縁層12と、インサート層13と、電気回路部14とを具備している。電気回路部14は金属等の導電性材料からなり、例えばパワーIC等の回路部品が実装される。電気回路部14は、セラミックス絶縁層12の放熱板11とは反対側の面にろう付けされている。放熱板11の厚さは電気回路部14の厚さの2倍以上である。
【0033】
放熱板11は、60mm×60mm角で厚さ0.5mmのアルミニウム製の第1の層11aと、60mm×60mm角で厚さ3〜5mmの銅製の第2の層11bとからなる。第1の層11aと第2の層11bとをホットプレスにより加圧しながら真空中で加熱し、540℃で1時間保持し、第1の層11aと第2の層11bとを拡散接合によって結合させている。この結合は、温間あるいは冷間ロールで連続的に加圧しながら行なってもよい。
【0034】
セラミックス絶縁層12は、30mm×30mm角、厚さ0.653mmの窒化アルミニウム(AlN)の焼結体からなり、焼結助剤として、Y(イットリア)を0.5wt%含んでいる。
【0035】
インサート層13は、30mm×30mm角、厚さ0.5mmのアルミニウム板(純度99.6%)からなる。
電気回路部14は、30mm×30mm角、厚さ0.5mmのアルミニウム板(純度99.6%)からなる。
【0036】
第1のろう付け工程において、セラミックス絶縁層12とインサート層13との間にろう材15(図2に示す)をセットし、かつ、セラミックス絶縁層12と電気回路部14との間にろう材15をセットする。ろう材15は、いずれもAl−Si−Ge−Mg組成の厚さ0.1mmの箔である。ろう材15の組成の一例は、Geが25wt%、Siが8wt%、Mgが1wt%、残部がAlである。
【0037】
そののち、電気回路部14の上に0.3kgのタングステン錘を乗せ、真空炉中で加熱し、600℃で1時間保持し、冷却することにより、セラミックス絶縁層12とインサート層13と電気回路部14をろう付けした。
【0038】
第1のろう付け工程後に行なわれる第2のろう付け工程では、放熱板11とインサート層13との間に前記ろう材16をセットし、電気回路部14の上に0.3kgのタングステン錘を乗せ、真空炉中で加熱し、500℃で1時間保持したのち冷却した。
【0039】
第1のろう材15の組成の一例は、Ge:25wt%,Si:8wt%,Mg:1wt%である。第2のろう材16の組成の一例は、Ge:45wt%,Si:6wt%,Mg:1wt%である。
【0040】
このようなろう材を用いることで、接合界面にGeの濃化相を形成すれば、空隙が少なく、強固で良好な接合部を得ることができる。Al−Ge−Mgの反応相が形成されていると、さらに強固な接合部が得られる。
【0041】
Al−Ge−Mgからなる反応相は、濃化相の最大厚さが100μm以下、さらには20μm以下とすることが望ましい。反応相の最大厚さが100μmを越えると、反応相が破壊しやすくなり、強度が低下することがある。ここで最大厚さが100μm以下とは、接合界面近傍(接合界面より500μmの範囲)に存在するGe濃化相の、接合界面に垂直な方向の長さの最大値である。
【0042】
この発明で用いるろう材は、Geを含んでいることが望ましいが、拡散によって、母材あるいは接合相手部材から、接合部にGeが供給されるようにしてもよい。ろう材にMgが含まれていればさらに望ましい。例えば重量比で5〜50%のGeと、0.5〜5%のMgが含有され、残部の主たる成分がAlであるろう材が望ましい。また重量比で4〜10%のSiと、5〜50%のGeと、0.5〜5%のMgが含有され、残部の主たる成分がAlであるろう材も望ましい。ろう材は、箔、フレーク、粉末など適宜の形状から選択できる。また、めっきやスプレー等の方法でろう材を設置してもよい。
【0043】
この実施形態では、厚さ5mmの放熱板11を用いた場合に、複合材10Aの反りを100μm未満にすることができた。厚さ3mmの放熱板11を用いた場合の複合材10Aの反りは100μm〜150μmであった。厚さ1mmの放熱板11を用いた場合の複合材10Aの反りは150μm以上であった。
【0044】
第1の層11aの厚さは、10μm以上、さらには放熱板11の全体厚さの1%〜50%以下が良い。この範囲を外れると、反りを小さくする効果が十分ではなくなる。
【0045】
なお、第1の層11aにアルミニウム以外の金属を用いてもよいし、第2の層11bに銅以外の金属を用いてもよい。要するに第1の層11aに、第2の層11bよりも熱膨張率が大きく、さらには第2の層11bよりも硬さが小さい金属を用いればよい。反りの許容値によってはインサート層13を省略できる場合もある。
【0046】
(実施形態2)
図3に示す複合材10Bは、実施形態1と同様の複合材からなる放熱板11と、セラミックス絶縁層12と、インサート層13と、厚さ0.5mmのアルミニウム製の電気回路部14を備えている。放熱板11は、60mm角で厚さ0.5mmのアルミニウム板からなる第1の層11aと、60mm角で厚さ3〜5mmの銅板からなる第2の層11bとからなる。
【0047】
第1の層11aと第2の層11bとの接合面において、第2の層11bに複数の溝20が該接合面の面方向に形成されている。溝20の幅と深さの一例は、それぞれ2mmである。これらの溝20は、冷却用の冷媒を流通させるために使用することができる。
【0048】
溝20を形成したことにより、ろう付け後の冷却過程において、熱膨張差が溝20によって緩和されることになり、反りを小さくすることができた。この複合材10Bのろう付け後の反りは100μm未満であった。なお、第1の層11aに溝20を形成してもよい。
【0049】
(実施形態3)
図4に示す複合材10Cの放熱板11は、アルミニウムとセラミックス粒子によって構成されている。セラミックス粒子の一例はSiC(炭化珪素)である。このセラミックス粒子を焼結したのち、セラミックス粒子間に溶融アルミニウムを注入し、アルミニウムを凝固させることにより、アルミニウムとセラミックスとの複合材からなる放熱板11を製造した。それ以外の構成は実施形態1と同様である。
【0050】
この複合材10Cは、厚さ10mmの放熱板11を用いた場合の反りを100μm未満にすることができた。厚さ5mmの放熱板11を用いた場合の反りは、100μm〜150μmであった。厚さ3mmの放熱板11を用いた場合の反りは150μm以上であった。
【0051】
なお、溶融アルミニウム中にセラミックス粒子を分散混合させたのちに凝固させ、圧延成形することにより、アルミニウムとセラミックスとからなる放熱板11を製造してもよい。
【0052】
このような複合材を用いることにより、単なるアルミニウム材に比べて反りを小さくすることができる。
【0053】
(実施形態4)
図5に示す複合材10Dにおいて、放熱板11に、厚さ5mm,10mm,15mmのアルミニウム板(JIS合金番号1050相当)を用いた。
セラミックス絶縁層12は、30mm×30mm角、厚さ0.653mmの窒化アルミニウム(AlN)の焼結体からなり、焼結助剤として、Y(イットリア)を0.5wt%含んでいる。
【0054】
電気回路部14は、30mm×30mm角、厚さ0.5mmのアルミニウム板(純度99.6%)からなる。
【0055】
図6に示すように、放熱板11とセラミックス絶縁層12との間にろう材15を設け、かつ、セラミックス絶縁層12と電気回路部14との間にろう材15を設けた。ろう材15は、Al−Si−Ge−Mg組成の厚さ0.1mmの箔である。
【0056】
そののち、電気回路部14の上に0.3kgのタングステン錘を乗せ、真空炉中で加熱し、600℃で1時間保持したのち冷却した。
【0057】
この実施形態では、厚さが10mmと15mmの放熱板11を用いた場合に、複合材10Dの反りを100μm未満にすることができた。しかし厚さ5mmの放熱板11を用いた場合には、ろう付け後の反りが150μm以上となった。
【0058】
そこで、厚さ10mmの放熱板11にセラミックス絶縁層12と電気回路部14をろう付けしたのちに、図5に2点鎖線Pで示すように放熱板11を切断することにより、放熱板11の厚さを5mmにした。すなわちセラミックス絶縁層12を設けた面の反対側から放熱板11の厚みを減らす加工を行なった。このように、ろう付け後に放熱板11を厚さを減らす加工を行なった場合の反りの増加は20%以下であり、結果として加工後の反りを100μm未満にすることができた。
【0059】
機械加工後の反りを抑制できる理由ははっきりしないが、板厚の大きな放熱板11がろう付け後に冷却される過程で接合部付近に塑性変形を生じ、残留応力が減少したことにより、放熱板11の厚さを減らす加工を行なっても反りが少なくてすんだものと考えられる。放熱板11の厚さを減じる機械加工は、例えば切断、研削、研磨などである。
【0060】
従来は放熱板11の厚さが10mm未満で反りを100μm未満にするには、ホットプレスによって大きな荷重を付加した状態でろう付けを行なう必要があったが、加熱・加圧設備が大掛かりとなり、実用化が困難であった。前述の製造方法によれば加圧荷重が小さくてすむため、一般的なろう付け炉を用いることにより、厚さが10mm未満の放熱板11でも反りを100μm未満にすることが可能となった。
【0061】
(実施形態5)
図7に示す複合材10Eにおいて、放熱板11は、60mm×60mm角、厚さ5〜15mmのアルミニウム板(JIS合金番号1050相当)からなる。
セラミックス絶縁層12は、30mm×30mm角、厚さ0.653mmの窒化アルミニウム(AlN)の焼結体からなり、焼結助剤としてYを0.5wt%含む。
【0062】
インサート層13は、30mm×30mm角、厚さ0.5mmのアルミニウム板(純度99.6%)である。
電気回路部14は、30mm×30mm角、厚さ0.5mmのアルミニウム板(純度99.6%)である。
【0063】
第1のろう付け工程において、セラミックス絶縁層12とインサート層13との間、およびセラミックス絶縁層12と電気回路部14との間に、実施形態1で述べた第1のろう材15をセットする。ろう材は、いずれもAl−Si−Ge−Mg組成の厚さ0.1mmの箔である。
【0064】
ろう材の組成の一例は、Geが25wt%、Siが8wt%、Mgが1wt%、残部がAlである。このようなろう材を用いることで、接合界面にGeの濃化相を形成すれば、空隙が少なく、強固で良好な接合部を得ることができる。Al−Ge−Mgの反応相が形成されていると、さらに強固な接合部が得られる。
【0065】
そののち、電気回路部14の上に0.3kgのタングステン錘を乗せ、真空炉中で加熱し、600℃で1時間保持し、冷却することにより、セラミックス絶縁層12とインサート層13と電気回路部14をろう付けした。
【0066】
第2のろう付け工程では、放熱板11とインサート層13との間に、実施形態1で述べた第2のろう材16をセットし、電気回路部14の上に0.3kgのタングステン錘を乗せ、真空炉中で加熱し、500℃で1時間保持したのち冷却した。
【0067】
この複合材10Eでは、放熱板11の厚さが10mmの場合に、反りを100μm未満にすることができた。また、放熱板11の厚さが5mmの場合の反りは100μm〜150μm、放熱板11の厚さが3mmの場合の反りは150μm以上であった。
【0068】
この実施形態においても、例えば厚さ10mmの放熱板11をろう付けしたのち放熱板11を厚さ5mmに加工する(例えば図7に2点鎖線Pで示す位置で切断する)ことにより、加工後の反りを100μm未満にすることができた。
【0069】
【発明の効果】
請求項1に記載した発明によれば、セラミックス絶縁層に放熱板と電気回路部が接合された複合材において、熱膨張差によって生じる反りを小さくすることができる。本発明は熱歪に起因する反り等の不具合を抑制する上で効果があり、特にろう付けによる接合部を有する複合材に大きな効果を発揮できる。
【0070】
請求項2に記載した発明によれば、セラミックス絶縁層と放熱板とがインサート層を介して接合された複合材において、熱膨張差によって生じる反りを小さくすることができる。
【0071】
請求項3に記載した発明によれば、放熱板を構成する第1および第2の層の少なくとも一方に溝を形成することにより、熱膨張差によって生じる反りを小さくすることができる。
【0072】
請求項1,2に記載した接合部は、Al−Ge−Mgの反応相が存在することによって、接合部の強度がきわめて高くなり、接合後の熱応力に十分耐えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る複合材を模式的に示す側面図。
【図2】図1に示された複合材をろう付けする前の状態を示す側面図。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る複合材を模式的に示す断面図。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る複合材を模式的に示す断面図。
【図5】本発明の第4の実施形態に係る複合材を模式的に示す断面図。
【図6】図5に示された複合材をろう付けする前の状態を示す側面図。
【図7】本発明の第5の実施形態に係る複合材を模式的に示す断面図。
【図8】複合材の反りを模式的に示す側面図。
【符号の説明】
10A,10B,10C,10D,10E…複合材
11…放熱板
11a…第1の層
11b…第2の層
12…セラミックス絶縁層
13…インサート層
14…電気回路部
15…ろう材

Claims (3)

  1. 金属または金属を含む複合材料からなる放熱板と、
    Al系セラミックスからなり前記放熱板に接合されたセラミックス絶縁層と、
    Al系金属からなり前記セラミックス絶縁層の前記放熱板とは反対側の面に接合された導電性の電気回路部と、を具備し、
    前記放熱板は、
    Al系金属からなり前記セラミックス絶縁層側に位置する第1の層と、
    前記セラミックス絶縁層とは反対側に位置しかつ前記第1の層に接合された第2の層とを有し、
    前記第1の層が前記第2の層よりも熱膨張率の大きな金属からなり、前記第1の層と前記セラミックス絶縁層とがAl−Si−Ge−Mg合金のろう材によって接合され、前記電気回路部と前記セラミックス絶縁層とが前記ろう材によって接合され、前記それぞれの接合部にAl−Ge−Mgの反応相が存在することを特徴とする複合材。
  2. 金属または金属を含む複合材料からなる放熱板と、
    Al系セラミックスからなり前記放熱板にAl系金属からなるインサート層を介して接合されたセラミックス絶縁層と、
    Al系金属からなり前記セラミックス絶縁層の前記放熱板とは反対側の面に接合された導電性の電気回路部と、
    を具備し、
    前記放熱板は、
    Al系金属からなり前記セラミックス絶縁層側に位置する第1の層と、
    前記セラミックス絶縁層とは反対側に位置しかつ前記第1の層に接合された第2の層とを有し、
    前記第1の層が前記第2の層よりも熱膨張率の大きな金属からなり、前記電気回路部と前記セラミックス絶縁層との接合部および前記セラミックス絶縁層と前記インサート層との接合部がそれぞれAl−Si−Ge−Mg合金の第1のろう材によってろう付けされ、これら接合部にAl−Ge−Mgの反応相が存在し、前記インサート層と前記第1の層とが前記第1のろう材よりも低い温度でろう付けされる第2のろう材によってろう付けされたことを特徴とする複合材。
  3. 前記第1の層と第2の層との接合面において、これら第1および第2の層の少なくとも一方に、該接合面の面方向に沿う溝が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の複合材。
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